JPH11108479A - 蓄冷式冷凍機及びその運転方法 - Google Patents

蓄冷式冷凍機及びその運転方法

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JPH11108479A
JPH11108479A JP26696597A JP26696597A JPH11108479A JP H11108479 A JPH11108479 A JP H11108479A JP 26696597 A JP26696597 A JP 26696597A JP 26696597 A JP26696597 A JP 26696597A JP H11108479 A JPH11108479 A JP H11108479A
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JP
Japan
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refrigerator
compressor
cold head
stage
temperature
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Application number
JP26696597A
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English (en)
Inventor
Yasumi Otani
安見 大谷
Hideo Hatakeyama
秀夫 畠山
Takashi Nakada
享司 仲田
Hideki Nakagome
秀樹 中込
Takashi Sasaki
高士 佐々木
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】最も効率のよい運転を実行できる蓄冷式冷凍機
及びその運転方法を提供する。 【解決手段】多段膨張式の冷凍機コールドヘッド2とこ
れに接続されるコンプレッサ41とを含み、最終段冷却
ステージ17の無負荷時到達温度を5K未満にして運転
される蓄冷式冷凍機において、冷凍機コールドヘッド2
の運転周波数をf(Hz)とし、各段の膨張容積を合計
した全膨張容積をV(cm3 ) とし、コンプレッサ入
力電力をW(W)としたとき、20≦W/(V・f)≦
40の条件を満たす冷凍機コールドヘッドとコンプレッ
サとを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ギフォード・マク
マホン冷凍機で代表される蓄冷式冷凍機及びこの冷凍機
の運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、最近では、小型でしかも
到達温度が4K以下と十分に低い蓄冷式冷凍機が出現し
ている。これには極低温下において大きな比熱を有する
磁性蓄冷材の出現が寄与している。
【0003】このような蓄冷式冷凍機、たとえばギフォ
ード・マクマホン冷凍サイクルを採用したGM冷凍機
は、室温部におかれるコンプレッサと、低温部におかれ
る膨張機と、この膨張機とコンプレッサとの間をつなぐ
蓄冷器との3つの要素で構成される。すなわち、コンプ
レッサで圧縮された冷媒ガスが吸気バルブを介して蓄冷
器に導かれ、ここで予冷された後に膨張機で膨張仕事に
相当した寒冷を発生し、再び蓄冷器を通って次に吸気さ
れる冷媒ガスを冷却するために蓄冷材を冷やしながら温
度上昇して室温に戻った後に排気バルブを介してコンプ
レッサへと返される、この行程を1サイクルとして周期
的に寒冷を発生させている。膨張機と蓄冷器とは、通
常、多段構成に設けられる。このようなGM冷凍機は、
取扱の簡便さ等の理由から様々な分野で使用されてい
る。
【0004】GM冷凍機は、サイモン膨張と呼ばれる膨
張過程を用いた冷却作用によって冷凍を行うが、この膨
張による効率は原理的にカルノー効率より低く、特に圧
縮比が大きくなるほど効率が悪くなるという特徴を持
つ。なお、圧縮比が大きいという条件は、冷凍機コ−ル
ドヘッド側のある大きさの膨張容積に対してコンプレッ
サの入力を大きくすることで作られる。すなわち、冷凍
能力を向上させるためにコンプレッサの入力を増加させ
