JPH11112953A - 撮影装置および画像通信装置 - Google Patents

撮影装置および画像通信装置

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JPH11112953A
JPH11112953A JP9264458A JP26445897A JPH11112953A JP H11112953 A JPH11112953 A JP H11112953A JP 9264458 A JP9264458 A JP 9264458A JP 26445897 A JP26445897 A JP 26445897A JP H11112953 A JPH11112953 A JP H11112953A
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幸治 細野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被写体が撮影範囲に入っていることを容易に
確認させる。 【解決手段】 画像通信装置1のカメラ部のレンズ16
の近傍に、発光素子14が設置される。発光素子14
は、被写体である使用者の顔が存在するべき基準位置に
向かって、光を放射する。使用者は、発光素子14から
の光がはっきり見えるように、画像通信装置1と自らの
顔との位置関係を調整する。これによって、使用者の顔
がカメラ部の撮影範囲に確実に入っているか否かを確認
することができる。また、発光素子14の前方に凸レン
ズを設置することによって、使用者は、その射出面内
で、射出面と発光素子16の光軸の交点と発光素子14
からの光によって光る部分との位置関係に基づいて、基
準位置からの顔がずれた方向を知ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、人を被写体として
撮影する撮影装置、および撮影装置によって撮影した被
写体の像を相手側通信装置に送信する画像通信装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】音声通信を目的とした通信装置におい
て、音声信号に加えて画像信号を同時に送受することが
できる画像通信装置、たとえばテレビジョン電話装置が
登場してきている。この画像通信装置では、たとえば、
画像通信装置の使用者が音声をマイクロフォンに入力す
ることと同時にカメラ等の撮影装置によって使用者を撮
影し、マイクロフォンから出力される音声信号と撮影装
置から出力される画像信号とを、相手側の画像通信装置
に送信する。相手側の画像通信装置では、音声信号をス
ピーカによって音響表示すると共に、画像信号を表示装
置の表示領域に目視表示する。この動作を両画像通信装
置が並行して行うことによって、画像信号および音声信
号の双方向通信を行う。特に近年、この画像通信装置と
して、携帯可能な小型の画像通信端末が考えられてい
る。
【0003】画像通信装置の撮影装置が使用者を被写体
として撮影するには、撮影装置の予め定める基準位置、
たとえば撮影装置の撮影範囲のほぼ中心に使用者がいる
必要がある。使用者が基準位置にいるか否かの位置確認
を行うための第1の従来技術では、撮影装置から出力さ
れる画像信号が表す画像を使用者自身に目視させ、使用
者が画像の中心に写っているかどうかを確認させる。こ
のためには、表示装置の表示領域を分割して、相手側通
信装置からの画像信号と撮影装置からの画像信号とを、
分割した各領域にそれぞれ目視表示する。携帯用の画像
通信端末はできるだけ小型であることが求められるの
で、相手側通信装置からの画像信号だけを表示した場合
の表示装置よりも表示領域が広い表示装置を搭載するこ
とは困難である。ゆえに、この従来技術のための構成を
携帯用の画像通信端末に設置した場合、撮影装置からの
画像信号が表す画像が小さくなり、使用者が画像の中心
に写っているか否かを確認することが困難になる。
【0004】また第1の従来技術を実現するために、相
手側通信装置からの画像信号を表示する表示装置とは別
に、撮影装置からの画像信号を目視表示するための表示
装置を設けることもある。この場合、後者の表示装置を
搭載したために、画像通信装置の部品点数が増加するの
で、小型化が困難になる。ゆえに、この画像通信装置は
携帯用の画像通信端末に適さなくなる。
【0005】また、位置確認のための第2の従来技術と
して、実開平2−68581号公報の静止画テレビ電話
機が挙げられる。この電話機のカメラの近くには鏡が設
けられ、鏡に映る使用者の像を目視することができるか
否かを使用者自身に判定させることによって、位置確認
を行わせる。このためには使用者の顔全体が鏡に映るこ
とが望まれるが、顔全体を映すことができる鏡は大きく
なりがちであって小型化が困難である。したがって、こ
の鏡を携帯用の画像通信端末に搭載することは困難であ
る。
【0006】さらにまた、位置確認のための第3の従来
技術として、特開平8−136984号公報の撮像装置
が挙げられる。この撮像装置の本体には、撮影範囲を含
む範囲に存在する物体を映すための凸面鏡が設けられ、
その反射面に使用者が映るか否かを使用者自身に判定さ
せることによって、位置確認を行わせる。この反射面に
映る物体の像は歪み物体の実際の形状と一致しないの
で、見苦しくかつ見にくい。ゆえに、凸面鏡に使用者が
映っているか否かを確認することが困難になる。
【0007】また、位置確認のための第4の従来技術と
して、実開平2−130181号公報のテレビ電話装置
が挙げられる。この電話装置のカメラの前部には、撮影
範囲全域に存在する物体を映す凸面ハーフミラーが設け
られ、その反射面に使用者自身が映るか否かを判定させ
ることによって、位置確認を行う。このハーフミラーの
反射面が凸面なので物体の像が歪み、そのために使用者
が映っているか否かの確認が難しい。またこのハーフミ
ラーのために、電話装置の外部からカメラに入射する光
量がハーフミラーがない場合よりも低下する。このた
め、この撮影装置によってハーフミラーがない撮影装置
と同じ明るさの画像を撮影するには、ハーフミラーがな
い場合よりも強い光を使用者に照射する必要がある。こ
れらのことから、この電話装置では、ハーフミラーのた
めに光の利用効率が悪くなる。
【0008】さらにまた、位置確認のための第5の従来
技術として、特開平2−63286号公報のテレビジョ
ン電話装置が挙げられる。この電話装置には、相互に直
交する方向に平行でねじれの位置にある棒状の2本のマ
ーカを備えた照準器が備えられ、両マーカの位置関係を
使用者に目視比較させることによって、位置確認を行わ
せる。この照準器の構造は複雑になり易く、小型化は困
難である。また使用者が照準器の使用に不慣れな場合は
目視比較がしにくくなるので、確認が難しい。
【0009】位置確認のための第6の従来技術として、
特開平6−22306号公報の画像通信端末装置が挙げ
られる。この電話装置には、カメラ部の撮影用レンズの
前方に、内寸法が異なる2枚の画角確認フレームが設置
され、両フレームの内側のエッジラインの位置関係を使
用者に目視比較させることによって、位置確認を行わせ
る。このフレームは撮影用レンズを囲まなければならな
いので小型化は困難である。またこのフレームを用いた
位置確認に不慣れな場合は、確認が難しい。
【0010】
【発明が解決するべき課題】本発明の目的は、被写体と
なる使用者が基準位置にいるか否かを、小型化が容易か
つ構成が簡単な部品を用いて使用者自身に確認させるこ
とができる撮影装置および画像通信装置を提供すること
である。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、予め定める撮
影範囲内にある被写体を撮影する撮影手段と、撮影範囲
内の予め定める基準位置およびその近傍に向かって、光
を放射する発光手段とを含むことを特徴とする撮影装置
