JPH11108951A - 圧電体素子 - Google Patents

圧電体素子

Info

Publication number
JPH11108951A
JPH11108951A JP9271085A JP27108597A JPH11108951A JP H11108951 A JPH11108951 A JP H11108951A JP 9271085 A JP9271085 A JP 9271085A JP 27108597 A JP27108597 A JP 27108597A JP H11108951 A JPH11108951 A JP H11108951A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
detection element
substrate
piezoelectric
acceleration sensor
crystal film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9271085A
Other languages
English (en)
Inventor
Takayuki Kimura
隆幸 木村
Kazuo Hashimoto
和生 橋本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ube Industries Ltd filed Critical Ube Industries Ltd
Priority to JP9271085A priority Critical patent/JPH11108951A/ja
Publication of JPH11108951A publication Critical patent/JPH11108951A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Gyroscopes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】加速度センサのバイモルフ型圧電素子の特性の
ばらつきを減少させ、劣化の少ない、小型にしても高感
度の加速度センサ用圧電体素子を提供する。 【解決手段】基板の両面に圧電体層を有する加速度を検
出するバイモルフ型圧電素子において、素子を支持する
部分を、素子の基板と一体化させることにより、支持部
位を接着剤で直接接着することを必要としない構造とし
た。圧電体層は、水熱合成で形成されることが好まし
く、基板としては、素子の特性に合うよう様々な材料か
ら選択できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は加速度センサに係わ
り、これの備えるバイモルフ型検出素子の構造に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、加速度センサとしては、図1
〜3に示すような構成とされたバイモルフ型圧電素子
(以下、検出素子という)1を備えたものが一般的であ
り、この際における検出素子1は、共に短冊板形状とさ
れた上で主表面のそれぞれの上に信号取り出し電極2及
び中間電極3が形成された一対の圧電セラミック板4を
具備し、これらの圧電セラミック板4同士が各々の中間
電極3を介したうえで対面接合されたものとなってい
る。尚、ここでの圧電セラミック板4それぞれは、各々
の板厚方向に沿いつつ他方側とは逆となる向き(図中、
矢印X、Yで示す)に沿って予め分極されたものであ
る。
【0003】そして、図1に示した両端支持の場合、検
出素子1の信号取り出し電極2それぞれと対向する両側
位置には、側面視「コ」字形状となった一対の支持部品
5が検出素子1を挟み込むようにしたうえで配置されて
おり、これらの支持部品5によって、検出素子1の長手
方向に沿う両端部がそれぞれ固定支持されている。すな
わち、ここでの検出素子1は、支持部品5でもって支持
されることにより両端支持型と言われる支持構造を有す
るものとなっている。
【0004】この際における検出素子1の主表面上に形
成された信号取り出し電極2のそれぞれは外部引き出し
電極8、9と接続されている。そのため、このような従
来の形態にかかわる加速度センサでは、支持部品5内に
収納された検出素子1の中央部が加速度Gの印加時にお
ける慣性力の作用によって変形し、かつ、検出素子1の
変形に伴って各信号取り出し電極2に電荷が発生するこ
とになり、これらの信号取り出し電極2における電荷の
