JPH11105914A - 容器用キャップ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 弁体スリットに擬接着が生じるのを確実に防
止できる容器用キャップ装置を提供する。 【解決手段】 キャップ装置３は、天頂部５ａ内側の凹
部５ｂにスリット４が形成されたシリコーン樹脂等の柔
軟な樹脂壁製であって容器１内圧力に対応して該スリッ
ト４が開閉する弁体５と、該弁体５の天頂部５ａを開口
部６から外部に露出させた状態で保持すると共に容器１
の口元部２に固定されるキャップ本体７と、該開口部６
を着脱自在に覆うオーバーキャップ８とを有し、オーバ
ーキャップ８のキャップ本体７を覆う底面側には、弁体
５側壁部５ｂほぼ中央の外面に対応する位置９よりも内
側に内面部１０ａが位置するリブ１０を立設し、オーバ
ーキャップ８で開口部６を覆ったときに前記弁体５の側
壁部５ｃを前記突起部１０で押圧してスリット４を開く
ようにしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、台所洗剤、シャン
プー、リンス、液体洗剤、歯磨きなどの液体製品全般を
収容する容器の口元部に設けたキャップ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、台所洗剤などの液体製品は容器に
収容された状態でユーザーは購入する。そして、ユーザ
ーは、液体製品の使用時に容器の上端口元部のキャップ
を開け、次いで、容器口元を下方に向けた状態で容器を
絞る等して液体製品を使用箇所に注出させていた。この
キャップは、容器口元部に設けたキャップ本体の液体通
路を開閉するタイプのものが通常であったが、液切れが
悪かったり、容器を逆さにして容器口元部を下方に向け
ただけで液体製品が漏出してしまったり、不用意に倒し
たときに液が出てしまう等、使いにくかった。

【０００３】そこで、上記キャップ本体に、スリットが
形成された柔軟なシリコーンゴム壁製であって容器内圧
力に対応して該スリットが開閉する弁体を設け、この弁
体のスリットはある程度の圧力が加わらないと開かない
ように設計して、容器を逆さにした際に液体製品が漏出
しないようにしていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
弁体を使用した容器に液体製品を収容して商品とするた
めには、次の問題点があった。つまり、弁体はシリコー
ンゴムを型成形した後に、頂部をカッター等で切り開い
て容器に装着するが、せっかく切り開いたスリットが経
時により再び接着する現象（擬接着）が生じる場合があ
る。この擬接着が生じるとスリットが部分的または全体
的に開かなくなるので、液体製品の使用時に十分な注出
ができない問題点があった。

【０００５】本発明は、弁体スリットに擬接着が生じる
のを確実に防止できる容器用キャップ装置を提供するこ
とを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するため、次の構成を有する。請求項１の発明は、
液体製品を収容する容器の口元部に設けたキャップ装置
において、一部にスリットが形成された柔軟なシリコー
ンゴム壁製であって容器内圧力に対応して該スリットが
開閉する弁体と、該弁体のスリット形成部を開口部から
外部に露出させた状態（臨ませた状態も含む）で保持す
ると共に容器の口元部に固定されるキャップ本体と、該
開口部を着脱自在に覆うオーバーキャップとを有し、オ
ーバーキャップのキャップ本体を覆う側には、弁体側壁
部の外面に対応する位置よりも内側に内面部が位置する
突起部を立設し、オーバーキャップで開口部を覆ったと
きに前記弁体の側壁部を前記突起部で押圧してスリット
を開くようにしたことを特徴とする容器用キャップ装置
である。

【０００７】請求項１の発明によれば、オーバーキャッ
プのキャップ本体を覆う側には、弁体側壁部の外面に対
応する位置よりも内側に内面部が位置する突起部を立設
し、オーバーキャップが開口部を覆ったときにオーバー
キャップの突起部により弁体側壁部を押圧してスリット
が開くようにしたので、オーバーキャップで覆ったまま
にしておけばスリット形成後に経時してもスリットが擬
接着することがない。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を詳細に説明する。図１〜図３は、実施形態にか
かる液体製品を収容する容器１の口元部２に設けたキャ
ップ装置３の説明図である。