である。
【0012】本発明に従えば、撮影装置は、上述の発光
手段を備える。たとえば、この撮影装置を用い人を被写
体とする場合、その人に発光手段からの光が見えれば、
その人は撮影範囲内に存在すると考えられる。これによ
って、発光手段からの光が見えるか否かを被写体である
人が判定するだけで、自分が撮影範囲内部にいるか否か
を、その人自身に容易に確認させることができる。撮影
範囲内にある物体は撮影装置によって確実に撮影される
ので、上述の位置確認を行い、発光手段からの光が見え
る位置に人が常にいるように人と撮影手段との位置関係
の調整を行わせることによって、撮影手段と人との位置
関係に起因して上述の画像信号が表す画像に人の像が含
まれないことを未然に防止することができる。また撮影
装置には、被写体の位置確認のための装置の部品とし
て、発光手段だけが追加される。ゆえに、この位置確認
は、極めて簡単な構成によって実現することができる。
したがって、位置確認のための装置およびそれを含む撮
影装置を容易に小型化することができると共に、該両装
置の製造コストを低減させることができる。
【0013】また本発明は、予め定める撮影範囲内にあ
る被写体を撮影手段によって撮影し、撮影手段から出力
される画像信号を相手側通信装置との間で送受する画像
通信装置において、撮影範囲内の予め定める基準位置お
よびその近傍に向かって、光を放射する発光手段を含む
ことを特徴とする画像通信装置である。
【0014】本発明に従えば、画像通信装置は、被写体
の位置確認のための装置の部品として、発光手段を備え
る。これによって、請求項1の撮影装置と同じ理由によ
って、被写体である人自身に、自分が撮影範囲内にいる
か否かを容易に確認させることができる。また、位置確
認のための装置を、容易に小型化することができる。し
たがって、この位置確認のための装置を取付けたため
に、画像通信装置の部品点数が増加して画像通信装置が
大型化することを未然に防止することができる。したが
って、この位置確認のための装置をたとえば携帯用の画
像通信端末に組込む場合にも、該端末が大型化して携帯
用に適さなくなることを未然に防止することができる。
また、画像通信装置の製造コストを低減させることがで
きる。
【0015】また本発明は、前記発光手段は、前記撮影
範囲内だけに光を放射する指向性を持つことを特徴とす
る。
【0016】本発明に従えば、前記発光手段は、上述の
ような指向性を持つ。このような指向性を持つ光は、被
写体である人が撮影範囲内いる場合には見え、人が撮影
範囲の外にいるときは見えない。したがって、たとえば
この光が見えるか否かによって、人が撮影範囲内にいる
か否かを確実に確認させることができる。
【0017】また本発明は、前記発光手段から放射され
た光を予め定める射出面から射出させ、かつ、光の強度
を、射出面内で光が射出した点が射出面と前記発光手段
の光軸との交点から離れるほど小さくする光学手段をさ
らに含むことを特徴とする。
【0018】本発明に従えば、画像通信装置には、位置
確認のための装置の部品として、発光手段に加えて、発
光手段の光の出射表面を見かけ上拡大するために、光学
手段が設けられる。被写体である人がこの光学手段の射
出面を観察すると、被写体である人に向かって射出する
光が通過した部分が光って見える。この人の位置が基準
位置からずれている場合、前記部分の位置が、基準位置
から見て人の位置がある方向と同じ方向に、前記交点か
らずれる。また、上述のように光の強度が変えられてい
るので、人の位置が基準位置からずれるほど、前記部分
の明るさが暗くなる。
【0019】これによって、画像通信装置は、射出面の
前記部分の位置およびその明るさに基づいて、被写体で
ある人に自分が基準位置にいるか否かを確認させること
ができると共に、自分の位置が基準位置がずれている場
合にそのずれの方向を認識させることができる。人の位
置が基準位置からずれている場合、人は、前記部分がず
れた方向と逆方向に自分の位置を移動させるか、画像通
信装置を前記部分がずれた方向と同じ方向に移動させ
る。これによって、人と画像通信装置との位置関係を、
人が確実に撮影されるように、容易に調整させることが
できる。
【0020】また本発明は、前記光学手段は、凸レンズ
であることを特徴とする。
【0021】本発明に従えば、光学手段は凸レンズによ
って実現され、その表面が射出面に相当する。凸レンズ
は、構造が簡単であるので小型化が容易である。また、
入手も容易であって製造コストも安い。したがって、被
写体である人の位置関係の確認と基準位置から見て人が
いる方向の把握とを容易に行わせることができる請求項
4の画像通信装置を、容易に小型化することができ、か
つ容易に製造コストを低減することができる。
【0022】また本発明は、前記光学手段の前記射出面
内にあり前記交点を含む予め定める領域から射出される
光を遮光する遮光手段をさらに含むことを特徴とする。
【0023】本発明に従えば、前記光学手段から射出さ
れる光のうち、前記交点を含む領域から射出される光
は、遮光手段によって遮光される。これは、以下の理由
からである。前述したように、光学手段から射出される
光の強度は、その光が射出する点が前記交点に近い程強
い。ゆえに、前記交点から最も遠い点から射出された光
の強度を或る強度に設定した場合、それよりも強い強度
の光が交点およびその近傍の点から射出されるために、
前記交点およびその近傍の点から射出した光の強度が必
要以上に強くなることによって、使用者が眩しいと感じ
る可能性がある。これを防止するために、上述の遮光手
段を設け、強度が必要以上に強い光が使用者の目に入る
ことを未然に防止する。これによって、位置確認のため
の装置の使い勝手を改善することができる。したがっ
て、この画像通信装置は、使用者に眩しさを感じさせる
ことなく、被写体である人の位置関係の確認と、基準位
置から見て人がいる方向の把握とを容易に行わせること
ができる。
【0024】また本発明は、前記撮影手段から出力され
る画像信号が表す画像を表示する表示手段をさらに含
み、前記発光手段の光の放射方向は、可変であり、前記
被写体の像が画像内の予め定める位置にある場合に前記
発光手段から放射された光が前記基準位置に向かうよう
に、前記発光手段の光の放射方向を変更させることを特
徴とする。
【0025】本発明に従えば、発光手段の光の放射方向
は可変であり、画像内の被写体の像の位置を参照して、
上述のように変更させる。これは、以下の理由からであ
る。人には両眼視差があり、これには個人差がある。こ
の両眼視差のために、発光手段の光軸が眉間を通る場合
でも、発光手段が顔の正面からずれているように人に感
じられることがある。この場合、人の像が画像内の前記
予め定める位置に表示される場合における撮影手段に対
する人の位置が、撮影手段の基準位置に相当する。ゆえ
に、この基準位置に人がいる状態で、発光手段からの光
がはっきり見えるまで発光手段の光軸を移動させること
によって、その光の放射方向を調整する。これによっ
て、個人差のある両眼視差のために、発光手段を用いた
位置関係の確認において、使用者が位置を誤認すること
を未然に防止することができる。したがって、両眼視差
に起因した人の位置のずれを補正することができる。
【0026】また本発明は、前記発光手段は、発光ダイ
オードであることを特徴とする。
【0027】本発明に従えば、発光手段として発光ダイ
オードが用いられる。発光ダイオードは、他の発光手段
と比較して構造が簡単であるので、小型化が容易であ
る。また、入手が容易であって、製造コストも安い。し
たがって、被写体である人と撮影装置との位置関係の確
認を容易に行わせることができる請求項1の画像通信装
置を容易に小型化することができ、かつその製造コスト
を容易に低減することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1実施形態で