発生が外部引き出し電極8、9を通じて検知される結
果、加速度Gの印加状態が検出されることになる。
【0005】また、図2に示した片端支持の場合、検出
素子1の信号取り出し電極2それぞれと対向する両側位
置には、側面視「コ」字形状となった一対の支持部品6
が検出素子1を挟み込むようにしたうえで配置されてお
り、これらの支持部品6によって、検出素子1の長手方
向に沿う片端部が固定支持されている。すなわち、ここ
での検出素子1は、支持部品6でもって支持されること
により片端支持型と言われる支持構造を有するものとな
っている。
【0006】この際における検出素子1の主表面上に形
成された信号取り出し電極2のそれぞれは外部引き出し
電極8、9と接続されている。そのため、このような従
来の形態にかかわる加速度センサでは、支持部品6内に
収納された検出素子1の非支持端面が加速度Gの印加時
における慣性力の作用によって変形し、かつ、検出素子
1の変形に伴って各信号取り出し電極2に電荷が発生す
ることになり、これらの信号取り出し電極2における電
荷の発生が外部引き出し電極8、9を通じて検知される
結果、加速度Gの印加状態が検出されることになる。
【0007】さらに、図3に示した中央支持の場合、検
出素子1の信号取り出し電極2それぞれと対向する両側
位置には、側面視「ヨ」字形状となった一対の支持部品
7が検出素子1を挟み込むようにしたうえで配置されて
おり、これらの支持部品7によって、検出素子1の長手
方向に沿う中央部が固定支持されている。すなわち、こ
こでの検出素子1は、支持部品7でもって支持されるこ
とにより中央支持型と言われる支持構造を有するものと
なっている。
【0008】この際における検出素子1の主表面上に形
成された信号取り出し電極2のそれぞれは外部引き出し
電極8、9と接続されている。そのため、このような従
来の形態にかかわる加速度センサでは、支持部品7内に
収納された検出素子1の両端が加速度Gの印加時におけ
る慣性力の作用によって変形し、かつ、検出素子1の変
形に伴って各信号取り出し電極2に電荷が発生すること
になり、これらの信号取り出し電極2における電荷の発
生が外部引き出し電極8、9を通じて検知される結果、
加速度Gの印加状態が検出されることになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、検出素子で
ある圧電バイモルフを「コ」字形状あるいは「ヨ」字形
状の支持部品で挟み固定する場合、接着剤を用いるのが
通常であるが、接着剤の厚みや広がりが一定せず、接合
状態が不十分であったり、一定でない。その結果、製品
である検出素子の加速度検出精度が一致せずにばらつく
ということが起こってしまう。また、接合部に接着剤が
あるため、外部の衝撃がこの接着層で吸収され感度が低
下するという問題もある。また、接着剤の劣化などによ
る特性の経時変化などの問題もある。
【0010】一方、加速度センサに対してより一層小型
化が要望されていることから、検出素子1そのものの小
型化を図る必要が生じている。しかしながら、検出素子
1をそのまま小型化したのでは、加速度の印加時におけ
る検出素子1の変形が微小となり、検出素子1の変形に
伴って発生する電荷量が小さくなりすぎる結果、加速度
センサにおける検出感度の大幅な低下を招くという不都
合が生じることになってしまう。
【0011】本発明は、このような不都合に鑑みて創案
されたものであって、小型化しても十分な検出感度を持
ち、特性のばらつきや劣化の少ない加速度センサ用圧電
体素子を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、検出素子
の支持部に接着剤層を持たず、微少な加速度でも変形す
る圧電素子について鋭意研究した結果、本発明をなすに
至った。
【0013】即ち、本発明は、加速度センサの加速度を
検出する、基板の両面に圧電体層を有するバイモルフ型
圧電素子において、素子を支持する部分が、素子の基板
と一体化していることを特徴とする加速度センサ用圧電
体素子に関する。
【0014】また、本発明は、圧電体層が水熱合成法に
より形成した圧電結晶膜からなることを特徴とする前記
加速度センサ用圧電体素子に関する。
【0015】また、本発明は、チタン金属、あるいは薄
板上にチタン薄膜を形成した基板に水熱合成法により形
成したPZT系圧電結晶膜から構成される前記加速度セ
ンサ用圧電体素子に関する。
【0016】また、本発明は、基板上に設けられたチタ
ン金属面に水熱合成法により形成された圧電結晶膜の厚
