JPH11111928A - 論理回路 - Google Patents

論理回路

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JPH11111928A
JPH11111928A JP9287804A JP28780497A JPH11111928A JP H11111928 A JPH11111928 A JP H11111928A JP 9287804 A JP9287804 A JP 9287804A JP 28780497 A JP28780497 A JP 28780497A JP H11111928 A JPH11111928 A JP H11111928A
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浩之 中野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 例えばDCFLを用いた論理回路において、
高集積化を行った場合でもサイドゲート効果による論理
特性の劣化を改善できるようにすることにある。 【解決手段】 負荷用D−FET2のソースに3つの各
駆動用E−FET3a,3b,3cのドレインを接続
し、D−FET2のドレイン電極8に電源電圧Vddを印
加し、各E−FET3a,3b,3cのソース電極10
a,10b,10cをグランドにつないで、3入力NO
Rゲート形のDCFL21が構成されている。D−FE
T2の近傍に位置しているE−FET3aのソース電極
10aと、D−FET2の活性層5との中間において、
基板4にn形不純物を注入して不純物層22を形成し、
D−FET2のドレイン電極8から延出した導体層23
を不純物層22の上に配置して電界遮断領域24を形成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は論理回路に関する。
例えば、GaAsなどの化合物半導体を用いたデジタル
IC(集積回路)で使用される論理回路に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】現在のデジタルICは、半導体にSi
(シリコン)を用いたCMOS論理回路が主流である。
しかし、Siでは動作不可能な高周波でのデジタル信号
処理を実現するため、Siより電子移動度の大きいGa
Asなどの化合物半導体を用いた論理回路の研究開発が
進められている。
【0003】GaAsでよく使用される論理回路の一つ
に、低電圧動作が可能で低消費電力、高集積化に適して
いる直接結合型FET(電界効果トランジスタ)論理回
路(Direct Coupled FET Logic;以下、DCFLとい
う)がある。このDCFL1は、例えば図1に示すよう
に構成されており、定電流接続した負荷用のデプレッシ
ョン形FET(以下、負荷用D−FETという)2と、
スイッチング動作を行う駆動用のエンハンスメント形F
ET(以下、駆動用E−FETという)3を直列に接続
して構成されている。具体的にいうと、負荷用D−FE
T2のソース(S)及びゲート(G)と駆動用E−FE
T3のドレイン(D)とを接続し、当該接続点から出力
端子Vout(出力電圧もVoutで表わす)を取り出し、駆
動用E−FET3のソース(S)をグランド(GND)
に接続し、入力端子Vin(入力電圧もVinで表わす)を
駆動用E−FET3のゲート(G)につなぎ、負荷用D
−FET2のドレイン(D)に電源電圧Vddを印加する
ようにしている。
【0004】図2はこのDCFL1のFETレイアウト
を示す図であって、GaAs基板4の表面には、n形不
純物の注入によって負荷用D−FET2の活性層5(破
線を施した領域)と駆動用E−FET3の活性層6(破
線を施した領域)とが形成されており、両活性層5,6
間に駆動用E−FET3のドレインと負荷用D−FET
2のソースを兼用する電極(以下、ドレイン/ソース電
極という)7が形成されており、負荷用D−FET2の
活性層5を介してドレイン/ソース電極7の反対側に負
