JPH11109569A - ハロゲン化銀写真感光材料の現像処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料の現像処理方法

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JPH11109569A
JPH11109569A JP27264197A JP27264197A JPH11109569A JP H11109569 A JPH11109569 A JP H11109569A JP 27264197 A JP27264197 A JP 27264197A JP 27264197 A JP27264197 A JP 27264197A JP H11109569 A JPH11109569 A JP H11109569A
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JP
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group
silver halide
photographic
silver
compd
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JP27264197A
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Koichi Sumioka
孝一 住岡
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ハロゲン化銀感光材料の写真特性に悪影響を与
えることなく最低濃度の上昇を抑制し、更にヒドラジン
誘導体を含有するハロゲン化銀感光材料の写真特性に悪
影響を及ぼすことなく、黒ポツの発生を抑制する現像処
理方法を提供する。 【解決手段】1)ハロゲン化銀写真感光材料を現像処理
する方法において、前記化1で表される化合物の存在下
で現像することを特徴とする現像処理方法、 2)ヒドラジン誘導体を含有するハロゲン化銀写真感光
材料を、前記化1で表される化合物の存在下で現像する
ことを特徴とする現像処理方法、 【化1】 式中、R1は水素原子、脂肪族基、芳香族基またはヘテ
ロ環基を表し、R2及びR3はそれぞれ水素原子、脂肪族
基、芳香族基、ヘテロ環基またはアシル基を表しす。但
し、R1、R2及びR3の少なくとも1つはpKaが12
以下の置換基を有する。Mは水素原子、アルカリ金属ま
たはアンモニウム基を表す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハロゲン化銀写真
感光材料の現像処理方法に関するもので、感度や最高濃
度等の写真特性に影響を与えることなく最低濃度の上昇
を抑えることができる現像処理方法に関する。特に、ヒ
ドラジン誘導体を含有するハロゲン化銀写真感光材料の
黒ポツの発生を抑制した現像処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ガンマ値が10を超える超硬調な写真特
性は、ネガ画像、ポジ画像のいずれにせよ、印刷製版に
有用な網点画像(dot image)による連続調画像の写真
的再現或いは、線画の再生に極めて有用である。そのた
め、高感度の乳剤と安定な現像液を用いて、網点画像や
線画の再現に有用な超硬調写真特性を得ることが強く要
望されている。
【0003】従来、ガンマ値が10を越える超硬調な写
真特性は、塩臭化銀(少なくとも塩化銀含有率が50%
以上)から成るリス型ハロゲン化銀を亜硫酸イオン濃度
が極めて低い(通常0.1mol/L以下)のハイドロ
キノン現像液で現像処理し、その伝染現像により得られ
ていた。しかしこのハイドロキノン現像液はその伝染現
像を阻害しないようにハイドロキノンの保恒剤である亜
硫酸塩濃度を低下させるため極めて保恒性が悪く、3日
間の経時にも耐えられないという重大な欠点を有してい
た。
【0004】上記問題点を解決する手段としてヒドラジ
ン化合物をハロゲン化銀写真材料中や、現像液中に添加
し、ガンマ値10以上の超硬調な写真特性を得ること
が、例えば米国特許第4,168,977号、同4,2
24,401号、同4,243,739号、同4,26
9,929号、同4,272,614号、同4,32
3,643号明細書、特開昭62−178246号、同
昭62−180361などに記載されている。一般的に
ヒドラジン化合物を添加したハロゲン化銀写真感光材料
は、黒ポツが発生しやすいという特有の問題点がある。
【0005】黒ポツの発生する機構は明らかでないが、
それは非画像部砂状に見える、いわゆるコショウを振っ
たように見える現像銀画像が形成される事であり、製版
用フィルム作成上のトラブルである。このことから黒ポ
ツはペッパーカブリと呼ばれることもある。黒ポツを減
少させるという事に対して現像抑制剤、例えば5−メチ
ルベンゾトリアゾール等を現像液中に多量添加して対応
する方法が一般に知られているが、写真特性や網点品質
に悪影響を与えてしまう。また、メルカプトテトラゾー
ル化合物、メルカプトトリアゾール化合物を乳剤層中に
含有させることが特開昭63−103232号に開示さ
れているものの今だこの問題が十分に解決されるには至
っていない。
【0006】また、製版工程に於いて写植フィルム、撮
影用フィルム、明室感材等、様々なハロゲン化銀感光材
料を用いて作業するユーザーでは、数種類の現像液の在
庫管理が必要となる。この手間を省くため、様々な感光
材料を一つの現像液で処理できることが望まれている。
上記の様に5−メチルベンゾトリアゾールを現像液中に
多量に添加することは黒ポツ発生を抑制する効果の他
に、ヒドラジン誘導体を含まない一般的なハロゲン化銀
感光材料の最低濃度の上昇を抑制する効果も知られてい
る。よって数種類のハロゲン化銀感光材料の処理可能な
現像液では有効な抑制剤であるが、先に記した様に写真
特性や網点品質に悪影響を与えてしまうという欠点を持
っていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ハロ
ゲン化銀感光材料の写真特性に悪影響を与えることなく
最低濃度の上昇を抑制し、更にヒドラジン誘導体を含有
するハロゲン化銀感光材料の写真特性に悪影響を及ぼす
ことなく、黒ポツの発生を抑制する方法を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、 1)ハロゲン化銀写真感光材料を現像処理する方法にお
いて、前記化1で表される化合物の存在下で現像するこ
とを特徴とする現像処理方法、 2)ヒドラジン誘導体を含有するハロゲン化銀写真感光
材料を、前記化1で表される化合物の存在下で現像する
ことを特徴とする現像処理方法、 により達成された。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において、化1の化合物の
存在下で現像処理するとは、化1の化合物をハロゲン化
銀写真感光材料中または現像液中に含有させて現像処理
を行うということを意味する。本発明のより好ましい形
態は、化1で表される化合物は現像液中に含有すること
である。写真感光材料中に含有させる場合は、ハロゲン
化銀乳剤層が塗布されている側の層、例えばハロゲン化
銀乳剤層、下引層、中間層、保護層等に添加する。
