JPH11110817A - 高密度光記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

高密度光記録媒体及びその製造方法

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JPH11110817A
JPH11110817A JP9268267A JP26826797A JPH11110817A JP H11110817 A JPH11110817 A JP H11110817A JP 9268267 A JP9268267 A JP 9268267A JP 26826797 A JP26826797 A JP 26826797A JP H11110817 A JPH11110817 A JP H11110817A
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Junji Tominaga
淳二 富永
Takashi Nakano
隆志 中野
Nobufumi Atoda
伸史 阿刀田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半径60nm以下の記録信号により情報を担
持させた高密度光記録媒体を提供する。 【解決手段】 基板、その上に設けた記録層及び記録層
の上下の少なくとも一方の面に接して積層した保護層を
有する光記録材料を用い、これにレーザー光を照射して
記録層と保護層の界面に光学的変化を生じさせて記録信
号を形成させることにより、情報を担持させて、高密度
光記録媒体とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半径60nm以下
の記録信号により情報を担持させた高密度光記録媒体、
その製造方法及び上記光記録媒体に担持させた情報を読
み出す記録再生方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】これまで、光記録媒体は高度情報社会に
おける記録媒体の主役としての役割を果たしており、最
近では、光記録方式を用いて、高密度の情報を高速で記
録再生できる光記録媒体が広く利用されるようになって
きた。
【0003】このような光記録媒体としては、カー又は
ファラデー効果と呼ばれる光と磁気との相互作用を利用
した光磁気方式、及びカルコゲン元素を含む合金を用い
て、その非晶質状態と結晶状態における光学特性の差、
例えば透過率や反射率の差を利用した相変化方式が知ら
れており、これらは主に書換え可能型の光記録媒体とし
てすでに実用化されている。
【0004】一方、一回書き込み方式の光記録媒体、例
えば記録層として有機色素を利用し、光照射による熱で
色素を分解し、その前後の光学特性の差を利用して記録
するものも知られている。このような光記録媒体につい
ては、高度情報化に伴い、その記録密度を高めるため
に、書換え可能なDVD−RAMや一回書き込み型のD
VD−Rなどの研究が盛んに行われている。
【0005】これらの光記録媒体の中で、相変化方式に
よる光記録技術を用いた記録媒体は、その合金特性から
高密度化に適していると考えられ、これを用いて、12
cmサイズのディスクにおいて2.6ギガバイトや5.
2ギガバイトの記録密度が達成されている[「Jpn.
J.Appl.Phys.」,第35巻,第502ペー
ジ(1996年)]。
【0006】また、相変化型記録膜を用い、アズデポ状
態のアモルファスから結晶状態へ変化させ、その光学特
性の差を利用し、さらに高密度化を図った光記録技術も
提案されている[「Jpn.J.Appl.Phy
s.」,第35巻,第443ページ(1996年)]。
この光記録技術は、近接場光記録を用いたもので、半径
60〜200nmの大きさの結晶マークを形成すること
に成功しているが、60nm以下での相変化型記録膜の
グレインサイズは得られていない。そして、この光記録
方式においては、ランダム状態の大きいアズデポ状態か
らGeSbTeの結晶を形成させるために、高い活性化
エネルギーを必要とするが、それを実現するのに十分な
記録パワーを発生させることができなかった。
【0007】そのほか、原子間力顕微鏡を用いて、相変
化型記録膜への記録が試みられており[「Jpn.J.