荷用D−FET2のドレイン電極8が形成され、さら
に、ドレイン/ソース電極7から活性層5を横切るよう
に負荷用D−FET2のゲート電極9が延出されてい
る。また、駆動用E−FET3の活性層6を介してドレ
イン/ソース電極7の反対側に駆動用E−FET3のソ
ース電極10が形成され、この活性層6上に駆動用E−
FET3のゲート電極11が設けられている。
【0005】このような構成のDCFL1の動作負荷線
を図3に示す。図3の横軸は駆動用E−FET3のドレ
イン電圧VdE(=Vout)、縦軸は駆動用E−FET3
及び負荷用D−FET2のドレイン電流Idであって、
図3には、Vin(=駆動用E−FET3のゲート電圧V
gs)をパラメータとする駆動用E−FET3のドレイン
電流−電圧(Id−VdE)特性と、Vgs=0のときの負
荷用D−FET2のドレイン電流−電圧(Id−VdD
特性[太線で示す]を示している。ただし、負荷用D−
FET2のドレイン−ソース間電圧はVdD=Vdd−VdE
である。このようなDCFL1の動作は、図3の動作負
荷線から理解されるが、この論理特性を入力電圧Vinと
出力電圧Voutとの関係で表わすと、理想的には、図4
の理想特性(2点鎖線)に示すように入力電圧Vinが電
圧Vthよりも大きい場合には、出力電圧VoutはVout
(L)となり、入力電圧Vinが電圧Vthよりも小さい場
合には、出力電圧VoutはVout(H)となり、理想的な
インバータ(NOTゲート)特性を示す。
【0006】ここで、DCFL1が急峻に変化するとき
の入力電圧Vthはしきい値電圧(スレッショルド電圧)
と呼ばれ、論理回路の特性を表わす重要なパラメータで
ある。しきい値電圧Vthは、図3の負荷線からわかるよ
うに、駆動用E−FET3のドレイン電流Idが負荷用
D−FET2の最大電流値IdDmaxと同じ値をとるとき
の入力電圧Vinとなるので、負荷用D−FET2の最大
電流値IdDmaxと駆動用E−FET3の最大電流値IdEm
axの比で決まる。
【0007】ところで、DCFL1のインバータ特性
は、理想的には、図4に示した理想特性(2点鎖線)の
ように、 0≦Vin<Vth のとき Vout(H)=電源電圧Vdd Vth<Vin のとき Vout(L)=0volt(GN
D電圧) となることが望ましい。前者の動作を実現するには、負
荷用D−FET2のオン抵抗を0Ωにし、後者の動作を
実現するには、駆動用E−FET3のオン抵抗を0Ωに
する必要がある。しかし、負荷用D−FET2や駆動用
E−FET3の活性層5,6には抵抗成分があるため、
オン抵抗を0Ωにすることは不可能である。よって、実
際には、DCFL1のダイオード特性は、図4に実線で
示したように、理想特性より少し劣化した特性になる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、DCFLの高
集積性を活かして集積化を行うと、図4に示したような
論理特性がさらに劣化する場合がある。例えば、インバ
ータ形のDCFL1の駆動用E−FET3に代えて、3
個の駆動用E−FET3a,3b,3cを並列接続した
ものを負荷用D−FET2のソースとグランド(GN
D)の間に挿入し、各駆動用E−FET3a,3b,3
cのゲートにそれぞれ入力Vin(1),Vin(2),Vin(3)
を接続した、図5のような3入力NORゲートとしたD
CFL12を考える。
【0009】図6は、この3入力NORゲートとして構
成したDCFL12のFETレイアウトを示す図であ
る。GaAs基板4の表面には、n形不純物の注入によ
って負荷用D−FET2の活性層5(破線を施した領
域)と各駆動用E−FET3a,3b,3cの活性層6
a,6b,6c(破線を施した領域)とが形成されてお
り、2つの駆動用E−FET3a,3bの活性層6a,
6b間から負荷用D−FET2及び駆動用E−FET3
cの活性層5,6c間にかけて各駆動用E−FET3
a,3b,3cのドレインと負荷用D−FET2のソー
スを兼用するドレイン/ソース電極7が形成されてお
り、負荷用D−FET2の活性層5を介してドレイン/
