JPH11102544A - ディスク状記録媒体の製造方法 - Google Patents

ディスク状記録媒体の製造方法

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JPH11102544A
JPH11102544A JP26400697A JP26400697A JPH11102544A JP H11102544 A JPH11102544 A JP H11102544A JP 26400697 A JP26400697 A JP 26400697A JP 26400697 A JP26400697 A JP 26400697A JP H11102544 A JPH11102544 A JP H11102544A
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JP
Japan
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thickness
substrate
curable resin
thin film
ultraviolet
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JP26400697A
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English (en)
Inventor
Yoshihiro Akimoto
義浩 秋元
Atsushi Nakano
淳 中野
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紫外線硬化型樹脂よりなる薄膜の膜厚のばら
つきを抑え、チルト角も抑えられて読み取り誤差も抑え
られた光記録媒体の製造を可能とする。 【解決手段】 基板上に紫外線硬化型樹脂を供給した
後、上記基板を面内方向に回転させて基板上に紫外線硬
化型樹脂を延伸させ、上記紫外線硬化型樹脂に紫外線を
照射し、これを硬化させて紫外線硬化型樹脂よりなる薄
膜を形成する際に、上記薄膜の膜厚T(μm)、紫外線
硬化型樹脂の粘度ρ(cps)、基板の回転数R(rp
m)、基板の回転時間t(秒)が所定の関係を満たすよ
うにする。また、上記薄膜の膜厚を100(μm)以上
とする場合に、上記紫外線硬化型樹脂の25(℃)にお
ける粘度を1400(cps)以上とすることが好まし
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板上に紫外線硬
化型樹脂よりなる薄膜が形成されてなるディスク状記録
媒体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、データ記録の分野においては光学
データ記録方式に関する研究が各所で進められている。
この光学データ記録方式は、非接触で記録・再生が行え
ること、磁気記録方式に比べて一桁以上も高い記録密度
が達成できること、再生専用型、追記型、書換可能型の
それぞれのメモリー形態に対応できる等の数々の利点を
有し、安価な大容量ファイルの実現を可能とする方式と
して産業用から民生用まで幅広い用途の考えられている
ものである。
【0003】その中でも特に、再生専用型のメモリー形
態に対応した光ディスクであり、音楽データが記録され
たデジタルオーディオディスクや画像データが記録され
た光学式ビデオディスク等は広く普及している。
【0004】上記デジタルオーディオディスク等の光デ
ィスクは、データ信号を示すピットやグルーブ等の凹凸
パターンが形成された厚さ1.2(mm)程度の透明基
板の凹凸パターンが形成された一主面上にアルミニウム
膜等の金属薄膜よりなる反射膜が形成されて記録層とな
され、さらにこの反射膜を大気中の水分,O2 から保護
するための保護膜が上記反射膜上に形成された構成とさ
れる。
【0005】また、書換可能型のメモリー形態に対応し
たものとしては、光磁気ディスクや相変化型光ディスク
が挙げられる。
【0006】例えば、上記書換可能型のメモリー形態に
対応した光磁気ディスクは、以下に示すような構成を有
する。すなわち、厚さ1.2(mm)程度の透明基板の
一主面上に窒化珪素等の透明誘電体膜が形成され、その
上にTbFeCo等の光磁気記録膜が記録層として形成
され、さらに窒化珪素等の透明誘電体膜が形成され、さ
らにはアルミニウム膜等の反射膜が形成され、さらにま
た紫外線硬化型樹脂等よりなる保護膜が形成された構成
とされる。
【0007】さらに、最近では画像、音楽、コンピュー
