JPH11105774A - 補助動力付き自転車 - Google Patents

補助動力付き自転車

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JPH11105774A
JPH11105774A JP27440897A JP27440897A JPH11105774A JP H11105774 A JPH11105774 A JP H11105774A JP 27440897 A JP27440897 A JP 27440897A JP 27440897 A JP27440897 A JP 27440897A JP H11105774 A JPH11105774 A JP H11105774A
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chain
assist
pedal
shaft
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静止 三浦
Nobuo Miura
信夫 三浦
Masahiro Kuroki
正宏 黒木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】後輪を回転駆動すべく人力により回転操作され
るペダル軸と、該ペダル軸からの動力伝達を可能として
ペダル軸と同軸に配置されるペダルスプロケットと、後
輪に設けられる被動スプロケットと、ペダルスプロケッ
トおよび被動スプロケットに巻掛けられる無端状のチェ
ーンと、アシスト動力を発揮し得る動力源を有して車体
フレームに搭載されるパワーユニットと、該パワーユニ
ットからのアシスト動力を前記チェーンに伝達すべく該
チェーンに噛合されるアシストスプロケットとを備える
補助動力付き自転車において、アシストスプロケットか
らチェーンにアシスト動力を有効に伝達可能とする。 【解決手段】アシストスプロケット62へのチェーン6
4の巻掛け角度が120度以上に設定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、後輪を回転駆動す
べく人力により回転操作されるペダル軸と、該ペダル軸
からの動力伝達を可能としてペダル軸と同軸に配置され
るペダルスプロケットと、後輪に設けられる被動スプロ
ケットと、ペダルスプロケットおよび被動スプロケット
に巻掛けられる無端状のチェーンと、アシスト動力を発
揮し得る動力源を有して車体フレームに搭載されるパワ
ーユニットと、該パワーユニットからのアシスト動力を
前記チェーンに伝達すべく該チェーンに噛合されるアシ
ストスプロケットとを備える補助動力付き自転車に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、かかる補助動力付き自転車は、た
とえば特開平7−156856号公報等により既に知ら
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
ものでは、アシストスプロケットへのチェーンの巻掛け
角度が比較的小さく、アシストスプロケットからのアシ
スト動力伝達時に、チェーンがアシストスプロケットか
ら浮き上がってしまい、アシストスプロケットからチェ
ーンにアシスト動力が有効に伝達されないことがある。
【0004】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、アシストスプロケットからチェーンにアシス
ト動力を有効に伝達可能とした補助動力付き自転車を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、後輪を回転駆動すべく人力
により回転操作されるペダル軸と、該ペダル軸からの動
力伝達を可能としてペダル軸と同軸に配置されるペダル
スプロケットと、後輪に設けられる被動スプロケット
と、ペダルスプロケットおよび被動スプロケットに巻掛
けられる無端状のチェーンと、アシスト動力を発揮し得
る補助動力源を有して車体フレームに搭載されるパワー
ユニットと、該パワーユニットからのアシスト動力を前
記チェーンに伝達すべく該チェーンに噛合されるアシス
トスプロケットとを備える補助動力付き自転車におい
て、前記アシストスプロケットへのチェーンの巻掛け角
度が120度以上に設定されることを特徴とする。
【0006】このような構成によれば、アシストスプロ
ケットへのチェーンの巻掛け角度が120度以上の大き
な角度に設定されることにより、アシストスプロケット
からチェーンが浮き上がることを防止して、アシストス
プロケットからのアシスト動力を有効かつ確実にチェー
ンに伝達することが可能となる。
【0007】また請求項2記載の発明によれば、上記請
求項1記載の発明の構成に加えて、ペダルスプロケット
および被動スプロケット間でのチェーンの緩み側である
下方チェーンラインに前記アシストスプロケットが噛合
されることにより、パワーユニットを車体フレームの比
較的低い位置に搭載することが可能となり、車体フレー
ムの重心位置を比較的低くして走行安定性の向上に寄与
することができる。
【0008】さらに請求項3記載の発明によれば、上記
請求項1または2記載の発明の構成に加えて、前記パワ
ーユニットのケーシングに、チェーンのアシストスプロ
ケットへの巻掛け部分を外側方から覆うガイド突部が突
設されることにより、アシストスプロケットへの巻掛け
部分でのチェーンの暴れをガイド突部で防止することが
可能であり、アシストスプロケットからのアシスト動力
のチェーンへの伝達をより一層有効にすることができ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0010】図1ないし図14は本発明を電動モータ付
き自転車に適用したときの第1実施例を示すものであ
り、図1は電動モータ付き自転車の側面図、図2は図1
の要部拡大図、図3は図2の3−3線断面図、図4は図
3の要部拡大図、図5は図4の5−5線断面図、図6は
図4の6−6線断面図、図7は図2の7−7線拡大断面
図、図8は図4の8−8線断面図、図9は図4の9−9
線断面図、図10は第1センサと第1磁性リングの磁極
との相対配置を示す図、図11は第1磁性リングとの周
方向相対位置変化に伴なう第1センサの検出パターンを
説明するための図、図12は制御ユニットにおける電動
モータの制御手順を示すフローチャート、図13は第1
および第2磁性リングの相対回転に伴なう第1および第
2センサの検出パターンを説明するための図、図14は
通常走行状態での位相差検出を説明するための図であ
る。
【0011】先ず図1ないし図3において、この電動モ
ータ付き自転車は側面視で上方に開いた略U字状である
車体フレーム21を備え、該車体フレーム21は、その
前端のヘッドパイプ22と、ヘッドパイプ22から後下
りに延びるダウンパイプ23と、ダウンパイプ23の後
端に固着されて左右に延びる支持パイプ24と、支持パ
イプ24から上方に立上がるシートパイプ25とを備え
る。
【0012】ヘッドパイプ22にフロントフォーク26
が操向可能に支承され、該フロントフォーク26の下端