ていくと、圧縮比の増加のために冷凍効率は低下してい
く。また逆に、コンプレッサの入力を減少させていく
と、冷凍損失が冷凍のための仕事量よりも大きくなり、
ある入力を境にして冷凍機としての機能を果たさなくな
る。
【0005】したがって、冷凍効率についてみると、最
適な冷凍機コールドヘッドとコンプレッサとの組み合わ
せが存在するはずであるが、その大きさの最適比率は冷
凍機によって異なり一般性がないと思われていた。この
ようなことから、従来は、冷却温度が低いことに起因す
る冷却効率の低さだけを考慮し、専らコンプレッサの入
力を調整して必要な冷凍能力を得る運転方式が採用され
ている。
【0006】しかしながら、従来の蓄冷式冷凍機にあっ
ては、単にコンプレッサの入力調整だけで必要な冷凍能
力を得るようにしているので、冷凍機コールドヘッドと
コンプレッサとの組み合わせ形態によっては、コンプレ
ッサに大きな入力を投入しているにも拘わらず、それに
応じた冷凍能力が得られず、効率の悪い運転しかできな
いという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、従来の蓄
冷式冷凍機にあっては、必要な冷凍能力をコンプレッサ
の入力調整だけに頼って得ているため、最も効率のよい
運転ができないという問題がった。そこで本発明は、最
も効率のよい運転を実行できる蓄冷式冷凍機及びその運
転方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明は、多段膨張式の冷凍機コール
ドヘッドと該ヘッドに接続されるコンプレッサとを含
み、最終段冷却ステージの無負荷時到達温度を5K未満
にして運転される蓄冷式冷凍機において、冷凍機コール
ドヘッドの運転周波数をf(Hz)とし、各段の膨張容
積を合計した全膨張容積をV(cm3 ) とし、コンプ
レッサ入力電力をW(W)としたとき、20≦W/(V
・f)≦40の条件を満たす冷凍機コールドヘッドとコ
ンプレッサとを備えていることを特徴としている。
【0009】また、上記目的を達成するために、請求項
2に係る発明は、多段膨張式の冷凍機コールドヘッドと
該ヘッドに接続されるコンプレッサとを含み、最終段冷
却ステージの無負荷時到達温度を5Kから10Kの範囲
にして運転される蓄冷式冷凍機において、冷凍機コール
ドヘッドの運転周波数をf(Hz)とし、各段の膨張容
積を合計した全膨張容積をV(cm3 ) とし、コンプ
レッサ入力電力をW(W)としたとき、5≦W/(V・
f)≦20の条件を満たす冷凍機コールドヘッドとコン
プレッサとを備えていることを特徴としている。
【0010】なお、前記冷凍機コールドヘッド及び前記
コンプレッサは、何れか一方または両方が互いに冷媒通
路を介して通じた複数のユニットで構成されていても、
これらユニット全体を含めて前記条件を満たしていれば
よい。
【0011】また、前記運転周波数fは、シャトル損失
を考慮に入れると、一般的にはf=0.3〜3(Hz)
の範囲が好ましい。また、前記冷凍機コールドヘッドと
前記コンプレッサとは、少なくとも最終段蓄冷器の蓄冷
材に磁性蓄冷材を用いてギフォード・マクマホン冷凍機
を構成していてもよい。
【0012】さらに、上記目的を達成するために、請求
項6に係る発明は、多段膨張式の冷凍機コールドヘッド
と該ヘッドに接続されるコンプレッサとを含む蓄冷式冷
凍機を運転するに当たり、予め効率が最大となる最終段
冷却ステージ温度―コンプレッサ入力電力特性を求めて
おき、この特性を使って現実に温度センサで測定された
最終段冷却ステージ温度に対して効率が最大となるよう
にコンプレッサの入力電力を制御することを特徴として
いる。
【0013】蓄冷式冷凍機は、多段膨張式の冷凍機コー
ルドヘッドとコンプレッサとの組み合せで構成され、基
本的にはこれらの組み合せは自由である。例えば冷凍機
コールドヘッドの大きさに制限がある場合、その大きさ
の冷凍機コールドヘッドに対してコンプレッサの大きさ
を自由に決めることができる。たとえば、できる限り大
きな冷凍能力を得たい場合には能力の大きいコンプレッ
サを組み合わせればよい。
【0014】ここで、上記とは全く別の考え方として、
冷凍効率を最重点項目とし、ある冷凍機コールドヘッド
に対して冷凍効率が最も高くなるコンプレッサを選ぶと
