JP2009249503A - 印刷用黒色インキ組成物及びブラックマトリックス - Google Patents

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Abstract

【課題】ブラックマトリックスとして十分な遮光性と表面強度を得る反転オフセット印刷用の黒色の印刷インキ組成物の提供。
【解決手段】(I)黒色顔料、分散剤、熱硬化性樹脂および溶剤を含むインキ組成物1をシリコン樹脂3面に塗布して塗布面を形成する工程、(II)該塗布面に対し所定の形状で形成された凸版5を押圧して該凸版の凸部分に前記インキ組成物を転写除去する工程、(III)前記塗布面に残ったインキ組成物を基板6に転写する工程とからなる反転オフセット印刷法に使用するインキ組成物において、前記基板上に形成したインキ組成物の加熱硬化後の膜の厚みX(μm)とOD値Aとの関係がA≧4Xであり、かつ表面の鉛筆硬度が3H以上となる反転オフセット印刷用のインキ組成物。
【選択図】図1

Description

本発明は、反転オフセット印刷用の黒色インキ組成物及びブラックマトリックスに関する。
各種ディスプレイの高精細化のためにブラックマトリックスが使われている。現在のブラックマトリックスの製造法としては、フォトリソ法が主流であるが、近年基板の大型化に伴い、大型の露光機、現像装置、ベーク炉などの設備導入やクリーンルームの広い敷地の確保で、投資も巨額になっている。また技術的にも1m角以上の基板はスピンコータで塗布することが困難になっている。そのため、スリットコータの併用やブラックマトリックス用塗液のフィルム化などの工夫がなされているが、塗膜の均一性の確保が難しいという問題がある。加えてフォトリソのブラックマトリックスは高い遮光性が要求される一方、十分な感光性も求められるという製造上の制限があるため、遮光能力の向上には限界があった。以上の理由から、フォトリソ法以外のブラックマトリックスの製造法が望まれている。
フォトリソ法以外のブラックマトリックスの製造法としてはインクジェット法、反転オフセット印刷法が提案されているが、十数μmというパターン精度が要求されるブラックマトリックスの製造法としては、反転オフセット印刷法の方が有利である。
ブラックマトリックスには高い遮光性と高い表面硬度が要求される。遮光性が高いとブラックマトリックスを薄く形成でき、その上に他の部材が積層される際に段差を生まないので有利である。また表面が硬いと液晶ディスプレイの製造時に配向膜を積層してラビング処理を施す際、ブラックマトリックスで形成した位置あわせマークがラビング布との磨耗で損傷を受けることがなく有利である。高い遮光性と表面硬度を同時に満足するブラックマトリックスが求められている。
反転オフセット印刷法によるブラックマトリックスの製造例はすでにあるが、上記遮光性と表面硬度を十分に発揮するものはまだ示されていない(特許文献1、2参照)。
特開2005−128346号公報 特開2007−47631号公報
本発明は、ブラックマトリックスとして十分な遮光性と表面強度を得る反転オフセット印刷用の黒色の印刷インキ組成物を提供するものである。
本発明は、反転オフセット印刷用の黒色インキ組成物及びブラックマトリックスに関する。具体的には、例えば、下記のものに関する。
(1) (I)黒色顔料、分散剤、熱硬化性樹脂および溶剤を含むインキ組成物をシリコン樹脂面に塗布して塗布面を形成する工程、(II)該塗布面に対し所定の形状で形成された凸版を押圧して該凸版の凸部分に前記インキ組成物を転写除去する工程、(III)前記塗布面に残ったインキ組成物を基板に転写する工程とからなる反転オフセット印刷法に使用するインキ組成物において、前記基板上に形成したインキ組成物の加熱硬化後の膜の厚みX(μm)とOD値Aとの関係がA≧4Xであり、かつ表面の鉛筆硬度が3H以上となる反転オフセット印刷用のインキ組成物。
(2) 黒色顔料がインキ組成物の溶剤を除く組成において60〜80重量%含まれる上記(1)に記載のインキ組成物。
(3) 黒色顔料がチタンブラックである上記(1)又は(2)に記載のインキ組成物。
(4) 分散剤の重量平均分子量がMw=10,000〜20,000であり、かつ酸価が20mgKOH/g〜120mgKOH/gのアクリル系樹脂である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のインキ組成物。
(5) 分散剤が顔料に対して5〜20重量%含まれる上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のインキ組成物。
(6) 熱硬化性樹脂の重量平均分子量がMw=1,500〜10,000である上記(1)ないし(5)のいずれかに記載のインキ組成物。
(7) 熱硬化性樹脂がアクリル−メラミン系樹脂である上記(1)ないし(6)のいずれかに記載のインキ組成物。