に前輪WF が軸支され、フロントフォーク26の上端に
操向ハンドル27が設けられる。また車体フレーム21
の後部の支持パイプ24から後方側に延出される左、右
一対のリヤフォーク28L ,28R の後端間に後輪W R
が軸支され、シートパイプ25の上部および両リヤフォ
ーク28L ,28R 間には左、右一対のステー29…が
設けられる。シートパイプ25には、上端にシート30
を備えるシートポスト31がシート30の上下位置を調
整可能として装着される。
【0013】また後輪WR の上方に配置されるリヤキャ
リア67上にはリヤバスケット33が設けられており、
リヤキャリア67は、リヤフォーク28L ,28R の後
端から上方に延びる左、右一対の支持部材68…と、シ
ートパイプ25の上端から後方に延びる支持部材69と
で固定的に支持される。リヤキャリア67内の前部に
は、バッテリBを挿脱可能に収納せしめるバッテリ収納
箱32が設けられる。
【0014】シートパイプ25の後方側には、前記バッ
テリBから電力を供給される補助動力としての電動モー
タ34を有するパワーユニット35が配置され、該パワ
ーユニット35は、シートパイプ25および右側のリヤ
フォーク28R で支持される。
【0015】車体フレーム21の支持パイプ24を同軸
に貫通するペダル軸36の左端および右端にクランクペ
ダル37L ,37R がそれぞれ固定的に連結され、ペダ
ル軸36を回転自在に貫通せしめて支持パイプ24の左
端および右端をそれぞれ塞ぐ蓋板38L ,38R とペダ
ル軸36との間にはボールベアリング39,39がそれ
ぞれ設けられる。すなわちペダル軸36は車体フレーム
21で回転自在に支承されることになる。
【0016】ペダル軸36の左右両端のクランクペダル
37L ,37R による踏力は、それらのクランクペダル
37L ,37R の回転に同期して第1回転円板40に伝
達されるものであり、右側のクランクペダル37R と第
1回転円板40との間には第1回転円板40からクラン
クペダル37R へのトルク伝達を遮断する第1ワンウエ
イクラッチ41が設けられる。
【0017】図4ないし図6を併せて参照して、第1ワ
ンウエイクラッチ41は、複数のボルト47により右側
のクランクペダル37R の基端部に固着されてペダル軸
36を同軸に囲繞するクラッチ内輪42と、該クラッチ
内輪42を同軸に囲繞するクラッチ外輪43と、クラッ
チ内輪42の外周に枢支されるとともに環状のスプリン
グ45で拡開方向に付勢された複数たとえば3個のラチ
ェット爪44…とを備え、クラッチ外輪43の内周に
は、前記各ラチェット爪44…を係合せしめるラチェッ
ト歯46が形成され、クラッチ外輪43の外周に第1回
転円板40の内周が溶接等により固着される。
【0018】このような第1ワンウエイクラッチ41に
よれば、クランクペダル37L ,37R を踏んでペダル
軸36を正転させると、クランクペダル37L ,37R
の踏力が第1回転円板40に伝達されるが、クランクペ
ダル37L ,37R を踏んでペダル軸36を逆転させた
ときには、第1ワンウエイクラッチ41がスリップして
ペダル軸36の逆転が許容され、また第1回転円板40
からクランクペダル37R 側にトルクが伝達されること
もない。
【0019】ペダル軸36の軸線に沿って第1回転円板
40の内方側で隣接した位置には、第1回転円板40よ
りも大径に形成される第2回転円板48がペダル軸36
を同軸に囲繞するようにして配置されており、第2回転
円板48の内周部は、第1ワンウエイクラッチ41のク
ラッチ内輪42と、円筒状の支持部材50が備える鍔部
50aとの間に相対回転を可能として挟まれ、支持部材
50は、ペダル軸36を相対回転自在に囲繞してクラッ
チ内輪42の内周に、たとえばねじ結合等により結合さ
れる。また前記ペダル軸36の軸線に沿って第1回転円
板40の外方側には、第1回転円板40の外周部を第2
回転円板48との間に挟むようにしてリング状の挟持板
49が配置される。
【0020】第1回転円板40の外周寄りの部分の周方
向に沿う複数箇所たとえば等間隔をあけた4箇所には、
ペダル軸36の軸線を中心とする仮想円に沿って円弧状
に延びる案内孔51,51…が設けられており、各案内
孔51,51…にそれぞれ挿通される円筒状のカラー5
2,52…が第2回転円板48および挟持板49間に配
置され、第2回転円板48および挟持板49は、各カラ
ー52,52…を貫通するリベット53,53…で相互
に連結される。したがって第2回転円板48および挟持
板49は、各カラー52,52…が案内孔51,51…
内で移動し得る範囲で第1回転円板40に対して相対回
転することができる。而して第1回転円板40と、第2
回転円板48および挟持板49との対向面には、錆の発
生を防止するための防錆フィルム(図示せず)がそれぞ
れ貼着されている。
【0021】第1回転円板40には、その周方向に比較
的長く延びる複数の収納孔54,54…が、各案内孔5
1,51…相互間にたとえば2つずつ配置されるように
して設けられており、第2回転円板48および規制板4
9にも、第1回転円板40の各収納孔54,54…に対
応した規制孔55,55…,56,56…がそれぞれ設
けられる。各収納孔54,54…および各規制孔55,
55…,56,56…には、コイルばね57,57…が
収納されており、第1回転円板40と、第2回転円板4
8および挟持板49とが相対回転していないときには、
各コイルばね57,57…の両端は各収納孔54,54
…および各規制孔55,55…,56,56…の両端に
当接した状態にある。しかるに、第1回転円板40と、
第2回転円板48および挟持板49とが相対回転する
と、各コイルばね57,57…の一端は各収納孔54,
54…の一端に当接したままであるが、他端は各規制孔
55,55…,56,56…の他端で押されて各収納孔
54,54…の他端から離反するようになる。すなわち
各コイルばね57,57…を圧縮しつつ、第1回転円板
40と、第2回転円板48および挟持板49とが相対回
転することになる。
【0022】前記各収納孔54,54…および各規制孔
55,55…,56,56…へのコイルばね57,57
…の収納状態を保持するために、第2回転円板48に
は、各規制孔55,55…の両側縁からコイルばね5
7,57…の外周にほぼ沿って斜めに延びる保持壁部5
5a,55a…が設けられ、挟持板49には、各規制孔
56,56…の両側縁からコイルばね57,57…の外
周にほぼ沿って斜めに延びる保持壁部56a,56a…
が設けられる。
【0023】第1回転円板40および挟持板49は、第
1回転円板40の外周に装着されるカバー58で覆われ
ており、第1ワンウエイクラッチ41のクラッチ外輪4
3に装着された環状の弾性シール部材59が外周側に備
えるリップ部59aが前記カバー58の内周部内面に弾
発的に接触せしめられ、また前記弾性シール部59がそ
の内周側に備えるリップ部59bがクラッチ内輪42に
弾発的に接触せしめられる。而して第1ワンウエイクラ
ッチ42のクラッチ内輪42およびクラッチ外輪43間
には、前記リップ部59bで封入されるようにしてグリ
