JPH11114286A - ドラム式洗濯乾燥機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 洗濯乾燥機本体内に略水平方向の回転軸を中
心に回転自在に配設した回転ドラム内で、洗浄、すす
ぎ、脱水、乾燥を行うドラム式洗濯乾燥機において、乾
燥行程において、高温多湿な乾燥空気が洗剤ケース内に
侵入するのを防止し、洗剤ケースからの結露水の滴下を
なくし、水蒸気の漏れをなくする。 【解決手段】 略水平方向に設けた回転軸を中心に回転
自在に回転ドラムを配設し、この回転ドラムを洗濯乾燥
機本体内に弾性的に支持した外槽３に内包し、この外槽
３に洗剤を流入させる洗剤ケース１６を設け、洗剤ケー
ス１６と外槽３をつなぐ給水経路２７にトラップ部２８
を設けたものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、洗濯乾燥機本体内
に略水平方向の回転軸を中心に回転自在に配設した回転
ドラム内で、洗浄、すすぎ、脱水、乾燥を行うドラム式
洗濯乾燥機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種のドラム式洗濯乾燥機は、
図５から図７に示すように構成していた。以下、その構
成について説明する。

【０００３】図５および図６に示すように、回転ドラム
１は、外周部に多数の通水孔２を全面に設け、外槽３内
に回転自在に配設している。回転ドラム１の回転中心に
回転軸４の一端を略水平方向に固定し、回転軸４の他端
に従動プーリー５を固定している。従動プーリー５は、
ベルト６を介してモータ７に固定された主動プーリー８
と連動されている。外槽３は、洗濯乾燥機本体９よりば
ね体１０で揺動可能に吊り下げ、防振ダンパー１１によ
り脱水起動時の振動が低減され、かつ定常脱水時の振動
が洗濯乾燥機本体９に伝達されないように防振支持され
ている。

【０００４】外槽３の底部に排水ホース１２の一端を接
続し、排水ホース１２の他端を排水ポンプ１３に接続し
て外槽３内の洗濯水および乾燥行程時の熱交換のための
冷却水２８を排水するようにしている。給水弁１４は、
洗濯水および乾燥時の熱交換冷却水２８を給水するもの
である。洗浄行程において、給水弁１４により洗濯乾燥
機本体９内に流入した水は、給水ホース１５を介して外
槽３内に洗剤を供給するための洗剤ケース１６を通過
し、洗濯水、洗剤を給水経路１７を介して外槽３内に供
給する。

【０００５】給水経路１７は、図７に示すように構成し
ており、洗剤ケース１６から外槽３に略直線で連結され
ている。

【０００６】熱交換器１８は、その一端を外槽３の下部
に接続し、他端をファンケース１９に接続している。フ
ァンケース１９内に送風ファン２０を内包し、乾燥モー
タ２１により駆動される。乾燥ヒータ２２は、送風経路
２３内に設置されている。サーミスタ２４は乾燥終了検
知を行うためのセンサーである。

【０００７】制御装置２５は、モータ７、排水ポンプ１
３、給水弁１４、乾燥モータ２１、乾燥ヒータ２２など
の動作を制御し、洗浄、すすぎ、脱水、乾燥などの一連
の行程を逐次制御する。

【０００８】上記構成において動作を説明すると、蓋２
６を開いて回転ドラム１内に衣類を投入し、電源スイッ
チ（図示せず）をオンした後、制御装置２５に設けたス
タートスイッチ（図示せず）を操作して運転を開始する
と、給水弁１４が動作して給水を開始する。給水弁１４
より給水された洗濯水は、給水ホース１５を介して洗剤
ケース１６内に入り、洗剤ケース１６内の洗剤を溶かし
て、給水経路１７を経て外槽３内に内に供給される。

【０００９】水位検知手段（図示せず）により所定の水
位を検知すると給水を停止し、モータ７を駆動し、洗浄
行程を行う。洗浄行程が終了すると、排水ポンプ１３が
動作して外槽３内の洗濯水を排水する。すすぎ行程にお
いても洗浄行程と同様の動作を行う。脱水行程では、回
転ドラム１が高速で回転し遠心脱水される。

【００１０】乾燥行程においては、送風ファン２０によ
り乾燥ヒータ２２で温められた乾燥空気を外槽３内に送
風経路２３を経て送風する。外槽３内に送風された温風
により衣類が乾燥され、衣類の水分を含んだ乾燥空気
は、熱交換器１８で給水弁１４より矢印方向に供給され
た冷却水により熱交換され、凝縮水として排水ホース１
２を経て、冷却水と共に排水ポンプ１３により洗濯乾燥
機本体９外へ排水される。