Appl.Phys.」,第36巻,第523ページ
(1997年)]、該記録膜と原子間力顕微鏡のクロム
コーティングヘッドとのショットキーコンタクトにより
電荷分布を生じさせて、直径10nm程度のマークの記
録に成功している。しかしながら、この場合、原子間力
顕微鏡のヘッドを用いているため、その記録の再生は不
可能である。
【0008】このように、光を用いて情報を記録、再生
する方式において、半径60nm以下のマークを記録
し、かつ再生できる光記録方法及び光記録媒体は、これ
まで見出されておらず、光記録方式で、テラバイト以上
の高密度化を達成できる技術は実用化されていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、半径60nm以下の記録信号により、情
報を担持させた高密度光記録媒体、その製造方法及び該
光記録媒体に担持させた情報を読み出して記録を再生す
る方法を提供することを目的としてなされたものであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高密度光
記録媒体について鋭意研究を重ねた結果、相変化型記録
材料からなる記録層の上下の少なくとも一方の面に保護
層を設けてなる光記録材料を用い、これにレーザー光を
照射して記録層と保護層の界面に光学的変化を生じさせ
ると、半径5〜50nm程度の記録信号が形成され、所
望の高密度光記録媒体が得られること、また、記録層の
上下に保護層を設け、上下両界面に記録信号を形成させ
た光記録媒体においては、それらの記録信号の差又は
和、あるいは積又は比を検出することにより、情報を容
易に再生しうることを見出し、この知見に基づいて本発
明を完成するに至った。
【0011】すなわち、本発明は、基板とその上に設け
た記録層とを有する光記録媒体において、該記録層の少
なくとも一方の面に接して保護層を積層するとともに、
該記録層と該保護層との間の界面に、光学的変化で発生
させた記録信号により情報を担持させたことを特徴とす
る高密度光記録媒体、及び記録層の上下に保護層を設
け、上下両界面に形成した記録信号の差又は和を検出し
て情報を読み出すか、あるいは、上下両界面に形成した
記録信号の上下の位置関係を検出し、その信号の積又は
比を検出して情報を読み出す上記高密度光記録媒体の記
録再生方法を提供するものである。
【0012】また、前記高密度光記録媒体は、本発明方
法に従えば、基板、その上に設けた記録層及び記録層の
上下の少なくとも一方の面に接して積層した保護層を有
する光記録材料を用い、これにレーザー光を照射して記
録層と保護層の界面に光学的変化を生じさせて記録信号
を形成させ、情報を担持させることにより、製造するこ
とができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の高密度光記録媒体は、基
板とその上に設けた相変化型記録材料からなる記録層と
この記録層の上下の少なくとも一方の面に接して積層し
た保護層とを有する光記録材料を用い、情報を担持させ
たものである。
【0014】上記基板については、表面が滑らかなもの
である限り、特に制限はなく、透明、不透明のいずれも
用いることができる。このような基板としては、従来相
変化型記録媒体の基板として慣用されているもの、例え
ばポリプロピレン、アクリル樹脂、ポリカーボネート、
スチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂などのプラスチック
基板、ガラス基板やガラス基板上に光硬化性樹脂層を設
けたもの、さらにはアルミニウム基板やGaAs基板な
どが挙げられる。これらの基板の表面平均粗さRaは、
5nmの範囲内にあるのが好ましい。
【0015】これらの基板上に設けられる記録層を構成
する相変化型記録材料についても特に制限はなく、従来
記録層として使用されていたもの、例えば一般に広く利
用されているGe−Sb−Te合金、結晶化エネルギー
がより低いAg−In−Sb−Te合金、結晶化速度を
コントロールすることができ、結晶成長を阻害できるA
g−In−Sb−Te−V合金などを用いることができ
る。
【0016】この記録層は、前記相変化型記録材料を用
い、公知の方法、例えば真空蒸着やスパッタリングなど
の物理的蒸着法、あるいは化学的蒸着法により、基板上
に形成することができる。この際、前記合金そのものを
ターゲットとして蒸着してもよいし、合金の各成分をタ
ーゲットとして蒸着し、基板上で合金化してもよい。
【0017】本発明においては、このようにして形成さ
れた記録層の上面又は下面あるいはその両面に接して保
護層を積層するが、この保護層としては、比較的光を透
過しやすい誘電体からなる層が好適である。
【0018】本発明における記録層としては成膜直後の
いわゆるアズデポ状態のものや、基板上に成膜した記録
層を、いったん光又は熱により、ランダム状態の大きい