ス60が充填される。
【0024】前記カバー58から外側方に突出する第2
回転円板48の外周には、ペダル軸36と同軸にしてペ
ダルスプロケット61が設けられており、該ペダルスプ
ロケット61と、パワーユニット35で駆動されるアシ
ストスプロケット62と、後輪WR の車軸に設けられた
被動スプロケット63とに無端状のチェーン64が巻掛
けられ、該チェーン64に張力を与えるテンショナ65
が備えるスプロケット66がアシストスプロケット62
および被動スプロケット63間でチェーン64に噛合さ
れる。
【0025】したがって第1ワンウエイクラッチ41を
介して第1回転円板40に伝達されるクランクペダル3
L ,37R の踏力は、各コイルばね57,57…を圧
縮しつつ第2回転円板48すなわちペダルスプロケット
61に伝達され、さらにチェーン64および被動スプロ
ケット63を介して後輪WR に伝達されることになり、
またパワーユニット35からアシストスプロケット62
に与えられるアシスト動力はチェーン64および被動ス
プロケット63を介して後輪WR に伝達され、このパワ
ーユニット35からのアシスト動力によるトルクは第1
ワンウエイクラッチ41の働きによりクランクペダル3
L ,37R 側に伝達されることはない。
【0026】図7において、パワーユニット35のケー
シング70は、左ケーシング半体71と、該左ケーシン
グ半体71との間に第1収納室74を形成して左ケーシ
ング半体71に結合される右ケーシング半体72と、左
ケーシング半体71との間に第2収納室75を形成して
左ケーシング半体71に結合されるカバー73とから成
り、カバー73の左ケーシング半体71への結合面には
ゴム製のガスケット76が装着される。
【0027】ケーシング70には、ペダル軸36の回転
軸線と平行な回転軸線を有する電動モータ34が取付け
られており、この電動モータ34の出力は、クランクペ
ダル37L ,37R による踏力をアシストすべく減速ギ
ヤ列77を介してアシストスプロケット62に伝達され
る。
【0028】電動モータ34の動力をアシストスプロケ
ット62に伝達するための減速ギヤ列77は、第2収納
室75内で電動モータ34のモータ軸78に固着される
駆動ギヤ79と、第2収納室75内でアイドル軸80の
一端に固着されて前記駆動ギヤ79に噛合される第1中
間ギヤ81と、第1収納室74内でアイドル軸80に一
体に設けられる第2中間ギヤ82と、第2中間ギヤ82
に噛合される被動ギヤ83と、被動ギヤ83と同軸に配
置される回転軸84と、被動ギヤ83および回転軸84
間に設けられる第2ワンウエイクラッチ85とを備え、
前記回転軸84の右ケーシング半体72からの突出端部
にアシストスプロケット62が固着される。
【0029】アイドル軸80は、電動モータ34のモー
タ軸78と平行な軸線を有するものであり、右ケーシン
グ半体72およびアイドル軸80間にボールベアリング
86が、また左ケーシング半体71およびアイドル軸8
0間にボールベアリング87が介装される。回転軸84
はアイドル軸80と平行な軸線を有するものであり、右
ケーシング半体72および回転軸84間にボールベアリ
ング88が、また左ケーシング半体71および回転軸8
4間にボールベアリング89が介装される。
【0030】このような減速ギヤ列77では、電動モー
タ34の作動に伴なうトルクが減速されてアシストスプ
ロケット62に伝達されるが、電動モータ34の作動が
停止したときには、第2ワンウエイクラッチ85の働き
により回転軸84の空転が許容され、クランクペダル3
L ,37R の踏力によるアシストスプロケット62の
回転が妨げられることはない。
【0031】ケーシング70における左ケーシング半体
71には、カバー73とは反対側に突出する嵌合筒部9
0が一体に設けられており、電動モータ34が備える有
底円筒状のモータハウジング91は、該嵌合筒部90に
嵌合された状態で、複数たとえば2つのボルト92,9
2により左ケーシング半体71に締結される。しかも左
ケーシング半体71に植設された位置決めピン93がモ
ータハウジング91の開口部に係合されており、モータ
ハウジング91の嵌合筒部90内での軸線まわりの位置
が定められる。さらにモータハウジング91の開口端寄
りの外面と、嵌合筒部90の内面とには、相互間に環状
のシール部材94を挟持する段部が相互に対応して形成
されており、モータハウジング91の嵌合筒部90内へ
の嵌合、固定によりシール部材94がモータハウジング
91および嵌合筒部90間に保持されることになる。
【0032】電動モータ34は、ペダル軸36と平行な
軸線を有するモータ軸78を有するものであり、このモ
ータ軸78に設けられたコンミテータ95に複数のブラ
シ96…が摺接される。而して左ケーシング半体71に
は、モータハウジング91の開口部に対向する支持壁部
100が嵌合筒部90の内端を閉じるようにして一体に
設けられており、支持壁部100に締結された非導電性
材料製の支持板97と、該支持板97に取付けられるホ
ルダ98…との間に各ブラシ96…が保持され、ホルダ
96…およびブラシ96…間に受けられるばね99…に
よりブラシ96…はコンミテータ95に摺接する方向に
付勢される。
【0033】モータ軸78は、支持壁部100を回転自
在に貫通して第2収納室75側に突出されるものであ
り、支持壁部100とモータ軸78との間には、ボール
ベアリング101が支持壁部100に圧入されるように
して設けられ、モータ軸78にはボールベアリング10
1の内輪がコンミテータ95側に移動するのを規制する
止め輪102が装着される。
【0034】ところで、ケーシング70は、ペダル軸3
6よりも後方側上部に電動モータ34が配置されるよう
にして、車体フレーム21のシートパイプ25ならびに
右側のリヤフォーク28R に支持されるものであり、シ
ートパイプ25に固着されたブラケット105に、左ケ
ーシング半体71の上部に上方に隆起するようにして一
体に設けられたハンガー部106がボルト107および
ナット108により締結され、また右側のリヤフォーク
28R に固着されたブラケット109に、左、右ケーシ
ング半体71,72から前方に突出するようにして一体
に設けられたハンガー部110が、ボルト111および
ナット112により締結される。
【0035】第2収納室75に突出したモータ軸78の
端部には駆動ギヤ79がスプライン嵌合されており、ボ
ールベアリング101の内輪との間に、前記駆動ギヤ7
9およびリラクタ114を挟むようにして、モータ軸7
8と同軸のボルト113がモータ軸78の端部に螺合さ
れることにより、モータ軸78の軸線に沿う駆動ギヤ7
9の移動が阻止され、駆動ギヤ79がモータ軸78に固
定される。
【0036】前記リラクタ114と共働してモータ軸7
8の回転速度を検出する電磁ピックアップコイル式の回
転数センサ116が、図2で示すように、リラクタ11
4に対向して第2収納室75内に配置されるようにして
ケーシング70の左ケーシング半体71に固定される。
【0037】駆動ギヤ79に噛合する第1中間ギヤ81
は、その外周部すなわち駆動ギヤ79との噛合部を合成
