JPH11116597A - ペプチド誘導体および抗真菌剤 - Google Patents

ペプチド誘導体および抗真菌剤

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JPH11116597A
JPH11116597A JP9282079A JP28207997A JPH11116597A JP H11116597 A JPH11116597 A JP H11116597A JP 9282079 A JP9282079 A JP 9282079A JP 28207997 A JP28207997 A JP 28207997A JP H11116597 A JPH11116597 A JP H11116597A
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JP9282079A
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Seiichi Shimamura
誠一 島村
Koichi Hashimoto
弘一 箸本
Hiroshi Matsumoto
宏志 松本
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Morinaga Milk Industry Co Ltd
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Morinaga Milk Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 抗真菌性に優れ安全で新規な抗真菌性ペプチ
ド誘導体と、これを有効成分とする抗真菌剤を提供す
る。 【解決手段】 一般式1のD体又はL体のアミノ酸配列
を有するペプチド誘導体、その塩類およびそれらを有効
成分とする抗真菌剤。 [RはC1〜19、飽和または2重もしくは3重結合を
1個以上有する直鎖のアルキル基を示し、Xaaは一般
式2 (Aは低級アルキレン基または酸素若しくは硫黄を結合
する低級アルキレン基、R1およびR2は各々水素、ハ
ロゲン、低級アルキル基、低級アルコキシ基またはニト
ロ基を示す。)のアミノ酸残基を示す。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、新規なペ
プチド誘導体またはそれらの薬理学的に許容される塩
類、およびそれらの用途に関するものである。さらに詳
しくは、この出願の発明は、医薬品、特に抗真菌剤とし
て使用し得る安全なペプチド誘導体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】侵襲性カンジダ症等の重篤な深在性真菌
症はしばしば致死的疾患となり、その発症率は全世界的
に上昇の傾向にある。本来、カンジダ等の真菌に対する
宿主生体側の主要な防御機構は、好中球による非特異免
疫によると考えられており、この防御機構が正常に機能
している場合には真菌に感染する危険性は少ない。しか
しながら、近年、この生体の免疫機能の低下をもたらす
悪性腫瘍(特に、急性白血病、悪性リンパ腫等の造血器
系悪性腫瘍)、AIDS等の基礎疾患の患者数が増加し
つつあり、このことが深在性真菌症の発症率上昇の一因
とされている。また、制癌剤、免疫抑制剤等の医療処置
の繁用等も真菌感染を容易にしている要因の一つである
と考えられている。さらに、抗菌抗生物質、ステロイド
ホルモンの多用、長期にわたる中心静脈栄養、静脈カテ
ーテルの使用等も深在性真菌症に罹患する危険因子とさ
れている(例えば、臨床と微生物、第17巻、第 265ペー
ジ、1990年)。
【0003】このような深在性真菌症の治療に最も有効
な手段は抗真菌剤による化学療法であるが、現在、深在
性真菌症治療薬として実用化されている薬剤は、抗菌剤
と比較してはるかに少なく、アンホテリシン、フルシト
シン、ミコナゾール、フルコナゾール、イトラコナゾー
ル、およびケトコナゾールの6種類にすぎない。これら
の中で、アンホテリシンは1960年代から臨床応用さ
れており、真菌に対する殺菌作用は非常に強い反面、腎
毒性等の強い副作用の問題があるため、臨床的な使用に
は制約がある。また、フルシトシンは連用により早期に
耐性化する等の問題があるため、現在では単独で使用さ
れることは希である。その他の薬剤は、その構造的特徴
から、いずれもアゾール系抗真菌剤と総称されるが、そ
の真菌に対する殺菌作用は、アンホテリシンのそれに比
べて一般に劣る傾向にあるが、有効性と安全性の兼ね合
いから現在最も多用されている薬物群である(例えば、
臨床と微生物、第21巻、第 277ペ−ジ、1994年)。
【0004】抗真菌剤に対する耐性真菌の出現について
は、抗菌剤に対する耐性菌の出現頻度に比べれば、はる
かに低く、従来フルシトシンを除き、ほとんど問題視さ
れていなかった。しかしながら、最近アゾール系抗真菌
剤を長期間投与されているAIDS患者から分離される
真菌には薬物耐性を示すものが出現し始めていることが
報告されている(例えば、感染症、第24巻、第61ペ−
ジ、1994年)。
【0005】アゾール系抗真菌剤は、深在性真菌症に限
らず、表在性真菌症の治療にも一般に広く使用されてい
る薬物群であり、現在真菌症治療薬として新たに開発が
進められている薬物の多くが、このアゾール系抗真菌剤
に属する。これらアゾール系抗真菌剤は、吸収性、代謝
安定性等の面で各々固有の特徴を有するが、抗真菌作用
を発現する機序の面では同一であると考えられている。
【0006】従って、抗真菌活性に優れ、安全で、かつ
全く新しい機序に基づく新規な抗真菌剤の実用化の見込
みがたたない現在、アゾール系抗真菌剤全般にわたって
耐性を獲得し、既存の薬物では全く対処できない耐性菌
の蔓延が憂慮されている(例えば、臨床と微生物、第22
巻、第 575ペ−ジ、1995年)。一方、種々の微生物に対
して抗菌作用、抗真菌作用等を有するペプチドまたはそ
の誘導体については、多数の報告がなされており[例え
ば、ビオキミカ・エト・ビオフィジカ・アクタ(Biochi
mica et Biophysica Acta )、第1197巻、第109 ペー
ジ、1994年]、その中の一つにラクトフェリンがある。
【0007】ラクトフェリンは、涙、唾液、末梢血、乳
汁等に含まれている天然の鉄結合性蛋白質であり、大腸
菌、カンジダ菌、クロストリジウム菌等の有害微生物に
対して抗菌作用および抗真菌作用を示すことが知られて
いる[例えば、ジャーナル・オブ・ペディアトリクス
(Journal of Pediatrics )、第94巻、第1ページ、19
79年;アーカイブズ・オブ・ディジーズ・イン・チャイ
ルドフッド( Archivesof Disease in Childhood )、
第67巻、第 657ページ、1992年]。
【0008】また、ラクトフェリンの分解物、ラクトフ
ェリンに由来するペプチド類、これらとホモロジーを有
するペプチド類にも抗菌作用、抗真菌作用等のあること
が知られている。例えば、ラクトフェリン分解物を有効
成分とする抗菌剤(特開平5−320068号公報)、
少なくとも20個のアミノ酸残基からなる抗菌性ペプチ
ド(特開平5−92994号公報)、5個のアミノ酸残
基からなる抗菌性ペプチド(特開平5−148296号
公報)、3〜6個のアミノ酸残基からなる抗菌性ペプチ