いう考え方もある。この考え方を導入するには、冷凍機
コールドヘッドの大きさとコンプレッサの大きさとの比
率をある数値で表すことが必要となる。
【0015】そこで、本発明者等は、冷凍機コールドヘ
ッドの運転周波数をf(Hz)とし、各段の膨張容積を
合計した全膨張容積をV(cm3 ) とし、コンプレッ
サ入力電力をW(W)としたとき、WをV・fで割った
値、すなわち、 W/(V・f)(J/cm3 ) という量を定義した。この値は、冷凍機コールドヘッド
の単位膨張容積当たりに必要なコンプレッサの仕事量を
表している。もしも、この値に最適値が存在すれば、例
えば運転周波数が決まっている冷凍機コールドヘッドに
対して最適なコンプレッサを選ぶことができる。
【0016】そこで本発明者等は、最終段冷却ステージ
の温度が液体へリウム温度の4K程度にまで到達する蓄
冷式冷凍機において、大きさの異なる複数の冷凍機コー
ルドヘッドに対して最適なコンプレッサ仕事量(入力電
力)を調査するための試験を行い、図2に示す試験結果
を得た。
【0017】この図2は横軸にW/(V・f)をとり、
縦軸に4Kでの冷凍能力をコンプレッサ入力電力で割っ
た冷凍効率(COP)をとっている。横軸は先に説明し
たように、ある意味でコンプレッサと冷凍機コールドヘ
ッドとの大きさの比率を表しており、図中右側に向かう
ほどコンプレッサの大きさの割合が増えて圧縮比、流量
が増加する方向を示し、図中左側に向かうほど冷凍機コ
−ルドヘッドの大きさの割合が増えて、圧縮比、流量が
減少する方向を示している。
【0018】図2中、実線は膨張容積V=77(cm
3 ) のときの冷凍性能試験結果である。試験では運転
周波数fをf=1.5(Hz)とし、コンプレッサの入
力電力Wを変化させて各々の条件でCOPをプロットし
ている。この図から判るように、W/(V・f)が約3
0(J/cm3 )のときにCOPが最大となった。
【0019】図2中、破線はV=161(cm3 ) の
ときの同様の試験結果である。また、一点鎖線はV=2
04(cm3 )のときの同様の試験結果である。ここで
重要なことは、図2から明らかなように、それぞれ異な
る膨張容積を持つ3種類の冷凍機コールドヘッドに対し
て、COPが最大となる最適なW/(V・f)の範囲
は、 20≦W/(V・f)≦40 で、ほぼ一致し、特に最もCOPが大きくなる条件はW
/(V・f)=30(J/cm3 )でほぼ一致している
点である。
【0020】このように、冷凍効率に重点をおくと、コ
ンプレッサの大きさと冷凍機コールドヘッドの大きさと
の比率に最適な値が存在し、その条件はコンプレッサお
よび冷凍機コールドヘッドの大きさによらないことが判
った。請求項1から6の発明は、このような知見に基づ
いている。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら発明の
実施形態を説明する。図1には本発明の一実施形態に係
る蓄冷式冷凍機、ここには2段膨張式で最終段、つまり
第2段冷却ステージの設計冷却温度が5K未満、具体的
には4KのGM冷凍機が示されている。
【0022】このGM冷凍機は、大部分が真空容器1中
に配置される冷凍機コールドヘッド2と室温雰囲気3中
に配置されるガス供給系4とで構成されている。冷凍機
コールドヘッド2では、閉じられたシリンダ11内に断
熱材で形成されたディスプレーサ12が往復動自在に収
納されている。シリンダ11は、大径の第1シリンダ1
4と、この第1シリンダ14に同軸接続された小径の第
2シリンダ15とで構成されている。なお、第1シリン
ダ14および第2シリンダ15は、通常、薄いステンレ
ス鋼板等で形成される。
【0023】第1および第2シリンダ14,15内に
は、第1段および第2段冷却ステージ16,17が設け
られている。すなわち、第1シリンダ14のヘッド壁部
分に圧縮された冷媒ガスを膨張させて寒冷を発生する第
1段冷却ステージ16が設けられ、また第2シリンダ1
5のヘッド壁部分に圧縮された冷媒ガスを膨張させて第
1段冷却ステージ16よりも低温の寒冷を発生する第2
段冷却ステージ17が設けられている。
【0024】ディスプレーサ12は、第1シリンダ14
内を往復動する第1ディスプレーサ18と、第2シリン
