JPH11106212A - 炭化ケイ素粉体用製造装置及びこれを用いた炭化ケイ 素粉体の製造方法 - Google Patents

炭化ケイ素粉体用製造装置及びこれを用いた炭化ケイ 素粉体の製造方法

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JPH11106212A
JPH11106212A JP9271601A JP27160197A JPH11106212A JP H11106212 A JPH11106212 A JP H11106212A JP 9271601 A JP9271601 A JP 9271601A JP 27160197 A JP27160197 A JP 27160197A JP H11106212 A JPH11106212 A JP H11106212A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高純度の炭化ケイ素粉体を得ることができる
炭化ケイ素粉体用製造装置およびこれを用いた炭化ケイ
素粉体の製造方法の提供。 【解決手段】 炭化ケイ素の原料混合物を不活性ガス雰
囲気下で焼成して炭化ケイ素粉体を得る反応炉10と、
反応炉の一方向から不活性ガスを流入するガス流入装置
18と、不活性ガスの流入方向と異なる方向から不活性
ガスと焼成時に発生する不純物とを排気して不純物を回
収して不活性ガスと不活性ガスをガス流入装置18に返
送する循環ブロワー16と、反応炉10から排気された
ガスが導入され、ガスを急冷してガス中の不純物を固化
して回収する回収装置12と、ガス中の微粉を捕獲する
集塵機16を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は炭化ケイ素粉体用製
造装置及びこれを用いた炭化ケイ素粉体の製造方法に関
し、さらに詳しくは高純度な炭化ケイ素粉体を得ること
ができる炭化ケイ素粉体用製造装置及びこれを用いた炭
化ケイ素粉体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、炭化ケイ素粉体の製造方法として
は、(1)アチソン法、(2)シリカと炭素の還元炭化
法、(3)金属シリコンと炭素との直接反応法、(4)
気相反応法、(5)有機ケイ素化合物の熱分解法、等が
ある。
【0003】しかしながら、上記従来の炭化ケイ素粉体
の製造方法には以下の欠点があった。(1)アチソン法
はα型炭化ケイ素を製造する方法であって、金属酸化物
と炭素を固相反応させる方式で比較的簡単な方法である
が、生成した炭化ケイ素は粗大であり、粉末化のために
は、粉砕、分級が必要となる。また、これらの工程を経
るため、煩雑な製造方法であり、かつ、高純度の粉体を
得るには限界がある。
【0004】(2)シリカと炭素の還元炭化法も古くか
ら行われてきた製法である。この方法の工業的製法とし
ては、電気炉を用いたバッチ型と生産性を重視した連続
型があるが、いずれも生成した副生成物の影響を受ける
ため、純度には限界がある。
【0005】(3)金属シリコンと炭素との直接反応法
は、粉末状炭化ケイ素と炭素の反応で行われるが、高純
度の粉末ケイ素は得え難くしかも高価てあり、かつ生成
する炭化ケイ素は粗大で、粉砕、分級より炭化ケイ素の
純度低下のリスクがある。
【0006】(4)気相反応法は、比較的微細でしかも
高純度な微粒な粉体を得ることができる。しかし、原料
コストが高いことや大量生産には適していない欠点を有
する。 (5)有機ケイ素化合物の熱分解法も、気相反応法と同
様に比較的微細でしかも高純度な粉体を得ることができ
るが、原料コストが高いことや原料の取扱いが難しい等
の欠点を有する。
【0007】また、(2)シリカと炭素の還元炭化法、
(3)金属シリコンと炭素との直接反応法、(4)有機
ケイ素化合物の熱分解法の各々の製造方法は、一般的に
は電気炉を用いたバッチ式により行われ、下式の反応が
提案されている。 SiO2 +3C → 2CO+SiC しかしながら、実際にはこのような理想的な反応にはな
