JPH11107040A - ポリベンザゾール繊維の製造方法 - Google Patents

ポリベンザゾール繊維の製造方法

Info

Publication number
JPH11107040A
JPH11107040A JP26586397A JP26586397A JPH11107040A JP H11107040 A JPH11107040 A JP H11107040A JP 26586397 A JP26586397 A JP 26586397A JP 26586397 A JP26586397 A JP 26586397A JP H11107040 A JPH11107040 A JP H11107040A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
yarn
polybenzazole
drying
fiber
polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP26586397A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihiko Teramoto
喜彦 寺本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP26586397A priority Critical patent/JPH11107040A/ja
Publication of JPH11107040A publication Critical patent/JPH11107040A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Artificial Filaments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温乾燥装置中および乾燥装置出口での繊維
の集束性を改善すると同時に、集束性を維持する為の耐
熱性工程油剤の付与量を減らすことにより、高生産性で
高品位のポリベンザゾール繊維を提供する。 【解決手段】 ポリベンザゾール繊維を高温で乾燥する
際に、耐熱性の工程油剤の量を過剰にすることなく糸条
の集束状態を保つ製造方法であって、乾燥処理する際及
び/又は乾燥処理後に繊維糸状に電荷を付与するポリベ
ンザゾール繊維の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高強度・高弾性率ポ
リベンゾオキサゾールを工業的に安定に生産する技術に
関する。さらに詳しくは、高温の乾燥炉出口での糸条集
束状態を改善し工程の安定化と、製品品位の向上を図る
技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリベンザゾール繊維は現在市販されて
いるスーパー繊維の代表であるポリパラフェニレンテレ
フタルアミド繊維に対して強度と耐熱性が大幅に上まわ
っているため次世代のスーパー繊維として期待されてい
る。ポリベンザゾール重合体の繊維化は、ポリ燐酸溶液
を乾湿式紡糸する方法が知られている。その技術的課題
として、ポリマーが非常に緻密に凝集する為に繊維内部
での水の拡散が遅く乾燥工程の時間短縮が困難である。
ポリベンザゾール繊維製造の乾燥工程に関する技術とし
て、特開平8−60438号公報および特願平7−23
5208号公報に開示されているように、230℃以上
で時には250℃以上の加熱帯に糸条を通して短時間で
乾燥する必要がある。しかしながらこのような高温の条
件では、繊維の集束状態を安定させる為に紡糸油剤を付
与した場合、繊維内部の水分率が減少するよりも早く油
剤が揮発する為に乾燥工程終盤では糸条の集束状態が不
十分となる問題があった。これを補うために、耐熱性の
高い紡糸油剤を用いる方法や、揮発する分量を考慮して
初期に付与する油剤量を増やす方法、乾燥工程の途中で
も給油する方法等がある。一般に耐熱性が高く集束性が
良好な油剤は、繊維の摩擦特性を損ないやすく後加工で
スカムの発生等の問題を起こす事が多い。また、240
℃以上の高温で30秒以上の処理で十分な集束性を確保
するには、油剤の揮発量を見越して所定量の数倍の油剤
を付与する必要があり、ローラーの汚れの原因になる。
また、乾燥工程の中間で油剤を付与する場合には、付与
装置を高温の乾燥機中に置く事が困難であるために糸条
を一旦乾燥機の外に出す必要が有り冷却による乾燥効率