みが1〜30μmであることを特徴とする前記加速度セ
ンサ用圧電体素子に関する。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の、加速度センサの加速度
を検出する、基板の両面に圧電体層を有するバイモルフ
型圧電素子において、素子を支持する部分が、素子の基
板と一体化していることの一つの例を、図4(a)、
(b)に示す。図4(a)は、両端支持型の加速度セン
サ用圧電素子の斜視図であり、(b)はその断面図であ
る。圧電体層10がバイモルフの基板11の両面に形成
され、さらに、基板は支持部と一体化している。これに
より、バイモルフ部分を直接、接着剤等で支持すること
を避けることができる。
【0018】基板として用いる材料には前記のチタン金
属のほか、表面にチタン薄膜を形成した薄板が用いられ
る。チタン薄膜を形成する薄板の材料として、金属や合
金板、表面を酸化処理した金属板、樹脂基板その他の絶
縁体基板を挙げることができる。金属や合金板としては
チタンの他に、ニッケル、鉄、銅、ステンレス、真鍮、
鉄・ニッケル合金、チタン・ニッケル合金などを挙げる
ことができる。樹脂基板としては、ポリスルフォン、ポ
リイミド、ポリカーボネート、ナイロン、PET、ポリ
プロピレンやポリフェニレンサルファイドなどを挙げる
ことができる。基板の厚みや形状によって、または基板
の選択によるヤング率の相違によってセンサの感度範囲
を広い範囲で制御することができる。
【0019】圧電膜は、センサとして働く部分の基板に
チタンコーティングを行い、形成する。但し、チタン金
属を基板とする場合には支持部を他の金属や樹脂で保護
し、圧電膜の形成を防ぐ。支持部位と検出部位のバイモ
ルフ型振動子を一体化する事により検出部位に全く触れ
ずに加工、組立ができるようになり、取り扱いが容易と
なり、信頼性が向上する。
【0020】本発明を構成する圧電結晶膜は、例えば特
開平05−058634号公報、特開平07−0920
25号公報等に記載されているようにチタン金属やスパ
ッターして形成したチタン金属面などに水熱合成法によ
り形成したものを用いる。
【0021】水熱合成法によって形成される圧電膜とし
ては、チタン酸ジルコン酸鉛系膜、チタン酸ジルコン酸
鉛系膜−ニオブ酸マグネシウム鉛複合系膜などの水熱合
成法を適用して得られる圧電結晶膜を挙げることができ
る。このようにして形成されたバイモルフ型振動子は膜
形成当初から分極しており、さらに、その分極方向は基
板を挟んで逆方向となっている。
【0022】このバイモルフ型振動子は接着剤を用いて
いないので温度による特性の変化や経時変化がなく、し
かも振動損失が極めて小さいため、高性能なバイモルフ
型振動子が実現できる。
【0023】本発明において、基板上のチタン金属面に
1〜30μmの厚さの圧電結晶膜水熱合成法により形成
した場合には面積や形状の自由度の大きな高感度の圧電
結晶膜を得ることができる。
【0024】圧電結晶膜の厚さが1μm未満では膜の特
性が発揮できず、感度が著しく低下する。また、30μ
mを超えると膜の剛性が大きくなり、たわみ量が少なく
なり、感度が低下する。
【0025】本発明の圧電膜の好適な製造例として、チ
タン酸ジルコン酸鉛系の圧電結晶膜を基板上のチタン金
属面に形成する方法について詳述する。基板として、チ
タン金属あるいはチタンをコーティングした基板を選択
し、前記基板上に水熱合成によって圧電結晶膜を形成す
る。また、圧電結晶膜を水熱合成法により形成する際に
使用される鉛、ジルコニウム、チタン等の構成元素を含
有する原料化合物としては、塩化物、オキシ塩化物、硝
酸塩、水酸化物、酸化物等が好ましい。
【0026】まずPb(NO32水溶液50mmol/
l〜500mmol/l、ZrOCl2水溶液20mm
ol/l〜500mmol/l、TiCl4水溶液0.
002mmol/l〜500mmol/lおよびKOH
水溶液0.1mol/l〜8.0mol/lの混合溶液
中に、前記基板を任意の場所に設置固定し、レイノルズ
数が2000以下の状態、すなわち乱流にならない状態
で、100〜190℃の温度で、0.25〜24時間水
熱による表面処理を行ない、Pb(ZrxTi1-x)O3
(0≦x≦1)からなる結晶核を形成する。
【0027】次に結晶を成長させるため、Pb(N
32水溶液50mmol/l〜500mmol/l、
ZrOCl2水溶液1.0mmol/l〜500mmo
l/l、TiCl4水溶液10mmol/l〜500m
mol/lおよびKOH水溶液0.2mol/l〜8.