らず、以下のような反応が進むと考えられている。 SiO2 +C → SiO+CO SiO +C → Si +CO Si +C → SiC
【0008】この反応の過程で発生するSiOガスは、
不純物を多く含み、1700℃以下の温度で固形化し副
生成物となる。したがって、従来の電気炉による製造方
法では、炭化ケイ素以外の副生成物が炭化ケイ素中に混
在し、高純度な粉末を得るには限界がある。
【0009】更に近年、生産性を重視した連続型の製造
方法がいくつか提案されている。例えば、特公昭55−
42927号及び特公昭60−44247号では、円筒
状容器を外部より加熱し、その容器の中に原料を上部よ
り供給し容器内で炭化ケイ素を生成し、下部より取り出
す方式が提案されている。しかしながら、これらの方式
では反応生成物や副生成物及び未反応物が反応炉に蓄積
されてその影響を受け、副生成物ガスが円筒内を上昇
し、原料投入口付近で固化し、不純物が再度原料と共に
下方に移動したりするため、高純度の炭化ケイ素生成物
を得るのは難しい。
【0010】また、特公昭60−37055号では、上
記の同様な円筒状容器の熱効率を向上させるため、反応
によって生じるCOガスを循環させているが、この方式
においても反応炉内での汚染物の除去は困難で生成物の
高純度化には限界がある。
【0011】特公昭62−232213号では、不純物
を含む副生成物の除去を目的として、横型プッシャー炉
を用いた連続型装置において、反応部と冷却部を分離す
る構造を採用している。そして、反応炉においては、副
生するガス及び生成物を別室で回収し冷却ゾーンに混入
しないように構成されている。しかしながら、この方法
は、連続型のため、長時間継続使用すると、冷却ゾーン
や回収部の境界部を中心にSiOやSiO2 に代表され
る1700℃以下の温度で固化するような副生成物の蓄
積が生じてくる。その結果、ガスの流れが遮断され、副
生成物の除去が困難となり、結果的に試料中に不純物が
混入してしまう。また、容器の移動に用いるプッシャー
黒鉛材の破損や金属モリブデンなど耐熱金属の摩耗等を
考慮すると、連続炉方式は望ましい製造方法ではない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の事情を鑑みなされてものであって、高純度な炭化ケイ
素粉体を得ることができる炭化ケイ素粉体用製造装置及
びこれを用いた炭化ケイ素粉体の製造方法を提供するこ
とにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の炭化ケイ素粉体用製造装置は、炭化ケイ素
の原料混合物を不活性雰囲気下で焼成して炭化ケイ素粉
体を得る反応炉と、該反応炉の一方向より不活性ガスを
流入するガス流入装置と、前記不活性ガスの流入方向と
異なる方向から該不活性ガスと炭化ケイ素の焼成時に発
生する不純物とを含むガスを前記反応炉から排気して不
純物を回収する手段と、該手段からの不活性ガスを前記
ガス流入装置に返送させる循環系統と、を具備している
ことを特徴とする炭化ケイ素粉体用製造装置によって達
成される。前記回収手段としては、不活性ガスの流入方
向と反対方向から該不活性ガスと炭化ケイ素の焼成時に
発生する不純物とを含むガスを前記反応炉から排気して
不純物を回収する手段が望ましい。また、炭化ケイ素の
原料混合物を黒鉛容器に充填して前記反応炉内に設置す
るように構成されていることが望ましく、前記不純物を
回収する手段が、不活性ガスと炭化ケイ素の焼成時に発
生する不純物とを含むガスを冷却して不純物を固化する
装置と集塵機とからなることが望ましい。また、前記反
応炉がバッチ式反応炉であることが望ましい。
【0014】さらに本発明の炭化ケイ素粉体の製造方法
は、上記の炭化ケイ素粉体用製造装置を用いて、炭化ケ
イ素の原料混合物が設置されている反応炉の一方向から
不活性ガスを流入して反応炉内を不活性ガス雰囲気と
し、1700℃以上の温度で焼成すると共に該不活性ガ
スの流入方向とは異なる方向から不活性ガスと炭化ケイ
素の焼成時に発生する不純物とを含むガスを反応炉から
排気して不純物を回収し、不活性ガスを前記反応炉に返