樹脂製として形成されるものであり、アイドル軸80に
結合される金属製のボス117に、外周に歯部118を
有して合成樹脂によりリング状に形成されるリング体1
19が複数のボルト120…で締結されて成る。
【0038】ボス117は、アイドル軸80で支持され
ているボールベアリング87の内輪に一端を当接させる
ようにして、アイドル軸80にスプライン嵌合される。
一方、アイドル軸80の端部外面には止め輪121が装
着され、該止め輪121によりボス117から離反する
方向の移動を阻止されるようにして受け部材122がア
イドル軸80に装着されており、前記ボス117の他端
と、受け部材122との間には皿ばね123が設けられ
る。該皿ばね123が発揮するばね力により、第1中間
ギヤ81はボールベアリング87の内輪側に向けて押圧
され、第1中間ギヤ81がアイドル軸80に固定される
ことになる。またリング体119には、金属製の補強板
124が当接されており、該補強板124は、前記ボル
ト120…でリング体119に共締めされる。
【0039】回転軸84は、第2ワンウエイクラッチ8
5を介して該回転軸84に装着される被動ギヤ83の下
部が、左、右のリヤフォーク28L ,28R 間に配置さ
れるようにしてケーシング70で回転自在に支承される
ものであり、複数のボルト125…で相互に締結される
左、右ケーシング半体71,72の下部は、前記被動ギ
ヤ83の下部を覆うようにして両リヤフォーク28L
28R 間を下方に延びるように形成される。このように
左、右ケーシング半体71,72の下部すなわちケーシ
ング70の下部が両リヤフォーク28L ,28R よりも
下方に配置されることにより、パワーユニット35の重
心が極力下方に配置されることになり、電動モータ付き
自転車の低重心化に寄与することができる。
【0040】左ケーシング半体71の下端には、アーム
部126が一体に設けられており、このアーム部126
に、チェーン64を緊張せしめるテンショナ65が取付
けられる。該テンショナ65は、回転軸84と平行な軸
線まわりの揺動を可能としてアーム部126に基端部が
支持されるレバー127と、該レバー127の先端に回
転自在に支持されるスプロケット66と、スプロケット
66に噛合したチェーン64を緊張せしめる方向にレバ
ー127を付勢するばね128とを備える。
【0041】レバー127は、その基端部に円筒部12
7aを備えるものであり、該円筒部127a内に挿入さ
れる円筒状の支軸129が、回転軸84と平行な軸線を
有するようにしてボルト130によりアーム部126に
締結される。ばね128は、前記円筒部127aを囲繞
するねじりばねであり、該ばね128の両端はアーム部
126およびレバー127に係合される。
【0042】レバー127の先端部には、前記支軸12
9と平行な軸線を有する軸131が固着されており、該
軸131との間にボールベアリング132を介在させる
ようにしてスプロケット66がレバー127の先端部に
装着される。
【0043】ところで、回転軸84に設けられているア
シストスプロケット62は、ペダルスプロケット61お
よび被動スプロケット63間でのチェーン64の緩み側
である下方チェーンラインに噛合されるものであり、両
リヤフォーク28L ,28Rの上方に位置するようにし
て回転軸84すなわちアシストスプロケット62が配置
されており、ペダルスプロケット61およびアシストス
プロケット62の中心を結ぶ線よりも下方においてアシ
ストスプロケット62の近傍にテンショナ65のスプロ
ケット66が配置され、アシストスプロケット62への
チェーン64の巻掛け角度αは、図2で明示するよう
に、120度以上の大きな角度、この実施例では160
度に設定される。
【0044】左ケーシング半体71の外面側で回転軸8
4および電動モータ34間には凹部135が設けられて
おり、該凹部135および電動モータ34の一部を覆う
カバー137が複数のボルト138…により左ケーシン
グ半体71に締結されており、該カバー137および前
記凹部135により形成される収納室136に制御ユニ
ット140が収納される。すなわち図7で示すように、
チェーン64および減速ギヤ列77間に制御ユニット1
40が配置されることになる。
【0045】電動モータ34の作動は、制御ユニット1
40で制御されるものであり、該制御ユニット140
は、回転数センサ116で検出される電動モータ34の
回転数、ならびにクランクペダル37L ,37R による
入力トルクに基づいて電動モータ34の作動を制御す
る。
【0046】前記カバー137の外面には、チェーン6
4のアシストスプロケット62への巻掛け部分と、チェ
ーン64の被動スプロケット63からペダルスプロケッ
ト61に至る部分とが相互に接触することを回避するよ
うにしてチェーン64の走行を案内するガイド突部13
9が、チェーン64のアシストスプロケット62への巻
掛け部分を外側方から覆うようにして一体に突設され
る。
【0047】再び図4において、第2回転円板48に関
して第1回転円板40とは反対側には、第1回転円板4
0とともに回転する第1磁性リング141が配置され、
第1磁性リング141を第2回転円板48との間に挟む
位置には、第2回転円板48とともに回転する第2磁性
リング142が配置される。すなわち第1および第2磁
性リング141,142は、第1および第2回転円板4
0,48の軸方向一側で軸方向に並んで配置される。
【0048】図8を併せて参照して、第1磁性リング1
41は、周方向に隣接して相互に極性を異ならせるよう
にしてリング状に配置される複数のN極143N …およ
び複数のS極143S …が、合成樹脂等の非磁性材料か
ら成る円筒状の第1ハウジング144の内周に設けられ
て成るものであり、N極143N …およびS極143 S
…は、たとえば3度の中心角を有して60極ずつ第1ハ
ウジング144の内周に設けられる。
【0049】ところで、第1磁性リング141に隣接す
る第2回転円板48の周方向複数箇所たとえば4箇所に
は挿通孔145…が設けられており、第1回転円板40
には、前記各挿通孔145…に対応した係合孔146…
が設けられる。一方、第1磁性リング141の第1ハウ
ジング144には、挿通孔145…を貫通して第1回転
円板40に当接する当接脚部144a…と、挿通孔14
5…を貫通して係合孔146…に弾発係合する係合爪部
144b…とが一体に設けられており、第1磁性リング
141は第1回転円板40に弾性係合されることにな
る。而して第1および第2回転円板40,48は相対回
転するものであるので、各挿通孔145…は、第1およ
び第2回転円板40,48の相対回転時にも当接脚部1
44a…および係合爪部144b…が挿通孔145…の
周方向両側に接触することがないように第2回転円板4
8の周方向に沿って比較的長く形成される。
【0050】図9を併せて参照して、第2磁性リング1
42は、周方向に隣接して相互に極性を異ならせるよう
にしてリング状に配置される複数のN極147N …およ
び複数のS極147S …が、合成樹脂等の非磁性材料か
ら成る円筒状の第2ハウジング148の内周に設けられ