ある画像通信装置1の正面図である。図2は、画像通信
装置1の電気的構成を示すブロック図である。図1,図
2を合わせて説明する。画像通信装置1は、たとえば携
帯用の画像通信端末であるとする。
【0029】画像通信装置1は、たとえば、撮影装置3
と表示装置4と送受装置5と中央制御装置6とを含む。
撮影装置3は、カメラ部11、アナログ/デジタル変換
回路12、および位置確認装置7を含む、位置確認装置
7は、発光素子14と発光素子駆動回路15とを含む。
カメラ部11は、先端のレンズ16を含む光学系と撮影
素子とを含む。撮影素子は、たとえばエリアCCDイメ
ージセンサによって実現される。表示装置4は、表示部
19と表示駆動回路20とを含む。表示部19は、たと
えば液晶表示装置または陰極線管によって実現される。
送受装置5は、たとえば無線通信のための装置であり、
入力部23とアンテナ24と通信回路25と受信画像処
理回路26と入力画像処理回路13とを含む。これらの
部品は、略直方体状の筺体29内部に収納されている。
筺体29は、おおよそ使用者が手で握ることができる程
度の大きさである。
【0030】光学系の先端のレンズ16と表示部19の
表示領域28とは、画像通信装置1の筺体29の或る表
面29aから、筺体29の外部に露出する。筺体29の
或る表面29aには、露出したレンズ16の近傍の位置
に、穴29bが形成されている。発光素子14は、該発
光素子14から放射された光が筺体29の穴29bから
筺体29の外部に射出されるように、設置される。入力
部23はたとえば複数のキー30を含み、各キー30が
筺体29から外部に露出する。アンテナ24もまた、先
端部が筺体29から突出ている。
【0031】画像通信装置1の概略的な使用手法を以下
に説明する。使用者は、通信開始を望んだ時点で、入力
部23のキー30を操作することによって、画像信号を
送受するべき相手先通信装置を表すデータを入力する。
このデータは、たとえば相手側通信装置の電話番号であ
る。データを入力した後、レンズ16が使用者自身の顔
と対向するように、画像通信装置1を設置する。画像通
信装置1が携帯用の画像通信端末である場合、画像通信
装置1はたとえば手で保持される。この操作に応答し
て、画像通信装置1は、相手側通信装置との間で画像信
号の送受を開始する。相手側通信装置との間の画像信号
の送受、すなわち画像通信が行われる間、使用者は、発
光素子14から放射された光の見え具合を指標とした位
置関係の調整手法を用いて、使用者自身の顔がカメラ部
11の撮影範囲内の予め定める基準位置に存在するよう
に、画像通信装置1と顔との位置関係を常に調整する。
使用者は、通信終了を望む時点で入力部23のキーを操
作することによって、通信終了を指示する。この操作に
応答して、画像通信装置1は通信を終了する。
【0032】画像通信の実行時における画像通信装置1
の詳細な動作を、図2を参照して、以下に詳細に説明す
る。入力部23から相手側通信装置を表すデータが入力
された場合、または相手側通信装置から回線の確立のた
めの制御信号が与えられ場合、通信回路25は、入力さ
れたデータに基づきたとえば相手側通信機との間で制御
信号を無線通信によって送受することによって、アンテ
ナ24と相手側通信装置のアンテナとの間に無線伝送路
を含む回線を確立する。この回線には、いわゆる公衆回
線が含まれていても良い。
【0033】回線確立後、発光素子駆動回路15は、発
光素子14にたとえば電力を供給することによって、発
光素子14を発光させる。同時に、カメラ部11は予め
定める撮影範囲内の物体を撮影する。撮影範囲は、たと
えば、カメラ部11を頂点として光学系の光学軸を中心
軸線として頂角が予め定める角度である錐体状の空間で
ある。この撮影動作は、具体的には、レンズ16に入射
した光を光学系によって撮影素子の結像面に結像させ、
撮影素子に光電変換を行わせる。これによって、撮影素
子から、結像面に映る被写体の像を含む画像を表す画像
信号が、アナログ信号の形態で出力される。この画像信
号は、アナログ/デジタル変換回路12によってデジタ
ル信号に変換された後に、入力画像処理回路13に与え
られる。
【0034】入力画像処理回路13は、与えられた画像
信号に予め定める第1の処理を施すことによって、その
信号形態を無線伝送に適した信号形態に変更する。通信
回路25は、入力画像信号処理回路13によって処理さ
れた画像信号を変調し、変調後の画像信号をアンテナ2
4から無線送信させる。アンテナ24から送信された画
像信号は、回線を介して相手側通信装置に与えられる。
【0035】また回線確立後、画像通信装置1のアンテ
ナ24から送信された画像信号と同じ信号形態の画像信
号が、相手側通信装置から送信される。相手側通信装置
から送信された画像信号は回線を介して伝送され、アン
テナ24によって受信される。通信回路25は、アンテ
ナ24によって受信された画像信号を復調する。受信画
像処理回路26は、通信回路25によって復調された画
像信号に予め定める第2の処理を施すことによって、そ
の信号形態を表示装置4によって表示可能な信号形態に
変更する。表示駆動回路20は、受信画像処理回路26
によって処理された画像信号に応じて表示部19を駆動
する。これによって、該画像信号が表す画像が、表示領
域28に表示される。
【0036】入力部23から通信終了が指示された場
合、または相手側通信装置から送信された回線切断のた
めの制御信号を受信した場合、通信回路25は回線を切
断し、さらに撮影装置3および表示装置4の動作を終了
させる。これによって、画像信号の通信が終了する。上
述の各装置3〜5およびその内部の回路等の動作タイミ
ングならびに詳細な動作手順は、中央制御装置6によっ
て制御されており、これによって各装置3〜5および各
回路が連動して動作することができる。
【0037】発光素子14の設置状態を以下に詳細に説
明する。発光素子14は、たとえば撮影範囲内に使用者
がいる場合に、該発光素子14から放射された光が被写
体である使用者に見えるように設置する。すなわち、カ
メラ部11の撮影範囲内の予め定める基準位置およびそ
の近傍に向かって光を放射するように、発光素子14を
設置する。具体的には、発光素子14は、基準位置に使
用者の顔の或る1点、たとえば鼻がある場合、発光素子
14の光軸が使用者の両眼の中間の点、たとえば眉間を
通るように設置することが好ましい。基準位置は、たと
えば、撮影範囲をカメラ部11の光学系の光学軸に垂直
に切断した場合の断面の中心点であり、光学系の焦点と
一致していることが好ましい。
【0038】このように発光素子14を設置した場合、
光学系の光学軸と発光素子14の光軸とは、1点で交差
する。該光学軸と該光軸との交点は、たとえば、基準位
置が使用者の顔の或る一点と一致している場合に、人の
眉間と一致することが好ましい。また、筺体29の穴2
9b近傍の部分を遮蔽部材として用い、発光素子14か
ら放射された光のうちで撮影範囲の外に放射される光
を、遮断するようにしてもよい。
【0039】このように設置された発光素子14からの
光は、被写体である使用者の顔が撮影範囲内にある場合
に使用者にはっきりと見える。すなわち、発光素子14
から予め定める強度の光が放射されたように見える。ま
た、顔が撮影範囲の外にある場合には、使用者にその光
が見えにくくなる。撮影範囲内に顔がある場合でも、顔
の位置が基準位置から離れるほど光が見えにくくなり、
顔が基準位置にある場合に最もはっきり見える。
【0040】上述の設置状態に設置された発光素子14
を用いた被写体と画像通信装置1との位置関係の調整手
法を、以下に説明する。通信が実行される間、使用者
は、発光素子14から放射された光がはっきり見えるか
否かを判断する。はっきり見えないときには、発光素子
14からの光がはっきり見えるようになるまで、使用者
