JPH111073A - 印刷による転写方法 - Google Patents

印刷による転写方法

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JPH111073A
JPH111073A JP15669097A JP15669097A JPH111073A JP H111073 A JPH111073 A JP H111073A JP 15669097 A JP15669097 A JP 15669097A JP 15669097 A JP15669097 A JP 15669097A JP H111073 A JPH111073 A JP H111073A
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ink
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Application number
JP15669097A
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English (en)
Inventor
Makoto Sasaki
眞 佐々木
Masaharu Makino
雅治 牧野
Mitsuo Matsuno
光雄 松野
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Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Oil Corp
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Publication date
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Publication of JPH111073A publication Critical patent/JPH111073A/ja
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    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/10Apparatus or processes for manufacturing printed circuits in which conductive material is applied to the insulating support in such a manner as to form the desired conductive pattern
    • H05K3/12Apparatus or processes for manufacturing printed circuits in which conductive material is applied to the insulating support in such a manner as to form the desired conductive pattern using thick film techniques, e.g. printing techniques to apply the conductive material or similar techniques for applying conductive paste or ink patterns

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  • Printing Plates And Materials Therefor (AREA)
  • Rotary Presses (AREA)
  • Printing Methods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】印刷法で版の印刷パターンを忠実に再現しフォ
トリソグラフィーに匹敵する高精細印刷パターンを実現
したプリント配線板の配線(導体)、液晶表示用カラー
フィルター、高品位印刷物等を安価に製造する印刷によ
る転写方法を提供する。 【解決手段】凹版の凹部のインキを被印刷体に転写する
にあたり、外場に感応して粘度が上昇し固体状となるイ
ンキ又は外場に引き寄せられるインキを凹部に配置し、
インキの形状を保持した状態でインキを転写しうるよう
に又はインキが転写対象に引き寄せられるようにインキ
に外場を印加し、インキを固体状に保持して又は転写対
象に引き寄せながら転写する方法において、凹版として
表面をシリコーン又はフッ素を主成分とした化合物の薄
膜層で被覆したものを用いる印刷による転写方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント配線板の
配線(導体)、液晶表示用カラーフィルター、高品位印
刷物等を高精細で、且つ低コストで製造するための印刷
による転写方法に関する。
【0002】
【従来の技術】大量の複写物を得るための方法として印
刷法はコストの安い方法として従来から知られている
が、パターンの精度が得られ難い、平滑性が悪い等の問
題点があるため、精密なプリント配線板の配線(導
体)、液晶表示用カラーフィルター等に利用しうる程度
の高精細度を得ることは困難である。
【0003】例えばプリント配線板の配線(導体)の製
造法としては、シルクスクリーン印刷、凹版印刷等の印
刷法を用い、銅張り積層板に配線パターンを印刷し、そ
の後エッチング、アルカリ剥離工程を行い銅の配線(導
体)を作成する方法があるが、印刷の転写精度が不十分
なため、高精細なパターンを作製し配線(導体)を細線
化することは難しい。
【0004】より高精細なパターンを作製する方法とし
て、ドライフィルムを用いて、露光、現像、エッチン
グ、アルカリ剥離工程を経て配線(導体)を作製する方
法もあるが、この方法でも細線化は不十分であり、また
工程が複雑であるという問題点がある。配線(導体)を
細線化しうる方法としてフォトリソグラフィー法が提案
されている。フォトリソグラフィー法は高精細度が得ら
れる方法であるが、工程が複雑であり、低コスト化が難
しいという問題点がある。
【0005】また、液晶表示用カラーフィルターは、透
明基板上に形成された赤、緑、青の三原色の画素を1つ
の組として多数の組合せから構成されている。そして各