アズデポ状態から結晶状態に相安定化させたのち、再び
レーザー光を照射するか又は加熱により、記録層の融点
以上まで昇温し、次いで超高速で冷却して非晶質状態を
形成させたものを用いる。このような非晶質状態の記録
層においては、その活性化エネルギーは、Ge−Sb−
Te合金記録層で1.4〜1.7eV程度であり、また
結晶転移温度は120〜130℃程度である。
【0019】本発明における記録層の厚さは、通常10
〜60nmの範囲で選ばれるが、特に制限はない。ま
た、より高密度の記録を行うためには、光パワーを可能
なかぎり小さくする必要があるので、基板後方又は側面
から、補助光あるいは補助加熱器を用いて、記録層の結
晶化温度より20〜30℃程度低い温度まで補助加熱す
るのが有利である。本発明において、この記録層の少な
くとも一方の面に接して積層する保護層の材料として
は、該記録層の融点以上の軟化温度又は融点を有するも
のが用いられ、その組成は、特に制限はないが、熱の伝
導性が良好な材料、特にSiNやSiO2などの誘電体
が好適である。
【0020】さらに、本発明においては、基板とこの保
護層との間に、薄い金属層を形成させ、記録マークが形
成した際に生じた熱を、保護層を介してこの金属層に伝
導させ、冷却効果を向上させることもできる。この金属
層の厚さは10〜30nm程度である。この金属層が厚
すぎると、基板を通して光を入力できず、記録層直上あ
るいは記録層上の保護層直上に置かれた近接場を感知す
る光ヘッドの検出できる感度が低下する。一方、記録層
の下に設けられる保護層の厚さは、基板を記録層から発
生する熱で変形するのを防止するために、20〜300
nmの範囲が好ましい。この厚さが20nm未満では、
プラスチック基板を用いた場合に熱により変性し、記録
が不正確になるし、300nmを超えると、光の干渉に
よる効果が近接場読みとりヘッドにノイズとして現わ
れ、信号強度比を低下させる。また、記録層の上に設け
られる保護層の厚さは500nm以下が好ましく、この
厚さが500nmを超えると記録層とヘッドとの間隔が
拡大し、発生する近接場(エバネッセント場)の強度が
指数関数的に減退し、信号強度が低下する。
【0021】本発明においては、このような構成の光記
録材料を用い、これにレーザー光を照射して記録層と保
護層の界面に光学的変化を生じさせて記録信号を形成さ
せ、情報を担持させることにより、高密度光記録媒体を
製造するが、記録層と保護層との界面に記録信号を形成
させるには、記録スポットの大きさを数ナノメーター程
度にすることが必要である。そのためには、利用する光
波長以下の微小光開口を近接場領域に接近させなければ
ならない。このような微小光開口には、光を導入する導
波路の出射口を波長以下に極小化するか、あるいは先端
をナノメーターサイズに尖鋭化させた光ファイバーを使
用することによって形成される。
【0022】そして、光ファイバーを使用する場合に
は、その先端部に金属、例えば金、銀、アルミニウム又
はこれらの合金が数百nmの厚さでコーティングされた
ものを用いてもよい。この光ファイバーにはレーザー光
源が接続され、光変調が可能な信号発生装置が接続され
る。そして、ファイバーの先端部に、三次元のピエゾ素
子を連結し、位置をナノメーターの精度で制御すること
ができる。この光近接場を発生させ、あるいは、これを
読み出す光ファイバーは、光記録媒体の記録層側に設置
され、記録層の一部分にレーザー信号を直接あるいは記
録層上に設けられた保護層を通して導入する。このよう
にして導入されたナノメーター径の光エネルギーは、非
晶質状態の記録層と保護層との界面に、光又はその吸収
により発生した熱によってナノメーターサイズの結晶又
は結晶核を形成する。
【0023】本発明においては、前記記録層の上下両面
に保護層を設け、保護層と記録層間に生じる応力関係
で、界面における結晶化温度をそれぞれ変化させること
ができる。特に、下部界面では、下部保護層の応力を、
この保護層に接する記録層界面側に対して引張り応力と
なるように調整し、一方、上部界面では、上部保護層の
応力を、この保護層に接する記録層界面側に対して圧縮
応力となるように調整すると、上部界面における結晶化
温度が、下部界面における結晶化温度より高くなり、上
部界面と下部界面に別々の信号を記録できるため、記録
密度がさらに2倍向上し、有利である。
【0024】前記光ファイバー先端部の開口径が大きす
ぎる場合には、結晶又は結晶核のみからなる記録マーク
が形成した直後に、冷却されずに記録層に保持された熱
を吸収して、該結晶核の周囲に結晶成長を生じ、その結
果、記録マークは一挙に安定なサイズまで成長を続け、
60nm以上のマークが形成されるため、テラバイトの
記録が不可能となる。また、光ファイバーの開口径が小
さすぎる場合には、書き込みのレーザーパワーが低下
し、結晶核の形成が著しく減少する。したがって、光フ