ダ15内を往復動する第2ディスプレーサ19とから構
成されている。第1ディスプレーサ18と第2ディスプ
レーサ19とは、連結機構によって軸方向に連結されて
いる。
【0025】第1ディスプレーサ18の内部には第1段
の蓄冷器を構成するための流体通路21が軸方向に形成
されており、この流体通路21にはたとえば銅で作られ
たメッシュ構造の蓄冷材22が収容されている。同様
に、第2ディスプレーサ19の内部には第2段の蓄冷器
を構成するための流体通路23が形成されており、この
流体通路23にはErIn3 等のような磁気相転移に
伴う異常磁気比熱等を利用した粒状の磁性蓄冷材からな
る蓄冷材24が収容されている。
【0026】第1ディスプレーサ18の外周面上部と第
1シリンダ14の内周面との間および第2ディスプレー
サ19の外周面と第2シリンダ15の内周面との間に
は、それぞれ図示しないシール装置が装着されている。
【0027】第1ディスプレーサ18の上端は、連結ロ
ッド31およびクランク軸32を介してモータ33の回
転軸に連結されている。したがって、モータ33が回転
すると、この回転に同期してディスプレーサ12が図中
上下方向に往復動する。この往復動によって、第1のデ
ィスプレーサ18の図中下端と第1段冷却ステージ16
との間に第1段膨張室34が形成され、第2のディスプ
レーサ19の図中下端と第2段冷却ステージ17との間
に第2段膨張室35が形成される。
【0028】第1ディスプレーサ18の上部に存在する
空間は、吸気バブル36および排気バルブ37を介して
ガス供給系4に接続されている。ここで吸気バルブ36
および排気バルブ37は、カム等の仲介のもとにディス
プレーサ12の上下方向往復動に連動して開閉制御され
る。
【0029】ガス供給系4は、排気バルブ37を介して
吸い込んだ冷媒としてのヘリウムガスを圧縮して吸気バ
ルブに供給するコンプレッサ41によって構成されてい
る。ここで、この例においては、冷凍機コールドヘッド
2の運転周波数、つまりディスプレーサ12の往復動周
期によって決まる運転周波数をf(Hz)とし、第1段
膨張室34の膨張容積V1 (cm3 )と第2段膨張室3
5の膨張容積V2 (cm3 )とを合計した全膨張容積を
V(cm3 )とし、コンプレッサ41の入力電力をW
(W)としたとき、W/(V・f)(J/cm3 ) が
20≦W/(V・f)≦40の範囲、具体的にはW/
(V・f)=30(J/cm3 ) となる冷凍機コール
ドヘッド2とコンプレッサ41とが用いられている。
【0030】なお、図中42は第1段冷却ステージ16
に熱的に接続された熱シールド板を示し、43は第2段
冷却ステージに熱的に接続された超電導コイル等の被冷
却物を示している。
【0031】寒冷の発生は第1段冷却ステージ16およ
び第2段冷却ステージ17で行われる。第1段冷却ステ
ージ16は、熱負荷のない理想状態では30K程度まで
冷却される。また第2段冷却ステージ17は、蓄冷材2
4としてErIn3 を用いているので4K程度まで冷却
される。
【0032】コンプレッサ41を運転開始させるととも
にモータ33を回転開始させる。モータ33が回転開始
すると、ディスプレーサ12が下死点(図中最上点)と
上死点(図中最下点)との間を往復動する。この例で
は、1秒間に0.3〜2.0回、たとえば1秒間に1回
の割合で往復動する。このため、第1段膨張室34およ
び第2段膨張室35は、1サイクルの間に容積がほぼ零
から最大値まで変化する。
【0033】この例の場合、ディスプレーサ12が上死
点に至ると、吸気バルブ36が開き、例えば2.5MP
aのヘリウムガスが冷凍機コールドヘッド2内に流入す
る。そして、ディスプレーサ12の下死点側への移動に
伴って吸気バルブ36が閉じる。このとき、排気バルブ
37は閉じた状態を維持している。
【0034】ディスプレーサ12が下死点側へと移動を
継続しているので、2.5MPaのヘリウムガスは第1
ディスプレーサ18に形成された流体通路21を通って
第1段膨張室34へ、また第2ディスプレーサ19に形
成された流体通路23を通って第2段膨張室35へと流
れる。この流れに伴って、2.5MPaのヘリウムガス
は、蓄冷材22,24によって冷却され、第1段膨張室
34に流れ込んだヘリウムガスは30K程度に、また第