画素間には、表示コントラストを高めるために一定の幅
を持つブラックマトリックスと呼ばれる遮光領域が形成
される。そして、このような画素や遮光領域を形成する
方法としては、フォトリソグラフィーの手法を用いて形
成したパターンに染色する染色法、顔料や染料を分散し
た感光性樹脂組成物を用いる方法、透明導電膜に所望の
パターンを形成した後、着色すべきパターンにのみ通電
しながら電着する電着法等が知られているが、印刷法が
最も低コストにしうる方法として認識されている。しか
しながら、印刷法では高精細度を得ることが困難である
ので、これらの画素や遮光領域を精度良く作製するのに
適した方法とは言いがたい。
【0006】他に、美術書、写真集、ポスターといった
従来印刷法により製造されている商業印刷物に関しても
高品位化が要望されており、網点の微小化で対応しよう
としている。しかし現在の印刷技術では網点を微小化す
ると階調性が低下したり、生産性が低下するという問題
があり、品質とコストを両立できる印刷技術は確立され
ていない。
【0007】印刷法において高精細度が得られない主な
原因として、以下に説明する現象が挙げられる。例えば
図1に示すように、版10の凹部のインキ11を版10
の面上からブランケット13に、続いてブランケット1
3から被印刷体12に転写する場合、転写の各工程の
際、インキ11は糸引き状態となるため、転写したパタ
ーンの輪郭が版10のパターンを忠実に再現せず、にじ
みとなったり、抜けが生じ、図1に示すインキ11の厚
み方向Aに凹凸ができる。このため、印刷による転写方
法を利用する場合には、印刷パターンの精度が得られ難
く、また印刷面の平滑性が悪いという欠点が生じる。従
って、このような現象を起こすことなくパターンの輪郭
が忠実に再現される、高精細な転写方法が求められてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、印刷
法で版の印刷パターンを忠実に再現することによりフォ
トリソグラフィーに匹敵するような高精細な印刷パター
ン等を実現したプリント配線板の配線(導体)、液晶表
示用カラーフィルター、高品位印刷物等を安価に製造す
るための印刷による転写方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、凹版の
凹部のインキを被印刷体に転写するにあたり、外場に感
応して粘度が上昇し半固体状あるいは固体状となるイン
キを凹版の凹部に配置し、凹部に配置されたインキの形
状を保持した状態で該インキを転写対象に転写しうるよ
うに凹部に配置した後のインキに外場を印加し、インキ
を半固体状あるいは固体状に保持して転写対象に転写す
る転写方法において、凹版として表面をシリコーンを主
成分とした化合物あるいはフッ素を主成分とした化合物
の薄膜層で被覆したものを用いることを特徴とする印刷
による転写方法が提供される。
【0010】また、本発明によれば、凹版の凹部のイン
キを被印刷体に転写するにあたり、外場に感応して一定
方向に引き寄せられるインキを凹版の凹部に配置し、凹
部に配置されたインキが転写対象に引き寄せられるよう
に凹部に配置した後のインキに外場を印加し、インキを
転写対象に引き寄せながら転写する転写方法において、
凹版として表面をシリコーンを主成分とした化合物ある
いはフッ素を主成分とした化合物の薄膜層で被覆したも
のを用いることを特徴とする印刷による転写方法が提供
される。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の転写方法では、凹版の凹
部のインキを被印刷体に転写する。この転写の態様は、
特に限定されないが、後に詳述するように、インキを凹
版から被印刷体へ直接転写する方法、又は凹版から中間
転写体を介して被印刷体へ転写する方法等を挙げること
ができる。
【0012】本発明の転写方法では、凹版の凹部のイン
キを被印刷体に転写するにあたり、まず常法により後述
する外場に感応して粘度が上昇し半固体状あるいは固体
状となるインキ、あるいは外場に感応して一定方向に引
き寄せられるインキを凹版の凹部に配置する。配置のた
めの常法としてはドクターブレード、ロール、ディスペ
ンサー等を用いる方法が挙げられるが、特にこれらのう
ちドクターブレードを用いる方法が好ましい。
【0013】本発明の転写方法では、次に、凹部に配置
されたインキの形状を保持した状態で該インキを転写対
象に転写しうるように、あるいは凹部に配置されたイン
キが転写対象に引き寄せられるように、凹部に配置した
後のインキに外場を印加する。
【0014】前記転写対象とは、インキを転写させる対
象を意味し、具体的には、例えばインキを凹版から被印
刷体へ直接転写する場合であれば被印刷体、また凹版か
ら中間転写体を介して被印刷体へ転写する場合であれ
ば、凹版から中間転写体に転写する際の中間転写体、及
び中間転写体から被印刷体に転写する際の被印刷体等を
意味する。
【0015】前記外場としては、電場、磁場又はこれら
の両方等を用いることができる。外場が印加されること
によってインキを半固体状あるいは固体状に保持すると
は、インキ自体の形状が自重により崩れないで、その形
状を保っている状態をいう。また、インキが転写対象に
引き寄せられる方向は、インキが転写対象に転写される
のを補助する方向である限りにおいて特に限定されない
が、例えば凹版から転写対象へ転写する際には、凹版か
ら転写対象に向かう方向とすることができる。
【0016】前記外場の印加時期は、凹版の凹部にイン
キを配置した後であって、インキを転写対象に転写しう
る時期であれば特に限定されるものではなく、後に詳述
するように、転写方法の種類や、インキの種類等に応じ
て適宜選択することができる。具体的には、インキを凹
版から被印刷体へ直接転写する場合、少なくとも凹版と
被印刷体とが接する箇所に位置する転写直前のインキに
外場を印加するのが好ましい。一方、インキを凹版から
中間転写体を介して被印刷体へ転写する場合、凹版と中
間転写体とが接する箇所に位置する中間転写体への転写
直前のインキ、あるいは凹版と中間転写体とが接する箇
所に位置する中間転写体への転写直前のインキ及び中間
転写体と被印刷体とが接する箇所に位置する転写直前の
インキの両方に外場を印加するのが好ましい。印加は、
これらの好ましい印加時期での一時的印加であっても、
段階的あるいは継続的の印加であっても、凹版の凹部に
インキを配置した後の印加であれば良い。ここで中間転
