JPH11111547A - スティック型点火コイル - Google Patents

スティック型点火コイル

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JPH11111547A
JPH11111547A JP9357143A JP35714397A JPH11111547A JP H11111547 A JPH11111547 A JP H11111547A JP 9357143 A JP9357143 A JP 9357143A JP 35714397 A JP35714397 A JP 35714397A JP H11111547 A JPH11111547 A JP H11111547A
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JP
Japan
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insulating material
ignition coil
stick
coil
room temperature
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JP9357143A
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English (en)
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Kazutoyo Osuga
一豊 大須賀
Tomonori Ishikawa
智則 石川
Shigehiko Inayoshi
成彦 稲吉
Masahiko Aoyama
雅彦 青山
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Publication date
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Priority to ES02015927T priority patent/ES2275785T3/es
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Priority to DE69836987T priority patent/DE69836987T2/de
Priority to ES02015929T priority patent/ES2280458T3/es
Priority to ES98102541T priority patent/ES2221085T3/es
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 点火コイル1の内周側と外周側とを別々に膨
張、収縮させるための分離手段の別部材を用いなくと
も、スティック型点火コイル1内の各部材の破損を防
ぐ。 【解決手段】 点火コイル1は、ハウジング2内に、中
心コア3、2次スプール4、2次コイル5、1次スプー
ル6、1次コイル7、外周コア8を配し、各隙間に絶縁
材9を真空充填したものである。各部材は絶縁材9を介
して結合されるが、ASTMD790に準ずる試験方法
における常温弾性率が0.1〜5000MPaの範囲の
絶縁材9が使用されているため、温度変化に伴って各部
材が膨張、収縮しても、絶縁材9による各部材の拘束力
が小さく、結果的に膨張差による各部材の破損を抑える
ことができ、分離手段を用いなくとも済む。また、AS
TMD790に準ずる試験方法における常温弾性率が
0.1〜10MPaの範囲の絶縁材9を使用することに
より、中心コア3とその周囲の部材との熱膨張差を絶縁
材9が吸収し、中心コア3に緩衝部材を装着しなくて済
む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンのプラグ
ホール内に装着されるスティック型点火コイルに関す
る。
【0002】
【従来の技術】スティック型点火コイル(以下、点火コ
イル)は、中心に棒状の中心コアを配置し、その外周に
1次コイルおよび2次コイルを巻回した樹脂製の1次ス
プールおよび2次スプールを配置し、点火コイルのハウ
ジング内に絶縁材を充填するものが知られている。絶縁
材は、絶縁性を確保する目的以外に、コイルの線材間に
