JPH11106398A - ペプチド誘導体および抗真菌剤 - Google Patents
ペプチド誘導体および抗真菌剤Info
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- JPH11106398A JPH11106398A JP9268446A JP26844697A JPH11106398A JP H11106398 A JPH11106398 A JP H11106398A JP 9268446 A JP9268446 A JP 9268446A JP 26844697 A JP26844697 A JP 26844697A JP H11106398 A JPH11106398 A JP H11106398A
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- peptide derivative
- peptide
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 抗真菌活性に優れ、安全である新規な抗真菌
性ペプチド誘導体と、これを有効成分とする抗真菌剤を
提供する。 【解決手段】 特定の6アミノ酸残基からなるアミノ酸
配列を有し、その配列の一部に非天然型のアミノ酸残基
を有する抗真菌性ペプチド誘導体、並びにこの誘導体を
有効成分として含有する抗真菌剤。
性ペプチド誘導体と、これを有効成分とする抗真菌剤を
提供する。 【解決手段】 特定の6アミノ酸残基からなるアミノ酸
配列を有し、その配列の一部に非天然型のアミノ酸残基
を有する抗真菌性ペプチド誘導体、並びにこの誘導体を
有効成分として含有する抗真菌剤。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、新規なペ
プチド誘導体またはそれらの薬理学的に許容される塩
類、およびそれらの用途に関するものである。さらに詳
しくは、この出願の発明は、医薬品、特に抗真菌剤とし
て使用し得る安全なペプチド誘導体に関するものであ
る。
プチド誘導体またはそれらの薬理学的に許容される塩
類、およびそれらの用途に関するものである。さらに詳
しくは、この出願の発明は、医薬品、特に抗真菌剤とし
て使用し得る安全なペプチド誘導体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】侵襲性カンジダ症等の重篤な深在性真菌
症はしばしば致死的疾患となり、その発症率は全世界的
に上昇の傾向にある。本来、カンジダ等の真菌に対する
宿主生体側の主要な防御機構は、好中球による非特異免
疫によると考えられており、この防御機構が正常に機能
している場合には真菌に感染する危険性は少ない。しか
しながら、近年、この生体の免疫機能の低下をもたらす
悪性腫瘍(特に、急性白血病、悪性リンパ腫等の造血器
系悪性腫瘍)、AIDS等の基礎疾患の患者数が増加し
つつあり、このことが深在性真菌症の発症率上昇の一因
とされている。また、制癌剤、免疫抑制剤等の医療処置
の繁用等も真菌感染を容易にしている要因の一つである
と考えられている。さらに、抗菌抗生物質、ステロイド
ホルモンの多用、長期にわたる中心静脈栄養、静脈カテ
ーテルの使用等も深在性真菌症に罹患する危険因子とさ
れている(例えば、臨床と微生物、第17巻、第 265ペー
ジ、1990年)。
症はしばしば致死的疾患となり、その発症率は全世界的
に上昇の傾向にある。本来、カンジダ等の真菌に対する
宿主生体側の主要な防御機構は、好中球による非特異免
疫によると考えられており、この防御機構が正常に機能
している場合には真菌に感染する危険性は少ない。しか
しながら、近年、この生体の免疫機能の低下をもたらす
悪性腫瘍(特に、急性白血病、悪性リンパ腫等の造血器
系悪性腫瘍)、AIDS等の基礎疾患の患者数が増加し
つつあり、このことが深在性真菌症の発症率上昇の一因
とされている。また、制癌剤、免疫抑制剤等の医療処置
の繁用等も真菌感染を容易にしている要因の一つである
と考えられている。さらに、抗菌抗生物質、ステロイド
ホルモンの多用、長期にわたる中心静脈栄養、静脈カテ
ーテルの使用等も深在性真菌症に罹患する危険因子とさ
れている(例えば、臨床と微生物、第17巻、第 265ペー
ジ、1990年)。
【0003】このような深在性真菌症の治療に最も有効
な手段は抗真菌剤による化学療法であるが、現在、深在
性真菌症治療薬として実用化されている薬剤は、抗菌剤
と比較してはるかに少なく、アンホテリシン、フルシト
シン、ミコナゾール、フルコナゾール、イトラコナゾー
ル、およびケトコナゾールの6種類にすぎない。一方、
種々の微生物に対して抗菌作用、抗真菌作用等を有する
ペプチドまたはその誘導体については、多数の報告がな
されており[例えば、ビオキミカ・エト・ビオフィジカ
・アクタ(Biochimica et Biophysica Acta )、第1197
巻、第109 ページ、1994年]、その中の一つにラクトフ
ェリンがある。
な手段は抗真菌剤による化学療法であるが、現在、深在
性真菌症治療薬として実用化されている薬剤は、抗菌剤
と比較してはるかに少なく、アンホテリシン、フルシト
シン、ミコナゾール、フルコナゾール、イトラコナゾー
ル、およびケトコナゾールの6種類にすぎない。一方、
種々の微生物に対して抗菌作用、抗真菌作用等を有する
ペプチドまたはその誘導体については、多数の報告がな
されており[例えば、ビオキミカ・エト・ビオフィジカ
・アクタ(Biochimica et Biophysica Acta )、第1197
巻、第109 ページ、1994年]、その中の一つにラクトフ
ェリンがある。
【0004】ラクトフェリンは、涙、唾液、末梢血、乳
汁等に含まれている天然の鉄結合性蛋白質であり、大腸
菌、カンジダ菌、クロストリジウム菌等の有害微生物に
対して抗菌作用および抗真菌作用を示すことが知られて
いる[例えば、ジャーナル・オブ・ペディアトリクス
(Journal of Pediatrics )、第94巻、第1ページ、19
79年;アーカイブズ・オブ・ディジーズ・イン・チャイ
ルドフッド( Archivesof Disease in Childhood )、
第67巻、第 657ページ、1992年]。
汁等に含まれている天然の鉄結合性蛋白質であり、大腸
菌、カンジダ菌、クロストリジウム菌等の有害微生物に
対して抗菌作用および抗真菌作用を示すことが知られて
いる[例えば、ジャーナル・オブ・ペディアトリクス
(Journal of Pediatrics )、第94巻、第1ページ、19
79年;アーカイブズ・オブ・ディジーズ・イン・チャイ
ルドフッド( Archivesof Disease in Childhood )、
第67巻、第 657ページ、1992年]。
【0005】また、ラクトフェリンの分解物、ラクトフ
ェリンに由来するペプチド類、これらとホモロジーを有
するペプチド類にも抗菌作用、抗真菌作用等のあること
が知られている。例えば、ラクトフェリン分解物を有効
成分とする抗菌剤(特開平5−320068号公報)、
少なくとも20個のアミノ酸残基からなる抗菌性ペプチ
ド(特開平5−92994号公報)、5個のアミノ酸残
基からなる抗菌性ペプチド(特開平5−148296号
公報)、3〜6個のアミノ酸残基からなる抗菌性ペプチ
ド(特開平5−148297号公報)、ラクトフェリン
類の分解物、ラクトフェリン類の分解物から単離される
ペプチド、ラクトフェリン類の分解物から単離されるペ
プチドと同一のアミノ酸配列を有する合成されたペプチ
ドを有効成分とする抗酸化剤(特開平6−199687
号公報)、ペプチド誘導体と、その用途(特開平8−1
76190号公報)等が知られている。
ェリンに由来するペプチド類、これらとホモロジーを有
するペプチド類にも抗菌作用、抗真菌作用等のあること
が知られている。例えば、ラクトフェリン分解物を有効
成分とする抗菌剤(特開平5−320068号公報)、
少なくとも20個のアミノ酸残基からなる抗菌性ペプチ
ド(特開平5−92994号公報)、5個のアミノ酸残
基からなる抗菌性ペプチド(特開平5−148296号
公報)、3〜6個のアミノ酸残基からなる抗菌性ペプチ
ド(特開平5−148297号公報)、ラクトフェリン
類の分解物、ラクトフェリン類の分解物から単離される
ペプチド、ラクトフェリン類の分解物から単離されるペ
プチドと同一のアミノ酸配列を有する合成されたペプチ
ドを有効成分とする抗酸化剤(特開平6−199687
号公報)、ペプチド誘導体と、その用途(特開平8−1
76190号公報)等が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記のとおり、深在性
真菌症の治療に用いられる抗真菌剤は僅かに6種類のみ
であり、様々な種類の真菌感染に対して有効に対処する
ためには、新しい機序に基づく新規な抗真菌剤が待望さ
れていた。この発明は、以上のとおりの現状に鑑みてな
されたものであり、抗真菌活性に優れ、安全であり、か
つ全く新しい機序に基づく新規な抗真菌性ペプチド誘導
体と、この抗菌性ペプチド誘導体を有効成分とする新規
な抗真菌剤を提供することを目的としている。
真菌症の治療に用いられる抗真菌剤は僅かに6種類のみ
であり、様々な種類の真菌感染に対して有効に対処する
ためには、新しい機序に基づく新規な抗真菌剤が待望さ
れていた。この発明は、以上のとおりの現状に鑑みてな
されたものであり、抗真菌活性に優れ、安全であり、か
つ全く新しい機序に基づく新規な抗真菌性ペプチド誘導
体と、この抗菌性ペプチド誘導体を有効成分とする新規
な抗真菌剤を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】この出願の発明者らは、
前記従来技術の発明に開示されているラクトフェリンに
由来するペプチド類およびその誘導体の抗真菌作用につ
いて詳細に検討した結果、ウシラクトフェリンを構成す
るアミノ酸配列のうちの特定の6アミノ酸残基(Arg
−Arg−Trp−Gln−Trp−Arg)と同一の
アミノ酸配列を有し、C末端がアミド化された誘導体
が、強い抗真菌作用を有することを見い出した。
前記従来技術の発明に開示されているラクトフェリンに
由来するペプチド類およびその誘導体の抗真菌作用につ
いて詳細に検討した結果、ウシラクトフェリンを構成す
るアミノ酸配列のうちの特定の6アミノ酸残基(Arg
−Arg−Trp−Gln−Trp−Arg)と同一の
アミノ酸配列を有し、C末端がアミド化された誘導体
が、強い抗真菌作用を有することを見い出した。
【0008】さらに、この出願の発明者らは、この事実
を基礎としてより強力な抗真菌活性を発現するペプチド
誘導体を追及した結果、その配列の一部に、従来にない
非天然型のアミノ酸残基を組み込むことにより、顕著な
抗真菌活性を示す一連のペプチド誘導体の創製に成功し
た。すなわちこの出願は、前記の課題を解決する第1の
発明として、次の式(1)
を基礎としてより強力な抗真菌活性を発現するペプチド
誘導体を追及した結果、その配列の一部に、従来にない
非天然型のアミノ酸残基を組み込むことにより、顕著な
抗真菌活性を示す一連のペプチド誘導体の創製に成功し
た。すなわちこの出願は、前記の課題を解決する第1の
発明として、次の式(1)
【0009】
【化7】
【0010】[ただし、式中Xaaは次式(2)
【0011】
【化8】
【0012】{ただし、式中nは整数1〜3を示し、A
は次式(3)
は次式(3)
【0013】
【化9】
【0014】(ただし、式中Rは水素原子、低級アルキ
ル基またはハロゲン原子を示す。)のうちのいずれかで
示されるヘテロアリール基を示す。}で示されるアミノ
酸残基を示す。]で示されるD体もしくはL体のアミノ
酸配列を有するペプチド誘導体またはそれらの薬理学的
に許容される塩類を提供する。
ル基またはハロゲン原子を示す。)のうちのいずれかで
示されるヘテロアリール基を示す。}で示されるアミノ
酸残基を示す。]で示されるD体もしくはL体のアミノ
酸配列を有するペプチド誘導体またはそれらの薬理学的
に許容される塩類を提供する。
【0015】この出願はまた、第2の発明として、次の
式(1)
式(1)
【0016】
【化10】
【0017】[ただし、式中Xaaは次式(2)
【0018】
【化11】
【0019】{ただし、式中nは整数1〜3を示し、A
は次式(3)
は次式(3)
【0020】
【化12】