写体とは、凹版から被印刷体への転写が忠実に行なえる
ものであれば良く、例えば通常の平版印刷で使用される
ゴムブランケット等を挙げることができるが特に限定さ
れるものではない。
【0017】外場に感応して一定方向に引き寄せられる
インキを用いる場合であって、外場として電場を使用す
る場合、例えばインキが正に帯電するものであれば転写
対象を負極側にすることにより、またインキが負に帯電
するものであれば転写対象を正極側にすることにより、
インキを転写対象に引き寄せることができる。また、外
場に感応して一定方向に引き寄せられるインキを用いる
場合であって、外場として磁場を使用する場合、例えば
磁石等の磁場を発生するものを、インキと磁場を発生す
るものとが転写対象を挟むような位置に設けることによ
り、前記一定方向を転写対象側に向けることができる。
【0018】本発明の転写方法において、被印刷体に転
写したインキは、続いてインキ中の溶剤の蒸発による自
然乾燥硬化、酸化重合硬化、熱硬化あるいは放射線硬化
等により硬化させることにより被印刷体に固定すること
ができる。前記硬化は、特に限定されるものではなく、
また2種以上の硬化方法を併用することもできる。硬化
は、被印刷体に外場を印加した状態、即ち転写後のイン
キに外場を印加している状態で行っても良い。また硬化
は、インキを被印刷体に転写した後、直ちに行うのが工
程上好ましい。
【0019】本発明の転写方法では、凹版として、表面
をシリコーンを主成分とした化合物あるいはフッ素を主
成分とした化合物の薄膜層で被覆したものを用いる。凹
版上の薄膜層の被覆位置については、特に限定されず、
凹版の全面でもよく、また凹版の一部でもよい。具体的
には、例えば図2Aに示す通り凹版の全面に薄膜層を被
覆してもよいが、図2Bに示す通り凹版の凹部のみを被
覆することが好ましい。
【0020】前記シリコーンを主成分とした化合物とし
ては、例えばシリコーンゴム、シリコーン樹脂等が挙げ
られる。また前記フッ素を主成分とした化合物としては
フッ素化合物(例えばフッ素以外のハロゲン、酸素族元
素、窒素族元素、炭素、ケイ素、ホウ素等との化合
物)、フッ素樹脂、フッ素ゴム等が挙げられる。
【0021】また凹版の材質としては、ガラス製、金属
製、樹脂製のもの等を用いることができる。
【0022】シリコーンを主成分とした化合物を凹版に
被覆する方法としては、特に限定されないが、シリコー
ンを主成分とした化合物の希釈溶液をディッピングある
いはスピンコート等で凹版上に塗布した後、熱硬化する
方法等が挙げられる。また、フッ素を主成分とした化合
物を凹版に被覆する方法としては、特に限定されない
が、化学蒸着法(CVD法)、塗布法等が挙げられる。
【0023】本発明の転写方法を用いて、プリント配線
板の配線(導体)を作製する場合は、本発明の方法によ
り、配線パターンをフレキシブル銅張り積層板等を含む
銅張り積層板にインキで印刷した後、塩化第二鉄等によ
るエッチングにより配線部分以外の不要な銅を溶出さ
せ、さらにアルカリ溶液等により銅配線上のインキを剥
離することにより作製することができる。
【0024】本発明の転写方法において、外場として電
場を用いた場合のインキを硬化させるまでの一連の具体
的な操作方法としては、例えば以下のものが挙げられ
る。
【0025】一つの例を図3を参照して説明する。図3
において凹版31は、裏面に高電圧電源36と接続した
導電体層32及び印刷パターンを形成する凹部35を備
え、凹部35側の表面がシリコーンを主成分とした化合
物あるいはフッ素を主成分とした化合物の薄膜層で被覆
されている。凹部35に、外場に感応して粘度が上昇す
るインキ34aを配置した後、凹版31に電圧をかけな
がら、凹版31と、アースを接続したブランケット33
とを回転させながら接触させる。この接触によって、凹
版31とブランケット33との接触部分(少なくともイ
ンキ34aの存在する部分)に電場が作用し、凹部35
内のインキ34aの見かけの粘度が上昇し、半固体状あ
るいは固体状が保持される。このように半固体状あるい
は固体状が保持されたインキ34aは、凹部35が被覆
されていることと相俟って、ブランケット33と接触し
た際に、凹部35の輪郭を忠実に再現して高精細にブラ
ンケット33に転写されていく。続いてブランケット3
3を被印刷体37に回転させながら接触させ、インク3
4bを、被印刷体37にさらに転写し、転写されたイン
キ34bを熱あるいは紫外線等を照射する方法等によっ
て乾燥・硬化して被印刷体37上に硬化インキパターン
34cを形成することができる。
【0026】インキ34aとして、外場に感応して一定
方向に引き寄せられるインキを用いても、略同様の操作
により転写を行うことができる。この場合、凹版31と
ブランケット33とが接触する際に、インキが正に帯電
するものであればブランケット33が負極側となるよう
に、またインキが負に帯電するものであればブランケッ
ト33が正極側となるように、凹版31とブランケット
33との間に電圧をかけることにより、高精細な転写を
行うことができる。
【0027】凹版からフレキシブル銅張り積層板のよう
な柔軟性のある被印刷体に直接転写する例を、図4を参
照して説明する。図4において凹版41は、裏面に高電
圧電源46と接続した導電体層42及び印刷パターンを
形成する凹部45を備え、凹部45側の表面がシリコー
ンを主成分とした化合物あるいはフッ素を主成分とした
化合物の薄膜層で被覆されている。凹部45に、外場に
感応して粘度が上昇するインキ44aを配置した後、凹
版41に電圧をかけながら、凹版41と、アースを接続
した版胴43に固定した柔軟性のある被印刷体47とを
回転させながら接触させる。この接触によって、凹版4
1と被印刷体47との接触部分(少なくともインキ44
aの存在する部分)に電場が作用し、凹部45内のイン
キ44aの見かけの粘度が上昇し、半固体状あるいは固
体状が保持される。このように半固体状あるいは固体状
が保持されたインキ44aは、凹部45が被覆されてい
ることと相俟って、被印刷体47と接触した際に、凹部
45の輪郭を忠実に再現して高精細に被印刷体47に転
写されていく。転写されたインキ44bを熱あるいは紫
外線等を照射する方法等によって乾燥・硬化して(図示
せず)、柔軟性のある被印刷体47上に硬化インキパタ
ーンを形成することができる。
【0028】インキ44aとして、外場に感応して一定