浸透してコイルの巻線崩れを防いだり、振動による破損
を防ぐ目的があり、従来では耐熱性も考慮して熱硬化性
絶縁樹脂であるエポキシ樹脂を使用していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】エポキシ樹脂を充填し
た点火コイルは、固いエポキシ樹脂により各部材が互い
に接着されているので、温度変化に伴い、線膨張係数の
異なる各部材が膨張、収縮するときに、各部材が互いに
強い拘束力を受ける。
【0004】この膨張、収縮に伴う強い拘束力が各部材
に働くと、外周側よりも内周側の部材の方が大きな力を
受け、内周側の部材に歪みが生じ易く、内周側のスプー
ルが破損し易い。そこで、点火コイルの内周側と外周側
とを分離手段(例えば、フィルム等)で分離し、外周部
と内周部とがそれぞれ別々に膨張、収縮させて、上記不
具合を解決する技術を見出した(従来技術ではない)。
しかし、この技術は、分離手段という別部品を点火コイ
ル内に配置するため、分離手段の製造コストおよび組付
工数の増加によって、点火コイルのコストが高くなって
しまう。
【0005】また、中心コアと周囲の部材との膨張差に
より、特に中心コアの軸方向の角部と接する部分の部材
(絶縁材やスプール等)に歪みが生じ易く、絶縁材やス
プール等が破損し易い。そこで、中心コアの周囲に緩衝
部材(ゴム製筒部材)を装着し、中心コアと周囲の部材
との膨張差を緩衝部材で吸収させて、上記不具合を解決
する技術を見出した(従来技術ではない)。しかし、こ
の技術も、緩衝部材という別部品を中心コアに装着する
ものであるため、緩衝部材の製造コストおよび組付工数
の増加によって、点火コイルのコストが高くなってしま
う。
【0006】
【発明の目的】本発明は、上記の事情に鑑みてなされた
もので、その目的は内周側と外周側とを別々に膨張、収
縮させるための分離手段や、中心コアに装着される緩衝
部材を用いることなく、内部の各部材の破損を防ぐこと
のできる点火コイルの提供にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
〔請求項1の手段〕点火コイルは、充填される絶縁材に
可撓性材料が用いられるため、温度変化に伴なって線膨
張係数の異なる各部材が膨張、収縮しても、絶縁材を介
して接着される部材間の拘束力が小さい。このため、各
部材の膨張差による各部材の破損を抑えることができ、
耐久性に優れた点火コイルを安価にできる。
【0008】〔請求項2の手段〕絶縁材の常温弾性率
を、ASTMD790に準ずる試験方法において0.1
〜5000MPaの範囲内としたことにより、絶縁材を
介して接着される部材間の拘束力が従来よりも弱まり、
点火コイルの内周部と外周部との間に、フィルム等の分
離手段を配置しなくても、点火コイル内の各部材の破損
を抑えることができ、結果的に耐久性に優れた点火コイ
ルを安価にできる。
【0009】〔請求項3の手段〕請求項2の発明におい
て、絶縁材の常温弾性率を、ASTMD790に準ずる
試験方法において最低でも10MPa以上としたことに
より、絶縁材による絶縁性が確保できる。つまり、上記
請求項2の手段で示した効果に加えて、絶縁性を十分確
保できる効果を奏する。
【0010】〔請求項4の手段〕中心コアと周囲の部材
との膨張差をASTMD790に準ずる試験方法におい
て常温弾性率が0.1〜10MPaの内側絶縁材が吸収
するため、中心コアの周囲にゴム製筒部材等の緩衝部材
を装着しなくても、中心コアの周囲の部材の破損を抑え
ることができる。また、ASTMD790に準ずる試験
方法において常温弾性率が10MPaより大きい外側絶
縁材が、高い絶縁性を確保するとともに、中心コアの外
側の部材(スプールやコイル等)が振動するのを防ぎ、
振動による断線等の破損の発生を防ぐことができる。
【0011】〔請求項5の手段〕請求項4の発明におい
て、外側絶縁材の常温弾性率を、ASTMD790に準
ずる試験方法において3000MPaより大きくしたこ
とにより、より高い絶縁性を確保するとともに、中心コ
アの外側の部材(スプールやコイル等)の振動をより確
実に防ぐことができる。
【0012】〔請求項6の手段〕絶縁材の−40℃〜1
30℃の線膨張係数の平均値が、ASTMD696に準
ずる試験方法において10〜30ppmの範囲内に設け
られたことにより、コイルや中心コアを構成する鉄や銅
