JPH11107205A - 木質系舗装材組成物、これを用いた木質系舗装の構築方法及びこの木質系舗装構造体 - Google Patents

木質系舗装材組成物、これを用いた木質系舗装の構築方法及びこの木質系舗装構造体

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JPH11107205A
JPH11107205A JP26660797A JP26660797A JPH11107205A JP H11107205 A JPH11107205 A JP H11107205A JP 26660797 A JP26660797 A JP 26660797A JP 26660797 A JP26660797 A JP 26660797A JP H11107205 A JPH11107205 A JP H11107205A
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wood
pavement
polyurethane resin
woody
chips
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JP26660797A
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Akinori Kobayashi
昭則 小林
Kazuhiro Fukuda
萬大 福田
Masaichi Kaneko
正市 金子
Fumiyoshi Une
文祥 畝
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Taisei Rotec Corp
Original Assignee
Taisei Rotec Corp
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、硬化時間の短縮による早期
交通開放、可使時間の任意に調整、含水比の高い木質チ
ップを使用しても発泡がなく強度の低下を生ずることの
無い良好な品質、耐摩耗性などの耐久性を保持、および
美観に優れた舗装体を得ることができる木質系舗装材組
成物、これを用いた構築方法及び木質系舗装構造体を提
供することにある。 【解決手段】 本発明は、(A)天然木材を破砕した木質
チップ及び/又はこのチップをさらに細長く破砕した繊
維状物、(B)潜在性架橋剤を含むポリウレタン樹脂接着
剤とからなることを特徴とする木質系舗装材組成物を提
供するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、木質チップ等を原
料とした路面の自然な風合いと軟らかい歩行感覚を有す
る木質系舗装を構築するための、早期交通開放性を有す
る木質系舗装材組成物、これを用いた木質舗装の構築方
法及びこの木質系舗装構造体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】天然木質チップを原料とした舗装材は、
弾力性と透水性に優れるため、ジョギング道路や歩径路
等に多く適用されている。例えば、こうした木質チップ
を原料とした舗装材としては、特開平2-248505号公報、
特開平4-347202号公報および特許第2537685号などがあ
る。特開平2-248505号公報は、ウッドチップまたはウッ
ドファイバーと砂との混合物を、地盤あるいは砕石路盤
上に敷きならした後、合成ゴムやエマルジョン型の接着
剤を表面から散布固化させた舗装が記載されている。ま
た、ウッドチップをウッドファイバー化することで舗装
の弾力性がさらに向上することも記載している。しかし
この舗装では、木質チップの含水比が通常100%程度あ
るため、接着剤が乾燥固化するまでに長時間を要すると
ともに、固化前に降雨にあうと接着剤が流出して固化不
良をきたすという施工上の難点があった。
【0003】この問題を解決する手段として、特開平4-
347202号公報では、木質チップの含水比が100%であっ
ても固化が阻害されず、降雨にあっても流出しにくい湿
気硬化型ポリウレタン樹脂接着剤を、木質チップおよび
砂と混練りした舗装材により、これら問題の解決を図っ
ている。又、特許第2537685号では、地盤上に砕石層と
中間層を形成し、その中間層の表面に湿気硬化型ウレタ
ンプレポリマーのトルエン2倍液を塗布し、その塗布面
上に天然木材の外皮及び/又は芯材を粉砕した粒状チッ
プに湿気硬化型ウレタンプレポリマーを添加した混練材
料を敷き詰めて弾力性に富む木質系舗装構造体を形成し
ている。
【0004】しかしながら、湿気硬化型ポリウレタン樹
脂接着剤を使用した場合、エマルジョン型接着剤に比べ
固化までの時間は短くなったが、それでも固化までに3
日程度を必要とし、特に温度や湿度の低い冬期において
施工舗装体の早期交通開放ができないという難点があっ
た。また、逆に高温多湿の夏期施工の場合や未硬化の舗
装面に降雨などがあった場合においては、前述の湿気硬
化型ウレタン樹脂接着剤は水分との反応により炭酸ガス
を発生して発泡硬化し、この発泡現象のために強度、仕
上がり性、美観を著しく低下させ易いという欠点があっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、硬化
時間の大幅な短縮により舗装体の早期交通開放ができる
こと、可使時間を施工条件に合わせて任意に調整できる
こと、夏期において含水比の高い例えば含水比が200
%程度の木質チップを使用して施工した場合であっても