の低下を招く問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ポリベンザゾール繊維
を230℃以上の温度で乾燥させる工程において、糸条
の集束状態を改善し製品の品位を良好に保つ際に過剰な
油剤付与や乾燥効率の低下を無くす技術に関する発明で
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリベンザゾ
ールポリマーと溶媒からなるポリベンザゾールドープを
押出し、溶媒抽出し、その後230℃以上の気体で乾燥
処理するポリベンザゾール繊維の製造方法において、乾
燥処理する際及び/又は乾燥処理後に繊維糸状に電荷を
付与することを特徴とするポリベンザゾール繊維の製造
方法であり、特に、上記電荷をイオン発生装置にて発生
させることを特徴とするポリベンザゾール繊維の製造方
法である。
【0005】以下本発明を詳細に説明する。本発明にお
けるポリベンザゾール繊維とは、ポリベンザゾールポリ
マーよりなる繊維をいい、ポリベンザゾール(PBZ)
とは、ポリベンゾオキサゾール(PBO)ホモポリマ
ー、ポリベンゾチアゾール(PBT)ホモポリマー及び
それらPBO、PBTのランダム、シーケンシャルある
いはブロック共重合ポリマーをいう。ここでポリベンゾ
オキサゾール、ポリベンゾチアゾール及びそれらのラン
ダム、シーケンシャルあるいはブロック共重合ポリマー
は、例えば Wolfe等の「Liquid Crystalline Polymer C
ompositions , Process and Products」米国特許第47
03103号(1987年10月27日)、「Liquid C
rystall-ine Polymer Compositions , Process and Pro
ducts 」米国特許4533692号(1985年8月6
日)、「Liquid Crystalline Poly(2,6-Benzothiazole)
Composition, Process and Products」米国特許第45
33724号(1985年8月6日)、「Liquid Crys
talline Polymer Compositions , Process and Product
s 」米国特許第4533693号(1985年8月6
日)、Evers の「Thermooxidative-ly Stable Articula
ted p-Benzobisoxazole and p-Benzobisthiazole Polym
res 」米国特許第4539567号(1982年11月
16日)、Tasi等の「Method for making Heterocyclic
Block Copolymer」米国特許第4578432号(19
86年3月25日)、等に記載されている。ポリベンザ
ゾールポリマーに含まれる構造単位としては、好ましく
はライオトロピック液晶ポリマーから選択される。モノ
マー単位は構造式(a)〜(h)に記載されているモノ
マー単位からなり、さらに好ましくは、本質的に構造式
(a)〜(c)から選択されたモノマー単位からなる。
【0006】
【化1】
【0007】
【化2】
【0008】以下に、ポリベンザゾール繊維を得る為の
製造方法全般について述べる。ポリベンザゾールポリマ
ーのドープを形成するための好適な溶媒としては、クレ
ゾールやそのポリマーを溶解し得る非酸化性の酸が含ま
れる。好適な酸溶媒の例としては、ポリリン酸、メタン
スルホン酸および高濃度の硫酸等の鉱酸あるいはそれら
の混合物が挙げられる。さらに適する溶媒はポリリン酸
及びメタンスルホン酸である。また最も適する溶媒は、
ポリリン酸である。
【0009】溶媒中のポリマー濃度は好ましくは7重量
%以上であり、さらに好ましくは少なくとも10重量
%、最も好ましくは少なくとも12重量%から18重量
%である。最大濃度は、例えばポリマーの溶解性やドー
プ粘度といった実際上の取扱い性により限定される。そ
れらの限界要因のために、ポリマー濃度は通常では30
重量%を超えることはない。
【0010】好適なポリマーやコポリマーあるいはドー
プは公知の手法により合成される。例えば Wolfe等の米
国特許第4533693号(1985年8月6日)、Sy
bert等の米国特許4772678号(1988年9月2
0日)、Harrisの米国特許第4847350号(198
9年7月11日)に記載される方法で合成される。ポリ