自身の顔または画像通信装置1の少なくとも一方を移動
させて、はっきり見える位置で止める。光がはっきり見
えるときには、そのときの顔と画像通信装置との位置関
係を保つ。光がはっきり見えることは、顔が撮影範囲内
に入っていることを示すので、この位置関係を保てば、
顔は撮影範囲内に入っている。
【0041】これによって、通信実行中に発光素子14
からの光の見え具合を指標として、使用者の顔が撮影範
囲内に常に入るように、使用者の顔と画像通信装置1と
の位置関係を使用者自身に調整させることができる。こ
の位置関係は、使用者の顔の正面に発光素子14がある
ような位置関係となることが好ましい。これは、この位
置関係、すなわち発光素子14の光軸が使用者の眉間を
通る状態であれば、使用者の顔は撮影範囲の中央部にあ
る筈なので、顔の一部分が撮影範囲からはみ出ることが
ない。したがって、カメラ部11によって、顔の一部分
が欠けることなくその全体を確実に撮影することができ
るからである。
【0042】カメラ部11の光学系の焦点は、予め定め
る位置に定めて固定されていてもよい。また焦点を固定
せず、焦点を自動的に合わせる自動焦点機能のための部
品をカメラ部11に付加してもよい。たとえば、画像通
信装置1が通信を実行するたびに、被写体とカメラ部1
1との距離が異なるような使用形態で使用される場合、
自動焦点機能のための部品を備えさせた方が良い。また
たとえば、画像通信装置1が携帯用画像通信端末である
場合、焦点の位置を固定させておいてもよい。
【0043】後者の場合に焦点を固定させてもよい理由
は、以下のとおりである。カメラ部11によって鮮明な
使用者の顔の像を得るためには、その光学系の焦点また
はその近傍に顔がなければならない。このために、該光
学系の焦点深度に基づいて、カメラ部11と使用者の顔
との距離を制限する必要がある。携帯用の画像通信端末
は、たとえば携帯電話機にカメラ部11と画像通信のた
めの部品とを取付けて実現される。このような画像通信
端末は、通信実行時には使用者自身の手によって支持さ
れると考えられる。この場合、使用者の顔とカメラ部1
1との距離は使用者の腕の長さによって規定され、たと
えばその距離は使用者の腕の長さ以下該長さの半分の長
さ以上の範囲内の距離になり、この範囲から大きく逸脱
することは少ないと予想される。したがって、使用者の
顔とカメラ部11との距離が上述の長さであると仮定
し、仮定の距離を基準として焦点を設定し、光学系の焦
点をこの焦点に固定する。これによって、焦点を固定し
ておいても、通信実行時には使用者の顔がカメラ部11
の焦点およびその近傍に常にあるので、鮮明な使用者の
顔の像を得ることができる。
【0044】このように、本実施形態の画像通信装置で
は、発光素子14からの光が被写体である使用者によっ
てどのように見えるかを指標とすることによって、使用
者が自分の顔が撮影範囲に入っているか否かを容易に確
認することができる。この位置確認のための位置確認装
置7は発光素子14と発光素子駆動回路15とから構成
されるので、位置確認装置7全体の構造が極めて簡単で
ある。したがって、位置確認装置7の小型化が容易であ
る。したがって、小型化が要求される携帯用の画像通信
端末にこの位置確認装置7を組込んだ場合も、その画像
通信端末が過大に大きくなることを防止し、また位置確
認装置7を組込んだ画像通信端末を容易に小型化するこ
とができる。また、その製造コストを低下させることが
できる。
【0045】また、発光素子14は、できるだけカメラ
部11のレンズ16の近傍にあることが好ましい。これ
は、以下の理由からである。使用者は、発光素子14を
目視しつつ画像通信装置1と自身の顔との位置関係を調
整するので、その視線は発光素子14に向いている。一
般的には、カメラ部11によって顔を撮影させる場合、
使用者の視線はレンズ16に向くことが多い。これらの
ことから、発光素子14がレンズ16にできるだけ近い
ほど、一般的な撮影時の視線の向きに近くなるので、カ
メラ部11によって得られる使用者の顔の像を使用者自
身が予想しやすい。また、使用者が、自らの視線があら
ぬ向きに向いていると感じることがない。このため、発
光素子14からの光がレンズ16の近傍から射出される
ように発光素子14を設置し、かつ光が射出される位置
とレンズとの距離ができるだけ短いことが好ましい。
【0046】発光素子14は、たとえば発光ダイオード
によって実現れる。また発光素子14は、点光源であれ
ば、どのような種類の光源によって実現されてもよく、
たとえば麦電球および小型のEL素子によって実現され
てもよい。発光ダイオードは、他の光源と比較して、発
光時の電力消費量が少なく、構造が簡単であって小型化
が容易であり、入手も容易である。ゆえに、発光素子1
4として発光ダイオードを用いることが好ましい。
【0047】また、発光素子14は、撮影範囲内だけに
光を放射し撮影範囲外には光を放射しないような、強い
指向性を有する光源によって実現されることが好まし
い。この発光素子14を用いた場合、被写体である使用
者の顔が撮影範囲内にあるときに発光素子14からの光
がはっきり見え、顔が撮影範囲の外にあるときには発光
素子14からの光が全く見えなくなる。これによって使
用者は、発光素子14からの光が見えるか否かを判定
し、光が見える場合に自身の顔が撮影範囲内にあり、光
が見えない場合に自身の顔が撮影範囲外にあると判断す
ることができる。このように、発光素子14からの光が
見えるか否かと顔が撮影範囲内にあるか否かとが1対1
で対応するので、使用者自身の顔が撮影範囲内外のどち
らにあるかが分かり易くなり、位置確認がさらに容易に
なる。
【0048】この指向性は、カメラ部11の撮影範囲の
大きさおよび焦点の位置、ならびに画像通信装置の使用
状況等に基づいて定められる。図3は、画像通信装置1
が携帯用の画像通信端末であり使用者の手によって支持
される場合における、発光素子14の指向性を示すグラ
フである。このグラフでは、発光素子14が設置された
点を原点とし、原点から基準位置に向かう方向を0度と
して、時計回りに角度が増加するものと仮定する。原点
を中心に同心円状に配置された曲線が、光の相対光度
(単位%)を示す罫線である。曲線41は、最良の指向
性を有する発光素子14から放射された光の放射方向に
対する相対光度の分布を示す。たとえば携帯用の画像通
信端末では、発光素子14は、原点から基準位置に向か
う方向を中心として、時計まわり方向および反時計まわ
り方向にそれぞれ15度ずつ、すなわち±15度の指向
性を有することが好ましく、最良の指向性は、曲線41
で示すように、±10度である。
【0049】一般的に、カメラ部11と被写体があるべ
き基準位置との距離が遠ざかるほど、指向性を強くする
ことが好ましい。これは、以下の理由からである。たと
えば、焦点を通り光学軸に水平な撮影範囲の断面が予め
或る大きさに定められていると仮定すると、カメラ部1
1の撮影範囲の角度は、その焦点が遠ざかるほど小さく
なる。被写体の像を鮮明に得るには、被写体が焦点およ
びその近傍に位置する必要があるので、焦点が遠ざかる
ほど被写体も遠ざかる。これらのことから、この撮影範
囲内だけに光を放射するには、被写体があるべき基準位
置、すなわち焦点とカメラ部11との距離が大きくなる
ほど、指向性を強くすることが好ましい。また、撮影範
囲の角度が固定されていると仮定した場合に指向性を強
くすると、カメラ部11から遠ざかるほど前記断面が広
がるが、断面内に顔があっても光学軸から離れるほど光
が見えにくくなる。ゆえに、指向性を強くしておけば、
顔が光学軸上およびその近傍にあるか否かを判定するこ
とが容易になる。さらに、指向性を上述の指向性よりも
さらに強くして、顔が基準位置およびその近傍の範囲に
ある場合だけ光が見えるようにし、撮影範囲の周辺部に
顔がある場合には光が見えないようにしても良い。