【0010】前記化1の化合物はpKaが12以下の置
換基を有することが1つの特徴である。ハロゲン化銀写
真感光材料に用いられている現像液は、通常pHが9〜
12であり、特に9〜11の範囲が一般的である。前記
pKa12以下の置換基は現像液中で充分に解離しアニ
オン種を与えるもので、化1の化合物、即ち、1位に未
置換もしくは置換アミノ基を有するメルカプトトリアゾ
ール化合物に前記pKa12以下の置換基を付与するこ
とによって、従来の公知の化合物からは予想できないよ
うな効果を発現することを見いだした。
【0011】本発明の化合物の使用量は、現像液に添加
される場合には、使用液1リットル当たり1mgから10
00mgの範囲の添加量で、好ましくは、10mgから50
0mgである。また、写真層に含有させる場合には1m2
たり0.1mgから100mgの範囲の含有量で、好ましく
は1mgから20mgである。本発明の化合物をハロゲン化
銀乳剤中に添加する場合は、化学熟成後に添加するのが
好ましく、水あるいはメタノール、エタノール、アセト
ン、ジメチルホルムアミド等の水と混和しうる有機溶剤
に溶解の後添加すればよい。
【0012】次に化1の化合物について説明する。R1
は水素原子、脂肪族基(例えばメチル、エチル、プロピ
ル、n−ブチル基、シクロヘキシル基などのアルキル
基、アリル基などのアルケニル基、プロパルギル基など
のアルキニル基)、芳香族基(例えば、フェニル基)、
複素環基(例えばピリジル、チアゾリル、テトラヒドロ
ピラニル基など)を表す。前記脂肪族基、芳香族基及び
複素環基は更にアルキル基、アリール基等の置換基を有
してもよい。R2及びR3はそれぞれ水素原子、脂肪族基
(例えば、R1で挙げた基)、芳香族基(例えばR1で挙
げた基)、複素環基(例えばR1で挙げた基)またはア
シル基(例えば、アセチル基、プロパノイル基、ブタノ
イル基、ベンゾイル基等)を表す。但し、R1、R2及び
3のすくなくとも1つはpKaが12以下の置換基を
有する。該置換基としてはフェノール性のOH基、−C
OOH基、−SO3H基、−SO2NHR4基、−NHS
2 5等が挙げられる。またこれらの基はアルカリ金属
等の塩となっても良い。ここでR4は水素原子、脂肪族
基(例えば、R1で挙げた基)、芳香族基(例えばR1
挙げた基)、複素環基(例えばR1で挙げた基)を表
し、R5は脂肪族基(例えば、R1で挙げた基)、芳香族
基(例えばR1で挙げた基)、複素環基(例えばR1で挙
げた基)を表す。前記R4及びR5のうち好ましいもの
は、水素原子、炭素数1〜6までのアルキル基、アルケ
ニル基、アリール基などである。
【0013】上記pKaが12以下の置換基の中で好ま
しいものはpKaが4〜11の値を持つ解離性のプロト
ンを有する基(例えばカルボキシ基、フェノール性のヒ
ドロキシル基、スルホンアミド基、スルファモイル基な
ど)であり、これらの中でも特にフェノール性のヒドロ
キシル基が好ましい。Mは水素原子、アルカリ金属(例
えばナトリウム、カリウムなど)またはアンモニウム基
(例えばアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テ
トラエチルアンモニウムなど)を表す。
【0014】以下に化1で表される化合物の具体例を挙
げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0015】
【化2】
【0016】
【化3】
【0017】
【化4】
【0018】以下に、本発明の化合物の代表的な合成例
を述べる。 (T−1の合成例)4−ヒドロキシベンゾイルヒドラジ
ン13g、トリエチルアミン9.1g、メタノール50
mlを混合し、内温15℃以下、攪拌下に二硫化炭素
5.4mlを滴下した。ついで同温にて2時間攪拌後、ジ
エチル硫酸10.8g滴下した。そして室温にて2時間
攪拌後不溶物を濾別し、濾液を減圧乾固して、残査に酢
酸エチル100mlを加えた。この溶液を水洗(100ml
×2回)、飽和食塩水水洗(100ml×1回)、乾燥
(無水硫酸マグネシウム)後、減圧固化した。この残査
にイソプロピルエーテル50ml、酢酸エチル10mlを加
えて析晶を濾取し、イソプロピルエーテルにて洗浄後、
8.2gの中間体Aを得た。
【0019】中間体A8.1g、エタノール40mlを混
合し、室温攪拌下にヒドラジン一水和物3.3gを加え
た。そして浴温50℃にて4.5時間反応後析晶を濾取
し、エタノール、イソプロピルエーテルの順に洗浄して
乾燥し、6.3gの中間体Bを得た。中間体B6.2
g、トリエチルアミン5.5g、メタノール40mlを混
合し、8時間加熱還流を行った後、減圧乾固した。この
残査に炭酸ナトリウム3.5g、水50mlを加え不溶物
を濾別し、濾液に酢酸4mlを加えた。そして析晶を濾
取、水洗後乾燥して、4.1gのT−1(融点273℃
分解)を得た。
【0020】(T−6の合成例)T−1を2.1gとア
セトニトリル20mlを混合し、室温攪拌下にベンゾイル
クロリド1.5gを加えた。ついで4.5時間加熱還流
を行い、冷却後析晶を濾取した。この結晶をアセトニト
リル、イソプロピルエーテルの順に洗浄後乾燥して、
1.8gのT−6(融点278℃分解)を得た。
【0021】本発明の現像液に用いる現像主薬として
は、ジヒドロキシベンゼン系現像主薬例えばハイドロキ
ノン、クロロハイドロキノン、ブロムハイドロキノン、
イソプロピルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、
2,3−ジクロロハイドロキノン、2,5−ジクロロハ
イドロキノン、2,3−ジブロモハイドロキノン、2,
5−ジメチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノスル
ホネートなどがあるが特にハイドロキノンが好ましい。
【0022】また本発明には3−ピラゾリドン系及び又
はP−アミノフェノール系現像主薬をジヒドロキシベン
ゼン系現像主薬と併用又は単独で用いることができる。
3−ピラゾリドン系現像主薬としては1−フェニル−3
−ピラゾリドン、1−フェニル−4,4−ジメチル−3
−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−4−ヒド
ロキシメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−5−
メチル−3−ピラゾリドン、1−p−アミノフェニル−
4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、1−p−トリル
−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドンなどがある。本
発明に用いるp−アミノフェノール系現像主薬としては
N−メチル−p−アミノフェノール、N−(β−ヒドロ
キシエチル)−p−アミノフェノール、N−(4−ヒド
ロキシフェニル)グリシン、2−メチル−p−アミノフ
ェノール、p−ベンジルアミノフェノール等があるが、
なかでもN−メチル−p−アミノフェノールが好まし
い。
【0023】さらに現像主薬としてアスコルビン酸及び
その誘導体を用いることができる。アスコルビン酸及び
その誘導体は単独又はジヒドロキシベンゼン系現像主薬
及び又は3−ピラゾリドン系やP−アミノフェノール系
現像主薬と併用することができる。現像主薬は通常0.