ベンザゾールポリマーは、Gregory 等の米国特許第50
89591号(1992年2月18日)によると、脱水
性の酸溶媒中での比較的高温、高剪断条件下において高
い反応速度での高分子量化が可能である。
【0011】このようにして重合されるドープは、液晶
性を示す。一般に剛直性高分子溶液は、特定の濃度範囲
で、ポリドメイン構造と呼ばれる不均質な微細構造を有
する。P.W.MorganがMacromolecules,10,pp1381-1390(19
77) で紹介している、剛直性高分子よりさらに直線的な
分子骨格を有するポリベンザゾール繊維では比較的低濃
度から液晶性を示す。
【0012】このようにして重合されるドープは紡糸部
に供給され、紡糸口金から通常100℃以上の温度で吐出
される。口金細孔の配列は通常円周状、格子状に複数個
配列されるが、その他の配列であってもよい。口金細孔
数は特に限定されないが、紡糸口金面における紡糸細孔
の配列は、吐出糸条間の融着などが発生しないような孔
密度を保つ必要がある事に加えて冷却条件がコントロー
ルできるだけの空間をフィラメント間に保つ必要があ
る。
【0013】該紡糸口金から非凝固性の気体中(いわゆ
るエアーギャップ)に吐出されたフィラメント状のドー
プをエアーギャップ中で所望の繊維径にまで細くする為
にドラフトを与える。このような意味でこの部分をドロ
ーゾーンとも呼んでいる。ドープフィラメントの温度が
およそ90℃では、粘度が非常に高くなるので素早く細
い径まで引き伸ばすことが不可能となるので、紡糸口金
を出てから十分に冷却される間に細い繊維にする必要が
ある。該糸条の冷却効率を高めるためエアーギャップ中
に、冷却風を用いて糸条を冷却するいわゆるクエンチチ
ェンバーを設けることは特にマルチフィラメントヤーン
を高紡速で得るために有効である。
【0014】このドローゾーンでポリベンザゾールポリ
マーおよび溶媒の分子は高度に配向し、その後の凝固・
水洗工程でポリマーが緻密に凝集した繊維構造が形成さ
れる素地が出来上がる。
【0015】ポリベンザゾール繊維は、冷却固化した後
に凝固液に導かれ凝固および/または抽出される。凝固
液はリン酸水溶液が好ましく、リン酸水溶液は濃度75
%以下で、温度が60℃以下であることがさらに好まし
い。凝固後の水洗では、リン元素(P)の濃度をポリマ
ー重量に対して0.7%以下まで抽出することが好まし
い。また水洗工程で中和工程を実施して繊維の後加工中
の強度保持をはかることが特に好ましいが、必須ではな
い。、中和剤としてアルカリ金属の塩基が用いられ、繊
維中に残留するPに対するアルカリ金属のモル比が0.2
以上1.5 以下とする事が好ましい。
【0016】繊維中の溶媒を十分に抽出した、ポリベン
ザゾール繊維の内部には溶媒との相互拡散で繊維内部に
入り込んだ非溶媒が含まれる、この非溶媒は水洗液に水
を用いた場合は水である。水の代わりに有機溶剤を利用
する事ができるが、溶剤分子が大きいと溶媒洗浄効率や
ポリマーを乾燥させる事が難しくなる。
【0017】非溶媒を多く含む状態のポリベンザゾール
繊維では、有機溶剤分子や金属イオンを繊維内に注入す
る事ができる。顔料、染料、滑剤、紫外線吸収剤、酸化
防止剤等を繊維内に含浸させる事が可能である。
【0018】繊維内の水分は常温でも蒸発して繊維内部
にボリマー重量に対して3%以下まで乾燥させる事がで
きるが、工業的プロセスでは高い温度で短時間で乾燥さ
せる方式の方が生産性の観点から有利である。特に、ポ
リベンザゾールポリマーは非常に耐熱性が優れており2
30℃以上の温度で乾燥しても強度低下を生じない。
【0019】工業生産におけるポリベンザゾール繊維の
好ましい水分率は、ポリベンザゾール繊維の平衡水分率
相当以下である。平衡水分率は使用される環境により変
化するが、およそ2%である。フィラメントとしてチー
ズとして製品にする際には、後乾燥による紙管からのす
抜けを防止する為に、1.5%以下まで乾燥することが
好ましい。水分率1.5%まで乾燥する際に要する時間
は原糸の繊維構造により大きく異なるが目安としては、
繊維への熱伝達が良好で均一な温度の乾燥条件で、28
0℃の乾燥で20〜45秒、270℃の乾燥で30〜5
5秒、250℃では35〜80秒、240℃では40〜
100秒、230℃では50〜130秒、220℃では
70〜160秒程度である。従ってポリベンザゾール繊
維を高い生産性で製造するには、高温の大型の乾燥装置
が必要でその設備サイズは乾燥温度を高くすることで小