【0050】以下に、本発明の第2実施形態である画像
通信装置51を説明する。第2実施形態の画像通信装置
51の構造および挙動は、第1実施形態の画像通信装置
1と比較して、位置確認装置の構造および挙動が異な
り、他は等しい。画像通信装置1と同じ構造および挙動
の部品には同一の符号を付し、説明は省略する。また、
画像通信時の画像通信装置51の詳細な動作は、第1実
施形態で説明したものと等しいので、説明は省略する。
さらに、画像通信装置51の使用手法は、位置関係の詳
細な調整手法以外は第1実施形態で説明したものと等し
いので、同じ部分の説明は省略する。
【0051】図4は、画像通信装置51の部分断面図で
ある。この断面は、たとえば、撮影装置3の光学系の光
学軸と平行で、かつ筺体29の穴29bを通る。第2実
施形態の位置確認装置52は、発光素子14と発光素子
駆動回路15とに加えて、凸レンズ53を含む。発光素
子14は筺体29内部に備えられる支持部材によって支
持されており、発光素子14の位置および穴29bの位
置関係は、第1実施形態と等しい。凸レンズ53は、発
光素子14の前方、すなわち光が放射される側に設置さ
れる。凸レンズ53の発光素子14と対向する一方面を
光が入射する入射面59とし、入射面の反対側の面を光
が射出する射出面54とする。また、凸レンズ53の中
心軸線と発光素子14の光軸とは、一致していることが
好ましい。本実施形態では、凸レンズ53は半球状のも
のを用い、平面状の面を入射面59とし半球状の曲面を
射出面54として、入射面59が穴29bを覆いかつ射
出面54が筺体29の或る面29aから突出するように
設置される。
【0052】凸レンズ53には、発光素子14から放射
された光が、入射面から入射する。凸レンズ53は、入
射された光を集光させて、射出面54から射出させる。
すなわち、凸レンズ53は、発光素子14の光を射出す
る出射表面を見かけ上拡大するための光学手段として働
き、発光素子14から放射された光を、発光素子14の
出射表面よりも大きい射出面54から射出させる。
【0053】図5を用いて、凸レンズ53を通過する光
線の挙動を以下に説明する。発光素子14から放射され
た光を、複数の光線の集合であると仮定する。光線と
は、平行光を代表する1本の波面法線である。凸レンズ
53の入射面59に対する光線の入射角θ1と入射面5
9に対する光線の出射角θ2とには、式1に示す関係が
成立ち、凸レンズ53の射出面54に対する光線の入射
角θ3と出射面54に対する光線の出射角θ4とには、
式2に示す関係が成立つ。「n1」は空気の屈折率であ
り、「n2」は凸レンズ53を形成する材料の屈折率で
ある。
【0054】 n1×sinθ1=n2×sinθ2 …(1) n2×sinθ3=n1×sinθ4 …(2) 一般的に、空気の屈折率n1は1であり、凸レンズ53
の屈折率n2は1よりも大きい。ゆえに、入射面59に
対して斜めに入射した光線R1の射出面54からの出射
角θ4は、光線R1の入射面59への入射角θ1よりも
小さくなる。また、入射面59に対して垂直に入射した
光線R2は、そのまま直進する。これによって、凸レン
ズ53に入射した光は集光される。この集光の角度、す
なわち入射角θ1と出射角θ4との関係は、凸レンズ5
3の屈折率n2と入射面59および射出面54の曲率半
径に応じて、変化する。
【0055】また、凸レンズ53から射出された光の強
度は、凸レンズ53の射出面54の周辺に近い程弱く見
える。すなわち、或る光線の射出後の強度は、射出面5
4と発光素子14の光軸55の交点56から該光線の射
出点が離れる程小さく見える。或る光線の射出点は、射
出面54内で該光線が射出時に通過した点を指す。これ
は、以下の理由からである。凸レンズ53は、光を集光
するので、射出面に向かう人の視線と光軸55との角度
が小さいほど、光の強度が強く見える。また、発光素子
14自体の指向性の影響によっても、光の強度は上述の
ように変化する。これは、射出面54の周辺部から射出
される光は、発光素子14から射出された時点のその光
と光軸55とのなす角度が、射出面54の交点56およ
びその近傍から射出される光よりも大きくなるように、
射出されているからである。すなわち、凸レンズ14に
よって実現される前記光学部材から射出する光の強度分
布は、射出点が交点56から離れるほど強度が小さくな
る。これによって、発光素子14から放射された光は、
光線の射出方向と発光素子14の光軸とのなす角度が大
きくなるほど、その方向に射出した光の強度が弱くな
る。またこの場合、発光素子14の指向性は、凸レンズ
53射出後の光が、撮影範囲と該撮影範囲近傍の部分と
から構成される予め定める照射範囲に入るように、調整
される。
【0056】上述の凸レンズ53に発光素子14から放
射された光が入射している状態で、使用者が射出面54
を観察した場合の射出面54の見え方を以下に説明す
る。この状態では、使用者の顔が照射範囲内にある場
合、凸レンズ53を通して発光素子14が見えるので、
使用者の顔に向かって射出する光が通過した部分57が
光って見える。この場合において、使用者の顔が撮影範
囲内にあるとき、図6に示すように、この光る部分57
は射出面54内の交点56上およびその近傍、すなわち
射出面54の中央部にあり、使用者の顔が基準位置にあ
るとき、光る部分57の中心が交点56とほぼ一致す
る。使用者の顔が照射範囲内で撮影範囲以外の部分にあ
るとき、図7に示すように、光る部分57が中央部から
ずれる。交点56から見て光る部分57がずれた方向
は、基準位置から見て使用者の顔がずれた方向と等し
い。また、光の強度が上述のように変更されるので、光
る部分57は、交点56に近い程明るく見える。また、
使用者の顔が照射範囲外にある場合は、光る部分57が
見えない。
【0057】上述の位置確認装置52を用いた被写体と
画像通信装置51との位置関係の調整手法を、以下に詳
細に説明する。通信が実行される間、使用者は凸レンズ
53の射出面54を観察して、光る部分57が見えるか
否かを判断する。見えない場合、射出面54上に光る部
分57が見えるようになるまで、使用者自身の顔と画像
通信装置51との位置関係を変更する。光る部分57が
見えた場合、それが射出面54の中央部にあるか否かを
判断する。光る部分57が中央部からずれている場合、
光る部分57が中央部からどの方向にずれているかを観
察し、そのずれを相殺するように、位置関係を変更す
る。位置関係の変更は、たとえば、使用者自身の顔を光
る部分57がずれた方向と逆方向に動かすか、画像通信
装置51をずれた方向と同じ方向に動かす。光る部分5
7が射出面54の中央部にある場合、使用者の顔が撮影
範囲内にある筈なので、その位置関係を保つ。またこの
調整中に、光る部分57が射出面54の前記交点上にあ
る場合または光る部分57が最も明るく見える場合、使
用者の顔が基準位置にあると見なすことができるので、
このように光る部分57が見えるまで位置関係の調整を
行っても良い。
【0058】このように、光る部分57の射出面54内
の位置およびその明るさに基づいて、使用者の顔が撮影
範囲に入っているか否かを使用者自身に確認させること
ができる。同時に、使用者の顔が撮影範囲から外れてい
る場合、そのずれの方向を同時に認識させることができ
るので、使用者自身がその顔を撮影範囲に入れるため
に、顔と画像通信装置51との位置関係をどのように調
整すれば良いかを容易に知ることができる。したがっ
て、使用者に、位置関係の調整を極めて容易に行わせこ
とができる。すなわち、発光素子14の出射表面を見か
け上拡大することによって、視線のずれ方向すなわち使
用者の顔のずれの方向を、分かりやすくすることができ
る。
【0059】また、この位置確認装置52は、第1実施
形態の位置確認装置7に凸レンズ53を付加しただけな
ので、その構造が簡単であり、ゆえに小型化が容易であ
る。したがって、小型化が要求される携帯用の画像通信