【0021】(ただし、式中Rは水素原子、低級アルキ
ル基またはハロゲン原子を示す。)のうちのいずれかで
示されるヘテロアリール基を示す。}で示されるアミノ
酸残基を示す。]で示されるD体もしくはL体のアミノ
酸配列を有するペプチド誘導体またはそれらの薬理学的
に許容される塩類からなる群より選択される化合物の1
種または2種以上の混合物を有効成分として含有する抗
真菌剤を提供する。
ル基またはハロゲン原子を示す。)のうちのいずれかで
示されるヘテロアリール基を示す。}で示されるアミノ
酸残基を示す。]で示されるD体もしくはL体のアミノ
酸配列を有するペプチド誘導体またはそれらの薬理学的
に許容される塩類からなる群より選択される化合物の1
種または2種以上の混合物を有効成分として含有する抗
真菌剤を提供する。
【0022】
【発明の実施の形態】この出願の第1の発明に係るペプ
チド誘導体は、固相法、液相法等の公知の方法によって
合成することができる。固相法による場合は、ペプチド
合成用固相樹脂を用いて、各アミノ酸ブロックを順次縮
合させ、ペプチド鎖を延長する。各アミノ酸ブロックは
N末端および側鎖の反応性基を適当な保護基で保護した
該アミノ酸誘導体を用い、C端側から縮合反応、N末端
脱保護基反応を反復して目的のペプチド鎖を構築する。
次いで、N末端および側鎖の反応性基が保護されたまま
のペプチドを樹脂から切断して取出し、C末端のアミド
化を行い、更に脱保護反応を行うことにより、目的とす
るペプチド誘導体を得ることができる。
チド誘導体は、固相法、液相法等の公知の方法によって
合成することができる。固相法による場合は、ペプチド
合成用固相樹脂を用いて、各アミノ酸ブロックを順次縮
合させ、ペプチド鎖を延長する。各アミノ酸ブロックは
N末端および側鎖の反応性基を適当な保護基で保護した
該アミノ酸誘導体を用い、C端側から縮合反応、N末端
脱保護基反応を反復して目的のペプチド鎖を構築する。
次いで、N末端および側鎖の反応性基が保護されたまま
のペプチドを樹脂から切断して取出し、C末端のアミド
化を行い、更に脱保護反応を行うことにより、目的とす
るペプチド誘導体を得ることができる。
【0023】この発明のペプチド誘導体は、全てC末端
がアミド化された誘導体であるので、通常の固相樹脂の
代わりに、C末端アミドペプチド合成用固相樹脂を用い
ることもできる。この場合は、工程を簡略化できる上
に、保護基の選び方によっては脱樹脂、脱保護を同時に
行うこともできるので便利である。以上の操作を機械化
または自動化した、いわゆるペプチド自動合成装置を利
用することもできる。
がアミド化された誘導体であるので、通常の固相樹脂の
代わりに、C末端アミドペプチド合成用固相樹脂を用い
ることもできる。この場合は、工程を簡略化できる上
に、保護基の選び方によっては脱樹脂、脱保護を同時に
行うこともできるので便利である。以上の操作を機械化
または自動化した、いわゆるペプチド自動合成装置を利
用することもできる。
【0024】液相法による場合も、通常の公知のペプチ
ド合成法により、基本的にはN末端、またはC末端およ
び側鎖の反応性基を適当な保護基で保護したアミノ酸誘
導体を各アミノ酸ブロックとし、これを用いて縮合反
応、N末端またはC末端の脱保護基反応を反復しなが
ら、目的のペプチド鎖を構築することができる。液相法
においては、C末端側またはN末端側から順次ペプチド
鎖の延長を行う逐次鎖長延長法に加えて、目的のペプチ
ド鎖を適当なフラグメントに分けて、各々のフラグメン
ト鎖を合成し、各々を縮合させて最終的なペプチド鎖を
構築する、いわゆるフラグメント縮合法を適用すること
もできる。
ド合成法により、基本的にはN末端、またはC末端およ
び側鎖の反応性基を適当な保護基で保護したアミノ酸誘
導体を各アミノ酸ブロックとし、これを用いて縮合反
応、N末端またはC末端の脱保護基反応を反復しなが
ら、目的のペプチド鎖を構築することができる。液相法
においては、C末端側またはN末端側から順次ペプチド
鎖の延長を行う逐次鎖長延長法に加えて、目的のペプチ
ド鎖を適当なフラグメントに分けて、各々のフラグメン
ト鎖を合成し、各々を縮合させて最終的なペプチド鎖を
構築する、いわゆるフラグメント縮合法を適用すること
もできる。
【0025】この発明のペプチド誘導体は、非天然型の
アミノ酸残基を含むことを特徴としているが、このアミ
ノ酸残基部分に相当するアミノ酸、またはその保護化さ
れた誘導体は、いずれも公知の方法により合成すること
ができる。そのいくつかを例示すれば次のとおりであ
る。次の反応式により、エタノール等の有機溶媒中で、
ナトリウムエトキサイド等の塩基の存在下に、アセトア
ミドマロン酸ジエチル(A)とヘテロアリールアルキル
ハライド(B)とを反応させ、ヘテロアリールアルキル
アセトアミドマロン酸ジエチル(C)を合成し、エステ
ルの加水分解、脱炭酸、脱アセチル化を、塩酸中、臭化
水素酸中等の酸性条件下で一挙に行うか、または一旦水
酸化ナトリウム等の塩基性条件下で、エステルの加水分
解を行い、のち酸性条件下で脱炭酸、脱アセチル化を行
うことにより、一般式(D)で示される型のアミノ酸を
合成することができる。
アミノ酸残基を含むことを特徴としているが、このアミ
ノ酸残基部分に相当するアミノ酸、またはその保護化さ
れた誘導体は、いずれも公知の方法により合成すること
ができる。そのいくつかを例示すれば次のとおりであ
る。次の反応式により、エタノール等の有機溶媒中で、
ナトリウムエトキサイド等の塩基の存在下に、アセトア
ミドマロン酸ジエチル(A)とヘテロアリールアルキル
ハライド(B)とを反応させ、ヘテロアリールアルキル
アセトアミドマロン酸ジエチル(C)を合成し、エステ
ルの加水分解、脱炭酸、脱アセチル化を、塩酸中、臭化
水素酸中等の酸性条件下で一挙に行うか、または一旦水
酸化ナトリウム等の塩基性条件下で、エステルの加水分
解を行い、のち酸性条件下で脱炭酸、脱アセチル化を行
うことにより、一般式(D)で示される型のアミノ酸を
合成することができる。
【0026】
【化13】
【0027】[ただし、式中nは整数1〜3を示し、A
は次式(3)
は次式(3)
【0028】
【化14】
【0029】(ただし、式中Rは水素原子、低級アルキ
ル基またはハロゲン原子を示す。)のいずれかで示され
るヘテロアリール基を示す。] また、次に示す反応式により、酢酸等の有機溶媒中アセ
トアミドアクリル酸(E)にピラゾール、トリアゾー
ル、インダゾール、ベンゾトリアゾール、あるいはそれ
らの置換誘導体(F)を共役付加させ、ヘテロアリール
アラニン、あるいはそれらの置換誘導体(G)を合成
し、これを塩酸中で加熱するなどして脱アセチル化を行
うことにより、一般式(H)で示される型のアミノ酸を
合成することができる。
ル基またはハロゲン原子を示す。)のいずれかで示され
るヘテロアリール基を示す。] また、次に示す反応式により、酢酸等の有機溶媒中アセ
トアミドアクリル酸(E)にピラゾール、トリアゾー
ル、インダゾール、ベンゾトリアゾール、あるいはそれ
らの置換誘導体(F)を共役付加させ、ヘテロアリール
アラニン、あるいはそれらの置換誘導体(G)を合成
し、これを塩酸中で加熱するなどして脱アセチル化を行
うことにより、一般式(H)で示される型のアミノ酸を
合成することができる。
【0030】
【化15】
【0031】[ただし、式中BHは、次式
【0032】
【化16】
【0033】(ただし、式中Rは水素原子、低級アルキ
ル基またはハロゲン原子を示す。)のうちのいずれかで
示されるヘテロ環化合物を示す。] また、N末端またはC末端保護体としてはBoc体、F
moc(9−フルオレニルメトキシカルボニル基)体、
各種エステル誘導体等が考えられるが、これらへの変換
は通常用いられている反応試材、反応条件により、問題
無く達成される。
ル基またはハロゲン原子を示す。)のうちのいずれかで
示されるヘテロ環化合物を示す。] また、N末端またはC末端保護体としてはBoc体、F
moc(9−フルオレニルメトキシカルボニル基)体、
各種エステル誘導体等が考えられるが、これらへの変換
は通常用いられている反応試材、反応条件により、問題
無く達成される。
【0034】この発明のペプチド誘導体は、液体クロマ
トグラフィー、カラムクロマトグラフィー、再結晶等の
公知の方法によって精製することができる。また、この
発明のペプチド誘導体の製造に使用する合成中間体、合
成原料等も同様の方法により精製することができる。ま
た、この発明のペプチド誘導体を構成する各アミノ酸残
基は、L体のみならずD体を含むものである。すなわ
ち、この発明のペプチド誘導体の抗真菌作用は、ペプチ
ドを構成するアミノ酸残基がL体であるか、またはD体
であるかには影響されない。
トグラフィー、カラムクロマトグラフィー、再結晶等の
公知の方法によって精製することができる。また、この
発明のペプチド誘導体の製造に使用する合成中間体、合
成原料等も同様の方法により精製することができる。ま
た、この発明のペプチド誘導体を構成する各アミノ酸残
基は、L体のみならずD体を含むものである。すなわ
ち、この発明のペプチド誘導体の抗真菌作用は、ペプチ
ドを構成するアミノ酸残基がL体であるか、またはD体
であるかには影響されない。
【0035】なお、後記の実施例では、ペプチド誘導体
は、ペプチド合成機を用いて、9−フルオレニルメトキ
シカルボニル基(Fmoc)を結合したアミノ酸を合成
原料として合成しているが、個々のFmocアミノ酸は
合成目的に応じて、L体、D体またはDL体のものを用
いているので、これらの区別を明示する必要がある場合
にはL、DまたはDLの記号をアミノ酸を示す記号の前
に記載している。
は、ペプチド合成機を用いて、9−フルオレニルメトキ
シカルボニル基(Fmoc)を結合したアミノ酸を合成
原料として合成しているが、個々のFmocアミノ酸は
合成目的に応じて、L体、D体またはDL体のものを用
いているので、これらの区別を明示する必要がある場合
にはL、DまたはDLの記号をアミノ酸を示す記号の前
に記載している。
【0036】また、不斉中心が1つあるアミノ酸残基を
もう1個結合している化合物に対してアミノ酸残基のD
Lとしての表示を使用するのは本来適切ではないが、原
料として用いた個々のFmocアミノ酸に対応して得ら
れる実施例のペプチド誘導体について、これを特定表示
する手段として、例えば、次式に例示するとおり表示す
る。
もう1個結合している化合物に対してアミノ酸残基のD
Lとしての表示を使用するのは本来適切ではないが、原
料として用いた個々のFmocアミノ酸に対応して得ら
れる実施例のペプチド誘導体について、これを特定表示
する手段として、例えば、次式に例示するとおり表示す
る。
【0037】
【化17】
【0038】この例の場合は、Xaa部分についてはD
L体のFmocアミノ酸を、他の5つのアミノ酸残基相
当部分についてはD体のFmocアミノ酸を用いて合成
されたペプチド誘導体であることを示し、このペプチド
誘導体は、具体的には、次式に示す2つのペプチド誘導
体の等量混合物である。
L体のFmocアミノ酸を、他の5つのアミノ酸残基相
当部分についてはD体のFmocアミノ酸を用いて合成
されたペプチド誘導体であることを示し、このペプチド
誘導体は、具体的には、次式に示す2つのペプチド誘導
体の等量混合物である。
【0039】
【化18】
【0040】この発明のペプチド誘導体は、非天然型の
アミノ酸残基を含有することを特徴としているが、これ
らのアミノ酸残基は形式的には天然型アミノ酸残基の一
つであるアラニンの側鎖末端原子上の水素原子が含窒素
ヘテロアリール基で置換されたものと考えることができ
るので、例えば、次式にそれぞれ例示するとおりの略記
法を用いて表示する。
アミノ酸残基を含有することを特徴としているが、これ
らのアミノ酸残基は形式的には天然型アミノ酸残基の一
つであるアラニンの側鎖末端原子上の水素原子が含窒素
ヘテロアリール基で置換されたものと考えることができ
るので、例えば、次式にそれぞれ例示するとおりの略記
法を用いて表示する。
【0041】
【化19】
【0042】(ただし、式中Rは水素原子、低級アルキ
ル基またはハロゲン原子を示す。) また、これらの具体的な構造式を例示すれば、各々、次
式のとおりである。
ル基またはハロゲン原子を示す。) また、これらの具体的な構造式を例示すれば、各々、次
式のとおりである。
【0043】
【化20】
【0044】(ただし、式中Rは水素原子、低級アルキ