03モル/L〜1.0モル/Lの量で用いられるのが好
ましい。またジヒドロキシベンゼン類と1−フェニル−
3−ピラゾリドン類又はp−アミノフェノール類との組
合せを用いる場合には前者を0.1モル/L〜1.0モ
ル/L、後者を0.001〜0.1モル/Lの量で用い
るのが好ましい。
【0024】本発明に用いる亜硫酸塩の保恒剤としては
亜硫酸塩類、例えば亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウ
ム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム、ホル
ムアルデヒド重亜硫酸ナトリウムなどがある。使用量は
0.2モル/L以上で、好ましくは0.3モル/L〜
1.0モル/Lの範囲である。本発明の効果は0.2モ
ル/L以上で特に効果を現す。
【0025】現像液には、その他必要により緩衝剤(例
えば、炭酸塩、ほう酸、ほう酸塩、アルカノールアミ
ン、スルホサリチル酸)、アルカリ剤(例えば、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等)、溶
解助剤(ポリエチレングリコール類、これらのエステ
ル)、pH調整剤(例えば、酢酸の如き有機酸)、現像
促進剤、界面活性剤、硬膜剤などを含有させることがで
きる。
【0026】現像液には更にカブリ防止剤(例えば、5
−ニトロインダゾール、5−ニトロ−ベンツイミダゾー
ル、5−メチル−ベンゾトリアゾール、5−ニトロベン
ゾトリアゾールの如きベンゾトリアゾール、ベンゾチア
ゾール、1−フェニル−5−メルカプト−テトラゾール
の如きテトラゾール、チアゾール或は英国特許第1,2
69,268号に記載の化合物など)、キレート化剤
(例えば、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジア
ミン四酢酸、これらのアルカリ金属塩、ポリリン酸塩、
ニトリロ酢酸塩)を含有させることができる。
【0027】上記成分以外に用いられる添加剤として
は、臭化ナトリウム、ヨウ化カリウムのような現像抑制
剤、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、ジメチルホルムアミド、メチルセ
ロソルブ、ヘキシレングリコール、エタノール、メタノ
ールのような有機溶剤を含んでもよく、更に必要に応じ
て色調剤、消泡剤、硬水軟化剤、特開昭56−1062
44号記載のアミノ化合物などを含んでもよい。
【0028】この様にして調整された現像液のpH値は
所望の濃度とコントラストをあたえるに充分な程度に選
択されるが、約9〜12の範囲にあることが望ましい。
特に本発明は、pH9〜11の範囲において好適であ
る。
【0029】本発明の処理において用いることの出来る
自動現像機としては、大日本スクリーン製造(株)製L
D281Q、LD360、LD381、富士写真フィル
ム(株)製FG680A、FG950A、FG710A
等があるが自動現像機の種類に限定されない。これら自
動現像機を用いて処理する場合、現像液を補充し長期に
わたって処理することが出来る。一般に補充は感光材料
の処理に伴う補充(処理補充)と空気酸化に伴う補充
(酸化補充)に分けられるが、本発明の現像液は特に補
充方法の制限を受けずに、処理補充、酸化補充の両方を
行うことができる。処理補充量は通常60〜500ml/
m2の範囲で用いることが出来るが、環境対応上現像廃液
量を減少させるため出来るだけ少なくする方がよい。通
常好ましくは100〜200ml/m2の補充量になるよう
成分濃度を上げる等の現像液の組成を構成すればよい。
【0030】感光材料の現像処理温度及び時間は相互に
関係し、且つ全処理時間との関係において決定され、一
般に約20〜50℃で10秒〜3分であるが、高速迅速
処理の場合には約30〜50℃で10秒から40秒であ
る。
【0031】本発明に用いられるハロゲン化銀感光材料
は、黒白写真材料(例えば、医療用または工業用X線写
真材料、リス型写真材料などの写真製版用感光材料、マ
イクロ写真材料、X線用マイクロ反転写真材料、電算写
植用ペーパー、一般撮影用ネガ写真材料、印画紙など)
がある。
【0032】本発明に用いられるヒドラジン誘導体とし
ては一般式2で表される化合物を挙げることができる。
【0033】
【化5】
【0034】一般式2中、A1、A2はともに水素原子又
は一方が水素原子で他方はスルホニル基、又はアシル基
を表し、R7は脂肪族基、芳香族基、又は複素環基を表
し、G1はカルボニル基、スルホニル基、スルホキシ
基、ホスホリル基、オキサリル基又はイミノメチレン基
を表し、R8は水素原子、脂肪族基、芳香族基、アルコ
キシ基、アリールオキシ基、アミノ基又は、一般式3を
表す。
【0035】
【化6】
【0036】一般式3中、Q+はカチオン性の基を含む
基を表し、A-はアニオンを表すが、Q+がスルホ基を含
む時は不要である。
【0037】次に一般式2及び一般式3について詳しく
説明する。一般式2に於て、A1、A2は水素原子、炭素
数20以下のアルキルスルホニル基及びアリールスルホ
ニル基(好ましくはフェニルスルホニル基、又はハメッ
トのσpの和が−0.5以上となるように置換されたフ
ェニルスルホニル基)、炭素数20以下のアシル基(好
ましくはベンゾイル基、又はハメットのσpの和が−
0.5以上となるように置換されたベンゾイル基)、あ
るいは直鎖、分岐状又は環状の無置換及び置換脂肪族ア
シル基(置換基としては例えば、ハロゲン原子、エーテ