さくすることができる。
【0020】含水率が2%以下のポリベンザゾール繊維
は静電気を帯び易く装置上の僅かな摩擦でも、開繊し易
くなり走行ガイドへの巻付きやチーズ品位の低下といっ
たトラブルを生じ易くなるため乾燥工程の前に紡糸油剤
を付与する必要がある。しかしながら、250℃以上の
高温では工程中で糸条を集束させるための紡糸油剤で、
かかる高温での使用に耐え得るものは現時点ではない。
また、230℃程度の温度であっても180秒以上安定
な紡糸油剤も少なく、しかもこのような油剤の中には糸
条の後加工での工程通過性に問題がある場合が多い。耐
熱性がある工程油剤の例としては、ビスフェノールA
系、ポリブテン系、変性シリコン系等があるが。易滑
性、集束性等で何れも一長一短である。
【0021】本発明では、ポリベンザゾールポリマーと
溶媒からなるポリベンザゾールドープを押出し、溶媒抽
出し、次いで230℃以上の気体で乾燥処理するポリベ
ンザゾール繊維の製造方法において、乾燥処理する際及
び/又は乾燥処理後に繊維糸状に電荷を付与することに
より糸条集束性を改善したポリベンザゾール繊維の製造
方法であり、上記電荷をイオン発生装置で発生させる点
を特徴とするポリベンザゾール繊維の製造方法である。
【0022】本発明は、ポリベンザゾールの乾燥工程に
特徴がある。ポリベンザゾール繊維を加熱するには、加
熱したローラーに接触させる方法や繊維を高温ガス中で
走行させる方法がある。多量のポリベンザゾール繊維を
乾燥するには加熱気体を循環させてその中に多数の糸条
を走行させる方式の方が、加熱ローラーを多数備えた装
置よりも安価である。また、加熱気体を用いる方式では
装置長当たりの有効部分が長くなるばかりでなく、内部
のローラーも加熱気体と同じ温度まで高くなるので伝熱
効率も同等である。
【0023】また、加熱気体の温度は乾燥時間を短くし
設備をコンパクトにする為に230℃以上であることを
要する。好ましくは250℃以上である。また、装置設
計上の制約から、乾燥温度は高くても450℃以下が好
ましい。より好ましくは400℃以下である。高温乾燥
で装置をコンパクトにするメリットは、設備コストを下
げるばかりでなく糸掛けの時間短縮、ローラー数低減に
よる保守作業の時間や通糸時間の短縮といった効果があ
る。
【0024】本発明の最大の特徴は、乾燥装置中で糸条
が開繊するのを防ぐ為に静電気をコントロールすること
にある。乾燥機中で繊維が開繊する原因としては、ガイ
ドやローラーといった固体表面あるいは、乾燥加熱気体
流との摩擦で発生する静電気がある。この静電気は、紡
糸油剤により集束性が保たれている際には顕著ではない
が、集束性が不十分になると繊維同士の摩擦により発生
が顕著になる。高温乾燥で繊維表面の油剤量が少なくな
った際に、イオン発生装置やコロナ放電等で電荷を供給
し、繊維に発生した電荷をコントロールする必要があ
る。以降、繊維の帯電状態を改善する操作を除電と呼び
さらに詳しく説明する。
【0025】除電の為の電荷発生装置は、交流式、直流
式何れの方式であってもよく電極等は任意に選択するこ
とができるが、高電圧発生装置とも長寿命でランニング
コストの安いものが好ましい。除電用気体の供給は、乾
燥処理の際、即ち循環気体の加熱気体供給部(外気取入
口)から供給することや乾燥処理後、即ち乾燥機出口で
外部から供給することが好ましい。循環用熱風を直接イ
オン化することも可能であるが、メンテナンス上、前者
の方法が好ましい。特に好ましい除電位置は、糸条が乾
燥装置を出てから仕上げ油剤を付与する前の糸条冷却を
兼ねて行える場所が良い。除電は、除電気体を噴流とし
て繊維に接触させる方法が好ましく、ガイド等で糸条の
同伴気体の剥ぎ取るのと同時に実施する事が好ましい。
これ以外に、乾燥装置を出て直ぐにコロナ放電電極を設
置してもよい。
【0026】本発明の方法で得られた、ポリベンザゾー
ル繊維は単糸割れやループといった欠点が少なく、捲き
取りでのトラブルも少ない。また、乾燥前につける油剤
を最小限にすることができる為、乾燥装置の汚れが少な
く撚糸や製編織、樹脂複合材料への成形等で工程通過性
や接着力などの性能に優れたポリベンザゾール繊維を提
供することができる。
【0027】
【実施例】以下に実施例を示すが本発明はこれらの実施
例に限定されるものではない。 <測定法> (乾燥機出口の開繊状況)乾燥機出口での糸条幅が、乾
燥機入口の糸条幅の何倍になるかをノギスで測定した。 (糸条の工程通過性)内径5.5mmのアイガイド(湯