タデータ等の多様なデータを記録するためのDVD(D
igital Versatile Disc、以下、
DVDと称する。)も上市されている。このDVDにお
いては、基板の厚さを0.6(mm)程度として短波長
の光学系に対応可能とするとともに高開口数化された光
学系に対応可能として高記録密度化するようにしてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような状況の中、
更なる次世代の光記録媒体として、特願平9−1096
60号公報に示すような片面にNTSC(Nation
al Television System Comm
ittee)方式で4時間記録再生が可能な光記録媒体
が提案されている。
【0009】この光記録媒体においては、家庭用ビデオ
ディスクレコーダーとして4時間の記録再生を可能とす
ることにより、現在主流とされているビデオテープレコ
ーダー(Video Tape Recorder)に
代わる新しい記録媒体としての機能を備えることを目的
としている。また、この光記録媒体においては、音楽デ
ータが記録されたデジタルオーディオディスクと同じ形
状、サイズとすることにより、デジタルオーディオディ
スクの手軽さ、使い勝手に慣れ親しんだユーザーにとっ
て使いやすい製品とすることも考えられている。さら
に、この光記録媒体においては、形状をディスク状とす
ることにより、ディスク形状の最大の特徴であるアクセ
スの速さを利用し、小型、簡便な記録媒体というだけで
なく、瞬時の録画再生やトリックプレイや編集といった
多彩な機能を盛り込むことも考えられている。
【0010】そこで、上記光記録媒体においては、この
ような多彩な機能を盛り込むべく、8(GB)以上の記
憶容量が要求されている。
【0011】ところが、従来の光記録媒体の何れにおい
ても8(GB)の記憶容量は達成されていない。例え
ば、高記憶容量とされているDVDにおいても、波長λ
が0.65(μm)、光学系の開口数(以下、NAと称
する。)が0.6とされて、4.7(GB)の記憶容量
しか確保されていない。
【0012】例えば、ECC(Error Colle
ction Code)や変調方式といった信号フォー
マットをDVDの方式としたままで、8(GB)以上の
記憶容量を確保するためには、下記式1を満たす必要が
ある。
【0013】 4.7×(0.65/0.60×NA/λ)2 ≧8・・・(式1) そして、上記式1よりNA/λ≧1.20であることが
必要となる。すなわち、短波長化或いは高NA化が必要
となる。
【0014】ここで、例えば高NA化すると、再生光が
照射されてこれが透過する部分の厚さを薄くする必要が
ある。これは、高NA化に伴い、光学ピックアップの光
軸に対してディスク面が垂直からズレる角度(チルト
角)により発生する収差の許容量が小さくなるためであ
り、このチルト角により発生する収差は再生光が透過す
る部分の厚さが厚いほど大きくなるためである。
【0015】また、同様の理由から、再生光が透過する
部分の厚さのばらつきも所定の範囲内に収める必要があ
る。
【0016】そこで、上記のような光記録媒体において
は、例えば基板の一主面上に凹凸を形成し、その上に反
射膜を設けて記録層とし、さらにこの上に光を透過する
薄膜である光透過層を設けるようにし、光透過層側から
再生光を照射して記録層のデータを再生するようにした
り、基板の一主面上に反射膜を設け、その上に光磁気記
録膜を形成して記録層とし、さらにこの上に光を透過す
る薄膜である光透過層を設けるようにし、光透過層側か
ら光を照射して記録層に対してデータを記録及び再生す
るようにしている。このようにすれば、光透過層を薄型
化していくことで光学系の高NA化に対応可能である。
【0017】例えば、光透過層の厚さT1 を10〜17
7(μm)とし、光透過層の膜厚のばらつきをΔT1
(μm)としたときに、光記録媒体に対し情報の再生及
び/又は記録を行う光学系のNA、波長λ(μm)の間
に下記式2に示すような関係が成り立てば、記憶容量を
8(GB)とすることが可能であり、従来の記録再生装
置と同様の記録再生装置を使用して高記録容量化を図る
ことが可能である。
【0018】 ΔT1 =±5.26(λ/NA4 )・・・(式2) そして、上記のような光透過層は、アクリル系の高分子
材料等の紫外線硬化型樹脂を基板上に供給し、この基板
を面内方向に回転させて紫外線硬化型樹脂を基板上に延
伸させて塗布するいわゆるスピンコート法により紫外線
硬化型樹脂を基板上に塗布した後、紫外線硬化型樹脂に
紫外線を照射してこれを硬化させて形成される。
【0019】ところで、上記光透過層のような紫外線硬