端末にこの位置確認装置を組込んだ場合も、その画像通
信端末が過大に大きくなることを防止し、また位置確認
装置を組込んだ画像通信端末を容易に小型化することが
できる。また、その製造コストを低下させることができ
る。
【0060】上述の光学部材は、凸レンズに限らず、上
述の働きをする部材であれば、どのような構造の部材に
よって実現されてもよい。たとえば、複数本の光ファイ
バを放射状に配置し、各光ファイバから射出される光線
の強度をそれが射出する方向に応じて変更するための部
材を、光線が射出する一方端またはその反対側の他方端
に付加した部材を光学部材として用い、各光ファイバの
一方端をすべて含む仮想曲面を射出面として、各光ファ
イバの他方端から、発光素子14からの光を入射するよ
うにしてもよい。凸レンズは、構造が簡単であって小型
化が容易であり製造コストも安い。また、入手も容易で
ある。したがって、光学部材として凸レンズを用いた場
合、第2実施形態の画像通信装置51の小型化が容易で
あってかつ製造コストを低減しやすい。ゆえに、凸レン
ズを用いることが好ましい。
【0061】また、発光素子14を発光ダイオードとし
た場合、発光ダイオード自体が凸レンズを備えているの
で、上述の効果が得られるように、この凸レンズを充分
大きくかつ適切に設計すれば、凸レンズ53がなくても
上述の効果を得ることができる。前述したように発光ダ
イオードと凸レンズ53とを組合わせた場合、発光ダイ
オードをたとえば汎用のものを用い、凸レンズ53を上
述の効果が得られるように設計すればよい。この場合、
凸レンズ53を設計するほうが、発光ダイオード自体を
上述の効果を得るために専用に設計する場合よりも容易
であり、製造コストを低減しやすい。凸レンズは、画像
通信装置51の使用形態に応じて設計を変更する必要が
あるので、発光ダイオードを専用に設計するよりも、発
光ダイオードと凸レンズ53とを組合わせて凸レンズ5
3を専用に設計する方が、設計の自由度の点からも好ま
しい。
【0062】以下に、本発明の第3実施形態である画像
通信装置を説明する。第3実施形態の画像通信装置61
の構造および挙動は、第2実施形態の画像通信装置51
と比較して、位置確認装置の構成および挙動が異なり、
他は等しい。画像通信装置1,51と同じ構造および挙
動の部品には同一の符号を付し、説明は省略する。ま
た、画像通信時の画像通信装置51の詳細な動作は、第
1実施形態で説明したものと等しいので、説明は省略す
る。さらに、画像通信装置51の使用手法は、位置関係
の詳細な調整手法以外は第1実施形態で説明したものと
等しいので、同じ部分の説明は省略する。
【0063】図8は、画像通信装置61の部分断面図で
ある。この断面は、たとえば、撮影装置3の光学系の光
学軸と平行で、かつ筺体29の穴29bを通る。第3実
施形態の位置確認装置62は、発光素子14と発光素子
駆動回路15と凸レンズ53とに加えて、遮光部63を
含む。発光素子14と穴29bと凸レンズ53との位置
関係は、第2実施形態で説明した位置関係と等しい。遮
光部63は、凸レンズ53の射出面54内で、交点56
を含む予め定める範囲から射出される光を遮光する。本
実施形態では、遮光部63として、凸レンズ53の中央
部を黒色の塗料によって着色し、この部分から射出され
るべき光を遮る。また、この場合、発光素子14の指向
性は、使用者が基準位置からこの射出面54を観察した
場合に、光る部分64が遮光部63を取囲み、かつ射出
後の光が前記照射範囲にだけ入るように調整されてい
る。
【0064】遮光部63が付加された凸レンズ53に発
光素子14から放射された光が入射している状態で、使
用者が射出面54を観察する場合の射出面54の見え方
を以下に説明する。この状態では、使用者の顔が前記照
射範囲にある場合に射出面54に光る部分64が見え、
照射範囲外にある場合に光る部分64が見えない。光る
部分64が見える場合において使用者の顔が撮影範囲内
にあるとき、図9に示すように、この光る部分64は遮
光部63を囲み、この光る部分64から柔らかい光が均
一に放射されるように見える。すなわち、第2実施形態
の画像通信装置51において使用者の顔が同じ状態にあ
る場合よりも強度の弱い光が放射されるように見える。
使用者の顔が照射範囲内で撮影範囲以外の部分にあると
き、図10に示すように、光る部分64が遮光部63の
周囲を取囲まず、かつ人の顔が基準位置からずれる方向
と同じ方向に、交点56からずれる。また光の強度が上
述のように変更されるので、光る部分64は、交点56
に近い程明るく見える。
【0065】上述の位置確認装置62を用いた被写体と
画像通信装置61との位置関係の詳細な調整手法は、第
2実施形態の調整手法と比較して、光る部分64が図9
に示すように見える場合に、使用者の顔が撮影範囲内に
あると判断する点が異なり、他は等しい。したがって、
この位置確認装置61を用いると、使用者の顔が基準位
置からずれているか否かと、基準位置から使用者の顔が
どの方向にずれているかとを、容易に使用者に認識させ
ることができる。
【0066】上述のように光を遮光するのは以下の理由
からである。焦点を通り光学系の光軸に垂直な撮影範囲
の断面における、凸レンズ53が光学手段として動作す
る状態で射出される光の強度分布を考えた場合、射出面
54の交点56に近付く程光の強度は強くなる。ゆえ
に、顔が基準位置にある状態で使用者が射出面54を観
察する場合、射出面54の中央部から射出された光が目
に入射するので、使用者が眩しさを感じることがある。
本実施形態の位置確認装置62では、遮光部63によっ
てこの部分からの光を遮光しているので、該光が目に入
ることがなく、ゆえに眩しさを感じない。したがって、
位置関係の調整を極めて容易に行わせることができる位
置確認装置62を、使用者にとって使い易くすることが
できる。
【0067】また、この位置確認装置62は、第2実施
形態の位置確認装置52に遮光部63を付加しただけな
ので、その構造は位置確認装置52とほぼ等しく、ゆえ
に小型化が容易である。したがって、小型化が要求され
る携帯用の画像通信端末にこの位置確認装置62を組込
んだ場合も、その画像通信端末が過大に大きくなること
を防止し、また位置確認装置62を組込んだ画像通信端
末を容易に小型化することができる。また、その製造コ
ストを低下させることができる。
【0068】以下に、本発明の第4実施形態である画像
通信装置71を説明する。第4実施形態の画像通信装置
71の構造および挙動は、第2実施形態の画像通信装置
51と比較して、位置確認装置および表示装置の構成お
よび挙動ならびに入力画像処理回路の挙動が変更された
点とが異なり、他は等しい。画像通信装置1,51と同
じ構造および挙動の部品には同一の符号を付し、説明は
省略する。また、画像通信時の画像通信装置71の使用
手法と画像通信時の画像通信装置71の詳細な動作と位
置関係の詳細な調整手法とは、第2実施形態で説明した
ものと等しいので、説明は省略する。
【0069】図11は、画像通信装置61の機械的構成
を示す部分断面図である。この断面は、たとえば、撮影
装置3の光学系の光学軸と平行である。第4実施形態の
位置確認装置72は、発光素子14と発光素子駆動回路
15と凸レンズ53とに加えて、可動部73と固定ねじ
74とを含む。可動部73と固定ねじ74とは、発光素
子14の光軸の方向を変えるための変更手段を構成す
る。
【0070】可動部73は、球状およびそれに類似した
形状の部材であり、筺体29に形成された略球状の穴7
5に、穴内部でどの方向にも任意に回転可能に設置され
る。穴75の口75aの位置は、表面29a内で穴29
bが形成された位置とほぼ等しい。可動部73の一部分
は、穴75bから露出する。発光素子14は、可動部7
3の内部に設置され、その内部で固定されている。凸レ
ンズ53は、可動部73の筺体29から露出した部分の
