JPH11101955A - 光学用アイソレータ - Google Patents

光学用アイソレータ

Info

Publication number
JPH11101955A
JPH11101955A JP27983997A JP27983997A JPH11101955A JP H11101955 A JPH11101955 A JP H11101955A JP 27983997 A JP27983997 A JP 27983997A JP 27983997 A JP27983997 A JP 27983997A JP H11101955 A JPH11101955 A JP H11101955A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnet
magnetic field
optical isolator
isolator
optical
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP27983997A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadakuni Sato
忠邦 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokin Corp
Original Assignee
Tokin Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokin Corp filed Critical Tokin Corp
Priority to JP27983997A priority Critical patent/JPH11101955A/ja
Publication of JPH11101955A publication Critical patent/JPH11101955A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学素子の光学特性が劣化したり、割れ等の
損傷を生ずることがなく、かつ挿入損失の優れた光アイ
ソレータを提供すること。 【解決手段】 ファラデー回転素子に永久磁石4により
発生する磁界を印加してポーラコア等のセラミック製偏
光素子1及び検子1aを金属ホルダ2に接着して保持す
る光学用アイソレータにおいて、該金属ホルダ2をF
e、Cr、Coを主成分として含有する鉄クロムコバル
ト磁石系材料、またはFe、Co、Ni、Al、Cuを
主成分として含有するアルニコ磁石系材料とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、光通信シ
ステムや光計測器に用いられる光学部品であり、光源か
ら出射した光が光学系の中の光学素子の端面で反射し、
光源に戻るのを防ぐための光学用アイソレータに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】光源からの出射光を光学系を用いて伝達
しようとする時、光学系中の光学素子の端面で反射した
光は、光源に戻ってくる。
【0003】例えば、光通信においては、光源のレーザ
から出射した光は、結合レンズによって収束され、光フ
ァイバの端面に集められる。大部分の光は、光ファイバ
の中に入り、その中を伝搬するが、一部の光はファイバ
の端面で反射されて、光源のレーザに戻る。レーザの中
に戻った光は、一般に位相も偏光方向もレーザ中の光と
は異なり、これによって、レーザ発振が乱されレーザノ
イズとなる。
【0004】このようなノイズを防ぐため、戻り光を遮
断する光アイソレータが用いられる。光アイソレータで
は、戻り光の遮断特性(アイソレーション)の高いこ
と、入射光の透過損失(挿入損失)の少ないことが要求
される。
【0005】光アイソレータの典型的な構造としては、
図1に示すように、板状のファラデー回転素子3の両側
に偏光子1と検光子1aを配置し、ファラデー回転素子
3の周囲には、この素子を一方向に磁化させるための筒
型の永久磁石4が配設される。これらの光学素子、磁石
等は、それぞれ金属ホルダ2に半田付け等によって固定
され、金属ホルダ2相互は、位置決め後レーザ溶接され
ているのが普通である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記半田付け等によっ
て生ずる歪みの発生によって、光学素子の光学的均一性
が低下し、アイソレーション特性が劣化したり、光学素