0mol/lの混合溶液中に、前記配向性の結晶核が形
成された基板を入れて100〜140℃、1〜96時間
水熱処理を行なう。これにより基板上に圧電結晶膜が形
成される。水熱処理における加熱方法は油浴や電気炉等
による。その後一般的な洗浄を行なう。例えば、純水中
で超音波洗浄を行ない、ついで酢酸水溶液中で超音波洗
浄を行ない、さらに純水中で超音波洗浄を行ない、10
0〜120℃で12時間程度乾燥させる。
【0028】こうして形成された圧電結晶膜の組成はP
b(ZrxTi1-x)O3(0≦x≦1)からなってい
る。得られた圧電結晶膜の結晶状態はX線回折等により
確認される。
【0029】本発明で得られる誘電体結晶膜を素子化す
る場合に使用される電極としては、特に限定されないが
コストや量産性を考慮し、最適なものが選定される。例
えば、スパッタリング法によるNi、無電解メッキ法に
よるNi、焼きつけタイプのAg等も用いられる。な
お、基板に樹脂を用いる場合には、高温に加熱できない
ので焼付けタイプのAgは温度に注意が必要である。
【0030】このようにして得られたセンサ素子を所定
の大きさに切り出して両端支持、あるいは片端支持、あ
るいは中央支持の支持部位を側面視「コ」字形状あるい
は「ヨ」字形状の保持部品に固定し、ケースにとりつけ
て加速度センサ素子とする。なお、素子の支持部分を保
持部品で固定する方法は、機械的に挟む方法でも、接着
剤で接着する方法でもよい。この部分の固定に接着剤を
用いても、加圧が十分に行えることと、直接振動するバ
イモルフに触れないことから、接着剤の影響は小さい。
【実施例】
【0031】支持部位を検出部位と一体化したセンサ素
子の例を図4〜9に示す。図4(a)、図5(a)は両
端支持型の本発明実施の形態に係わる加速度センサの検
出素子を示す外観斜視図、図4(b)、図4(c)、図
5(b)、図5(c)は両端支持型の本発明実施の形態
に係わる加速度センサの検出素子を示す断面図、図6
(a)、図7(a)は片端支持型の本発明実施の形態に
係わる加速度センサの検出素子を示す外観斜視図、図6
(b)、図7(b)、図6(c)、図7(c)は片端支
持型の本発明実施の形態に係わる加速度センサーの検出
素子を示す断面図、図8(a)、図9(a)は中央支持
型の本発明実施の形態に係わる加速度センサーの検出素
子を示す外観斜視図、図8(b)、図9(b)、図8
(c)、図9(c)は中央支持型の本発明実施の形態に
係わる加速度センサーの検出素子を示す断面図の例であ
る。以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明す
る。
【0032】実施例1 図4(a)、図5(a)は両端支持型の本発明実施の形
態に係わる加速度センサーの検出素子を示す斜視図であ
る。
【0033】本検出素子はダンベル型の基板の中央部分
の両面にチタン金属、あるいは下部電極をコーティング
した上に酸化チタンのコーティングを施し、(但し、基
板がチタン金属の場合は中央部分の両面以外をテフロン
などの不活性材料で保護することにより)その上にPZ
T系結晶膜を製膜し、さらに上部電極を形成したもので
ある。図4(b)、図5(b)はチタン金属基板を用い
た場合の検出素子の構成断面図、図4(c)、図5
(c)はチタン金属以外の基板を用い、基板中央部分に
チタン金属をスパッターなどの方法により形成した後、
PZT系結晶膜を製膜した検出素子の構成断面図であ
る。
【0034】本実施の形態に係わる加速度センサは図
4、図5で示すような検出素子を備えて構成されたもの
であり、この際における検出素子は、基板11の両面に
前述の水熱合成法により形成されたPZT系圧電結晶膜
10を備え、主表面のそれぞれ上に信号取り出し電極1
2が形成されている。これらのPZT系圧電結晶膜は基
板を介して各々の膜厚方向に沿いつつ他方側とは逆とな
る向き(図中、矢印X、Yで示す)に沿って膜形成と同
時に分極されている。
【0035】そして検出素子の両側位置には基板材料と
同じ材質の支持部位が一体化して設けてあり、保持部品
に容易に固定されるようになっている。基板が金属など
の導電体の場合には支持部位の表面を不導体膜で被覆
し、信号取り出し電極13を付与する。基板が不導体の
場合は上下のチタン面を短絡する必要がある。
【0036】この際、検出素子の主表面上に形成された
信号取り出し電極12のそれぞれは外部引き出し電極1
3に対して接続されている。従って、本実施の形態に係
わる加速度センサにおいては、保持部品内に収納された
検出素子の中央部分が加速度Gの印加時における慣性力
の作用によって変形し、この検出素子の変形に伴って各
信号取り出し電極12に電荷が発生することになり、こ
れらの信号取り出し電極12における電荷の発生が外部
引き出し電極13を通じて検知される結果、加速度Gの