化型樹脂よりなる薄膜として膜厚が100(μm)以上
のものを形成しようとした場合、通常この種の光記録媒
体で使用されるような紫外線硬化型樹脂を使用すると、
1回塗布しただけでは光透過層の面内方向の膜厚のばら
つきを制御することが不可能である。そこで、2回以上
塗布工程を実施することとなるが、このことにより生産
効率が低下することは明らかである。
【0020】また、通常この種の光記録媒体で使用され
るような紫外線硬化型樹脂を使用すると、樹脂のヤング
率が大きく、形成される光記録媒体のチルト角が大きく
なってしまう。このチルト角は前述のように情報の記録
再生時に収差を発生させる要因となり、読み取り誤差の
増加を引き起こしてしまう。
【0021】さらには、上記光透過層のような紫外線硬
化型樹脂よりなる薄膜として膜厚が100(μm)未満
の比較的薄いものを形成する場合においても、膜厚のば
らつきは発生し、このばらつきを抑えることは重要な課
題である。
【0022】そこで本発明は、従来の実状を鑑みて提案
されたものであり、紫外線硬化型樹脂よりなる薄膜の膜
厚のばらつきが抑えられ、チルト角も抑えられて読み取
り誤差も抑えられた光記録媒体の製造を可能とするディ
スク状記録媒体の製造方法を提供することを目的とす
る。
【0023】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
め、本発明に係るディスク状記録媒体の製造方法は、基
板上に紫外線硬化型樹脂を供給した後、上記基板を面内
方向に回転させて基板上に紫外線硬化型樹脂を延伸さ
せ、上記紫外線硬化型樹脂に紫外線を照射し、これを硬
化させて紫外線硬化型樹脂よりなる薄膜を形成するもの
であり、紫外線硬化型樹脂よりなる薄膜の膜厚をT(μ
m)、紫外線硬化型樹脂の粘度をρ(cps)、基板の
回転数をR(rpm)、基板の回転時間をt(秒)とし
た場合に、下記数2が成り立つことを特徴とするもので
ある。ただし、上記基板の回転時間t(秒)は駆動のた
めの立ち上げ時間を除くものとし、基板の回転数R(r
pm)が所定の回転数に達してからの時間を示すことと
する。
【0024】
【数2】
【0025】上記本発明に係わるディスク状記録媒体の
製造方法においては、紫外線硬化型樹脂よりなる薄膜の
膜厚を100(μm)以上とする場合には、上記紫外線
硬化型樹脂の25(℃)における粘度を1400(cp
s)以上とすることが好ましい。
【0026】なお、上記紫外線硬化型樹脂の粘度は、低
分子量重合体の量を増加させることにより高めることが
可能である。
【0027】さらにこの場合、上記紫外線硬化型樹脂よ
りなる薄膜の膜厚のばらつきが±5(%)以下とされて
いることが好ましい。
【0028】本発明に係るディスク状記録媒体の製造方
法においては、基板上に紫外線硬化型樹脂を供給した
後、上記基板を面内方向に回転させて基板上に紫外線硬
化型樹脂を延伸させ、上記紫外線硬化型樹脂に紫外線を
照射し、これを硬化させて紫外線硬化型樹脂よりなる薄
膜を形成する際に、紫外線硬化型樹脂よりなる薄膜の膜
厚をT(μm)、紫外線硬化型樹脂の粘度をρ(cp
s)、基板の回転数をR(rpm)、基板の回転時間を
t(秒)とした場合に、上記数2が成り立つようにして
おり、所望の膜厚の薄膜を膜厚のばらつきを抑えて形成
するために最適な紫外線硬化型樹脂の粘度、基板の回転
数、基板の回転時間が規定される。
【0029】また、上記本発明に係わるディスク状記録
媒体の製造方法において、紫外線硬化型樹脂よりなる薄
膜の膜厚を100(μm)以上とする場合に、上記紫外
線硬化型樹脂の25(℃)における粘度を1400(c
ps)以上とすれば、紫外線硬化型樹脂を一度塗布する
だけで、膜厚100(μm)以上と比較的厚い薄膜が膜
厚のばらつきが±5(%)以下に抑えられて形成され
る。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明する。なお、ここでは、前述のデジ
タルオーディオディスクやDVDと同様の直径12(c
m)で8(GB)の記憶容量を有するディスク状光記録
媒体を製造する例について述べる。
【0031】上記のような光記録媒体においては、下記
のような条件を満たす必要がある。すなわち、記録再生
光学系の光の波長λがλ≦0.68(μm)とされ、N
A/λ≧1.20とされ、且つ光透過層の厚さTが10
(μm)≦T≦177(μm)とされ、光透過層の膜厚
のばらつきΔTがΔT≦±5.26(λ/NA4 )(μ
m)とされる。その他、トラックピッチPはP≦0.6
5(μm)、トラックピッチの公差ΔPがΔP≦±0.