ル基またはハロゲン原子を示す。) なお、上記のアミノ酸残基の中で、アラニンの側鎖末端
原子上の水素原子がイミダゾール−4−イル基で置換さ
れたもので、置換基Rが水素原子であるものは、天然に
産するアミノ酸の1つであるヒスチジン残基であり、通
常Hisで表示されるが、便宜上、次式に示すとおり表
示する。
ル基またはハロゲン原子を示す。) なお、上記のアミノ酸残基の中で、アラニンの側鎖末端
原子上の水素原子がイミダゾール−4−イル基で置換さ
れたもので、置換基Rが水素原子であるものは、天然に
産するアミノ酸の1つであるヒスチジン残基であり、通
常Hisで表示されるが、便宜上、次式に示すとおり表
示する。
【0045】
【化21】
【0046】この発明のペプチド誘導体の薬理学的に許
容される塩類についてさらに説明すると、無毒性の塩、
例えば、酸付加塩または金属錯体、例えば亜鉛、鉄、カ
ルシウム、マグネシウムもしくはアルミニウム等の錯体
である。酸付加塩としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫
酸塩、リン酸塩、タンニン酸塩、シュウ酸塩、フマール
酸塩、グルコン酸塩、アルギン酸塩、マレイン酸塩、酢
酸塩、トリフルオロ酢酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、
コハク酸塩、リンゴ酸塩、アスコルビン酸塩、酒石酸塩
等を例示することができる。さらに、カルボン酸塩、例
えばアルカリ金属とのナトリウム塩、カリウム塩等、ア
ルカリ土類金属とのカルシウム塩、マグネシウム塩等、
アンモニウム塩であってもよい。
容される塩類についてさらに説明すると、無毒性の塩、
例えば、酸付加塩または金属錯体、例えば亜鉛、鉄、カ
ルシウム、マグネシウムもしくはアルミニウム等の錯体
である。酸付加塩としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫
酸塩、リン酸塩、タンニン酸塩、シュウ酸塩、フマール
酸塩、グルコン酸塩、アルギン酸塩、マレイン酸塩、酢
酸塩、トリフルオロ酢酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、
コハク酸塩、リンゴ酸塩、アスコルビン酸塩、酒石酸塩
等を例示することができる。さらに、カルボン酸塩、例
えばアルカリ金属とのナトリウム塩、カリウム塩等、ア
ルカリ土類金属とのカルシウム塩、マグネシウム塩等、
アンモニウム塩であってもよい。
【0047】次にこの発明の第2の発明に係る抗真菌剤
について説明する。この発明の抗真菌剤は、前記のペプ
チド誘導体およびそれらの薬理学的に許容される塩類か
らなる群より選択された任意の1種の化合物または2種
以上の混合物を有効成分として含有している。また、こ
の発明の抗真菌剤は、前記の有効成分の他に、公知の抗
真菌剤を含有させることも可能である。
について説明する。この発明の抗真菌剤は、前記のペプ
チド誘導体およびそれらの薬理学的に許容される塩類か
らなる群より選択された任意の1種の化合物または2種
以上の混合物を有効成分として含有している。また、こ
の発明の抗真菌剤は、前記の有効成分の他に、公知の抗
真菌剤を含有させることも可能である。
【0048】この発明の抗真菌剤は、常法により例え
ば、軟膏、ゲル、ペースト、クリーム、噴霧剤、懸濁
剤、乳剤、シロップ剤、錠剤、糖剤、カプセル剤、粒
剤、粉剤等として加工することもできる。この発明の抗
真菌剤の投与量は、治療対象、症状、年齢等により異な
るが、好適には通常1回につき、約0.1〜50mgを
1日1〜3回程度投与する。表在性真菌症を対象とする
場合には、0.01〜5%(重量。以下特に断りのない
限り同じ。)含有軟膏として1日1〜3回程度局所に塗
布することもできる。
ば、軟膏、ゲル、ペースト、クリーム、噴霧剤、懸濁
剤、乳剤、シロップ剤、錠剤、糖剤、カプセル剤、粒
剤、粉剤等として加工することもできる。この発明の抗
真菌剤の投与量は、治療対象、症状、年齢等により異な
るが、好適には通常1回につき、約0.1〜50mgを
1日1〜3回程度投与する。表在性真菌症を対象とする
場合には、0.01〜5%(重量。以下特に断りのない
限り同じ。)含有軟膏として1日1〜3回程度局所に塗
布することもできる。
【0049】なお、この出願の明細書においては、抗菌
活性(抗菌剤)と、抗真菌活性(抗真菌剤)の意味を区
別して使用している。次に、試験例を示し、この発明の
抗真菌性ペプチド誘導体の作用効果についてさらに詳し
く説明する。 試験例1 この試験は、この発明のペプチド誘導体の真菌に対する
感受性を調べるために行った。 (1)試験菌株 試験菌株として次の4菌株を使用した。
活性(抗菌剤)と、抗真菌活性(抗真菌剤)の意味を区
別して使用している。次に、試験例を示し、この発明の
抗真菌性ペプチド誘導体の作用効果についてさらに詳し
く説明する。 試験例1 この試験は、この発明のペプチド誘導体の真菌に対する
感受性を調べるために行った。 (1)試験菌株 試験菌株として次の4菌株を使用した。
【0050】 Candida albicans ATCC 90028 Candida tropicalis ATCC 750 Candida parapsilosis ATCC 90018 Candida glabrata ATCC 90030 なお、これらの菌株は、いずれもアメリカン・タイプ・
カルチャー・コレクション(ATCC)から容易に入手
することができる。 (2)試験方法 1)培地の調製 バクト・ペプトン(ディフコ社製)2gおよびD−グル
コース(和光純薬工業社製)4gを注射用蒸留水(大塚
製薬工場社製)に溶解して全量を200mlに調整し、
121℃で15分間オートクレーブ滅菌し、使用するま
で4℃に保存した。 2)被検物質の調製 実施例1ないし実施例8と同一の方法により製造したこ
の発明のペプチド誘導体、ならびに比較例1および比較
例2と同一の方法により製造した化合物は、全て注射用
蒸留水(以下、蒸留水と略記する。)に溶解し、1mg
/ml濃度の溶液を調製し、これを基準液とした。この
基準液は使用するまで−20℃以下で凍結して保存し
た。 3)陽性対照薬の調製 陽性対照薬として用いたアンホテリシンB(シグマ社
製)、ミコナゾール(シグマ社製)、およびフルコナゾ
ール(ファイザー社製。ジフルカンカプセルの内容物を
エタノール抽出し、その減圧濃縮残渣を酢酸エチル−ヘ
キサンから再結晶して得た)は、ジメチルスルホキシド
(シグマ社製;細胞培養用に溶解し、10mg/ml濃
度の溶液を調製し、これを保存液とした。この保存液は
使用するまで−20℃以下で凍結して保存し、使用時に
蒸留水で10倍希釈(1mg/ml)し、これを基準液
とした。 4)接種菌液の調製 培養液中の菌数の算定 スラントからの一かきを前記培地(2ml)に接種し、
35℃で19時間培養し、分光光度計を用いて、波長6
60nmのOD値を測定した。一方、培地の一部(50
μl)を新しい前記培地(5ml)に植え継ぎ、35℃
で6時間培養し、菌液のOD値と生菌数の測定を行っ
た。生菌数の測定は、菌液を103 、104 、105 お
よび106 倍希釈し、各々の0.1mlをSDA寒天培
地に塗抹して培養し、翌日出現したコロニー数を測定
し、OD値/菌数濃度の検量線を求め、菌液1ml当た
りの菌数を算出した。
カルチャー・コレクション(ATCC)から容易に入手
することができる。 (2)試験方法 1)培地の調製 バクト・ペプトン(ディフコ社製)2gおよびD−グル
コース(和光純薬工業社製)4gを注射用蒸留水(大塚
製薬工場社製)に溶解して全量を200mlに調整し、
121℃で15分間オートクレーブ滅菌し、使用するま
で4℃に保存した。 2)被検物質の調製 実施例1ないし実施例8と同一の方法により製造したこ
の発明のペプチド誘導体、ならびに比較例1および比較
例2と同一の方法により製造した化合物は、全て注射用
蒸留水(以下、蒸留水と略記する。)に溶解し、1mg
/ml濃度の溶液を調製し、これを基準液とした。この
基準液は使用するまで−20℃以下で凍結して保存し
た。 3)陽性対照薬の調製 陽性対照薬として用いたアンホテリシンB(シグマ社
製)、ミコナゾール(シグマ社製)、およびフルコナゾ
ール(ファイザー社製。ジフルカンカプセルの内容物を
エタノール抽出し、その減圧濃縮残渣を酢酸エチル−ヘ
キサンから再結晶して得た)は、ジメチルスルホキシド
(シグマ社製;細胞培養用に溶解し、10mg/ml濃
度の溶液を調製し、これを保存液とした。この保存液は
使用するまで−20℃以下で凍結して保存し、使用時に
蒸留水で10倍希釈(1mg/ml)し、これを基準液
とした。 4)接種菌液の調製 培養液中の菌数の算定 スラントからの一かきを前記培地(2ml)に接種し、
35℃で19時間培養し、分光光度計を用いて、波長6
60nmのOD値を測定した。一方、培地の一部(50
μl)を新しい前記培地(5ml)に植え継ぎ、35℃
で6時間培養し、菌液のOD値と生菌数の測定を行っ
た。生菌数の測定は、菌液を103 、104 、105 お
よび106 倍希釈し、各々の0.1mlをSDA寒天培
地に塗抹して培養し、翌日出現したコロニー数を測定
し、OD値/菌数濃度の検量線を求め、菌液1ml当た
りの菌数を算出した。
【0051】接種菌液の調製 スラントからの一かきを前記培地(2ml)に接種し、
35℃にて19時間培養し、その一部を無菌的に採取
し、分光光度計で波長660nmのOD値を測定した
(OD値が約1.0で、菌数は約1×107 個/mlで
あった。)。
35℃にて19時間培養し、その一部を無菌的に採取
し、分光光度計で波長660nmのOD値を測定した
(OD値が約1.0で、菌数は約1×107 個/mlで
あった。)。
【0052】この菌液の1/100量の菌液を、新しい
前記培地(10〜15ml)に接種し、35℃にて6時
間培養し、波長660nmのOD値を測定した結果、
0.1〜0.2で、菌数が約1×106 個/mlと算定
された。この培養物を前記培地を用いて初め50倍希
釈、次いで10倍希釈して接種菌液(2×103 個/m
l)を調製した。調製後15分以内に使用できない場合
は、4℃で保存し、2時間以内に使用した。 5)薬剤希釈液の調製 培地を96穴平底マイクロプレートに、マルチピペッ
トを用いて、1列目には160μlを、2列目から10
列目までは100μlずつ分注した。11列目の上4段
(発育対照)には100μlずつ、また下4段(陰性対
照)には200μlずつ分注した。
前記培地(10〜15ml)に接種し、35℃にて6時
間培養し、波長660nmのOD値を測定した結果、
0.1〜0.2で、菌数が約1×106 個/mlと算定
された。この培養物を前記培地を用いて初め50倍希
釈、次いで10倍希釈して接種菌液(2×103 個/m
l)を調製した。調製後15分以内に使用できない場合
は、4℃で保存し、2時間以内に使用した。 5)薬剤希釈液の調製 培地を96穴平底マイクロプレートに、マルチピペッ
トを用いて、1列目には160μlを、2列目から10
列目までは100μlずつ分注した。11列目の上4段
(発育対照)には100μlずつ、また下4段(陰性対
照)には200μlずつ分注した。
【0053】前記2)および3)において調製した被
検物質および対照薬物の希釈液(濃度:1mg/ml)
40μlを1列目に添加して混合し、そのうち100μ
lを2列目に添加した。この操作を順次10列目まで実
施して2倍系列希釈した。なお、最後の10列目は10
0μlを分取して廃棄した。 6)菌接種と培養 前記4)において調製した接種菌液を1列目から10列
目および11列目上4段の全穴に100μlずつ分注
し、35℃で2日間培養した。 7)判定 終末点は、マイクロプレートビュアーで肉眼的に発育が
完全阻止されている濃度を最小生育阻止濃度(以下、M
IC値と記載する。)とした。 (2)試験結果 この試験の結果は表1に示すとおりである。表中の各実
施例と同一の方法により製造された試料はこの発明のペ
プチド誘導体であり、比較例と同一の方法により製造さ
れた試料は前記のウシラクトフェリンを構成するアミノ
酸配列のうちの特定の6アミノ酸残基(Arg−Arg
−Trp−Gln−Trp−Arg)と同一のアミノ酸
配列を有し、C末端がアミド化された誘導体であり、か
つ抗菌作用または抗真菌作用を有するペプチド誘導体と
して公知の化合物である。