印加状態が検出されることになる。
【0037】このような両端支持型の検出素子は図2の
片端支持の検出素子1よりも変形量が少なく、感度が低
いとされていた。しかし、変形(撓み)特性は他の支持
方法に比べて安定している。両端支持の場合は、検出素
子に浮遊端が無く、さらに、支持部位と一体化している
ため、節点を理想的に安定に保つことができ、振動損失
のない安定した出力を得ることができる。
【0038】変形量については圧電結晶膜を成長させる
基板の種類、厚さ、圧電結晶膜の膜厚を選択することに
より、従来のセラミック薄板を加工したバイモルフ型検
出素子1よりも大きな変形量を得ることができ、大きな
変形量に対応した大きさの電荷が信号取り出し電極13
において発生するので、両端支持の検出素子11を備え
て構成された加速度センサでは、検出感度を維持もしく
は向上させながら小型化を図り得ることとなる。
【0039】実施例2 図6(a)、図7(a)は片端支持型の本発明実施の形
態に係わる加速度センサの検出素子を示す斜視図であ
る。
【0040】本検出素子は検出部の板状基板の両面にチ
タン金属、あるいは下部電極をコーティングした上に酸
化チタンのコーティングを施し、(但し、基板がチタン
金属の場合は中央部分の両面以外をテフロンなどの不活
性材料で保護することにより)その上にPZT系結晶膜
を製膜し、さらに上部電極を形成したものである。図6
(b)、図7(b)はチタン金属基板を用いた場合の検
出素子の構成断面図、図6(c)、図7(c)はチタン
金属以外の基板を用い、検出部の板状基板部分にチタン
金属をスパッターなどの方法により形成した後、PZT
系結晶膜を製膜した検出素子の構成断面図である。
【0041】本実施の形態に係わる加速度センサは図6
(a)、図7(a)で示すような検出素子を備えて構成
されたものであり、この際における検出素子は、基板1
1の両面に前述の水熱合成法により形成されたPZT系
圧電結晶膜10を備え、主表面のそれぞれ上に信号取り
出し電極12が形成されている。これらのPZT系圧電
結晶膜は基板を介して各々の膜厚方向に沿いつつ他方側
とは逆となる向き(図中、矢印X、Yで示す)に沿って
膜形成と同時に分極されている。
【0042】そして検出素子片端位置には基板材料と同
じ材質の支持部位が一体化して設けてあり、この検出部
位基板と一体化した保持部位によって検出素子の長手方
向に沿う片端が固定支持されている。ただし、片端支持
の場合、加速度の印加時に、検出部位と支持部位との境
界部に集中して変形が起こらないように、検出部の基板
の厚みを支持部位の近くでは徐々に厚くした形状とし、
この部分にも圧電膜を形成する。この非平面上での圧電
膜の形成は、水熱合成法の特徴である自由形状基板への
膜形成でのみ可能となるところである。
【0043】この際、検出素子の主表面上に形成された
信号取り出し電極12のそれぞれは外部引き出し電極1
3に対して接続されている。従って、本実施の形態に係
わる加速度センサにおいては、保持部品内に収納された
検出素子の中央部分が加速度Gの印加時における慣性力
の作用によって変形し、この検出素子の変形に伴って各
信号取り出し電極12に電荷が発生することになり、こ
れらの信号取り出し電極13における電荷の発生が外部
引き出し電極12を通じて検知される結果、加速度Gの
印加状態が検出されることになる。
【0044】このような片端支持型の検出素子は図1の
両端支持の検出素子1よりも変形量が大きく、感度が高
い。また、検出部位が支持部位と一体化しているため、
節点を理想的に安定に保つことができ、ばらつきのない
安定した出力を得ることができる。
【0045】変形量については圧電結晶膜を成長させる
基板11の種類、厚さ、圧電結晶膜の膜厚を選択するこ
とにより、従来のセラミック薄板を加工したバイモルフ
型検出素子1よりも幅広い変形量を得ることができ、幅
広い変形量に対応した大きさの電荷が信号取り出し電極
12において発生するので、片端支持の検出素子を備え
て構成された加速度センサでは、幅広い検出感度を持ち
ながら小型化を図り得ることとなる。
【0046】実施例3 図8(a)、図9(a)は中央支持型の本発明実施の形
態に係わる加速度センサの検出素子を示す斜視図であ
る。
【0047】本検出素子は中央の支持部位からのびた板
状基板の両面にチタン金属、あるいは下部電極をコーテ
ィングした上に酸化チタンのコーティングを施し、(但
し、基板がチタン金属の場合は中央部分の両面以外をテ
フロンなどの不活性材料で保護することにより)その上
にPZT系結晶膜を製膜し、さらに上部電極を形成した
ものである。図8(b)、図9(b)はチタン金属基板
を用いた場合の検出素子の構成断面図、図8(c)、図
9(c)はチタン金属以外の基板を用い、基板中央部分
