JPH11101798A - 全血血球免疫測定装置 - Google Patents

全血血球免疫測定装置

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JPH11101798A
JPH11101798A JP27996397A JP27996397A JPH11101798A JP H11101798 A JPH11101798 A JP H11101798A JP 27996397 A JP27996397 A JP 27996397A JP 27996397 A JP27996397 A JP 27996397A JP H11101798 A JPH11101798 A JP H11101798A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 血球計数と免疫項目データを同時に得ること
ができる全血血球免疫測定装置を提供すること。 【解決手段】 免疫測定を行う免疫測定部8と血球計数
測定を行う血球計数測定部9とを備え、これら両測定部
において同じ全血試料を用いるとともに、免疫測定の結
果を血球計数測定によって得られたヘマトクリット値を
用いて補正するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、全血血球免疫測
定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】体内で起こる炎症の有無やその程度、そ
の経過観察する手法として炎症マーカーがある。この炎
症マーカーの代表的なものとしては、白血球数、血沈
値、急性期蛋白、血清蛋白文画値、血清シアル酸などが
あり、これらを組み合わせて測定し、炎症の診断に役立
てられている。この中で、特に白血球数と急性期蛋白で
ある C−反応性蛋白(CRP)の測定は、炎症や感染
症の診断に有益であるが、これらを同時に測定する装置
は従来は無く、前者は血球計数装置を、後者は免疫測定
装置をそれぞれ用いて個別に測定されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記血
球計数装置および免疫測定装置を用いて個別に測定を行
う場合、測定に用いるサンプル(検体)は前者において
は全血であり、後者においては主として血清である。そ
して、検体として全血を得る場合、抗凝固剤入りの状態
とこれが無い状態で別々に採血する必要がある一方、血
清は血液凝固までの時間待ちと遠心分離を行う必要があ
るため、前記手法は、小さな医院や診療所、遠隔地の診
療所、休日診療所、緊急検査室などのように、専門の検
査技術者を常時確保できない施設では不向きである。
【0004】これに対して、全血で測定できる免疫測定
装置もあるが、全血を検体とした場合、目的の免疫測定
項目が血球中に存在せず、血清・血漿中にのみ存在した
場合、個体差の比較的大きなヘマトクリット値の変動分
に起因する誤差が生ずることとなる。
【0005】この発明は、上述の事柄に留意してなされ
たもので、その目的は、血球計数と免疫項目データを同
時に得ることができる全血血球免疫測定装置を提供する
ことである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明の全血血球免疫測定装置は、免疫測定を行
う免疫測定部と血球計数測定を行う血球計数測定部とを
備え、これら両測定部において同じ全血試料を用いると
ともに、免疫測定の結果を血球計数測定によって得られ
たヘマトクリット値を用いて補正するようにしている。
【0007】上記全血血球免疫測定装置によれば、全血
で血球計数と免疫項目の測定を同時に行えるため、検体
の取扱いは全血のみでよく、血清分離の必要がないとと
もに、採血後短時間で測定に入ることができるととも
に、専門の検査技術者でなくても容易に測定を行うこと
ができる。したがって、炎症や感染症の緊急および早期
診断に特に有用であるとともに、小医院や診療所、遠隔
地の診療所、休日診療所、緊急検査室などにおいても、
所望の検査を行うことができる。
【0008】そして、プローブユニット部、演算・制御
部および表示・出力装置などを血球計数測定と免疫測定
とに共通して使用することができ、従来の個別に設けて
いたものに比べて共通化できる分だけコストダウンを図
ることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】発明の実施の形態を図面を参照し
ながら説明する。図1〜図5は、この発明の一つの実施
の形態を示すものである。
【0010】まず、図1はこの発明の全血血球免疫測定
装置の一例を、側面パネルを取り外した状態で示す斜視
図であり、図2はこの全血血球免疫測定装置の全体の構
成を概略的に示す図である。これらの図において、1は
装置ケースで、その前面部2側には、検体としての全血