て成るものであり、N極147N …およびS極147 S
…は、第1磁性リング141のN極143N …およびS
極143S …と同一角度で第2ハウジング148の内周
に設けられる。
【0051】第2回転円板48の周方向複数箇所たとえ
ば4箇所には係合孔149…が設けられており、第2磁
性リング142の第2ハウジング148には、第2回転
円板48に当接する複数たとえば4つの当接脚部148
a…と、係合孔149…にそれぞれ弾発係合する係合爪
部148b…とが一体に設けられ、第2磁性リング14
2は第2回転円板48に弾性係合されることになる。ま
た第1回転円板40には、係合孔149…に係合した係
合爪部148b…をそれぞれ配置せしめる開口部150
…が設けられており、第1および第2回転円板40,4
8は相対回転するものであるので、各開口部150…
は、第1および第2回転円板40,48の相対回転時に
も係合爪部148b…が開口部150…の周方向両側に
接触することがないように第1回転円板40の周方向に
沿って比較的長く形成される。
【0052】また第2磁性リング142における第2ハ
ウジング148には、当接脚部148aが設けられてい
る位置の全周から半径方向外方に延びるカバー部148
cが一体に設けられており、第1回転円板40とは反対
側で第2回転円板48の各規制孔55…に対応する部分
がカバー部148cで覆われる。
【0053】第1磁性リング141の内方には、第1磁
性リング141が内周に備えるN極143N …およびS
極143S …を検出する第1センサ151…が周方向に
等間隔をあけてたとえば4個配置されており、また第2
磁性リング142の内方には、第2磁性リング142が
内周に備えるN極147N …およびS極147S …を検
出する第2センサ152…が周方向に等間隔をあけてた
とえば4個配置される。これらの第1および第2センサ
151…,152…は、磁極を検出するものであればよ
く、たとえばホール素子やMR素子が好適に用いられ
る。
【0054】第1センサ151…および第2センサ15
2…は、合成樹脂等から成るベース部材153に埋設さ
れており、該ベース部材153は、車体フレーム21に
おける支持パイプ24の右端に螺合される蓋板38R
支持パイプ24の右端との間に挟持される支持リング1
54に、複数たとえば2つのねじ部材155,155で
締結される。
【0055】図10において、4つの第1センサ151
…は、N極143N …およびS極143S …が3度ずつ
の角度を有するものであるのに対して、相互間に6.7
5度ずつの間隔をあけてベース部材153に埋設される
ものであり、このようなN極143N …およびS極14
S …と、第1センサ151…との配置によれば、固定
の第1センサ151…に対して第1磁性リング141が
図10の矢印で示す方向に角偏位したときに、0.75
度毎に設定される第1ステージST13〜第8ステージ
ST8までの各ステージST1〜ST8毎に、4つの第
1センサ151…による検出信号の組み合わせパターン
が異なることになる。
【0056】ここで、4つの第1センサ151…にその
配列順にNO.1〜NO.4までの順番を付し、N極1
43N の検出時にハイレベルの信号を第1センサ151
が出力するとすると、NO.1〜NO.4の第1センサ
151…は、各ステージST1〜ST8毎に図11で示
すような信号を出力することになる。すなわちハイレベ
ル信号を「1」、ローレベル信号を「0」としたとき
に、第1ステージST1では各第1センサ151…の出
力信号の組み合わせが2進数で「1111」(16進数
ではOF)、第2ステージST2では各第1センサ15
1…の出力信号の組み合わせが2進数で「1110」
(16進数ではOE)、第3ステージST3では各第1
センサ151…の出力信号の組み合わせが2進数で「1
100」(16進数ではOC)、第4ステージST4で
は各第1センサ151…の出力信号の組み合わせが2進
数で「1000」(16進数では08)、第5ステージ
ST5では各第1センサ151…の出力信号の組み合わ
せが2進数で「0000」(16進数では00)、第6
ステージST6では各第1センサ151…の出力信号の
組み合わせが2進数で「0001」(16進数では0
1)、第7ステージST7では各第1センサ151…の
出力信号の組み合わせが2進数で「0011」(16進
数では03)、第8ステージST8では各第1センサ1
51…の出力信号の組み合わせが2進数で「0111」
(16進数では07)となる。
【0057】4つの第2センサ152…は、第1センサ
151…と、第1磁性リング141のN極143N およ
びS極143S との相対位置と同一の相対位置関係を第
2磁性リング142のN極147N およびS極147S
との間に持つようにして、ベース部材153に埋設され
ており、固定の第2センサ152…に対して第2磁性リ
ング142が第1ステージST13〜第8ステージST
8まで角偏位する毎に、4つの第2センサ152…によ
る検出信号の組み合わせパターンが、4つの第1センサ
151…によるものと同様に異なることになる。
【0058】したがって、第1および第2回転円板4
0,48の回転位相差の最大値が第8ステージST8の
範囲(8×0.75度=6度)内であれば、クランクペ
ダル37L ,37R に入力トルクが加えられることによ
って生じる前記回転位相差に応じて第1および第2セン
サ151…,152…の検出信号の組み合わせパターン
が変化することになり、制御ユニット140は両回転円
板40,48の回転位相差を判断することができる。
【0059】このような第1センサ151…および第2
センサ152…の検出信号は制御ユニット140に入力
されるものであり、制御ユニット140は、第1および
第2センサ151…,152…の検出信号に応じて、図
12で示す制御手順に従って電動モータ34の作動を制
御する。
【0060】図12において、ステップS1では車速を
演算し、ステップS2では、車速が設定車速VS以上で
あるか否かを判定する。この判定車速VSは、クランク
ペダル37L ,37R の踏み込み開始時で電動モータ付
き自転車が走行開始前のほぼ停車状態にあるか否かを判
定するために「0」に近い値、たとえば0.5〜1km
/hとして予め設定されるものであり、車速が設定車速
VS未満であると判定したとき、すなわちクランクペダ
ル37L ,37R の踏み込み開始時であると判定したと
きには、ステップS3に進む。
【0061】ステップS3では4つの第1センサ151
…の出力を読込み、次のステップS4で4つの第1セン
サ151…の検出パターンを算出する。またステップS
5では、4つの第2センサ152…の出力を読込み、次
のステップS6で4つの第2センサ152…の検出パタ
ーンを算出する。さらにステップS7では、第1および
第2磁性リング141,142の位相差すなわち第1お
よび第2回転円板40,48の回転位相差を第1センサ
151…および第2センサ152…の検出パターンの組
み合わせによって算出する。
【0062】ここで、トルク入力に応じた両回転円板4
0,48の回転位相差発生に伴って、N0.1〜N0.