検物質および対照薬物の希釈液(濃度:1mg/ml)
40μlを1列目に添加して混合し、そのうち100μ
lを2列目に添加した。この操作を順次10列目まで実
施して2倍系列希釈した。なお、最後の10列目は10
0μlを分取して廃棄した。 6)菌接種と培養 前記4)において調製した接種菌液を1列目から10列
目および11列目上4段の全穴に100μlずつ分注
し、35℃で2日間培養した。 7)判定 終末点は、マイクロプレートビュアーで肉眼的に発育が
完全阻止されている濃度を最小生育阻止濃度(以下、M
IC値と記載する。)とした。 (2)試験結果 この試験の結果は表1に示すとおりである。表中の各実
施例と同一の方法により製造された試料はこの発明のペ
プチド誘導体であり、比較例と同一の方法により製造さ
れた試料は前記のウシラクトフェリンを構成するアミノ
酸配列のうちの特定の6アミノ酸残基(Arg−Arg
−Trp−Gln−Trp−Arg)と同一のアミノ酸
配列を有し、C末端がアミド化された誘導体であり、か
つ抗菌作用または抗真菌作用を有するペプチド誘導体と
して公知の化合物である。
【0054】比較例1の化合物は6つのアミノ酸残基が
すべてL体のものからなっており、LArg-LArg-LTrp-LGl
n-LTrp-LArg-NH2で示される化合物である。比較例2の
化合物は前記比較例1の鏡像体であり、6つのアミノ酸
残基がすべてD体のものからなり、DArg- DArg-DTrp-DG
ln-DTrp-DArg-NH2で示される化合物である。
すべてL体のものからなっており、LArg-LArg-LTrp-LGl
n-LTrp-LArg-NH2で示される化合物である。比較例2の
化合物は前記比較例1の鏡像体であり、6つのアミノ酸
残基がすべてD体のものからなり、DArg- DArg-DTrp-DG
ln-DTrp-DArg-NH2で示される化合物である。
【0055】比較例1の化合物および比較例2の化合物
の抗真菌作用の差、すなわち、L体およびD体間での差
は、いずれの真菌に対しても認められなかった。Candid
a albicans ATCC 90028 に対しては、比較例の化合物
は、いずれもMIC値が12.5μg/mlであった。
これに対して、この発明のペプチド誘導体は、実施例2
の化合物のMIC値が25μg/mlであったのを除い
て、全て12.5μg/mlであり、比較例の化合物と
同等の抗真菌作用が認められた。
の抗真菌作用の差、すなわち、L体およびD体間での差
は、いずれの真菌に対しても認められなかった。Candid
a albicans ATCC 90028 に対しては、比較例の化合物
は、いずれもMIC値が12.5μg/mlであった。
これに対して、この発明のペプチド誘導体は、実施例2
の化合物のMIC値が25μg/mlであったのを除い
て、全て12.5μg/mlであり、比較例の化合物と
同等の抗真菌作用が認められた。
【0056】Candida tropicalis ATCC 750 に対して
は、比較例の化合物は、いずれもMIC値が3.13μ
g/mlであった。これに対して、この発明のペプチド
誘導体は、実施例2、実施例3および実施例8の化合物
のMIC値が、比較例の化合物と同じ3.13μg/m
lであったのを除いて、全て1.56μg/mlであ
り、比較例の化合物に比べて倍の抗真菌作用が認められ
た。
は、比較例の化合物は、いずれもMIC値が3.13μ
g/mlであった。これに対して、この発明のペプチド
誘導体は、実施例2、実施例3および実施例8の化合物
のMIC値が、比較例の化合物と同じ3.13μg/m
lであったのを除いて、全て1.56μg/mlであ
り、比較例の化合物に比べて倍の抗真菌作用が認められ
た。
【0057】Candida parapsilosis ATCC 90018 に対し
ては、比較例の化合物は、いずれもMIC値が50μg
/mlであった。これに対して、この発明のペプチド誘
導体は、いずれもMIC値が12.5〜25μg/ml
であり、比較例の化合物に比べて2倍〜4倍の抗真菌作
用が認められた。Candida glabrata ATCC 90030 に対し
ては、比較例の化合物は、いずれもMIC値が50μg
/mlであった。これに対して、この発明のペプチド誘
導体は、実施例2の化合物のMIC値が100μg/m
lであったのを除いて、全て25〜50μg/mlであ
り、比較例の化合物に比べて同等ないし2倍の抗真菌作
用が認められた。
ては、比較例の化合物は、いずれもMIC値が50μg
/mlであった。これに対して、この発明のペプチド誘
導体は、いずれもMIC値が12.5〜25μg/ml
であり、比較例の化合物に比べて2倍〜4倍の抗真菌作
用が認められた。Candida glabrata ATCC 90030 に対し
ては、比較例の化合物は、いずれもMIC値が50μg
/mlであった。これに対して、この発明のペプチド誘
導体は、実施例2の化合物のMIC値が100μg/m
lであったのを除いて、全て25〜50μg/mlであ
り、比較例の化合物に比べて同等ないし2倍の抗真菌作
用が認められた。
【0058】この試験結果から明らかなとおり、総じて
この発明のペプチド誘導体にはいずれも公知のペプチド
類を上回る抗真菌作用が認められた。なお、他のペプチ
ド誘導体についても同様の試験を実施したが、ほぼ同等
の結果が得られた。
この発明のペプチド誘導体にはいずれも公知のペプチド
類を上回る抗真菌作用が認められた。なお、他のペプチ
ド誘導体についても同様の試験を実施したが、ほぼ同等
の結果が得られた。
【0059】
【表1】
【0060】試験例2 この試験は、この発明のペプチド誘導体の急性毒性を調
べる目的で行った。 (1)試験動物 4週齢のddY系雄性マウス(日本SLCより購入)を
1週間以上馴化し、のち4群(1群5匹)に分けて使用
した。 (2)試験方法 実施例1と同一の方法により製造したこの発明のペプチ
ド誘導体を体重1kg当り100mgまたは500mg
の割合で注射用水(大塚製薬社製)に溶解し、単回強制
経口投与し、急性毒性を試験した。 (3)試験結果 100mg/kg体重、および500mg/kg体重の
割合で投与した群に死亡例は認められなかった。従っ
て、この発明のペプチド誘導体のLD50値は500mg
/kg体重以上であり、毒性は極めて低いことが判明し
た。なお、他のペプチド誘導体についても同様の試験を
行ったが、ほぼ同様の結果が得られた。
べる目的で行った。 (1)試験動物 4週齢のddY系雄性マウス(日本SLCより購入)を
1週間以上馴化し、のち4群(1群5匹)に分けて使用
した。 (2)試験方法 実施例1と同一の方法により製造したこの発明のペプチ
ド誘導体を体重1kg当り100mgまたは500mg
の割合で注射用水(大塚製薬社製)に溶解し、単回強制
経口投与し、急性毒性を試験した。 (3)試験結果 100mg/kg体重、および500mg/kg体重の
割合で投与した群に死亡例は認められなかった。従っ
て、この発明のペプチド誘導体のLD50値は500mg
/kg体重以上であり、毒性は極めて低いことが判明し
た。なお、他のペプチド誘導体についても同様の試験を
行ったが、ほぼ同様の結果が得られた。
【0061】次に、実施例を示してこの発明をさらに詳
細かつ具体的に説明するが、この発明は以下の実施例に
限定されるものではない。
細かつ具体的に説明するが、この発明は以下の実施例に
限定されるものではない。
【0062】
実施例1 ペプチド合成装置(パーキン・エルマー社アプライド・
バイオシステムズ事業部製。433A型。以下、PE社
製と略記する)を使用し、同装置の使用説明書およびシ
ェパード等による固相ペプチド合成法[ジャーナル・オ
ブ・ケミカル・ソサイエティー・パーキンI(Journal
of Chemical Society Perkin I)、第538 ページ、19
81年]に基づいて次のようにして合成した。
バイオシステムズ事業部製。433A型。以下、PE社
製と略記する)を使用し、同装置の使用説明書およびシ
ェパード等による固相ペプチド合成法[ジャーナル・オ
ブ・ケミカル・ソサイエティー・パーキンI(Journal
of Chemical Society Perkin I)、第538 ページ、19
81年]に基づいて次のようにして合成した。
【0063】まず、C末端アミドペプチド合成用固相樹
脂であるFmocアミドレジン(PE社製)397mg
(0.25mmol)を用いて、前記ペプチド合成装置
の合成プログラムにより脱保護基反応および縮合反応を
反復してペプチド鎖を延長した。つまり、最初に20%
ピペリジン含有N−メチルピロリドン(PE社製。以
下、N−メチルピロリドンをNMPと略記する。)によ
り、前記固相樹脂のアミノ基の保護基であるFmocを
切断除去し、NMPで洗浄した。次いで、Fmocアミ
ノ酸[Fmoc-D-Arg(Pmc)-OH(渡辺化学工業社製)]をFa
stMoc (登録商標)リージェントキット(PE社製)を
用いて縮合させ、NMPで洗浄した。以下、前記Fmo
c基の切断からFmocアミノ酸の縮合洗浄までの操作
を反復した。
脂であるFmocアミドレジン(PE社製)397mg
(0.25mmol)を用いて、前記ペプチド合成装置
の合成プログラムにより脱保護基反応および縮合反応を
反復してペプチド鎖を延長した。つまり、最初に20%
ピペリジン含有N−メチルピロリドン(PE社製。以
下、N−メチルピロリドンをNMPと略記する。)によ
り、前記固相樹脂のアミノ基の保護基であるFmocを
切断除去し、NMPで洗浄した。次いで、Fmocアミ
ノ酸[Fmoc-D-Arg(Pmc)-OH(渡辺化学工業社製)]をFa
stMoc (登録商標)リージェントキット(PE社製)を
用いて縮合させ、NMPで洗浄した。以下、前記Fmo
c基の切断からFmocアミノ酸の縮合洗浄までの操作
を反復した。
【0064】ただし、次工程以降、Fmocアミノ酸は
工程順に、Fmoc-D-Trp(Boc)-OH(渡辺化学工業社製)、
Fmoc-DL-Ala(Pyrazol-1-yl)-OH(後記参考例2と同一の
方法により合成)、Fmoc-D-Trp(Boc)-OH(渡辺化学工業
社製)およびFmoc-D-Arg(Pmc)-OH(渡辺化学工業社製)
を用いた。いずれのFmocアミノ酸も1.0mmol
に相当する量を専用カートリッジに詰めて使用した。縮
合反応の条件および脱保護条件は、同装置に付随するフ
ィードバックモニタリングシステムにより自動的に制御
させた。ペプチド鎖の伸張反応が全て終了した後、20
%ピペリジン含有NMPによりN末端のFmoc基を切
断し、NMPおよびジクロロメタン(PE社製)で洗浄
し、真空乾燥し、保護ペプチド樹脂781mg(収率9
9%)を得た。
工程順に、Fmoc-D-Trp(Boc)-OH(渡辺化学工業社製)、
Fmoc-DL-Ala(Pyrazol-1-yl)-OH(後記参考例2と同一の
方法により合成)、Fmoc-D-Trp(Boc)-OH(渡辺化学工業
社製)およびFmoc-D-Arg(Pmc)-OH(渡辺化学工業社製)
を用いた。いずれのFmocアミノ酸も1.0mmol
に相当する量を専用カートリッジに詰めて使用した。縮
合反応の条件および脱保護条件は、同装置に付随するフ
ィードバックモニタリングシステムにより自動的に制御
させた。ペプチド鎖の伸張反応が全て終了した後、20
%ピペリジン含有NMPによりN末端のFmoc基を切
断し、NMPおよびジクロロメタン(PE社製)で洗浄
し、真空乾燥し、保護ペプチド樹脂781mg(収率9
9%)を得た。
【0065】前記保護ペプチド樹脂336mg(0.1
mmol)にエタンジチオール(渡辺化学工業社製)
1.2ml、メタクレゾール(渡辺化学工業社製)0.
4mlおよびチオアニソール(渡辺化学工業社製)2.
4mlを、室温でアルゴン気流下15分間撹拌し、氷冷
し、更に10分間撹拌した。これにトリフルオロ酢酸
(渡辺化学工業社製)15mlを添加し、10分間撹拌
し、トリメチルシリルブロミド(渡辺化学工業社製)
2.7mlを添加して50分間撹拌した。のちグラスフ
ィルターで樹脂を濾別し、濾液を手早く減圧濃縮した。
残渣にあらかじめ冷却した無水ジエチルエーテル(国産
化学製)を添加し、ペプチドを白色粉末化した。
mmol)にエタンジチオール(渡辺化学工業社製)
1.2ml、メタクレゾール(渡辺化学工業社製)0.
4mlおよびチオアニソール(渡辺化学工業社製)2.