ド(特開平5−148297号公報)、ラクトフェリン
類の分解物、ラクトフェリン類の分解物から単離される
ペプチド、ラクトフェリン類の分解物から単離されるペ
プチドと同一のアミノ酸配列を有する合成されたペプチ
ドを有効成分とする抗酸化剤(特開平6−199687
号公報)、ペプチド誘導体と、その用途(特開平8−1
76190号公報)等が知られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記のとおり、深在性
真菌症の治療に用いられる抗真菌剤は僅かに6種類のみ
であり、様々な種類の真菌感染に対して有効に対処し、
しかも連用による耐性菌の発生を防ぐためには、新しい
機序に基づく新規な抗真菌剤が待望されていた。この発
明は、以上のとおりの現状に鑑みてなされたものであ
り、抗真菌活性に優れ、安全であり、かつ全く新しい機
序に基づく新規な抗真菌性ペプチド誘導体と、この抗菌
性ペプチド誘導体を有効成分とする新規な抗真菌剤を提
供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】この出願の発明者らは、
前記従来技術の発明に開示されているラクトフェリンに
由来するペプチド類およびその誘導体の抗真菌作用につ
いて詳細に検討した結果、ウシラクトフェリンを構成す
るアミノ酸配列のうちの特定の6アミノ酸残基(Arg
−Arg−Trp−Gln−Trp−Arg)と同一の
アミノ酸配列を有し、C末端がアミド化された誘導体
が、強い抗真菌作用を有することを見い出した。
【0011】さらに、この出願の発明者らは、この事実
を基礎としてより強力な抗真菌活性を発現するペプチド
誘導体を追及した結果、その配列の一部に、従来にない
非天然型のアミノ酸残基を組み込むことにより、顕著な
抗真菌活性を示す一連のペプチド誘導体の創製に成功
し、既に特許出願を行った(特願平8−272756
号。以下先願と記載する。)。
【0012】そしてさらに、この出願の発明者らは、先
願発明のペプチド誘導体のN端部アシル化誘導体に関
し、それらの抗真菌活性を検討した結果、N端がある特
定の範囲の炭素数からなるアシル基により置換された誘
導体がさらに顕著な抗真菌活性を有することを見い出
し、この発明を完成した。すなわち、この出願は、前記
課題を解決する第1の発明として、次の式(1)
【0013】
【化15】
【0014】[ただし、式中Rは炭素数1〜19、飽和
または2重結合もしくは3重結合を1個以上有する直鎖
のアルキル基を示し、Xaaは次の式(2)
【0015】
【化16】
【0016】(ただし、式中Aは低級アルキレン基、ま
たは酸素原子もしくは硫黄原子を結合する低級アルキレ
ン基を示し、R1およびR2は、各々、水素原子、ハロ
ゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基またはニ
トロ基を示す。)で示されるアミノ酸残基を示す。]で
示されるD体またはL体のアミノ酸配列を有するペプチ
ド誘導体またはそれらの薬理学的に許容される塩類を提
供する。
【0017】また、この第1の発明においては、次の
a)〜e)を望ましい態様としてもいる。 a)前記第1の発明における式(1)のXaaが、次の
式(3)
【0018】
【化17】
【0019】(ただし、式中nは整数1〜5を示し、R
1およびR2は、各々、水素原子、ハロゲン原子、低級
アルキル基、低級アルコキシ基またはニトロ基を示
す。)で示されるアミノ酸残基であること。 b)前記第1の発明における式(1)のXaaが、次の
式(4)
【0020】
【化18】
【0021】(ただし、式中mは整数0〜3を示し、R
1およびR2は、各々、水素原子、ハロゲン原子、低級
アルキル基、低級アルコキシ基またはニトロ基を示
す。)で示されるアミノ酸残基であること。 c)前記第1の発明における式(1)のXaaが、次の
式(5)
【0022】
【化19】
【0023】(ただし、式中pは整数0〜2を示し、R
1およびR2は、各々、水素原子、ハロゲン原子、低級
アルキル基、低級アルコキシ基またはニトロ基を示
す。)で示されるアミノ酸残基であること。 d)前記第1の発明における式(1)のXaaが、次の
式(6)
【0024】
【化20】
【0025】(ただし、式中mは整数0〜3を示し、R
1およびR2は、各々、水素原子、ハロゲン原子、低級
アルキル基、低級アルコキシ基またはニトロ基を示
す。)で示されるアミノ酸残基であること。 e)前記第1の発明における式(1)のXaaが、次の
式(7)
【0026】
【化21】
【0027】(ただし、式中pは整数0〜2を示し、R
1およびR2は、各々、水素原子、ハロゲン原子、低級
アルキル基、低級アルコキシ基またはニトロ基を示
す。)で示されるアミノ酸残基であること。この出願は
また、第2の発明として、次の式(1)
【0028】
【化22】
【0029】[ただし、式中Rは炭素数1〜19、飽和
または2重結合もしくは3重結合を1個以上有する直鎖
のアルキル基を示し、Xaaは次の式(2)
【0030】
【化23】
【0031】(ただし、式中Aは低級アルキレン基、ま
たは酸素原子もしくは硫黄原子を結合する低級アルキレ
ン基を示し、R1およびR2は、各々、水素原子、ハロ
ゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基またはニ
トロ基を示す。)で示されるアミノ酸残基を示す。]で
示されるD体またはL体のアミノ酸配列を有するペプチ
ド誘導体およびそれらの薬理学的に許容される塩類から
なる群より選択される化合物の1種または2種以上の混
合物を有効成分として含有する抗真菌剤を提供する。
【0032】そして、この第2発明においては、次の
f)〜j)を望ましい態様としてもいる。 f)前記第2の発明における式(1)のXaaが、次の
式(3)
【0033】
【化24】
【0034】(ただし、式中nは整数1〜5を示し、R
1およびR2は、各々、水素原子、ハロゲン原子、低級
アルキル基、低級アルコキシ基またはニトロ基を示
す。)で示されるアミノ酸残基であること。 g)前記第2の発明における式(1)のXaaが、次の
式(4)
【0035】
【化25】
【0036】(ただし、式中mは整数0〜3を示し、R
1およびR2は、各々、水素原子、ハロゲン原子、低級
アルキル基、低級アルコキシ基またはニトロ基を示
す。)で示されるアミノ酸残基であること。 h)前記第2の発明における式(1)のXaaが、次の
式(5)
【0037】
【化26】
【0038】(ただし、式中pは整数0〜2を示し、R
1およびR2は、各々、水素原子、ハロゲン原子、低級
アルキル基、低級アルコキシ基またはニトロ基を示
す。)で示されること。 i)前記第2の発明における式(1)のXaaが、次の
式(6)
【0039】
【化27】
【0040】(ただし、式中mは整数0〜3を示し、R
1およびR2は、各々、水素原子、ハロゲン原子、低級
アルキル基、低級アルコキシ基またはニトロ基を示
す。)で示されるアミノ酸残基であること。 j)前記第2の発明における式(1)のXaaが、次の
式(7)
【0041】
【化28】
【0042】(ただし、式中pは整数0〜2を示し、R
1およびR2は、各々、水素原子、ハロゲン原子、低級
アルキル基、低級アルコキシ基またはニトロ基を示
す。)で示されるアミノ酸残基であること。
【0043】