と、絶縁材との線膨張係数が近づき、結果的にスプール
および絶縁材自身に生じる膨張差による歪みが小さくな
る。このように、中心コア、コイル、絶縁材の線膨張係
数が近づき、スプールに生じる膨張差による歪みが小さ
くなることにより、温度変化に伴なう各部材の破損を抑
えることができ、耐久性に優れた点火コイルを安価にで
きる。
【0013】〔請求項7の手段〕請求項6の発明におい
て、絶縁材の線膨張係数の平均値を、常温からガラス転
移温度以下の70℃までの範囲内で求められるようにし
たため、線膨張係数の平均値を容易に求めることができ
る。
【0014】〔請求項8の手段〕請求項6または請求項
7の発明において、絶縁材の線膨張係数の平均値を、A
STMD696に準ずる試験方法において10〜30p
pmの範囲内に設けられたことにより、中心コアやコイ
ルを構成する鉄や銅と、絶縁材との線膨張係数が近づ
き、スプールに生じる膨張差による歪みが小さくなり、
温度変化に伴なう各部材の破損が抑えられる。
【0015】〔請求項9の手段〕中心コアに直接触れる
内側絶縁体は、常温〜70℃の線膨張係数の平均値が、
ASTMD696に準ずる試験方法において10〜30
ppmの範囲内に設けられたことにより、中心コアと、
その周囲の内側絶縁材との線膨張係数が近い。このた
め、中心コアの周囲にゴム製筒部材等の緩衝部材を装着
しなくても、中心コアの周囲の部材の破損を抑えること
ができる。また、内側絶縁材の周囲に充填される外側絶
縁材は、常温〜70℃の線膨張係数の平均値が、AST
MD696に準ずる試験方法において、コイルを構成す
る銅の線膨張係数の平均値の17ppmより大きく設け
られたことにより、スプールに生じる膨張差による歪み
が小さくなり、結果的に温度変化に伴なう各部材の破損
を抑えることができる。
【0016】〔請求項10の手段〕内側絶縁材の線膨張
係数が、中心コアを構成する鉄の線膨張係数(ASTM
D696に準ずる試験方法において常温〜70℃の線膨
張係数の平均値11ppm)から、コイルを構成する銅
の線膨張係数(ASTMD696に準ずる試験方法にお
いて常温〜70℃の線膨張係数の平均値17ppm)の
範囲内に設けられることにより、スプールに生じる膨張
差による歪みが大変小さくなり、結果的に温度変化に伴
なう各部材の破損を抑えることができ、耐久性に優れた
点火コイルを安価にできる。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を、2
つの実施例と変形例を用いて説明する。 〔第1実施例〕図1は第1実施例の点火コイルの断面
図、図2は絶縁材の特性変化に対する2次スプールの冷
熱歪みを示すグラフである。
【0018】点火コイル1は、図示しないエンジンの各
気筒毎に形成されたプラグホール内に装着され、図示し
ない点火プラグに電気的に接続されるものである。この
点火コイル1は、樹脂材料よりなる円筒状のハウジング
2を備え、その内部には、中心から外側へ向かって、中
心コア3、2次スプール4、2次コイル5、1次スプー
ル6、1次コイル7、外周コア8が収納されており、各
隙間には、絶縁材9が真空充填されている。
【0019】中心コア3は、円柱形状を呈するもので、
薄い珪素鋼板を横方向(軸方向と直交する方向)に積層
して設けられている。中心コア3は、2次スプール4の
内壁で位置決めされている。中心コア3の両端には、永
久磁石3a、3bが装着されており、この両端の磁石3
a、3bは中心コア3の励磁極とは逆極性に装着されて
いる。2次スプール4は、2次コイル5を成形するボビ
ンで、1次スプール6の内壁で位置決めされており、樹
脂材料で成形されている。2次コイル5は、絶縁被覆さ
れた極細のコイル線を2次スプール4の外周に巻回して
筒状に設けられたもので、後述する高圧ターミナル12
と電気的に接続されている。
【0020】1次スプール6は、1次コイル7を成形す
るボビンで、ハウジング2および外周コア8の内壁で位
置決めされており、樹脂材料で成形されている。1次コ
イル7は、絶縁被覆され、2次コイル5のコイル線より
太いコイル線を巻回して筒状に設けたもので、後述する
入力ターミナル11と電気的に接続されている。外周コ
ア8は、ハウジング2の内壁に当接して装着されてい
る。この外周コア8は、薄い珪素鋼板を巻き始めと巻き
終わりで絶縁のためのスリットを形成するように筒状に