04P、線密度dがd≦0.1161/P(μm/bi
t)、ディスクスキューΘがΘ≦84.115×(λ/
NA/T)、偏心EがE≦67.57P(μm)、光の
スポット照射領域内の表面粗さRaがRa≦±3λ/1
00とされる。
【0032】本発明に係るディスク状記録媒体の製造方
法においては、上記条件中の所定の条件を満たすような
基板を射出成形により形成する。このとき、図1に示す
ように基板1には面内方向の中心部に中心穴4が形成さ
れている。次に、図1中に示すように、基板1の信号記
録面とされる一主面1a上に記録層2を形成する。
【0033】すなわち、再生専用型の光記録媒体を形成
しようとする場合には、基板1の一主面1aにデータに
応じた凹凸部を形成し、その上に厚さ20〜60(n
m)程度のアルミニウム等よりなる反射膜を形成して記
録層2とすれば良い。また、書き換え可能型の光記録媒
体を形成しようとする場合には、記録層2として反射膜
と例えば相変化材料や光磁気材料を積層形成すれば良
く、基板1側からアルミニウム膜、ZnS−SiO2
膜、GeSbTe膜、ZnS−SiO2 膜を順次積層形
成する、或いはアルミニウム膜、SiN膜、TbFeC
o膜、SiN膜を順次積層形成すれば良い。さらに、追
記型の光記録媒体を形成しようとする場合には、金或い
はアルミニウム等よりなる反射膜をスパッタリングによ
り形成し、その上にシアニン系或いはフタロシアニン系
の有機色素膜をスピンコートにより塗布した後、これを
乾燥させて記録層2とすれば良い。
【0034】続いて、図1中に示すように、記録層2上
に光透過層3を形成する。すなわち、記録層2上に紫外
線硬化型樹脂を供給し、基板1を面内方向に回転させ
て、紫外線硬化型樹脂を延伸させ、記録層2上に紫外線
硬化型樹脂を行き渡らせる。そして、上記紫外線硬化型
樹脂に紫外線を照射して硬化させ、光透過層3を形成
し、光記録媒体を製造する。
【0035】このとき、基板1の面内方向の中心、すな
わち回転中心から半径25(mm)の位置に紫外線硬化
型樹脂を滴下し、平面円環状をなすように供給した場
合、これを面内方向に回転させて平均膜厚が100(μ
m)になるように紫外線硬化型樹脂を延伸させると、遠
心力と粘性抵抗の関係から、形成される光透過層におい
ては内外周において膜厚差が生じ、その膜厚差は30
(μm)以上となる。
【0036】そこで、本例においては、基板1の中心穴
4を塞いだ状態で紫外線硬化型樹脂を基板1上に供給
し、上記紫外線硬化型樹脂を延伸、硬化させた後に、中
心穴4を図1中に示すような再度開口した状態とするこ
とが好ましい。
【0037】具体的には、例えば厚さ0.1(mm)の
ポリカーボネートのシートを直径30(mm)の円形に
加工し、これを基板1の中心穴4を塞ぐように記録層2
上に接着すれば良い。
【0038】そして、本発明に係わるディスク状記録媒
体の製造方法においては、紫外線硬化型樹脂よりなる薄
膜である光透過層の膜厚をT(μm)、紫外線硬化型樹
脂の粘度をρ(cps)、基板の回転数をR(rp
m)、基板の回転時間をt(秒)とした場合に、下記数
3が成り立つような条件で紫外線硬化型樹脂の塗布を行
っている。
【0039】
【数3】
【0040】従って、本発明に係わるディスク状記録媒
体の製造方法においては、所望の膜厚の薄膜を膜厚のば
らつきを抑えて形成するために最適な紫外線硬化型樹脂
の粘度、基板の回転数、基板の回転時間が規定され、紫
外線硬化型樹脂よりなる薄膜の膜厚のばらつきが抑えら
れ、チルト角も抑えられて読み取り誤差も抑えられた光
記録媒体の製造が可能である。
【0041】特に、上記本発明に係わるディスク状記録
媒体の製造方法において、紫外線硬化型樹脂よりなる薄
膜の膜厚を100(μm)以上とする場合に、上記紫外
線硬化型樹脂の25(℃)における粘度を1400(c
ps)以上とすれば、紫外線硬化型樹脂を一度塗布する
だけで、膜厚100(μm)以上と比較的厚い薄膜が膜
厚のばらつきが±5(%)以下に抑えられて形成され、