ル基、スルホンアミド基、アミド基、ヒドロキシ基、カ
ルボキシ基、スルホ基が挙げられる。)であり、A1
2としては水素原子である場合が最も好ましい。R7
表される脂肪族基は直鎖、分岐又は環状のアルキル基、
アルケニル基、アルキニル基である。R7で表される芳
香族基としては単環又は2環のアリール基であり、例え
ば、フェニル基、ナフチル基が挙げられる。R7の複素
環基としては、N、O、S原子のうち少なくとも一つを
含む3〜10員の飽和もしくは不飽和の複素環であり、
これらは単環であってもよいし、更に他の芳香環もしく
は複素環と縮合環を形成してもよい。複素環として好ま
しくは、5ないし6員の芳香族複素環基であり、例え
ば、ピリジル基、イミダゾリル基、キノリル基、ベンズ
イミダゾリル基、ピリミジル基、ピラゾリル基、イソキ
ノリル基、チアゾリル基、ベンズチアゾリル基を含むも
のが好ましい。R7は置換基で置換されていてもよい。
置換基としては例えば以下のものが挙げられる。これら
の基は更に置換されていてもよい。例えば、アルキル
基、アラルキル基、アルコキシ基、アリール基、置換ア
ミノ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、ウレイ
ド基、ウレタン基、アリールオキシ基、スルファモイル
基、カルバモイル基、アルキルチオ基、アリールチオ
基、スルホニル基、スルフィニル基、ヒドロキシ基、ハ
ロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、アン
モニウム基、ピリジニウム基、チウロニウム基、イソチ
オウレイド基などである。これらの基は可能な時は互い
に連結して環を形成してもよい。R7として好ましいの
は、芳香族基、更に好ましくはアリール基である。又、
7はその中にカプラー等の不動性写真用添加剤におい
て常用されているバラスト基が組み込まれているもので
も良い。バラスト基は8以上の炭素数を有する写真性に
対して比較的不活性な基であり、例えば、アルキル基、
アルコキシ基、フェニル基、アルキルフェニル基、フェ
ノキシ基、アルキルフェノキシ基等の中から選ぶことが
できる。一般式3中におけるQ+は、少なくとも1つの
四級窒素原子を有するカチオン性の基を含む基であり、
炭素数1〜4個の炭素原子を持つ直鎖または分岐炭化水
素鎖を通じてG1に結合し、この鎖の一部又は全部は四
級窒素原子を持つ複素環の一部を構成していてもよい。
+の好ましい例としては、トリアルキルアンモニオア
ルキル基、ピリジニウム−1−イルアルキル基、1−ア
ルキルピリジニウム−2−イル基、1−アルキルピリジ
ニウム−3−イル基、1−アルキルピリジニウム−4−
イル基、チアゾリニウム−3−イルアルキル基、オキサ
ゾリニウム−3−イルアルキル基、1−アルキルイミダ
ゾリウム−3−イルアルキル基などが挙げられる。これ
らの基は置換されていてもよく、置換基としてはR7
置換基として挙げられたものが好ましい。更にこれらの
基が環構造を形成する場合、他の環と縮環していてもよ
い。A-はQ+の対アニオンであり、好ましい例としては
Cl-、Br-、p−トルエンスルホナート、メチルスル
ホナートなどが挙げられるが、Q+の置換基としてスル
ホ基を持ち、分子内塩を形成する場合は存在しない。
【0038】G1はカルボニル基、スルホニル基、スル
ホキシ基、ホスホリル基、オキサリル基又はイミノメチ
レン基を表し、G1としてはカルボニル基、オキサリル
基が好ましい。R8で表される脂肪族基としては、好ま
しくは炭素数1〜5のアルキル基であり、芳香族基とし
ては単環又は2環のアリール基が好ましい(例えば、ベ
ンゼン環を含むもの)。G1がカルボニル基の場合、R8
で表される基のうち好ましいものは、水素原子、アルキ
ル基(例えば、メチル基、トリフルオロメチル基、3−
ヒドロキシプロピル基、3−メタンスルホンアミドプロ
ピル基、フェニルスルホニルメチル基等)、アラルキル
基(例えば、2−ヒドロキシベンジル基等)、アリール
基(例えば、フェニル基、3,5−ジクロロフェニル
基、2−メタンスルホンアミドフェニル基、4−メタン
スルホンアミドフェニル基、2−ヒドロキシメチルフェ
ニル基等)、一般式3などであり、特に水素原子、一般
式2が好ましい。R8は置換されていてもよく、置換基
としては、R7に関して列挙した置換基が適用できる。
1がオキサリル基の場合、R8として好ましいものは、
アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソ
プロポキシ基、メトキシエトキシ基等)、アリールオキ
シ基(例えば、フェノキシ基、2−ヒドロキシメチルフ
ェノキシ基、4−クロロフェノキシ基等)、アミノ基
(例えば、3−ヒドロキシプロピルアミノ基、2,3−
ジヒドロキシプロピルアミノ基、2−ジメチルアミノエ
チルアミノ基、3−ジエチルアミノプロピルアミノ基
等)、一般式5等であり、特にアミノ基が好ましい。R
7、R8はその中にハロゲン化銀粒子表面に対して吸着を
強める基が組み込まれているものでも良い。かかる吸着
基としては、チオ尿素基、複素環チオアミド基、メルカ
プト複素環基、トリアゾール基等の米国特許第4,35
5,105号に記載された基が挙げられる。
【0039】又、R8はG1−R8の部分を残余分子から
分裂させ、−G1−R8部分の原子を含む環式構造を生成
させる環化反応を生起するようなものであってもよく、
その例としては例えば、特開昭63−29751号など
に記載のものが挙げられる。一般式2で示される化合物
の具体例を以下に示すが、本発明は以下の化合物に限定
されるものではない。