にチタン金属をスパッターなどの方法により形成した
後、PZT系結晶膜を製膜した検出素子の構成断面図で
ある。
【0048】本実施の形態に係わる加速度センサは図8
(a)、図9(a)で示すような検出素子を備えて構成
されたものであり、この際における検出素子は、基板1
1の両面に前述の水熱合成法により形成されたPZT系
圧電結晶膜10を備え、主表面のそれぞれ上に信号取り
出し電極12が形成されている。これらのPZT系圧電
結晶膜は基板を介して各々の膜厚方向に沿いつつ他方側
とは逆となる向き(図中、矢印X、Yで示す)に沿って
膜形成と同時に分極されている。
【0049】そして検出素子の信号取り出し電極12そ
れぞれと対抗する両側位置には側面視「ヨ」字形状とな
った一対の保持部品が検出素子を挟み込むようにした上
で配置され、検出素子の中央部分が固定支持されてい
る。ただし、中央支持の場合、加速度の印加時に、検出
部位と支持部位との境界部に集中して変形が起こらない
ように、検出部の基板の厚みを支持部位の近くでは徐々
に厚くした形状とし、この部分にも圧電膜を形成する。
この非平面上での圧電膜の形成は、水熱合成法の特徴で
ある自由形状基板への膜形成でのみ可能となるところで
ある。
【0050】この際、検出素子の主表面上に形成された
信号取り出し電極12のそれぞれは外部引き出し電極1
3に対して接続されている。従って、本実施の形態に係
わる加速度センサにおいては、保持部品内に収納された
検出素子の両端部分が加速度Gの印加時における慣性力
の作用によって変形し、この検出素子の変形に伴って各
信号取り出し電極12に電荷が発生することになり、こ
れらの信号取り出し電極12における電荷の発生が外部
引き出し電極13を通じて検知される結果、加速度Gの
印加状態が検出されることになる。
【0051】このような中央支持型の検出素子は図1の
両端支持の検出素子1よりも変形量が大きく、感度が高
い。また、検出部位と支持部位を一体化しているため、
節点を理想的に安定に保つことができ、ばらつきのない
安定した出力を得ることができる。
【0052】変形量については圧電結晶膜を成長させる
基板の種類、厚さ、圧電結晶膜の膜厚を選択することに
より、従来のセラミック薄板を加工したバイモルフ型検
出素子1よりも大きな変形量を得ることができ、大きな
変形量に対応した大きさの電荷が信号取り出し電極13
において発生するので、両端支持の検出素子を備えて構
成された加速度センサでは、検出感度を維持もしくは向
上させながら小型化を図り得ることとなる。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、加速度を検出す
る、基板の両面に圧電体層を有するバイモルフ型圧電素
子において、素子を支持する部分が、素子の基板と一体
化した構造にすることにより、バイモルフを直接接着剤
で固定する必要がなくなり、接着に起因する特性のばら
つきや、振動損失を押さえた小形で高感度の加速度セン
サ用圧電体素子を提供することができる。さらに、水熱
合成法によるPZT系圧電結晶膜を備えた検出素子を用
いる加速度センサでは両端支持、片端支持、中央支持い
ずれの構造を用いた場合でも検出素子の基板の種類、圧
電体膜の膜厚を最適に選択することにより、幅広い加速
度に対応することができ、結果として小型化をした場合
でも検出感度を保持、又は向上することができるという
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】両端支持型加速度センサの斜視図
【図2】片端支持型加速度センサの斜視図
【図3】中央支持型加速度センサの斜視図
【図4】(a) 水熱法圧電結晶膜を用いた両端支持型
加速度センサ用検出素子の斜視図 (b) 水熱法圧電結晶膜を用いた両端支持型加速度セ
ンサ用検出素子の断面図;チタン金属基板 (c) 水熱法圧電結晶膜を用いた両端支持型加速度セ
ンサ用検出素子の断面図;チタン金属以外の基板
【図5】(a) 水熱法圧電結晶膜を用いた両端支持型
加速度センサ用検出素子の斜視図 (b) 水熱法圧電結晶膜を用いた両端支持型加速度セ
ンサ用検出素子の断面図;チタン金属基板 (c) 水熱法圧電結晶膜を用いた両端支持型加速度セ
ンサ用検出素子の断面図;チタン金属以外の基板
【図6】(a) 水熱法圧電結晶膜を用いた片端支持型
加速度センサ用検出素子の斜視図 (b) 水熱法圧電結晶膜を用いた片端支持型加速度セ
ンサ用検出素子の断面図;チタン金属基板 (c) 水熱法圧電結晶膜を用いた片端支持型加速度セ
ンサ用検出素子の断面図;チタン金属以外の基板
【図7】(a) 水熱法圧電結晶膜を用いた片端支持型
加速度センサ用検出素子の斜視図 (b) 水熱法圧電結晶膜を用いた片端支持型加速度セ