発泡がなく強度の低下を生ずることの無い良好な品質
と、耐摩耗性などの耐久性を保持すること、および美観
に優れた舗装体を得ることができる木質系舗装材組成
物、これを用いた木質系舗装の構築方法およびこれを用
いて構築した木質系舗装構造体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
の結果、特定の架橋剤を含むポリウレタン樹脂接着剤を
用いることにより前記課題を解決した本発明を完成する
に到った。
【0007】即ち、本発明は、(A)天然木材を破砕した
木質チップ及び/又はこのチップをさらに細長く破砕し
た繊維状物、(B)潜在性架橋剤を含むポリウレタン樹脂
接着剤とからなること、好ましくは潜在性架橋剤を含む
ポリウレタン樹脂接着剤(B)が、二液硬化型ポリウレタ
ン樹脂もしくは一液硬化型ポリウレタン樹脂であるこ
と、もしくは潜在性架橋剤が、水分により活性水素を生
成する化合物であること、二液硬化型ポリウレタン樹脂
が、主剤成分と、潜在性架橋剤を含む硬化剤成分とから
なること、もしくは一液硬化型ポリウレタン樹脂が、潜
在性架橋剤を含む湿気硬化型ポリウレタン樹脂からなる
こと、好ましくは潜在性架橋剤が、ポリウレタン樹脂接
着剤に1から60重量%含まれるものであること、さら
に好ましくは、細骨材が、天然木材を破砕した木質チッ
プ及び/又はこのチップをさらに細長く破砕した繊維状
物と細骨材との絶乾重量比で1:0.5〜1:5.5とな
るように配合すること、これらの木質系舗装材組成物を
被舗装面に舗設することによって、養生時間を大幅に短
縮して早期交通開放を可能とすることを特徴とする木質
系舗装の構築方法及びこの木質系舗装材組成物を被舗装
面に舗設したことを特徴とする木質系舗装構造体を提供
するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の天然木材を破砕した木質
チップ及び/又はこのチップをさらに細長く破砕した繊
維状物(A)とは、天然木材の種類を限定するものではな
いが、例えば、杉、松、ナラ、ブナ、桧、楓等多くの種
類のものが使用できる。これらの天然木の樹皮や芯材を
破砕して使用するが、好ましくは間伐材、製材工程の副
産物等として得られる天然木材の木質チップ及び/又は
このチップをさらに細長く破砕した繊維状物とからな
る。
【0009】ここで使用する木質チップ(以下「ウッド
チップ」とも称する)とは、縦と横の長さがそれぞれ50
mm以下、厚さが5mm以下で、好ましくは縦と横の長さが
それぞれ30〜5mm、厚さは5〜1mmのものである。このチ
ップをさらに細長く破砕した繊維状物(以下「ウット゛ファイハ
゛ー」とも称する)は、縦の長さが50mm以下、横の長さが
15mm以下、厚さは5mm以下のもので、好ましくは縦の長
さが30〜5mm、横の長さは10〜1mm、厚さは5〜1mmのもの
である。又、ウッドチップおよびウッドファイバー(以
下「木質チップ」と総称する)の含水比は、好ましくは
50〜200重量%のものを使用する。
【0010】本発明に用いる(A)成分は、前述のウッド
チップ及び/又はウッドファイバーのいずれかを選択で
きる。なお、ウッドファイバーを使用した舗装体は、木
質チップのかみ合わせがさらに向上するため、舗装面の
緻密な仕上がり性やさらに高い弾力性を求める場合には
ウッドファイバーを選択する方が好ましい。なお、ウッ
ドチップとウッドファイバーとを混合して使用する場
合、両者の混合比率は適宜選択できる。
【0011】本発明の潜在性架橋剤を含むポリウレタン
樹脂接着剤(B)とは、常温硬化型であるポリウレタン樹
脂接着剤であることが好ましい。潜在性架橋剤を含むポ
リウレタン樹脂であればいずれのものでも良いが、好ま
しくは二液硬化型ポリウレタン樹脂、あるいは一液硬化
型ポリウレタン樹脂である。
【0012】潜在性架橋剤を含む二液硬化型ポリウレタ
ン樹脂とは、イソシアネート基を有する化合物からなる
主剤と、潜在性架橋剤を含む硬化剤との混合により得ら
れるものである。
【0013】主剤のイソシアネート化合物とは、1分子
中に2個以上のイソシアネート基を有する有機イソシア
ネート化合物類の単量体、例えば、トリレンジイソシア
ネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート
(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HD
I)の単体、或いは混合系が使用できる。更に、ウレタ
ン原料用ポリオール化合物、例えば、ポリエーテルポリ
オール、ポリエステルポリオール、ひまし油、ポリブタ
ジエンポリオール等のポリオール化合物と前述の有機イ
ソシアネート化合物とをイソシアネート基が過剰になる
ような割合で反応させて得られたウレタンプレポリマー
の単体、または混合系或いは前述のイソシアネート化合
物単量体との混合系で常温で液状のものが用いられる。
【0014】硬化剤は、後述する潜在性架橋剤、または
潜在性架橋剤とともに混合して用いる活性水素化合物と
して、ウレタン樹脂原料用ポリオール化合物、例えば、
ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ひ
まし油、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオー
ル、多価アルコール、ポリアミン類の単体、またはこれ
ら混合物である。
【0015】主剤と硬化剤の混合時期は、二液硬化型ポ