ソース電極7の反対側に負荷用D−FET2のドレイン
電極8が形成され、さらに、ドレイン/ソース電極7か
ら活性層5を横切るように負荷用D−FET2のゲート
電極9が延出されている。また、駆動用E−FET3c
の活性層6cを介してドレイン/ソース電極7の反対側
に駆動用E−FET3cのソース電極10cが形成さ
れ、この活性層6c上に駆動用E−FET3cのゲート
電極11cが設けられている。同様に、各駆動用E−F
ET3a,3bの活性層6a,6bを介してドレイン/
ソース電極7の反対側に各駆動用E−FET3a,3b
のソース電極10a,10bが形成され、この活性層6
a,6b上に各駆動用E−FET3a,3bのゲート電
極11a,11bが設けられている。
【0010】このようなFETレイアウトの場合には、
図6から分かるように、ドレイン/ソース電極7に関し
て同じ側に位置している駆動用E−FET3aのソース
電極10aが、負荷用D−FET2の活性層5の近傍に
位置することになる。このソース電極10aと活性層5
の距離は、一般に約5μm程度である。このため、この
DCFL12においては、その論理特性を劣化させる、
次の様な現象が生じる。
【0011】このDCFL12において、Vout(H)
=Vddを出力しているとき、負荷用D−FET2の活性
層5はVddの電位にある。このとき、駆動用E−FET
3aのソース電極10a(GND電位)は負荷用D−F
ET2の活性層5からみて負電位にあるため、活性層5
とソース電極10aの間に電界が生じる。
【0012】ところで、GaAsを始めとする化合物半
導体は「深い準位」に起因する半絶縁性を有しており、
その内部における電界分布は絶縁体の場合と全く異なっ
ている。通常、絶縁体における電界分布は一様になる
が、半絶縁体の場合は、高電位側の活性層の端で「深い
準位」が帯電して空間電荷(電子)が発生するため、そ
こに電界が集中する。よって、先ほどの活性層5とソー
ス電極10aの間に生じた電界のほとんどは、活性層端
に集中している。この「深い準位」に起因する電界によ
り、負荷用D−FET2の活性層5は駆動用E−FET
3a側の側面(サイド)及び底面(バック)から空乏化
する。このときの様子を図7に示す。ここで、図7
(a)は活性層5の側部及び底部に帯電した負電荷(電
子)13と活性層5の側面及び底面から成長した空乏層
14を示している。図7(b)は活性層5とソース電極
10aの間のX方向の経路に沿った電位の変化を示して
おり、電位は活性層5の端部近傍で急激に変化してい
る。図7(c)は活性層5とソース電極10aの間の経
路における電界の分布を示しており、電界は活性層5の
端部近傍に集中している。この現象は、駆動用E−FE
T3aのソース電極10aをFETのゲートに見立て、
負荷用D−FET2の活性層5がそのゲートで制御され
ていると考えられるため、一般にサイドゲート効果(ま
たは、バックゲート効果)と呼ばれている。
【0013】以上説明したように、負荷用D−FET2
の活性層5の一部が空乏化すると、そのドレイン電極8
からソース電極(ドレイン/ソース電極7)への電流通
過面積が減少するため、負荷用D−FET2のオン抵抗
が増加することになる。よって、サイドゲート効果が生
じたときの論理特性は、図4の場合よりさらに劣化す
る。すなわち、サイドゲート効果が生じると、負荷用D
−FET2のオン抵抗が増大するので、負荷用D−FE
T2のドレイン電流−電圧(Id−VdD)特性は、図8
に実線で示した特性のように変化する。このため、負荷
用D−FET2のオン抵抗が増すことにより、0≦Vin
<Vthでは、Vout(H)がVddから急速に低下してい
き、DCFL12の論理特性は、図9に実線で示すよう
にさらに劣化する。
【0014】図9に示したような論理特性の劣化[Vou
t(H)の低下]は、ノイズマージンの減少となり、論
理回路の誤動作を起こす原因になる。サイドゲート効果
の影響を小さくするには、素子間の距離を大きく取れば
よいが、これを大きくし過ぎるとDCFL12の高集積
性が損われてしまうという欠点がある。