【００１１】熱交換された乾燥空気は、再び乾燥ヒータ
２２により温められ、外槽３内に送風される。このと
き、回転ドラム１は、モータ７により所定の回転数で回
転駆動され、回転ドラム１内の衣類を攪拌している。こ
のようにして乾燥行程は進行し、サーミスタ２４により
乾燥終了を検知するまで運転される。

【００１２】

【発明が解決しようとする課題】このような従来の構成
では、乾燥行程において、高温多湿な乾燥空気が給水経
路１７から洗剤ケース１６内に漏れ、洗剤ケース１６内
で結露し、更には洗剤ケース１６から洗濯乾燥機本体９
外へ漏れ出てしまう。洗剤ケース１６内に結露した水
は、洗剤ケース１６を引き出した場合に、床面に水滴が
落ちるという問題を有していた。更に、洗剤ケース１６
より洗濯乾燥機本体９外へ漏れ出た水蒸気は室内の環境
を悪くするという問題を有していた。

【００１３】本発明は上記課題を解決するもので、乾燥
行程において、高温多湿な乾燥空気が洗剤ケース内に侵
入するのを防止し、洗剤ケースからの結露水の滴下をな
くし、水蒸気の漏れをなくすることを目的としている。

【００１４】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、略水平方向に設けた回転軸を中心に回転自
在に回転ドラムを配設し、この回転ドラムを洗濯乾燥機
本体内に弾性的に支持した外槽に内包し、この外槽に洗
剤を流入させる洗剤ケースを設け、洗剤ケースと外槽を
つなぐ給水経路にトラップ部を設けたものである。

【００１５】これにより、洗濯、すすぎ、脱水が終了し
た後にトラップ部に水が溜まり、給水経路が水封される
ため、乾燥行程において、高温多湿な乾燥空気が洗剤ケ
ース内に侵入するのを防止することができ、洗剤ケース
からの結露水の滴下をなくすることができるとともに、
水蒸気の漏れをなくすることができる。

【００１６】

【発明の実施の形態】本発明の請求項１に記載の発明
は、略水平方向に設けた回転軸を中心に回転自在に配設
した回転ドラムと、この回転ドラムを内包し洗濯乾燥機
本体内に弾性的に支持した外槽と、この外槽に洗剤を流
入させる洗剤ケースとを備え、前記洗剤ケースと前記外
槽をつなぐ給水経路にトラップ部を設けたものであり、
洗濯、すすぎ、脱水行程終了後、トラップ部により給水
経路を水封することができ、乾燥行程おいて、高温多湿
な乾燥空気が洗剤ケース内に侵入するのを防止すること
ができ、洗剤ケースからの結露水の滴下をなくすること
ができるとともに、水蒸気の漏れをなくすることができ
る。

【００１７】請求項２に記載の発明は、上記請求項１に
記載の発明において、洗浄、すすぎ、脱水、乾燥などの
一連の行程を逐次制御する制御装置を備え、前記制御装
置は、洗浄行程、すすぎ行程、脱水行程終了後、乾燥行
程に移る前に所定時間給水を行ってから乾燥行程を運転
するよう構成したものであり、脱水行程における振動な
どでトラップ部の水がなくなってしまった場合でも、確
実に水封状態とすることができ、乾燥行程での水蒸気漏
れを防止することができる。

【００１８】請求項３に記載の発明は、上記請求項１ま
たは２に記載の発明において、トラップ部に電極センサ
ーを設けたものであり、脱水行程終了後にトラップ部が
水封状態にあるかを検知することができ、水封状態にな
い場合は給水を行い確実に水封状態とし、乾燥行程の水
蒸気の漏れを防止することができる。

【００１９】請求項４に記載の発明は、上記請求項１ま
たは２に記載の発明において、トラップ部に圧力センサ
ーを設けたものであり、脱水行程終了後にトラップ部が
水封状態にあるかを検知することができ、水封状態にな
い場合は給水を行い確実に水封状態とし、乾燥行程の水
蒸気の漏れを防止することができる。

【００２０】

【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
しながら説明する。なお、従来例と同じ構成のものは同
一符号を付して説明を省略する。

【００２１】（実施例１）図２に示すように、給水弁１
４は、洗濯水を外槽３内に給水するものであり、給水弁
１４により洗濯乾燥機本体９内に流入した水は、給水ホ
ース１５を介して外槽３内に洗剤を供給するための洗剤
ケース１６を通過し、洗濯水、洗剤を外槽３内に供給す
る。