方向に引き寄せられるインキを用いても、略同様の操作
により転写を行うことができる。この場合、凹版41と
被印刷体47とが接触する際に、インキが正に帯電する
ものであれば被印刷体47が負極側となるように、また
インキが負に帯電するものであれば被印刷体47が正極
側となるように、凹版41と被印刷体47との間に電圧
をかけることにより、高精細な転写を行うことができ
る。
【0029】凹版を版胴に固定しブランケットと圧胴を
用いて転写を行う例を、図5を参照して説明する。図5
において凹版51は、印刷パターンを形成する凹部55
を備え、凹部55側の表面がシリコーンを主成分とした
化合物あるいはフッ素を主成分とした化合物の薄膜層で
被覆されており、高電圧電源511に接続した版胴58
に固定されている。凹版51をドクターロール52と共
に回転させ、凹版51の凹部55に、外場に感応して粘
度が上昇するインキ54aを充填しながら、ドクターブ
レード56で、残余のインキ54aをかき取る。凹版5
1の凹部55に充填されたインキ54aを、アースを接
続した版胴59に固定したブランケット57上に転写す
るにあたり、凹版51とブランケット57とが接触する
ことにより、凹版51とブランケット57との接触部分
(少なくともインキ54aの存在する部分)に電場が作
用し、凹部55内のインキ54aの見かけの粘度が上昇
し、半固体状あるいは固体状が保持される。このように
半固体状あるいは固体状が保持されたインキ54aは、
凹部55が被覆されていることと相俟って、ブランケッ
ト57と接触した際に、凹部55の輪郭を忠実に再現し
て高精細にブランケット57に転写されていく。続いて
ブランケット57を被印刷体53に回転させながら接触
させ、圧胴510で印圧をかけながら、インキ54bを
被印刷体53に転写し、転写されたインキ54bを熱あ
るいは紫外線を照射する方法等によって乾燥・硬化して
被印刷体53上に硬化インキパターン54cを形成する
ことができる。
【0030】インキ54aとして、外場に感応して一定
方向に引き寄せられるインキを用いても、略同様の操作
により転写を行うことができる。この場合、凹版51と
ブランケット57とが接触する際に、インキが正に帯電
するものであればブランケット57が負極側となるよう
に、またインキが負に帯電するものであればブランケッ
ト57が正極側となるように、凹版51とブランケット
57との間に電圧をかけることにより、高精細な転写を
行うことができる。
【0031】凹版を版胴に固定し圧胴を用いて直接被印
刷体に転写を行う例を、図6を参照して説明する。図6
において凹版61は、印刷パターンを形成する凹部65
を備え、凹部65側の表面がシリコーンを主成分とした
化合物あるいはフッ素を主成分とした化合物の薄膜層で
被覆されており、アースを接続した版胴67に固定され
ている。凹版61をドクターロール62と共に回転さ
せ、凹版61の凹部65に、外場に感応して粘度が上昇
するインキ64aを充填しながら、ドクターブレード6
6で、残余のインキ64aをかき取る。凹版61の凹部
65に充填されたインキ64aを、被印刷体63に転写
するにあたり、高電圧電源69と接続した圧胴68で被
印刷体63を凹版61に圧迫し、凹版61と被印刷体6
3との接点部分(少なくともインキ64aの存在する部
分)に電場が作用し、凹部65内のインキ64aの見か
けの粘度が上昇し、半固体状あるいは固体状が保持され
る。このように半固体状あるいは固体状が保持されたイ
ンキ64aは、凹部65が被覆されていることと相俟っ
て、被印刷体63と接触した際に、凹部65の輪郭を忠
実に再現して高精細に被印刷体63に転写されていく。
転写されたインキを熱あるいは紫外線を照射する方法等
によって乾燥・硬化して被印刷体63上に硬化インキパ
ターン64cを形成することができる。
【0032】インキ64aとして、外場に感応して一定
方向に引き寄せられるインキを用いても、略同様の操作
により転写を行うことができる。この場合、凹版61と
被印刷体63とが接触する際に、インキが正に帯電する
ものであれば圧胴68が負極側となるように、またイン
キが負に帯電するものであれば圧胴68が正極側となる
ように、凹版61と被印刷体63との間に電圧をかける
ことにより、高精細な転写を行うことができる。
【0033】本発明の転写方法において、外場として磁
場を用いる場合のインキを硬化させるまでの一連の具体
的な操作方法としては、例えば、前述の図3、図4、図
5及び図6を参照して説明した例において、電場を発生
させる装置の代わりに、磁石等の磁場を発生するもの
を、インキと磁場を発生するものとが転写対象を挟むよ
うな位置に設けることにより行う方法が挙げられる。例
えば、図3を参照して説明した例であればブランケット
33内、図4を参照して説明した例であれば版胴43
内、図5を参照して説明した例であれば版胴59内の凹
版51と接触する部分に近い位置、図6を参照して説明
した例であれば圧胴68内等に磁石等を設けることによ
り、インキと転写対象との接触部分、少なくともインキ
の存在する部分に電場が作用し、インキの見かけの粘度
が上昇するか、インキが被印刷体方向に引き寄せられ、
高精細な転写を行うことができる。
【0034】前記転写方法において、外場の強さは、外
場に感応するインキが半固体状あるいは固体状を保持で
きる強さ、あるいは外場に感応するインキが転写対象に
引き寄せられる強さであれば特に限定されるものではな
く、後述するインキの種類等に応じて適宜選択すること
ができる。
【0035】本発明の方法において、パターンを描くた
めのインキ(ワニスを含んでいても良い)は、用いる外
場に感応して粘度が上昇し半固体状あるいは固体状とな
るインキ、あるいは用いる外場に感応して一定方向に引
き寄せられるインキである。
【0036】外場に感応して粘度が上昇し半固体状ある
いは固体状となるインキの場合、外場の印加により半固
体状あるいは固体状となった後に、外場の印加がされて
いない状態において、半固体状あるいは固体状を保持し
得ないものであっても良い。
【0037】外場として電場を印加する場合の外場に感
応して粘度が上昇し半固体状あるいは固体状となるイン
キとしては、電気粘性効果(「以下ER効果」と称す)
を有するインキを用いる。該ER効果とは、流体に電場
を印加すると流体の粘度が増加することであり、ER効
果を有するインキとは電場を印加すると粘度が増加し前
述の半固体状あるいは固体状を保持するインキをいう。