丸めたものである。
【0021】点火コイル接続用のコネクタ10は、プラ
グホールから突出するようにハウジング2の上端に設け
られており、このコネクタ10には1次コイル7に制御
信号を供給する入力ターミナル11がインサート成形ま
たは圧入されている。なお、入力ターミナル11へ制御
信号を供給するスイッチング回路(図示しない)は、点
火コイル1の外部に配置されている。
【0022】高圧ターミナル12は、ハウジング2の下
端にインサート成形されており、スプリング13と電気
的に接続している。このスプリング13は、点火コイル
1をプラグホール内に装着した際に点火プラグと電気的
に接続するもので、2次コイル5の発生した高電圧は、
高圧ターミナル12とスプリング13を介して点火プラ
グに印加される。ハウジング2の下端開口部には、ゴム
からなるプラグキャップ14が装着されており、このプ
ラグキャップ14が点火プラグに装着される。
【0023】絶縁材9は、真空充填によって各部材が組
付けられたハウジング2内の隙間に進入し、各部材間の
電気絶縁を確実なものとするとともに、各部材を固定し
て振動による破線やクラック等の破損を防ぐものであ
る。従来の絶縁材9は、絶縁性、固定力、耐熱性を満足
する目的で、エポキシ樹脂を使用していた。従来の絶縁
材9として使用していたエポキシ樹脂の常温弾性率E
(以下に示す常温弾性率は、ASTMD790に準ずる
試験方法において計測される値を示す)を調べてみると
8400MPa前後であり、その線膨張係数α(以下に
示す線膨張係数αは、ASTMD696に準ずる試験方
法において常温〜70℃の平均値を示す)は40ppm
前後であった。
【0024】しかし、絶縁材9として従来のエポキシ樹
脂を用いたものは、図2に示すように、2次スプール4
の冷熱歪みが最大値付近であることを見出した。つま
り、従来では2次スプール4の冷熱歪みが最大となる材
料を絶縁材9として使用していたため、従来技術で示し
た分離手段(フィルム等)や緩衝部材(ゴム製筒部材
等)を用いて各部材の破損を防ぐこととなり、結果的に
点火コイル1のコストアップになっていた。
【0025】この発明では、絶縁材9の特性と、2次ス
プール4に生じる冷熱歪みとの関係を基に種々の実験を
行い、シリコン樹脂、ウレタン樹脂、可撓性エポキシ樹
脂などよりなるの可撓性の絶縁材9を用いることによ
り、分離手段等を用いなくても、ハウジング2内の各部
材の破損が防がれることを見出した。具体的には、絶縁
材9の常温弾性率Eを5000MPa以下にすることに
より、分離手段を用いなくてもハウジング2内の各部材
の破損が防がれることを見出し、絶縁材9の常温弾性率
Eを10MPa以下とすることにより、さらに緩衝部材
を用いなくても中心コア3の周囲の部材の破損が防がれ
ることを見出した。また、絶縁材9の常温弾性率Eを
0.1MPaより小さく設けると、各部材の固定力の低
下により、振動が発生して破線やクラック等の破損を招
くため、絶縁材9の常温弾性率Eは0.1MPa以上が
好ましいことを見出した。
【0026】一方、絶縁材9の常温弾性率Eを低下させ
ると、次の表1に示すように、絶縁性が劣化することも
見出した。絶縁性がそれほど問題にならない例えば比較
的発生電圧が低い点火コイル1、および絶縁材9の絶縁
距離を十分に確保できる場合は、常温弾性率Eが低い方
が良いが、それ以外の場合(絶縁材9によって絶縁性を
十分に確保する必要がある場合)は、常温弾性率Eを1
0MPa以上にすることが好ましい。
【0027】
【表1】 なお、上記表1中における*1)は、JIS・C・21
05、40針電極埋込によるものである。
【0028】上記とは逆に、絶縁材9の線膨張係数αを
小さくすることにより、2次スプール4の冷熱歪みが減
り、分離手段等を用いなくても、ハウジング2内の各部
材の破損が防がれることを見出した。具体的には、絶縁
材9の線膨張係数αを10〜30ppmの範囲内に設け
ることにより分離手段を用いなくてもハウジング2内の
各部材の破損が防がれることを見出した。特に、中心コ
ア3を構成する鉄の線膨張係数αが11ppmであり、
2次コイル5を構成する銅の線膨張係数αが17ppm
であることに着目し、絶縁材9の線膨張係数αを11〜
17ppmの範囲内に設けることにより、ハウジング2
内の各部材の破損がより防がれることを見出した。ま