外部に設置される。発光素子14から放射された光は、
可動部73をそのまま通過して、凸レンズ53に入射す
る。このために、可動部73は透光性を有する材料によ
って作成される。また、可動部73内部を中空にしてそ
の一部に光を射出するための穴76aを形成し、その光
軸が穴76aを通るように発光素子14を設置してもよ
い。可動部73は、筺体29の外から使用者が触れて、
任意に回転させることができる。
【0071】固定ねじ74は、そのねじ頭が筺体29外
部にあり、筺体29に形成されたねじ穴を通って、先端
が穴75内に突出ている。固定ねじ74は、絞込むほど
穴75に突出る部分の長さが長くなる。この固定ねじ7
4を絞込むことによって、可動部73が穴75の表面に
押付けられて固定される。可動部73内部の発光素子1
4と発光素子駆動回路15とを接続する線材76は、可
動部73が中空状であれば、可動部73に設けられた穴
76bを通って可動部73外部に引出される。この線材
76は、柔軟性があり、かつ可動部73外部の部分に弛
みを持たせてある。これによって、可動部73が回転し
た場合、線材76が回転に応じて変形することができる
ので、可動部73の回転が発光素子14と発光素子駆動
回路15との電気的接続に影響を与えない。このような
構造の変更手段は、発光素子14の位置の初期設定のた
めに用いられる。
【0072】図12は、画像通信装置71の電気的構成
を示すブロック図である。撮影装置3aは、撮影装置3
と比較して、位置確認装置7が位置確認装置72に置き
換えられた点が異なり、他は等しい。表示装置4aは、
表示部19と表示駆動回路20に加えて切換え回路77
を含む。中央制御回路6aは、以下に説明する動作の他
に、第1実施形態の中央制御回路6において実行された
動作も行う。
【0073】表示入力画像処理回路13aは、第1実施
形態で説明した第1の処理と予め定める第3の処理との
いずれかを選択して、アナログ/デジタル変換回路12
から出力された画像信号に選択した処理を施す。この処
理の選択は、たとえば中央制御回路6aからの制御信号
に応答して行われる。第3の処理では、アナログ/デジ
タル変換回路12から出力された画像信号の信号形態
を、表示装置4aによって表示可能な信号形態に変更す
る。入力画像処理回路13aは、送信に適した信号形態
の画像信号を通信回路25に与え、表示可能な信号形態
の画像信号を切換え回路77に与える。また、受信画像
処理回路26から出力される画像信号も、切換え回路7
7に与えられる。
【0074】切換え回路77は、中央制御回路6aから
の制御信号に応答して、受信画像処理回路26および入
力画像処理回路13aから与えられた画像信号のうちの
いずれか一方を表示駆動回路20に与える。表示駆動回
路20は、切換え回路77から与えられた画像信号に応
答して、表示部19を駆動させる。これによって、相手
側通信装置から与えられた画像信号が表す画像または撮
影装置3aから出力された画像信号が表す画像が、表示
部19の表示領域28に表示される。このように表示装
置4aは、相手側通信装置からの画像信号を表示するた
めの表示手段と、撮影装置3aから出力される画像信号
を表示するための表示手段とを兼ねる。
【0075】以下に、図11,12を参照して、発光素
子14の光軸の初期設定動作を詳細に説明する。画像通
信装置71に電力が供給されて、各装置3a,4a,
5,6a,72が動作可能になった状態において通信が
実行されていない間、中央制御装置6aは、撮影装置3
に物体を撮影させ、入力画像処理回路13aに第3の処
理を選択させ、さらに切換え回路77に入力画像処理回
路13aからの画像信号を表示駆動回路20に与えさせ
る。この状態で使用者は、表示部19の表示領域28に
表示された画像を目視し、その使用者の像の位置を参照
して、発光素子14の光軸の方向を調整する。
【0076】具体的には、使用者は、まず固定ねじ74
を緩めて、可動部73を回転することができるようにす
る。次いで、射出面54の光る部分57が射出面54の
中央部に見えるように、使用者自身の顔と画像通信装置
71との位置関係を調整する。さらに、調整後の状態で
自身の顔を撮影させ、その顔の像が表示領域28の中央
部にあるか否かを判定し、ない場合には、可動部73を
回転させることによって発光素子14の光軸を移動させ
ながら顔を再度撮影させ、その顔の像の位置を確かめ
る。この動作を、射出面54の光る部分57がその中央
部に見える状態で、顔の像が表示領域28の予め定める
位置に写るまで繰返す。該位置は、たとえば表示領域2
8の中央部であり、表示領域28内の顔の像の位置は、
画像内の顔の像の位置と等しい。顔の像が予め定める位
置に写ったら、固定ねじ74を絞込んで、可動部73を
そのままの位置で固定させる。これによって、発光素子
14の光軸の初期設定を終了する。
【0077】終了後に通信実行が指示された場合、中央
制御装置6aは、入力画像処理回路13aに第1の処理
を選択させ、さらに切換え回路77に受信画像処理回路
26からの画像信号を表示駆動回路20に与えさせる。
この後、各装置3a,4a,5に通信のための動作を実
行させる。光軸の初期設定は、或る使用者が繰返し同じ
画像通信装置を使用する場合には1度だけ行い、以後可
動部73を動かさないようにすればよい。
【0078】このように、発光素子14の光軸の初期設
定を行う理由および効果は、以下のとおりである。人に
は利き目があり、そのために両眼視差が生じる。この両
眼視差のために、発光素子14の光軸が使用者の眉間を
通る場合でも、使用者の主観的な射出面54の見え方と
使用者の顔および画像撮影装置の位置関係との関係が、
第2実施形態で説明した関係にならないことがある。両
眼視差には個人差があるので、予めこの両眼視差を解消
するように位置確認装置を作成するのは困難である。こ
の場合に、上述の調整手段を備えさせておいて、発光素
子14の光軸の初期設定を行うことによって、両眼視差
に起因して使用者が前記位置関係を誤認することを未然
に防止しすることができる。
【0079】また、本実施形態では、位置確認装置72
を、第2実施形態の位置確認装置52に調整手段を追加
した構造としたが、第1および第3実施形態の位置確認
装置7,62に、調整手段を追加しても、同じ効果が得
られる。また、光軸の初期設定時に撮影装置3aから出
力された画像信号を表示する表示手段を、相手側通信装
置からの画像信号を表示する表示手段と別個に設けて
も、上述の初期設定を行うことができる。本実施形態の
ように、前記両表示手段を単一の表示装置4aによって
兼用させたので、該表示手段と表示装置4とを別個に設
ける場合よりも、画像通信装置71の構造を簡略化する
ことができる。また、この初期設定は、通信が実行され
ない間に行われるので、第1〜第3実施形態で説明した
画像信号の通信動作には影響を与えない。また表示領域
28全域を用いて撮影装置3aから出力された画像信号
を表示するので、使用者が表示領域28内の像の位置を
確認することが容易である。
【0080】上述した第1〜第4実施形態の画像通信装
置1,51,61,71は、すべての部品が筺体29内
に収納されていたが、少なくとも発光素子14と撮影装
置3のレンズ16との位置関係および発光素子14と凸
レンズ53との位置関係が上述の説明のように保たれて
いれば、各部品が別々の筺体に分割して収納されていて
も良い。この場合、使用者は、画像通信装置1,51,
61,71を移動させる代わりに、レンズ16および発
光素子14ならびに凸レンズ53が収納された筺体だけ
を移動させるようにすれば、第1〜第4実施形態で説明
した効果を得ることができる。この場合、移動させる物
体を小型化して、その重量を軽減することができる。さ
らにまた、画像通信装置1がスピーカとマイクロフォン
と音声信号の送受のための構成部品をさらに備えていれ