【発明の実施の形態】この出願の第1の発明に係るペプ
チド誘導体は、固相法、液相法等の公知の方法により合
成することができる。固相法による場合は、ペプチド合
成用固相樹脂を用いて、各アミノ酸ブロックを順次縮合
させ、ペプチド鎖を延長する。各アミノ酸ブロックはN
末端および側鎖の反応性基を適当な保護基で保護したア
ミノ酸誘導体を用い、C端側から縮合反応、N末端脱保
護基反応を反復して目的のペプチド鎖を構築する。
【0044】N末端を所望のアシル基でアシル化する方
法としては、 前記のペプチド鎖構築工程において、最後のアミノ酸
ブロックとして、予めN末端がアシル基でアシル化され
た誘導体を用いる方法; 一旦、ペプチド鎖を構築した後、N末端の脱保護を行
い、次いで対応するカルボン酸との縮合反応を行うか、
または酸クロライド、酸無水物等のアシル化剤を反応さ
せる方法; 等を例示することができる。
【0045】次いで、N末端および側鎖の反応性基が保
護されたままのペプチドを樹脂から切断して取出し、C
末端のアミド化を行い、さらに脱保護反応を行うことに
より、目的とするペプチド誘導体を得ることができる。
この発明のペプチド誘導体は、全てC末端がアミド化さ
れた誘導体であるので、通常の固相樹脂の代わりに、C
末端アミドペプチド合成用固相樹脂を用いることもでき
る。この場合は、工程を簡略化できる上に、保護基の選
び方によっては脱樹脂、脱保護を同時に行うこともでき
るので便利である。
【0046】以上の操作を機械化または自動化した、い
わゆるペプチド自動合成装置を利用することもできる。
液相法による場合も、通常の公知のペプチド合成法によ
り、基本的にはN末端、またはC末端および側鎖の反応
性基を適当な保護基で保護したアミノ酸誘導体を各アミ
ノ酸ブロックとし、これを用いて縮合反応、N末端また
はC末端の脱保護基反応を反復しながら、目的のペプチ
ド鎖を構築することができる。N末端を所望のアシル基
でアシル化する方法については、上記の固相法による場
合で述べたのと同様である。
【0047】液相法においては、C末端側またはN末端
側から順次ペプチド鎖の延長を行う逐次鎖長延長法、さ
らに目的のペプチド鎖を適当なフラグメントに分けて、
各々のフラグメント鎖を合成し、各々を縮合させて最終
的なペプチド鎖を構築する、いわゆるフラグメント縮合
法を適用することもできる。この発明のペプチド誘導体
は、非天然型のアミノ酸残基を含むことを特徴としてい
るが、このアミノ酸残基部分に相当するアミノ酸、また
はその保護化された誘導体は、いずれも先願に記載した
のと同様の方法により合成することができる。
【0048】この発明のペプチド誘導体は、液体クロマ
トグラフィー、カラムクロマトグラフィー、再結晶等の
公知の方法によって精製することができる。また、この
発明のペプチド誘導体の製造に使用する合成中間体、合
成原料等も同様の方法により精製することができる。な
お、以下の実施例等の説明においては、アミノ酸配列
で、ホモシステインおよびホモセリンを、それぞれHc
yおよびHseと記載する。また、この発明のペプチド
誘導体を構成する各アミノ酸残基は、L体のみならずD
体を含むものである。すなわち、この発明のペプチド誘
導体の抗真菌作用は、この発明化合物を構成するアミノ
酸残基がL体であるか、またはD体であるかには影響さ
れない。
【0049】なお、後記の実施例では、ペプチド誘導体
は、ペプチド合成機を用いて、9−フルオレニルメトキ
シカルボニル基(以下、Fmocと記載する。)を結合
したアミノ酸を合成原料として合成しているが、個々の
Fmocアミノ酸は合成目的に応じて、L体、D体また
はDL体のものを用いているので、これらの区別を明示
する必要がある場合にはL、DまたはDLの記号をアミ
ノ酸を示す記号の前に記載している。
【0050】また、不斉中心が1つあるアミノ酸残基を
もう1個結合している化合物に対してアミノ酸残基のD
Lとしての表示を使用するのは本来適切ではないが、原
料として用いた個々のFmocアミノ酸に対応して得ら
れる実施例のペプチド誘導体について、これを特定表示
する手段として、例えば、次式に示すとおり表示する。
【0051】
【化29】
【0052】(ただし、式中Rは炭素数1〜19、飽和
または2重結合若しくは3重結合を1個以上有する直鎖
のアルキル基を示す。) この例の場合は、Xaa部分についてはDL体のFmo
cアミノ酸を、他の5つのアミノ酸残基相当部分につい
てはD体のFmocアミノ酸を用いて合成されたペプチ
ド誘導体であることを示し、次式に示す2つのこの発明
のペプチド誘導体の等量混合物である。
【0053】
【化30】
【0054】(ただし、式中Rは炭素数1〜19、飽和
または2重結合若しくは3重結合を1個以上有する直鎖
のアルキル基を示す。) この発明のペプチド誘導体は、非天然型のアミノ酸残基
を含有することを特徴としているが、これらのアミノ酸
残基は形式的にはアラニン、システイン、ホモシステイ
ン、ホモセリン、セリン残基等の側鎖末端原子上の水素
原子がフェニル基、ベンジル基、またはフェネチル基等
(いずれもベンゼン環上に置換基を有している場合があ
る。)で置換されたものと考えることができるので、例
えば、次式に各々例示するとおり略記法を用いて表示す
る。
【0055】
【化31】
【0056】(ただし、式中R1およびR2は、各々、
水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコ
キシ基またはニトロ基を示す。) また、これらの具体的な構造式を示せば各々次のとおり
である。
【0057】
【化32】
【0058】(ただし、式中R1およびR2は、各々、
水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコ
キシ基またはニトロ基を示す。) なお、上記のアミノ酸残基の中で、左端の構造式のもの
であって、置換基R1およびR2がともに水素原子であ
るものは、天然に産するアミノ酸の1つであるフェニル
アラニン残基であり、通常Pheで表示されるが、便宜
上次のように表示する。
【0059】
【化33】
【0060】次に、この発明のペプチド誘導体の薬理学
的に許容される塩類について説明する。塩類は無毒性の
塩、例えば、酸付加塩、金属錯体等である。金錯体属と
しては、例えば亜鉛、鉄、カルシウム、マグネシウムま
たはアルミニウム等の錯体である。酸付加塩としては、
塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、タンニン酸
塩、シュウ酸塩、フマール酸塩、グルコン酸塩、アルギ
ン酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、
クエン酸塩、安息香酸塩、コハク酸塩、リンゴ酸塩、ア
スコルビン酸塩、酒石酸塩等を例示することができる。
さらに、カルボン酸塩、例えばアルカリ金属とのナトリ
ウム塩、カリウム塩等、アルカリ土類金属とのカルシウ
ム塩、マグネシウム塩等、アンモニウム塩であってもよ
い。
【0061】次にこの発明の第2の発明に係る抗真菌剤
ついて詳しく説明する。この発明の抗真菌剤は、前記の
ペプチド誘導体およびそれらの薬理学的に許容される塩
類からなる群より選択された任意の1種の化合物または
2種以上の混合物を有効成分として含有している。ま
た、この発明の抗真菌剤は、前記の有効成分の他に、公