【0040】
【化7】
【0041】
【化8】
【0042】
【化9】
【0043】
【化10】
【0044】
【化11】
【0045】
【化12】
【0046】
【化13】
【0047】
【化14】
【0048】
【化15】
【0049】
【化16】
【0050】
【化17】
【0051】
【化18】
【0052】
【化19】
【0053】
【化20】
【0054】
【化21】
【0055】
【化22】
【0056】
【化23】
【0057】
【化24】
【0058】
【化25】
【0059】
【化26】
【0060】
【化27】
【0061】
【化28】
【0062】
【化29】
【0063】
【化30】
【0064】本発明のヒドラジン化合物は例えば、特開
昭61−213847号、同62−178246号、同
62−180361号、同62−260153号、同6
3−253357号、特同平1−269936、米国特
許第4,684,604号、同第3,379,529
号、同第4,377,634号、同第4,332,87
8号、同第4,937,160号等に記載されている方
法を利用することにより合成できる。
【0065】本発明のヒドラジン化合物は適当な水混和
性有機溶媒、例えば、アルコール類(メタノール、エタ
ノール、プロパノール、弗素化アルコール)、ケトン類
(アセトン、メチルエチルケトン)、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、
メチルセルソルブ等に溶解して用いることができる。
又、既によく知られている乳化分散法によって、ジメチ
ルフタレート、トリクレジルフォスフェート、グリセリ
ルトリアセテートあるいはジエチルフタレートなどのオ
イル、酢酸エチルやシクロヘキサノン等の補助溶媒を用
いて溶解し、機械的に乳化分散物を作成して用いること
ができる。あるいは固体分散法として知られている方法
によって、ヒドラジン化合物の粉末を水の中にボールミ
ル、コロイドミル、あるいは超音波によって分散して用
いることもできる。
【0066】また本発明に用いられる写真乳剤は、アミ
ン類、アルコール類、ピリジン類、オニウム塩類その他
の硬調化促進剤を含むことができる。このうち好ましい
硬調化促進剤としては、各種3級アミン化合物(例え
ば、米国特許4,975,354号、特公平6−124
06号、特公平7−36076号、特願平6−2722
47号、特開平8−297339号記載の化合物)やホ
スホニウム塩化合物(例えば、特開昭61−16793
9号記載の化合物)を挙げることができる。硬調化促進
剤は表面潜像型ハロゲン化銀乳剤層に含有させるのが好
ましいが、表面潜像型ハロゲン化銀乳剤層に隣接する親
水性コロイド層に含有させてもよい。層中での硬調化促
進剤の含有量は、用いられるハロゲン化銀乳剤の特性、
化合物の化学構造及び現像条件によって異なるので、適
当な含有量は、広い範囲にわたって変化しうるが、表面
潜像型ハロゲン化銀乳剤中の銀1モル当り1×10-5
1×10-2モルが好ましい。また、硬調化促進剤を現像
液に添加しても良く、その場合現像液1リットル当たり
1×10-3〜1モルが好ましい。
【0067】本発明の感光材料の感光性ハロゲン化銀乳
剤に用いられるハロゲン化銀には特に限定はないが表面
潜像型ハロゲン化銀乳剤がよく、ハロゲン化銀の種類と
しては塩化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀、沃臭化銀、臭化
銀などを用いることができるが、塩沃臭化銀、沃臭化銀
を用いる場合には、沃化銀の含有量は5モル%以下の範
囲であることが好ましい。ハロゲン化銀粒子の形態、晶
癖、サイズ分布等には特に限定はないが、粒子径0.7
μm以下のものが好ましい。ハロゲン化銀乳剤は、塩化
金酸塩、三塩化金などの様な金化合物やロジウム、イリ
ジウムの如き貴金属の塩や銀塩と反応して硫化銀を形成
するイオウ化合物や、第1スズ塩、アミン類の如き還元
性物質で粒子を粗大化しないで感度を上昇させることが
できる。又、ロジウム、イリジウムの如き貴金属の塩、
赤血塩などの鉄化合物をハロゲン化銀粒子の物理熟成時
又は核生成時に存在せしめることもできる。特に、ロジ
ウム塩又はその錯塩の添加は、短い現像時間で超硬調の
写真特性を達成するという本発明の効果を一層助長する
ので好ましい。
【0068】本発明に於て、表面潜像型ハロゲン化銀乳
剤とは、内部感度より表面感度の高いハロゲン化銀粒子
から成る乳剤をさし、この乳剤は好ましくは米国特許第
4,224,401号にて規定された表面感度と内部感
度の差を持つものである。ハロゲン化銀乳剤は単分散で
あることが望ましく、特に上記の米国特許第4,22
4,401号にて規定された単分散性を持つ乳剤が好ま
しい。本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤には水溶性
ロジウム塩(例えば、二塩化ロジウム、三塩化ロジウ
ム、六塩化ロジウム(III)酸カリウム、六塩化ロジウム
(III)酸アンモニウムなど)を含んだほうが好ましく、
添加時期として、これらロジウム塩は、乳剤製造時の第
一熟成終了前に添加するほうが好ましい。ロジウム塩の
添加量はハロゲン化銀1モル当たり1×10-7モル〜1
×10-4モルが好ましい。本発明で用いられるハロゲン
化銀の平均粒子サイズは好ましくは0.7μm以下特に
好ましくは0.1〜0.4μmの範囲である。ハロゲン
化銀粒子の形は立方体、八面体のような規則的なもので
もよく、混合晶形のようなものでもよいが、比較的粒子