4mlを、室温でアルゴン気流下15分間撹拌し、氷冷
し、更に10分間撹拌した。これにトリフルオロ酢酸
(渡辺化学工業社製)15mlを添加し、10分間撹拌
し、トリメチルシリルブロミド(渡辺化学工業社製)
2.7mlを添加して50分間撹拌した。のちグラスフ
ィルターで樹脂を濾別し、濾液を手早く減圧濃縮した。
残渣にあらかじめ冷却した無水ジエチルエーテル(国産
化学製)を添加し、ペプチドを白色粉末化した。
【0066】次いで遠沈管に移し、遠心分離(2500
rpm、10分間)し、上清を廃棄し、冷ジエチルエー
テルを新たに添加し、充分撹拌して再び遠心分離する操
作を4回反復した。のち、ペプチド沈殿物を真空乾燥
し、水に溶解して凍結乾燥し、目的とする粗製ペプチド
誘導体約42mgを得た。前記粗製ペプチド誘導体の全
量を水に溶解し、遠心分離(15000rpm、5分
間)し、上清を0.45μmフィルターで濾過し、次の
条件により高速液体クロマトグラフィーにより精製し
た。カラムは、逆相系の Lichrospher 100 RP-18(e) 2
50×10mm(メルク社製)を用い、溶離液は0.1
%TFA/水をA液、80%アセトニトリル/A液をB
液として、A液からB液への濃度直線勾配により溶出し
た。クロマトグラムのピークは、アミノ酸ブロックとし
て一箇所のみDL体を用いたことに由来する2つの立体
異性体の混合物であることを反映して、2つのピークか
ら成っていたが、この2つを分離することは困難であっ
たので、合わせて分取し、再度凍結乾燥し、次式
rpm、10分間)し、上清を廃棄し、冷ジエチルエー
テルを新たに添加し、充分撹拌して再び遠心分離する操
作を4回反復した。のち、ペプチド沈殿物を真空乾燥
し、水に溶解して凍結乾燥し、目的とする粗製ペプチド
誘導体約42mgを得た。前記粗製ペプチド誘導体の全
量を水に溶解し、遠心分離(15000rpm、5分
間)し、上清を0.45μmフィルターで濾過し、次の
条件により高速液体クロマトグラフィーにより精製し
た。カラムは、逆相系の Lichrospher 100 RP-18(e) 2
50×10mm(メルク社製)を用い、溶離液は0.1
%TFA/水をA液、80%アセトニトリル/A液をB
液として、A液からB液への濃度直線勾配により溶出し
た。クロマトグラムのピークは、アミノ酸ブロックとし
て一箇所のみDL体を用いたことに由来する2つの立体
異性体の混合物であることを反映して、2つのピークか
ら成っていたが、この2つを分離することは困難であっ
たので、合わせて分取し、再度凍結乾燥し、次式
【0067】
【化22】
【0068】により示される白色粉末のこの発明のペプ
チド誘導体約21.0mg(収率約21%)を得た。 実施例2 Fmoc-DL-Ala(Pyrazol-1-yl)-OHの代わりに、後記の参考
例4と同一の方法により製造したFmoc-DL-Ala(1H-1,2,4
-Triazol-1-yl)-OH 378mg(1.0mmol)を用
いたことを除き、実施例1と同一の方法により、次式
チド誘導体約21.0mg(収率約21%)を得た。 実施例2 Fmoc-DL-Ala(Pyrazol-1-yl)-OHの代わりに、後記の参考
例4と同一の方法により製造したFmoc-DL-Ala(1H-1,2,4
-Triazol-1-yl)-OH 378mg(1.0mmol)を用
いたことを除き、実施例1と同一の方法により、次式
【0069】
【化23】
【0070】により示される白色粉末状のこの発明のペ
プチド誘導体約25.0mg(収率約25%)を得た。 実施例3 Fmoc-DL-Ala(Pyrazol-1-yl)-OHの代わりに、後記参考例
6と同一の方法により製造したFmoc-DL-Ala(1H-1,2,3-T
riazol-1-yl)-OH 378mg(1.0mmol)を用い
たことを除き、実施例1と同一の方法により、次式
プチド誘導体約25.0mg(収率約25%)を得た。 実施例3 Fmoc-DL-Ala(Pyrazol-1-yl)-OHの代わりに、後記参考例
6と同一の方法により製造したFmoc-DL-Ala(1H-1,2,3-T
riazol-1-yl)-OH 378mg(1.0mmol)を用い
たことを除き、実施例1と同一の方法により、次式
【0071】
【化24】
【0072】により示される白色粉末状のこの発明のペ
プチド誘導体約21.6mg(収率約22%)を得た。 実施例4 Fmoc-DL-Ala(Pyrazol-1-yl)-OHの代わりに、後記参考例
8と同一の方法により製造したFmoc-DL-Ala(3Me-Pyrazo
l-1-yl)-OHおよびFmoc-DL-Ala(5Me-Pyrazol-1-yl)-OHの
混合物391mg(1.0mmol)を用いたことを除
き、実施例1と同一の方法により、次式
プチド誘導体約21.6mg(収率約22%)を得た。 実施例4 Fmoc-DL-Ala(Pyrazol-1-yl)-OHの代わりに、後記参考例
8と同一の方法により製造したFmoc-DL-Ala(3Me-Pyrazo
l-1-yl)-OHおよびFmoc-DL-Ala(5Me-Pyrazol-1-yl)-OHの
混合物391mg(1.0mmol)を用いたことを除
き、実施例1と同一の方法により、次式
【0073】
【化25】
【0074】により示される白色粉末状のこの発明のペ
プチド誘導体約31.0mg(収率約31%)を得た。 実施例5 Fmoc-DL-Ala(Pyrazol-1-yl)-OHの代わりに、後記参考例
10と同一の方法により製造したFmoc-DL-Ala(4Me-Pyra
zol-1-yl)-OH391mg(1.0mmol)を用いたこ
とを除き、実施例1と同一の方法により、次式
プチド誘導体約31.0mg(収率約31%)を得た。 実施例5 Fmoc-DL-Ala(Pyrazol-1-yl)-OHの代わりに、後記参考例
10と同一の方法により製造したFmoc-DL-Ala(4Me-Pyra
zol-1-yl)-OH391mg(1.0mmol)を用いたこ
とを除き、実施例1と同一の方法により、次式
【0075】
【化26】
【0076】により示される白色粉末状のこの発明のペ
プチド誘導体約28.0mg(収率約28%)を得た。 実施例6 Fmoc-DL-Ala(Pyrazo-1-yl)-OH の代わりに、後記参考例
12と同一の方法により製造したFmoc-DL-Ala(4Br-Pyra
zol-1-yl)-OH456mg(1.0mmol)を用いたこ
とを除き、実施例1と同一の方法により、次式
プチド誘導体約28.0mg(収率約28%)を得た。 実施例6 Fmoc-DL-Ala(Pyrazo-1-yl)-OH の代わりに、後記参考例
12と同一の方法により製造したFmoc-DL-Ala(4Br-Pyra
zol-1-yl)-OH456mg(1.0mmol)を用いたこ
とを除き、実施例1と同一の方法により、次式
【0077】
【化27】
【0078】により示される白色粉末状のこの発明のペ
プチド誘導体約23.0mg(収率約21%)を得た。 実施例7 Fmoc-DL-Ala(Pyrazol-1-yl)-OHの代わりに、後記参考例
14と同一の方法により製造したFmoc-DL-Ala(Benzotri
azol-1-yl)-OH 428mg(1.0mmol)を用いた
ことを除き、実施例1と同一の方法により、次式
プチド誘導体約23.0mg(収率約21%)を得た。 実施例7 Fmoc-DL-Ala(Pyrazol-1-yl)-OHの代わりに、後記参考例
14と同一の方法により製造したFmoc-DL-Ala(Benzotri
azol-1-yl)-OH 428mg(1.0mmol)を用いた
ことを除き、実施例1と同一の方法により、次式
【0079】
【化28】
【0080】により示される白色粉末状のこの発明のペ
プチド誘導体約22.4mg(収率約21%)を得た。 実施例8 Fmoc-DL-Ala(Pyrazol-1-yl)-OHの代わりに、Fmoc-D-His
(Trt)-OH(アドバンストケムテック社製)620mg
(1.0mmol)を用いたことを除き、実施例1と同
一の方法により、次式
プチド誘導体約22.4mg(収率約21%)を得た。 実施例8 Fmoc-DL-Ala(Pyrazol-1-yl)-OHの代わりに、Fmoc-D-His
(Trt)-OH(アドバンストケムテック社製)620mg
(1.0mmol)を用いたことを除き、実施例1と同
一の方法により、次式
【0081】
【化29】
【0082】により示される白色粉末状のこの発明のペ
プチド誘導体約22.7mg(収率約23%)を得た。 実施例9 実施例1と同一の方法により得たペプチド誘導体約10
mgを、0.02mol/lの塩酸5mlに溶解させ、
さらに水で20mlに希釈し、そのまま凍結乾燥し、白
色粉末状の実施例1の化合物の塩酸塩約10mg得た。 実施例10 実施例2と同一の方法により得たペプチド誘導体約10
mgを、0.02mol/lの塩酸5mlに溶解し、さ
らに水で20mlに希釈し、そのまま凍結乾燥し、白色
粉末状の実施例2の化合物の塩酸塩を約10mg得た。 実施例11 常法により、次の組成の錠剤を製造した。
プチド誘導体約22.7mg(収率約23%)を得た。 実施例9 実施例1と同一の方法により得たペプチド誘導体約10
mgを、0.02mol/lの塩酸5mlに溶解させ、
さらに水で20mlに希釈し、そのまま凍結乾燥し、白
色粉末状の実施例1の化合物の塩酸塩約10mg得た。 実施例10 実施例2と同一の方法により得たペプチド誘導体約10
mgを、0.02mol/lの塩酸5mlに溶解し、さ
らに水で20mlに希釈し、そのまま凍結乾燥し、白色
粉末状の実施例2の化合物の塩酸塩を約10mg得た。 実施例11 常法により、次の組成の錠剤を製造した。
【0083】 乳糖(和光純薬工業社製) 78.2(%) 実施例1と同一の方法により得たペプチド誘導体 1.2 ステアリン酸マグネシウム(和光純薬工業社製) 20.0 実施例12 常法により、次の組成の注射剤を製造した。実施例1と
同一の方法により製造したペプチド誘導体を生理食塩水
(大塚製薬社製)に6.0mg/mlの割合で溶解し、
滅菌濾過フィルターにより濾過し、注射剤を製造した。 実施例13 常法により、次の組成の軟膏を製造した。なお、ペプチ
ド誘導体を除き、全て市販品を使用した。
同一の方法により製造したペプチド誘導体を生理食塩水
(大塚製薬社製)に6.0mg/mlの割合で溶解し、
滅菌濾過フィルターにより濾過し、注射剤を製造した。 実施例13 常法により、次の組成の軟膏を製造した。なお、ペプチ
ド誘導体を除き、全て市販品を使用した。
【0084】 ワセリン 26.3(%) パラフィン 5.3 セトステアリルアルコール 2.1 プロピレングリコール 10.5 ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン グリコールエーテル 3.2 実施例1と同一の方法により得たペプチド誘導体 0.5 精製水 52.1 実施例14 常法により、次の組成の皮膚外用剤を製造した。なお、
ペプチド誘導体を除き、全て市販品を使用した。
ペプチド誘導体を除き、全て市販品を使用した。
【0085】 パラオキシ安息香酸エチル 0.1(%) パラオキシ安息香酸ブチル 0.1 ラウロマクロゴール 0.5 セタノール 20.0 白色ワセリン 40.0 精製水 34.3 実施例2と同一の方法により得たペプチド誘導体 5.0 次に、この発明のペプチド誘導体と比較するための化合
物の製造例を比較例として示す。 比較例1 Fmoc-DL-Ala(Pyrazol-1-yl)-OHの代わりにFmoc-L-Gln(T
rt)-OH(PE社製)597mg(1.0mmol)を用
いたこと、およびその他のアミノ酸ブロックを全てD体
のものの代わりにL体のもの(全てPE社製)を用いた
ことを除き、実施例1と同一の方法により、次式
物の製造例を比較例として示す。 比較例1 Fmoc-DL-Ala(Pyrazol-1-yl)-OHの代わりにFmoc-L-Gln(T
rt)-OH(PE社製)597mg(1.0mmol)を用
いたこと、およびその他のアミノ酸ブロックを全てD体
のものの代わりにL体のもの(全てPE社製)を用いた
ことを除き、実施例1と同一の方法により、次式
【0086】
【化30】
【0087】により示される白色粉末状の化合物約4
3.2mg(収率約44%)を得た。 比較例2 Fmoc-DL-Ala(Pyrazol-1-yl)-OHの代わりにFmoc-D-Gln(T
rt)-OH(渡辺化学工業社製)597mg(1.0mmo
l)を用いたことを除き、実施例1と同一の方法によ
り、次式
3.2mg(収率約44%)を得た。 比較例2 Fmoc-DL-Ala(Pyrazol-1-yl)-OHの代わりにFmoc-D-Gln(T
rt)-OH(渡辺化学工業社製)597mg(1.0mmo
l)を用いたことを除き、実施例1と同一の方法によ
り、次式
【0088】
【化31】
【0089】により示される白色粉末状の化合物約4
9.0mg(収率約50%)を得た。次に、この発明の
ペプチド誘導体を製造するための中間体の製造例を参考
例として示す。なお、以下に記載する1H−NMR(核
磁気共鳴)スペクトル(500MHz)のデータは、全
て重ジメチルスルホキシド溶媒中で、テトラメチルシラ
ン(TMS)を内部標準として常法により測定した結果
である。 参考例1[Ac-DL-Ala(Pyrazol-1-yl)-OHの製造] Ac-DL-Ala(Pyrazol-1-yl)-OHを、公知の方法[ケミカル
・アンド・ファーマシューティカル・ブレティン(Chemi
cal and Pharmaceutical Bulletin)、第20巻、第3号、
第 609ページ、1972年]により次のとおり製造した。
9.0mg(収率約50%)を得た。次に、この発明の
ペプチド誘導体を製造するための中間体の製造例を参考
例として示す。なお、以下に記載する1H−NMR(核
磁気共鳴)スペクトル(500MHz)のデータは、全
て重ジメチルスルホキシド溶媒中で、テトラメチルシラ
ン(TMS)を内部標準として常法により測定した結果
である。 参考例1[Ac-DL-Ala(Pyrazol-1-yl)-OHの製造] Ac-DL-Ala(Pyrazol-1-yl)-OHを、公知の方法[ケミカル
・アンド・ファーマシューティカル・ブレティン(Chemi
cal and Pharmaceutical Bulletin)、第20巻、第3号、
第 609ページ、1972年]により次のとおり製造した。
【0090】2−アセトアミドアクリル酸(アルドリッ
チ社製)1.94g(15.0mmol)、ピラゾール
(東京化成工業社製)2.04g(30.0mmol)
および酢酸(和光純薬工業社製)45mlの混合物をア
ルゴンガス雰囲気下、140℃の油浴で、1.5時間加
熱還流した。空冷後、酢酸を減圧留去し、残渣の粘稠な
油状物をクロロホルム75mlに溶解させ、室温下で一
夜撹拌した。析出した結晶を濾取し、クロロホルムで洗
浄し、乾燥し、次式
チ社製)1.94g(15.0mmol)、ピラゾール
(東京化成工業社製)2.04g(30.0mmol)
および酢酸(和光純薬工業社製)45mlの混合物をア
ルゴンガス雰囲気下、140℃の油浴で、1.5時間加
熱還流した。空冷後、酢酸を減圧留去し、残渣の粘稠な
油状物をクロロホルム75mlに溶解させ、室温下で一
夜撹拌した。析出した結晶を濾取し、クロロホルムで洗
浄し、乾燥し、次式
【0091】
【化32】
【0092】により示される白色結晶のAc-DL-Ala(Pyra
zol-1-yl)-OH約1.54g(収率約51.9%)を得
た。得られた化合物の融点および1H−NMRスペクト
ルは、次のとおりであった。 融点 157℃ 1H−NMR δ(ppm) 1.79(3H,s),4.34(1H,dd,J=8
Hz,14Hz),4.47(1H,dd,J=5H
z,14Hz),4.59(1H,dt,J=5Hz,
8Hz),6.21(1H,dd,J=2Hz,1.5
Hz),7.43(1H,d,J=1.5Hz),7.