知の抗真菌剤を含有していてもよい。
【0062】この発明の抗真菌剤は、常法により例え
ば、軟膏、ゲル、ペースト、クリーム、噴霧剤、懸濁
剤、乳剤、シロップ剤、錠剤、糖剤、カプセル剤、粒
剤、粉剤等として加工することもできる。この発明のペ
プチド誘導体を有効成分とする抗真菌剤の投与量は、治
療対象、症状、年齢等により異なるが、好適には通常1
回につき、約0.1〜50mgを1日1〜3回程度投与
する。表在性真菌症を対象とする場合には、0.01〜
5%(重量。以下、特に断りのない限り同じ。)含有軟
膏として1日1〜3回程度局所に塗布することもでき
る。
【0063】なお、この出願の明細書においては、抗菌
活性(抗菌剤)と、抗真菌活性(抗真菌剤)の意味を区
別して用いている。次に、試験例を示し、この発明の抗
真菌性ペプチド誘導体の作用効果についてさらに詳しく
説明する。 試験例1 この試験は、この発明のペプチド誘導体の真菌に対する
感受性を調べるために行った。 (1)試験菌株 試験菌株として次の4菌株を使用した。
【0064】 Candida albicans ATCC 90028 Candida tropicalis ATCC 750 Candida parapsilosis ATCC 90018 Candida glabrata ATCC 90030 なお、これらの菌株は、いずれもアメリカン・タイプ・
カルチャー・コレクション(ATCC)から容易に入手
することができる。 (2)試験方法 1)培地の調製 バクト・ペプトン(ディフコ社製)2gおよびD−グル
コース(和光純薬工業社製)4gを注射用蒸留水(大塚
製薬社製。以下、蒸留水と記載する。)に溶解して全量
を200mlに調整し、121℃で15分間オートクレ
ーブにより滅菌し、使用するまで4℃に保存した。 2)被検物質の調製 実施例1、実施例3、実施例5、実施例6、実施例1
1、実施例12および実施例17と同一の方法により製
造したこの発明のペプチド誘導体、比較例1、比較例2
および比較例3と同一の方法により製造した化合物は、
全て蒸留水に溶解し、1mg/ml濃度の溶液を調製
し、これを基準液とした。この基準液は、使用するまで
−20℃以下で凍結して保存した。 3)陽性対照薬の調製 陽性対照薬として用いたアンホテリシンB(シグマ社
製)、ミコナゾール(シグマ社製)およびフルコナゾー
ル(ファイザー社製。ジフルカンカプセルの内容物をエ
タノール抽出し、その減圧濃縮残渣を酢酸エチル−ヘキ
サンから再結晶して得た。)は、ジメチルスルホキシド
(シグマ社製;細胞培養用)に溶解し、10mg/ml
濃度の溶液を調製し、これを保存液とした。この保存液
は、使用するまで−20℃以下で凍結して保存し、使用
時に蒸留水で10倍希釈(1mg/ml)し、これを基
準液とした。 4)接種菌液の調製 培養液中の菌数の算定 スラントからの一かきを前記培地(2ml)に接種し、
35℃で19時間培養し、分光光度計を用いて波長66
0nmのOD値を測定した。一方、培地の一部(50μ
l)を新しい前記培地(5ml)に植え継ぎ、35℃で
6時間培養し、菌液のOD値と生菌数の測定を行った。
生菌数の測定は、菌液を103 、104、105 および
106 倍希釈し、各々の0.1mlをSDA寒天培地に
塗抹して培養し、翌日出現したコロニー数を測定し、O
D値/菌数濃度の検量線を求め、菌液1ml当たりの菌
数を算定した。 接種菌液の調製 スラントからの一かきを前記培地(2ml)に接種し、
35℃にて19時間培養し、その一部を無菌的に採取
し、分光光度計で波長660nmのOD値を測定した
(OD値が約1.0で、菌数は約1×107 個/mlで
あった。)。この菌液の1/100量の菌液を、新しい
前記培地(10〜15ml)に接種し、35℃にて6時
間培養し、波長660nmのOD値を測定した結果、
0.1〜0.2で、菌数が約1×106 個/mlと算定
された。この培養物を前記培地を用いて初め50倍希
釈、次いで10倍希釈して接種菌液(2×103 個/m
l)を調製した。調製後15分以内に使用できない場合
は、4℃で保存し、2時間以内には使用した。 5)薬剤希釈液の調製 培地を、96穴平底マイクロプレートにマルチピペッ
トを用いて、1列目には160μlを、2列目から10
列目までは100μlずつ分注した。11列目の上4段
(発育対照)には100μlずつ、また下4段(陰性対
照)には200μlずつ分注した。 前記2)および3)で調製した被検物質および対照薬
物の希釈液(濃度:1mg/ml)40μlを1列目に
添加して混合し、そのうち100μlを2列目に添加し
た。この操作を順次10列目まで行って2倍系列希釈し
た。なお、最後の10列目は100μlを分取して廃棄
した。 6)菌接種と培養 前記4)において調製した接種菌液を1列目から10列
目および11列目上4段の全穴に100μlずつ分注
し、35℃で2日間培養した。 7)判定 終末点は、マイクロプレートビュアーで肉眼的に発育が
完全阻止されている濃度を最小生育阻止濃度(以下、M
IC値と記載する。)とした。 (3)試験結果 この試験の結果は表1に示すとおりである。表中各実施
例と同一の方法により製造された試料は、この発明のペ
プチド誘導体である。
【0065】表中比較例1と同一の方法により製造され
た試料は、ウシラクトフェリンを構成するアミノ酸配列
のうちの特定の6つのアミノ酸残基からなる配列を有
し、C末端がアミド化された誘導体であり、6つのアミ
ノ酸残基はすべてL体のものからなっており、次式
【0066】
【化34】
【0067】に示され、かつ抗菌作用または抗真菌作用
を有するペプチド誘導体として公知の化合物である。表
中比較例2の化合物は、前記比較例1の鏡像体であり、
6つのアミノ酸残基がすべてD体のものからなってお
り、次式
【0068】
【化35】
【0069】に示される化合物である。この発明のペプ
チド誘導体は、先願のペプチド誘導体のN端部アシル化
誘導体であるが、比較例3の化合物は、先願のペプチド
誘導体のうちの代表的な化合物の一つであり、次式
【0070】
【化36】
【0071】に示される化合物である。
【0072】
【表1】
【0073】公知化合物である比較例1の化合物および
その鏡像体である比較例2の化合物の抗真菌活性は、L
体およびD体間での差は認められず、いずれの真菌に対
しても同一のMIC値を示し、Candida albicans ATCC
90028 に対しては12.5μg/ml、Candida trop
icalis ATCC 750 に対しては3.13μg/ml、Ca
ndida parapsilosis ATCC 90018 およびCandida glab
r ata ATCC 90030に対してはいずれも50μg/ml
であった。
【0074】先願のペプチド誘導体のうちの代表的な化
合物の一つである比較例3の化合物は、Candida albica
ns ATCC 90028 に対しては6.25μg/ml、Cand
idatropicalis ATCC 750 に対しては1.56μg/
ml、Candida parapsilosisATCC 90018 に対しては
6.25μg/ml、Candida glabrata ATCC 90030
に対しては12.5μg/mlであった。
【0075】これに対して、この発明のペプチド誘導体
は、Candida albicans ATCC 90028 に対しては12.