た、2次スプール4の線膨張係数αを10〜50ppm
の範囲内に設けることにより、中心コア3、2次スプー
ル4、2次コイル5の線膨張係数αが接近し、温度変化
による冷熱歪みの発生が抑えられ、点火コイル1の耐久
性が向上する。
【0029】点火コイル1は、上記で示したように、常
温弾性率Eが5000MPa以下の絶縁材9、あるいは
線膨張係数αが30ppm以下の絶縁材9を用いること
により、分離手段を用いなくてもハウジング2内の各部
材の破損を防ぐことができる。このように、分離手段を
用いないことにより、分離手段の製造コストおよび組付
コストが不要になり、結果的に点火コイル1のコストを
抑えることができる。また、常温弾性率Eが10MPa
以下の絶縁材9を用いることにより、絶縁材9の絶縁性
が多少低下するものの、中心コア3に緩衝部材を装着し
なくても中心コア3の周囲の部材の破損を防ぐことがで
きる。このように、緩衝部材を用いないことにより、緩
衝手段の製造コストおよび組付コストが不要になり、結
果的に点火コイル1のコストを、さらに抑えることがで
きる。
【0030】絶縁材9の線膨張係数αを求める際、上述
したように、ASTMD696に準ずる試験方法におい
て常温〜70℃の範囲内における線膨張係数αの平均値
を求めた。このように、線膨張係数αを、常温からガラ
ス転移温度以下の70℃までの範囲内の平均値で求めら
れるようにしたため、この平均値を容易に求めることが
できる。つまり、絶縁材9は、図3に示すように、ガラ
ス転移温度Tgを有するため、線膨張係数αの平均値を
求める際に、平均化する温度範囲内にガラス転移温度T
gが存在すると線膨張係数αの平均値が求めにくいが、
常温〜70℃の温度範囲内には絶縁材9のガラス転移温
度Tgが存在しないため、線膨張係数αの平均値を容易
に求めることができる。
【0031】〔第2実施例〕図4は第2実施例の点火コ
イル1の断面図である。この第2実施例の点火コイル1
は、中心コア3に直接触れる部分に常温弾性率Eが0.
1〜10MPaの範囲内の内側絶縁材9a(例えば、シ
リコン樹脂、ウレタン樹脂、可撓性エポキシ樹脂など)
が設けられたもので、その内側絶縁材9aの周囲には、
常温弾性率Eが10MPaより大きい外側絶縁材9b
(例えば、シリコン樹脂、ウレタン樹脂、可撓性エポキ
シ樹脂、あるいは可撓性を有しない硬質のエポキシ樹脂
など)が充填されたものである。なお、内側絶縁材9a
と外側絶縁材9bとは、別々にハウジング2内に充填し
たものであっても良いし、磁石3a、3bが装着された
中心コア3の周囲に予め内側絶縁材9aをコーティング
してからハウジング2内に組付け、外側絶縁材9bをハ
ウジング2内に充填したものであっても良い。
【0032】このように、内側絶縁材9aの常温弾性率
Eを10MPa以下とし、外側絶縁材9bの常温弾性率
Eを10MPaより大きくしたことにより、中心コア3
の周囲にゴム製筒部材等の緩衝部材を装着しなくても、
中心コア3の周囲の部材の破損を抑えることができると
ともに、その外周の固定力が高まり、振動による断線等
の破損の発生を防ぐことができる。つまり、この第2実
施例によって、緩衝部材の廃止と、振動に対する耐久性
の向上とを両立できる。なお、外側絶縁材9bの常温弾
性率Eを5000MPa以下とすることで分離手段を廃
止できる。
【0033】〔変形例〕上記の実施例では、外周コア8
の外周にハウジング2が設けられる例を示したが、ハウ
ジング2を用いずに外周コア8にハウジング機能を持た
せても良い。この場合は、外周コア8のスリットにゴム
を焼付けて内部をシールするものである。上記の実施例
では、外周コア8を用いた例を示したが、外周コア8を
用いない点火コイルに本発明を適用しても良い。上記の
実施例では、中心コア3に永久磁石3a、3bを装着し
た例を示したが、中心コア3に永久磁石を装着しない点
火コイルに本発明を適用しても良い。
【0034】上記の第2実施例では、内側絶縁材9aの
常温弾性率Eを10MPa以下とし、外側絶縁材9bの
常温弾性率Eを10MPaより大きくした例を示した
が、内側絶縁材9aの線膨張係数αを10〜30ppm
の範囲内に設けるとともに、外側絶縁材9bの線膨張係
数αを17ppmより大きくしても良い。また、内側絶
縁材9aの線膨張係数αを11〜17ppmの範囲内に
設けることで、内側絶縁材9aの線膨張係数αが中心コ