子に割れ等の損傷が生じ、光の正常な透過が妨げられ
る。
【0007】従って、本発明は、このような問題点を解
決するためになされたもので、光学素子の光学特性が劣
化したり、割れ等の損傷を生ずることがなく、かつ挿入
損失の優れた光アイソレータを提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】課題を解決するための手
段は下記の通りである。
【0009】本発明は、ファラデー回転素子に永久磁石
により発生する磁界を印加してポーラコア等のセラミッ
ク製偏光子及び検光子を金属ホルダに接着して保持する
光学用アイソレータにおいて、前記金属ホルダをFe、
Cr、Coを主成分として含有する鉄クロムコバルト磁
石系材料、またはFe、Co、Ni、Al、Cuを主成
分として含有するアルニコ磁石系材料とする光学用アイ
ソレータである。
【0010】本発明は、上記光学用アイソレータに用い
るファラデー回転素子に印加する磁界は、ファラデー回
転子を内蔵するように構成されたNd、Fe、B系焼結
磁石であり、その保磁力、IHcを11kOe以上とす
る光学用アイソレータである。
【0011】本発明は、上記光学用アイソレータにおい
て、Nd、Fe、B系焼結磁石を光の透過方向に着磁し
た後、これと反対方向に1〜5kOeの磁界を印加し、
該アイソレータのホルダ部の磁極を反転させて構成する
光学用アイソレータである。
【0012】本発明は、上記光学用アイソレータにおい
て、光の透過方向と反対方向に着磁する処理を20℃以
下の温度で実施する光学用アイソレータである。
【0013】本発明は、上記光学用アイソレータに用い
るファラデー回転素子に印加する磁界は、ファラデー回
転子を内蔵するように構成されたSm2Co17系焼結磁
石であり、その保磁力IHcを6〜25kOeの範囲と
する光学用アイソレータである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の光学用アイソレータにつ
いて説明する。
【0015】本発明では、金属ホルダの熱膨張係数の値
に着目し、特定の範囲の熱膨張係数値の金属を用いるこ
とにより、光学素子と金属ホルダの間の熱膨張係数を小
にして、半田付け工程による残留歪みの発生を抑制する
ものである。
【0016】図1は、光アイソレータの構造図で、本発
明は製造上、特に歩留まりを左右する偏光素子(偏光子
1、検光子1aの総称)のポーラコア(図1の1及び1
a)の割れ問題及びアイソレータの挿入損失の低減に関
係したものであり、これについて説明する。
【0017】ポーラコア1及び1aは、金属ホルダ2に
半田付けで固定されており、半田付け時において、半田
が溶融しているときは、ポーラコア、金属ホルダともに
歪みは生じていないが、冷却時には両者とも収縮し、両
者の熱膨張係数差に応じた応力が両者それぞれに働く。
【0018】両者が半田を介して接続している界面近傍
では、ほぼ等しい応力が働くが、破壊に至る応力は、一
般的に金属よりもポーラコアのようなセラミックスの方
が小さいため、セラミックスがまず破壊する。
【0019】金属は、弾性変形、塑性変形によって応力
緩和しやすいが、セラミックスは、殆ど塑性変形せずに
破壊に至る。又、圧縮応力よりも引っ張り応力に弱い点
がセラミックスの特徴である。
【0020】このような状況の中、本発明者は、金属ホ
ルダに、金属材料としては、比較的熱膨張計数が小さ
く、比較的低い印加磁場で着磁可能な永久磁石材料であ
る鉄クロムコバルト磁石系材料(主成分として、Fe、
Cr、Coを含有)及びアルニコ磁石系材料(主成分と
してFe、Co、Ni、Al、Cuを含有)を使用する
ことにより、セラミックス製偏光素子の割れを著しく低
減することができることを知見した。
【0021】又、ファラデー回転素子に磁界を印加する
ための磁石として、保磁力IHcが11kOe以上のN
d−Fe−B系焼結磁石を使用し、光の透過方向に1次
着磁として磁石を着磁した後、それと反対方向に2次着
磁として1〜13kOeの磁界を印加し、ホルダ部の磁
極を反転させることにより、ファラデー回転素子部に印
加される磁界の強度と均一性が向上し、挿入損失が低減
する。
【0022】ここで、Nd−Fe−B系焼結磁石のI
cを11kOe以上としたのは、それ未満では、2次着
磁での減磁率が増大し、挿入損が増加するためである。
【0023】一方、2次着磁の印加磁界を1〜5kOe
としたのは、1kOe以下では、金属ホルダ部の磁極の