5〜25μg/ml、Candida tropicalis ATCC 750
に対しては3.13〜6.25μg/ml、Candida pa
rapsilosis ATCC 90018 に対しては12.5μg/m
l、Candida glabrata ATCC 90030 に対しては6.2
5〜12.5μg/mlであった。
【0076】この結果から明らかなとおり、この発明の
ペプチド誘導体はいずれも、先願のペプチド誘導体に比
較して、その抗真菌活性は若干劣るが、公知化合物であ
る比較例1の化合物およびその鏡像体である比較例2の
化合物に比較して、同等ないし4倍の抗真菌活性を示
し、特に、Candida parapsilosis ATCC 90018およびCa
ndida glabrata ATCC 90030に対する抗真菌活性におけ
る優位性が認められた。
【0077】なお、他のペプチド誘導体についても同様
の試験を実施したが、ほぼ同等の結果が得られた。 試験例2 この試験は、この発明のペプチド誘導体の急性毒性を調
べる目的で行った。 (1)試験動物 4週齢のddY系雄性マウス(日本SLCより購入)を
1週間以上馴化し、のち4群(1群5匹)に分けて使用
した。 (2)試験方法 実施例1と同一の方法により製造したこの発明のペプチ
ド誘導体を体重1kg当り100mgまたは500mg
の割合で、注射用水(大塚製薬社製)に溶解し、単回強
制経口投与し、急性毒性を試験した。 (3)試験結果 100mg/kg体重、および500mg/kg体重の
割合で投与した群に、死亡例は認められなかった。従っ
て、この発明のペプチド誘導体のLD50値は500mg
/kg体重以上であり、毒性は極めて低いことが判明し
た。なお、この発明の他のペプチド誘導体についても同
様の試験を行ったが、ほぼ同様の結果が得られた。
【0078】次に、実施例を示してこの発明をさらに詳
細かつ具体的に説明するが、この発明は以下の実施例に
限定されるものではない。また、実施例中で使用する試
薬類について、以下の略号を用いる。 NMP:N−メチルピロリドン(PE社製) HBTU:2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イ
ル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム ヘキ
サフルオロホスフェート(島津製作所製) HOBt:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(島津製
作所製) DIEA:ジイソプロピルエチルアミン(渡辺化学工業
社製) TPA:tert−ペンチルアルコール(関東化学社
製) TFA:トリフルオロ酢酸(渡辺化学工業社製) なお、酢酸は関東化学社製のものを、無水ジエチルエー
テルは国産化学社製のものを、エタンジチオール、メタ
クレゾール、チオアニソールおよびトリメチルシリルブ
ロミドはいずれも渡辺化学工業社製のものを用いた。 実施例1 参考例1と同一の方法により製造した保護ペプチド樹脂
0.1mmol相当量をNMPで膨潤させ、ウンデカン
酸(東京化成工業社製。n-Undecanoic Acid)186mg
(1.0mmol),HBTU379mg(1.0mm
ol),HOBt153mg(1.0mmol)および
DIEA173μl(1.0mmol相当)のNMP5
ml溶液を添加し、室温で2時間撹拌した。カイザーテ
ストにより反応が完結していることを確認した後、NM
P、TPA、酢酸、TPA、NMP、および無水ジエチ
ルエーテルの順序で洗浄し、真空乾燥し、N端部ウンデ
カノイル化保護ペプチド樹脂を得た。
【0079】前記のウンデカノイル化保護ペプチド樹脂
の全量(0.1mmol)にエタンジチオール1.2m
l、メタクレゾール0.4mlおよびチオアニソール
2.4mlを添加して、アルゴン気流下室温で15分
間、次いで氷冷下で10分間撹拌した。これにTFA1
5mlを添加して10分間撹拌し、さらにトリメチルシ
リルブロミド2.7mlを添加して50分間撹拌した。
グラスフィルターで樹脂を濾別し、濾液を直ちに減圧濃
縮した。残渣に予め冷却した無水ジエチルエーテルを添
加し、ペプチドを白色粉末化した。次いで遠沈管に移
し、遠心分離(2500rpm、10分間)し、上清を
廃棄し、冷ジエチルエーテルを新たに添加し、充分撹拌
して再び遠心分離する操作を4回反復した。のち、ペプ
チド沈殿物を真空乾燥し、水に溶解して凍結乾燥し、目
的とするN端部ウンデカノイル化ペプチド誘導体の粗体
約26mgを得た。
【0080】前記粗ペプチド誘導体の全量を水に溶解
し、遠心分離(15000rpm、5分間)し、上清を
0. 45μmフィルターで濾過し、次の条件により高速
液体クロマトグラフィーで精製した。カラムは、逆相系
のLichrospher 100 RP-18(e)250×10mm(メルク
社製)を用いた。溶離液は0. 1%TFA/水をA液、
80%アセトニトリル/A液をB液として、A液からB
液への濃度直線勾配により溶出した。クロマトグラムの
ピークは、アミノ酸ブロックとして一箇所のみDL体を
用いたことに由来する2つの立体異性体の混合物である
ことを反映して、2つのピークから成っていたが、この
2つを分離することは困難であったので、合わせて分取
し、再度凍結乾燥し、次式
【0081】
【化37】
【0082】に示される白色粉末のこの発明のペプチド
誘導体約21.5mg(収率約17%)を得た。 実施例2 ウンデカン酸の代わりに、ブタン酸(東京化成工業社
製。n-Butyric Acid)88mg(1.0mmol)を用
いたことを除き、実施例1と同一の方法により、次式
【0083】
【化38】
【0084】に示される白色粉末のこの発明のペプチド
誘導体約20.6mg(収率約18%)を得た。 実施例3 ウンデカン酸の代わりに、ヘキサン酸(東京化成工業社
製。n-Caproic Acid)116mg(1.0mmol)を
用いたことを除き、実施例1と同一の方法により、次式
【0085】
【化39】
【0086】に示される白色粉末のこの発明のペプチド
誘導体約22.9mg(収率約20%)を得た。 実施例4 ウンデカン酸の代わりに、オクタン酸(東京化成工業社
製。n-Caprylic Acid)144mg(1.0mmol)
を用いたことを除き、実施例1と同一の方法により、次
【0087】
【化40】
【0088】に示される白色粉末のこの発明のペプチド
誘導体約24.0mg(収率約20%)を得た。 実施例5 ウンデカン酸の代わりに、デカン酸(東京化成工業社
製。n-Capric Acid )172mg(1.0mmol)を
用いたことを除き、実施例1と同一の方法により、次式
【0089】
【化41】
【0090】に示される白色粉末のこの発明のペプチド
誘導体約34.7mg(収率約28%)を得た。 実施例6 ウンデカン酸の代わりに、ドデカン酸(東京化成工業社
製。Lauric Acid )200mg(1.0mmol)を用
いたことを除き、実施例1と同一の方法により、次式
【0091】