(8) 上記(1)ないし(7)に記載のインキ用組成物を使用して、(I)該インキ組成物をシリコン樹脂面に塗布して塗布面を形成する工程、(II)該塗布面に対し所定の形状で形成された凸版を押圧して、該凸版の凸部分に前記インキ組成物を転写除去する工程、(III)前記塗布面に残ったインキ組成物を基板に転写する工程とからなる反転オフセット印刷法により製造されるブラックマトリックス。
本発明の黒色インキ組成物を用いて反転オフセット印刷法により所望のパターンを印刷すれば、高い遮光性と高い表面硬度を両立したブラックマトリックスを製造できる。また電界発光表示装置、電気泳動表示装置等の製造における着色画像形成にも適用が可能である。
本発明の方法は図1に示すように、(I)黒色顔料、分散剤、熱硬化性樹脂および溶剤を含むインキ組成物1をシリコン樹脂3面に塗布して塗布面を形成する工程、(II)該塗布面に対し所定の形状で形成された凸版5を押圧して該凸版5の凸部分にインキ組成物1を転写除去する工程、(III)前記塗布面に残ったインキ組成物1を基板6に転写する工程とを含む。図1において、1はインキ組成物、2は主胴、3はブランケット(シリコン樹脂)、4は版胴、5は印刷版、6は基板、7はキャップコータを示す。
本発明において、印刷用インキ組成物の粘度は50mPa・s以下が好ましい。より好ましくは20mPa・s以下である。さらに好ましくは10mPa・s以下である。粘度が50mPa・s以上では均一な塗膜を得ることが困難である。塗膜とした後は、上記粘度に限定されず、転写フィルムとして提供し、シリコン樹脂面またはシリコンブランケットに転写によって均一な塗膜を形成できればよい。
本発明の溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含む。プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの含有量は、溶剤のうち、好ましくは20重量%以上、より好ましくは40重量%以上、さらに好ましくは50重量%以上含有させる。含有量が少ないと、顔料の分散安定性が低く、印刷法で課題となる高精細パターンの形成、パターン精度及び形状に不良を生じる。顔料を分散する際に使用する溶剤としても、コストの点でプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが優れる。なお、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの代替または、一部置換に100℃から250℃の高沸点のアルコール系またはエーテル系有機溶剤を使用できる。例えばアルキレングリコールエーテル化合物などが挙げられる。
アルキレングリコールエーテル化合物として、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールイソプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール−t−ブチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールエチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールプロピルエーテルアセテート、トリエチレングリコールイソプロピルエーテルアセテート、トリエチレングリコールブチルエーテルアセテート、トリエチレングリコール−t−ブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル等を挙げることができる。
本発明の溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの他に、炭化水素系、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤を、少なくとも1種類以上の混合物として使用することができる。これらの溶剤は塗膜の乾燥性という点から低沸点の溶剤が好ましい。
炭化水素系溶剤としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、イソペンタン、イソヘキサン、イソオクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロペンタン等の炭化水素系有機溶剤を使用することが好ましい。もちろんこれらの混合系溶剤を使用することも可能である。例えばExxon Mobil chemical社のISOPAR H、ISOPAR H Fluid、ISOPAR G、ISOPAR L、ISOPAR L Fluid(何れも商品名、ISOPARは、エクソン モービル コーポレーションの登録商標)などを使用することも可能である。