【0015】本発明は叙上の従来例の欠点に鑑みてなさ
れたものであり、その目的とするところは、DCFL等
を用いた論理回路において、高集積化を行った場合でも
サイドゲート効果による論理特性の劣化を改善できるよ
うにすることにある。
【0016】
【発明の開示】請求項1に記載の論理回路は、デプレッ
ション型電界効果トランジスタを定電流負荷素子として
使用した論理回路であって、前記デプレッション型電界
効果トランジスタが形成されている基板において、当該
電界効果トランジスタの周囲近傍に、当該電界効果トラ
ンジスタに印加されている電源電位もしくは当該電源電
位に近い電位にある電界遮断領域を配置したことを特徴
としている。
【0017】例えば、請求項2に記載したDCFL、す
なわち負荷用デプレッション型電界効果トランジスタと
複数個の各エンハンスメント型電界効果トランジスタを
縦続接続し、当該デプレッション型電界効果トランジス
タのドレイン電極に電源電圧を印加し、各エンハンスメ
ント型トランジスタのソース電極を接地した論理回路に
おいては、デプレッション型電界効果トランジスタの活
性層と、デプレッション型電界効果トランジスタの近傍
に位置するエンハンスメント型電界効果トランジスタの
ソース電極との中間に、電界遮断領域を配置したもので
ある。
【0018】請求項1又は2に記載の論理回路にあって
は、負荷用のデプレッション型FETの周囲近傍に電界
遮断領域を配置しているので、デプレッション型FET
と周囲近傍の低電位領域例えばE−FETのソース電極
との間の電位差によってデプレッション型FETの活性
層にサイドゲート効果による空乏層が成長してデプレッ
ション型FETのオン抵抗が増大するのを防止すること
ができる。この結果、論理回路の素子面積を大きくする
ことなく、その論理特性の劣化を改善することができ
る。
【0019】請求項3に記載の論理回路は、デプレッシ
ョン型電界効果トランジスタを定電流負荷素子として使
用した論理回路であって、前記デプレッション型電界効
果トランジスタが形成されている基板の表面において、
当該電界効果トランジスタの周囲近傍に溝を凹設したこ
とを特徴としている。
【0020】例えば、請求項4に記載したDCFL、す
なわちデプレッション型電界効果トランジスタと複数個
の各エンハンスメント型電界効果トランジスタを縦続接
続し、当該デプレッション型電界効果トランジスタのド
レイン電極に電源電圧を印加し、各エンハンスメント型
トランジスタのソース電極を接地した論理回路において
は、デプレッション型電界効果トランジスタの活性層
と、デプレッション型電界効果トランジスタの近傍に位
置するエンハンスメント型電界効果トランジスタのソー
ス電極との中間に、溝を配置したものである。
【0021】請求項3又は4に記載の論理回路にあって
は、負荷用のデプレッション型FETの周囲近傍に溝を
設けているので、デプレッション型FETと周囲近傍の
低電位領域例えばE−FETのソース電極との間の電位
差によって生じる電気力線は溝の下方を迂回することに
なり、デプレッション型FETの活性層に加わる電界を
弱めることができる。この結果、サイドゲート効果によ
る空乏層の成長を抑制してデプレッション型FETのオ
ン抵抗が増大するのを防止でき、論理回路の素子面積を
大きくすることなく、その論理特性の劣化を改善するこ
とができる。
【0022】請求項5に記載の論理回路は、デプレッシ
ョン型電界効果トランジスタを定電流負荷素子として使
用した論理回路であって、基板の表面に、周囲よりも高
くなった高台部を設け、当該高台部のうえに前記デプレ
ッション型電界効果トランジスタを形成したことを特徴
としている。
【0023】例えば、請求項6に記載したDCFL、す
なわちデプレッション型電界効果トランジスタと複数個
の各エンハンスメント型電界効果トランジスタを縦続接
続し、当該デプレッション型電界効果トランジスタのド
レイン電極に電源電圧を印加し、各エンハンスメント型
トランジスタのソース電極を接地した論理回路において
は、デプレッション型電界効果トランジスタを周囲より