3を収容した検体容器4をセットするための検体セット
部5が内方に凹んだ状態で形成されている。6はこの検
体セット部5に設けられる測定キーである。
【0011】そして、装置ケース1の側面部7の下方に
は、前面部2に近い側から順に、免疫測定を行う免疫測
定部8と血球測定を行う血球計数測定部9が前面側から
見て一直線状に配置されているとともに、複数の電磁弁
10aからなる電磁弁部10が設けられている。また、
側面部7の上方には、検体セット部5と血球計数測定部
9との間を直線的に移動するプローブユニット部11が
設けられている。
【0012】また、図2において、12は定注器、13
は希釈液容器、14は溶血試薬容器、15はポンプであ
り、これら13〜15はいずれも電磁弁部10に接続さ
れている。また、16はポンプ15に接続された廃液容
器である。
【0013】ここで、前記免疫測定部8、血球計数測定
部9およびプローブユニット部11の構成について少し
詳細に説明する。
【0014】まず、免疫測定部8は、この実施の形態に
おいては、CRPを測定するように構成されている。す
なわち、図2において、17はCRPを測定するための
セル(以下、CRPセルという)で、光照射部17aお
よび光検出部17bを備えるとともに、内部に収容され
る液を適宜攪拌できるように構成されている。18,1
9,20はCRP測定に用いられる試薬を収容した容器
で、それぞれ、溶血試薬(以下、R1試薬という)、緩
衝液(以下、R2試薬という)、抗ヒトCRP感作ラテ
ックス免疫試薬(以下、R3試薬という)が収容されて
いる。
【0015】そして、前記CRPセル17および試薬容
器18〜20は、検体セット部5における検体容器4の
セット位置に対して一直線状に配置され、これら17〜
20は、ソレノイド21によって上下方向に揺動する蓋
22によって一括して開閉されるように構成されてい
る。また、23は例えばペルチェ素子よりなる電子冷却
器24を備えたクーラーボックスで、図示例では試薬R
2,R3が収容されている。
【0016】次に、血球計数測定部9は、この実施の形
態においては、電気抵抗法により、WBC(白血球
数)、RBC(赤血球数)、PLT(血小板数)、MC
V(赤血球容積)、Hct(ヘマトクリット値)を、ま
た、シアンメトヘモグロビン法における吸光光度法によ
りHgb(ヘモグロビン濃度)などをそれぞれ測定する
ように構成されている。すなわち、図2において、25
はWBC/Hgb血球計数測定セル(以下、単にWBC
セルという)で、WBCを測定するための測定電極25
a,25bおよびHgbを測定するための光照射部25
c、受光部25dを備えている。26はRBC/PLT
血球計数測定セル(以下、単にRBCセルという)で、
RBCおよびPLT測定するための測定電極26a,2
6bを備えている。これらのセル25,26は、CRP
測定部8におけるCRPセル17および試薬容器18〜
20と一直線になるように配置されている。また、WB
Cセル25は、ノズル33(後述する)洗浄のための廃
液チャンバを兼ねている。
【0017】さらに、プローブユニット部11は、例え
ば次のように構成されている。すなわち、図1および図
2において、27はノズルユニットで、このノズルユニ
ット27は、垂直に立設されたベース部材28に沿うよ
うにして水平方向に設けられたタイミングベルト29に
よって水平方向に往復移動できるように構成されてい
る。30はタイミングベルト29を駆動するためのモー
タ、31はノズルユニット27に設けられた被ガイド部
材32をガイドする一対のガイド部材で、これらはベー
ス部材28に適宜の部材を介して取り付けられている。
【0018】33はノズルで、ノズルユニット27内を
タイミングベルト34によって上下方向に移動するノズ
ル保持体35に取り付けられている。このノズル33の
先端側(下端側)は、ノズルユニット27内に設けられ
たノズル洗浄器36を挿通し、先端部外周が洗浄される
ように構成されている。37はタイミングベルト34を
駆動するためのモータである。38はノズル33がホー
ムポジション位置(定位置)にあるか否かを検出するセ
ンサである。
【0019】そして、図2において、39は装置の各部
を総合的に制御するとともにCRP測定部8および血球
計数測定部9からの出力を用いて各種の演算を行う制御
・演算装置としてのマイクロコンピュータ(MCU)、
40はMCU39からの指令に基づいて電磁弁部10、
プローブユニット部11のモータ30,37などに駆動
信号を送るドライバ、41はCRP測定部8および血球
計数測定部9からの出力信号を処理してMCU39に送
る信号処理部、42はMCU39において処理されて得
られる結果などを表示する装置で、例えばカラーディス
プレイであり、43は出力装置としてのプリンタであ
る。
【0020】なお、図2において、点線は検体3や各種