【００２２】給水経路２７は、洗剤ケース１６と外槽３
を接続し、図１に示すように構成しいる。給水経路２７
は、トラップ部２８を有しており、給水弁１４から供給
された水は、洗剤ケース１６内の洗剤を溶かし、給水経
路２７のトラップ部２８を経て外槽３内に供給するよう
に構成している。他の構成は従来例と同じである。

【００２３】上記構成において動作を説明すると、蓋２
６を開いて回転ドラム１内に衣類を投入し、電源スイッ
チ（図示せず）をオンした後、制御装置２９に設けたス
タートスイッチ（図示せず）を操作して運転を開始する
と、給水弁１４が動作して給水を開始する。水位検知手
段（図示せず）により所定の水位を検知すると給水を停
止し、モータ７を駆動し、洗浄行程を行う。洗浄行程が
終了すると、排水ポンプ１３を動作して外槽３内の洗濯
水を排水する。すすぎ行程においても洗浄行程と同様の
動作を行う。脱水行程では、回転ドラム１が高速で回転
し遠心脱水される。

【００２４】洗浄行程またはすすぎ行程の給水時に、給
水弁１４より給水され、給水終了後、給水経路２７に設
けたトラップ部２８に水３０が溜まり、給水経路２７は
水封状態となる。

【００２５】脱水行程終了後、乾燥行程を開始し、高温
多湿な乾燥空気が送風ファン２０により、外槽３の下部
より熱交換器１８、乾燥ヒータ２２、送風経路２３、そ
して再び外槽３というように循環されても、給水経路２
７がトラップ部２８に溜まっている水３０により水封さ
れているため、水蒸気の洗剤ケース１６への漏れを防止
することができる。

【００２６】したがって、乾燥行程おいて、高温多湿な
乾燥空気が洗剤ケース１６内に侵入するのを防止するこ
とができ、洗剤ケース１６からの結露水の滴下をなくす
ることができるとともに、水蒸気の漏れをなくすること
ができる。

【００２７】（実施例２）図２における制御装置２９
は、モータ７、排水ポンプ１３、給水弁１４、乾燥モー
タ２１、乾燥ヒータ２２などの動作を制御し、洗浄、す
すぎ、脱水、乾燥などの一連の行程を逐次制御するとと
もに、洗浄行程、すすぎ行程、脱水行程終了後、乾燥行
程に移る前に所定時間給水を行ってから乾燥行程を運転
するよう構成している。他の構成は上記実施例１と同じ
である。

【００２８】上記構成において動作を説明すると、洗浄
行程またはすすぎ行程の給水時に、給水弁１４より給水
され、給水終了後、給水経路２７に設けたトラップ部２
８に水３０が溜まり、給水経路２７は水封状態となる。
脱水行程に入ると、振動などによりトラップ部２８の水
３０がなくなってしまう場合がある。

【００２９】この場合でも、脱水行程終了後、乾燥行程
に移る前に所定時間給水を行ってから乾燥行程を運転す
ることで、給水経路２７を確実に水封状態とすることが
でき、乾燥行程での水蒸気漏れを防止することができ
る。

【００３０】（実施例３）図３に示すように、給水経路
３１は、洗剤ケース１６と外槽３を接続し、トラップ部
３２を有しており、トラップ部３２に電極センサー３３
を設けている。他の構成は上記実施例１または２と同じ
である。

【００３１】上記構成において動作を説明すると、洗浄
行程またはすすぎ行程の給水時に、給水弁１４より給水
され、給水終了後、給水経路３１に設けたトラップ部３
２に水３０が溜まり、給水経路３１は水封状態となる。
脱水行程に入ると、振動などによりトラップ部３２の水
３０がなくなってしまう場合がある。

【００３２】脱水行程終了後に、電極センサー３３によ
りトラップ部３２が水封状態にあるかを検知することが
でき、水封状態にない場合は、給水を行い確実に水封状
態とし、乾燥行程の水蒸気の漏れを防止することができ
る。

【００３３】（実施例４）図４に示すように、給水経路
３４は、洗剤ケース１６と外槽３を接続し、トラップ部
３５を有しており、トラップ部３５に圧力センサー３６
を設けている。他の構成は上記実施例１または２と同じ
である。