も高くなった高台部に形成したものである。
【0024】請求項5又は6に記載の論理回路にあって
は、負荷用のデプレッション型FETを高台部に形成し
ているので、デプレッション型FETと、その周囲近傍
の低電位領域例えばE−FETのソース電極との距離を
離してデプレッション型FETの活性層に加わる電界を
弱めることができる。この結果、サイドゲート効果によ
る空乏層の成長を抑制してデプレッション型FETのオ
ン抵抗が増大するのを防止でき、論理回路の素子面積を
大きくすることなく、その論理特性の劣化を改善するこ
とができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)図10は本発明の一実施形態による
DCFL21のFETレイアウトを示す図であって、こ
のDCFL21は3入力NORゲート(図5参照)とし
て構成されている。なお、図6に示した従来例と同一構
成要素については、同一の符号を付し、重複して説明す
ることは省略する。
【0026】この実施形態によるDCFL21にあって
は、図10に示すように、負荷用D−FET2の活性層
5と駆動用E−FET3aのソース電極10aを結ぶ直
線上において、GaAs基板4の表面層にn形不純物を
注入して不純物層22を形成し、当該不純物層22の表
面に導体層23を設け、当該導体層23に負荷用D−F
ET2のドレイン電極8と同じ電源電圧Vddを印加し、
不純物層22と導体層23とから電界遮断領域24を形
成している。具体的には、負荷用D−FET2のドレイ
ン電極8から延出させた導体層23を不純物層22の上
面に配置して電界遮断領域24を形成している。
【0027】DCFL21がVout(H)=Vddを出力
しているとき、負荷用D−FET2の活性層5の電位は
Vddにあり、駆動用E−FET3aのソース電極10a
はグランド電位にあるが、この実施形態にあっては、図
11(a)に示すように、負荷用D−FET2の活性層
5と駆動用E−FET3aのソース電極10aとの中間
に、当該活性層5と同電位にある電界遮断領域24を配
置しているので、ソース電極10aと活性層5との間の
電位差は、大部分ソース電極10aと不純物層22との
間に生じる[図11(b)]。このため、「深い準位」
による負電荷25は電界遮断領域24の不純物層22の
側面及び底面に集中して発生し、この部分に比較的大き
な電界が発生し[図11(c)]、不純物層22の側面
及び底面から不純物層22内に比較的大きな空乏層26
が成長する。一方、活性層5と不純物層22との電位差
は小さいので[図11(b)]、活性層5の近傍に生じ
る「深い準位」に起因する負電荷13が大幅に減少し、
この部分に発生する電界も小さくなって[図11
(c)]、活性層5内に生成する空乏層14が収縮す
る。
【0028】本実施形態においては、上記のように負荷
用D−FET2と駆動用E−FET3aの中間に、電源
電位Vddにある電界遮断領域24を配置することによ
り、図11(a)に示したように、活性層5の空乏化率
を小さくできる。この結果、負荷用D−FET2のオン
抵抗が従来のDCFL12に比べて減少し、図12に示
すように、Vgs=0のときの負荷用D−FET2のドレ
イン電流−電圧(Id−VdD)特性も、「深い準位」の
影響を受けていた2点鎖線の状態から実線の状態へと回
復する。これに伴ってDCFL21の論理特性も、図1
3に示すように、2点鎖線で示した従来例の論理特性か
ら、実線で示したように良好な論理特性へと改善され
る。
【0029】図12及び図13で示した実測結果によれ
ば、サイドゲート効果を完全に消滅させるまでには至っ
ていないが、サイドゲート効果を大きく抑制でき、論理
特性をかなり改善できていることが分かる。しかも、本
実施形態では、サイドゲート効果を抑制するために負荷
用D−FET2と駆動用E−FET10aの距離を大き
く離すなど、論理ゲートの占有面積を拡大するような手
段は必要でないから、DCFL21の高集積性が損なわ
れることがない。
【0030】(第2の実施形態)図14は本発明の別な
実施形態によるDCFL(3入力NORゲート)27の