ァイバーの開口径の大きさは、直径で10〜50nm程
度が好ましい。
【0025】このように、本発明においては、記録層に
レーザー光を照射して、記録層と保護層の界面に結晶又
は結晶核を記録信号として形成させることによって、情
報を担持させることができるが、この場合、該記録信号
の大きさdは、5〜50nm程度であるので、情報を高
密度に担持させることができる。
【0026】一方、情報の再生は、前記光記録媒体にお
ける記録層の反対面から、微弱なレーザー光を入射し、
記録層を透過させ、該記録層と保護層の界面における結
晶又は結晶核とその周囲の非晶質部との光学特性の差、
例えば屈折率変化に伴う反射率や透過率の差を読みとる
ことにより行われる。この光学特性の差の読みとりは、
例えば前記光ファイバーヘッドのレーザー光を導入した
端部に光検出器を設け、ヘッドの移動位置と信号強度を
同期させて、情報の書き込み位置と信号を読みとること
により行うことができる。
【0027】また、記録層の上下両面に保護層を設け、
両界面の応力を調節して、上下両界面に記録信号を形成
させた光記録媒体においては、この記録信号をそれぞれ
別々に読み出しを行うことができる。この場合、それら
の記録信号の差又は和を検出して読み出しを行うか、あ
るいは、上下両界面に形成した記録信号の上下の位置関
係を検出し、その信号の積又は比を検出して読み出しを
行うのが好ましい。特に、上下記録信号の位置関係を考
慮に入れた記録においては、より高い記録密度の向上が
期待できる。
【0028】
【発明の効果】本発明の高密度光記録媒体は、記録層の
少なくとも一方の面に接して保護層を積層し、該記録層
と保護層の界面に、大きさが50nm以下の記録信号を
形成させて、情報を高密度に担持させたものである。特
に、記録層の上下に保護層を積層し、上下両界面に記録
信号を形成させ、情報を別々に担持させたものは、さら
に高密度化することができる。また、本発明の記録再生
方法によれば、前記高密度光記録媒体から、情報を容易
に読み出すことができる。
【0029】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定さ
れるものではない。
【0030】実施例1 平面精度のよい厚さ1mmのガラス基板(表面平均粗さ
5nm)上に、厚さ100nmのSiN層を形成したの
ち、厚さ50nmのGeSbTe(原子比2:2:5)
合金からなる記録層を形成し、さらにこの上に厚さ20
nmのSiN層を形成して光記録媒体を作製した。これ
らの操作は、すべて真空成膜装置により、連続して行っ
た。成膜の圧力は0.5Paとし、SiN層はSiター
ゲットを用いてアルゴンと窒素ガスを導入し、反応性ス
パッタリング法で成膜した。この際のSiN層の屈折率
は1.9であった。
【0031】一方、上記光記録媒体と同じ条件で作製し
たサンプルにおける記録層の結晶化温度を光学的に測定
したところ、185℃と196℃の2つの結晶化温度が
観測された。この結晶化温度の発生場所を詳細に調べた
ところ、185℃の結晶化温度は上部保護層と記録層の
界面で生じ、196℃の結晶化温度は、下部保護層と記
録層の界面で生じることが確認された。図1は、この例
の温度と透明度の変化率との関係を示すグラフである。
【0032】次に、前記光記録媒体のガラス基板側か
ら、加熱補助を目的として、3.5mWの680nmの
波長をもつ半導体レーザー光を記録層に照射しながら、
この光記録媒体の上部保護層側から、Auを100nm
の厚さでコーティングした先端部の開口径が20nmの
ファイバープローブを150nmまで接近させ、200
mWのアルゴンイオンレーザー光を用いて信号を記録し
た。この際、プローブは20μm/秒の速度で走査さ
せ、信号は1kHzで変調した。
【0033】次いで、記録層の反対側から、1.0mW
の680nmの波長をもつ半導体レーザー光を照射し、
このレーザー光の照射軸に前記プローブを合わせ、記録
媒体に150nmまでプローブを接近させて、記録した
部分の読み出しを行ったところ、半径30nmの信号を
検出することができた。
【0034】次に、信号を記録した記録媒体を破壊し
て、記録層を透過型電子顕微鏡と原子間力顕微鏡により
観察したところ、記録マークは、下部保護層との界面に
おいて形成されていることが確認された。図2は、本実
施例で記録層と保護層との界面に記録マークが形成され
た状態を示す模式図であって、記録層1と下部保護層2
との界面に、記録マーク4が形成されていることが分か
る。なお、3は上部保護層である。
【0035】実施例2 平面精度のよい厚さ1mmのガラス基板上に、厚さ20
nmのSiO2層を形成したのち、厚さ50nmのGe
SbTe(原子比2:2:5)合金からなる記録層を形
成し、さらにこの上に厚さ100nmのSiN層を形成
して光記録媒体を作製した。これらの操作は、すべて真
空成膜装置により、連続して行った。成膜の圧力は0.