【0038】このようなインキとしては、例えば着色剤
である顔料及び/又は染料、電場に感応するER効果を
有する粒子や液晶材料、並びに通常インキに使用可能な
バインダー、溶剤、添加剤、更には放射線の照射により
硬化するワニスあるいは熱により硬化するビヒクル、光
重合開始剤等から適宜選択して構成させることができ
る。
【0039】即ち、着色剤がER効果を有する場合に
は、該着色剤が必須材料となり、一方、着色剤がER効
果を示さない場合には、着色剤及びER効果を有する粒
子や液晶材料が必須材料となる。
【0040】好ましいER効果を有するインキの組成と
しては、例えば着色剤0.5〜50重量%、バインダー
10〜90重量%、溶剤0〜80重量%、ER効果を有
する粒子や液晶材料0〜50重量%及び光重合開始剤0
〜15重量%である。
【0041】顔料としては、ベンジジンイエロー、ハン
ザイエロー、プルシアンブルー、フタロシアニンブル
ー、カーミン6B、レーキレッド、亜鉛華、酸化チタ
ン、カーボンブラック等が挙げられる。染料としては、
サルファーブラックT、スピレットブルー、スダンII、
ナフトールAS、アニリンブラック、エリオブラックT
等が挙げられる。
【0042】ER効果を有する粒子とは、その粒子を液
体に分散させた流体がER効果を示すものであって、具
体的にはポリアクリル酸ソーダ、スチレン−ジビニルベ
ンゼン架橋ポリマーのスルホン化物あるいはそのアルカ
リ金属塩、微結晶セルロース、シリカゲル、アルミナ、
シリカ・アルミナ、クレー、酸化チタン、メソフェーズ
ピッチ、炭素質微粒子等が挙げられる。なお、これらの
粒子と共に少量の水を添加するとインキのER効果が大
きくなる場合がある。ER効果を有する粒子の粒子径
は、インキ中に溶解するものに関しては特に限定される
ものではないが、0.005〜500μmであるのが好
ましい。
【0043】ER効果を有する液晶材料としては、リオ
トロピック液晶性や、サーモトロピック液晶性を有する
高分子液晶材料等を挙げることができる。特にリオトロ
ピック液晶性を有する高分子液晶材料が好ましく、従っ
て高分子液晶材料は溶剤に完全に溶解している状態が望
ましい。
【0044】リオトロピック液晶性を有する高分子液晶
材料としては、ポリペプチド、芳香族ポリアミド、セル
ロース及びその誘導体、ポリアミドヒドラジド、ポリヒ
ドラジド、ポリイソシアネート、ポリフォスファゼン、
両親媒性ブロック共重合体、リボ核酸、デオキシリボ核
酸、ポリ(α−アミノ酸)等を挙げることができる。特
にポリペプチド、ポリイソシアネート、ポリ(α−アミ
ノ酸)が好ましい。更にポリペプチドの中ではポリ(γ
−グルタメート)が望ましい。
【0045】ER効果を有する高分子液晶材料として
は、複数個の液晶性基を直接あるいはスペーサーを介し
て1つの分子鎖に結合した高分子液晶性化合物を用いる
ことができる。該高分子液晶性化合物としては、液晶性
基が1つの分子鎖に対して、直接あるいはスペーサーを
介して枝のように結合した側鎖型高分子液晶化合物、液
晶性基と分子鎖とが共に主鎖に存在する主鎖型高分子液
晶化合物、または主鎖型高分子液晶化合物の液晶性基及
び/又は分子鎖に更に液晶性基を結合した複合型高分子
液晶化合物等を挙げることができる。
【0046】ER効果を有する液晶材料としては、これ
ら高分子液晶化合物の他に、通常表示素子等に用いられ
ているモノマー液晶を使用することもできる。
【0047】前記ER効果を有する粒子や液晶材料は、
前記着色剤としてER効果を有する顔料等を用いれば、
必ずしも含有させる必要はない。該ER効果を有する顔
料とは、その顔料を液体に分散させた流体がER効果を
示すものである。
【0048】インキに使用するバインダーとしては、通
常のグラビアインキ、オフセットインキ、紫外線硬化イ
ンキ等に用いるバインダーを使用することができる。例
えば金属塩化ロジン、ロジン変性フェノール樹脂、石油
樹脂、スチレン・無水マレイン酸樹脂、重合亜麻仁油、
アクリルオリゴマー等が挙げられる。
【0049】前記紫外線あるいは電子線等の放射線の照
射により硬化するビヒクルとしては、一般に知られる2
−エチルヘキシルアクリレート、1,4−ブタンジオー
ルジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレ
ート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリメ
チロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリト
ールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
アクリレート、ネオペンチルグリコールエステルヒドロ
キシピバリン酸ジアクリレート、ポリエステルアクリレ
ート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート等
のラジカルにより硬化するモノマーやオリゴマー、フェ
ニルグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジ
ルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、
レゾルシノールジグリシジルエーテル、ノボラックグリ
シジルエーテル、ダイマー酸グリシジルエーテル、ビニ
ルシクロヘキセンジエポキサイド、ジシクロペンタジエ
ンエポキサイド、エポキシ化大豆油等のカチオン活性種
により硬化するモノマーやオリゴマー等を用いることが
できる。
【0050】インキを紫外線により硬化させる場合等に
含有させる光重合性開始剤としては、メチルベンゾイン
エーテル、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフ
ェノン、ベンゾフェノン、ベンジル等の光照射によりラ
ジカルを発生させる化合物、ジアリルジアゾニウム塩
I、ジアリルヨードニウム塩II又はトリアリルスルホニ
ウム塩IIIの四弗化ホウ素、六弗化リン、六弗化砒素、
六弗化アンチモン等の光照射によりカチオンを生成する
化合物等を使用することができる。
【0051】インキを熱により硬化させる場合等に含有
させるワニスとしては、一般のオフセット印刷に用いる
アルキド樹脂、乾性油等を含むワニス等が使用できる。
この際硬化を促進させるためにナフテン酸鉛、ナフテン
酸コバルト、ナフテン酸マンガン等のドライヤーを使用