FETレイアウトを示す図である。このDCFL27に
あっては、図14に示すように、負荷用D−FET2の
活性層5と駆動用E−FET3aのソース電極10aを
結ぶ直線上において、GaAs基板4の表面層にn形不
純物を注入して不純物層22を形成し、負荷用D−FE
T2のソース電極(ドレイン/ソース電極7)から延出
させた導体層23を不純物層22の上面に配置し、不純
物層22及び導体層23からなる電界遮断領域24を形
成している。
【0031】この実施形態にあっても、DCFL27が
Vout(H)=Vddを出力しているときには、電界遮断
領域24の電位は活性層5と同じく電源電位Vddとなる
ので、第1の実施形態と同じ原理により、活性層5の空
乏層が縮小される。従って、負荷用D−FET2のオン
抵抗が従来のDCFL12に比べて減少し、DCFL2
7の論理特性も良好となる。
【0032】また、第1の実施形態では、負荷用D−F
ET2のドレイン電極8から導体層23を延出している
ので、電界遮断領域24とドレイン/ソース電極7との
間に隙間が生じるのを避けることができず、この隙間か
ら活性層5とソース電極10aの間の電界(電気力線)
が漏れ出ると、電界遮断領域24を迂回した電界のため
に活性層5の近傍に電界が集中し、活性層5内の空乏層
14が大きく成長する恐れがある。これに対し、第2の
実施形態では、負荷用D−FET2のソース電極(ドレ
イン/ソース電極7)から導体層23を延出しているの
で、ドレイン/ソース電極7と電界遮断領域24との間
に隙間が発生しないように配置できる。なお、この配置
では、電界遮断領域24の延出先端側を十分に延ばすこ
とができるので、先端側からの電界の迂回も十分に妨げ
ることができる。
【0033】(第3の実施形態)図15は本発明のさら
に別な実施形態によるDCFL(3入力NORゲート)
28のFETレイアウトを示す図である。このDCFL
28にあっては、図15に示すように、負荷用D−FE
T2の活性層5と駆動用E−FET3aのソース電極1
0aを結ぶ直線上において、GaAs基板4の表面層に
n形不純物を注入して不純物層22を形成し、負荷用D
−FET2のソース電極(ドレイン/ソース電極7)か
ら延出させた導体層23を不純物層22の上面に配置
し、不純物層22及び導体層23からなる電界遮断領域
24を形成している。さらに、当該DCFL28の負荷
用D−FET2の活性層5と、隣接するDCFL28の
駆動用E−FET3aのソース電極10aを結ぶ直線上
において、GaAs基板4の表面層にn形不純物を注入
して不純物層29を形成し、負荷用D−FET2のドレ
イン電極8から延出させた導体層30を不純物層29の
上面に配置し、不純物層29及び導体層30からなる電
界遮断領域31を形成している。
【0034】このDCFL28にあっては、電界遮断領
域24を設けることによって、素子内における活性層5
とソース電極10a間の電界による空乏層14の成長
(素子内のサイドゲート効果)を抑制し、電界遮断領域
31を設けることによって、素子間における活性層5と
ソース電極10a間の電界による空乏層14の成長(素
子間のサイドゲート効果)を抑制し、集積化されたDC
FL28の論理特性をより改善できるようにしている。
【0035】(第4の実施形態)図16は本発明のさら
に別な実施形態によるDCFL(3入力NORゲート)
32のFETレイアウトを示す図である。このDCFL
32は、負荷用D−FET2の周囲近傍にトレンチ
(溝)を凹設したことを特徴としている。具体的にいう
と、負荷用D−FET2の活性層5と駆動用E−FET
3aのソース電極10aを結ぶ直線上において、エッチ
ングによってGaAs基板4の表面にトレンチ33を凹
設している。さらに、当該DCFL28の負荷用D−F
ET2の活性層5と、隣接するDCFL28の駆動用E
−FET3aのソース電極10aを結ぶ直線上において
も、エッチングによりGaAs基板4の表面にトレンチ
34を凹設している。
【0036】図16のDCFL32のように、負荷用D
−FET2の周囲近傍にトレンチ33,34を設ける