【０００９】キャップ装置３は、天頂部５ａ中央の凹部
５ｂにスリット４が形成されたシリコーン樹脂等の柔軟
な樹脂壁製であって容器１内圧力に対応して該スリット
４が開閉する弁体５と、該弁体５の天頂部５ａを開口部
６から外部に露出させた状態で保持すると共に容器１の
口元部２に固定されるキャップ本体７と、該開口部６を
着脱自在に覆うオーバーキャップ８とを有する。そし
て、オーバーキャップ８のキャップ本体７を覆う底面側
には、弁体５側壁部５ｃ外面のほぼ中央か、または若干
上方の位置９よりも内側に内面部１０ａが位置するリブ
（突起部に相当）１０を立設し、オーバーキャップ８で
開口部６を覆ったときに前記弁体５の側壁部５ｃを前記
リブ１０で押圧してスリット４を開くようにしたもので
ある。

【００１０】すなわち、前記弁体５は、図３に示すよう
に、全体が伏せた概略椀形状を呈し、底部５ｄ周縁には
環状にフランジ部５ｅが形成される。そして、天頂部５
ａはその中央部の凹状に窪んだ凹部５ｂの中心付近に＋
形状のスリット４が切開される。なお、フランジ部５ｅ
底部側には、凹部５ｆが形成されている。

【００１１】前記容器１は上部が肩部から段状に細くな
って概略筒状の口元部２を有し、この口元部２の外周面
部に雄ネジのネジ山２ａが形成されている。キャップ本
体７は、図２に示すように、大径部７ａ、中径部７ｂ、
小径部７ｃからなり大径部７ａは内周の雌ネジのネジ山
７ａ₁が形成される。この大径部７ａを前記口元部２に
被せてネジ山２ａおよび７ａ₁同士を螺着することで、
口元部２にキャップ本体７を固定する。大径部７ａの内
側には、容器口元部２内周に向けて壁状に垂下して大径
部７ａと共に口元部２をはさむ壁部１１が一体形成され
る。また、中径部７ｂと小径部７ｃとの段状内周部に
は、弁体５のフランジ部５ｅが当接し、下方からリング
状のストッパー１２で押圧されて固定される。ストッパ
ー１２の上面部の突起１３が弁体５の凹部５ｆに嵌入し
て、弁体５の脱落を防止する。また、ストッパー１２は
中径部７ｂ内周壁の突起１４により中径部７ｂ内部に嵌
合して固定される。そして、小径部７ｃ内周部は、弁体
５上部の外周との間に隙間を設けて、開口部６内での弁
体５の作動を確保できる寸法に形成される。

【００１２】オーバーキャップ８は、外周上部に使用者
が持ち易くするため傘状にフランジ８ｂが形成された全
体概略キノコ形状を呈している。そして、底面中央の平
坦な底面部８ａ周囲には、前記口元部２先端に嵌合する
ための内側のリブ１０、外側のリブ８ｃが突出形成され
ている。また、オーバーキャップ８の内側のリブ１０は
概略円筒状を呈して連続しあるいは断続して形成されて
いて、オーバーキャップ８をキャップ本体７上部に嵌め
込んだときに、リブ１０の先端内周面部１０ａは少なく
とも前記弁体５の側壁部５ｃを押圧する寸法に形成して
いる。また、外側リブ８ｃの内周とキャップ本体小径部
７ｃ外周に互いに対応する係止用突起１５、１６が形成
されており、オーバーキャップ８がキャップ本体７に対
して経時によっても嵌合が緩まないようにしている。