サイズ分布の狭いいわゆる単分散乳剤であることが好ま
しい。ここでいう単分散乳剤とは、平均粒子サイズの±
40%の粒子サイズ域に全粒子数の90%、より好まし
くは95%が入るような乳剤のことを言う。本発明にお
けるハロゲン化銀乳剤の調製のため可溶性銀塩と可溶性
ハロゲン塩を反応させる形式としてはシングルジェット
法、ダブルジェット法、銀イオン過剰下で形成させる逆
混合法等のいずれの手段を用いてもよいが本発明の目的
のためには、酸性溶液下で可溶性銀塩と可溶性ハロゲン
塩を同時に添加して粒子形成させるダブルジェット法が
特に好ましい。この様にして調製されたハロゲン化銀乳
剤は化学増感されていてもされていなくてもよい。化学
増感する場合は通常のイオウ増感、セレン増感、還元増
感等が用いられる。
【0069】本発明に用いられる写真乳剤は、メチン色
素類、その他によって分光増感されてもよい。用いられ
る色素には、シアニン色素、メロシアニン色素、複合シ
アニン色素、複合メロシアニン色素、ホロポーラ−シア
ニン色素、ヘミシアニン色素、スチリル色素、およびヘ
ミオキソノール色素が包含される。特に有用な色素は、
シアニン色素、メロシアニン色素、および複合メロシア
ニン色素に属する色素である。これらの増感色素は、単
独に用いてもよいが、それらの組合せを用いてもよい。
増感色素の組合せは、特に強色増感の目的でしばしば用
いられる。増感色素とともに、それ自身分光増感作用を
もたない色素あるいは可視光を実質的に吸収しない物質
であって、強色増感を示す物質を乳剤中に含んでもよ
い。
【0070】本発明の感光材料の乳剤層や中間層に用い
ることのできる結合剤又は保護コロイドとしては、ゼラ
チンを用いるのが有利であるが、それ以外の親水性コロ
イドも用いる事ができる。例えば、ゼラチン誘導体、ゼ
ラチンと他の高分子とのグラフトポリマー、アルブミ
ン、カゼイン等の蛋白質、ヒドロキシエチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、セルロース硫酸エス
テル類の如きセルロース誘導体、アルギン酸ソーダ、澱
粉誘導体などの糖誘導体、ポリビニルアルコール、ポリ
ビニルアルコールの部分アセタール、ポリ−N−ビニル
ピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリ
アクリルアミド、ポリビニルイミダゾール等の単一ある
いは共重合体の如き多種の合成親水性高分子物質を用い
ることができる。ゼラチンとしては、石灰処理ゼラチン
の他、酸処理ゼラチンやBull.Soc.Sci.Phot.Japan,No.
16、P30(1966)に記載された様な酵素処理ゼ
ラチンを用いてもよく、また、ゼラチンの加水分解物や
酵素分解物も用いることができる。
【0071】本発明に用いられる写真乳剤には、感光材
料の製造工程、保存中あるいは写真処理中のカブリを防
止し、あるいは写真性能を安定化させる目的で、種々の
化合物を含有させることができる。即ち、アゾール類、
例えばベンゾチアゾリウム塩、ニトロイミダゾール類、
ニトロベンズイミダゾール類、クロロベンズイミダゾー
ル類、メルカプトチアゾール類、メルカプトベンゾチア
ゾール類、メルカプトチアジアゾール類、アミノトリア
ゾール類、ベンゾトリアゾール類、メルカプトテトラゾ
ール類;メルカプトピリミジン類、メルカプトトリアジ
ン類、チオケト化合物、アザインデン類等従来よりカブ
リ防止剤又は安定剤として知られた、多くの化合物を加
えることができる。これらの中で、特に好ましいのは、
ベンゾトリアゾール類(例えば5−メチルベンゾトリア
ゾール類)及びニトロインダゾール類(例えば5−ニト
ロインダゾール)である。これらの化合物は、処理液に
含有させても良い。
【0072】本発明の写真感光材料には、写真乳剤層そ
の他の親水性コロイド層に無機又は有機の硬膜剤を含有
してもよい。例えばクロム塩(クロムミョウバンな
ど)、アルデヒド類(ホルムアルデヒド、グリオキサー
ルなど)、N−メチロール化合物、ジオキサン誘導体
(2,3−ジヒドロキシジオキサンなど)、活性ビニル
化合物、活性ハロゲン化合物(2,4−ジクロル−6−
ヒドロキシ−S−トリアジンなど)などを単独又は組み
合せて用いることができる。感光性ハロゲン化銀乳剤層
又はその隣接層には、感度上昇、コントラスト上昇又
は、現像促進の目的でリサーチ・ディスクロージャー(R
esearch Disclosure)17465号XXI項B〜D項に記載され
ている化合物を添加することができ、特にポリエチレン
グリコールあるいはその誘導体を添加することが好まし
い。
【0073】本発明を用いて作られる感光材料の写真乳
剤層又は他の親水性コロイド層には、塗布助剤、帯電防
止、スベリ性改良、乳化分散、接着防止及び写真特性改
良(例えば、現像促進、硬調化、増感)など種々の目的
で界面活性剤を含んでもよい。例えばサポニン(ステロ
イド系)、アルキレンオキサイド誘導体(ポリエチレン
グリコール、ポリエチレングリコールアルキルエーテル
類など)、グリシドール誘導体(アルケニルコハク酸ポ
リグリセリドなど)、多価アルコールの脂肪酸エステル
類、糖のアルキルエステル類などの非イオン性界面活性
剤、アルキルカルボン酸塩、アルキル硫酸エステル類、
アルキルリン酸エステル類などの様な、カルボキシ基、
スルホ基、ホスホ基、硫酸エステル基、リン酸エステル
基等の酸性基を含むアニオン界面活性剤、アミノ酸類、
アミノアルキルスルホン酸類、アミノアルキル硫酸又は
リン酸エステル類などの両性界面活性剤、脂肪族あるい