エステル系溶剤、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤としては、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸i−プロピル、酢酸n−プロピル、酢酸i−ブチル、酢酸n−ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等のエステル系溶剤、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、セカンダリブタノール、ターシャリブタノール等のアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤を使用できる。これらの溶剤は塗膜の乾燥性に重要で、高沸点の溶剤では塗膜の乾燥性が低下する。また炭化水素系溶剤を使用する場合、各種樹脂との相溶性が乏しいためエステル系溶剤またはアルコール系溶剤またはケトン系溶剤との組み合わせが好ましい。
本発明のインキ組成物は、溶剤を除く組成において黒色顔料を60〜80重量%含むことが好ましい。より好ましくは65〜75重量%を含有する。黒色顔料の含有量が少な過ぎると十分な遮光性を得ることが難しく、また黒色顔料の含有量が多すぎると十分な表面硬度を得ることが難しい。
また黒色顔料としては、有機または無機の顔料を、単独でまたは2種類以上混合して用いることができる。顔料のなかでは、発色性が高く、且つ耐熱性の高い顔料、特に耐熱分解性の高い顔料が好ましい。黒色色素として具体的には、例えば黒鉛、カーボンブラック、アニリンブラック、アントラキノン系黒色顔料、ペリレン系黒色顔料、アンバー、チタンブラック、チタンカーボン、合成鉄黒、黒ニッケル、二酸化マンガン、具体的にはC.I.Pigment Black1、6、7、12、20、31等が挙げられる。なかでも、表面硬度と遮光性の大きさからチタンブラックが好ましい。チタンブラックは高い遮光性を得る観点から、アンモニアガスによる窒素還元率が高いものが好ましく、粒径が小さく粒径分布の狭いものが好ましい。チタンブラックは予め樹脂などで表面処理されていてもよいが、その樹脂は熱硬化性樹脂とよく相溶し加熱硬化時には熱硬化性樹脂と高い架橋密度を形成するものが表面硬度の観点から好ましい。本発明のインキ組成物を用いてブラックマトリックスを形成すると、遮光性が高く、高い表面硬度を備えた良好な形状のブラックマトリックスが得られる。
さらに黒色顔料は、最多の粒径が50nm以上200nm未満である。好ましくは、60nm以上190nm未満である。より好ましくは、70nm以上180nm未満である。最多の粒径が、小さすぎると、シリコン樹脂面またはシリコンブランケットに顔料が付着しシリコンを劣化させるため、量産に適さない。最多の粒径が、大きすぎると、印刷法で課題となる高精細パターンの形成、パターン精度及び形状に不良を生じる。さらに本発明において、着色材としての顔料は、粒径が200nm以上の顔料を、頻度で20%以上含まないことである。粒径が200nm以上の顔料を、頻度で20%以上含むと、印刷法で課題となる高精細パターンの形成、パターン精度及び形状に不良を生じる。ここで、顔料の粒径は、溶媒に分散させた顔料のブラウン運動による動的光散乱法に基づいて、光子相関法(PCS)で測定(ベックマン・コールター製N5)することで採取される値としている。また、高精細パターンとは、概ね10数μm幅以下の、次世代のLCD用途で求められるブラックマトリックスのパターン幅領域をさし、パターン精度とは、例えば、パターン幅のバラツキをさし、±5%を超えると不良とする例がある。
本発明のインキ組成物には、黒の色合いを調製するために他の有機顔料あるいは無機顔料を混ぜて調色してもよい。有機顔料なら例えば、アゾ系、フタロシアニン系、インジゴ系、アントラキノン系、ペリレン系、キナクリドン系、メチン・アゾメチン系、イソインドリノン系等が挙げられる。
赤色顔料系としては、例えば、カラーインデックス名で、C.I.ピグメントレッド9、123、155、168、177、180、217、220、224、254等が挙げられる。緑色顔料系としては、例えば、カラーインデックス名で、C.I.ピグメントグリーン7、36、37等が挙げられる。青色顔料系としては、例えば、カラーインデックス名で、C.I.ピグメントブルー15、15:3、15:4、15:6、22、60等が挙げられる。紫色顔料系としては、例えば、カラーインデックス名で、C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、37、50等が挙げられる。黄色顔料系としては、例えば、カラーインデックス名で、C.I.ピグメントイエロー17、20、24、83、93、109、110、117、125、128、129、138、139、147、150、154、180、185等が挙げられる。黄色の無機顔料としては、黄鉛、バリウムクロメート、ストロンチウムクロメート、ジンククロメート、チタンニッケルイエロー、チタンニッケルアンチモンイエロー、チタンニッケルバリウムイエロー、ネープルスイエロー、カドミウムイエロー、コバルトイエローなどが使用できる。黒色顔料にチタンブラックを使用する場合には、透過光に青みがかかるので、特に黄色顔料で調色すると効果が大きい。これらの有機系および無機系顔料は、それぞれ2種類以上を混合して使用することもできる。