することができる他、メラミン系、尿素系、ポリエステ
ル系、ウレタン系、エポキシ系等の触媒や加熱により硬
化する系を使用することもできる。
【0052】インキに使用する溶剤としては、通常のグ
ラビアインキ、オフセットインキ、紫外線硬化インキ等
に用いる溶剤を使用することができる。例えばトルエ
ン、高沸点炭化水素溶剤、アクリルモノマー等が挙げら
れる。
【0053】外場として電場を印加する場合の外場に感
応して一定方向に引き寄せられるインキとしては、イン
キ成分中に1種以上の、電場に感応して一定方向に引き
寄せられる成分を含有するものを用いることができる。
例えば、分散粒子として炭酸カルシウムを含有するイン
キ等を用いることができる。この場合、顔料、染料、そ
の他の材料等は、前記外場に感応して粘度が上昇し半固
体状あるいは固体状となるインキについて上に例示した
もの等の、各種のものを用いることができる。
【0054】前記外場として電場を印加する場合の外場
に感応して一定方向に引き寄せられるインキ中の、電場
に感応して一定方向に引き寄せられる成分の含有割合
は、1〜70mass%が好ましい。
【0055】本発明の転写方法において、外場として磁
場を用いる場合の外場に感応して粘度が上昇し半固体状
あるいは固体状となるインキとしては、前記電場を用い
る場合のインキ成分のうち、ER効果を有する粒子や液
晶材料に代えて、マグネタイト、フェライト、鉄、コバ
ルト、ニッケル等の磁場に感応する微粒子を使用する他
は、同様な化合物を使用して構成したインキを用いるこ
とができる。また、これらの磁場に感応する微粒子は、
通常、磁場に引き寄せられる性質をも合わせ持つので、
このインキは、外場に感応して一定方向に引き寄せられ
るインキとしても用いることができる。
【0056】前記磁場に感応する微粒子の粒子径は、
0.005〜500μmが好ましい。また着色剤として
の顔料や染料として、磁場に感応する顔料や染料を用い
る場合には、前記磁場に感応する微粒子を配合しなくて
も良い。
【0057】顔料や染料としては、前記電場を用いる場
合のインキにおいて列挙したものと同様な化合物を挙げ
ることができる。またその他の材料も電場を用いる場合
と同様なものを用いることができる。磁場を用いる場合
のインキ組成は、例えば着色剤0.5〜50重量%、バ
インダー10〜90重量%、溶剤0〜80重量%、磁場
に感応する微粒子0〜50重量%及び光重合開始剤0〜
15重量%であるのが好ましい。
【0058】
【発明の効果】本発明の転写方法を採用した印刷では、
版のパターンを正確に被印刷体に再現することができ、
フォトリソグラフィーに匹敵するような高精細な印刷が
可能である。従って本発明の転写方法は、プリント配線
板の配線(導体)、液晶表示用カラーフィルター、高品
位商業印刷物等の高品位印刷物等を安価に製造すること
ができる印刷の転写方法として有用である。
【0059】
【実施例】以下実施例により更に詳細に説明するが本発
明はこれらに限定されるものではない。
【0060】
【実施例1】 (ER効果を有するインキの調製)多官能ポリエステル
アクリレート(商品名「アロニックスM−8030」、
東亞合成社製)65gにスチレン・無水マレイン酸樹脂
15gを溶解させた後、ER効果を有する粒子であるク
レー20g、着色剤であるフタロシアニングリーン1
g、光重合開始剤であるベンゾインエチルエーテル3
g、熱重合禁止剤であるハイドロキノン0.1gを加
え、三本ロールで混練し、紫外線硬化型レジストインキ
Aを調製した。インキAに電場を印加すると粘度が増加
しER効果を有することを確認した。
【0061】(熱硬化法による、シリコーン樹脂での凹
版の被覆)熱硬化性シリコーン樹脂(商品名「ソルガー
ドNP−720」、日本ダクロシャムロック社製)をイ
ソプロピルアルコールで2倍希釈した溶液をバーコータ
ーで凹版に塗布し、室温で20分間放置後、120℃で
60分間乾燥して凹版を被覆した。
【0062】(転写)前記被覆した凹版を用い、図3に
示す装置によりインキAの転写を行った。即ち、インキ
A(インキ34a)を被覆した凹版31の凹部35に配
置した後、凹版31とブランケット33との間に電場を
印加して、インキ34aの粘度を上昇させ、半固体状あ
るいは固体状を保持した状態でブランケット33に転写
し、さらに被印刷体である銅張り積層板37に転写し
た。転写後直ちに銅張り積層板37に紫外線を照射して
硬化インキパターン34cを形成した。銅張り積層板3
7上には、凹版31のパターンが高精細に再現された。
【0063】(エッチング、レジストインキ剥離)パタ
ーンが印刷された銅張り積層板37を塩化第二鉄水溶液
でエッチングしレジストインキで保護されていない不要
な銅部分を溶出させ、最後にアルカリ溶液でレジストイ
ンキを剥離除去し、銅の配線パターン(導体)を作製し
た。得られた導体はエッジの切れが良く欠線も認められ
なかった。
【0064】
【比較例1】転写時に電場を印加しない以外は実施例1
と同様にして銅張り積層板にインキパターンを転写し、
さらに導体を作製した。インキの銅張り積層板への転写
性は非常に悪く、転写インキパターンは乱れていた。さ
らに得られた導体は欠陥が非常に多いものであった。
【0065】
【比較例2】シリコーン樹脂を被覆していない凹版を用
いた以外は実施例1と同様にして銅張り積層板にインキ
パターンを転写し、さらに導体を作製した。インキの銅
張り積層板への転写性はあまり良くなく、転写インキパ
ターンは若干乱れていた。さらに得られた導体には欠陥
がいくつか認められた。
【0066】
【実施例2】実施例1で調製したものと同様のインキ、
及び実施例1と同様の方法で被覆した凹版を用い、図4
に示す装置によりインキAの転写を行った。即ち、イン
キA(インキ44a)を、実施例1と同様の方法により
シリコーン樹脂の薄膜層で被覆した凹版41の凹部45
に配置した後、凹版41と版胴43との間に電場を印加
して、インキ44aの粘度を上昇させ、半固体状あるい
は固体状を保持した状態で柔軟性のある被印刷体である
フレキシブル銅張り積層板47に転写した。さらにフレ
キシブル銅張り積層板47に紫外線を照射して硬化イン
キパターンを形成した。フレキシブル銅張り積層板47
上には、凹版41のパターンが高精細に再現された。
【0067】さらに、実施例1と同様にしてエッチング
及びレジストインキ剥離を行い、導体を作製した。得ら
れた導体はエッジの切れが良く欠線も認められなかっ