【００１３】実施形態のキャップ装置によれば、オーバ
ーキャップ８がキャップ本体７の開口部６を覆って嵌合
したときには、オーバーキャップ８の底面部８ａが図３
の二点鎖線の位置になる。このときに、オーバーキャッ
プ８の内側リブ１０が開口部６内側に嵌合するが、その
リブ１０の先端部により弁体側壁部５ｃを押圧するの
で、弁体側壁部５ｃが絞り込まれて天頂部５ａが半径方
向に縮もうとし、凹部５ｂが下方にまくれるように撓
み、これによりスリット４が開く。したがって、キャッ
プ本体７をオーバーキャップ８で覆ったままにしておけ
ばスリット４形成後に経時してもスリット４が擬接着す
ることがない。また、リブ１０がオーバーキャップ８の
装着時に弁体５の周囲を取り巻く状態になるので、オー
バーキャップ８をした状態では、液体製品がリブ１０で
せき止められて、液だれ防止ができる。

【００１４】なお、前記実施形態は本発明の実施の一態
様を示しているものに過ぎず、本発明の範囲内で種々に
変形実施できる。例えば弁体の突起部は、環状に連続形
成されてもあるいは部分的に形成されてもよい。また、
弁体５にリブ１０等の突起部が当たる位置は、本発明の
効果が得られるかぎり、弁体側壁部のいずれの位置でも
よい。

【００１５】

【発明の効果】以上説明した通り、請求項１の発明によ
れば、弁体のスリットに擬接着が生じるのを確実に防止
できる上、不用意に倒しても液が出ることがなく、液ぎ
れを防止し、逆さにしただけでは漏れないために目標に
対して適確に液を注ぐことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態に係る容器用キャップ装置の
容器使用状態の説明図である。

【図２】キャップ装置の要部半断面図である。

【図３】弁体の詳細説明図であって、（ａ）は平面図、
（ｂ）は半断面を含む側面図である。

【符号の説明】

１ 容器 ２ 口元部 ３ キャップ装置 ４ スリット ５ 弁体 ５ａ 天頂部 ５ｂ 凹部 ５ｃ 側壁部 ６ 開口部 ７ キャップ本体 ８ オーバーキャップ １０ 内側リブ １０ａ リブ内面部

【手続補正書】

【提出日】平成９年１０月７日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】特許請求の範囲

【補正方法】変更

【補正内容】

【特許請求の範囲】

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００６

【補正方法】変更

【補正内容】

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するため、次の構成を有する。請求項１の発明は、
液体製品を収容する容器の口元部に設けたキャップ装置
において、一部にスリットが形成された柔軟な樹脂壁製
であって容器内圧力に対応して該スリットが開閉する弁
体と、該弁体のスリット形成部を開口部から外部に露出
させた状態（臨ませた状態も含む）で保持すると共に容
器の口元部に固定されるキャップ本体と、該開口部を着
脱自在に覆うオーバーキャップとを有し、オーバーキャ
ップのキャップ本体を覆う側には、弁体側壁部の外面に
対応する位置よりも内側に内面部が位置する突起部を立
設し、オーバーキャップで開口部を覆ったときに前記弁
体の側壁部を前記突起部で押圧してスリットを開くよう
にしたことを特徴とする容器用キャップ装置である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斉藤 洋平 東京都墨田区本所１丁目３番７号 ライオ ン株式会社内 (72)発明者 松本 曄 東京都墨田区本所１丁目３番７号 ライオ ン株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 液体製品を収容する容器の口元部に設け
   たキャップ装置において、一部にスリットが形成された
   柔軟なシリコーンゴム壁製であって容器内圧力に対応し
   て該スリットが開閉する弁体と、該弁体のスリット形成
   部を開口部から外部に露出させた状態で保持すると共に
   容器の口元部に固定されるキャップ本体と、該開口部を
   着脱自在に覆うオーバーキャップとを有し、 オーバーキャップのキャップ本体を覆う側には、弁体側
   壁部の外面に対応する位置よりも内側に内面部が位置す
   る突起部を立設し、オーバーキャップで開口部を覆った
   ときに前記弁体の側壁部を前記突起部で押圧してスリッ
   トを開くようにしたことを特徴とする容器用キャップ装
   置。