反転が不十分となり、ファラデー回転素子部への印加磁
界向上への寄与が小さくなり、挿入損失の低減効果が小
さくなるためであり、5kOe以上では、Nd−Fe−
B系磁石の低減が増大し、ファラデー回転素子部への印
加磁界が低下し、挿入損失が増加するためである。
【0024】又、Nd−Fe−B系焼結磁石のIHcよ
りも、2次磁界の印加磁界を小さくすることは、磁性
上、当然である。
【0025】2次着磁処理の温度を20℃以下の温度で
実施することにより、挿入損失を更に減少することがで
きる。
【0026】これは、Nd、Fe、B系磁石のIHc
は、温度降下により著しく増加するのに比べ、鉄クロム
コバルトやアルニコ磁石のそれは、著しく小さく、かつ
偏平状であるため、IHcの増加が殆ど無視できる程度
となり、2次着磁磁界印加によるNd−Fe−B系磁石
の消磁が著しく低減されるからである。
【0027】又、ファラデー回転素子に磁界を印加する
ための磁石として、保磁力IHcが6〜25kOeの範
囲のSm2Co17焼結磁石を使用し、光の透過方向に1
次着磁磁石を着磁した後、それと反対方向に2次着磁1
〜13kOeの磁界を印加し、ホルダ部の磁極を反転さ
せることにより、ファラデー回転素子部に印加される磁
界の強度と均一性が向上し、挿入損失が低減する。
【0028】ここで、Sm2Co17焼結磁石のIHcを6
〜25kOeとしたのは、25kOe以上では、1次着
磁での着磁率が低下し、挿入損が増加するためであり、
6kOe以下では、2次着磁での減磁率が増加し、挿入
損が増加するためである。
【0029】一方、2次着磁の印加磁界を1〜13kO
eとしたのは、1kOe以下では、ホルダ部の磁極の反
転が不十分となり、ファラデー回転素子部への印加磁界
向上への寄与が小さくなり、挿入損失の低減効果が小さ
くなるためであり、13kOe以上では、Sm2Co17
磁石の減磁が増大し、ファラデー回転素子部への印加磁
界が低下し、挿入損失が増加するためである。
【0030】また、Sm2Co17系焼結磁石のIHcより
も、2次磁界の印加磁界を小さくすることが必要なの
は、磁性上、当然のことである。
【0031】
【実施例】
(実施例1)形状が1.6×1.6×0.2mmの平板状
ポーラコア(セラミック製、熱膨張係数6.5×10-6
/℃)を、形状が外径4.0、内径1.4、厚さ約0.4
mmの金属ホルダに、金半田を用いて接着した。ここ
で、ポーラコアと金属ホルダの接着部位には、金を被覆
し、370℃にて保持して接着している。
【0032】ここで、金属ホルダに用いた材質は、金属
磁石として用いられているFe、Cr、Coを主成分と
して含有している鉄クロムコバルト系磁石材料のJIS
C2501、及びFe、Co、Ni、Al、Cuを主成
分として含有しているアルニコ系磁石材料のJISC2
501である。
【0033】これらの磁石材料を着磁した場合の磁石特
性は、前者がBr8KG、BHc0.6kOe、(BH)
max2MGOe程度であり、後者がBr10KG、BHc
0.8kOe、(BH)max5MGOe程度である。
【0034】これらについて各100個の接着を行いポ
ーラコアの割れの発生率を求めた。
【0035】その結果を、非磁性又は弱磁性のステンレ
ス鋼として一般的によく使用されるSUS−304、及
び強磁性を示すが熱膨張率が低いステンレス鋼として一
般的によく使用されるSUS−430を、金属ホルダと
して同様に使用した場合と比較して、表1に示す。
【0036】
【0037】従って、工業的には、鉄クロムコバルト磁
石系、アルニコ磁石系、ステンレス鋼SUS−430の
材種が、ポーラコアの割れ提言には有効であるといえ
る。
【0038】(実施例2)Nd−Fe−B系焼結磁石で
磁石特性がBr13.0KG、BHc10kOe、IHc
11kOe、(BH)max、40MGOe程度を示す材
料を使用して、外径が4mmで、内径が1.5mmで、
長さが3mmの円筒状で、異方性方向が長さ方向となる
磁石を作製した。
【0039】次に、CdMnHgTe化合物単結晶を厚
さ3mmに研磨した後、波長0.98μmに対応するA
Rコートを施した後、光の透過方向の寸法が1mm×1
mmとなる直方体状のファラデー回転素子を作製し、前
記円筒状磁石の内部に装着した。
【0040】次に、この底面部と、実施例1で作製した
ポーラコアを装着した金属ホルダの面とが合わされるよ
うに構成した後、磁石の長さ方向に約25kOeの磁界
を印加して、光用アイソレータとした。
【0041】次に、これらアイソレータについて、0.