【００３４】上記構成において動作を説明すると、洗浄
行程またはすすぎ行程の給水時に、給水弁１４より給水
され、給水終了後、給水経路３４に設けたトラップ部３
５に水３０が溜まり、給水経路３４は水封状態となる。
脱水行程に入ると、振動などによりトラップ部３５の水
３０がなくなってしまう場合がある。

【００３５】脱水行程終了後に、圧力センサー３６によ
りトラップ部３５が水封状態にあるかを検知することが
でき、水封状態にない場合は、給水を行い確実に水封状
態とし、乾燥行程の水蒸気の漏れを防止することができ
る。

【００３６】

【発明の効果】以上のように本発明の請求項１に記載の
発明によれば、略水平方向に設けた回転軸を中心に回転
自在に配設した回転ドラムと、この回転ドラムを内包し
洗濯乾燥機本体内に弾性的に支持した外槽と、この外槽
に洗剤を流入させる洗剤ケースとを備え、前記洗剤ケー
スと前記外槽をつなぐ給水経路にトラップ部を設けたか
ら、洗濯、すすぎ、脱水行程終了後、トラップ部により
給水経路を水封することができ、乾燥行程おいて、高温
多湿な乾燥空気が洗剤ケース内に侵入するのを防止する
ことができ、洗剤ケースからの結露水の滴下をなくする
ことができるとともに、水蒸気の漏れをなくすることが
できる。

【００３７】また、請求項２に記載の発明によれば、洗
浄、すすぎ、脱水、乾燥などの一連の行程を逐次制御す
る制御装置を備え、前記制御装置は、洗浄行程、すすぎ
行程、脱水行程終了後、乾燥行程に移る前に所定時間給
水を行ってから乾燥行程を運転するよう構成したから、
脱水行程における振動などでトラップ部の水がなくなっ
てしまった場合でも、確実に水封状態とすることがで
き、乾燥行程での水蒸気漏れを防止することができる。

【００３８】また、請求項３に記載の発明によれば、ト
ラップ部に電極センサーを設けたから、脱水行程終了後
にトラップ部が水封状態にあるかを検知することがで
き、水封状態にない場合は給水を行い確実に水封状態と
し、乾燥行程の水蒸気の漏れを防止することができる。
さらに、電極センサーによりトラップ部の水位を検知す
ることができるので、給水しすぎて乾燥前の衣類を濡ら
してしまうことがない。

【００３９】また、請求項４に記載の発明によれば、ト
ラップ部に圧力センサーを設けたから、脱水行程終了後
にトラップ部が水封状態にあるかを検知することがで
き、水封状態にない場合は給水を行い確実に水封状態と
し、乾燥行程の水蒸気の漏れを防止することができる。
さらに、圧力センサーによりトラップ部の水位を検知す
ることができるので、給水しすぎて乾燥前の衣類を濡ら
してしまうことがない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例のドラム式洗濯乾燥機の
給水経路の断面図

【図２】同ドラム式洗濯乾燥機の給水経路で断面した断
面図

【図３】本発明の第３の実施例のドラム式洗濯乾燥機の
給水経路の断面図

【図４】本発明の第４の実施例のドラム式洗濯乾燥機の
給水経路の断面図

【図５】従来のドラム式洗濯機の給水経路で断面した断
面図

【図６】同ドラム式洗濯乾燥機の乾燥経路で断面した断
面図

【図７】同ドラム式洗濯乾燥機の給水経路の断面図

【符号の説明】

１ 回転ドラム ３ 外槽 ４ 回転軸 ９ 洗濯乾燥機本体 １６ 洗剤ケース ２７ 給水経路 ２８ トラップ部

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 略水平方向に設けた回転軸を中心に回転
   自在に配設した回転ドラムと、この回転ドラムを内包し
   洗濯乾燥機本体内に弾性的に支持した外槽と、この外槽
   に洗剤を流入させる洗剤ケースとを備え、前記洗剤ケー
   スと前記外槽をつなぐ給水経路にトラップ部を設けたド
   ラム式洗濯乾燥機。
2. 【請求項２】 洗浄、すすぎ、脱水、乾燥などの一連の
   行程を逐次制御する制御装置を備え、前記制御装置は、
   洗浄行程、すすぎ行程、脱水行程終了後、乾燥行程に移
   る前に所定時間給水を行ってから乾燥行程を運転するよ
   う構成した請求項１記載のドラム式洗濯乾燥機。
3. 【請求項３】 トラップ部に電極センサーを設けた請求
   項１または２記載のドラム式洗濯乾燥機。
4. 【請求項４】 トラップ部に圧力センサーを設けた請求
   項１または２記載のドラム式洗濯乾燥機。