送させることを特徴とする。
【0015】本発明の炭化ケイ素粉体用製造装置によれ
ば、反応炉中に発生する不純物を排気して不純物を回収
装置または集塵機で回収して不活性ガスを上記ガス流入
装置に返送させる循環系統を設けたことにより、反応炉
中を流れる不活性ガスの汚染を防止できる共に不活性ガ
スをリサイクルして使用でき、これにより高純度な炭化
ケイ素粉体が製造される。
【0016】すなわち、本発明者らは、炭化ケイ素粉体
の原料混合物を不活性ガス雰囲気下で加熱、焼成してい
くと、1400〜2100℃の温度で反応が開始し、反
応生成物であるSiCと副生成物であるSi、SiO、
COガスが発生し、この不純物の多くはこれらの副生成
物であるSi、SiOに含まれていることに着目し、こ
れらは1700℃の高温下では、ガス状であるため、主
に不活性ガスからなる循環ガスを所定の流速で流すこと
により容易に反応部より除去することが可能であること
を見いだした。そこで、本発明では、回収装置(に送ら
れた副生成物をここで急冷することにより微細な固体に
変化させ、さらにこの微細な副生成物粉体を集塵機で捕
獲することによって、循環ブロワーによって反応炉に送
られる不活性ガスは常に不純物を含まないガスとして循
環する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の好
ましい実施の形態を説明する。図1は、本発明の炭化ケ
イ素粉体用製造装置の概略的構成図である。図1におい
て、10はバッチ型の反応炉、12は回収装置、14は
集塵機、16は循環ブロワー、18はガス流入装置を示
し、これらは各々配管で接続されている。反応炉10内
には、黒鉛ケース20が配置されており、炭化ケイ素の
原料混合物は、黒鉛容器22内に入れて黒鉛ケース20
内に挿入可能となっている。また、黒鉛容器22と回収
装置12、集塵機14、循環ブロワー16及びガス流入
装置18とは、それぞれ配管で接続されて循環系統を構
成している。
【0018】図2はバッチ型の反応炉10の概略的構成
図であり、この反応炉10は支柱24に支持された円筒
状のステンレス製の反応炉本体26を備えており、この
反応炉本体26の内部に二重構造からなる黒鉛円筒及び
黒鉛底面部材及び黒鉛蓋部材とからなる黒鉛ケース20
が配置されており、この黒鉛ケース20の内部に円筒状
の黒鉛容器22が配置されている。
【0019】黒鉛容器22の内部は黒鉛容器22の底部
に接続されたガス入口としての管状部材28に連通され
ており、この管状部材28は、黒鉛底面部材及び反応炉
本体26に形成された孔部を貫通し、反応炉本体26の
外部に設置されたモータ30の回転に伴って回転し、管
状部材28の回転に伴い黒鉛容器22が回転可能となっ
ており、この管状部材28はガス流入装置18に接続さ
れている。
【0020】黒鉛容器22の上部中心部には管状部材3
2が設けられ、この管状部材32の上端部は黒鉛蓋部材
に穿設された孔部の内面に摺動可能に配置されている。
黒鉛蓋部材に設けられた管状部材32は、反応炉本体2
6の上部に形成されたガス出口34に連通しており、こ
のガス出口34は回収装置12に接続されている。
【0021】黒鉛容器22の外側面、底面及び上面には
黒鉛容器22と所定の間隔をおいてそれぞれ電極38が
配置された抵抗加熱式電気炉を構成しており、この電極
38にはそれぞれ放射温度計40が設けられて電極38
による黒鉛容器22内の温度を計測可能となっている。
また、黒鉛容器22内には、試料容器42が多段に積み
重ねられている。試料容器42は黒鉛製のたらい型の容
器からなっている。
【0022】図3は回収装置の概略的構成図を示し、円
環状の断熱構造を有するトラップ部48を備えており、
その内部に冷却水が導入可能な円管50が配置されてい
る。円管50の周囲には所定の間隔をおいてフィン52
が設けられている。このフィン52は、それぞれ円形に
形成されている。各々の互いに隣接するフィン52は円
管50の軸方向にガスが流通可能な構造となっている。
フィン52を備えた円管50は、円環状の断熱構造を有
するトラップ部48から取り出し可能な構造を有してい