98μmでの挿入損を測定した。その結果を表2に示
す。ちなみに、アイソレーションは、全て20dB以上
であった。
【0042】
【0043】挿入損失は、金属ホルダの材種を鉄クロム
コバルト磁石系、アルニコ磁石系とした方が、ステンレ
ス鋼SUS−304及び430した方より、挿入損失は
明らかに低くなっている。
【0044】これは、ホルダ部に軟磁性材料を装着する
ことにより、磁石から発生する磁束はアイソレータ外部
に誘導される傾向となり、磁場印加用磁石内部に装着し
てあるファラデー回転素子への磁界が減少するためであ
る。
【0045】一方、磁石材料をホルダとして使用した場
合、この磁石から発生する磁界が重畳し、ファラデー回
転素子への磁界増加に多少寄与するために、挿入損失は
減少する傾向となる。
【0046】実施例1と、実施例2から、ポーラコアの
割れ発生率が小さく、アイソレータの挿入損失の小さい
金属ホルダ用材料として、鉄クロムコバルト磁石系アル
ニコ磁石系が有用であるといえる。
【0047】(実施例3)実施例2にて作製した金属ホ
ルダの材質が鉄クロムコバルト系磁石、アルニコ系磁石
及びステンレス鋼SUS−304のアイソレータについ
て、実施例2における着磁方向と反対方向に4kOeの
磁界を印加し、金属ホルダ部の着磁方向を反転させ、2
次着磁し、実施例2と同様にして、、アイソレータの特
性を測定した。
【0048】その結果を反対側着磁処理の前後と比較し
て、挿入損を表3に示す。
【0049】
【0050】2次着磁により、鉄クロムコバルト磁石系
及びアルニコ磁石系を金属ホルダとしたアイソレータで
は挿入損が低減し、ステンレス鋼SUS−304をホル
ダにしようしたアイソレータでは、挿入損が増加してい
る。
【0051】反対側への2次着磁により、NdFeB系
磁石から発生する磁束と、鉄クロムコバルト磁石やアル
ニコ磁石から発生する磁束とを同極対向させることによ
り、ファラデー回転子に印加する磁界強度が向上したた
めである。
【0052】一方、ステンレス鋼SUS−304を金属
ホルダとして用いたアイソレータでは、反対側着磁磁界
により、NdFeB磁石の磁束が、やや低減した状態の
みとなり、ファラデー回転子に印加する磁界は減少した
状態となり、挿入損失は劣化した状態となる。
【0053】従って、金属ホルダに鉄クロムコバルト磁
石系及びアルニコ磁石と同一方向に着磁した後、逆方向
着磁にてホルダ部の磁極を反転させ、ファラデー回転素
子印加用磁石とホルダ用磁石の磁極を同極に対向させて
構成することは、工業上、有益である。
【0054】ちなみに、アイソレーションは金属ホルダ
に鉄クロムコバルト磁石系及びアルニコ磁石系を使用し
たアイソレータでは、25dB以上を示し、アイソレー
ションは3〜5dB向上していた。一方、金属ホルダに
SUS−304を使用したアイソレータでは、アイソレ
ーションが約3dB劣化し、約20dBであった。
【0055】尚、以上の実施例においては、着磁処理は
室温にて実施している。
【0056】(実施例4)実施例3と同様にして、2次
着磁の処理温度を室温(25℃)及び20℃、10℃、
0℃、−10℃の温度にて実施し、アイソレータの特性
を測定した。
【0057】
【0058】ちなみに、これらのアイソレーションは、
25dB以上であった。従って、2次着磁処理の温度を
室温以下とすることは、工業上、有用である。
【0059】この効果は、NdFeB系磁石のIHc
は、温度低下により著しく増加する傾向を示し、一方、
鉄クロムコバルト磁石やアルニコ磁石においては、温度
降下によるIHcの増加は著しく小さく、かつ偏平であ
るため、IHc増加が殆ど影響しないことになる。逆磁
界印加によるNdFeB磁石の消磁が著しく低減される
効果のみの寄与となるからである。
【0060】(実施例5)実施例3と同様にして、10
℃における2次着磁の磁界強度を変化させ、挿入損失と
の関係を調べた。
【0061】挿入損の結果を表5に示す。
【0062】
【0063】従って、2次着磁の印加磁界強度として
は、1〜5kOeの範囲で挿入損失が向上しており、工
業上、有益といえる。
【0064】2次着磁磁界が低いと、ホルダ部の磁石の
磁極の反転が不完全となり、ファラデー回転素子部への
印加磁界向上への寄与が小さくなり、一方、2次着磁界
が高いと、NeFeB系磁石の減磁が大きくなり、ファ
ラデー回転素子部への印加磁界が低下するためである。
【0065】従って、ホルダ部の磁石の磁極の反転が達
成し、NdFeB系磁石の減磁が小さくなるような2次
着磁磁界強度に設定する必要がある。
【0066】(実施例6)NdFeB系磁石で磁石特性