黒顔料の分散剤は、顔料に吸着する性質を有する顔料親和性部位をもち、熱硬化性樹脂や溶剤といったインキ組成物中の他の成分との親和性が高く、黒色顔料をインキ組成物中に安定に分散する働きをするものである。また本発明のインキ組成物の分散剤は、熱硬化性樹脂と架橋反応により化学結合を形成する部位とを有し、加熱硬化によって塗膜を強固に固める働きをする。
そのような分散剤としては、ポリアクリレートなどのポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリスルホン酸、ポリスルホン酸(部分)アミン塩、ポリスルホン酸アンモニウム塩、ポリスルホン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステル、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンや、これらの変性物、例えばエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加物、燐酸エステル化物等が挙げられる。これらは、単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
特にアクリル系樹脂が表面硬度の高いブラックマトリックスを得る観点から好ましく、そのようなアクリル樹脂としては、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ビス・グリシジルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ベンジルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、ヘキシルメタクリレート、ヘキシルアクリレート、オクチルメタクリレート、オクチルアクリレート、含リンメタクリレート、等のアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル、スチレン、スチレン誘導体、その他の重合性モノマの単独重合体又は共重合体、(メタ)アクリル酸(アクリル酸及びメタクリル酸を意味する。以下同様)、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、シトラコン酸、無水シトラコン酸、シトラコン酸モノアルキルエステル等のカルボキシル基含有重合性モノマと(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、スチレン誘導体、その他の重合性モノマとの共重合体等を使用することができる。その他の重合性モノマとしてはN−シクロヘキシルマレイミド、N−2−メチルヘキシルマレイミド、N−2−エチルシクロヘキシルマレイミド、N−2−クロロシクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−2−メチルフェニルマレイミド、N−2−エチルフェニルマレイミド、N−2−クロロフェニルマレイミド、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル基を持った(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
分散剤の重量平均分子量は、Mw=10,000〜20,000の範囲にあることが好ましく、Mw=13,000〜15,000の範囲にあることがより好ましい。分散剤の重量平均分子量が10,000未満だと、ブラックマトリックスを形成した際に十分な表面硬度が得られない傾向があり、重量平均分子量が20,000を超えると黒色顔料の分散性を維持することが難しくなる傾向がある。
分散剤の酸価は20mgKOH/g〜120mgKOH/gの範囲にあることが好ましく、40mgKOH/g〜100mgKOH/gの範囲にあることがより好ましい。分散剤の酸価が低過ぎるとチタンブラックへの十分な吸着能力が得られないだけでなく、十分な表面硬度が得られない傾向がある。また分散剤の酸価が高過ぎると、ガラス基板への密着性が悪くなる傾向がある。
分散剤の総量は黒色顔料に対して5〜20重量%含まれることが好ましい。量が少な過ぎると黒色顔料の分散性が困難になる。量が多すぎると反転オフセット印刷の際に良好なパターニングの形成が困難になり、また十分な遮光性が得られなくなる。
本発明に用いられる熱硬化性樹脂としては、印刷インキ組成物としたときに、顔料の分散性が高く、顔料の分散剤との親和性が高いものが好ましく、さらに良好な成膜性を有し、加熱硬化後の表面硬度が高いものが好ましい。このような熱硬化性樹脂としてはアクリル系樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂等を挙げることができる。シリコン樹脂面あるいはシリコンブランケット上の成膜性及び顔料分散性からはアクリル樹脂が特に好ましい。熱硬化型のエポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂は単独で使用することも可能であるが、併用してもよい。黒色顔料の分散性と表面硬度の観点から、バインダーポリマとしてアクリル系樹脂を使用し、架橋モノマとしてメラミン樹脂を使用したアクリル−メラミン樹脂が特に好ましい。またアクリル樹脂を用いる場合は多官能のアクリルモノマあるいは上記熱硬化型樹脂と併用して熱硬化組成物とすることも効果的である。