5Paとし、SiN層はSiターゲットを用いてアルゴ
ンと窒素ガスを導入し、SiO2層はSiターゲットを
用いてアルゴンと酸素ガスを導入して反応性スパッタリ
ング法で成膜した。
【0036】一方、上記光記録媒体と同じ条件で作製し
たサンプルにおける記録層の結晶化温度を光学的に測定
したところ、170℃と185℃の2つの結晶化温度が
観測された。この結晶化温度の発生場所を詳細に調べた
ところ、185℃の結晶化温度は上部保護層と記録層の
界面で生じ、170℃の結晶化温度は、下部保護層と記
録層の界面で生じることが確認された。
【0037】次に、前記光記録媒体のガラス基板側か
ら、加熱補助を目的として、3.5mWの680nmの
波長をもつ半導体レーザー光を記録層に照射するととも
に、この光記録媒体の上部保護層側から、Auを100
nmの厚さでコーティングした先端部の開口径が20n
mのファイバープローブを150nmまで近づけ、20
0mWのアルゴンイオンレーザー光を用いて信号を記録
した。この際、プローブは20μm/秒の速度で走査さ
せ、信号は1kHzで変調した。
【0038】その後、前記Auを100nmの厚さでコ
ーティングした先端部の開口径が20nmのファイバー
プローブを200nmまで近づけ、220mWのアルゴ
ンイオンレーザー光を用いて信号を再び記録した。この
際、プローブは20μm/秒の速度で走査させ、信号は
3kHzで変調した。
【0039】次いで、記録層の反対側から、1.0mW
の680nmの波長をもつ半導体レーザー光を照射し、
このレーザー光の照射軸に前記プローブを合わせ、記録
媒体に150nmまでプローブを接近させ、記録した部
分の読み出しを行ったところ、半径10nmの信号と3
0nmの信号を同時に検出することができた。また、こ
の際の2つの信号のクロストークを測定したところ、−
20dB以下で信号を分離できることが分かった。
【0040】次に、信号を記録した記録媒体を破壊し
て、記録層を透過型電子顕微鏡と原子間力顕微鏡により
観察したところ、記録マークは、下部保護層との界面に
30nmのマークが形成され、上部保護層との界面に1
0nmのマークが形成されていることが確認された。図
3は、本実施例で記録層と保護層との界面に記録マーク
が形成された状態を示す模式図であって、記録層1と下
部保護層2との界面に記録マーク4が、記録層1と上部
保護層3との界面に記録マーク4′が形成されているこ
とが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 上下に保護層が設けられた記録層の1例の結
晶化温度を示すグラフ。
【図2】 記録層と保護層との界面に記録マークが形成
された状態の1例を示す模式図。
【図3】 記録層と保護層との界面に記録マークが形成
された状態の異なる例を示す模式図。
【符号の説明】
1 記録層 2 下部保護層 3 上部保護層 4,4′記録マーク

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板とその上に設けた記録層とを有する
    光記録媒体において、該記録層の少なくとも一方の面に
    接して保護層を積層するとともに、該記録層と該保護層
    との間の界面に、光学的変化で発生させた記録信号によ
    り情報を担持させたことを特徴とする高密度光記録媒
    体。
  2. 【請求項2】 記録層の上下に保護層を有し、上部保護
    層と記録層との界面における結晶化温度が、下部保護層
    と記録層との界面における結晶化温度より高いものを用
    いる請求項1記載の高密度光記録媒体。
  3. 【請求項3】 記録層と保護層との界面に発生する記録
    信号の大きさdが5〜50nmの範囲にある請求項1又
    は2記載の高密度光記録媒体。
  4. 【請求項4】 基板、その上に設けた記録層及び記録層
    の上下の少なくとも一方の面に接して積層した保護層を
    有する光記録材料を用い、これにレーザー光を照射して
    記録層と保護層の界面に光学的変化を生じさせて記録信
    号を形成させることにより、情報を担持させることを特
    徴とする高密度光記録媒体の製造方法。
  5. 【請求項5】 記録層の上下に保護層を設け、上下両界
    面に形成した記録信号の差又は和を検出し、情報を読み
    出す請求項1記載の高密度光記録媒体の記録再生方法。
  6. 【請求項6】 記録層の上下に保護層を設け、上下両界
    面に形成した記録信号の上下の位置関係を検出し、その
    信号の積又は比を検出して情報を読み出す請求項1記載
    の高密度光記録媒体の記録再生方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013008529A1 (ja) * 2011-07-13 2013-01-17 富士フイルム株式会社 多層構造シートとその製造方法、光情報記録媒体および多層構造シートを用いた光情報記録媒体の製造方法

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WO2013008529A1 (ja) * 2011-07-13 2013-01-17 富士フイルム株式会社 多層構造シートとその製造方法、光情報記録媒体および多層構造シートを用いた光情報記録媒体の製造方法
JP2013020681A (ja) * 2011-07-13 2013-01-31 Fujifilm Corp 多層構造シートとその製造方法、光情報記録媒体および多層構造シートを用いた光情報記録媒体の製造方法

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