が、Brが12.0〜13.0KG、IHcを10〜20
kOe、(BH)maxを35〜40MGOeを示す材料
6種類を使用して、実施例3と同様にして、室温におけ
る2次着磁後のアイソレータ特性を測定した。
【0067】NdFeB系磁石のIHcとアイソレータ
の挿入損との関係を表6に示す。
【0068】
【0069】ちなみに、アイソレーションは、全て約2
5dB以上であった。
【0070】NdFeB系磁石のIHcを11kOe以
上とすることにより、挿入損失は明らかに改善されてお
り、工業上、有用といえる。
【0071】これは、IHcを向上することによるNd
FeB系磁石の減磁を低減できる効果である。
【0072】(実施例7)Sm2Co17系磁石で、磁石
特性がBr11.0KG、IHc12kOe、(BH)ma
x、29MGOe程度を示す材料を使用して、外径が4.
3mmで内径が1.5mmで、長さが30mmの円筒状
で、異方性向方が長さ方向となる磁石を作製した。
【0073】次に、CdMnHgTe化合物単結晶を長
さ3mmに研磨した後、波長0.98μmに対応するA
Rコードを施した後、光の透過方向の寸法が1mm×1
mmとなる直方体状のファラデー回転素子を作製し、前
記円筒状磁石の内部に装着した。
【0074】次に、この底面部と、実施例1で作製した
ポーラコアを装着した金属ホルダの面とが合わさるよう
に構成した後、磁石の長さ方向に約30kOeのパルス
状磁界を印加して、光用アイソレータとした。
【0075】次に、これらアイソレータについて、0.
98μmでの挿入損を測定した。
【0076】その結果を表7に示す。ちなみに、アイソ
レーションは全て20dB以上であった。
【0077】
【0078】挿入損失は、金属ホルダの材種を鉄クロム
コバルト磁石系、アルニコ磁石系とした方が、ステンレ
スSUS−304及び430とした方より、挿入損失は
明らかに低くなっている。これは、ホルダ部に軟磁性材
料を装着することにより、磁石から発生する磁束はアイ
ソレータ外部に誘導される傾向となり、磁石印加用磁石
内部に装着してあるファラデー回転素子への印加磁界が
減少するためである。
【0079】一方、磁石材料をホルダとして使用した場
合、この磁石から発生する磁界が重畳し、ファラデー回
転素子への磁界増加に寄与するために、挿入損失は減少
する傾向となる。
【0080】実施例1と実施例7の傾向から、ポーラコ
アの割れ発生率が低く、アイソレータの挿入損失の小さ
い金属ホルダ用材料として、鉄クロムコバルト磁石系と
アルニコ磁石系が有用であるといえる。
【0081】(実施例8)実施例7にて作製した金属ホ
ルダの材質が鉄クロムコバルト系磁石、アルニコ系磁石
及びステンレス鋼SUS−304のアイソレータについ
て、実施例7における着磁方向と反対方向に5kOeの
磁界を印加し、金属ホルダ部の着磁方向が反転するよう
に2次着磁し、実施例7と同様にして、アイソレータの
特性を測定した。
【0082】その結果を、2次着磁処理の前後と比較し
て表8に示す。
【0083】
【0084】2次着磁により、鉄クロムコバルト磁石系
及びアルニコ磁石系を金属ホルダとしたアイソレータで
は挿入損が低減し、ステンレス鋼SUS−304をホル
ダに使用したアイソレータでは挿入損が増加している。
【0085】当初の着磁方向と逆方向への2次着磁処理
により、Sm2Co17系磁石から発生する磁束と、鉄ク
ロムコバルト磁石やアルニコ磁石から発生する磁束とを
同極で対向させることにより、ファラデー回転素子に印
加する磁界強度が向上したためである。
【0086】一方、ステンレス鋼SUS−304を金属
ホルダとして使用したアイソレータでは、2次着磁処理
により、Sm2Co17系磁石の磁束がやや減少した状態
のみとなり、ファラデー回転素子に印加する磁界は減少
し、挿入損失は劣化した状態となる。
【0087】従って、金属ホルダに鉄クロムコバルト磁
石系及びアルニコ磁石系を使用し、ファラデー回転素子
を内蔵したSm2Co17系磁石と同一方向に着磁した
後、逆方向着磁にてホルダー部の磁極を反転する2次着
磁処理をし、ファラデー回転素子印加用磁石とホルダ用
磁石の磁極を同極に対向させて構成することは、工業
上、有益である。
【0088】ちなみに、アイソレーションは、金属ホル
ダに鉄クロムコバルト磁石系及びアルニコ磁石系を使用
したアイソレータでは、3〜5dB向上し、25dB以
上を示していた。一方、金属ホルダにSUS−304を
使用したアイソレータでは、アイソレーションが約2d
B劣化し、25dB以下であった。
【0089】(実施例9)実施例8と同様にして、2次
着磁の磁界強度を変化し、挿入損失との関係を調べた。