た。
【0068】
【比較例3】転写時に電場を印加しない以外は実施例2
と同様にしてフレキシブル銅張り積層板にインキパター
ンを転写し、さらに導体を作製した。インキのフレキシ
ブル銅張り積層板への転写性は非常に悪く、転写インキ
パターンは乱れていた。さらに得られた導体は欠陥が非
常に多いものであった。
【0069】
【比較例4】シリコーン樹脂を被覆していない凹版を用
いた以外は実施例2と同様にしてフレキシブル銅張り積
層板にインキパターンを転写し、さらに導体を作製し
た。インキのフレキシブル銅張り積層板への転写性はあ
まり良くなく、転写インキパターンは若干乱れていた。
さらに得られた導体には欠陥がいくつか認められた。
【0070】
【実施例3】凹版にシリコーン樹脂を熱硬化法により被
覆する代わりに、凹版にフッ素化合物であるCF4をC
VD法により被覆した以外は実施例1と同様にして銅張
り積層板にインキパターンを転写し、さらに導体を作製
した。得られた銅張り積層板37上には、凹版31のパ
ターンが高精細に再現された。また得られた導体はエッ
ジの切れが良く欠線も認められなかった。
【0071】
【比較例5】転写時に電場を印加しない以外は実施例3
と同様にして銅張り積層板にインキパターンを転写し、
さらに導体を作製した。インキの銅張り積層板への転写
性は非常に悪く、転写インキパターンは乱れていた。さ
らに得られた導体は欠陥が非常に多いものであった。
【0072】
【比較例6】フッ素化合物で被覆していない凹版を用い
た以外は実施例3と同様にして銅張り積層板にインキパ
ターンを転写し、さらに導体を作製した。インキの銅張
り積層板への転写性はあまり良くなく、転写インキパタ
ーンは若干乱れていた。さらに得られた導体には欠陥が
いくつか認められた。
【0073】
【実施例4】 (電場により引き寄せられるインキの調製)多官能ポリ
エステルアクリレート(商品名「アロニックスM−80
30」、東亞合成社製)65gにスチレン・無水マレイ
ン酸樹脂15gを溶解させた後、炭酸カルシウム粒子2
0g、着色剤であるフタロシアニングリーン1g、光重
合開始剤であるベンゾインエチルエーテル3g、熱重合
禁止剤であるハイドロキノン0.1gを加え、三本ロー
ルで混練し、紫外線硬化型レジストインキBを調製し
た。インキBに電場を印加すると正極側に引き寄せられ
ることを確認した。
【0074】(転写)実施例1と同様の操作で被覆した
凹版を用い、図3に示す装置によりインキBの転写を行
った。即ち、インキB(インキ34a)を、実施例1と
同様の方法によりシリコーン樹脂の薄膜層で被覆した凹
版31の凹部35に配置した後、凹版31とブランケッ
ト33との間に、ブランケット側が正極になるように電
場を印加して、インキ34aをブランケット33に引き
寄せながらブランケット33に転写してインキ34bと
し、さらに被印刷体である銅張り積層板37に転写し
た。転写後直ちに銅張り積層板37に紫外線を照射して
硬化インキパターン34cを形成した。銅張り積層板3
7上には、凹版31のパターンが高精細に再現された。
【0075】(エッチング、レジストインキ剥離)さら
に、実施例1と同様にしてエッチング及びレジストイン
キ剥離を行い、導体を作製した。得られた導体はエッジ
の切れが良く欠線も認められなかった。
【0076】
【比較例7】転写時に電場を印加しない以外は実施例4
と同様にして銅張り積層板にインキパターンを転写し、
さらに導体を作製した。インキの銅張り積層板への転写
性は非常に悪く、転写インキパターンは乱れていた。さ
らに得られた導体は欠陥が非常に多いものであった。
【0077】
【比較例8】シリコーン樹脂を被覆していない凹版を用
いた以外は実施例4と同様にして銅張り積層板にインキ
パターンを転写し、さらに導体を作製した。インキの銅
張り積層板への転写性はあまり良くなく、転写インキパ
ターンは若干乱れていた。さらに得られた導体には欠陥
がいくつか認められた。
【0078】
【実施例5】実施例1で調製したものと同様のインキ、
及び実施例1と同様の方法で被覆した凹版を用い、図5
に示す装置によりインキAの転写を行った。即ち、イン
キA(インキ54a)を、実施例1と同様の方法により
シリコーン樹脂の薄膜層で被覆した凹版51の凹部55
に着肉した後、凹版51側の版胴58とブランケット5
7側の版胴59との間に電場を印加した状態で、インキ
54aを、ブランケット57を介してフレキシブル銅張
り積層板53に転写した。この際凹版51側の版胴58
とブランケット57側の版胴59との間には高電場が形
成され、凹版51の凹部55のインキ54aの粘度が上
昇して半固体状になり、凹部55のインキ54a全て
が、ブランケット57を介して銅張り積層板53に正確
に転写された。転写後直ちに銅張り積層板53に紫外線
を照射して硬化インキパターンを形成した。フレキシブ
ル銅張り積層板53上には、凹版51のパターンが高精
細に再現された。
【0079】さらに、実施例1と同様にしてエッチング
及びレジストインキ剥離を行い、導体を作製した。得ら
れた導体はエッジの切れが良く欠線も認められなかっ
た。
【0080】
【比較例9】転写時に電場を印加しない以外は実施例5
と同様にしてフレキシブル銅張り積層板にインキパター
ンを転写し、さらに導体を作製した。インキのフレキシ
ブル銅張り積層板への転写性は非常に悪く、転写インキ
パターンは乱れていた。さらに得られた導体は欠陥が非
常に多いものであった。
【0081】
【比較例10】シリコーン樹脂を被覆していない凹版を
用いた以外は実施例5と同様にしてフレキシブル銅張り
積層板にインキパターンを転写し、さらに導体を作製し
た。インキのフレキシブル銅張り積層板への転写性はあ
まり良くなく、転写インキパターンは若干乱れていた。
さらに得られた導体には欠陥がいくつか認められた。
【0082】
【実施例6】 (ER効果を有するインキの調製)ER効果を有する液
晶高分子材料として、分子量20万、ドデシル化率70
%のポリ(γ−ベンジル L−グルタメート−コ−γ−
ドデシル L−グルタメート)5gと、石油樹脂(商品
名「ネオポリマーS」、日本石油化学社製)20gとを
7号亜麻仁油10gと溶剤(商品名「AF−7」、日本
石油社製)35gとの混合液に溶解させた後、ブリリア
ントカーミン30gを加え、三本ロールで練肉し、イン
キCを調製した。インキCに電場を印加すると粘度が増
加しER効果を有することを確認した。
【0083】(転写)実施例1と同様の方法で被覆した