浅製 型番N907049)に、ガイド穴の方向に対し
て30°(穴の面に対しては60°)で出側の張力50
gで糸条を50m/分で1時間走行させでガイドに溜ま
るフィブリル粕の量を3等級で評価した。〇は、僅かな
付着、△は、糸条幅程度の薄い付着、×は、糸条幅より
広い繊維状のフィブリル粕を含む厚い付着物有り。
【0028】(実施例1−3及び比較例1、2)ポリベ
ンゾオキサゾール13.8(重量)%と五酸化リン含量
率82.8%のポリリン酸からなる紡糸ドープを用い
て、ポリベンズオキサゾール繊維を製造した。ドープは
金属網の濾材を通過させ、次いで2軸混練装置で混練と
脱泡を行った後、昇圧させ、重合体溶液温度を175℃
に保ち、孔数332を有する紡糸口金から175℃で紡
出し、ノズル直下に設けられた保温筒を経て長さ500
mmのクエンチゾーンで60℃に温度調整された後、ノ
ズルから1700mm下方に設けられた凝固浴中に導入
した。紡糸速度は380m/分で、凝固液は46℃の2
7%燐酸水溶液であった。凝固に引き続いて第二の抽出
浴中でイオン交換水でヤーンを洗浄した後、0.1規定
の水酸化ナトリウム溶液に侵漬し中和処理した。さらに
水洗浴で洗浄した後、工程用紡糸油剤(ポリブテン系8
%水エマルジョン)をギヤポンプで定量供給したセラミ
ックスノズル上で付与し、2台の熱風循環式の乾燥機を
通過させオンラインで乾燥を行った。乾燥機出口で仕上
げ油剤(エチレンオキサイド・プロピレンオキサイド共
重合体20%水エマルジョン)をギヤポンプで定量供給
したセラミックスノズル上で付与して、張力調整ローラ
ーを通してから、捲き取り機でチーズパッケージとし
た。実施例1では、第2乾燥機の高温の熱風循環ダクト
中にイオン化空気を混入させた。イオン発生装置は春日
電機製KELP電極を用いた。電極を送風ノズル先端に
取付けで、電極の針から繊維までの距離を33mmにセ
ットした。比較例1はイオン化空気の供給を停止した条
件、比較例2は、比較例1に比べて工程油剤の付与量を
多くした条件での実験例を示す。
【0029】実施例2は比較例1と除電条件以外は全て
同じで、乾燥装置出口で溝入りの円柱ガイドで糸道を規
制し、そのガイドから20cm捲き取り側から糸条の走
行とは反対の向きに(向流)乾燥機内に噴流が到達しな
いようにやや下向きに、風速15m/秒のイオン噴流を
吹き付けて除電を行った。溝入り円柱ガイドより25c
m捲き取り機側に設けた仕上げ油剤付与ガイドの温度が
低下し、発煙量が低下した。
【0030】実施例3は乾燥装置1機で高温短時間乾燥
乾燥する条件である。除電条件は実施例2と同じであ
る。
【0031】表1に工程用紡糸油剤の付与量と乾燥・除
電条件、仕上げ油剤付与ガイド前での開繊状態の評価、
巻き取られた糸条の工程通過性の評価を実施した。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】高温乾燥装置中および乾燥装置出口での
繊維の集束性を改善し工程安定化させると同時に、工程
油剤の付与量を後加工が良好な量にまで減らすことが可
能となり、製品の品質向上が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の乾燥工程の一例。
【符号の説明】
1:乾燥装置 2:糸条 3:加熱気体供給部(外気取り入れ口) 4:送風機 5:ヒーター 6:除電用空気噴射口 7:仕上げ油剤付与装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリベンザゾールポリマーと溶媒からな
    るポリベンザゾールドープを押出し、溶媒抽出し、その
    後230℃以上の気体で乾燥処理するポリベンザゾール
    繊維の製造方法において、乾燥処理する際及び/又は乾
    燥処理後に繊維糸条に電荷を付与することを特徴とする
    ポリベンザゾール繊維の製造方法。
  2. 【請求項2】 電荷をイオン発生装置にて発生させるこ
    とを特徴とする請求項1記載のポリベンザゾール繊維の
    製造方法。
