JPH11106869A - 高強度かつ耐食性の優れたマルテンサイト系ステンレス鋼 - Google Patents

高強度かつ耐食性の優れたマルテンサイト系ステンレス鋼

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JPH11106869A
JPH11106869A JP26637097A JP26637097A JPH11106869A JP H11106869 A JPH11106869 A JP H11106869A JP 26637097 A JP26637097 A JP 26637097A JP 26637097 A JP26637097 A JP 26637097A JP H11106869 A JPH11106869 A JP H11106869A
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JP
Japan
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corrosion resistance
stainless steel
less
high strength
excellent corrosion
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Application number
JP26637097A
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English (en)
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Kazuo Nakama
一夫 中間
Tatsuro Isomoto
辰郎 磯本
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Sanyo Special Steel Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Special Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高強度かつ耐食性の優れたマルテンサイト系
ステンレス鋼を提供すること。 【解決手段】 重量で、C:0.1〜0.5%未満、S
i:0.2%以下、Mn:1.0%以下、S:0.01
%以下、Cr:12〜17%、N:0.08〜0.2
%、O:0.002%以下を含有し、残部Feおよび不
可避的不純物からなることを特徴とする高強度かつ耐食
性の優れたマルテンサイト系ステンレス鋼。さらに、付
加成分として、Mo:2.0%以下を含有させること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高強度かつ耐食性
の優れたマルテンサイト系ステンレス鋼に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、ねじ止め作業の能率を向上させる
ため、特に建築や自動車製造の分野において、下穴をあ
けてもタップはせず、タップをしながらねじ込んで行く
セルフ・タッピング・スクリューや、さらには下穴をあ
ける作業までねじ込みと同時に行うセルフ・ドリリング
・スクリューが使用されるようになった。このようにセ
ルフ・タッピングやセルフ・ドリリングができるために
は、ねじは高強度でなければならない。そこで、高強度
のステンレス鋼の開発が要請されている。
【0003】しかも、建築・建材等に幅広く使用される
ようになってきたことから、この種のステンレス鋼製品
として高耐食性をも要求されてきた。この種のステンレ
ス鋼製品としての耐銹性に優れた高強度ばね鋼として、
例えば、特開平6−264194号公報や、高強度且つ
耐食性、耐応力腐食割れ性の優れたマルテンサイト系ス
テンレス鋼としての特開平3−75337号公報、およ
び特公昭64−455号公報のマルテンサイト系ステン
レス鋼等が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た特開平6−264194号公報は、Ni添加を必須と
した成分であり、SUS431をベースにCrの一部を
Moで置換し、かつNの添加により耐食性と強度の向上
を図っているもので、この系の鋼種は公報にも記載して
いるように、冷間加工を可能とするための焼なましにつ
いて2回焼なましのような複雑な工程が必要であり、し
かもこの焼なましによっても260HV程度までしか軟
化できないという問題がある。また、特開平3−753
37号公報にあっては、上述した公報と同様に、Ni無
添加マルテンサイト鋼よりも焼鈍硬さがかなり高くなる
し、さらには、特公昭64−455号公報はCu添加を
必須とした成分であり、耐食性の向上を図っているが、
しかしCuの添加は熱間加工性を著しく悪化させるとい
う問題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述したよう
な問題を解決し、Ni,Cu等の添加で焼なまし硬さや
熱間加工性等の一部の特性を悪化させることなく、Si
を低減させる簡単な方法とN添加、およびMo添加によ
って耐食性の改善、焼なまし硬さ低減、強度向上を図る
高強度かつ耐食性の優れたマルテンサイト系ステンレス
鋼を提供することを目的とするものである。すなわち、
その発明の要旨とするところは、 (1)重量で、C:0.1〜0.5%未満、Si:0.
2%以下、Mn:1.0%以下、S:0.01%以下、
Cr:12〜17%、N:0.08〜0.2%、O:
0.002%以下を含有し、残部Feおよび不可避的不
純物からなることを特徴とする高強度かつ耐食性の優れ
たマルテンサイト系ステンレス鋼。 (2)付加成分として、重量で、Mo:2.0%以下を
含有することを特徴とする前記(1)記載の高強度かつ
耐食性の優れたマルテンサイト系ステンレス鋼にある。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の高強度かつ耐食性
の優れたマルテンサイト系ステンレス鋼の成分範囲の限
定理由について具体的に述べる。 C:0.1%〜0.5%未満 Cは焼入焼戻後の強度確保のため、0.1%以上必要で