と、電界(電気力線)がトレンチの下方を迂回して活性
層5とソース電極10aとの間の電気的な距離が長くな
るので、負荷用D−FET2の活性層5と駆動用E−F
ET3aのソース電極10aの距離をそのままで、電気
的には当該距離を遠く離したのと同じ作用が得られる。
よって、活性層5とソース電極10aの間に生じる電界
を弱めることができ、負荷用D−FET2の活性層5に
おけるサイドゲート効果を抑制することができ、DCF
L32の論理特性の劣化を改善することができる。
【0037】(第5の実施形態)図17は本発明のさら
に別な実施形態によるDCFL(3入力NORゲート)
35のFETレイアウトを示す図である。このDCFL
35は、負荷用D−FET2をメサ(台地)36上に形
成したことを特徴としている。すなわち、GaAs基板
4の一部を周囲よりも高くしてメサ36を形成し、この
メサ36の上に負荷用D−FET2だけを形成してい
る。
【0038】図17のDCFL35のように、負荷用D
−FET2をメサ36上に設けると、活性層5とソース
電極10a間を立体化することによって距離を長くでき
るので、負荷用D−FET2の活性層5と駆動用E−F
ET3aのソース電極10aの平面距離をそのままで、
その実距離を長くすることができる。よって、活性層5
とソース電極10aの間に生じる電界を弱めることがで
き、負荷用D−FET2の活性層5におけるサイドゲー
ト効果を抑制することができ、DCFL35の論理特性
の劣化を改善することができる。
【0039】なお、上記各実施形態においては、D−F
ETを定電流負荷素子として用いた論理回路の例として
DCFLを説明したが、本発明はこのような論理回路に
適用できるに止まるものではない。例えば、定電流接続
を行なった負荷用D−FETを用いるBFL(Buffered
FET Logic)やSDFL(Schottky Diode FET Logic)
等においても、本発明を適用することができ、それによ
って高集積化を行った場合のサイドゲート効果を抑制
し、論理特性の劣化を改善することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】インバータ型のDCFLの構成を示す回路図で
ある。
【図2】従来のインバータ型DCFLのFETレイアウ
トを示す平面図である。
【図3】同上のDCFLを構成する負荷用D−FET及
び駆動用E−FETの動作負荷線を示す図である。
【図4】同上のDCFLのインバータ特性を示す入出力
特性図である。
【図5】3入力NORゲート型のDCFLの構成を示す
回路図である。
【図6】従来の3入力NORゲート型DCFLのFET
レイアウトを示す平面図である。
【図7】同上のDCFLにおいて、X方向(図6)に沿
った様子を示す図であって、(a)は負荷用D−FET
と駆動用E−FETの1つとの間の構造を示す断面図、
(b)は電位の変化を示す図、(c)は電界の分布を示
す図である。
【図8】同上のDCFLを構成する負荷用D−FET及
び駆動用E−FETの動作負荷線を示す図である。
【図9】同上のDCFLのインバータ特性を示す入出力
特性図である。
【図10】本発明の一実施形態による3入力NORゲー
ト型DCFLのFETレイアウトを示す平面図である。
【図11】同上のDCFLにおいて、X方向に沿った様
子を示す図であって、(a)は負荷用D−FETと駆動
用E−FETの1つとの間の構造を示す断面図、(b)
は電位の変化を示す図、(c)は電界の分布を示す図で
ある。
【図12】同上のDCFLを構成する負荷用D−FET
及び駆動用E−FETの動作負荷線を示す図である。
【図13】同上のDCFLのインバータ特性を示す入出
力特性図である。
【図14】本発明の別な実施形態による3入力NORゲ
ート型DCFLのFETレイアウトを示す平面図であ
る。
【図15】本発明のさらに別な実施形態による3入力N
ORゲート型DCFLのFETレイアウトを示す平面図
である。
【図16】本発明のさらに別な実施形態による3入力N
ORゲート型DCFLのFETレイアウトを示す平面図
である。