63(1H,d,J=2Hz),7.93(1H,d,
J=8Hz) 参考例2[Fmoc-DL-Ala(Pyrazol-1-yl)-OHの製造] 参考例1のAc-DL-Ala(Pyrazol-1-yl)-OH793mg
(4.0mmol)に、10%塩酸30mlを添加し、
アルゴンガス雰囲気下、105℃の油浴で、2時間加熱
還流し、得られた反応液を綿栓濾過し、濾液を減圧下に
濃縮乾固した。残渣を水に溶解させ、発泡に注意しなが
ら炭酸ナトリウムの粉末を少しずつ添加して中和し、さ
らに10%炭酸ナトリウム水溶液30mlを添加して溶
解し、室温で撹拌しながら、N−(9−フルオレニルメ
トキシカルボニルオキシ)スクシンイミド(以下、Fmoc
ONSuと略記する。渡辺化学工業社製)2.02g(6.
0mmol)のジメトキシエタン(東京化成工業社製)
30ml溶液を滴下した。滴下完了後、室温下で一夜撹
拌した。反応混合物に水を添加して希釈し、エーテルで
2回洗浄した。水層に、撹拌下で濃塩酸を添加して酸性
とし、酢酸エチルで3回抽出し、無水硫酸ナトリウムで
乾燥した。減圧下に溶媒留去し、残渣結晶を酢酸エチル
−ヘキサンから再結晶して、次式
zol-1-yl)-OH約1.54g(収率約51.9%)を得
た。得られた化合物の融点および1H−NMRスペクト
ルは、次のとおりであった。 融点 157℃ 1H−NMR δ(ppm) 1.79(3H,s),4.34(1H,dd,J=8
Hz,14Hz),4.47(1H,dd,J=5H
z,14Hz),4.59(1H,dt,J=5Hz,
8Hz),6.21(1H,dd,J=2Hz,1.5
Hz),7.43(1H,d,J=1.5Hz),7.
63(1H,d,J=2Hz),7.93(1H,d,
J=8Hz) 参考例2[Fmoc-DL-Ala(Pyrazol-1-yl)-OHの製造] 参考例1のAc-DL-Ala(Pyrazol-1-yl)-OH793mg
(4.0mmol)に、10%塩酸30mlを添加し、
アルゴンガス雰囲気下、105℃の油浴で、2時間加熱
還流し、得られた反応液を綿栓濾過し、濾液を減圧下に
濃縮乾固した。残渣を水に溶解させ、発泡に注意しなが
ら炭酸ナトリウムの粉末を少しずつ添加して中和し、さ
らに10%炭酸ナトリウム水溶液30mlを添加して溶
解し、室温で撹拌しながら、N−(9−フルオレニルメ
トキシカルボニルオキシ)スクシンイミド(以下、Fmoc
ONSuと略記する。渡辺化学工業社製)2.02g(6.
0mmol)のジメトキシエタン(東京化成工業社製)
30ml溶液を滴下した。滴下完了後、室温下で一夜撹
拌した。反応混合物に水を添加して希釈し、エーテルで
2回洗浄した。水層に、撹拌下で濃塩酸を添加して酸性
とし、酢酸エチルで3回抽出し、無水硫酸ナトリウムで
乾燥した。減圧下に溶媒留去し、残渣結晶を酢酸エチル
−ヘキサンから再結晶して、次式
【0093】
【化33】
【0094】により示される白色結晶のFmoc-DL-Ala(Py
razol-1-yl)-OH約826mg(収率約54.7%)を得
た。得られた化合物の融点は、134〜137℃であっ
た。 参考例3[Ac-DL-Ala(1H-1,2,4-Triazol-1-yl)-OH の製
造] 2−アセトアミドアクリル酸(アルドリッチ社製)1.
94g(15.0mmol)、1,2,4−トリアゾー
ル(東京化成工業社製)2.07g(30.0mmo
l)および酢酸(和光純薬工業社製)45mlの混合物
をアルゴンガス雰囲気下、140℃の油浴で、2時間加
熱還流した。空冷後、酢酸を減圧留去し、残渣の粘稠な
油状物をクロロホルム75mlに溶解させ、室温下で一
夜撹拌した。析出した結晶を濾取し、クロロホルムで洗
浄し、乾燥し、次式
razol-1-yl)-OH約826mg(収率約54.7%)を得
た。得られた化合物の融点は、134〜137℃であっ
た。 参考例3[Ac-DL-Ala(1H-1,2,4-Triazol-1-yl)-OH の製
造] 2−アセトアミドアクリル酸(アルドリッチ社製)1.
94g(15.0mmol)、1,2,4−トリアゾー
ル(東京化成工業社製)2.07g(30.0mmo
l)および酢酸(和光純薬工業社製)45mlの混合物
をアルゴンガス雰囲気下、140℃の油浴で、2時間加
熱還流した。空冷後、酢酸を減圧留去し、残渣の粘稠な
油状物をクロロホルム75mlに溶解させ、室温下で一
夜撹拌した。析出した結晶を濾取し、クロロホルムで洗
浄し、乾燥し、次式
【0095】
【化34】
【0096】により示される白色結晶のAc-DL-Ala(1H-
1,2,4-Triazol-1-yl)-OH 約1.74g(収率約58.
6%)を得た。得られた化合物の融点および1H−NM
Rスペクトルは、次のとおりであった。 融点 211〜212℃ 1H−NMR δ(ppm) 1.80(3H,s),4.44(1H,dd,J=8
Hz,14Hz),4.55(1H,dd,J=5H
z,14Hz),4.62(1H,dt,J=5Hz,
8Hz),7.96(1H,s),8.24(1H,
d,J=8Hz),8.41(1H,s) 参考例4[Fmoc-DL-Ala(1H-1,2,4-Triazol-1-yl)-OH の
製造] 参考例3のAc-DL-Ala(1H-1,2,4-Triazol-1-yl)-OH 79
3mg(4.0mmol)に、10%塩酸30mlを添
加し、アルゴンガス雰囲気下、105℃の油浴で、2時
間加熱還流し、得られた反応液を綿栓濾過し、濾液を減
圧下に濃縮乾固した。残渣を水に溶解させ、発泡に注意
しながら炭酸ナトリウムの粉末を少しずつ添加して中和
し、さらに10%炭酸ナトリウム水溶液30mlを添加
して溶解し、室温で撹拌しながら、FmocONSu2.02g
(6.0mmol)のジメトキシエタン(東京化成工業
社製)30ml溶液を滴下した。滴下完了後、室温下で
一夜撹拌した。反応混合物に水を添加して希釈し、エー
テルで2回洗浄した。水層に、撹拌下で濃塩酸を添加し
て酸性とし、酢酸エチルで3回抽出し、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。減圧下に溶媒留去し、残渣結晶を酢酸
エチル−ヘキサンから再結晶して、次式
1,2,4-Triazol-1-yl)-OH 約1.74g(収率約58.
6%)を得た。得られた化合物の融点および1H−NM
Rスペクトルは、次のとおりであった。 融点 211〜212℃ 1H−NMR δ(ppm) 1.80(3H,s),4.44(1H,dd,J=8
Hz,14Hz),4.55(1H,dd,J=5H
z,14Hz),4.62(1H,dt,J=5Hz,
8Hz),7.96(1H,s),8.24(1H,
d,J=8Hz),8.41(1H,s) 参考例4[Fmoc-DL-Ala(1H-1,2,4-Triazol-1-yl)-OH の
製造] 参考例3のAc-DL-Ala(1H-1,2,4-Triazol-1-yl)-OH 79
3mg(4.0mmol)に、10%塩酸30mlを添
加し、アルゴンガス雰囲気下、105℃の油浴で、2時
間加熱還流し、得られた反応液を綿栓濾過し、濾液を減
圧下に濃縮乾固した。残渣を水に溶解させ、発泡に注意
しながら炭酸ナトリウムの粉末を少しずつ添加して中和
し、さらに10%炭酸ナトリウム水溶液30mlを添加
して溶解し、室温で撹拌しながら、FmocONSu2.02g
(6.0mmol)のジメトキシエタン(東京化成工業
社製)30ml溶液を滴下した。滴下完了後、室温下で
一夜撹拌した。反応混合物に水を添加して希釈し、エー
テルで2回洗浄した。水層に、撹拌下で濃塩酸を添加し
て酸性とし、酢酸エチルで3回抽出し、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。減圧下に溶媒留去し、残渣結晶を酢酸
エチル−ヘキサンから再結晶して、次式
【0097】
【化35】
【0098】により示される白色結晶のFmoc-DL-Ala(1H
-1,2,4-Triazol-1-yl)-OH 約1.09g(収率約72.
3%)を得た。得られた化合物の融点は、202〜20
3℃であった。 参考例5[Ac-DL-Ala(1H-1,2,3-Triazol-1-yl)-OH の製
造] 2−アセトアミドアクリル酸(アルドリッチ社製)1.
94g(15.0mmol)、1H−1,2,3−トリ
アゾール(アルドリッチ社製)2.07g(30.0m
mol)および酢酸(和光純薬工業社製)45mlの混
合物をアルゴンガス雰囲気下、140℃の油浴で、1.
5時間加熱還流した。空冷後、酢酸を減圧留去し、残渣
の粘稠な油状物を酢酸エチル45mlに溶解させ、室温
下で一夜撹拌した。析出した結晶を濾取し、洗浄し、酢
酸エチルで洗浄し、乾燥し、次式
-1,2,4-Triazol-1-yl)-OH 約1.09g(収率約72.
3%)を得た。得られた化合物の融点は、202〜20
3℃であった。 参考例5[Ac-DL-Ala(1H-1,2,3-Triazol-1-yl)-OH の製
造] 2−アセトアミドアクリル酸(アルドリッチ社製)1.
94g(15.0mmol)、1H−1,2,3−トリ
アゾール(アルドリッチ社製)2.07g(30.0m
mol)および酢酸(和光純薬工業社製)45mlの混
合物をアルゴンガス雰囲気下、140℃の油浴で、1.
5時間加熱還流した。空冷後、酢酸を減圧留去し、残渣
の粘稠な油状物を酢酸エチル45mlに溶解させ、室温
下で一夜撹拌した。析出した結晶を濾取し、洗浄し、酢
酸エチルで洗浄し、乾燥し、次式
【0099】
【化36】
【0100】により示される白色結晶のAc-DL-Ala(1H-
1,2,3-Triazol-1-yl)-OH 約1.74g(収率約58.
6%)を得た。得られた化合物の融点および1H−NM
Rスペクトルは、次のとおりであった。 融点 132〜133℃ 1H−NMR δ(ppm) 1.79(3H,s),4.61−4.70(2H,
m),4.76(1H,dd,J=4Hz,13H
z),7.70(1H,d,J=0.76Hz),8.
04(1H,d,J=0.76Hz),8.29(1
H,d,J=7.5Hz) 参考例6[Fmoc-DL-Ala(1H-1,2,3-Triazol-1-yl)-OH の
製造] 参考例5のAc-DL-Ala(1H-1,2,3-Triazol-1-yl)-OH 79
3mg(4.0mmol)に、10%塩酸30mlを添
加し、アルゴンガス雰囲気下、105℃の油浴で、2時
間加熱還流し、得られた反応液を綿栓濾過し、濾液を減
圧下に濃縮乾固した。残渣を水に溶解させ、発泡に注意
しながら炭酸ナトリウムの粉末を少しずつ添加して中和
し、さらに10%炭酸ナトリウム水溶液30mlを添加
して溶解し、室温で撹拌しながら、FmocONSu2.02g
(6.0mmol)のジメトキシエタン(東京化成工業
社製)30ml溶液を滴下した。滴下完了後、室温下で
一夜撹拌した。反応混合物に水を添加して希釈し、エー
テルで2回洗浄した。水層に、撹拌下で濃塩酸を添加し
て酸性とし、酢酸エチルで3回抽出し、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。減圧下に溶媒留去し、残渣結晶を酢酸
エチル−ヘキサンから再結晶し、次式
1,2,3-Triazol-1-yl)-OH 約1.74g(収率約58.
6%)を得た。得られた化合物の融点および1H−NM
Rスペクトルは、次のとおりであった。 融点 132〜133℃ 1H−NMR δ(ppm) 1.79(3H,s),4.61−4.70(2H,
m),4.76(1H,dd,J=4Hz,13H
z),7.70(1H,d,J=0.76Hz),8.