リウレタン樹脂として通常使用時に混合するが、別段、
本発明はこれに限るものでなく、二液硬化型ポリウレタ
ン樹脂の主剤と潜在性架橋剤のみからなる硬化剤をプレ
ミックスした後、水分や空気と遮断できる密封容器に詰
めて未硬化状態で貯蔵し、その後、施工時に一液硬化型
ポリウレタン樹脂として使用してもよい。勿論施工時に
主剤、硬化剤のうちの活性水素化合物、硬化剤のうちの
潜在性架橋剤の三液、または主剤、活性水素化合物と潜
在性架橋剤とを事前に混合した硬化剤の二液を混合して
使用しても良い。
【0016】潜在性架橋剤を含む一液硬化型ポリウレタ
ン樹脂としての湿気硬化型ポリウレタン樹脂は、1分子
中に末端イソシアネート基を2個以上有するウレタンプ
レポリマーであり、有機ポリイソシアネート化合物とポ
リオール化合物とを有機ポリイソシアネート化合物の過
剰のもとで調製されるウレタンプレポリマーであって、
更に、後述する潜在性架橋剤を含有するものである。
【0017】潜在性架橋剤とは、好ましくは活性水素化
合物の活性水素を種々の化学手法でマスクし、水分(湿
気等を含む)によりマスクが取れることで潜在性架橋剤
の組成が解離して活性水素が生成するすなわち硬化剤と
して機能する化合物である。例えば、特開平4−226522
号公報、特願平4-346599号公報記載のものや、英国インタ゛
ストリアル コホ゜リマース゛社が販売するヒ゛スオキサソ゛リシ゛ン系硬化剤等
で、例えば水酸基が生成するシリル基型、ポリオール
型、アミン基が生成するケチミン、エナミン、アルジミ
ン型、水酸基とアミン基の両方が生成するオキサゾリジ
ン型化合物等が単体、または混合系で使用できる。より
好ましくは水酸基より反応性の高いアミン基が生成する
ケチミン、エナミン、アルジミン、オキサゾリジン型化
合物である。潜在性架橋剤が、好ましくはポリウレタン
樹脂接着剤に1〜60重量%含まれるものである。
【0018】本発明に用いる木質チップは、通常含水率
が高いことから、硬化剤は潜在性架橋剤の単体、若しく
は活性水素化合物と潜在性架橋剤を併用することで、硬
化に良い結果を与えることができる。
【0019】また、ポリウレタン樹脂接着剤(B)には、
一液型、二液型の主剤と硬化剤のウレタン化反応を調節
するためにウレタン化反応に使用される一般的なアミン
系、有機金属化合物、有機酸を予め主剤、硬化剤の何れ
かに添加することができる。取り扱い作業性を向上させ
るために、これら主剤、硬化剤に一般的な溶剤、可塑剤
を混合して粘度を調整することもできる。更に着色が必
要で有れば従来から用いられている無機、有機の顔料等
の着色剤、或いは弾力性を補助するためにゴム粒、ゴム
粉末またはひじき状ゴムなどの各種ゴム粒を配合しても
よい。
【0020】ここで、潜在性架橋剤を使用したポリウレ
タン樹脂接着剤(B)の特性を述べる。イソシアネート基
を含有する主剤と活性水素を含有する硬化剤の組み合わ
せで調製される一般的な二液常温硬化型ポリウレタン樹
脂は、水分が系中に混在すると硬化過程に置いて発泡現
象を呈することは知られている。これはイソシアネート
基と水分の反応が活性水素化合物と競争的に起こり、イ
ソシアネート基と水の反応により発生した炭酸ガスが硬
化物中に残り発泡するのである。同様に一液湿気硬化型
ウレタン樹脂においてもイソシアネート基と空気中の水
分が反応する機構であるため施工時の環境が高温多湿の
場合や、一液湿気硬化型ポリウレタン樹脂を多量に使用
した場合などは、前述の二液硬化型ポリウレタン樹脂と
同様な発泡現象を呈することがある。
【0021】本発明で潜在性架橋剤を含むと発泡現象が
抑制される原因は、系中の水分が最初に潜在性架橋剤の
マスクを分解して活性水素を生成するため、その活性水
素が水分より速くイソシアネート基と反応して発泡の原
因となる炭酸ガスを生成しないためであると推定してい
る。同様に低温時の施工においても、これらの機構によ
って低温で生成した活性水素が水分との反応より速くイ
ソシアネート基と反応するため低温下における硬化性も
優れるものと考えている。
【0022】本発明では、木質系舗装材層の耐久性を特
に高める必要がある場合などにおいては、細骨材を配合
して木質系舗装材組成物の強度を高めることができる。
本発明の細骨材とは、好ましくは粒径5mm以下の粒状物
であり、例えば天然川砂、山砂、マサ土または硅砂など
が挙げられる。細骨材の配合量は、木質チップと細骨材
の絶乾重量比が1:0.5〜1:5.5の範囲内となるよ
うにする。
【0023】本発明の木質系舗装構造体は、被舗装面上
に前記の木質系舗装材層を舗設してなるものである。
【0024】本発明の木質系舗装の構築方法は、この木
質系舗装材組成物を被舗装面に舗設することにより得ら
れる。ここでいう被舗装面とは、基盤、または基盤上に
構築した路盤層の上面等である。
【0025】基盤とは、例えば現地盤、既設舗装面、コ
ンクリートなどの構造物の上面である。更に、路盤とは
路盤材で形成され、路盤層の厚さは、好ましくは10c
m〜15cmである。路盤層に使用する路盤材は、社団
法人日本道路協会が発刊する「アスファルト舗装要綱」
に規定した粒度調整砕石やクラッシャーランなどの粒状
路盤材、加熱アスファルト安定処理路盤材などが使用で
きる。
【0026】また、木質系舗装構造体の強度を増加させ
るために、基盤または基盤上に構築した路盤層の上にア
スファルト基層もしくはセメントコンクリート基層を設
けて被舗装面を形成しても良い。また、木質系舗装の弾
力性を更に増加させるなどのために、基盤または路盤層
の上に木質チップを敷き詰めた木質チップ層を設けて被