4の第1センサ151…の出力信号と、NO.1〜N
O.4の第2センサ152…の出力信号とが、図13で
示すようなものとなっている場合を想定すると、検出タ
イミングT1では、第1センサ151…の検出パターン
が「0E」(16進数)であるのに対し、第2センサ1
52…の検出パターンは「07」(16進数)である。
したがって第1センサ151…による検出パターンは第
2ステージST2であることを示しているのに対し、第
2センサ152…による検出パターンは第8ステージS
T8であることを示していることになり、両回転円板4
0,48の回転位相差は(2−8=−6)であり、ステ
ージ数が「8」であることに基づく補数処理を行なう
と、回転位相差は2ステージ(1.5度)分となる。ま
た検出タイミングT2では、第1センサ151…の検出
パターンが「00」(16進数)であるのに対し、第2
センサ152…の検出パターンは「08」(16進数)
である。したがって第1センサ151…による検出パタ
ーンは第4ステージST5であることを示しているのに
対し、第2センサ152…による検出パターンは第4ス
テージST4であることを示していることになり、両回
転円板40,48の回転位相差は(5−4=1)であ
り、回転位相差は1ステージ(0.75度)分となる。
【0063】このようにして、検出可能な最大トルクの
1/8〜2/8のトルクが入力されたときに、検出タイ
ミングによって1あるいは2ステージ分の回転位相差が
第1センサ151…および第2センサ152…の検出パ
ターンの組み合わせによってステップS7でデジタル値
として得られることになり、ステップS8では、第1お
よび第2回転円板40,48間に設けられているコイル
ばね57のばね定数を前記回転位相差に乗算することに
より入力トルクを得ることができる。
【0064】ステップS9では、ステップS8で得た入
力トルクに応じたモータ制御量を決定するが、電動モー
タ34の作動はデューテイ制御されるものであり、ステ
ップS9では電動モータ34のデューテイ制御量を算出
し、ステップS10で、その制御量を出力することにな
る。
【0065】このようなステップS1〜S10の手順
は、クランクペダル37L ,37R の踏み込み開始時に
おける入力トルクの検出、ならびに検出した入力トルク
に基づく電動モータ34の作動制御を行なうためのもの
であり、電動モータ付き自転車が通常の走行状態となっ
たときには、ステップS11〜S17の手順に続いてス
テップS8〜S10の手順を実行することになる。すな
わち、ステップS2において車速が設定車速VS以上と
なった判定したときには、ステップS2からステップS
11に進み、このステップS11で、4つの第1センサ
51…においてNO.1の第1センサ51の出力がハイ
レベルとなったかどうかを判定し、ハイレベルとなった
ときにステップS12でタイマによる計時を開始する。
【0066】ステップS13では、4つの第2センサ5
2…においてNO.1の第2センサ52の出力がハイレ
ベルとなったかどうかを判定し、ハイレベルとなったと
きにステップS14でタイマの計値時tを記憶する。さ
らにステップS15で、4つの第1センサ51…におい
てNO.1の第1センサ51の出力が再びハイレベルと
なったかどうかを判定し、再びハイレベルとなったとき
にステップS16でタイマによる計時値Tを記憶すると
ともに、タイマをリセットする。
【0067】このようなステップS11〜S16の手順
によると、NO.1の第1センサ51の出力が図14
(a)で示すようなものであり、NO.1の第2センサ
52の出力が図14(b)で示すようなものであるとき
に、計時値tは、第1および第2センサ51,52の出
力のずれ時間を表すものであり、計時値Tは、NO.1
の第1センサ51の検出周期を表すものである。
【0068】ステップS17ではt/Tを算出するもの
であり、第1および第2磁性リング141,142の位
相差すなわち第1およひ第2回転円板40,48の位相
差をアナログ値であるt/TとしてステップS17で得
ることができ、その後、ステップS8〜S10を順次経
過することにより、電動モータ付き自転車の通常走行状
態での電動モータ34の作動制御が実行されることにな
る。
【0069】支持リング154には、保護カバー158
が複数のねじ部材159…で締結されており、第1およ
び第2磁性リング141,142と、第1および第2セ
ンサ151,152が埋設されたベース部材153と
は、第1および第2回転円板40,48とは反対側から
保護カバー158で覆われる。しかも固定状態に在る保
護カバー158の周縁部と、ペダル軸36の軸線まわり
に回転する第2磁性リング142の第2ハウジング14
8との間には、ラビリンス構造160が構成されてい
る。したがって水や泥等による第1および第2センサ1
51…,152…および両磁性リング141,142の
汚損が極力防止されることになる。
【0070】次にこの第1実施例の作用について説明す
ると、電動モータ付き自転車を走行させるべく乗員がク
ランクペダル37L ,37R を踏むのに応じて、クラン
クペダル37L ,37R の踏力が第1ワンウエイクラッ
チ41、第1回転円板40、各コイルばね57…および
第2回転円板48を介してペダルスプロケット61に伝
達され、さらにチェーン64および被動スプロケット6
3を介して後輪WR に動力が伝達されることになる。
【0071】このときのクランクペダル37L ,37R
による踏力に応じて第1回転円板40と、第2回転円板
48との間にはコイルばね57…を圧縮しつつ回転位相
差が生じることになり、第1回転円板40とともに回転
する第1磁性リング141におけるN極143N および
S極143S を検出する複数の第1センサ151…の検
出信号と、第2回転円板48とともに回転する第2磁性
リング142におけるN極147N およびS極147S
を検出する複数の第2センサ152…の検出信号との組
み合わせに応じて制御ユニット140が入力トルクを演
算し、その入力トルクに応じたアシスト動力を電動モー
タ34で発揮させるように制御ユニット140が電動モ
ータ34を制御することにより、アシストスプロケット
62の回転補助動力が制御され、乗員の負荷を軽減する
ことができる。
【0072】しかもクランクペダル37L ,37R の操
作初期にあって後輪WR が回転していない状態でも、第
1回転円板40は第2回転円板48に対して回転位相差
を生じることになり、したがって第1磁性リング141
も第2磁性リング142に対して回転位相差を生じるの
で、第1センサ151…および第2センサ152…の検
出信号の組み合わせパターンがクランクペダル37L
37R の操作前に比べて変化することになり、車両の停
止状態での入力操作開始初期に直ちに入力トルクを検出
して電動モータ34による補助動力を後輪WR に付与す
ることができる。
【0073】またクランクペダル37L ,37R の操作
初期にあって後輪WR が回転していない状態では、デジ
タル値として得た回転位相差に基づいて入力トルクを演
算するのであるが、電動モータ付き自転車が通常の走行
状態に入ったときには、アナログ値として得た回転位相
差に基づいて入力トルクをリニアに演算することがで
き、そのリニアな入力トルクに応じた補助動力を電動モ