その結果を表9に示す。
【0090】
【0091】従って、2次着磁の印加磁界強度として
は、1〜1kOeの範囲で挿入損失が向上しており、工
業上、有益といえる。
【0092】2次着磁磁界が低いと、ホルダ部の磁石の
磁極反転が不完全となり、ファラデー回転素子部への印
加磁界向上への寄与が小さくなり、一方、2次着磁磁界
が高いと、Sm2Co17系磁石の減磁が大きくなり、フ
ァラデー回転素子部への印加磁界が低下するためであ
る。
【0093】従って、ホルダ部の磁石の磁極の反転が達
成し、Sm2Co17系磁石の減磁が小さくなるような2
次着磁磁界強度に設定する必要がある。
【0094】(実施例10)Sm2Co17系磁石で、磁
石特性がBrが約11KGで、IHcが6〜25kO
e、(BH)maxが約28MGOeを示す材料6種類を
使用して、実施例8と同様にして、約50kOeでパル
ス状磁界で着磁した後、2次着磁を3kOeで処理し、
アイソレータ特性を測定した。
【0095】アイソレーションは、全て約25dB以上
であった。挿入損失との関係を表10に示す。
【0096】
【0097】Sm2Co17系磁石のIHcが6〜25kO
eの範囲で挿入損失が明らかに改善されており、工業
上、有用といえる。
【0098】尚、Sm2Co17系磁石のIHcが6kOe
未満では、2次着磁処理により、Sm2Co17系磁石の
減磁が明らかとなる。一方、IHcが25kOeを越え
る領域では、Sm2Co17系磁石の着磁率が低下し、発
生する磁束が減少するために、ファラデー回転素子に印
加する磁界が減少するため、アイソレータの挿入損失が
著しく増加することになる。
【0099】
【発明の効果】以上、述べたように、本発明によれば、
光学素子の光学特性が劣化したり割れ等の損傷を生ずる
ことがなく、かつ挿入損失の優れた光学用アイソレータ
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光学用アイソレータの構成を示す断面図。
【符号の説明】
1 偏光素子 1a 検光子 2 金属ホルダ 3 ファラデー回転素子 4 永久磁石

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ファラデー回転素子に永久磁石により発
    生する磁界を印加してポーラコア等のセラミック製偏光
    子及び検光子を金属ホルダに接着して保持する光学用ア
    イソレータにおいて、前記金属ホルダをFe、Cr、C
    oを主成分として含有する鉄クロムコバルト磁石系材
    料、またはFe、Co、Ni、Al、Cuを主成分とし
    て含有するアルニコ磁石系材料とすることを特徴とする
    光学用アイソレータ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の光学用アイソレータに用
    いるファラデー回転素子に印加する磁界は、ファラデー
    回転子を内蔵するように構成されたNd、Fe、B系焼
    結磁石であり、その保磁力IHcを11kOe以上とす
    ることを特徴とする光学用アイソレータ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2のいずれかに記載の光学
    用アイソレータにおいて、Nd、Fe、B系焼結磁石を
    光の透過方向に着磁した後、これと反対方向に1〜5k
    Oeの磁界を印加し、該アイソレータのホルダ部の磁極
    を反転させて構成することを特徴とする光学用アイソレ
    ータ。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の光学用
    アイソレータにおいて、光の透過方向と反対方向に着磁
    する処理を20℃以下の温度で実施することを特徴とす
    る光学用アイソレータ。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の光学用アイソレータに用
    いるファラデー回転素子に印加する磁界は、ファラデー
    回転子を内蔵するように構成されたSm2Co17系焼結
    磁石であり、その保磁力IHcを6〜25kOeの範囲
    とすることを特徴とする光学用アイソレータ。
  6. 【請求項6】 請求項1又は5のいずれかに記載の光学
    用アイソレータにおいて、Sm2Co17系焼結磁石を光
    の透過方向に着磁した後、これと反対方向に1〜13k
    Oeの磁界を印加し、アイソレータの金属ホルダ部の磁
    極を反転させて構成することを特徴とする光学用アイソ