舗装面を形成することもできる。
【0027】アスファルト基層は、好ましくは厚み3c
m〜5cmである。アスファルト基層に使用する材料
は、具体的には密粒度アスファルト混合物、透水性アス
ファルト混合物、粗粒度アスファルト混合物、アスファ
ルト安定処理路盤材、半たわみ性舗装材などから選択で
きる。
【0028】セメントコンクリート基層は、好ましくは
厚み7cm〜10cmである。セメントコンクリート基
層に使用する材料は、通常のコンクリート、透水性コン
クリート、セメント安定処理路盤材などから選択でき
る。
【0029】基盤上または路盤層上に木質チップ層を設
けて被舗装面を構築する場合の木質チップ層は、好まし
くは厚み3cm〜10cmである。この場合の木質チッ
プ層に使用する木質チップは、通常は比較的安価なウッ
ドチップを用いるが、ウッドチップとウッドファイバー
を併用またはウッドファイバーを用いても良い。また木
質チップ層は、木質チップに細骨材を混合して、細骨材
入り木質チップ層とすることもできる。その場合の細骨
材は、前述の木質系舗装材組成物に使用する細骨材に準
拠したものを適宜選択し、任意の配合率で混合して使用
する。細骨材入り木質チップ層は、層の単位体積当たり
の重量を増加できるため、供用後木質チップ層が冠水し
た場合に、浮力により木質系舗装構造体が破壊すること
を防ぐ効果がある。
【0030】木質系舗装構造体を施工するには、施工す
る箇所の地盤を整地して締め固めて基盤を構築する。ま
たは既設舗装面やコンクリートなどの構造物の上面を基
盤としても良い。またはこれら基盤の上に砕石等の路盤
材を敷き詰めて成形し舗装用ローラなどを用いて締め固
めて路盤層を構築する。さらに必要によりこれら基盤ま
たは路盤層の上にアスファルト混合物あるいはセメント
コンクリートあるいは木質チップを敷き均し成形し締め
固めてアスファルト基層またはセメントコンクリート基
層または木質チップ層を構築しても良い。ついで、これ
ら構築した被舗装面の上に前述の木質系舗装材組成物を
敷き詰めて成形し、舗装用ローラなどで締め固めて木質
系舗装材層を構築することで、木質系舗装構造体が完成
する。ここで、予め被舗装面にプライマー材を塗布して
おくと、被舗装面への木質系舗装材層の付着性をさらに
高める上で効果がある。この場合のプライマー材の種類
は、一般的に使用される合成樹脂系のものであればいず
れでも良いが、好ましくはウレタン樹脂系、エポキシ樹
脂系、ポリエステル樹脂系などの合成樹脂系の材料を使
用するとよい。
【0031】
【実施例】以下本発明を実施例及び比較例により説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。また、
例中の「部」、「%」は断りのない限り重量部を表す。
【0032】実施例1、実施例2および実施例3は、木
質舗装材組成物の品質性状について示す。実施例4は、
細骨材を添加した木質舗装材組成物の品質性状について
示す。
【0033】実施例5〜実施例7は、木質舗装材組成物
を使用した舗装構造体の構築施工例について示す。
【0034】実施例に用いた二液硬化型ポリウレタン樹
脂の調製方法主剤Sポリプロピレンエーテルポリオール
に80/20TDIを水酸基に対してイソシアネート基
が過剰になるよう常法で調製されたウレタンプレポリマ
ーである。
【0035】 成分名:ポリエーテル系ウレタンプレポリマー 粘度:5.500(25℃/mPa S) NCO:6.8% 樹脂分:92%
【0036】硬化剤X 分子末端イソシアネート基を有するポリイソシアネート
化合物にNCO基と水酸基が等量になるよう2イソプロ
ピルヒドロキシエチル1,3オキサゾリジンを付加させ
たオキサソ゛リシ゛ン系湿気解離性潜在性架橋剤 成分名:オキサソ゛リシ゛ン系湿気解離性架橋剤 粘度:9,000(25℃/mPa S) 加水分解後に生成する活性水素当量:320
【0037】硬化剤Y 上記硬化剤Xにポリプロピレンエーテルポリオールを等
重量比で混合したオキサソ゛リシ゛ン系湿気解離性化合物を含む
硬化剤 成分名:ホ゜リフ゜ロヒ゜レンエーテルホ゜リオール/オキサソ゛リシ゛ン系湿気解離
性架橋剤の混合物 粘度:3.200(25℃/mPa S) 加水分解後に生成する活性水素当量:350
【0038】ここで、主剤Sと硬化剤Xの二液硬化型ポ
リウレタン樹脂の組み合わせを本発明ポリウレタン樹脂
Aとした。主剤Sと硬化剤Yの組み合わせを本発明ポリ
ウレタン樹脂Bとした。
【0039】実施例に用いた一液硬化型ポリウレタン樹
脂の調整方法。 一液硬化型ポリウレタン樹脂として、湿気硬化型ポリウ
レタン樹脂に潜在性架橋剤を 混合した組成を説明す
る。
【0040】成分名:潜在性架橋剤含有ウレタンフ゜レホ゜リマー 粘度 :6.600(25℃/mPa S) NCO:5.0% 樹脂分:94% 潜在性架橋剤含有率:26% ここで、潜在性架橋剤を配合した湿気硬化型ポリウレタ
ン樹脂を本発明ポリウレタン樹脂Cとした。
【0041】実施例に使用した材料および物性を表1
に、木質系舗装材組成物の実験配合を表2に示す。
【0042】
【表1】 (注1)特開平4−347202号公報記載の湿気硬化
型ポリウレタン樹脂に相当する。
【0043】
【表2】 (注)1)細骨材を添加した配合4種類の「木質チップ:
細骨材の絶乾重量比」は、A3=1:0.83、A4=
1:1.93、A5=1:3.15、A6=1:5.14
である。
【0044】2)木質系材料および川砂は、混合物の製造
に際し、予め所定の含水比となるように水分量を調整し