【図17】本発明のさらに別な実施形態による3入力N
ORゲート型DCFLのFETレイアウトを示す平面図
である。
【符号の説明】
2 負荷用D−FET 3a,3b,3c 駆動用E−FET 5 負荷用D−FETの活性層 6a,6b,6c 駆動用E−FETの活性層 8 負荷用D−FETのドレイン電極 10a,10b,10c 駆動用E−FETのソース電
極 22,29 不純物層 23,30 導体層 24,31 電界遮断領域 33,34 トレンチ 36 メサ
フロントページの続き (72)発明者 丸川 卓 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 デプレッション型電界効果トランジスタ
    を定電流負荷素子として使用した論理回路であって、 前記デプレッション型電界効果トランジスタが形成され
    ている基板において、当該電界効果トランジスタの周囲
    近傍に、当該電界効果トランジスタに印加されている電
    源電位もしくは当該電源電位に近い電位にある電界遮断
    領域を配置したことを特徴とする論理回路。
  2. 【請求項2】 デプレッション型電界効果トランジスタ
    と複数個の各エンハンスメント型電界効果トランジスタ
    を縦続接続し、当該デプレッション型電界効果トランジ
    スタのドレイン電極に電源電圧を印加し、前記各エンハ
    ンスメント型トランジスタのソース電極を接地した、請
    求項1に記載の論理回路において、 前記デプレッション型電界効果トランジスタの活性層
    と、当該デプレッション型電界効果トランジスタの近傍
    に位置するエンハンスメント型電界効果トランジスタの
    ソース電極との中間に、前記電界遮断領域を配置したこ
    とを特徴とする論理回路。
  3. 【請求項3】 デプレッション型電界効果トランジスタ
    を定電流負荷素子として使用した論理回路であって、 前記デプレッション型電界効果トランジスタが形成され
    ている基板の表面において、当該電界効果トランジスタ
    の周囲近傍に溝を凹設したことを特徴とする論理回路。
  4. 【請求項4】 デプレッション型電界効果トランジスタ
    と複数個の各エンハンスメント型電界効果トランジスタ
    を縦続接続し、当該デプレッション型電界効果トランジ
    スタのドレイン電極に電源電圧を印加し、前記各エンハ
    ンスメント型トランジスタのソース電極を接地した、請
    求項3に記載の論理回路において、 前記デプレッション型電界効果トランジスタの活性層
    と、当該デプレッション型電界効果トランジスタの近傍
    に位置するエンハンスメント型電界効果トランジスタの
    ソース電極との中間に、前記溝を配置したことを特徴と
    する論理回路。
  5. 【請求項5】 デプレッション型電界効果トランジスタ
    を定電流負荷素子として使用した論理回路であって、 基板の表面に、周囲よりも高くなった高台部を設け、当
    該高台部のうえに前記デプレッション型電界効果トラン
    ジスタを形成したことを特徴とする論理回路。
  6. 【請求項6】 デプレッション型電界効果トランジスタ
    と複数個の各エンハンスメント型電界効果トランジスタ
    を縦続接続し、当該デプレッション型電界効果トランジ
    スタのドレイン電極に電源電圧を印加し、前記各エンハ
    ンスメント型トランジスタのソース電極を接地した、請
    求項5に記載の論理回路において、 前記デプレッション型電界効果トランジスタを前記高台
    部に形成したことを特徴とする論理回路。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015526900A (ja) * 2012-07-16 2015-09-10 トランスフォーム インコーポレーテッド 電流リミッタが組み込まれた半導体電子部品

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