バインダーポリマとしてアクリル系樹脂は顔料分散性の面からも好ましい。アクリル樹脂としては2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ビス・グリシジルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ベンジルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、ヘキシルメタクリレート、ヘキシルアクリレート、オクチルメタクリレート、オクチルアクリレート、含リンメタクリレート、等のアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル、スチレン、スチレン誘導体、その他の重合性モノマの単独重合体又は共重合体、(メタ)アクリル酸(アクリル酸及びメタクリル酸を意味する。以下同様)、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、シトラコン酸、無水シトラコン酸、シトラコン酸モノアルキルエステル等のカルボキシル基含有重合性モノマと(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、スチレン誘導体、その他の重合性モノマとの共重合体等を使用することができる。
前記マレイン酸モノアルキルエステルとしては、アルキルの炭素数が1〜12のものが好ましく、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノ−n−プロピル、マレイン酸モノイソプロピル、マレイン酸モノ−n−ブチル、マレイン酸モノ−n−ヘキシル、マレイン酸モノ−n−オクチル、マレイン酸モノ−2−エチルヘキシル、マレイン酸モノ−n−ノニル、マレイン酸モノ−n−ドデシル等が挙げられる。前記シトラコン酸モノアルキルエステルとしては、アルキルの炭素数が1〜12のものが好ましく、シトラコン酸モノメチル、シトラコン酸モノエチル、シトラコン酸モノ−n−プロピル、シトラコン酸モノイソプロピル、シトラコン酸モノ−n−ブチル、シトラコン酸モノ−n−ヘキシル、シトラコン酸モノ−n−オクチル、シトラコン酸モノ−2−エチルヘキシル、シトラコン酸モノ−n−ノニル、シトラコン酸モノ−n−ドデシル等が挙げられる。前記スチレン誘導体としては、α−メチルスチレン、m−又はp−メトキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、2−メトキシ−4−ヒドロキシスチレン、2−ヒドロキシ−4−メチルスチレン等が挙げられる。
その他の重合性モノマとしてはN−シクロヘキシルマレイミド、N−2−メチルヘキシルマレイミド、N−2−エチルシクロヘキシルマレイミド、N−2−クロロシクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−2−メチルフェニルマレイミド、N−2−エチルフェニルマレイミド、N−2−クロロフェニルマレイミド、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル基を持った(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
また、バインダーポリマとしては、光または熱重合性不飽和結合を有するものを使用してもよい。このような樹脂の好ましい例としては、高酸価のカルボキシ基含有アクリル系樹脂にグリシジルメタクリレート、グルシジルアクリレート、アリルグリシジルエーテル、α−エチルグリシジルアクリレート、クロトニルグリシジルエーテル、イタコン酸モノアルキルグリシジルエーテル等のオキシラン環と、エチレン性不飽和結合をそれぞれ1個有する化合物やアリルアルコール、2−ブテン−4−オール、フルフリルアルコール、オレイルアルコール、シンナミルアルコール、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、N−メチロールアクリルアミド等の水酸基とエチレン性不飽和結合をそれぞれ1個有する化合物(不飽和アルコール)を反応させた樹脂、水酸基を有するカルボキシル基含有樹脂に遊離イソシアネート基含有不飽和化合物を反応させた樹脂、エポキシ樹脂と不飽和カルボン酸との付加反応物に多塩基酸無水物を反応させた樹脂、共役ジエン重合体や共役ジエン共重合体と不飽和ジカルボン酸無水物との付加反応物に水酸基含有重合性モノマを反応させた樹脂などが挙げられる。
バインダーポリマの重量平均分子量は1,500〜10,000の範囲内であることが好ましく、さらに2,000〜5,000の範囲内であることが好ましい。熱硬化性樹脂の重量平均分子量が1500未満では加熱硬化後に十分な硬度の膜が得られず、重量平均分子量が10,000を超えると反転オフセット印刷によるパターニングが困難になる傾向がある。なお、本明細書において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて換算した値である。