【化42】
【0092】に示される白色粉末のこの発明のペプチド
誘導体約22.8mg(収率約18%)を得た。 実施例7 ウンデカン酸の代わりに、テトラデカン酸(東京化成工
業社製。Myristic Acid )228mg(1.0mmo
l)を用いたことを除き、実施例1と同一の方法によ
り、次式
【0093】
【化43】
【0094】に示される白色粉末のこの発明のペプチド
誘導体約30.8mg(収率約24%)を得た。 実施例8 ウンデカン酸の代わりに、ヘキサデカン酸(東京化成工
業社製。Palmitic Acid )256mg(1.0mmo
l)を用いたことを除き、実施例1と同一の方法によ
り、次式
【0095】
【化44】
【0096】に示される白色粉末のこの発明のペプチド
誘導体約27.0mg(収率約21%)を得た。 実施例9 ウンデカン酸の代わりに、オクタデカン酸(東京化成工
業社製。Stearic Acid)284mg(1.0mmol)
を用いたことを除き、実施例1と同一の方法により、次
【0097】
【化45】
【0098】に示される白色粉末のこの発明のペプチド
誘導体約26.8mg(収率約20%)を得た。 実施例10 ウンデカン酸の代わりに、エイコサン酸(東京化成工業
社製。Arachidic Acid)313mg(1.0mmol)
を用いたことを除き、実施例1と同一の方法により、次
【0099】
【化46】
【0100】に示される白色粉末のこの発明のペプチド
誘導体約33.4mg(収率約25%)を得た。 実施例11 ウンデカン酸の代わりに、10−ウンデセン酸(東京化
成工業製。10-Undecenoic Acid)184mg(1.0m
mol)を用いたことを除き、実施例1と同一の方法に
より、次式
【0101】
【化47】
【0102】に示される白色粉末のこの発明のペプチド
誘導体約27.0mg(収率約22%)を得た。 実施例12 ウンデカン酸の代わりに、10−ウンデシン酸(東京化
成工業製。10-Undecynoic Acid)182mg(1.0m
mol)を用いたことを除き、実施例1と同一の方法に
より、次式
【0103】
【化48】
【0104】に示される白色粉末のこの発明のペプチド
誘導体約38.3mg(収率約31%)を得た。 実施例13 参考例1記載の保護ペプチド樹脂の代わりに、参考例2
記載の保護ペプチド樹脂0.1mmol相当量を用いた
ことを除き、実施例1と同一の方法により、次式
【0105】
【化49】
【0106】に示される白色粉末のこの発明のペプチド
誘導体約20.6mg(収率約16%)を得た。 実施例14 参考例1記載の保護ペプチド樹脂の代わりに、参考例3
記載の保護ペプチド樹脂0.1mmol相当量を用いた
ことを除き、実施例1と同一の方法により、次式
【0107】
【化50】
【0108】に示される白色粉末のこの発明のペプチド
誘導体約23.2mg(収率約19%)を得た。 実施例15 参考例1記載の保護ペプチド樹脂の代わりに、参考例4
記載の保護ペプチド樹脂0.1mmol相当量を用いた
ことを除き、実施例1と同一の方法により、次式
【0109】
【化51】
【0110】に示される白色粉末のこの発明のペプチド
誘導体約34.6mg(収率約28%)を得た。 実施例16 参考例1記載の保護ペプチド樹脂の代わりに、参考例5
記載の保護ペプチド樹脂0.1mmol相当量を用いた
ことを除き、実施例1と同一の方法により、次式
【0111】
【化52】
【0112】に示される白色粉末のこの発明のペプチド
誘導体約18.9mg(収率約15%)を得た。 実施例17 参考例1記載の保護ペプチド樹脂の代わりに、参考例6
記載の保護ペプチド樹脂0.1mmol相当量を用いた
ことを除き、実施例1と同一の方法により、次式
【0113】
【化53】
【0114】に示される白色粉末のこの発明のペプチド
誘導体約31.4mg(収率約25%)を得た。 実施例18 参考例1記載の保護ペプチド樹脂の代わりに、参考例7
記載の保護ペプチド樹脂0.1mmol相当量を用いた
ことを除き、実施例1と同一の方法により、次式
【0115】
【化54】
【0116】に示される白色粉末のこの発明のペプチド
誘導体約30.4mg(収率約24%)を得た。 実施例19 参考例1記載の保護ペプチド樹脂の代わりに、参考例8
記載の保護ペプチド樹脂0.1mmol相当量を用いた
ことを除き、実施例1と同一の方法により、次式
【0117】
【化55】
【0118】に示される白色粉末のこの発明のペプチド
誘導体約27.9mg(収率約22%)を得た。 実施例20 参考例1記載の保護ペプチド樹脂の代わりに、参考例9
記載の保護ペプチド樹脂0.1mmol相当量を用いた
ことを除き、実施例1と同一の方法により、次式
【0119】
【化56】
【0120】に示される白色粉末のこの発明のペプチド
誘導体約31.4mg(収率約26%)を得た。 実施例21 実施例1と同一の方法により得たペプチド誘導体約10
mgを、0.02mol/lの塩酸5mlに溶解し、さ
らに水で20mlに希釈し、そのまま凍結乾燥し、この
発明のペプチド誘導体の白色粉末状塩酸塩を約10mg
得た。 実施例22 常法により、次の組成の錠剤を製造した。
【0121】 乳糖(和光純薬工業社製) 78.2(%) 実施例1と同一の方法により得たペプチド誘導体 1.2 ステアリン酸マグネシウム(和光純薬工業社製) 20.0 実施例23 常法により、次の組成の注射剤を製造した。実施例3と
同一の方法により製造したペプチド誘導体を生理食塩水
(大塚製薬社製)に6.0mg/mlの割合で溶解し、
滅菌濾過フィルターにより濾過し、注射剤を製造した。 実施例24 常法により、次の組成の軟膏を製造した。なお、ペプチ
ド誘導体を除き、全て市販品を使用した。
【0122】 ワセリン 26.3(%) パラフィン 5.3 セトステアリルアルコール 2.1 プロピレングリコール 10.5 ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン グリコールエーテル 3.2 実施例1と同一の方法により得たペプチド誘導体 0.5 精製水 52.1 実施例25 常法により、次の組成の皮膚外用剤を製造した。なお、
ペプチド誘導体を除き、全て市販品を使用した。
【0123】 パラオキシ安息香酸エチル 0.1(%) パラオキシ安息香酸ブチル 0.1 ラウロマクロゴール 0.5 セタノール 20.0 白色ワセリン 40.0 精製水 34.3 実施例2と同一の方法により得たペプチド誘導体 5.0 次に、本発明のペプチド誘導体と比較するための化合物
の製造例を、比較例として示す。使用した試薬類の略号
等は、実施例の記載と同一である。 比較例1 Fmoc-DL-Cys(4Cl-Ph)-OHの代わりに、Fmoc-L-Gln(Trt)-
OH(渡辺化学工業社製)597mg(1.0mmol)
を用いたことを除き、後記の参考例1と同一の方法によ
り、対応するアミノ酸配列を有する保護ペプチド樹脂8
44mg(収率100%)を得た。
【0124】前記の保護ペプチド樹脂338mg(0.