生産性も良好である。
【0042】上記紫外線硬化型樹脂の粘度は、低分子量
重合体の量を増加させることにより高めることが可能で
ある。そして、このような紫外線硬化型樹脂は架橋性が
低く、ヤング率及び収縮率が小さいため、このことから
も、この紫外線硬化型樹脂により光透過層が形成された
光記録媒体においては、チルト角が抑えられて読み取り
誤差も抑えられる。
【0043】なお、このようにして製造された光記録媒
体においては、図2に示すように、光透過層3側に記録
再生用光学系の記録再生用対物レンズ5を配し、図中矢
印Lで示すように光を照射して情報の記録再生を行う。
【0044】ここでは、本発明を光記録媒体の製造に適
用した例について述べたが、本発明が基板上に紫外線硬
化型樹脂よりなる薄膜がスピンコート法を用いて形成さ
れるディスク状記録媒体の製造であれば何れにも適用可
能であることは言うまでもない。
【0045】
【実施例】次に、本発明の効果を確認するべく、以下に
示すような実験を行った。
【0046】実験例1 本実験例においては、直径 (mm)の基板上の面内
方向の中心に粘度の異なる紫外線硬化型樹脂をそれぞれ
供給し、形成される紫外線硬化型樹脂よりなる薄膜の膜
厚のばらつきが±5(%)以下となる膜厚を粘度ごとに
調査した。ただし、紫外線硬化型樹脂の粘度は25
(℃)におけるものとする。
【0047】これとともに、生産性を考慮して回転数を
3000(rpm)とし、20(秒)の間基板を回転さ
せて形成した場合の紫外線硬化型樹脂よりなる薄膜の膜
厚を調査した。
【0048】結果を図3に示す。図3中、横軸は使用し
た紫外線硬化型樹脂の粘度(rpm)を示し、縦軸は形
成された薄膜の膜厚(μm)を示す。また、図3中●
は、各粘度毎の膜厚のばらつきが±5(%)以下となる
膜厚を示し、図3中○は回転数を3000(rpm)と
し、20(秒)の間回転させて形成した場合の薄膜の膜
厚を示す。なお、図3中●で示す膜厚の薄膜は、回転数
を800(rpm)とし、12(秒)の間回転すること
により形成された。
【0049】各粘度において、図3中●よりも厚い膜厚
の薄膜を形成した場合には、膜厚のばらつきが±5
(%)を越えてしまった。すなわち、各粘度において●
よりも薄い膜厚の薄膜を形成する場合には膜厚のばらつ
きを±5(%)以下とすることが可能であることが確認
された。
【0050】さらに、各粘度において、図3中○で示す
膜厚よりも厚く、図3中●で示す膜厚よりも薄い膜厚の
薄膜を形成するようにすれば、生産性を損なうことな
く、膜厚のばらつきが±5(%)以下とされた薄膜が形
成されることが確認された。
【0051】そして、これら各粘度における図3中●と
図3中○に挟まれた範囲内において、紫外線硬化型樹脂
よりなる薄膜の膜厚T(μm)、紫外線硬化型樹脂の粘
度ρ(cps)、基板の回転数R(rpm)、基板の回
転時間t(秒)は、下記数4に示すような関係を有す
る。
【0052】
【数4】
【0053】実験例2 本実験例においては、実験例1で使用した基板と同様の
基板上の面内方向の中心に粘度の異なる紫外線硬化型樹
脂をそれぞれ供給し、膜厚100(μm)の薄膜を形成
し、この薄膜における膜厚のばらつきを調査した。な
お、本実験例においても25(℃)における粘度を示し
ており、塗布は1回としている。
【0054】結果を図4に示す。図4中横軸は紫外線硬
化型樹脂の粘度(cps)を示し、縦軸は紫外線硬化型
樹脂よりなる薄膜の膜厚のばらつき(μm)を示す。
【0055】図4を見てわかるように、膜厚100(μ
m)の薄膜を形成する場合、紫外線硬化型樹脂として2
5(℃)における粘度が1400(cps)以上のもの
を使用するようにすれば、膜厚のばらつきが7(μm)
以下(ここでは、膜厚を100(μm)としていること
から、±3.5(%)以下)に抑えられることが確認さ
れた。
【0056】上記紫外線硬化型樹脂の粘度は、当然のこ
とながら、測定時の温度によって変化する。また、市販