さらに、バインダーポリマの酸価としては、20mgKOH/g〜120mgKOH/gの範囲内であることが好ましく、60mgKOH/g〜100mgKOH/gの範囲内であることがより好ましい。バインダーポリマの酸価が20mgKOH/g未満では、顔料の分散性を下げる傾向があり、また触媒活性が低くなるため十分に硬い硬化物が得られない傾向がある。一方、バインダーポリマの酸価が120mgKOH/gを超えると、粘度が高くなりすぎ、良好な印刷パターンが得られない傾向がある。
また、本発明の印刷インキ組成物に使用する樹脂として熱可塑性のアクリル樹脂、ポリエステル樹脂を使用する場合には、他に光重合性不飽和結合を分子内に2個以上有する多官能モノマを含有させるか、熱硬化型のエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂等を架橋モノマとして併用することで熱硬化型の樹脂組成物とすることができ、さらに有機溶剤を含有させてインキ用組成物とすることができる。他の樹脂または光重合性不飽和結合を分子内に2個以上有するモノマを併用する場合はアクリル樹脂の総量100重量部に対して、200重量部以下で使用することが好ましい。
上記の光重合性不飽和結合を分子内に2個以上有するモノマとしては、例えば、EO変性ビスフェノールAジアクリレート、ECH変性ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールAジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、グリセロールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、EO変性リン酸ジアクリレート、ECH変性フタル酸ジアクリレート、ポリエチレングリコール400ジアクリレート、ポリプロピレングリコール400ジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ECH変性1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、EO変性リン酸トリアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート(POはプロピレンオキシドを意味する。以下同様)、トリス(メタクリロキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等のアクリレート、これらに対応するメタクリレートなどが挙げられる。これらのモノマは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
基板との密着性を向上させるためのチタネートカップリング剤(ビニル基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基等を有したシランカップリング剤やイソプロピルトリメタクリロイルチタネート、ジイソプロピルイソステアロイル−4−アミノベンゾイルチタネート等)、膜の平滑性を向上させるための界面活性剤(フッ素系、シリコン系、炭化水素系等)及びその他、紫外線吸収剤、酸化防止剤などの各種添加剤を必要に応じて適宜使用することができる。
本発明の印刷インキ組成物に使用するメラミン樹脂としては、N−モノメチロールメラミン、N,N’−ジメチロールメラミン、N,N’,N’’−トリメチロールメラミン、N,N,N’,N’’−テトラメチロールメラミン、N,N,N’,N’,N’’,−ペンタメチロールメラミン、N,N,N’,N’,N’’,N’’−ヘキサメチロールメラミン、N−モノメトキシメチルメラミン、N,N’−ジメトキシメチルメラミン、N,N’,N’’−トリメトキシメチルメラミン、N,N,N’,N’’−テトラメトキシメチルメラミン、N,N,N’,N’,N’’,−ペンタメトキシメチルメラミン、N,N,N’,N’,N’’,N’’−ヘキサメトキシメチルメラミン、N−モノブチロールメラミン、N,N’−ジブチロールメラミン、N,N’,N’’−トリブチロールメラミン、N,N,N’,N’’−テトラブチロールメラミン、N,N,N’,N’,N’’,−ペンタブチロールメラミン、N,N,N’,N’,N’’,N’’−ヘキサブチロールメラミン、N−モノブトキシメチルメラミン、N,N’−ジブトキシメチルメラミン、N,N’,N’’−トリブトキシメチルメラミン、N,N,N’,N’’−テトラブトキシメチルメラミン、N,N,N’,N’,N’’,−ペンタブトキシメチルメラミン、N,N,N’,N’,N’’,N’’−ヘキサブトキシメチルメラミンなどの単量体ないし数量体があげられる。またこれらは単体または2種以上を組み合わせて使用することができる。