2段膨張室35に流れ込んだヘリウムガスは4K程度に
冷却される。
【0035】ここで、ディスプレーサ12が下死点に達
すると、排気バルブ37が開く。このように排気バルブ
37が開くと、第1段膨張室34内および第2段膨張室
35内の圧力は急激に例えば0.3MPaまで低下す
る。この圧力低下でヘリウムガスが断熱膨張して寒冷を
発生する。この寒冷によって第1段冷却ステージ16が
30K程度に、第2段冷却ステージ17が4K程度に冷
却される。
【0036】ディスプレーサ12が再び上死点へと移動
すると、これに伴って第1段膨張室34内および第2段
膨張室35内の容積が小さくなるので、低温のヘリウム
ガスが流体通路21,23内を通過し、この通過の際に
蓄冷材22,24を冷却する。温度の上昇したヘリウム
ガスは、排気バルブ37を介して圧縮機41へと排出さ
れる。上述したサイクルが繰り返されて冷凍運転が実行
される。
【0037】このように、この例では、W/(V・f)
(J/cm3 )が20≦W/(V・f)≦40の範
囲、具体的にはW/(V・f)=30(J/cm3 )と
なる冷凍機コールドヘッド2とコンプレッサ41とを組
み合わせて、到達温度が4K以下のGM冷凍機を構成し
ている。
【0038】したがって、図2に示す試験結果から明ら
かなように、最高の冷凍効率で運転することができる。
換言すると、冷凍機コールドヘッドとコンプレッサユニ
ツトの大きさの比をW/(V・f)により定義すること
で、最も冷凍効率の高い冷凍機コールドヘッドとコンプ
レッサの組み合せを、冷凍機の大きさによらず決めるこ
とが可能である。
【0039】なお、図2中、黒丸、黒三角、黒四角で示
すデータは、製品として販売されているGM冷凍機のデ
ータを示すもので、これらは冷凍効率についてあまり配
慮していないことが判る。
【0040】上述した例は、最終段冷却ステージ温度が
5K未満のGM冷凍機に本発明を適用したものである
が、最終段冷却ステージ温度が5〜10KレベルのGM
冷凍機に関しても冷凍機の大きさによらず、W/(V・
f)に最適な値があることが確認されている。
【0041】図3には異なる膨張容積の大きさを持った
5〜10KレベルのGM冷凍機のW/(V・f)に対す
る冷凍効率をプロットした試験結果が示されている。こ
の図から判るように、この温度レベルでは、 W/(V
・f)(J/cm3)が5≦W/(V・f)≦20の範
囲で高い冷凍効率が得られ、特にW/(V・f)=10
(J/cm3 )で最も高い冷凍効率が得られており、最
適なW/(V・f)は各冷凍機においてほぼ一致してい
る。
【0042】図4には本発明の他の実施形態に係る蓄冷
式冷凍機、ここには1台のコンプレッサ41と2台の冷
凍機コールドヘッド2A,2Bとを組み合わせ、各冷凍
機コールドヘッド2A,2Bの第2段冷却ステージ17
の到達温度を4K程度としたGM冷凍機が示されてい
る。
【0043】なお、この図では図1に示される冷凍機と
同一機能部分が同一符号で示されている。したがって、
重複する部分の詳しい説明は省略する。この例に係るG
M冷凍機では、冷凍機コールドヘッド2A,2Bの運転
周波数をf(Hz)とし、冷凍機コールドヘッド2Aの
第1段膨張室34の膨張容積VA1 (cm3 )と第2段
膨張室35の膨張容積VA2 (cm3 )と冷凍機コール
ドヘッド2Bの第1段膨張室34の膨張容積VB1 (c
3 )と第2段膨張室35の膨張容積VB2 (cm3
とを合計した全膨張容積をV(cm3 )とし、コンプレ
ッサ41の入力電力をW(W)としたとき、W/(V・
f)(J/cm3)が20≦W/(V・f)≦40の範
囲、具体的にはW/(V・f)=30(J/cm3 )と
なる冷凍機コールドヘッド2A,2Bとコンプレッサ4
1とが用いられている。
【0044】このように構成されたGM冷凍機において
も最高の冷凍効率で運転することができる。すなわち、
図5には冷凍機コールドヘッドの数およびコンプレッサ
の数を変化させて、それぞれの条件において、W/(V
・f)と冷凍効率との関係をプロットした試験結果が示
されている。ここでも冷凍機の構成によらずに、膨張容
積の総和と運転周波数が決まればいかなる大きさの冷凍
機においても効率が高い範囲は20≦W/(V・f)≦
40であった。したがって、図4に示すGM冷凍機では