は芳香族第4級アンモニウム塩類、ピリジニウム、イミ
ダゾリウムなどの複素環第4級アンモニウム塩類などの
カチオン界面活性剤を用いることができる。
【0074】本発明に用いる写真感光材料には、写真乳
剤層その他の親水性コロイド層に、寸度安定性の改良な
どの目的で、水不溶又は難溶性合成ポリマー分解物を含
むことができる。例えば、アルキル(メタ)アクリレー
ト、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、グリシ
ジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、
酢酸ビニル、アクリロニトリル、オレフィン、スチレン
などの単独もしくは組合せ、又はこれらとアクリル酸、
メタクリル酸、α,β−不飽和ジカルボン酸、ヒドロキ
シアルキル(メタ)アクリレート、スチレンスルホン酸
等の組合せを単量体成分とするポリマーを用いることが
できる。
【0075】
【実施例】以下の実施例により具体的に説明するが、こ
れにより本発明の実施の態様が限定されるものではな
い。
【0076】実施例1 ハロゲン化銀感光材料の調整 pAgコントロールドダブルジェット法により、イリジ
ウムを含有する平均粒子径0.3ミクロンの立方体単分
散の塩沃臭化銀乳剤(臭化銀65モル%、沃化銀1.5
モル%)を調製し、フロキュレーション法により脱塩、
水洗、再溶解した。
【0077】この乳剤を常法により硫黄増感した後、1
−フェニル−5−メルカプトテトラゾールを添加し、増
感色素として無水−5,5’−ジクロロ−9−エチル−
3,3’−ジ−(3−スルホプロピル)−オキサカルボ
シアニン水酸化ナトリウムを添加し、この乳剤を約40
℃で45分間放置して分光増感作用を安定化させた後、
5−メチルベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4,
6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩及
び、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを加えた
後、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に硝酸銀で
5g/m2、ゼラチンが3g/m2になるように塗布した。
この上に保護層として、ゼラチン1g/m、および界
面活性剤、マット剤、硬膜剤を加えて塗布、乾燥し試料
を作成した。
【0078】現像液の調整 下記に示すように現像液を調製した。 水 600ml 亜硫酸ナトリウム 100g 炭酸カリウム 60g ハイドロキノン 40g アスコルビン酸ナトリウム 5g 1-フェニル-4-ヒト゛ロキシメチル-4-メチル-3-ヒ゜ラソ゛リト゛ン 0.7g ベンゾトリアゾール 0.2g 臭化カリウム 6.0g ジエチレングリコール 6.6g ジエチレントリアミン五酢酸 2g 水を加えて1リットルとしてKOHでpHを10.60(25℃)に合わせた 。
【0079】そして上記の現像液(D−1)に、さらに
下記に示す比較化合物と本発明の化合物を表1に記した
量を添加した現像液(D−2)〜(D−6)を調整し
た。
【0080】
【表1】
【0081】
【化31】
【0082】前記作成のハロゲン化銀感光材料を露光後
現像処理を行い、感度値と最低濃度(Dmin)、およ
び最高濃度(Dmax)を測定した。露光には色温度5
400゜Kの光源を用い、赤色フィルター(ラッテン N
o.29)及びウェッジを通して露光した。感度は透過
濃度3.0を得るのに必要な露光量の逆数として求め、
上記現像液D−1で現像処理したときの感度を100と
し、相対的に表した。
【0083】処理には、自動現像機(大日本スクリーン
製(株)LD221)を用い、前記の現像液と下記の定
着液を使用した。現像及び定着条件は35℃−30秒で
ある。定着液は、下記に記す定着液を使用した。
【0084】<定着液> チオ硫酸アンモニウム 120g チオ硫酸ナトリウム5水塩 10g 亜硫酸ナトリウム 25g 酢酸 25g 酒石酸 6g 硫酸アルミニウム 8g 水を加えて 1リットル 硫酸又は水酸化ナトリウムでpHを5.0±0.1に調
【0085】表1で表される現像液で現像処理した結果
を表2に記す。
【0086】
【表2】
【0087】本発明は、感度及び最高濃度を低下させる
ことなく最低濃度の上昇を抑えることができる。
【0088】実施例2 ハロゲン化銀感光材料の調整 コントロールダブルジェット法により調整した、イリジ
ウムを含有する平均粒径0.3μmの単分散塩臭化銀乳
剤(塩化銀70モル%)に6−メチル−4−ヒドロキシ
−1,3,3a,7−テトラザインデンを銀1モル当た
り1g加えた。増感色素としてアンヒドロ−5,5’−
ジクロロ−9−エチル−3、3’−ジ−(3−スルホプ
ロピル)オキサカルボシアニンヒドロキシドピリジニウ
ムを銀1モル当たり300mg、例示の化22のヒドラジ
ンを銀1モル当たり0.18g、下記造核促進剤を銀1
モル当たり1.1g加えた。更に硬膜剤を加えた後、ポ
リエチレンテレフタレートフィルム上に硝酸銀で3.7
g/m2、ゼラチンが2.5g/m2になるように塗布し
た。
【0089】
【化32】
【0090】前記作成のハロゲン化銀感光材料を実施例
1と同様に現像液D−1〜D−6で現像処理した。露光
はキセノン光源を用いた高照度露光計を用いて露光し、
現像処理して写真特性、黒ポツを評価した。黒ポツは未
露光試料を現像処理し、この試料を顕微鏡で100倍に