る。
【0023】図4は集塵機の概略的構成図を示し、集塵
機本体60の内部には、中心部に孔部を有するSUS製
の区画部材62が配置されており、この孔部にポリエス
テル製の袋状のろ布64が設けられている。集塵機本体
60の側面下部側には回収装置のトラップ部48に連通
するガス入口66が設けられ、集塵機本体60の側面上
部側には後記する循環ブロワー16に連通するガス出口
68が設けられている。図中、70はパルスガス導入口
である。
【0024】循環ブロワー16は、小型のモータを円筒
型の容器内に組み込んだ構造のものが望ましく、モータ
のファン内部に副生成物の微粉が混入しないようにモー
タ部と循環部を隔離した構造が望ましい。
【0025】(炭化ケイ素粉体の製造方法)次の上記し
た構造からなる炭化ケイ素粉体用製造装置による炭化ケ
イ素粉体の製造方法を説明する。試料容器42内に炭化
ケイ素原料混合物を炭化した試料を充填し、これらの容
器を図1に示す反応炉の黒鉛容器22内に多段に積み重
ねて配置する。次に電極38に通電し、黒鉛ケース20
内を所定の温度に保持して焼成を行う。焼成を行う際
は、モータ30を駆動させ、管状部材28を回転させ
る。回転速度は可変式で回転速度は5分で1回転程度が
好ましい。また、ガス流入装置18からアルゴン等の不
活性ガスが管状部材28を介して黒鉛容器22内に導入
する。この不活性ガスは、試料容器42に設けられた孔
部を経て各段の試料容器42内に流入する。昇温条件と
しては、昇温速度0.5〜10℃/分、最高温度160
0〜2100℃で行う。
【0026】この焼成過程で、1400〜2100℃の
温度で反応が開始され、反応生成物であるSiCと副生
成物であるSi、SiO、COガスが発生する。これら
の副生成物を含むガスは、黒鉛容器22内に導入される
不活性ガスによって、黒鉛容器22からガス出口34を
経て回収装置14に送られる。
【0027】回収装置14においては、副生成物を含む
ガスは、ガス入口から導入されてトラップ部48に到達
する。トラップ部48内に配置された円管50内には冷
却水が導入されており、ここで副生成物を含むガスは急
冷されてフィン52の周囲に主としてSiOが吸着さ
れ、ガス中のCOガスはその一部がガス排出管より排出
され、水封ポンプを経て燃焼炉にて燃焼され、残りのC
Oガスは循環系統内を循環する。
【0028】ガス中からSiO等が除去されたガスは集
塵機14のガス入口66から導入され、ろ布64で微粉
からなる不純物が捕獲され、ガスはガス出口68から循
環ブロワー16及びガス流入装置18を経て再び反応炉
10に返送される。ガス流入装置18による不活性ガス
の送風量は、反応炉10の大きさに依存するが、一般に
10〜500L/分であり、好ましくは100〜300
L/分程度で運転される。
【0029】これらの一連の操作によりアルゴンガス等
の不活性ガスは、反応炉10、回収装置12、集塵機1
4、循環ブロワー16、ガス流入装置18を循環し、副
生成物が除去される。
【0030】一バッチの焼成工程が終了すると、回収装
置12においては、フィン52を備えた円管50は、こ
れを固定した蓋部材と共に円環状のトラップ部48から
取り出される。そして、フィン52に固着した微粉等が
除去される。また、集塵機14においては、ろ布64に
微粉が密着し、目詰まりを起こすので、パルスガス導入
口70からガスが周期的に吹き込まれ、ろ布64に付着
した微粉等がろ布64から除去される。
【0031】この場合、ろ布64の目が細かすぎると目
詰まりが生じやすくなり、目が粗すぎると、微粉状の副
生成物がガスと共にろ布64を通過するため、得られる
炭化ケイ素粉体の純度が低下するので、ろ布64の目の
粗さは適宜選定すべきである。また、ろ布64における
通気度は5〜30cc/cm2 /secが好ましく、よ
り好ましくは14〜20cc/cm2 /secである。
【0032】なお、上記した実施の形態においては、反
応炉10における不活性ガスの流入方向と反対方向から
該不活性ガスと炭化ケイ素の焼成時に発生する不純物と
を含むガスを前記反応炉から排気する実施の形態を示し