04(1H,d,J=0.76Hz),8.29(1
H,d,J=7.5Hz) 参考例6[Fmoc-DL-Ala(1H-1,2,3-Triazol-1-yl)-OH の
製造] 参考例5のAc-DL-Ala(1H-1,2,3-Triazol-1-yl)-OH 79
3mg(4.0mmol)に、10%塩酸30mlを添
加し、アルゴンガス雰囲気下、105℃の油浴で、2時
間加熱還流し、得られた反応液を綿栓濾過し、濾液を減
圧下に濃縮乾固した。残渣を水に溶解させ、発泡に注意
しながら炭酸ナトリウムの粉末を少しずつ添加して中和
し、さらに10%炭酸ナトリウム水溶液30mlを添加
して溶解し、室温で撹拌しながら、FmocONSu2.02g
(6.0mmol)のジメトキシエタン(東京化成工業
社製)30ml溶液を滴下した。滴下完了後、室温下で
一夜撹拌した。反応混合物に水を添加して希釈し、エー
テルで2回洗浄した。水層に、撹拌下で濃塩酸を添加し
て酸性とし、酢酸エチルで3回抽出し、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。減圧下に溶媒留去し、残渣結晶を酢酸
エチル−ヘキサンから再結晶し、次式
【0101】
【化37】
【0102】により示される白色結晶のFmoc-DL-Ala(1H
-1,2,3-Triazol-1-yl)-OH 約1.36g(収率約89.
7%)を得た。得られた化合物の融点は、179〜18
0℃であった。 参考例7[Ac-DL-Ala(3Me-Pyrazol-1-yl)-OHおよびAc-D
L-Ala(5Me-Pyrazol-1-yl)-OH混合物の製造] 2−アセトアミドアクリル酸(アルドリッチ社製)1.
94g(15.0mmol)、3−メチルピラゾール
(東京化成工業社製)2.46g(30.0mmol)
および酢酸(和光純薬工業社製)45mlの混合物をア
ルゴンガス雰囲気下、140℃の油浴で、1.5時間加
熱還流した。空冷後、酢酸を減圧留去し、残渣の粘稠な
油状物をエーテル45mlに溶解させ、室温下で一夜撹
拌した。析出した結晶を濾取し、エーテルで洗浄し、乾
燥し、次式
-1,2,3-Triazol-1-yl)-OH 約1.36g(収率約89.
7%)を得た。得られた化合物の融点は、179〜18
0℃であった。 参考例7[Ac-DL-Ala(3Me-Pyrazol-1-yl)-OHおよびAc-D
L-Ala(5Me-Pyrazol-1-yl)-OH混合物の製造] 2−アセトアミドアクリル酸(アルドリッチ社製)1.
94g(15.0mmol)、3−メチルピラゾール
(東京化成工業社製)2.46g(30.0mmol)
および酢酸(和光純薬工業社製)45mlの混合物をア
ルゴンガス雰囲気下、140℃の油浴で、1.5時間加
熱還流した。空冷後、酢酸を減圧留去し、残渣の粘稠な
油状物をエーテル45mlに溶解させ、室温下で一夜撹
拌した。析出した結晶を濾取し、エーテルで洗浄し、乾
燥し、次式
【0103】
【化38】
【0104】により示される白色結晶のAc-DL-Ala(3Me-
Pyrazol-1-yl)-OHおよびAc-DL-Ala(5Me-Pyrazol-1-yl)-
OHの混合物約1.80g(収率約56.8%)を得た。
得られた化合物の融点および1H−NMRスペクトル
は、次のとおりであった。 融点 138〜142℃ 1H−NMR δ(ppm) 1.80(3H,s),2.13(0.63H,s),
2.21(0.37H,s),4.23(0.63H,
dd,J=8Hz,14Hz),4.27(0.37
H,dd,J=8Hz,14Hz),4.34(0.6
3H,dd,J=5Hz,14Hz),4.37(0.
37H,dd,J=5Hz,14Hz),4.54
(0.63H,dt,J=5Hz,8Hz),4.62
(0.37H,dt,J=5Hz,8Hz),5.96
8(0.37H,d),5.972(0.63H,
d),7.30(0.37H,d,J=2Hz),7.
30(0.63H,d,J=2Hz),7.94(1
H,s) 参考例8[Fmoc-DL-Ala(3Me-Pyrazol-1-yl)-OHおよびFm
oc-DL-Ala(5Me-Pyrazol-1-yl)-OH混合物の製造] 参考例7のAc-DL-Ala(3Me-Pyrazol-1-yl)-OHおよびAc-D
L-Ala(5Me-Pyrazol-1-yl)-OHの混合物845mg(4.
0mmol)に、10%塩酸30mlを添加し、アルゴ
ンガス雰囲気下で、105℃の油浴で2時間加熱還流
し、得られた反応液を綿栓濾過し、濾液を減圧下に濃縮
乾固した。残渣を水に溶解し、発泡に注意しながら炭酸
ナトリウムの粉末を少しずつ添加して中和し、さらに1
0%炭酸ナトリウム水溶液30mlを添加して溶解し、
室温で撹拌しながら、FmocONSu2.02g(6.0mm
ol)のジメトキシエタン(東京化成工業社製)30m
l溶液を滴下した。滴下完了後、室温下で一夜撹拌し
た。反応混合物に水を添加して希釈し、エーテルで2回
洗浄した。水層に、撹拌下で濃塩酸を添加して酸性と
し、室温下で撹拌し、析出した結晶を濾取し、水で3回
洗浄し、乾燥した。得られた結晶をエタノール−ヘキサ
ンから再結晶して、次式
Pyrazol-1-yl)-OHおよびAc-DL-Ala(5Me-Pyrazol-1-yl)-
OHの混合物約1.80g(収率約56.8%)を得た。
得られた化合物の融点および1H−NMRスペクトル
は、次のとおりであった。 融点 138〜142℃ 1H−NMR δ(ppm) 1.80(3H,s),2.13(0.63H,s),
2.21(0.37H,s),4.23(0.63H,
dd,J=8Hz,14Hz),4.27(0.37
H,dd,J=8Hz,14Hz),4.34(0.6
3H,dd,J=5Hz,14Hz),4.37(0.
37H,dd,J=5Hz,14Hz),4.54
(0.63H,dt,J=5Hz,8Hz),4.62
(0.37H,dt,J=5Hz,8Hz),5.96
8(0.37H,d),5.972(0.63H,
d),7.30(0.37H,d,J=2Hz),7.
30(0.63H,d,J=2Hz),7.94(1
H,s) 参考例8[Fmoc-DL-Ala(3Me-Pyrazol-1-yl)-OHおよびFm
oc-DL-Ala(5Me-Pyrazol-1-yl)-OH混合物の製造] 参考例7のAc-DL-Ala(3Me-Pyrazol-1-yl)-OHおよびAc-D
L-Ala(5Me-Pyrazol-1-yl)-OHの混合物845mg(4.
0mmol)に、10%塩酸30mlを添加し、アルゴ
ンガス雰囲気下で、105℃の油浴で2時間加熱還流
し、得られた反応液を綿栓濾過し、濾液を減圧下に濃縮
乾固した。残渣を水に溶解し、発泡に注意しながら炭酸
ナトリウムの粉末を少しずつ添加して中和し、さらに1
0%炭酸ナトリウム水溶液30mlを添加して溶解し、
室温で撹拌しながら、FmocONSu2.02g(6.0mm
ol)のジメトキシエタン(東京化成工業社製)30m
l溶液を滴下した。滴下完了後、室温下で一夜撹拌し
た。反応混合物に水を添加して希釈し、エーテルで2回
洗浄した。水層に、撹拌下で濃塩酸を添加して酸性と
し、室温下で撹拌し、析出した結晶を濾取し、水で3回
洗浄し、乾燥した。得られた結晶をエタノール−ヘキサ
ンから再結晶して、次式
【0105】
【化39】
【0106】により示される白色結晶のFmoc-DL-Ala(3M
e-Pyrazol-1-yl)-OHおよびFmoc-DL-Ala(5Me-Pyrazol-1-
yl)-OHの混合物約1.41g(収率約90.0%)を得
た。得られた化合物の融点は、150〜154℃であっ
た。 参考例9[Ac-DL-Ala(4Me-Pyrazol-1-yl)-OHの製造] 2−アセトアミドアクリル酸(アルドリッチ社製)1.
94g(15.0mmol)、4−メチルピラゾール
(アルドリッチ社製)2.46g(30.0mmol)
および酢酸(和光純薬工業社製)45mlの混合物をア
ルゴンガス雰囲気下で、140℃の油浴で、1.5時間
加熱還流した。空冷後、酢酸を減圧留去し、残渣の粘稠
な油状物をエーテル45mlに溶解させ、室温下で一夜
撹拌した。析出した結晶を濾取し、エーテルで洗浄し、
乾燥し、次式
e-Pyrazol-1-yl)-OHおよびFmoc-DL-Ala(5Me-Pyrazol-1-
yl)-OHの混合物約1.41g(収率約90.0%)を得
た。得られた化合物の融点は、150〜154℃であっ
た。 参考例9[Ac-DL-Ala(4Me-Pyrazol-1-yl)-OHの製造] 2−アセトアミドアクリル酸(アルドリッチ社製)1.
94g(15.0mmol)、4−メチルピラゾール
(アルドリッチ社製)2.46g(30.0mmol)
および酢酸(和光純薬工業社製)45mlの混合物をア
ルゴンガス雰囲気下で、140℃の油浴で、1.5時間
加熱還流した。空冷後、酢酸を減圧留去し、残渣の粘稠
な油状物をエーテル45mlに溶解させ、室温下で一夜
撹拌した。析出した結晶を濾取し、エーテルで洗浄し、
乾燥し、次式
【0107】
【化40】
【0108】により示される白色結晶のAc-DL-Ala(4Me-
Pyrazol-1-yl)-OH約1.94g(収率約61.1%)を
得た。得られた化合物の融点および1H−NMRスペク
トルは、次のとおりであった。 融点 168〜169℃ 1H−NMR δ(ppm) 1.80(3H,s),1.98(3H,s),4.2
6(1H,dd,J=8Hz,14Hz),4.38
(1H,dd,J=5Hz,14Hz),4.55(1
H,dt,J=5Hz,8Hz),7.23(1H,
s),7.39(1H,s),8.17(1H,d,J
=8Hz) 参考例10[Fmoc-DL-Ala(4Me-Pyrazol-1-yl)-OHの製
造] 参考例9のAc-DL-Ala(4Me-Pyrazol-1-yl)-OH845mg
(4.0mmol)に、10%塩酸30mlを添加し、
アルゴンガス雰囲気下で、105℃の油浴で、2時間加
熱還流し、得られた反応液を綿栓濾過し、濾液を減圧下
に濃縮乾固した。残渣を水に溶解させ、発泡に注意しな
がら炭酸ナトリウムの粉末を少しずつ添加して中和し、
さらに10%炭酸ナトリウム水溶液30mlを添加して
溶解し、室温で撹拌しながら、FmocONSu2.02g
(6.0mmol)のジメトキシエタン(東京化成工業
社製)30ml溶液を滴下した。滴下完了後、室温下で
一夜撹拌した。反応混合物に水を添加して希釈し、エー
テルで2回洗浄した。水層に、撹拌下で濃塩酸を添加し
て酸性とし、室温下で撹拌し,析出した結晶を濾取し、
水で3回洗浄し、乾燥した。得られた結晶をエタノール
−ヘキサンから再結晶して、次式
Pyrazol-1-yl)-OH約1.94g(収率約61.1%)を
得た。得られた化合物の融点および1H−NMRスペク
トルは、次のとおりであった。 融点 168〜169℃ 1H−NMR δ(ppm) 1.80(3H,s),1.98(3H,s),4.2
6(1H,dd,J=8Hz,14Hz),4.38
(1H,dd,J=5Hz,14Hz),4.55(1
H,dt,J=5Hz,8Hz),7.23(1H,
s),7.39(1H,s),8.17(1H,d,J
=8Hz) 参考例10[Fmoc-DL-Ala(4Me-Pyrazol-1-yl)-OHの製
造] 参考例9のAc-DL-Ala(4Me-Pyrazol-1-yl)-OH845mg
(4.0mmol)に、10%塩酸30mlを添加し、
アルゴンガス雰囲気下で、105℃の油浴で、2時間加
熱還流し、得られた反応液を綿栓濾過し、濾液を減圧下
に濃縮乾固した。残渣を水に溶解させ、発泡に注意しな
がら炭酸ナトリウムの粉末を少しずつ添加して中和し、
さらに10%炭酸ナトリウム水溶液30mlを添加して
溶解し、室温で撹拌しながら、FmocONSu2.02g
(6.0mmol)のジメトキシエタン(東京化成工業
社製)30ml溶液を滴下した。滴下完了後、室温下で
一夜撹拌した。反応混合物に水を添加して希釈し、エー
テルで2回洗浄した。水層に、撹拌下で濃塩酸を添加し
て酸性とし、室温下で撹拌し,析出した結晶を濾取し、
水で3回洗浄し、乾燥した。得られた結晶をエタノール
−ヘキサンから再結晶して、次式
【0109】
【化41】
【0110】により示される白色結晶のFmoc-DL-Ala(4M
e-Pyrazol-1-yl)-OH約1.42g(収率約90.4%)
を得た。得られた化合物の融点は、167.5〜16
8.5℃であった。 参考例11[Ac-DL-Ala(4Br-Pyrazol-1-yl)-OHの製造] 2−アセトアミドアクリル酸(アルドリッチ社製)1.