次に、本発明の印刷インキ用組成物について説明する。黒色顔料は樹脂及び有機溶剤並びに必要に応じて分散剤と混合し、分散させる。顔料を分散させた混合物は超音波分散機、三本ロール、ボールミル、サンドミル、ビーズミル、ホモジナイザー、ニーダー等の分散・混練装置を用いて混練することにより分散処理することが好ましい。顔料を分散させる時の溶剤として前述のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の高沸点のアルキレングリコールエーテルを溶剤として使用すると顔料の微細な分散が比較的容易となる。炭化水素系溶剤では顔料の微細分散が難しい。溶剤は炭化水素系を除いた全量を分散処理時に顔料とともに用いてもよく、溶剤の一部を分散処理後に加えてもよい。
次に印刷インキ組成物の印刷方法について説明する。図1に示すように印刷インキ組成物1はキャップコータ7等を使用してロール形状のシリコン樹脂製ブランケット3面に塗布させる。キャップコータ7は毛管現象を利用してインキ組成物1を供給する。数分間風乾させた後、ロール状又は平板状凸版5を押圧し凸部に不要なインキ組成物1を転写除去する。その後、シリコン樹脂製ブランケット3面上に残ったインキ組成物1を基板6面に転写させ所望のパターンを得る。
上記の基板としては、用途により選択されるが、例えば、白板ガラス、ソーダガラス、酸化シリカを浸漬によりコートしたソーダガラス等の透明ガラス板、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂等の合成樹脂製シート、フィルム又は板、アルミニウム板、銅板、ニッケル板、ステンレス板等の金属板、その他セラミック板、光電変換素子を有する半導体基板などが挙げられる。これらの基板には予めクロム蒸着等によりブラックマトリックスが形成されているものでもよい。
このようにして形成された樹脂層の厚みは、用途によって適宜定まるが、0.1〜10μmの範囲とされることが好ましい。またブラックマトリックスに用いる場合には、0.2〜5μmの範囲であることが好ましい。
基板上に形成されたインキ組成物層は、100℃以上の温度で30分から60分間加熱することによって十分に硬化させる。後にインキ組成物層上にオーバーコートや透明電極や配向膜を積層する際の加熱によりインキ組成物層が変形したりガスを発生したりすることを避ける観点から230℃以上で加熱することが好ましい。一方100℃未満の温度では硬化反応が十分に進まないために十分な硬度が得られない傾向がある。
加熱硬化したインキ組成物層の鉛筆硬度は、3H以上であることが望ましい。3H未満であると、配向膜などを積層した後のラビング処理の際、配向膜で覆われていないブラックマトリックスのパターンが、ラビング布との接触により削られてしまう。また、オーバーコートや透明電極を積層した際に、それら積層物の膨張係数の差から生じる応力により塑性変形を受け、結果としてシワを発生させることがある。
次に、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
(a)アクリル樹脂の製造例
1Lスケールの四つ口フラスコに360gのジエチレングリコールジメチルエーテルを秤取り、Nでバブリングしながら、液温を90℃に保った(A液)。1Lビーカー内で275gのジエチレングリコールジメチルエーテル、メチルメタクリレート120g、ブチルアクリレート75g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート19.2g、メタクリル酸6gを混合し、Nバブリングしながら溶解させた(B液)。B液に2’,2−アゾビスイソブチロニトリル3gを溶解させ、このB液をA液に3時間かけて連続的に滴下し、その後、3時間、90℃に保った。その間、数回に分けて40gのジエチレングリコールジメチルエーテルの中にあらかじめ溶解させておいた2,2−アゾビスイソブチロニトリル0.6gを残存モノマ低減の目的でA液に添加した。合計6時間、90℃で反応を行った後、120℃まで液温を上昇させ、その後、1時間、120℃に保ち、自然冷却し、表1記載のアクリル樹脂Aの溶液を得た。重量平均分子量Mw=13000、酸価は20mgKOH/gであった。同様にして、アクリル樹脂B〜Eを合成した。それらの重量平均分子量と酸価を表1にまとめた。
(b)黒色顔料分散の例
黒色顔料(三菱マテリアル株式会社製チタンブラック)250g、上記のアクリル樹脂Aの溶液60g(黒色顔料に対して、アクリル樹脂Aが10重量%)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート600gを混ぜ、ペイントシェーカー(レッドデビル社製)にて5時間分散した。さらにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて固形分濃度28重量%に調整し、黒色顔料分散液Aを得た。
(c)印刷用黒色インキ組成物の製造例