て用いた。したがってこれら水分量は、1)の実験配合に
対し外添加とした。
【0045】(実施例1)この実施例では、潜在性架橋
剤を配合した舗装材の固化時間の短縮効果を評価した。
なお比較例として、従来の湿気硬化型ポリウレタン樹脂
を配合した舗装材についても固化時間を測定した。使用
材料のうち木質チップは、表1記載のウット゛チッフ゜(WC−
1)を使用した。舗装材の材料および配合は、本発明ポ
リウレタン樹脂については、表2記載の配合番号A1
(主剤:硬化剤の重量配合比は、9:1、3:1,1:
1の3種類)、BおよびCを、さらに比較例としてD1
を使用した。木質チップは、含水比が50,100,1
50,200重量%の4種類となるように、予め木質チ
ップの水分量を調整して使用した。
【0046】舗装材は、絶乾重量にして20kgの木質
チップを所定の含水比となるよう外添加にて加水して調
整したものに対し、各配合番号のポリウレタン樹脂12
kgをそれぞれ加え、これらの材料を混練りして製造し
た。
【0047】各配合番号の舗装材について、製造後の固
化時間を測定した。試験は、混合直後の舗装材を直径10
cm、厚さ4cmの寸法の型枠に詰めて供試体を作製し、脱
型した供試体を高さ1mからコンクリート床に自由落下
させ、舗装材に塑性変形が見られなくなった時点を固化
時間とした。
【0048】結果は、表3に示すとおり、本発明の二液
硬化型ポリウレタン樹脂を用いた舗装材は、従来の湿気
硬化型ポリウレタン樹脂を用いた舗装材(D1)に比
べ、いずれも固化時間を大幅に短縮することができた。
【0049】
【表3】
【0050】なお、前記木質チップの種類を、ウッドチ
ップ(WC−2)およびウッドファイバーに変えて試験
した場合も、表3と同様の結果を得ている。
【0051】(実施例2)一般に、競技場走路などに使
用されている二液硬化型ポリウレタン樹脂は、水と接触
すると急激に発泡することが知られている。木質チップ
の含水比は通常100%程度以上はあることから、硬化剤
を用いた二液硬化型ポリウレタン樹脂においては、この
発泡問題を解決する必要があった。
【0052】本発明ポリウレタン樹脂の水分による発泡
性を確認するための発泡性試験を行った。、使用材料の
うち木質チップは、舗装材として締め固めた場合に緻密
で脱気しにくい、すなわち発泡しやすい粒度として表1
記載のウッドチップ(WC−2)を使用した。舗装材の
材料および配合は、本発明ポリウレタン樹脂として、表
2記載の配合番号A1(主剤:硬化剤の重量配合比は
3:1)を、さらに比較例としてD1およびEを使用し
た。木質チップは、含水比が50,100,150,2
00重量%の4種類となるように、予め木質チップの水
分量を調整して使用した。舗装材は、絶乾重量にして2
0kgの木質チップを所定の含水比となるよう外添加に
て加水して調整したものに対し、各配合番号のポリウレ
タン樹脂12kgをそれぞれ加え、これらの材料を混練
りして製造した。
【0053】試験方法は、直径15cm、高さ10cmのモール
ドに、混合直後の舗装材を詰めて供試体とし、固化後の
供試体の盛り上がり高さを測定した。その結果を表4に
示す。
【0054】本発明ポリウレタン樹脂を配合した木質系
舗装材組成物の固化後の盛り上がり高さは、従来の湿気
硬化型ポリウレタン樹脂を用いた木質系舗装材組成物と
同程度であり、一般的な二液ポリウレタン樹脂を用いた
木質系舗装材組成物に比べ発泡量は極めて小さい。
【0055】
【表4】
【0056】(実施例3)本発明舗装材のはく離抵抗性
を確認する目的で摩耗量試験を実施した。使用材料とし
て、木質チップは表1記載のウッドファイバーを使用し
た。舗装材の材料および配合は、本発明ポリウレタン樹
脂として、表2記載の配合番号A2(主剤:硬化剤の重
量配合比は9:1,3:1、1:1)を、さらに比較例
として配合番号D2を使用した。木質チップは、含水比
が50,100,150,200重量%の4種類となる
ように、予め木質チップの水分量を調整して使用した。
【0057】舗装材は、絶乾重量にして20kgの木質
チップを所定の含水比となるよう外添加にて加水して調
整したものに対し、各配合番号のポリウレタン樹脂12
kgをそれぞれ加え、これらの材料を混練りして製造し
た。
【0058】摩耗量試験の方法は、社団法人日本道路協
会編「舗装試験法便覧」3−7−2.「ラベリング試験
方法」のうち、往復チェーン型に準拠して行った。供試
体は、舗装材を所定寸法の型枠(縦15cm、横40、
高さ5cm)に敷き詰めた後、締固め装置にて締固めて
成形し作成した。
【0059】摩耗量試験は、作成後1日、3日、7日目
の各材令の供試体について摩耗量を測定した。結果は表
5に示すとおり、本発明ポリウレタン樹脂の場合、硬化
剤の重量配合比率を大きくすると摩耗量は小さくなり、
はく離し難い舗装材が得られる。さらに、硬化剤の配合
比率を大きくすると、材令1日目で従来の湿気硬化型ポ
リウレタン樹脂を用いた供試体の材令7日目の摩耗量と
同程度の耐摩耗性が得られる。
【0060】
【表5】
【0061】(実施例4)本発明の木質系舗装材組成物
の強度を把握する目的で、曲げ強度を実施した。使用材
料として、木質チップは表1記載のウッドファイバーを
使用した。また、細骨材を配合した場合の舗装材組成物
の強度増加効果を確認するために細骨材を配合した舗装
材についても評価した。細骨材は、表1記載の川砂を使
用した。
【0062】曲げ試験の材料および配合配合は、本発明
ポリウレタン樹脂として、表2記載の配合番号A2、A