拡大し、1平方センチメートル当たりの黒ポツ発生数を
数えた。評価は5段階で評価した。5が最も良く発生数
が0、4が発生数5個以下、3が発生数10個以下、2
が発生数15個以下、1がそれ以上であり最も悪い品質
を表す。
【0091】写真特性は、最高濃度(Dmax)、最低濃度
(Dmin)及び感度を測定した。感度は透過濃度3.0を
得るのに必要な露光量として求め、上記現像液D−1を
100とし、相対的に記した。網点品質については、ラ
イノタイプヘル社製のライノトロニック300を用いて
150線のスクエアドットを出力し、視覚的に5段階に
評価した。評価基準は「5」が最も良く「1」が最も悪
い品質を表す。製版用原板としての網点品質としては、
評価「5」「4」が実用可能であり、評価「3」が網品
質が十分ではないがぎりぎり実用でき、評価「2」
「1」が実用不可能な品質である。
【0092】処理には、実施例1と同様、自動現像機
(大日本スクリーン製(株)LD221)を用い、前記
の現像液と実施例1で用いた定着液を使用した。現像及
び定着条件は35℃−30秒である。この結果を表3に
記す。
【0093】
【表3】
【0094】本発明は、感度、最高濃度及び網点品質を
低下させることなく、黒ポツの発生を防止することがで
きる。
【0095】実施例3 (乳剤の調製);銀1モル当り2.0×10-7モルの水
溶性ロジウム塩を含む塩化ナトリウムと臭化カリウムの
混合水溶液と硝酸銀水溶液をpAgコントロールダブル
ジェット法で混合して平均粒径0.25μmの立方体単
分散粒子(変動係数13%)からなる塩沃臭化銀乳剤
(塩化銀含有率75モル%)を調製した。この乳剤をフ
ロキュレーション法により、沈澱水洗再溶解した。沃化
銀の含有量は0.2モル%とし、粒子全体に分布するよ
うにした。この乳剤に、銀1モル当りチオ硫酸ナトリウ
ム6mgおよび塩化金酸8mgを加え、60℃50分間加熱
し、化学増感処理を施した後、安定剤として2−メチル
−4−ヒドロキシ−1,3,3a,7−テトラザインデ
ンを銀1モル当たり50mgを加えた。
【0096】上記で得られた乳剤をに対して、増感色素
として無水−5,5'−ジクロロ−9−エチル−3,3'−ジ−
(3−スルホプロピル)−オキサカルボシアニン水酸化ナ
トリウムを銀1モル当たり300mg添加し、この乳剤を
約40℃で45分間放置して分光増感作用を安定化させ
た後分割して、それぞれに界面活性剤としてドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウムを20mg/m2、ハイドロキ
ノンを100mg/m2、下記構造式化33で表される造核
促進剤を10mg/m2添加した。その後、例示の化30の
ヒドラジン誘導体を添加した。そして本発明の化合物及
び下記化34に示す比較化合物を表4に示すようにハロ
ゲン化銀乳剤中に添加した。さらに硬膜剤として、1,
3−ジビニルスルホニル−2−プロパノール100mg/
m2を加えた。こうして得られた乳剤をポリエチレンテレ
フタレートフィルム上に硝酸銀で4.5g/m2、ゼラチ
ンが2g/m2になるように塗布した。
【0097】
【化33】
【0098】
【化34】
【0099】この乳剤層の上に保護層として、ゼラチン
1g/m2、界面活性剤を30mg/m2、平均粒子サイズ約
3.5μmの不定形なシリカマット剤を20mg/m2、硬
膜剤として1,3−ジビニルスルホニル−2−プロパノ
ールを50mg/m2加えて、表4に示す試料を作成した。
【0100】
【表4】
【0101】前記作成のハロゲン化銀感光材料を実施例
1に記した比較現像液D−1で現像処理を行った。処理
には、実施例1と同様、自動現像機(大日本スクリーン
製(株)LD221)を用い、前記の現像液と実施例1
で用いた定着液を使用した。現像及び定着条件は35℃
−30秒である。写真特性は、最高濃度(Dmax)、最低
濃度(Dmin)及び感度を測定した。感度は透過濃度3.
0を得るのに必要な露光量として求め、上記ハロゲン化
銀感光材料E−1を現像液D−1で処理したときに得ら
れる感度を100とし、相対的に記した。網点品質、黒
ポツについては実施例2と同様に実施した。この結果を
表5に記す。
【0102】
【表5】
【0103】本発明は、写真特性に悪影響を与えず、黒
ポツの発生が抑制されているのが分かる。
【0104】
【発明の効果】本発明によれば、ハロゲン化銀写真感光
材料の現像処理において、感度、最高濃度等の写真特性
を低下させずに、最低濃度の上昇を抑制することができ
る。特に、ヒドラジン誘導体を含有するハロゲン化銀感
光材料の処理において、写真特性への影響が極めて少な
く黒ポツの発生が抑制される。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハロゲン化銀写真感光材料を現像処理す
    る方法において、下記化1で表される化合物の存在下で
    現像することを特徴とする現像処理方法。 【化1】 式中、R1は水素原子、脂肪族基、芳香族基または複素
    環基を表し、R2及びR3はそれぞれ水素原子、脂肪族
    基、芳香族基、複素環基またはアシル基を表す。但し、
    1、R2及びR3の少なくとも1つはpKaが12以下
    の置換基を有する。Mは水素原子、アルカリ金属または
    アンモニウム基を表す。
  2. 【請求項2】 前記ハロゲン化銀写真感光材料がヒドラ
    ジン誘導体を含有する請求項1に記載の現像処理方法。
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