時の表示誤差も大きい。このような観点から、紫外線硬
化型樹脂よりなる薄膜の膜厚のばらつきを±5(%)以
下とするためには、25(℃)での粘度(cps)に対
応する膜厚のばらつきを±3.5(%)以下とすること
が必要であることが本発明者等によって確認されてい
る。
【0057】また、実験例1の結果と考え併せると、膜
厚が100(μm)以上の比較的厚い薄膜を形成する場
合に、紫外線硬化型樹脂として25(℃)における粘度
が1400(cps)以上のものを使用し、各条件が上
記数4を満たすようにすれば、一度の塗布で、膜厚のば
らつきが±5(%)以下に抑えられた薄膜が形成される
ことが確認された。
【0058】
【発明の効果】上述の説明からも明らかなように、本発
明に係るディスク状記録媒体の製造方法においては、基
板上に紫外線硬化型樹脂を供給した後、上記基板を面内
方向に回転させて基板上に紫外線硬化型樹脂を延伸さ
せ、上記紫外線硬化型樹脂に紫外線を照射し、これを硬
化させて紫外線硬化型樹脂よりなる薄膜を形成する際
に、紫外線硬化型樹脂よりなる薄膜の膜厚をT(μ
m)、紫外線硬化型樹脂の粘度をρ(cps)、基板の
回転数をR(rpm)、基板の回転時間をt(秒)とし
た場合に、下記数5が成り立つようにしており、所望の
膜厚の薄膜を膜厚のばらつきを抑えて形成するために最
適な紫外線硬化型樹脂の粘度、基板の回転数、基板の回
転時間が規定される。このため、チルト角が抑えられて
読み取り誤差も抑えられたディスク状記録媒体の製造が
可能となる。
【0059】
【数5】
【0060】また、上記本発明に係わるディスク状記録
媒体の製造方法において、紫外線硬化型樹脂よりなる薄
膜の膜厚を100(μm)以上とする場合に、上記紫外
線硬化型樹脂の25(℃)における粘度を1400(c
ps)以上とすれば、紫外線硬化型樹脂を一度塗布する
だけで、膜厚100(μm)以上と比較的厚い薄膜が膜
厚のばらつきが±5(%)以下に抑えられて形成され、
生産性が良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るディスク状記録媒体の製造方法に
より製造される光記録媒体の構成を模式的に示す断面図
である。
【図2】本発明に係るディスク状記録媒体の製造方法に
より製造される光記録媒体に光を照射している状態を模
式的に示す断面図である。
【図3】粘度と膜厚の関係を示す特性図である。
【図4】粘度と膜厚のばらつきの関係を示す特性図であ
る。
【符号の説明】
1 基板、1a 一主面、2 記録層、3 光透過層、
4 中心穴

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に紫外線硬化型樹脂を供給した
    後、 上記基板を面内方向に回転させて基板上に紫外線硬化型
    樹脂を延伸させ、 上記紫外線硬化型樹脂に紫外線を照射し、これを硬化さ
    せて紫外線硬化型樹脂よりなる薄膜を形成するディスク
    状記録媒体の製造方法において、 紫外線硬化型樹脂よりなる薄膜の膜厚をT(μm)、紫
    外線硬化型樹脂の粘度をρ(cps)、基板の回転数を
    R(rpm)、基板の回転時間をt(秒)とした場合
    に、下記数1が成り立つことを特徴とするディスク状記
    録媒体の製造方法。 【数1】
  2. 【請求項2】 上記紫外線硬化型樹脂の25(℃)にお
    ける粘度が1400(cps)以上とされ、当該紫外線
    硬化型樹脂よりなる薄膜の膜厚が100(μm)以上と
    されている請求項1記載のディスク状記録媒体の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 上記紫外線硬化型樹脂よりなる薄膜の膜
    厚のばらつきが±5(%)以下とされていることを特徴
    とする請求項2記載のディスク状記録媒体の製造方法。
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