ば、画像信号の送受と並行して音声信号の送受を行って
も良い。
【0081】また、第1〜第4実施形態の画像通信装置
1,51,61,71に組込まれる撮影装置は、撮影装
置単体で用いることができる。すなわち、カメラ部11
に第1〜第4実施形態の位置確認装置7,52,62,
72を付加することによって、第1〜第4実施形態と同
じ効果をそれぞれ得ることができる。同時にこれら撮影
装置の小型化および製造コストの低減を容易に行うこと
ができる。さらにまた、これら撮影装置は、被写体が人
であれば、被写体が使用者自身であるか否かに拘わら
ず、使用することができる。また、これら撮影装置か
ら、アナログ/デジタル変換回路を省略してもよい。ま
た、カメラ部11は、上述のように撮影素子を備えて電
気的に画像を撮影するものに限らず、他の手法、たとえ
ば銀塩フィルムを用いるスチルカメラであってもよい。
【0082】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、撮影装置
は発光手段を備え、被写体である人に、発光手段からの
光の見え方に基づいて、人自身が撮影手段の撮影範囲内
に入っているか否かの位置確認を行わせる。これによっ
て、位置確認のための装置を簡略化かつ小型化し、さら
に該構成の製造コストを低下させることができる。
【0083】また本発明に従えば、画像通信装置は発光
素子を備え、被写体である人に、発光手段からの光の見
え方に基づいて位置確認を行わせる。これによって、位
置確認のための装置を簡略化かつ小型化しさらに製造コ
ストを低減させることができる。また、この位置確認の
ための装置を組込んだ画像通信装置を、携帯に適する大
きさに、容易に小型化することができる。
【0084】さらにまた本発明によれば、前記発光手段
は、撮影範囲だけに光を放射する指向性を持つ。これに
よって、この光が見えるか否かによって人が撮影範囲内
にいるか否かを確実に確認させることができるので、位
置確認をさらに容易に行わせることができる。
【0085】また本発明によれば、前記発光手段の前面
に、光を広げ、発光素子の出射表面を見かけ上拡大し、
かつ射出面内で光を構成する各光線の射出点の位置に応
じて光線の強度を変更する光学手段が設けられる。これ
によって、画像通信装置は、被写体である人が基準位置
にいるか否かを確認させることができると共に、人の位
置が基準位置がずれている場合にそのずれの方向を認識
させることができる。これによって、人と画像通信装置
との位置関係を容易に調整させることができる。
【0086】さらにまた本発明によれば、光学手段は凸
レンズによって実現される。これによって、被写体であ
る人の位置関係の確認と、基準位置から見て人がいる方
向の把握とを容易に行わせることができる画像通信装置
を、さらに容易に小型化することができ、かつさらに容
易に製造コストを低減することができる。
【0087】また本発明によれば、前記光学手段から射
出される光のうち、射出面と発光素子の光軸との交点を
含む予め定める領域から射出される光は、遮光手段によ
って遮光される。これによって、この画像通信装置は、
使用者に眩しさを感じさせることなく、被写体である人
の位置関係の確認と、基準位置から見て人がいる方向の
把握とを容易に行わせることができる。したがって、位
置確認のための装置の使い勝手を良くすることができ
る。
【0088】さらにまた本発明によれば、発光手段の光
の放射方向は可変であり、表示領域内の被写体の像の位
置を参照して調整することができる。これによって、両
眼視差に起因した人の位置のずれを補正することができ
る。
【0089】また本発明によれば、画像通信装置の発光
手段として、発光ダイオードが用いられる。位置確認を
容易に行わせることができる画像通信装置を、さらに容
易に小型化することができ、かつさらに容易に製造コス
トを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である画像通信装置1の
正面図である。
【図2】第1実施形態の画像通信装置1の電気的構成を
示すブロック図である。
【図3】発光素子14の指向性を表すグラフである。
【図4】本発明の第2実施形態である画像通信装置51
の部分断面図である。
【図5】凸レンズ53を通過する光の挙動を説明するた
めの図である。
【図6】第2実施形態の画像通信装置51において、使
用者の顔が撮影範囲内にある場合の凸レンズ53の射出
面54の見え方を説明するための図である。
【図7】第2実施形態の画像通信装置51において、使
用者の顔が撮影範囲外にある場合の凸レンズ53の射出
面54の見え方を説明するための図である。
【図8】本発明の第3実施形態である画像通信装置61
の部分断面図である。
【図9】第3実施形態の画像通信装置61において、使
用者の顔が撮影範囲内にある場合の凸レンズ53の射出
面54の見え方を説明するための図である。
【図10】第3実施形態の画像通信装置61において、
使用者の顔が撮影範囲外にある場合の凸レンズ53の射
出面54の見え方を説明するための図である。
【図11】本発明の第4実施形態である画像通信装置7
1の部分断面図である。
【図12】第4実施形態の画像通信装置71の電気的構
成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1,51,61,71 画像通信装置 3,3a 撮影装置 4,4a 表示装置 5 送受装置 6,6a 中央制御装置 7,52,62,72 位置確認装置 11 カメラ部 14 発光素子 53 凸レンズ 54 射出面 56 射出面と発光素子の光軸との交点 63 遮光部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め定める撮影範囲内にある被写体を撮
    影する撮影手段と、 撮影範囲内の予め定める基準位置およびその近傍に向か
    って、光を放射する発光手段とを含むことを特徴とする
    撮影装置。
  2. 【請求項2】 予め定める撮影範囲内にある被写体を撮
    影手段によって撮影し、撮影手段から出力される画像信
    号を相手側通信装置との間で送受する画像通信装置にお
    いて、撮影範囲内の予め定める基準位置およびその近傍
    に向かって、光を放射する発光手段を含むことを特徴と
    する画像通信装置。
  3. 【請求項3】 前記発光手段は、前記撮影範囲内だけに
    光を放射する指向性を持つことを特徴とする請求項2記
    載の画像通信装置。
  4. 【請求項4】 前記発光手段から放射された光を予め定
    める射出面から射出させ、かつ、光の強度を、射出面内
    で光が射出した点が射出面と前記発光手段の光軸との交
    点から離れるほど小さくする光学手段をさらに含むこと
    を特徴とする請求項2記載の画像通信装置。
  5. 【請求項5】 前記光学手段は、凸レンズであることを
    特徴とする請求項4記載の画像通信装置。
  6. 【請求項6】 前記光学手段の前記射出面内にあり前記
    交点を含む予め定める領域から射出される光を遮光する
    遮光手段をさらに含むことを特徴とする請求項4記載の
    画像通信装置。
  7. 【請求項7】 前記撮影手段から出力される画像信号が
    表す画像を表示する表示手段をさらに含み、 前記発光手段の光の放射方向は、可変であり、 前記被写体の像が画像内の予め定める位置にある場合に
    前記発光手段から放射された光が前記基準位置に向かう
    ように、前記発光手段の光の放射方向を変更させること
    を特徴とする請求項2記載の画像通信装置。
  8. 【請求項8】 前記発光手段は、発光ダイオードである
    ことを特徴とする請求項2記載の画像通信装置。
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