ータ34に発揮させるようにして入力トルクにリニアに
対応した補助動力を得ることができるものであり、クラ
ンクペダル37L ,37R の操作初期から通常走行状態
までの全ての領域で入力トルクを確実に検出し、電動モ
ータ34による補助動力を後輪WR に付与することが可
能となる。
【0074】また右側のクランクペダル37R に第1ワ
ンウエイクラッチ41を介して第1回転円板40が連結
され、第1回転円板48との間にコイルばね57…が設
けられる第2回転円板48が、第1回転円板40に隣接
した位置で同一軸線まわりに回転することを可能として
配置され、第1および第2磁性リング141,142が
第1および第2回転円板40,48の軸方向一側に配置
されているので、第1および第2回転円板40,48の
一側に第1および第2センサ151…,152…を配置
するスペースを確保するようにし、両センサ151…,
152…を配置するために余分なスペースを確保するこ
とが不要となるだけでなく、第1および第2磁性リング
141,142ならびに第1および第2センサ151
…,152…の取付けを両回転円板40,48の一側に
纏めるようにして取付け作業を容易とすることができ
る。
【0075】さらに第1および第2磁性リング141,
142は第1および第2回転円板40,48にそれぞれ
弾性係合されるものであり、第1および第2磁性リング
141,142のメンテナンスおよび取付け作業が容易
である。
【0076】しかも第1磁性リング141はリング状の
第1ハウジング144の内周に複数のN極143N …お
よびS極143S …がそれぞれ設けられて成るものであ
り、第2磁性リング142はリング状の第2ハウジング
148の内周に複数のN極147N …およびS極147
S …がそれぞれ設けられて成るものであり、第1および
第2センサ151…,152…が共通のベース部材15
3に埋設されるようにして各磁性リング141,142
の内方側に配置されるので、円筒状である第1および第
2磁性リング141,142の内方に両センサ151
…,152…が配置されるようにしてより一層の省スペ
ース化を図ることが可能となり、さらに両センサ151
…,152…を第1および第2ハウジング144,14
8で覆って保護することができる。
【0077】さらにアシストスプロケット62へのチェ
ーン64の巻掛け角度αは、120度以上の大きな角度
たとえば160度に設定されるので、アシストスプロケ
ット61からチェーン64が浮き上がることを防止しつ
つ、アシストスプロケット62からのアシスト動力を有
効かつ確実にチェーン64に伝達することができる。し
かも両リヤフォーク28L ,28R の上方に位置するよ
うにしてアシストスプロケット62が配置されており、
ペダルスプロケット61および被動スプロケット63の
中心を結ぶ線よりも上方にアシストスプロケット62が
配置され、前記線よりも下方でアシストスプロケット6
2の中心を結ぶ線よりも下方においてアシストスプロケ
ット62の近傍にテンショナ65のスプロケット66が
配置されるので、ペダル軸36と後輪WR との間の限ら
れたスペースにパワーユニット35を効果的に配置する
とともに、テンショナ65を極力上方に配置することを
可能としてロードクリアランスの減小を招くことなくパ
ワーユニット35を車体フレーム21に搭載することが
可能となる。
【0078】またペダルスプロケット61および被動ス
プロケット63間でのチェーン64の緩み側である下方
チェーンラインにアシストスプロケット62が噛合され
ることにより、パワーユニット35を車体フレーム21
の比較的低い位置に搭載することが可能となり、車体フ
レーム21の重心位置を比較的低くして走行安定性の向
上に寄与することができる。それに加えて、パワーユニ
ット35の下部が両リヤフォーク28L ,28R 間に配
置されており、テンショナ65がパワーユニット35の
下部に配設されるので、ペダルスプロケット61および
被動スプロケット63間でのチェーン64の張り側であ
る上方チェーンラインと両リヤフォーク28L ,28R
間にアシストスプロケット62を配置することが可能と
なり、電動モータ付きの自転車の軽快な外観を損なうこ
となく、パワーユニット34をペダル軸36および後輪
R 間の限られたスペースにコンパクトに配置すること
ができる。
【0079】制御ユニット140は、チェーン64およ
び減速ギヤ列77間に配置されており、かかる構成によ
れば、減速ギヤ列およびチェーン64間に必然的に生じ
るスペースを有効に利用して制御ユニット140をパワ
ーユニット35に組付けることが可能であり、パワーユ
ニット35のケーシング70におけるカバー73に、チ
ェーン64のアシストスプロケット62への巻掛け部分
を外側方から覆うガイド突部139が一体に突設される
ことにより、アシストスプロケット62への巻掛け部分
でのチェーン64の暴れをガイド突部139で有効に防
止することが可能であり、アシストスプロケット62か
らのアシスト動力のチェーン64への伝達をより一層有
効にすることができる。
【0080】図15および図16は本発明の第2実施例
を示すものであり、図15はエンジン付き自転車の側面
図、図16は図15の要部拡大図である。
【0081】このエンジン付き自転車の車体フレーム1
61は、金属パイプが側面視で上方に開いた略U字状に
形成されて成るメインフレーム162と、該メインフレ
ーム162の前端のヘッドパイプ22とを備え、ヘッド
パイプ22にフロントフォーク26が操向可能に支承さ
れ、該フロントフォーク26の下端に前輪WF が軸支さ
れ、フロントフォーク26の上端に操向ハンドル27が
設けられる。
【0082】メインフレーム162の後部には、補助動
力源としてのエンジン163と、減速機164とから成
るパワーユニット165が搭載されており、エンジン1
63におけるエンジン本体166の下部には、減速機1
64のケーシング167が連設されており、このケーシ
ング167がメインフレーム162に設けられたブラケ
ット168で固定的に支持される。
【0083】ケーシング167から後方側に延出される
左、右一対のリヤフォーク169…の後端間に後輪WR
が軸支され、メインフレーム162の後方上端部および
両リヤフォーク169…間には左、右一対のステー29
…が設けられる。またメインフレーム162の後方上端
部には、シート30が上下位置を調整可能として装着さ
れる。
【0084】後輪WR の上方に配置されるリヤキャリア
67′上には燃料タンク170が設けられており、リヤ
キャリア67′は、両リヤフォーク189…の後端から
上方に延びる左、右一対の支持部材68…と、メインフ
レーム162の後方上端部から後方に延びる支持部材6
9とで固定的に支持される。
【0085】ヘッドパイプ22に設けられたブラケット
171にはフロントバスケット172が取付けられてお
り、このフロントバスケット172の背面部に配設され
たバッテリ収納ケース173内にバッテリBが挿脱可能
に収納される。
【0086】エンジン163の気化器175は、導管1
74を介して燃料タンク170に連なるようにしてエン
ジン本体166の上方に配置されており、該気化器17
5の入口はメインフレーム162における後方側上部に