1mmol)にエタンジチオール1.2ml、メタクレ
ゾール0.4ml及びチオアニソール2.4mlを添加
して、室温でアルゴン気流下15分間、次いで氷冷下で
10分間撹拌した。これにTFA15mlを添加して1
0分間撹拌し、更にトリメチルシリルブロミド2.7m
lを添加して50分間撹拌した。グラスフィルターで樹
脂を濾別し、濾液を直ちに減圧濃縮した。残渣に予め冷
却した無水ジエチルエーテルを添加し、ペプチドを白色
粉末化した。
【0125】次いで遠沈管に移し、遠心分離(2500
rpm、10分間)し、上清を廃棄し、冷ジエチルエー
テルを新たに添加し、充分撹拌して再び遠心分離する操
作を4回反復した。のち、ペプチド沈殿物を真空乾燥
し、水に溶解して凍結乾燥し、目的とするペプチド誘導
体の粗体約43mgを得た。前記粗ペプチド誘導体の全
量を水に溶解し、遠心分離(15000rpm、5分
間)し、上清を0. 45μmフィルターで濾過し、次の
条件により高速液体クロマトグラフィーにより精製し
た。カラムは、逆相系のLichrospher 100 RP-18(e) 2
50×10mm(メルク社製)を用いた。溶離液は0.
1%TFA/水をA液、80%アセトニトリル/A液を
B液として、A液からB液への濃度直線勾配により溶出
した。精製画分を再度凍結乾燥し、次の化57
【0126】
【化57】
【0127】に示される白色粉末状の化合物約24.5
mg(収率約25%)を得た。 比較例2 Fmoc-DL-Cys(4Cl-Ph)-OHの代わりに、Fmoc-D-Gln(Trt)-
OH(渡辺化学工業社製)597mg(1.0mmol)
を用いたこと及びその他のアミノ酸ブロックを全てD体
のものの代わりに、L体のもの(全てPE社製)を用い
たことを除き、後述の比較例1と同一の方法により、次
の化58
【0128】
【化58】
【0129】に示される白色粉末状の化合物約26.6
mg(収率約27%)を得た。 比較例3 後記参考例1と同一の方法により得た保護ペプチド樹脂
322mg(1.0mmol)を用いたことを除き、比
較例1と同一の方法により、次の化59
【0130】
【化59】
【0131】に示される白色粉末状の化合物約12.5
mg(収率約12%)を得た。ただし、高速液体クロマ
トグラムのピークは、アミノ酸ブロックとして一箇所の
みDL体を用いたことに由来する2つの立体異性体の混合
物であることを反映して、二つのピークから成っていた
が、この二つを分離することは困難であったので、合わ
せて分取した。
【0132】次に、本発明のペプチド誘導体を製造する
ための中間体の製造例を参考例として記載する。 参考例1 ペプチド合成装置(パーキン・エルマー社アプライド・
バイオシステムズ事業部製433A型。以下、PE社製
と略記する)を使用し、同装置の使用説明書及びシェパ
ード等による固相ペプチド合成法[ジャーナル・オブ・
ケミカル・ソサイエティー・パーキンI(Journal of C
hemical Society Perkin I)、第538ページ、19
81年]に基づいて次のようにして合成した。
【0133】即ち、まず、C末端アミドペプチド合成用
固相樹脂であるFmocアミドレジン(PE社製)39
7mg(0.25mmol)を用いて、前記ペプチド合
成装置の合成プログラムにより脱保護基反応及び縮合反
応を反復してペプチド鎖を延長した。つまり、最初に2
0%(体積)ピペリジン含有NMP(PE社製)によ
り、前記固相樹脂のアミノ基の保護基であるFmocを
切断除去し、NMPで洗浄した。次いで、Fmocアミ
ノ酸[Fmoc-D-Arg(Pmc)-OH(渡辺化学工業社製)663
mg(1.0mmol)]をFastMoc (登録商標)リー
ジェントキット(PE社製)を用いて縮合させ、NMP
で洗浄した。以下、前記Fmoc基の切断からFmoc
アミノ酸の縮合洗浄までの操作を反復した。
【0134】ただし、次工程以降、Fmocアミノ酸は
工程順に、Fmoc-D-Trp(Boc)-OH(渡辺化学工業社製)5
27mg(1.0mmol)、Fmoc-DL-Cys(4Cl-Ph)-OH
(先願に記載してあるのと同一の方法により合成)45
4mg(1.0mmol)、Fmoc-D-Trp(Boc)-OH527
mg(1.0mmol)、Fmoc-D-Arg(Pmc)-OH663m
g(1.0mmol)及びFmoc-D-Arg(Pmc)-OH663m
g(1.0mmol)を用いた。
【0135】いずれのFmocアミノ酸も専用カートリ
ッジに詰めて使用し、縮合反応の条件及び脱保護条件
は、同装置に付随するフィードバックモニタリングシス
テムにより自動的に制御させた。ペプチド鎖の伸張反応
が全て終了した後、20%ピペリジン含有NMPにより
N末端のFmoc基を切断し、NMP及びジクロロメタ
ン(PE社製)で洗浄し、真空乾燥し、対応するアミノ
酸配列を有する保護ペプチド樹脂758mg(収率94
%)を得た。 参考例2 Fmoc-DL-Cys(4Cl-Ph)-OHの代わりに、Fmoc-DL-Cys(3Br-
Ph)-OH(先願と同一の方法により合成)498mg
(1.0mmol)を用いたことを除き、参考例1と同
一の方法により、対応するアミノ酸配列を有する保護ペ
プチド樹脂778mg(収率95%)を得た。 参考例3 Fmoc-DL-Cys(4Cl-Ph)-OHの代わりに、Fmoc-DL-Cys(4Me-
Ph)-OH(先願と同一の方法により合成)434mg
(1.0mmol)を用いたことを除き、参考例1と同
一の方法により、対応するアミノ酸配列を有する保護ペ
プチド樹脂752mg(収率94%)を得た。 参考例4 Fmoc-DL-Cys(4Cl-Ph)-OHの代わりに、Fmoc-DL-Cys(4OMe
-Ph)-OH (先願と同一の方法により合成)450mg
(1.0mmol)を用いたことを除き、参考例1と同
一の方法により、対応するアミノ酸配列を有する保護ペ
プチド樹脂806mg(収率100%)を得た。 参考例5 Fmoc-DL-Cys(4Cl-Ph)-OHの代わりに、F moc-DL-Cys(4NO
2-Ph)-OH(先願と同一の方法により合成)464mg
(1.0mmol)を用いたことを除き、参考例1と同
一の方法により、対応するアミノ酸配列を有する保護ペ
プチド樹脂691mg(収率86%)を得た。 参考例6 Fmoc-DL-Cys(4Cl-Ph)-OHの代わりに、Fmoc-DL-Cys(4Cl-
Bzl)-OH (先願と同一の方法により合成)468mg
(1.0mmol)を用いたことを除き、参考例1と同
一の方法により、対応するアミノ酸配列を有する保護ペ
プチド樹脂809mg(収率100%)を得た。 参考例7 Fmoc-DL-Cys(4Cl -Ph)-OH の代わりに、Fmoc-DL-Cys(4C
l-Phet)-OH(先願と同一の方法により合成)482mg
(1.0mmol)を用いたことを除き、参考例1と同
一の方法により、対応するアミノ酸配列を有する保護ペ
プチド樹脂795mg(収率98%)を得た。 参考例8 Fmoc- DL-Cys(4Cl-Ph)-OH の代わりに、Fmoc-DL-Hcy(4C
l-Bzl)-OH (先願と同一の方法により合成)482mg