94g(15.0mmol)、4−ブロモピラゾール
(アルドリッチ社製)4.41g(30.0mmol)
および酢酸(和光純薬工業社製)45mlの混合物をア
ルゴンガス雰囲気下、140℃の油浴で、1.5時間加
熱還流した。空冷後、酢酸を減圧留去し、残渣固体をエ
ーテルを添加して良く粉砕し、室温下で一夜撹拌した。
結晶を濾取し、エーテルで洗浄し、乾燥し、次式
e-Pyrazol-1-yl)-OH約1.42g(収率約90.4%)
を得た。得られた化合物の融点は、167.5〜16
8.5℃であった。 参考例11[Ac-DL-Ala(4Br-Pyrazol-1-yl)-OHの製造] 2−アセトアミドアクリル酸(アルドリッチ社製)1.
94g(15.0mmol)、4−ブロモピラゾール
(アルドリッチ社製)4.41g(30.0mmol)
および酢酸(和光純薬工業社製)45mlの混合物をア
ルゴンガス雰囲気下、140℃の油浴で、1.5時間加
熱還流した。空冷後、酢酸を減圧留去し、残渣固体をエ
ーテルを添加して良く粉砕し、室温下で一夜撹拌した。
結晶を濾取し、エーテルで洗浄し、乾燥し、次式
【0111】
【化42】
【0112】により示される白色結晶のAc-DL-Ala(4Br-
Pyrazol-1-yl)-OH約2.65g(収率約64.1%)を
得た。得られた化合物の融点および1H−NMRスペク
トルは、次のとおりであった。 融点 168〜169℃ 1H−NMR δ(ppm) 1.80(3H,s),4.34(1H,dd,J=8
Hz,14Hz),4.46(1H,dd,J=5H
z,14Hz),4.60(1H,dt,J=5Hz,
8Hz),7.55(1H,s),7.88(1H,
s),8.22(1H,d,J=8Hz) 参考例12[Fmoc-DL-Ala(4Br-Pyrazol-1-yl)-OHの製
造] 参考例11のAc-DL-Ala(4Br-Pyrazol-1-yl)-OH1825
mg(4.0mmol)に、10%塩酸30mlを添加
し、アルゴンガス雰囲気下で、105℃の油浴で、2時
間加熱還流し、得られた反応液を綿栓濾過し、濾液を減
圧下に濃縮乾固した。残渣を水に溶解させ、発泡に注意
しながら炭酸ナトリウムの粉末を少しずつ添加して中和
し、さらに10%炭酸ナトリウム水溶液30mlを添加
して溶解し、室温で撹拌しながら、FmocONSu2.02g
(6.0mmol)のジメトキシエタン(東京化成工業
社製)30ml溶液を滴下した。滴下完了後、室温下で
一夜撹拌した。反応混合物に水を添加して希釈し、エー
テルで2回洗浄した。水層に、撹拌下で濃塩酸を添加し
て酸性とし、エーテルで3回抽出し、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣油状物をヘキサンと
処理して結晶化させた。得られた結晶をイソプロピルエ
ーテル−ヘキサンから再結晶して、次式
Pyrazol-1-yl)-OH約2.65g(収率約64.1%)を
得た。得られた化合物の融点および1H−NMRスペク
トルは、次のとおりであった。 融点 168〜169℃ 1H−NMR δ(ppm) 1.80(3H,s),4.34(1H,dd,J=8
Hz,14Hz),4.46(1H,dd,J=5H
z,14Hz),4.60(1H,dt,J=5Hz,
8Hz),7.55(1H,s),7.88(1H,
s),8.22(1H,d,J=8Hz) 参考例12[Fmoc-DL-Ala(4Br-Pyrazol-1-yl)-OHの製
造] 参考例11のAc-DL-Ala(4Br-Pyrazol-1-yl)-OH1825
mg(4.0mmol)に、10%塩酸30mlを添加
し、アルゴンガス雰囲気下で、105℃の油浴で、2時
間加熱還流し、得られた反応液を綿栓濾過し、濾液を減
圧下に濃縮乾固した。残渣を水に溶解させ、発泡に注意
しながら炭酸ナトリウムの粉末を少しずつ添加して中和
し、さらに10%炭酸ナトリウム水溶液30mlを添加
して溶解し、室温で撹拌しながら、FmocONSu2.02g
(6.0mmol)のジメトキシエタン(東京化成工業
社製)30ml溶液を滴下した。滴下完了後、室温下で
一夜撹拌した。反応混合物に水を添加して希釈し、エー
テルで2回洗浄した。水層に、撹拌下で濃塩酸を添加し
て酸性とし、エーテルで3回抽出し、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣油状物をヘキサンと
処理して結晶化させた。得られた結晶をイソプロピルエ
ーテル−ヘキサンから再結晶して、次式
【0113】
【化43】
【0114】により示される白色結晶のFmoc-DL-Ala(4B
r-Pyrazol-1-yl)-OH約1.70g(収率約93.4%)
を得た。得られた化合物の融点は、168〜169℃で
あった。 参考例13[Ac-DL-Ala(Benzotriazol-1-yl)-OH の製
造] 2−アセトアミドアクリル酸(アルドリッチ社製)1.
94g(15.0mmol)、ベンゾトリアゾール(東
京化成工業社製)3.571g(30.0mmol)お
よび酢酸(和光純薬工業社製)45mlの混合物をアル
ゴンガス雰囲気下、140℃の油浴で、1.75時間加
熱還流した。空冷後、酢酸を減圧留去し、残渣にエーテ
ルを添加して処理し、結晶化させた。このものを粉砕
し、減圧乾燥し、炭酸ナトリウム水溶液に溶解させてエ
ーテルで洗浄した。水層を塩酸で酸性とし、室温下で一
夜撹拌した。結晶を濾取し、水で3回、次いでエーテル
で2回洗浄し、乾燥し、次式
r-Pyrazol-1-yl)-OH約1.70g(収率約93.4%)
を得た。得られた化合物の融点は、168〜169℃で
あった。 参考例13[Ac-DL-Ala(Benzotriazol-1-yl)-OH の製
造] 2−アセトアミドアクリル酸(アルドリッチ社製)1.
94g(15.0mmol)、ベンゾトリアゾール(東
京化成工業社製)3.571g(30.0mmol)お
よび酢酸(和光純薬工業社製)45mlの混合物をアル
ゴンガス雰囲気下、140℃の油浴で、1.75時間加
熱還流した。空冷後、酢酸を減圧留去し、残渣にエーテ
ルを添加して処理し、結晶化させた。このものを粉砕
し、減圧乾燥し、炭酸ナトリウム水溶液に溶解させてエ
ーテルで洗浄した。水層を塩酸で酸性とし、室温下で一
夜撹拌した。結晶を濾取し、水で3回、次いでエーテル
で2回洗浄し、乾燥し、次式
【0115】
【化44】
【0116】により示される白色結晶のAc-DL -Ala(Ben
zotriazol-1-yl)-OH約1.37g(収率約36.8%)
を得た。得られた化合物の融点および1H−NMRスペ
クトルは、次のとおりであった。 融点 187〜188℃ 1H−NMR δ(ppm) 1.68(3H,s),4.78(1H,dt,J=5
Hz,8Hz),4.98(1H,dd,J=8Hz,
14Hz),5.08(1H,dd,J=5Hz,8H
z),7.40(1H,t,J=8Hz),7.56
(1H,t,J=8Hz),7.80(1H,d,J=
8Hz),8.03(1H,d,J=8Hz) 参考例14[Fmoc-DL-Ala(Benzotriazol-1-yl)-OH の製
造] 参考例13のAc-DL-Ala(Benzotriazol-1-yl)-OH 993
mg(4.0mmol)に、10%塩酸30mlを添加
し、アルゴンガス雰囲気下で、105℃の油浴で、2時
間加熱還流し、得られた反応液を綿栓濾過し、濾液を減
圧下に濃縮乾固した。残渣を水に溶解させ、発泡に注意
しながら炭酸ナトリウムの粉末を少しずつ添加して中和
し、さらに10%炭酸ナトリウム水溶液30mlを添加
して溶解し、室温で撹拌しながら、FmocONSu2.02g
(6.0mmol)のジメトキシエタン(東京化成工業
社製)30ml溶液を滴下した。滴下完了後、室温下で
一夜撹拌した。反応混合物に水を添加して希釈し、すば
やくエーテルで2回洗浄した。水層に、撹拌下で濃塩酸
を添加して酸性とし、室温下で撹拌し,析出した結晶を
濾取し、水で3回洗浄した。このものを酢酸エチルに加
熱溶解させて無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に溶
媒を留去した。残渣結晶を酢酸エチル−ヘキサンから再
結晶して、次式
zotriazol-1-yl)-OH約1.37g(収率約36.8%)
を得た。得られた化合物の融点および1H−NMRスペ
クトルは、次のとおりであった。 融点 187〜188℃ 1H−NMR δ(ppm) 1.68(3H,s),4.78(1H,dt,J=5
Hz,8Hz),4.98(1H,dd,J=8Hz,
14Hz),5.08(1H,dd,J=5Hz,8H
z),7.40(1H,t,J=8Hz),7.56
(1H,t,J=8Hz),7.80(1H,d,J=
8Hz),8.03(1H,d,J=8Hz) 参考例14[Fmoc-DL-Ala(Benzotriazol-1-yl)-OH の製
造] 参考例13のAc-DL-Ala(Benzotriazol-1-yl)-OH 993
mg(4.0mmol)に、10%塩酸30mlを添加
し、アルゴンガス雰囲気下で、105℃の油浴で、2時
間加熱還流し、得られた反応液を綿栓濾過し、濾液を減
圧下に濃縮乾固した。残渣を水に溶解させ、発泡に注意
しながら炭酸ナトリウムの粉末を少しずつ添加して中和
し、さらに10%炭酸ナトリウム水溶液30mlを添加
して溶解し、室温で撹拌しながら、FmocONSu2.02g
(6.0mmol)のジメトキシエタン(東京化成工業
社製)30ml溶液を滴下した。滴下完了後、室温下で
一夜撹拌した。反応混合物に水を添加して希釈し、すば
やくエーテルで2回洗浄した。水層に、撹拌下で濃塩酸
を添加して酸性とし、室温下で撹拌し,析出した結晶を
濾取し、水で3回洗浄した。このものを酢酸エチルに加
熱溶解させて無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に溶
媒を留去した。残渣結晶を酢酸エチル−ヘキサンから再
結晶して、次式
【0117】
【化45】
【0118】により示される白色結晶のFmoc-DL-Ala(Be
nzotriazol-1-yl)-OH 約1.30g(収率約76.1
%)を得た。得られた化合物は160℃付近で一旦湿潤
し、変性固化した後、199〜202℃で融解した。
nzotriazol-1-yl)-OH 約1.30g(収率約76.1
%)を得た。得られた化合物は160℃付近で一旦湿潤
し、変性固化した後、199〜202℃で融解した。
【0119】
【発明の効果】以上、詳しく説明したとおり、この出願
の発明によって、抗真菌活性に優れ、しかも安全である
新規ペプチド誘導体と、これを有効成分とする抗真菌剤
が提供される。
の発明によって、抗真菌活性に優れ、しかも安全である
新規ペプチド誘導体と、これを有効成分とする抗真菌剤
が提供される。
Claims (2)
- 【請求項1】 次の式(1) 【化1】 [ただし、式中Xaaは次式(2) 【化2】 {ただし、式中nは整数1〜3を示し、Aは次式(3) 【化3】 (ただし、式中Rは水素原子、低級アルキル基またはハ
ロゲン原子を示す。)のうちのいずれかで示されるヘテ
ロアリール基を示す。}で示されるアミノ酸残基を示
す。]で示されるD体もしくはL体のアミノ酸配列を有
するペプチド誘導体またはそれらの薬理学的に許容され
る塩類。 - 【請求項2】 次の式(1) 【化4】 [ただし、式中Xaaは次式(2) 【化5】 {ただし、式中nは整数1〜3を示し、Aは次式(3) 【化6】 (ただし、式中Rは水素原子、低級アルキル基またはハ
ロゲン原子を示す。)のうちのいずれかで示されるヘテ
ロアリール基を示す。}で示されるアミノ酸残基を示
す。]で示されるD体もしくはL体のアミノ酸配列を有
するペプチド誘導体またはそれらの薬理学的に許容され
る塩類からなる群より選択される化合物の1種または2
種以上の混合物を有効成分として含有する抗真菌剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9268446A JPH11106398A (ja) | 1997-10-01 | 1997-10-01 | ペプチド誘導体および抗真菌剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9268446A JPH11106398A (ja) | 1997-10-01 | 1997-10-01 | ペプチド誘導体および抗真菌剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11106398A true JPH11106398A (ja) | 1999-04-20 |
Family
ID=17458628
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9268446A Pending JPH11106398A (ja) | 1997-10-01 | 1997-10-01 | ペプチド誘導体および抗真菌剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11106398A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005118543A1 (ja) * | 2004-06-03 | 2005-12-15 | Ono Pharmaceutical Co., Ltd. | キナーゼ阻害薬およびその用途 |
US7015331B2 (en) * | 2000-09-21 | 2006-03-21 | Consortium für elektrochemische Industrie GmbH | Non-proteinogenic L-amino acids |
-
1997
- 1997-10-01 JP JP9268446A patent/JPH11106398A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7015331B2 (en) * | 2000-09-21 | 2006-03-21 | Consortium für elektrochemische Industrie GmbH | Non-proteinogenic L-amino acids |
WO2005118543A1 (ja) * | 2004-06-03 | 2005-12-15 | Ono Pharmaceutical Co., Ltd. | キナーゼ阻害薬およびその用途 |
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