接続される。すなわちメインフレーム162内の後方上
部には、上端をシート30の下方に開口せしめた筒状の
エアクリーナ176が、メインフレーム162の内面と
の間に吸気通路177を形成するようにして挿入、固定
されており、前記気化器175の入口は吸気通路177
に連通することになる。また気化器175の出口は吸気
管178を介してエンジン本体166に接続される。
【0087】エンジン本体166からは排気管179が
延設されており、該排気管179は、エンジン本体16
6からメインフレーム162の後方側よりも前方位置ま
で延びた後、反転して後方側に延び、さらに後ろ下がり
に傾斜するように形成されるものであり、この排気管1
79の後部には消音器180が設けられる。
【0088】左、右一対のステー29…のうち右側のス
テー29には、制御ボックス181が取り付けられてお
り、この制御ボックス181内には、エンジン163の
作動を制御する制御ユニット140が収納される。
【0089】減速機164は、エンジン163のクラン
ク軸182からの動力を減速してアシストスプロケット
62に伝達するものであり、該アシストスプロケット6
2は、ペダル軸36と同軸に配置されるペダルスプロケ
ット61と、後輪WR に設けられる被動スプロケット6
3とに巻掛けられる無端状のチェーン64に噛合され
る。而してペダルスプロケット61および被動スプロケ
ット63間でのチェーン64の緩み側である下方チェー
ンラインに前記アシストスプロケット62が噛合される
ものであり、アシストスプロケット62の下方位置でケ
ーシング167に回転自在に支承されるアイドルスプロ
ケット183が、アシストスプロケット62の近傍に配
置されることにより、アシストスプロケット62へのチ
ェーン64の巻掛け角度αが120度以上たとえば12
0度に設定される。
【0090】この第2実施例によれば、アシストスプロ
ケット62へのチェーン64の巻掛け角度αは、120
度以上の大きな角度たとえば120度に設定されるの
で、アシストスプロケット61からチェーン64が浮き
上がることを防止しつつ、アシストスプロケット62か
らのアシスト動力を有効かつ確実にチェーン64に伝達
することができる。しかもペダルスプロケット61およ
び被動スプロケット63間でのチェーン64の緩み側で
ある下方チェーンラインにアシストスプロケット62が
噛合されることにより、パワーユニット165を車体フ
レーム161の比較的低い位置に搭載することが可能と
なり、車体フレーム161の重心位置を比較的低くして
走行安定性の向上に寄与することができる。
【0091】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の
範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計
変更を行なうことが可能である。
【0092】
【発明の効果】以上のように請求項1記載の発明によれ
ば、アシストスプロケットへのチェーンの巻掛け角度が
120度以上の大きな角度に設定されることにより、ア
シストスプロケットからチェーンが浮き上がることを防
止して、アシストスプロケットからのアシスト動力を有
効かつ確実にチェーンに伝達することが可能となる。
【0093】また請求項2記載の発明によれば、パワー
ユニットを車体フレームの比較的低い位置に搭載するこ
とが可能となり、車体フレームの重心位置を比較的低く
して走行安定性の向上に寄与することができる。
【0094】さらに請求項3記載の発明によれば、アシ
ストスプロケットへの巻掛け部分でのチェーンの暴れを
ガイド突部で防止することができ、アシストスプロケッ
トからのアシスト動力のチェーンへの伝達をより一層有
効にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の電動モータ付き自転車の側面図で
ある。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】図2の3−3線断面図である。
【図4】図3の要部拡大図である。
【図5】図4の5−5線断面図である。
【図6】図4の6−6線断面図である。
【図7】図2の7−7線拡大断面図である。
【図8】図4の8−8線断面図である。
【図9】図4の9−9線断面図である。
【図10】第1センサと第1磁性リングの磁極との相対
配置を示す図である。
【図11】第1磁性リングとの周方向相対位置変化に伴
なう第1センサの検出パターンを説明するための図であ
る。
【図12】制御ユニットにおける電動モータの制御手順
を示すフローチャートである。
【図13】第1および第2磁性リングの相対回転に伴な
う第1および第2センサの検出パターンを説明するため
の図である。
【図14】通常走行状態での位相差検出を説明するため
の図である。
【図15】第2実施例のエンジン付き自転車の側面図で
ある。
【図16】図15の要部拡大図である。
【符号の説明】
21,161・・・車体フレーム 34・・・補助動力源としての電動モータ 35,165・・・パワーユニット 36・・・ペダル軸 61・・・ペダルスプロケット 62・・・アシストスプロケット 63・・・被動スプロケット 64・・・チェーン 70・・・ケーシング 139・・・ガイド突部 163・・・補助動力源としてのエンジン WR ・・・後輪

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 後輪(WR )を回転駆動すべく人力によ
    り回転操作されるペダル軸(36)と、該ペダル軸(3
    6)からの動力伝達を可能としてペダル軸(36)と同
    軸に配置されるペダルスプロケット(61)と、後輪
    (WR )に設けられる被動スプロケット(63)と、ペ
    ダルスプロケット(61)および被動スプロケット(6
    3)に巻掛けられる無端状のチェーン(64)と、アシ
    スト動力を発揮し得る補助動力源(34,163)を有
    して車体フレーム(21,161)に搭載されるパワー
    ユニット(35,165)と、該パワーユニット(3
    5,165)からのアシスト動力を前記チェーン(6
    4)に伝達すべく該チェーン(64)に噛合されるアシ
    ストスプロケット(62)とを備える補助動力付き自転
    車において、前記アシストスプロケット(62)へのチ
    ェーン(64)の巻掛け角度が120度以上に設定され
    ることを特徴とする補助動力付き自転車。
  2. 【請求項2】 ペダルスプロケット(61)および被動
    スプロケット(63)間でのチェーン(64)の緩み側
    である下方チェーンラインに前記アシストスプロケット
    (62)が噛合されることを特徴とする請求項1記載の
    補助動力付き自転車。
  3. 【請求項3】 前記パワーユニット(35)のケーシン
    グ(70)に、チェーン(64)のアシストスプロケッ
    ト(62)への巻掛け部分を外側方から覆うガイド突部
    (139)が突設されることを特徴とする請求項1また
    は2記載の補助動力付き自転車。
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