凹版を用い、図5に示す装置によりインキCの転写を行
った。即ち、インキC(インキ54a)を、実施例1と
同様の方法によりシリコーン樹脂の薄膜層で被覆した凹
版51の凹部55に着肉した後、凹版51側の版胴58
とブランケット57側の版胴59との間に電場を印加し
た状態で、インキ54aを、ブランケット57を介して
ガラス板53に転写した。この際凹版51側の版胴58
とブランケット57側の版胴59との間には高電場が形
成され、凹版51の凹部55のインキ54aの粘度が上
昇して半固体状になり、凹部55のインキ54a全て
が、ブランケット57を介してガラス板53に正確に転
写された。転写後直ちにガラス板53を150℃に加熱
乾燥して硬化インキパターン54cを形成した。ガラス
板53上には、凹版51のパターンが高精細に再現され
た。
【0084】
【比較例11】転写時に電場を印加しない以外は実施例
6と同様にしてガラス板にインキパターンを転写した。
インキの転写性は非常に悪く、転写インキパターンは乱
れていた。
【0085】
【比較例12】シリコーン樹脂を被覆していない凹版を
用いた以外は実施例6と同様にしてガラス板にインキパ
ターンを転写した。インキの転写性は不十分であり、転
写インキパターンは若干乱れていた。
【0086】
【実施例7】 (磁場に感応するインキの調製)硫酸第一鉄と硫酸第二
鉄との各1モル/リットルの水溶液を、混合、撹拌しな
がら6N水酸化ナトリウム水溶液をpH11になるまで
滴下し、60℃で1時間撹拌してマグネタイトを生成さ
せた。次に硫酸ナトリウムを除去するために、マグネタ
イトを沈降させた後、上澄み液を除去する操作をpH7
になるまで繰り返した。次にメタノールを加えてマグネ
タイトを沈降させ、その後上澄みを除き80℃で減圧乾
燥して平均粒径0.5μmのマグネタイトを得た。次い
で2−エチルヘキシルアクリレート30g、トリメチロ
ールプロパントリアクリレート50g、多官能ポリエス
テルアクリレート(商品名「アロニックス7100」、
東亞合成社製)20gを混合したワニスに、先に調製し
たマグネタイト5g、カーボンブラック10gを添加し
てボールミルで混練した後、光重合開始剤(商品名「ダ
ロキュアー1173」、チバガイギー社製)8gを溶か
し込んで黒色インキDを調製した。インキDに磁場を印
加すると粘度が上がること、及びインキDは磁石に向か
って引き寄せられることを確認した。
【0087】(転写)電極の代わりに圧胴68側に磁石
を設けた他は図6に示す装置と同様の装置、及び実施例
1と同様の方法で被覆した凹版を用い、インキDの転写
を行った。即ち、インキD(インキ64a)を、実施例
1と同様の方法によりシリコーン樹脂の薄膜層で被覆し
た凹版61の凹部65に着肉した後、被印刷体63を圧
迫する圧胴68側から磁場を作用させ、インキ64aの
粘度を上昇させ半固体状とした状態で、インキ64a
を、被印刷体63に引き寄せながら転写した。転写後直
ちに被印刷体63に紫外線を照射してインキD(インキ
64c)を硬化させた。被印刷体63には、凹版61の
凹部65のパターンが高精細に再現された。
【0088】
【比較例13】転写時に磁場を作用させない以外は実施
例6と同様にして被印刷体にインキパターンを転写し
た。インキの被印刷体への転写性は非常に悪く、転写イ
ンキパターンは乱れていた。
【0089】
【比較例2】シリコーン樹脂を被覆していない凹版を用
いた以外は実施例6と同様にして被印刷体にインキパタ
ーンを転写した。インキの被印刷体への転写性は不十分
であり、転写インキパターンは若干乱れていた。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の印刷法によるインキ転写の工程説明図で
ある。
【図2】本発明の方法に用いる、シリコーンを主成分と
した化合物あるいはフッ素を主成分とした化合物の薄膜
層で被覆した凹版の断面図である。
【図3】本発明の方法並びに実施例1、3、4におい
て、中間転写体を用い、外場として電場を用いた場合の
工程説明図である。
【図4】本発明の方法並びに実施例2において、中間転
写体を用いず、外場として電場を用いた場合の工程説明
図である。
【図5】本発明の方法並びに実施例5、6において、版
胴と中間転写体と圧胴とを用い、外場として電場を用い
た場合の工程説明図である。
【図6】本発明の方法において、版胴と圧胴とを用い、
外場として電場を用いた場合の工程説明図である。 31、41、51、61:凹版 37、47、53、63:被印刷体 34a、44a、54a、64a:インキ 34b、44b、54b:半固体状あるいは固体状の、
又は転写対象に引き寄せられたインキ 34c、54c、64c:硬化インキ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 凹版の凹部のインキを被印刷体に転写す
    るにあたり、外場に感応して粘度が上昇し半固体状ある
    いは固体状となるインキを凹版の凹部に配置し、凹部に
    配置されたインキの形状を保持した状態で該インキを転
    写対象に転写しうるように凹部に配置した後のインキに
    外場を印加し、インキを半固体状あるいは固体状に保持
    して転写対象に転写する転写方法において、凹版として
    表面をシリコーンを主成分とした化合物あるいはフッ素
    を主成分とした化合物の薄膜層で被覆したものを用いる
    ことを特徴とする印刷による転写方法。
  2. 【請求項2】 凹版の凹部のインキを被印刷体に転写す
    るにあたり、外場に感応して一定方向に引き寄せられる
    インキを凹版の凹部に配置し、凹部に配置されたインキ
    が転写対象に引き寄せられるように凹部に配置した後の
    インキに外場を印加し、インキを転写対象に引き寄せな
    がら転写する転写方法において、凹版として表面をシリ
    コーンを主成分とした化合物あるいはフッ素を主成分と
    した化合物の薄膜層で被覆したものを用いることを特徴
    とする印刷による転写方法。
  3. 【請求項3】 前記外場を、電場、磁場又はこれらの両
    方である請求項1又は2記載の印刷による転写方法。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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