JP26586397A 1997-09-30 1997-09-30 ポリベンザゾール繊維の製造方法 Pending JPH11107040A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26586397A JPH11107040A (ja) 1997-09-30 1997-09-30 ポリベンザゾール繊維の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26586397A JPH11107040A (ja) 1997-09-30 1997-09-30 ポリベンザゾール繊維の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11107040A true JPH11107040A (ja) 1999-04-20

Family

ID=17423142

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26586397A Pending JPH11107040A (ja) 1997-09-30 1997-09-30 ポリベンザゾール繊維の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11107040A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010013777A (ja) * 2008-07-07 2010-01-21 Mitsubishi Rayon Co Ltd 炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造方法及びその製造装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010013777A (ja) * 2008-07-07 2010-01-21 Mitsubishi Rayon Co Ltd 炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造方法及びその製造装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5265868B2 (ja) 極細メタ型全芳香族ポリアミド繊維及びその製造万法
TW201915237A (zh) 纖維素長絲的製程
CN107075743A (zh) 聚苯硫醚单丝及其制造方法、以及卷装体
JPH10110329A (ja) ポリベンザゾール繊維およびその製造方法
JP2967098B2 (ja) オンライン繊維熱処理
US20140106167A1 (en) Method for hybrid dry-jet gel spinning and fiber produced by that method
CN110359114B (zh) 一种聚丙烯腈纤维、聚丙烯腈基碳纤维及其制备方法
JP3797459B2 (ja) ポリフェニレンサルファイド繊維の製造方法
JP4962361B2 (ja) ポリフェニレンサルファイド繊維の製造方法およびポリフェニレンサルファイド繊維
TWI677605B (zh) 聚苯硫單絲纖維及其製造方法
JPH11107040A (ja) ポリベンザゾール繊維の製造方法
JP2009001917A (ja) リオトロピック液晶ポリマーマルチフィラメントの製造方法
JP6520787B2 (ja) アクリル系前駆体繊維束の製造方法および炭素繊維の製造方法
JP2010236139A (ja) アクリル系繊維の製造方法
JP3541966B2 (ja) ポリベンザゾール繊維不織布の製造方法
JP2002309438A (ja) アクリル系繊維の製造方法
JP3463768B2 (ja) ポリベンザゾール繊維の製造方法
JP7408406B2 (ja) 耐炎化繊維束の製造方法及び炭素繊維束の製造方法並びに接続装置
JP3565297B2 (ja) ポリベンザゾール繊維の製造方法および製造装置
EP3699333A1 (en) Method for manufacturing oxidized fiber bundle, method for manufacturing carbon fiber bundle, and joining apparatus
JP3368708B2 (ja) ポリベンザゾール繊維の製造方法
KR102281627B1 (ko) 라지토우용 탄소섬유 전구체 섬유 제조 방법
JP2004346447A (ja) アクリル系繊維の製造方法
JP3744617B2 (ja) 細物ポリベンザゾールマルチフィラメントの製造方法
JP2001348722A (ja) アクリロニトリル系前駆体繊維束紡糸用ノズル及びそれを用いたアクリロニトリル系前駆体繊維束の紡糸方法