たが、反応炉10において不活性ガスの流入方向と異な
る方向であれはよく、例えば、反応炉10の側面部から
排気してもよい。
【0033】
【実施例】以下、本発明の実施例をさらに詳細に説明す
る。 (実施例1)ケイ素質原料としてエチルシリケート、炭
素質原料としてノボール型フェノール樹脂を、そのC/
Si比が2.0になる様に各々の量を調整し攪拌混合し
た。次にこの混合物を100−180℃の温度で約2時
間硬化させた後、得られた樹脂状固形物を窒素雰囲気
中、900℃の温度で約1.5時間炭化処理を行い焼成
試料とした。この試料をアルゴン雰囲気中、実験条件1
にて該焼成炉をもちいて焼成処理を行った。
【0034】(実施例2)ケイ素質原料としてエチルシ
リケート、炭素質原料としてレゾール型フェノール樹脂
を用い、そのC/Si比が2.5になる様に各々の量を
調整し攪拌混合した後、硬化触媒であるトルエンスルホ
ン酸を加え更に攪拌を行った。次にこの混合物を100
−180℃の温度で約2時間硬化させた後、得られた樹
脂状固形物を窒素雰囲気中、900℃の温度で約1.5
時間炭化処理を行い焼成試料とした。この試料をアルゴ
ン雰囲気中、実験条件2にて該焼成炉を用いて焼成処理
を行った。
【0035】(実施例3)ケイ質原料としてエチルシリ
ケート、炭素質原料として高純度カーボンを用い、その
C/Si比が3.0になる様に各々の量を調整、攪拌に
て均質混合したものを焼成用試料とした。この試料をア
ルゴン雰囲気中、実験条件3にて該焼成炉を用いて焼成
処理を行った。
【0036】(実施例4)ケイ素質原料として平均粒径
1μm以下の高純度アモルファスシリカ、炭素質原料と
してレゾール型フェノール樹脂をそのC/Si比が2.
5になる様に各々の量を調整し、熱ロールにて均質に混
合し、さらにヘキサミンを添加して固化させた。この混
合物を窒素雰囲気中、900℃の温度で約1.5時間炭
化処理を行い焼成用試料とした。この試料をアルゴン雰
囲気中、実験条件4にて該焼成炉を用いて焼成処理を行
った。
【0037】(実施例5)ケイ素質原料として平均粒径
1μm以下の高純度アモルファスシリカ、炭素質原料と
して高純度カーボンを用いそのC/Si比が3.0にな
る様に各々の量を調整し、ボールミルにより充分に混合
したものを焼成用試料とした。この試料をアルゴン雰囲
気中、実験条件5にて該焼成炉を用いて焼成処理を行っ
た。
【0038】(比較例1)実施例2の試料を用いて、ア
ルゴン雰囲気中、実験条件6にて該焼成炉を用いて焼成
処理を行った。但しこの試験ではガスの循環機能を停止
し、排ガス機能のみを稼働させて焼成処理を行った。
【0039】(比較例2)実施例2の試料を用いて、ア
ルゴン雰囲気中、実験条件7にて該焼成炉を用いて焼成
処理を行った。但しこの試験ではガスの循環機能を停止
し、排ガス機能のみを稼働させて焼成処理を行った。
【0040】(比較例3)アチソン法により得られた炭
化ケイ素粉体。(屋久島電工社製:DIASIC)
【0041】(比較例4)連続炉法により得られた炭化
ケイ素粉体。(市販品)(昭和電工社製)
【0042】(比較例5)気相法により得られた炭化ケ
イ素粉体。(市販品)(昭和電工社製)
【0043】実験条件1〜7を表1に示す。
【表1】
【0044】実施例1〜実施例5および比較例1〜比較
例2で得られた炭化ケイ素粉体及び上記の市販の炭化ケ
イ素粉体についてそれぞれ不純物含有量を分析した。 < 分析方法 >炭化ケイ素粉体の不純物分析は、炭化
ケイ素粉体をフッ素、硝酸、硫酸で加圧熱分解した後、
IPC−質量分析法およびフレームレス原子吸光法にて
行った。分析結果を表2および表3に示す。
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】表2および表3は、本発明の製造方法で得
られた炭化ケイ素粉体の不純物の含有量は、従来の方法
により得られた炭化ケイ素粉体と比較して遙に少ないこ
とを示している。
【0048】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、高純度な