ンサ用検出素子の断面図;チタン金属基板 (c) 水熱法圧電結晶膜を用いた片端支持型加速度セ
ンサ用検出素子の断面図;チタン金属以外の基板
【図8】(a) 水熱法圧電結晶膜を用いた中央支持型
加速度センサ用検出素子の斜視図 (b) 水熱法圧電結晶膜を用いた中央支持型加速度セ
ンサ用検出素子の断面図;チタン金属基板 (c) 水熱法圧電結晶膜を用いた中央支持型加速度セ
ンサ用検出素子の断面図;チタン金属以外の基板
【図9】(a) 水熱法圧電結晶膜を用いた中央支持型
加速度センサ用検出素子の斜視図 (b) 水熱法圧電結晶膜を用いた中央支持型加速度セ
ンサ用検出素子の断面図;チタン金属基板 (c) 水熱法圧電結晶膜を用いた中央支持型加速度セ
ンサ用検出素子の断面図;チタン金属以外の基板
【符号の説明】
1 加速度検出素子 2 信号取り出し電極 3 中間電極 4 圧電セラミックス板 5 センサ支持部品(両端支持) 6 センサ支持部品(片端支持) 7 センサ支持部品(中央支持) 8、9 外部引き出し電極 10 圧電結晶膜 11 基板 12 信号取り出し電極基板 13 外部引き出し電極 20 チタン金属膜 X,Y 分極方向

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加速度センサの加速度を検出する、基板
    の両面に圧電体層を有するバイモルフ型圧電素子におい
    て、素子を支持する部分が、素子の基板と一体化してい
    ることを特徴とする加速度センサ用圧電体素子。
  2. 【請求項2】 圧電体層が水熱合成法により形成した圧
    電結晶膜からなることを特徴とする請求項1記載の加速
    度センサ用圧電体素子。
  3. 【請求項3】 チタン金属、あるいは薄板上にチタン薄
    膜を形成した基板に水熱合成法により形成したPZT系
    圧電結晶膜から構成される請求項2記載の加速度センサ
    用圧電体素子。
  4. 【請求項4】 基板上に設けられたチタン金属面に水熱
    合成法により形成された圧電結晶膜の厚みが1〜30μ
    mであることを特徴とする請求項3記載の加速度センサ
    用圧電体素子。
JP9271085A 1997-10-03 1997-10-03 圧電体素子 Pending JPH11108951A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9271085A JPH11108951A (ja) 1997-10-03 1997-10-03 圧電体素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9271085A JPH11108951A (ja) 1997-10-03 1997-10-03 圧電体素子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11108951A true JPH11108951A (ja) 1999-04-23

Family

ID=17495166

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9271085A Pending JPH11108951A (ja) 1997-10-03 1997-10-03 圧電体素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11108951A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008211095A (ja) * 2007-02-27 2008-09-11 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 圧電素子、その製造方法およびそれを備えた発電装置
JP2009053087A (ja) * 2007-08-28 2009-03-12 Yamaha Corp モーションセンサおよびモーションセンサの製造方法
US10020443B2 (en) 2015-07-02 2018-07-10 Fujifilm Corporation Method of producing laminated thin film structure, laminated thin film structure, and piezoelectric element including same
CN110940830A (zh) * 2019-12-12 2020-03-31 中北大学 一种基于二维光栅和四象限探测器的两轴加速度计结构

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008211095A (ja) * 2007-02-27 2008-09-11 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 圧電素子、その製造方法およびそれを備えた発電装置