ア3の鉄およびコイルの銅線の線膨張係数に近づき、熱
歪みによる点火コイル1内の破損をより確実に防ぐこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】点火コイルの断面図である(第1実施例)。
【図2】絶縁材の特性変化に対する2次スプールの冷熱
歪みを示すグラフである。
【図3】絶縁材の温度と伸び量との関係を示すグラフで
ある。
【図4】点火コイルの断面図である(第2実施例)。
【符号の説明】
1 点火コイル 2 ハウジング 3 中心コア 4 2スプール 5 2次コイル 6 1次スプール 7 1次コイル 8 外周コア 9 絶縁材 9a 内側絶縁材 9b 外側絶縁材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青山 雅彦 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンのプラグホール内に装着されるス
    ティック型点火コイルであって、 棒状の中心コアと、 この中心コアの外周に配置された1次コイルおよび2次
    コイルと、 前記点火コイル内に充填された絶縁材とを備え、 この絶縁材には可撓性材料が用いられたことを特徴とす
    るスティック型点火コイル。
  2. 【請求項2】前記絶縁材は、ASTMD790に準ずる
    試験方法において常温弾性率が0.1〜5000MPa
    の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のステ
    ィック型点火コイル。
  3. 【請求項3】前記絶縁材は、ASTMD790に準ずる
    試験方法において常温弾性率が10〜5000MPaの
    範囲内であることを特徴とする請求項2に記載のスティ
    ック型点火コイル。
  4. 【請求項4】前記中心コアに直接触れる部分には、AS
    TMD790に準ずる試験方法において常温弾性率が
    0.1〜10MPaの範囲内の内側絶縁材が設けられ、 前記内側絶縁材の周囲には、ASTMD790に準ずる
    試験方法において常温弾性率が10MPaより大きい外
    側絶縁材が充填されたことを特徴とする請求項1に記載
    のスティック型点火コイル。
  5. 【請求項5】前記外側絶縁材は、ASTMD790に準
    ずる試験方法において常温弾性率が3000MPaより
    大きいことを特徴とする請求項4に記載のスティック型
    点火コイル。
  6. 【請求項6】エンジンのプラグホール内に装着されるス
    ティック型点火コイルであって、 棒状の中心コアと、 この中心コアの外周に配置された1次コイルおよび2次
    コイルと、 前記点火コイル内に充填された絶縁材とを備え、 前記絶縁材は、ASTMD696に準ずる試験方法にお
    いて−40℃〜130℃の線膨張係数の平均値が10〜
    30ppmの範囲内であることを特徴とするスティック
    型点火コイル。
  7. 【請求項7】前記絶縁材は、ASTMD696に準ずる
    試験方法において常温〜70℃の線膨張係数の平均値が
    10〜30ppmの範囲内であることを特徴とする請求
    項6に記載のスティック型点火コイル。
  8. 【請求項8】前記絶縁材は、線膨張係数の平均値が10
    〜30ppmの範囲内であることを特徴とする請求項6
    または請求項7に記載のスティック型点火コイル。
  9. 【請求項9】前記中心コアに直接触れる部分には、AS
    TMD696に準ずる試験方法において常温〜70℃の
    線膨張係数の平均値が10〜30ppmの範囲内の内側
    絶縁材が設けられ、 前記内側絶縁材の周囲には、ASTMD696に準ずる
    試験方法において常温〜70℃の線膨張係数の平均値が
    17ppmより大きい外側絶縁材が充填されたことを特
    徴とする請求項6に記載のスティック型点火コイル。
  10. 【請求項10】前記内側絶縁材は、ASTMD696に
    準ずる試験方法において常温〜70℃の線膨張係数の平
    均値が11〜17ppmの範囲内であることを特徴とす
    る請求項9に記載のスティック型点火コイル。
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