(1.0mmol)を用いたことを除き、参考例1と同
一の方法により、対応するアミノ酸配列を有する保護ペ
プチド樹脂808mg(収率100%)を得た。 参考例9 Fmoc-DL-Cys(4Cl-Ph)-OHの代わりに、Fmoc-D-Phe(4Cl)-
OH(渡辺化学工業社製)422mg(1.0mmol)
を用いたことを除き、参考例1と同一の方法により、対
応するアミノ酸配列を有する保護ペプチド樹脂767m
g(収率96%)を得た。
【0136】
【発明の効果】以上、詳しく説明したとおり、この出願
の発明によって、抗真菌活性に優れ、しかも安全である
新規ペプチド誘導体と、これを有効成分とする抗真菌剤
が提供される。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の式(1) 【化1】 [ただし、式中Rは炭素数1〜19、飽和または2重結
    合もしくは3重結合を1個以上有する直鎖のアルキル基
    を示し、Xaaは次の式(2) 【化2】 (ただし、式中Aは低級アルキレン基、または酸素原子
    若しくは硫黄原子を結合する低級アルキレン基を示し、
    R1およびR2は、各々、水素原子、ハロゲン原子、低
    級アルキル基、低級アルコキシ基またはニトロ基を示
    す。)で示されるアミノ酸残基を示す。]で示されるD
    体またはL体のアミノ酸配列を有するペプチド誘導体ま
    たはそれらの薬理学的に許容される塩類。
  2. 【請求項2】 式(1)におけるXaaが、次の式
    (3) 【化3】 (ただし、式中nは整数1〜5を示し、R1およびR2
    は、各々、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、
    低級アルコキシ基またはニトロ基を示す。)で示される
    アミノ酸残基である請求項1のペプチド誘導体またはそ
    れらの薬理学的に許容される塩類。
  3. 【請求項3】 式(1)におけるXaaが、次の式
    (4) 【化4】 (ただし、式中mは整数0〜3を示し、R1およびR2
    は、各々、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、
    低級アルコキシ基またはニトロ基を示す。)で示される
    アミノ酸残基である請求項1のペプチド誘導体またはそ
    れらの薬理学的に許容される塩類。
  4. 【請求項4】 式(1)におけるXaaが、次の式
    (5) 【化5】 (ただし、式中pは整数0〜2を示し、R1およびR2
    は、各々、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、
    低級アルコキシ基またはニトロ基を示す。)で示される
    アミノ酸残基である請求項1のペプチド誘導体またはそ
    れらの薬理学的に許容される塩類。
  5. 【請求項5】 式(1)におけるXaaが、次の式
    (6) 【化6】 (ただし、式中mは整数0〜3を示し、R1およびR2
    は、各々、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、
    低級アルコキシ基またはニトロ基を示す。)で示される
    アミノ酸残基である請求項1のペプチド誘導体またはそ
    れらの薬理学的に許容される塩類。
  6. 【請求項6】 式(1)におけるXaaが、次の式
    (7) 【化7】 (ただし、式中pは整数0〜2を示し、R1およびR2
    は、各々、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、
    低級アルコキシ基またはニトロ基を示す。)で示される
    アミノ酸残基である請求項1のペプチド誘導体またはそ
    れらの薬理学的に許容される塩類。
  7. 【請求項7】 次の式(1) 【化8】 [ただし、式中Rは炭素数1〜19、飽和または2重結
    合もしくは3重結合を1個以上有する直鎖のアルキル基
    を示し、Xaaは次の式(2) 【化9】 (ただし、式中Aは低級アルキレン基、または酸素原子
    もしくは硫黄原子を結合する低級アルキレン基を示し、
    R1およびR2は、各々、水素原子、ハロゲン原子、低
    級アルキル基、低級アルコキシ基またはニトロ基を示
    す。)で示されるアミノ酸残基を示す。]で示されるD
    体またはL体のアミノ酸配列を有するペプチド誘導体お
    よびそれらの薬理学的に許容される塩類からなる群より
    選択される化合物の1種または2種以上の混合物を有効
    成分として含有する抗真菌剤。
  8. 【請求項8】 式(1)におけるXaaが、次の式
    (3) 【化10】 (ただし、式中nは整数1〜5を示し、R1およびR2
    は、各々、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、
    低級アルコキシ基またはニトロ基を示す。)で示される
    アミノ酸残基である請求項7の抗真菌剤。
  9. 【請求項9】 式(1)におけるXaaが、次の式
    (4) 【化11】 (ただし、式中mは整数0〜3を示し、R1およびR2
    は、各々、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、
    低級アルコキシ基またはニトロ基を示す。)で示される
    アミノ酸残基である請求項7の抗真菌剤。
  10. 【請求項10】 式(1)におけるXaaが、次の式
    (5) 【化12】 (ただし、式中pは整数0〜2を示し、R1およびR2
    は、各々、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、
    低級アルコキシ基またはニトロ基を示す。)で示される
    アミノ酸残基である請求項7の抗真菌剤。
  11. 【請求項11】 式(1)におけるXaaが、次の式
    (6) 【化13】 (ただし、式中mは整数0〜3を示し、R1およびR2
    は、各々、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、
    低級アルコキシ基またはニトロ基を示す。)で示される
    アミノ酸残基である請求項7の抗真菌剤。
  12. 【請求項12】 式(1)におけるXaaが、次の式
    (7) 【化14】 (ただし、式中pは整数0〜2を示し、R1およびR2
    は、各々、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、
    低級アルコキシ基またはニトロ基を示す。)で示される
    アミノ酸残基である請求項7の抗真菌剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007527852A (ja) * 2003-04-07 2007-10-04 株式会社 キャンバス 抗真菌性ペプチド模倣物

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