200mLのポリプロピレン容器に、上記の黒色顔料分散液A43g、バインダーポリマとして上記のアクリル樹脂Eの溶液(固形分65.3重量%)1.55g、架橋材として日立化成工業株式会社製メラミン樹脂ML2000(固形分50.0重量%)9.86g、界面活性剤として信越化学工業株式会社製アミノ変性シリコーン(KP368)0.18g、プロピレングリコールモノメチルエーテル22.25gおよび酢酸エチル22.96gを入れて、ホモジナイザーを用いて3000rpmの回転数で30分間の攪拌を行い、0.5μm目のフィルタで濾過して黒色インキ組成物1を得た。
(d)鉛筆硬度およびOD値
上記の黒色インキ組成物を20cm角のガラス基板上にアプリケータを用いて均一に成膜し、90℃のホットプレート上にて3分間の加熱後、230℃のオーブン内で30分間の加熱硬化を行った。膜厚が加熱硬化後に1μmとなるよう、成膜時に適宜調整した。得られた黒色インキ組成物の硬化膜の鉛筆硬度をJIS K 5600 5.4(塗膜の機械的性質−引っかき硬度(鉛筆法))に準拠して調べたところ、3Hであった。またOD値(光学濃度)をサカタインクスエンジニアリング株式会社製の透過濃度計X−Rite 361T(V)のビジュアルモードで測定したところ、膜厚1μmでOD値は4であった。
(d)反転オフセット印刷によるパターニングの例
上記の黒色インキ組成物1を、図1に示すようにシリコン樹脂3面(ブランケット)上にキャップコータ7を用いて毎分2mの速度で塗布した。1分間乾燥させた後、凹部と凸部がそれぞれ1〜10μm幅の種々のライン状パターンをもつ版胴4を用いて不要な部分の塗膜(インキ組成物1)を除去し、ブランケット3上に残されたパターンをガラス基板6面に転写した。このガラス基板6を230℃のオーブンに入れ、30分間加熱硬化し、図2に示される10μm幅の良好な黒色のライン状パターンを得た。
(実施例2〜3)
実施例1と同様の方法で表2の黒色インキ組成物を作製し、ガラス基板上にて硬化膜としたところ、鉛筆硬度は5Hで、OD値は4であった。反転オフセット印刷によるパターニングは良好であった。
(比較例1〜4)
分散剤として重量平均分子量10000未満のアクリル樹脂を使用したところ、十分な塗膜強度が得られなかった。また分散剤がポリエチルイミンやポリウレタンであると十分な鉛筆硬度が得られなかった。顔料濃度を60重量%未満にすると、十分なOD値が得られなかった。
表1に実施例と比較例で使用した樹脂の物性をまとめた。
Figure 2009249503







表2に実施例と比較例の内容と鉛筆硬度試験の結果をまとめた。
Figure 2009249503
本発明の製造方法を概略的に示したものである。 本発明のインキ組成物を図1の方法でパターニングした例である。
符号の説明
1.インキ組成物
2.主胴
3.ブランケット(シリコン樹脂)
4.版胴
5.印刷版(凸版)
6.基板
7.キャップコ−タ
8.黒色インキ組成物の10μm幅のライン状パターン形成部分
9.黒色インキ組成物が除去された部分

Claims (8)

  1. (I)黒色顔料、分散剤、熱硬化性樹脂および溶剤を含むインキ組成物をシリコン樹脂面に塗布して塗布面を形成する工程、(II)該塗布面に対し所定の形状で形成された凸版を押圧して該凸版の凸部分に前記インキ組成物を転写除去する工程、(III)前記塗布面に残ったインキ組成物を基板に転写する工程とからなる反転オフセット印刷法に使用するインキ組成物において、前記基板上に形成したインキ組成物の加熱硬化後の膜の厚みX(μm)とOD値Aとの関係がA≧4Xであり、かつ表面の鉛筆硬度が3H以上となる反転オフセット印刷用のインキ組成物。
  2. 黒色顔料がインキ組成物の溶剤を除く組成において60〜80重量%含まれる請求項1に記載のインキ組成物。
  3. 黒色顔料がチタンブラックである請求項1又は請求項2に記載のインキ組成物。
  4. 分散剤の重量平均分子量がMw=10,000〜20,000であり、かつ酸価が20mgKOH/g〜120mgKOH/gのアクリル系樹脂である請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のインキ組成物。
  5. 分散剤が顔料に対して5〜20重量%含まれる請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のインキ組成物。
  6. 熱硬化性樹脂の重量平均分子量がMw=1,500〜10,000である請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のインキ組成物。
  7. 熱硬化性樹脂がアクリル−メラミン系樹脂である請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のインキ組成物。
  8. 請求項1ないし請求項7に記載のインキ用組成物を使用して、(I)該インキ組成物をシリコン樹脂面に塗布して塗布面を形成する工程、(II)該塗布面に対し所定の形状で形成された凸版を押圧して、該凸版の凸部分に前記インキ組成物を転写除去する工程、(III)前記塗布面に残ったインキ組成物を基板に転写する工程とからなる反転オフセット印刷法により製造されるブラックマトリックス。
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