最高の冷凍効率で運転できることになる。
【0045】なお、図5に示す傾向は5〜10Kレベル
の冷凍機においても同様であることが確認されている。
すなわち、5〜10Kレベルの冷凍機においても最も冷
凍効率の高い運転条件は5≦W/(V・f)≦20であ
り、冷凍機コールドヘッド、コンプレッサの数によら
ず、膨張容積の総和Vとfが決まれば、効率の高いコン
プレッサ入力値が決まることになる。
【0046】図6には本発明のさらに別の実施形態に係
る蓄冷式冷凍機、ここには2段膨張式で最終段、つまり
第2段冷却ステージの設計冷却温度が4.2KのGM冷
凍機が示されている。そして、この図では図1に示され
る冷凍機と同一機能部分が同一符号で示されている。し
たがって、重複する部分の詳しい説明は省略する。
【0047】この例に係るGM冷凍機は、第2段冷却ス
テージ17の温度を検出する温度センサ51と、この温
度センサ51の出力を導入し、その温度において冷凍効
率が最も高くなるようにコンプレッサ41の入力電力、
具体的にはインバータ等でコンプレッサ41の回転数を
制御する制御装置52とを備えている。
【0048】今、このGM冷凍機の第2段冷却ステージ
17の各冷却温度での入力電力に対する冷凍能率曲線が
図7に示すようなものであったとする。これは容易に測
定できる。このとき、各温度で最も冷凍効率が高くなる
コンプレッサ入力電力条件は、各冷凍能力曲線と原点を
通る直線とが接する接点位置で判る。各冷凍温度の上記
接点同士を結んだ曲線53は、各冷却温度で最も効率の
高い条件を表している。この曲線53から、図8に示す
ように、横軸に冷却温度(第2段冷却ステージ温度)
を、縦軸に冷凍効率が最大となるコンプレッサ入力電力
をとる温度―入力特性が得られる。
【0049】図6に示す例では、制御装置52の内部メ
モリに図8に示す温度―入力特性が予め登録されてい
る。そして、温度センサ51で現実の温度を測定し、こ
の温度において冷凍効率が最大となるように、コンプレ
ッサ41の入力電力を制御している。
【0050】図9には被冷却物43として超電導コイル
を対象にし、この超電導コイルを図8に示す温度―入力
特性にしたがって4.2Kまで冷却した後に、この超電
導コイルを励磁→定常磁場発生→消磁の経過で運転した
ときの消費電力(コンプレッサ入力電力)の変化が示さ
れている。
【0051】この図9から判るように、超電導コイルに
対して励磁を行っていない期間や定常磁場発生期間のよ
うに熱負荷の小さい期間は勿論のこと、励磁や消磁のよ
うに熱負荷が増加する期間においても常に最大の冷凍効
率で運転することができるので、消費電力を必要最少限
に抑えることができる。
【0052】超電導コイル等の設計では、通常、最も熱
負荷(発熱)が大きい場合を想定して冷凍機の性能を決
定している。このため、定常違転(熱負荷が小さい場
合)では、冷凍機の性能が過剰となり、無駄な電力を消
費することになる。例えば、励磁中の1Wの発熱を満た
す冷凍機を定常状態でも用いているため、励磁を行わな
いときには冷凍温度が3K程度まで下がり、そのときの
コンプレッサ入力電力も図9中に破線で示すように、励
磁中と同じ5kW程度である。したがって、常時5kW
の電力を消費していることになる。
【0053】しかし、図6に示す冷凍機を用いると、常
に冷凍機の効率が最も高くなる条件で運転されるので、
最低限の電力を使うことになり、図9に示すように、励
消磁以外の定常時では超電導コイルを4.2Kに保たせ
るのに必要なコンプレッサの入力電力は1.5kW程度
で済むことから、ランニングコストを半分以下に抑える
ことができる。
【0054】なお、上記例では全温度領域につて冷凍効
率が最大となるようにコンプレッサの入力電力を制御し
ているが、目標とする温度についてのみ冷凍効率が最大
となるようにコンプレッサの入力電力を制御してもよ
い。この場合には、目標の温度の上下では消費電力が増
えるが、従来のように高い一定の消費電力レベルで運転
する場合に比べてランニングコストを抑えることができ
る。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
効率のよい運転実行に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る蓄冷式冷凍機の概略