    レータ。
JP27983997A 1997-09-26 1997-09-26 光学用アイソレータ Withdrawn JPH11101955A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27983997A JPH11101955A (ja) 1997-09-26 1997-09-26 光学用アイソレータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27983997A JPH11101955A (ja) 1997-09-26 1997-09-26 光学用アイソレータ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11101955A true JPH11101955A (ja) 1999-04-13

Family

ID=17616655

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27983997A Withdrawn JPH11101955A (ja) 1997-09-26 1997-09-26 光学用アイソレータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11101955A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019230420A1 (ja) * 2018-05-31 2019-12-05 日本電気硝子株式会社 磁気回路、ファラデー回転子及び磁気光学素子
JP2019211753A (ja) * 2018-05-31 2019-12-12 日本電気硝子株式会社 磁気回路、ファラデー回転子及び磁気光学素子

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019230420A1 (ja) * 2018-05-31 2019-12-05 日本電気硝子株式会社 磁気回路、ファラデー回転子及び磁気光学素子
JP2019211753A (ja) * 2018-05-31 2019-12-12 日本電気硝子株式会社 磁気回路、ファラデー回転子及び磁気光学素子

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6480636B1 (en) Optical isolator comprising a faraday rotator
JPH11101955A (ja) 光学用アイソレータ
JPH09325299A (ja) 光アイソレータ付き光ファイバ端子及びこれを用いた半導体レーザモジュール
JP2019211753A (ja) 磁気回路、ファラデー回転子及び磁気光学素子
JPH11167085A (ja) 光アイソレータ及び光アイソレータ付き光ファイバ端子
JP2003257737A (ja) 着磁方法
JPH11183843A (ja) 光学用アイソレータ
JPH11125797A (ja) 光学用アイソレータ
JPH11153773A (ja) 光学用アイソレータ
JPH11125798A (ja) 光学用アイソレータ
JP4325839B2 (ja) 光アイソレータ
JPH11101954A (ja) 光学用アイソレータ
JPH11119157A (ja) 光学用アイソレータ
JP3267711B2 (ja) 光アイソレータ
JP2001174754A (ja) 光アイソレータ及び光サーキュレータ
JP2002341290A (ja) 光アイソレータおよびそれを備える光コネクタならびにレーザ光源装置
JPH11119156A (ja) 光学用アイソレータ
JP2001066550A (ja) 光アイソレータ
JP2001021841A (ja) 光アイソレータ
JP2001209006A (ja) 光アイソレータ
WO2019230420A1 (ja) 磁気回路、ファラデー回転子及び磁気光学素子
JP2000298247A (ja) 光アイソレータ及び非可逆相反部品
JP2000105355A (ja) 光アイソレータ及びその製造方法
JP2002311386A (ja) 光アイソレータおよびその製造方法ならびにレーザ光源装置
JP2000235166A (ja) 非可逆相反部品

Legal Events

Date Code Title Description
A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20050720