炭化ケイ素粉体を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の炭化ケイ素粉体用製造装置の好ましい
一実施の形態を示す概略的構成図である。
【図2】図1の装置における反応炉の好ましい一実施の
形態を示す断面図である。
【図3】図1の装置における回収装置の好ましい一実施
の形態を示す概略的構成図である。
【図4】図1の装置における集塵機の好ましい一実施の
形態を示す概略的構成図である。
【符号の説明】
10 反応炉 12 回収装置 14 集塵機 16 循環ブロワー 18 ガス流入装置 20 黒鉛ケース 26 反応炉本体 28 管状部材 30 モータ 32 黒鉛容器 34 ガス出口 38 電極 40 放射温度計 42 試料容器 48 トラップ部 50 円管 52 フィン 60 集塵機本体 62 区画部材 64 ろ布 66 ガス入口 68 ガス出口 70 パルスガス導入口

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化ケイ素の原料混合物を不活性雰囲気
    下で焼成して炭化ケイ素粉体を得る反応炉と、該反応炉
    の一方向より不活性ガスを流入するガス流入装置と、前
    記不活性ガスの流入方向と異なる方向から該不活性ガス
    と炭化ケイ素の焼成時に発生する不純物とを含むガスを
    前記反応炉から排気して不純物を回収する手段と、該手
    段からの不活性ガスを前記ガス流入装置に返送させる循
    環系統と、を具備していることを特徴とする炭化ケイ素
    粉体用製造装置。
  2. 【請求項2】 前記不活性ガスの流入方向と反対方向か
    ら該不活性ガスと炭化ケイ素の焼成時に発生する不純物
    とを含むガスを前記反応炉から排気して不純物を回収す
    る手段を具備していることを特徴とする請求項1に記載
    の炭化ケイ素粉体用製造装置。
  3. 【請求項3】 前記炭化ケイ素の原料混合物を黒鉛容器
    に充填して前記反応炉内に設置するように構成されてい
    ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の炭
    化ケイ素粉体用製造装置。
  4. 【請求項4】 前記不純物を回収する手段が、不活性ガ
    スと炭化ケイ素の焼成時に発生する不純物とを含むガス
    を冷却して不純物を固化する装置と集塵機とからなるこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項3にいずれか1項に
    記載の炭化ケイ素粉体用製造装置。
  5. 【請求項5】 前記反応炉がバッチ式反応炉であること
    を特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記
    載の炭化ケイ素粉体用製造装置。
  6. 【請求項6】 炭化ケイ素の原料混合物が設置されてい
    る反応炉の一方向から不活性ガスを流入して反応炉内を
    不活性ガス雰囲気とし、1700℃以上の温度で焼成す
    ると共に該不活性ガスの流入方向とは異なる方向から不
    活性ガスと炭化ケイ素の焼成時に発生する不純物とを含
    むガスを反応炉から排気して不純物を回収し、不活性ガ
    スを前記反応炉に返送させることを特徴とする炭化ケイ
    素粉体の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記不活性ガスの流入方向と反対方向か
    ら該不活性ガスと炭化ケイ素の焼成時に発生する不純物
    とを含むガスを前記反応炉から排気することを特徴とす
    る請求項6に記載の炭化ケイ素粉体の製造方法。
  8. 【請求項8】 不活性ガスと炭化ケイ素の焼成時に発生
    する不純物と含むガスを冷却して不純物を固化して回収
    することを特徴とする請求項6または請求項7に記載の
    炭化ケイ素粉体の製造方法。
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