ある。しかし、0.5%以上になると強度が過大になる
上、巨大炭化物が析出して耐食性を悪化させる。従っ
て、C含有量は0.1%〜0.5%未満とした。 Si:0.2%以下 Siは0.2%以下に低減することで耐食性(耐候性)
が大きく向上する。また、焼なまし硬さが低下し、冷鍛
性の向上にも寄与する。なお、望ましくは0.1%以下
とする。
【0007】Mn:1.0%以下 Mnは脱酸に必要だが1%を超えると耐食性を悪化させ
る。従って、1%以下とした。 S:0.01%以下 Sは快削性を付与するために添加することもあるが、
0.01%を超えると耐食性および冷鍛性を悪化させ
る。従って、0.01%以下とした。 Cr:12%〜17% Crは耐食性を与える元素で一般的な耐食性(耐候性)
を確保するためには、12%以上必要である。しかも、
フェライト安定化元素であり、17%を超えるとフェラ
イトが残留し特性を劣化させる。従って、12%〜17
%とした。
【0008】N:0.08〜0.2% NはCと同様、強度向上に効果があるが、Cと異なり耐
食性を劣化させないため、Cと置換させる。0.08%
未満では耐食性の効果が薄く、0.2%を超える添加は
困難なため制限する。特に、N添加によって耐食性改
善、強度向上を図ったものであり、0.08〜0.2%
とした。 O:0.002%以下 Oは酸化物の存在により冷鍛時の割れを助長するため、
0.002%以下に制限する。 Mo:≦2.0% MoはCrの不働態化皮膜を強化し耐食性の一層の向上
に有効で少量の添加でも効果があるが、2.0%を超え
ると高価になるため制限する。
【0009】
【実施例】100kg真空誘導溶解炉にて溶製した表1
に示す各成分の鋼塊を熱間鍛造にて、径20mmに鍛伸
し、以下の実験に供した。その結果を表2に示す。表2
に示す焼なまし硬さは、冷間加工により成形される用途
では、加工時の変形抵抗が大きいと設備への負担が過大
になるため、焼なまし時の硬さが低いことが重要であ
る。そこで焼なまし時の硬さを測定した。焼なまし条件
は、870℃で2時間保持後、20℃/hの速度で57
0℃まで冷却、その後放冷した。
【0010】
【表1】
【0011】また、焼入焼戻硬さは、スチールハウス等
に用いられるタッピングネジとしては熱処理後刃先の硬
さが約50HRC以上であることが必要であることから
定めた。また、焼入条件は1000℃で30分保持後油
冷、焼戻条件は150℃で1時間保持後空冷した。さら
に、耐食性については、上記用途ではネジ頭部は外気に
さらされ、発銹が生じると外観を損ねるため、耐食性
(耐候性)を有することが必要である。そこで上記条件
にて焼入焼戻しを行い、径12mm×長さ21mmの試
験片に加工したものについて、塩水噴霧試験を行い耐候
性を評価した。試験は、5%塩化ナトリウム溶液を35
℃で16時間噴霧して行った。その評価は、発銹が認め
られなかったものをA、やや発銹したもの(発銹箇所の
試験片表面積全体に対する面積率20%以下)をB、強
く発銹したものをCとして行った。
【0012】
【表2】
【0013】表1に示すように、No1〜No7を本発
明の実施例としての化学成分を掲げ、No8〜No12
を比較例の化学成分組成とした。その実験結果を表2に
示す。この表2に示すように、比較例No8はCが低い
ため焼入焼戻硬さが低い。比較例No9はSiが高く、
そのために耐食性が劣る。比較例No10はMnが高
く、耐食性が悪化している。比較例No11はCrが低
く、そのために耐食性が充分得られず、比較例No12
はNが低く、Cで硬さを補ったいるために耐食性が充分
得られていない。
【0014】
【発明の効果】以上述べたように、本発明はNi,Cu
等の添加で焼なまし硬さや熱間加工性等の一部の特性を
悪化させることなく、Siを低減させる簡単な方法とN
添加、さらにはMo添加によって耐食性の改善、焼なま
し硬さ低減、強度向上を図ることが可能となり、特に耐
食性に優れたねじ打ち抜き性、および耐食性に優れた
釘、高強度ばね等を安価に提供することが出来る、優れ
た効果を奏するものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量で、 C:0.1〜0.5%未満、 Si:0.2%以下、 Mn:1.0%以下、 S:0.01%以下、 Cr:12〜17%、 N:0.08〜0.2%、 O:0.002%以下 を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなること
    を特徴とする高強度かつ耐食性の優れたマルテンサイト
    系ステンレス鋼。
  2. 【請求項2】 付加成分として、重量で、Mo:2.0
    %以下を含有することを特徴とする請求項1記載の高強
    度かつ耐食性の優れたマルテンサイト系ステンレス鋼。
JP26637097A 1997-09-30 1997-09-30 高強度かつ耐食性の優れたマルテンサイト系ステンレス鋼 Pending JPH11106869A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1052304A1 (de) * 1999-05-10 2000-11-15 Böhler Edelstahl GmbH & Co KG Martensitischer korrosionsbeständiger Chromstahl
DE102020131031A1 (de) 2020-11-24 2022-05-25 Otto-Von-Guericke-Universität Magdeburg Martensitische Stahllegierung mit optimierter Härte und Korrosionsbeständigkeit

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1052304A1 (de) * 1999-05-10 2000-11-15 Böhler Edelstahl GmbH & Co KG Martensitischer korrosionsbeständiger Chromstahl
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