3、A4、A5およびA6(舗装材中の木質チップ:川
砂の絶乾重量比=1:0、1:0.83、1:1.93、
1:3.15、および1:5.14、主剤:硬化剤の重量
配合比は全て3:1)を使用した。木質チップは、含水
比が50,100,150,200重量%の4種類とな
るように、また川砂は含水比が3%となるように、予め
水分量を調整して使用した。
【0063】舗装材は、絶乾重量にして20kgの木質
チップを所定の含水比となるよう外添加にて加水して調
整したものに対し、各配合番号のポリウレタン樹脂12
kg(混合時の重量は一定)をそれぞれ加え、これらの
材料を混練りして製造した。また、砂を配合する配合に
ついても木質チップと同様に外添加で含水比を加水して
調整して舗装材に混練りした。
【0064】供試体は、型枠(縦10cm、横10c
m、長さ40cm)に敷き詰めた舗装材を締固め装置に
て所定の密度に締固めて作製した。曲げ強度試験の方法
は、載荷方法を3等分点2点載荷(スパン30cm)と
し、載荷速度を5(mm/min)とした。
【0065】曲げ強度試験は、作製後の材令が1日、3
日、7日の供試体について実施した。その結果は表6に
示すとおり、本発明のポリウレタン樹脂を使用した舗装
材の曲げ強度は、従来の湿気硬化型ポリウレタン樹脂と
同様に、川砂の配合量を多くすることにより舗装材組成
物の曲げ強度をさらに大きく確保できることを確認し
た。
【0066】
【表6】
【0067】(実施例5)この実施例では、木質チップ
および本発明ポリウレタン樹脂を配合した木質系舗装材
組成物からなる木質系舗装材層を表層に用いた木質系舗
装構造体の構築例を説明する。
【0068】整地して締固めた整地地盤3上に、厚さ10
cmの砕石路盤2を構築して被舗装面を形成した後、実施
例1記載の木質系舗装材組成物、但し、木質チップの含
水比150(%)、舗装材の配合4種類(配合番号:A1
(主剤:硬化剤=3:1重量配合比),B(主剤:硬化剤
=3:1重量配合比)、C、D1)を使用して、本発明
の木質系舗装材層1からなる表層を形成し、木質系舗装
構造体を構築した。実施例5の木質系舗装構造体を図1
に示す。
【0069】この実施における木質系舗装材組成物を用
いた表層1の構築方法について説明する。木質系舗装材
組成物を敷き均すに先だって、砕石路盤層2と木質系舗
装材層1との付着性を高めるため、砕石路盤2の表面に
プライマー8を散布機にて散布した。プライマー材の種
類は、各配合番号に対応するポリウレタン樹脂を各々使
用し、散布量は1m2当たり1kgとした。
【0070】木質系舗装材組成物は、各配合番号毎に所
定の配合に調整した各材料を容量200リットルの強制
練りミキサーを用いて3分間練り混ぜして製造した。
【0071】各配合番号毎に製造した木質系舗装材組成
物は、小型アスファルトフィニシャを用いて路盤2から
なる被舗装面上に順次敷き均した後、約1時間後に道路
舗装の締固めに用いる1トンローラにて転圧して厚さ5c
mの木質系表層舗装1を構築した。なお、舗設の際、舗
装面に発泡現象の発生は認められなかった。
【0072】なお、本実施例では、本発明の舗装材組成
物を敷き均した舗装面をローラにて転圧する際に、舗装
面のポリウレタン樹脂のローラ車輪への付着防止対策と
して、流動パラフィンを使用した。流動パラフィンは、
JIS-K-2231「流動パラフィン」適合品としてモ
ービル石油株式会社製の製品名「ホワイトレックス33
5」を使用して、ローラの車輪に塗布した。この流動パ
ラフィンは、ローラへの付着防止効果を有するととも
に、ポリウレタン樹脂を溶かさず、取り扱いが容易で、
人体や自然環境を汚染することのない性質を有するもの
である。このことにより、従来、トルエン、キシレン等
の有機溶剤やガソリン、軽油などを付着防止用に使用し
た場合に問題となっていた舗装面のポリウレタン樹脂の
溶解、固化後の舗装面の品質低下、さらに人体や自然環
境への汚染などを回避することができた。
【0073】また、舗装面にベニヤ板やビニールシート
を敷き、その上から締め固める方法も、舗装面における
ポリウレタン樹脂の付着防止対策として、有効であっ
た。
【0074】構築された各配合番号の木質系舗装につい
て、舗装材の製造直後から舗装面の性状が固く安定化し
たと認められるまでに要する時間を測定しこれを養生に
要する時間(=養生時間)とした。なお、このときの外
気温は、20〜25℃程度であった。
【0075】その結果、本発明の潜在性架橋剤を配合し
た木質系舗装の養生時間は、A1は約12時間程度、B
は約16時間、Cは約12時間程度であった。また、比
較例の湿気硬化型ポリウレタン樹脂を配合した木質系舗
装D1の養生時間は、約48時間を必要とした。
【0076】本発明の潜在性架橋剤を配合した木質系舗
装は、いすれも従来の湿気硬化型ポリウレタン樹脂を配
合した木質系舗装と比べ、大幅に養生時間を短縮するこ
とができた。
【0077】また、潜在性架橋剤の配合量を調整するこ
とで、木質系舗装材層1の養生時間を調節できた。
【0078】固化後の本発明の木質系舗装材層1は、弾
力性に富み、舗装体の透水性もA1では現場透水係数=
4.3×10-2cm/secと大きく排水性も良好で、歩行に最
適であった。
【0079】(実施例6)この実施例では、木質チッ
プ、細骨材の添加の有無、および本発明ポリウレタン樹
脂を配合した木質系舗装材組成物を用いた木質系舗装構
造体の構築例を説明する。
【0080】舗装構造は、整地して締固めた整地地盤3
上に、厚さ15cmの砕石路盤2を構築し、その上部に、
密粒度アスファルト混合物からなる密粒度アスファルト
混合物基層4(厚さ5cm)の区間および透水性アスフ
ァルト混合物からなる透水性アスファルト混合物基層5
(厚さ5cm)の区間を各々構築して被舗装面を形成し
た後、これら基層の上に木質系舗装材組成物からなる木
質系舗装材層1(厚さ3cm)を表層として構築した。
実施例6の舗装構造を図2に示す。
【0081】木質系舗装材組成物の材料は、木質チップ
は表1記載のウッドファイバーを、細骨材は表1記載の
川砂を使用した。また、木質系舗装材組成物の配合は、
実施例4記載の本発明舗装材のうち3種類(配合番号A
2、A4、A6(木質チップと川砂の絶乾重量配合比=
1:0、1:1.93、1:5.14、主剤:硬化剤の重
量配合比=3:1)とした。また、木質チップは含水比
200(%)、細骨材は含水比4%のものを使用した。
【0082】この実施例における木質系舗装材組成物を
用いた表層1の構築方法について説明する。先ず木質系
舗装材組成物の敷き均しに先だって、被舗装面と木質系
舗装との付着性を高めるため、被舗装面である基層の表
面にプライマー8を散布した。プライマー材の種類は、
表層に用いたポリウレタン樹脂と同じものを使用し、散
布量は塗布面積1m2当たり1kgとした。塗布作業
は、ローラ刷毛にて行った。
【0083】木質系舗装材組成物の製造は、所定の配合
に調整した各材料を容量200リットルの強制練りミキ
サーを用いて3分間練り混ぜして所用の舗装材を得た。
製造した木質系舗装材組成物は、小型アスファルトフィ
ニシャを用いて基層上に敷き均した後、約1時間後に1
トンローラにて転圧して厚さ3cmの木質系表層舗装1
を構築した。
【0084】なお、舗装面のポリウレタン樹脂のローラ
車輪への付着を防止するため、実施例5と同様に流動パ
ラフィンをローラの車輪に塗布した。舗設された木質系
舗装材層の舗設面に発泡現象の発生は認められなかっ
た。
【0085】構築された各配合番号の木質系舗装につい
て、実施例5と同様に養生時間を測定した。なお、この
ときの外気温は、20〜27℃程度であった。その結
果、舗装体3種類の養生時間は、12〜14時間であっ
た。
【0086】固化後の舗装について、公園路等の管理用
車両の通行を想定して、2トントラックによる走行およ
び制動試験を実施した。その結果、砂を配合した木質系
舗装(配合番号A4、A6)の表面は、砂を配合しない
木質系舗装(A2)と比べ、舗装材の飛散やひび割れは
認められず、良好な供用性を示した。また、固化後の本
発明の木質系舗装は、弾力性に富み良好な歩行性を保持
していた。
【0087】(実施例7)この実施例では、ウッドチッ
プおよびウッドファイバーを混合した木質チップと本発
明ポリウレタン樹脂からなる木質系舗装材組成物を用い
た木質系舗装の構築例を説明する。
【0088】舗装構造は、整地して締固めた整地地盤3
上に、厚さ15cmの砕石路盤2を構築し、その上部に、
セメントコンクリート基層6の区間および透水性コンク
リート基層7の区間を、各々舗装厚7cmにて構築して
被舗装面を形成した。その上に木質系舗装材組成物から
なる木質系舗装材層1からなる表層を構築した。実施例
7の舗装構造を図3に示す。
【0089】木質系舗装材組成物の材料は、木質チップ
は表1記載のウッドチップ(WC−2)およびウッドフ
ァイバーを、ウッドチップ(WC−2):ウッドファイ
バーの重量配合比=1:1の割合で混合して使用した。
また、木質系舗装材組成物の配合は、表2記載の配合番
号A7(主剤:硬化剤の重量配合比=1:1)を使用し
た。また、木質チップは含水比180(%)のものを使用
した。
【0090】この実施例における木質系舗装材組成物を
用いた表層1の構築方法について説明する。先ず、5m
幅で整地転圧した地盤3上に、所定の厚さおよび締固め
度にて砕石路盤2を構築後、セメントコンクリート基層
6の区間および透水性コンクリート基層7を所定の厚さ
となるように舗設した。これらのコンクリート基盤は、
舗設後、7日間の養生を行った。
【0091】基層の養生期間終了後、木質系舗装材組成
物の敷き均しに先だって、被舗装面と木質系舗装材層1
との付着性を高めるため、セメントコンクリート基層6
および透水性コンクリート基層7の上面にプライマー8
を散布した。プライマー材の種類は、表層に用いたポリ
ウレタン樹脂と同じものを使用した。プライマー8の塗
布量および塗布方法は、実施例6と同様とした。
【0092】次いで、本発明の木質系舗装材組成物を敷
きならし、1トンローラにて十分締め固めて厚さ5cm
の木質系舗装材層からなる表層1を構築した。
【0093】構築された各配合番号の木質系舗装につい
て、実施例5と同様に養生時間を測定した。なお、この
ときの外気温は、22〜29℃程度であった。
【0094】その結果、木質系舗装材層1の養生時間
は、6〜8時間であった。
【0095】この実施例では、主剤と潜在性架橋剤の重
量配合比を(主剤:硬化剤=1:1)とし、実施例5の
A1(主剤:硬化剤=3:1)と比べ、潜在性架橋剤の
重量配合比率をさらに増加させた配合を用いた。その結
果、木質系舗装材層1の養生時間は、実施例5(A)の
12時間と比べ、本実施例では6〜8時間に短縮するこ
とができた。本実施例から、潜在性架橋剤の配合比率を
増加させることにより木質系舗装材層1の養生時間をさ
らに短縮できることが試験舗装においても確認できた。
固化後の本発明の木質系舗装材層1は、弾力性に富み、
排水性も良好な歩行性を保持していた。
【0096】
【発明の効果】以上実施の形態を通じて説明したよう
に、本発明に係わる木質系舗装材組成物は、潜在性架橋
剤を含むポリウレタン樹脂接着剤を用いることにより、
通年で固化時間を大幅に短縮できるため、季節を問わず
あらゆる気温条件において舗装の早期交通開放を可能と
する。
【0097】特に冬季寒冷期の施工においては、従来の
湿気硬化型ポリウレタン樹脂接着剤を使用した場合と比
べ、より顕著な養生時間の短縮効果をもたらすことがで
きる。
【0098】また、ポリウレタン樹脂接着剤における潜
在性架橋剤などの硬化剤の配合量を調整することで、施
工条件に合わせて木質舗装組成物の可使時間を任意に調
整することも可能である。更に、本発明に係わる木質系
舗装材組成物は、高温多湿の夏期施工の場合や未硬化の
舗装面に降雨などがあった場合さらに木質チップの含水
比が200%程度などの極めて発泡しやすい施工条件であ
っても、施工時の舗装体に発泡現象を生ずることがない
ため、舗装体の固化が阻害されることはなく、優れた施
工性と舗装の仕上がり性および美観を確保できるととも
に、舗装体に強度の低下を生ずることがないため舗装体
の品質を安定的に確保できる木質系舗装を構築すること
が可能となる。
【0099】さらに構築された本発明の木質系舗装は、
弾力性、耐飛散性、透水性および美観に優れているた
め、ジョギング道路、公園などの歩径路に好適である。
また、細骨材を加えた本発明舗装体は、強度や耐飛散性
をさらに向上できるため、交通量の少ない公園管理道路
などの舗装に適用することができる。
【0100】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明実施例5の木質系舗装材の舗
装構造体断面を示す。
【図2】 図2は、本発明実施例6の木質系舗装材の舗
装構造体断面を示す。
【図3】 図3は、本発明実施例7の木質系舗装材の舗
装構造体断面を示す。
【符号の説明】
1:本発明の木質系舗装材層 2:砕石路盤 3:整地地盤 4:密粒度アスファルト混合物基層 5:透水性アスファルト混合物基層 6:セメントコンクリート基層 7:透水性コンクリート基層 8:プライマー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金子 正市 大阪府堺市高尾1丁346−8 (72)発明者 畝 文祥 兵庫県西宮市泉町1−2−503

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)天然木材を破砕した木質チップ及び
    /又はこのチップをさらに細長く破砕した繊維状物、
    (B)潜在性架橋剤を含むポリウレタン樹脂接着剤とから
    なることを特徴とする木質系舗装材組成物。
  2. 【請求項2】 潜在性架橋剤を含むポリウレタン樹脂接
    着剤(B)が、二液硬化型ポリウレタン樹脂もしくは一液
    硬化型ポリウレタン樹脂であることを特徴とする請求項
    1記載の木質系舗装材組成物。
  3. 【請求項3】 潜在性架橋剤が、水分により活性水素を
    生成する化合物であることを特徴とする請求項1又は2
    記載の木質系舗装材組成物。
  4. 【請求項4】 二液硬化型ポリウレタン樹脂が、主剤成
    分と、潜在性架橋剤を含む硬化剤成分とからなることを
    特徴とする請求項1〜3いずれか記載の木質系舗装材組
    成物。
  5. 【請求項5】 一液硬化型ポリウレタン樹脂が、潜在性
    架橋剤を含む湿気硬化型ポリウレタン樹脂からなること
    を特徴とする請求項1〜3いずれか記載の木質系舗装材
    組成物。
  6. 【請求項6】 潜在性架橋剤が、ポリウレタン樹脂接着
    剤に1から60重量%含まれるものであることを特徴と
    する請求項1〜5いずれか記載の木質系舗装材組成物。
  7. 【請求項7】 細骨材が、天然木材を破砕した木質チッ
    プ及び/又はこのチップをさらに細長く破砕した繊維状
    物と細骨材との絶乾重量比で1:0.5〜1:5.5とな
    るように配合されることを特徴とする請求項1〜6いず
    れか記載の木質系舗装材組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7記載の木質系舗装材組成物
    を被舗装面に舗設することによって、養生時間を大幅に
    短縮して早期交通開放を可能とすることを特徴とする木
    質系舗装の構築方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜7記載の木質系舗装材組成物
    を被舗装面に舗設したことを特徴とする木質系舗装構造
    体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101091190B1 (ko) * 2010-07-20 2011-12-09 주식회사 에스엘로드 난연 칼라 목재칩을 이용한 포장재 및 그 시공방법
JP2012026149A (ja) * 2010-07-22 2012-02-09 Fukuoka Univ 舗装材料の製造方法

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KR101091190B1 (ko) * 2010-07-20 2011-12-09 주식회사 에스엘로드 난연 칼라 목재칩을 이용한 포장재 및 그 시공방법
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