構成図
【図2】同冷凍機において冷凍温度4Kでの冷凍効率を
最大にする条件を説明するための実験結果を説明するた
めの図
【図3】同冷凍機において冷凍温度7Kでの冷凍効率を
最大にする条件を説明するための実験結果を説明するた
めの図
【図4】本発明の別の実施形態に係る蓄冷式冷凍機の概
略構成図
【図5】同冷凍機において冷凍温度4Kでの冷凍効率を
最大にする条件を説明するための実験結果を説明するた
めの図
【図6】本発明のさらに別の実施形態に係る蓄冷式冷凍
機の概略構成図
【図7】同冷凍機の制御装置に登録されている制御参照
データを説明するための図
【図8】同冷凍機の制御装置に登録されている制御参照
データを説明するための図
【図9】同冷凍機の動作の一例を説明するための図
【符号の説明】
1…真空容器 2,2A,2B…冷凍機コールドヘッド 3…室温雰囲気 4…ガス供給系 11…シリンダ 12…ディスプレーサ 16…第1段冷却ステージ 17…第2段(最終段)冷却ステージ 22,24…蓄冷材 33…モータ 34…第1段膨張室 35…第2段(最終段)膨張室 36…吸気バルブ 37…排気バルブ 41…コンプレッサ 42…熱シールド板 43…被冷却物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中込 秀樹 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 佐々木 高士 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多段膨張式の冷凍機コールドヘッドと該ヘ
    ッドに接続されるコンプレッサとを含み、最終段冷却ス
    テージの無負荷時到達温度を5K未満にして運転される
    蓄冷式冷凍機において、冷凍機コールドヘッドの運転周
    波数をf(Hz)とし、各段の膨張容積を合計した全膨
    張容積をV(cm3 ) とし、コンプレッサ入力電力を
    W(W)としたとき、20≦W/(V・f)≦40の条
    件を満たす冷凍機コールドヘッドとコンプレッサとを備
    えていることを特徴とする蓄冷式冷凍機。
  2. 【請求項2】多段膨張式の冷凍機コールドヘッドと該ヘ
    ッドに接続されるコンプレッサとを含み、最終段冷却ス
    テージの無負荷時到達温度を5Kから10Kの範囲にし
    て運転される蓄冷式冷凍機において、冷凍機コールドヘ
    ッドの運転周波数をf(Hz)とし、各段の膨張容積を
    合計した全膨張容積をV(cm3 ) とし、コンプレッ
    サ入力電力をW(W)としたとき、5≦W/(V・f)
    ≦20の条件を満たす冷凍機コールドヘッドとコンプレ
    ッサとを備えていることを特徴とする蓄冷式冷凍機。
  3. 【請求項3】前記冷凍機コールドヘッド及び前記コンプ
    レッサは、何れか一方または両方が互いに冷媒通路を介
    して通じた複数のユニットで構成されており、これらユ
    ニット全体を含めて前記条件を満たしていることを特徴
    とする請求項1または2に記載の蓄冷式冷凍機。
  4. 【請求項4】前記運転周波数fは、f=0.3〜3(H
    z)の範囲であることを特徴とする請求項1または2に
    記載の蓄冷式冷凍機。
  5. 【請求項5】前記冷凍機コールドヘッドと前記コンプレ
    ッサとは、少なくとも最終段蓄冷器の蓄冷材に磁性蓄冷
    材を用いてギフォード・マクマホン冷凍機を構成してい
    ることを特徴とする請求項1、2、3のいずれか1項に
    記載の蓄冷式冷凍機。
  6. 【請求項6】多段膨張式の冷凍機コールドヘッドと該ヘ
    ッドに接続されるコンプレッサとを含む蓄冷式冷凍機を
    運転するに当たり、予め効率が最大となる最終段冷却ス
    テージ温度―コンプレッサ入力電力特性を求めておき、
    この特性を使って現実に温度センサで測定された最終段
    冷却ステージ温度に対して効率が最大となるようにコン
    プレッサの入力電力を制御することを特徴とする蓄冷式
    冷凍機の運転方法。
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