JP2009053087A (ja) * 2007-08-28 2009-03-12 Yamaha Corp モーションセンサおよびモーションセンサの製造方法
US10020443B2 (en) 2015-07-02 2018-07-10 Fujifilm Corporation Method of producing laminated thin film structure, laminated thin film structure, and piezoelectric element including same
DE112016002558B4 (de) * 2015-07-02 2018-09-20 Fujifilm Corporation Verfahren zum Produzieren einer laminierten dünnen Filmstruktur, eine laminierte dünne Filmstruktur und ein piezoelektrisches Element, das dieselbe aufweist
CN110940830A (zh) * 2019-12-12 2020-03-31 中北大学 一种基于二维光栅和四象限探测器的两轴加速度计结构

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101276076B1 (ko) 진동편, 주파수 조정 방법, 진동자, 진동 디바이스 및, 전자 기기
JP2665106B2 (ja) 圧電/電歪膜型素子
JP3844784B2 (ja) 圧電/電歪デバイス
WO2010047049A1 (ja) 圧電体薄膜とその製造方法、角速度センサ、角速度センサによる角速度の測定方法、圧電発電素子ならびに圧電発電素子を用いた発電方法
EP2144309B1 (en) Piezoelectric device and its manufacturing method
WO2014021440A1 (en) Piezoelectric device, piezoelectric actuator, hard disk drive, ink jet printer apparatus, and piezoelectric sensor
JP6435596B2 (ja) 振動素子、振動デバイス、電子機器、および移動体
US6897600B2 (en) Piezoelectric/electrostrictive device
JPH1019574A (ja) 圧電振動角速度計の製造方法
US10944040B2 (en) Piezoelectric thin film-stacked body, piezoelectric thin film substrate, piezoelectric thin film device, piezoelectric actuator, piezoelectric sensor, head assembly, head stack assembly, hard disk drive, printer head, and ink-jet printer device
JP2018038188A (ja) 振動子、圧電アクチュエーター、圧電モーター、ロボット、電子部品搬送装置および振動子の製造方法
JPH11211748A (ja) 機械−電気変換子及びその製造方法並びに加速度センサ
JPH11108951A (ja) 圧電体素子
JP5549340B2 (ja) 振動片、振動片の製造方法、振動デバイスおよび電子機器
JP2004020396A (ja) 圧電/電歪装置
CN108172683B (zh) 压电薄膜层叠体、压电薄膜基板以及压电薄膜元件
JP3783708B2 (ja) 角速度センサ
JPH11108949A (ja) 加速度センサ
JP2016178737A (ja) 圧電駆動装置、ロボット及びロボットの駆動方法
JP2002362973A (ja) 圧電振動ジャイロ用圧電磁器組成物及び圧電振動ジャイロ
JP2009055390A (ja) 水晶振動子およびその製造方法
JP2009010270A (ja) 圧電素子及び圧電素子の製造方法
US9231182B2 (en) Angular velocity sensor
JPH11145526A (ja) 電気機械変換素子,電気機械変換効果応用素子及びその製造法
JPH10260090A (ja) 膜構造物用歪みセンサー

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees