JP4087690B2 - 木チップ舗装材組成物とその製造方法 - Google Patents

木チップ舗装材組成物とその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、人の歩行・運動用に路盤上に木チップで舗装するための木チップ舗装材組成物とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、歩道その他の木質舗装路に関して、木チップに液状ウレタンプレポリマ、例えば、ウレタン樹脂を混合して、舗装する技術は、下記の特許文献1(特開平3‐96503号)や同2(特開平4−347202号)において、公知であり、また、木チップに水系高分子エマルジョンを混合した簡易舗装材料は、特許文献3(特開平2−278505号)や同4(特開平6−17403号)において知られている。
【0003】
また、木チップを含む舗装材に水溶性樹脂又は水性樹脂エマルジョンと、ウレタン樹脂と、を組み合わせた組成物が、特許文献5(特開2001−120011号)において開示されている。
また、木材工作用の接着材の分野ではあるが、古くから耐ホルマリン対策として接着剤に水系エマルジョンを利用した例が、例えば、特開昭48−94739号や、特開平8−259921に掲載されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平3‐96503
【特許文献2】
特開平4−347202
【特許文献3】
特開平2−278505
【特許文献4】
特開平6−17403
【特許文献5】
特開2001−120011
【特許文献6】
特開平8−81907
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来のウレタン樹脂単独で木チップを固めて舗装した舗装材は、舗装材がある程度の弾性的に柔軟性を有し歩行用として好適ではあるが、往々にしてウレタン樹脂の硬化過程で、舗装体が収縮し、ひび割れが生じることが多く知られており、上記特許文献6に記載の如く、舗装材に弾性ゴム等の収縮緩和材を事前に添加して、硬化時の収縮を防止していた。
他方の舗装材組成物として、水系高分子エマルジョン単独を配合するものは、一般に樹脂硬化時間が長く必要であり、路面が使用可能になるまでの時間が長くて、不都合であり、また、舗装体の強度の点で劣るなどの問題があった。
【0006】
特許文献5のように、水溶性高分子エマルジョンとウレタン系樹脂との両方の配合による組成物も考えられるが、この組成物は、木チップ中に含まれる水分とエマルジョンの水との影響により、ウレタンを急速に硬化反応をさせることができるが、この反応は、ウレタン樹脂の発泡とその弾力性を利用するものであるから、これが却って舗装路に反り等の変形を生じ、風合いの低下と仕上げの不備の問題を生じていた。
【0007】
本発明は、木チップと水系樹脂エマルジョンとウレタン樹脂とを含む組成物であるが、硬化養生後の舗装材が適度の強度を有し、舗装後に長期にわたって、曲げや反り等の変形の少ない木チップ舗装材の組成物とその製造方法を提供しようと提供するものである。
【0008】
本発明は、さらに、ウレタンを含む舗装材が、硬化過程での発泡量が少なく、表面がきれいで、木質調子を保持することのできる組成物を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の木チップ舗装材組成物は、粉砕した木チップと、水系樹脂エマルジョンと、液状ウレタンプレポリマと共に、短繊維を含んで成るものである。
【0010】
組成物中の短繊は、木チップを接合する樹脂及び硬化イソシアネートの硬化物を強化して、組成物の舗装体の強度を高めるもので、これにより、舗装体の反り変形を防止して、しかも、未硬化イソシアネート中の末端NCO基を極力減じても、短繊維による強度の補償が可能であるので、硬化過程の発泡を抑え、気孔率の低下を抑制して舗装路に通気性を確保し、さらに、発泡による白化その他の表面性状の低下を有効に防止することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の組成物には、主たる成分として、木チップを含み、木チップを敷き詰めた舗装体にして木質の風味、温かみや、弾力性を与えるものであるが、木チップには、通常は、間伐材や植木剪定材を切削した木片のほか、それら木材の圧壊粉砕した木片が利用でき、また、木造住宅等の建築物の廃材からの圧搾粉砕した木片など、入手可能な木材破片を広く含む。切削した木チップとした場合には、各木片は、一辺10〜50mm、厚み3〜10mm程度の片状のものが例示できる。
【0012】
水系樹脂エマルジョンは、一部は木チップ中気孔を通じて木チップ自体の残留水と共に含浸され、一部は表面に付着するなどして、液状ウレタンプレポリマと共に、木チップ間の接合に寄与するものである。水系樹脂エマルジョンは、木チップ中の多数の気孔に含浸するので、ウレタン樹脂への木チップ自体の残留水による硬化特性への影響を小さくして、硬化した組成物性質を均一化することができる。また、水系エマルジョンのある程度の硬化後には、木チップ中の気孔を樹脂成分が封止して、その後のウレタンプレポリマーの添加の際に、気孔中への吸収を少なくして、チップの接合を形成する。
【0013】
水系樹脂エマルジョンには、広くビニル系樹脂エマルジョンが利用でき、例えば、酢酸ビニル系、エチレン−酢酸ビニル系の重合体、スチレン系重合体、アクリレート系重合体などのエマルジョン、ゴムラテックス、これら2種類以上の重合体の混合したエマルジョンが利用できる。アクリレート系には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレートや、これらのアクリレート系とスチレンなどの共重合体などが利用できる。ゴムラテックスには、NBR系、SBR系、クロロプレンゴム系、メタクリル酸メチルブタジエンゴム系のゴムラテックス等が利用できる。
【0014】
液状ウレタンプレポリマは、ジイソシアネート化合物とポリオール類(f=2<)との不活性ウレタンエステル重合物で、分子末端に未反応NCO基を残して、混合時にはなお流動性のある液状の化合物の群から選ばれる。ウレタンプレポリマーを成すジイソシアネート化合物には、トルエンジイソシアネート、ジフエニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートやその誘導体、アダクト体などが利用される。また、ジイソシアネート化合物 と共に、トリイソシアネート化合物、例えば、4,4ジフェニルメタントリイソシアネート、チオリン酸トリス(4−イソシアネートフェニルエステル)など、その他のポリイソシアネート化合物を含んでもよく、また、モノイソシアネート化合物も混合することができる。
【0015】
さらに、ジイソシアネート化合物と結合するポリオールには、単鎖ポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソブチレンポリオールの種々の化合物が利用できる。単鎖ポリオールには、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジグリコール、3メチルペンタンジオール、3,3‐ジメチロールヘプタン、トリメチロールプロパンなどがある。これらの単鎖ポリオールとアルキレンオキサイド(例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなど)とを重合させて成るポリアルキレンエーテルポリオールも利用できる。上記の単鎖ポリオールと二塩基酸とのエステル反応とのポリエステルポリオールも利用でき、二塩基酸として、フタル酸、マレイン酸、アジピンサン、ヘット酸、コハク酸、水添ダイマ酸などを含む。
【0016】
液状ウレタンプレポリマの末端未反応NCO基は、硬化剤又は水との反応により、液状ウレタンプレポリマの重合化を進めて、さらに硬化させるのであるが、末端未反応NCO基は、上記化合物中に重量比に対して、1〜10%の範囲が好ましい。1重量%未満では、硬化成分が少なくて、硬化体としては強度不足となり、10重量%を越えると、硬化体が発泡して、その発泡体が、木チップで構成する多数の気孔を塞ぐことになり、通水性を阻害すると共に、表面の膨れや反りを生じるので好ましくない。さらに好ましくは、末端未反応NCO基は、1〜5%の範囲がよく、5%以下とすることにより、必要な強度を確保して、一層の発泡を抑えて、平坦で目詰まりがなく、且つ得られた樹脂層は透明で着色がなく、木質片の積重の外観をよく表することができる。
【0017】
短繊維は、エマルジョン中ないし、エマルジョンと液状ウレタンプレポリマとの混合物中にできるだけ分散し易い形態が好ましく、この点から、単繊維の集合体であるのがよい。短繊維は、無機繊維及び有機繊維が利用できる。無機繊維には、ガラス繊維、金属繊維、又は炭素繊維やその他セラミック繊維が利用できる。有機繊維には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、アクリル、ポリウレタン、ポリフルオロカーボン等の繊維が含まれる。
【0018】
繊維の形状について、素線径10μm〜1mmで、繊維長さが1mm〜50mmの範囲にあるのが好ましい。特に、ポリエチレンやボリプロピレンの遷移は、素線径10μm未満では、繊維自身の抗張力不足となり、1mmを越えると、繊維の剛性が強くなり木チップへの付着性や繊維自身の分散性が低下し、繊維補強効果が減少する状態となる。
また、長さは、1mm未満では、短すぎて、補強の効果が小さく、50mmを越えると、互いに絡み合って集合体を作るようになり、さらに長いと混合自体が困難になる。
【0019】
組成物の配合は、粉砕した乾燥状態で木チップ100重量部に対して、上記の水系樹脂エマルジョン:末端NCO基含有液状ウレタンプレポリマ:短繊維の比が重量部で、それぞれ1〜5:20〜40:0.001〜5.00の範囲が利用できる。好ましくは、特に、1〜5:20〜40:0.01〜1.00の範囲好ましい。
【0020】
水系樹脂エマルジョンは、木チップ100重量部に対して、水系樹脂エマルジョンを固形分で1〜5重量部とするのは、1重量部未満では、木チップ中気孔を通じて木チップ自体に含浸され、木チップ表層面を被覆するには不足となり、5重量部を越えると逆に過剰となり、水系エマルジョン単独で木チップ間を結合させる効果が発生し、反りや収縮およびクラック等の不具合の原因となるからである。
【0021】
液状ウレタンプレポリマは、同様に木チップ100重量部に対して、20〜40重量部とするのは、20重量部未満では、固結剤の絶対量が不足し、固結強度が劣弱となり、耐水性、耐久性の実用上の性能が発揮されない状態となり、40重量部を越えると、過剰量のウレタンプレポリマーが起因し舗装路に反り等の変形を生じさせ、風合いの低下と仕上げの不備等の原因となる。
【0022】
さらに、上記短繊維を同様に、0.001〜5.00の範囲により、短繊維の効果が利用できるが、0.01〜1.00重量部の範囲が好ましく、0.01重量部未満では、補強効果を得るにはやや不足となり、1.00重量部を越えると、互いに絡み合って集合体を作るようになり、さらに多いと混合自体が困難となる傾向がある。最も好ましいのは、0.01〜0.10の範囲がよい。
【0023】
ここに示した組成物配合量は、特に、上記の液状ウレタンプレポリマ中分子末端未反応NCOの上記含有量1〜5重量%と上記繊維形状を考慮した時は、特に好ましく、表面がきれいで、木質調子を保持することのできる組成物となる。
【0024】
本発明は、上記の組成物を製造する方法を含むが、上記組成物は、粉砕した木チップと、水系樹脂エマルジョンと、末端NCO基を含有する液状ウレタンプレポリマと、短繊維とを混合して、調製し、次いで、路盤上に、所定の厚みで敷き均しと転圧とをして舗装され、液状ウレタンプレポリマの重合反応により、舗装材として硬化させる。この製造方法には、各組成物原料の木チップ、樹脂エマルジョン、未硬化イソシアネート及び短繊維は、上記の配合割合で、添加する。
【0025】
組成物の調製には、上記木チップと、水系樹脂エマルジョンと、末端NCO基を含有する液状ウレタンプレポリマと、短繊維とを混合することによりなされるが、特に好ましい調製方法は、予め水系樹脂エマルジョンと短繊維とを混合して繊維混合樹脂エマルジョンとし、その繊維混合樹脂エマルジョンの所定量を木チップと混練し、次いで、この混練液に上記液状ウレタンプレポリマを混合する方法である。この方法においても、上記の配合割合が適用できる。
【0026】
この方法においては、先ず、短繊維が水系樹脂エマルジョンと混練して予め繊維混合樹脂エマルジョンとすることにより、短繊維をエマルジョン中に各単線維ごとに均一に分散させることができ、この繊維含有樹脂エマルジョンを木チップと混合することにより、木チップの各片を樹脂エマルジョンで覆うと共に、樹脂エマルジョンにより部分的に吸収させてチップを濡らし、同時に、各片の表面に短繊維を付着することができる。次いで、繊維樹脂エマルジョンにより包まれた木片には、液状ウレタンプレポリマを混練するするが、混合と敷設後の過程では、液状ウレタンプレポリマは、木チップに吸収されることなく、また木チップに含有していた水分に影響されることなく、未反応NCOの重合の働きで硬化を始め、一定の速い速度で硬化させることができるのである。
【0027】
さらに、時には、液状ウレタンプレポリマの混合の際に硬化剤の添加することも可能であり、これにより、液状ウレタンプレポリマの重合開始に至る保持時間と、組成物全体の硬化に要する硬化時間を別個に調整することができるのである。このような硬化剤には、上記のポリオール類から1種又は2種以上を選んで、混合時にウレタンプレポリマーと共に、添加することもできる。
【0028】
そして、硬化した組成物中に分散した短繊維が、樹脂エマルジョンとイソシアネートとの硬化物中に分散して、樹脂層を補強するので、組成物の舗装材を強化することができる。このことは亦、液状ウレタンプレポリマ中のNCO基の含有量を1〜5重量%の範囲に低下させても舗装材としての十分に強度を保持することができ、硬化樹脂層の発泡量も抑制することにより、反り変形がなくて表面が平坦で、木質片の色調を出現するように樹脂層自体はほぼ透明なものが得られる。
【0029】
さらに、木チップと樹脂エマルジョンとの混合の後は、30分〜数時間、時には、数日程度、保持して、木チップ上の樹脂エマルジョンを造膜させて表面樹脂皮膜を安定化し、その後にこれに、ウレタンプレポリマーを添加するのが、少量のウレタンプレポリマで且つ少量のNCO基の含有量により、十分強度を実現することができる。
【0030】
【実施例】
試験1と試験2について、水系樹脂エマルジョンとして、エチレン酢酸ビニルエマルジョン(中外商工(株)製造、商品名「アートロードWoodyプレコート剤」固形分30%)中に、短繊維として、ポリプロピレン単線維(Synthetic Industries社(米国)製、商品名「Fibermix」、線径0.01mm、長さ12mm)を1%添加混合した。
【0031】
次いで、木チップ(含水率40%)乾燥重量で100重量部と、これに対して、上記単線維で調製したエチレン酢酸ビニルエマルジョン3重量部(試験1)又は6重量部(試験2)とを、ミキサーに装入して混合攪拌し、木チップに一次皮膜を作った。この木チップとエマルジョンとの混合物にはミキサー中で、エマルジョン混合後3時間の保持した。
【0032】
上記3時間のミキサー保持後に、液状ウレタンプレポリマとして、トルエンジイソシアネートを含む液状ウレタン(中外商工(株)製造、商品名「アートロードウッディ合材バインダー」未硬化NCO含有量4%)20重量部を添加して混練し、組成物を得た。組成物は、後述の各試験用に試料調製用に合わせて型枠A(50cm×50cm×3cm、形枠B(径5cm×長さ10cm円柱状)、及び形枠C(径10cm×長さ3cm円柱状)にそれぞれ充填して、試験舗装体とし、温度23℃で湿度65%に制御した恒温・恒湿室に7日間保存養生し、その後に以下の試験を行なった。
【0033】
試験4は、比較例として、上記短繊維を添加せずに同様の配合の配合で調製した組成物から試験用の舗装体を作った。
試験3は、エマルジョン混合後3時間の保持をせずに、混合直後にウレタンプレポリマを配合した点が相異する。
【0034】
試験5は、液状ウレタンプレポリマとして、ジフエニル系メタンジイソシアネートを含む液状ウレタン(三洋化成工業(株)製、品名「BD‐55」)を配合して、未反応NCO基含有量を8%とした点を除き、試験1と同じである。
【0035】
上記試験用の舗装体を用いて、以下の試験を行なった。先ず、見掛け密度として、養生後の、試験舗装体の寸法と重量をメジャー測定して、計算により、見かけ密度を求めた。
【0036】
強度試験は、JIS A1108に準拠して、径5cm×長10cmの型枠に充填し個結させ、柱状試験片3個にして、1軸圧壊強度試験を行い、3個の平均値を求めた。
【0037】
耐水強度試験は、径5cm×長さ10cmの型枠に充填し個結させた柱状試験片3個を常温水中に24時間保持して後、取り出し、上記同様の1軸圧壊強度試験を行なった。
【0038】
透水性は、径10cm×長さ3cmに成型した柱状試験片3個とし、JISA1218に準拠して透水試験を行ない、3個平均の透水係数を求めた。
【0039】
収縮試験として、標準型枠内に、拘束しない状態で、50×50×3cmの寸法の試験舗装体を置いて、3日、5日、7日、14日及び28日間養生した後の測定し、寸法を計測して、収縮率を求めた。
【0040】
衝撃吸収試験として、(財)日本体育施設協会(屋外体育施設部会)発行の「屋外体育施設建築指針」に準拠して、縦50×横50×厚み3cmの寸法の試験舗装体上に、ゴルフボールを100cmの高さから落下させた時の跳ねかえり高さを3回を測定して、GB係数を求め、上記3個の試料につき平均値を求めた。
【0041】
反発性試験として、同上の(財)日本体育施設協会発行の「屋外体育施設建築指針」に準拠して、縦50×横50×厚み3cmの寸法の試験舗装体上に、直径1in(25.4mm)の硬球を100cmの高さから落下させた時の跳ねかえり高さを3回測定して、SB係数を求め、上記3個の試料につき平均値を求めた。
【0042】
試験結果を原料配合配合とともに表1にまとめた。また、収縮試験結果を表2と図1に示した。
【0043】
【表1】
Figure 0004087690
【0044】
【表2】
収縮量(%)
Figure 0004087690
【0045】
試験結果から、試験1ないし3においては、単線維無添加の試験5と対比すると、単線維を配合した舗装用組成物が、圧縮強度、透水性、収縮率のいずれも、舗装材として優れていることがわかる。試験4は、上記ウレタンプレポリマ中のNCO基が、8.0%と高く設定しており、この点で、常温乾燥圧縮強度と湿潤後圧縮強度を著しく高くする効果があるが、他方では、収縮量が非常に大きく、これは、舗装体の反り変形が大きくなることを意味し、好ましくない。試験5は、短繊維を含まないので、試験1ないし3よりも、圧壊強度と耐水強度が低く、また、GB係数、SB係数のいずれも小さすぎる。
【0046】
以上の試験結果からすると、試験1と同2のごとく、短繊維を加えたエマルジョン混合攪拌後に保持時間を確保して養生させての後に、液状ウレタンプレポリマを混合した組成物は、舗装材としての諸性質が改善される。また、液状ウレタンプレポリマ中未反応のNCO基を5%以下、特に、4%以下とすることにより、適度の圧壊強度を備えかつ反り変形のない舗装体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 木チップにアクリルエマルジョンとイソシアネートを配合した舗装材組成物の敷設後の硬化舗装体について収縮量の経時変化を示す図。

Claims (9)

  1. 粉砕した木チップと、水系樹脂エマルジョンと、末端にNCO基を含有する液状ウレタンプレポリマと、短繊維と、から成る木チップ舗装材組成物であって、
    上記の液状ウレタンプレポリマ中の末端NCO基含有量が重量%で1%〜5%である組成物。
  2. 粉砕した木チップ100重量部に対して、上記の水系樹脂エマルジョン:末端NCO基含有液状ウレタンプレポリマ:短繊維の比が固形分で重量部で、それぞれ1〜5:20〜40:0.01〜1.00の範囲にある請求項1に記載の組成物。
  3. 上記の短繊維が、素線径10μm〜1mmで、繊維長さ1mm〜50mmの範囲にある請求項1または2に記載の組成物。
  4. 上記の短繊維が、有機繊維から成る請求項1ないし3のいずれかに記載の組成物。
  5. 木チップに水性高分子エマルジョンと短繊維と水系樹脂エマルジョン混合物と、末端NCO基を重量%で1%〜5%含有する液状ウレタンプレポリマを混合した木チップ舗装材組成物の製造方法であって、
    水系樹脂エマルジョンに予め短繊維を混合し、木チップに上記の短繊維を含有した水系樹脂エマルジョンを混合して木チップの表面を上記水系樹脂エマルジョンで覆い、次いで、該エマルジョン混合物に液状ウレタンプレポリマを混合する木チップ舗装材組成物の製造方法。
  6. 粉砕した木チップ100重量部に対して、上記の水系樹脂エマルジョン:末端NCO基含有液状ウレタンプレポリマ:短繊維の比が重量部で、それぞれ1〜5:20〜40:0.01〜1.00の範囲にある請求項5に記載の製造方法。
  7. 上記の短繊維が、素線径10μm〜1mmで、繊維長さが、1mm〜50mmの範囲にある請求項5または6に記載の製造方法。
  8. 上記の短繊維が、有機短繊維から成る請求項5ないし7のいずれかに記載の製造方法。
  9. 請求項5ないし8のいずれかに記載された製造方法により製造した組成物を路盤上に舗装することを含むチップ舗装材の舗装方法。
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