の試薬などの流れを示し、また、やや太い一点鎖線は制
御信号を、細い一点鎖線は測定によって得られる信号の
流れをそれぞれ示している。
【0021】上記構成の全血血球免疫測定装置の動作に
ついて、測定手順の一例を示した図3〜図5をも参照し
ながら説明する。
【0022】まず、測定キー6をオンする(ステップS
1)と、定位置にあるノズル33は、R2試薬の位置に
移動し(ステップS2)、R2試薬を吸引する(ステッ
プS3)。この試薬吸引の後、ノズル33はWBCセル
25位置に移動し、ノズル洗浄器36に洗浄液としての
希釈液が供給されて、ノズル33の外面が洗浄される。
その後、ノズル33はR2試薬の位置に復帰する。
【0023】次いで、ノズル33は、R1試薬の位置に
移動し(ステップS4)、R1試薬を吸引する(ステッ
プS5)。この試薬吸引の後、ノズル33はWBCセル
25位置に移動し、ノズル洗浄器36に希釈液が供給さ
れて、ノズル33の外面が洗浄される。その後、ノズル
33はR1試薬の位置に復帰する。
【0024】そして、ノズル33は、検体セット位置に
移動し(ステップS6)、検体容器4内の検体(全血)
3をCRP測定のために吸引する(ステップS7)。こ
の検体吸引の後、ノズル33はWBCセル25位置に移
動し、ノズル洗浄器35に希釈液が供給されて、ノズル
33の外面が洗浄される。その後、ノズル33は検体の
位置に復帰する。
【0025】そして、ノズル33は、CRPセル17位
置に移動し(ステップS8)、検体3、R1試薬、R2
試薬をCRPセル17内に吐出する(ステップS9)。
【0026】そして、前記吐出を終わったノズル33
は、WBCセル25位置に移動し(ステップS10)、
内部に残留している検体3などをWBCセル25内に吐
出した後、その内外を希釈液で洗浄される。
【0027】前記洗浄が終わったノズル33は、検体セ
ット位置に移動し(ステップS11)、検体容器4内の
検体3をCBC測定のために吸引する(ステップS1
2)。この検体吸引の後、ノズル33はWBCセル25
位置に移動し、ノズル洗浄器36に希釈液が供給され
て、ノズル33の外面が洗浄される。
【0028】前記洗浄が終わったノズル33は、WBC
セル25内に検体3を吐出する一方、希釈液容器13内
の希釈液が電磁弁部10を介してWBCセル25内に所
定量注入され、CBC検体の一次希釈が行われる(ステ
ップS13)。
【0029】WBCセル25位置にあるノズル33は、
前記一次希釈されたCBC検体を所定量吸引して、RB
Cセル26に移動し(ステップS14)、前記吸引した
一次希釈されたCBC検体をこのセル26に吐出する
(ステップS15)とともに、希釈液容器13内の希釈
液が電磁弁部10を介してRBCセル26内に所定量注
入され、CBC検体の二次希釈が行われる(ステップS
16)。
【0030】上記一次希釈、二次希釈を終わった後、溶
血剤容器14内の溶血剤が電磁弁部10を介してWBC
セル25内に所定量注入され、WBCとHgbの測定が
行われる一方、RBCセル26ではRBCとPLTの測
定が行われ(ステップS17)、そのときのデータは信
号処理部41を経てMCU39に取り込まれる。
【0031】前記測定が終わると、WBCセル25とR
BCセル26は希釈液で洗浄される(ステップS1
8)。
【0032】上述したように、前記ステップS10〜S
28は、血球計数測定部9においてCBC測定が行われ
ているが、この期間中(約60秒間)は、CRPセル1
7内において、検体3、R1試薬、R2試薬の間で溶血
反応が進行するとともに、妨害物質が除去される。
【0033】そして、CBC測定が終わると、RBCセ
ル26の位置にいたノズル33がR3試薬の位置に移動
し(ステップS19)、R3試薬を吸引する(ステップ
S20)。この試薬吸引の後、ノズル33はCRPセル
17位置に移動し(ステップS21)、R3試薬をCR
Pセル17内に吐出し(ステップS22)、R3試薬が
前記検体3、R1試薬、R2試薬の反応液内に混入され
る。
【0034】そして、CRPセル17において前記液が
十分に攪拌され(ステップS23)、免疫反応が生じて
CRP測定が行われ(ステップS24)、そのときのデ
ータは信号処理部41を経てMCU39に取り込まれ
る。前記測定が終わると、CRPセル17は希釈液で洗
浄され(ステップS25)、全ての測定が終わる(ステ
ップS26)。
【0035】前記MCU39においては、血球計数測定
部9において行われたCBC測定によって得られたデー
タに基づいてRBC(赤血球数)、赤血球容積(MC
V)、などの測定値が得られる。また、MCU39にお
いては、CRP測定部8において行われたCRP測定に
よって得られたデータに基づいて、所定時間当たりの吸
光度変化を予め既知濃度の血清(または血漿)より求め
ておいた検量線から、全血中のCRP濃度が得られる。
【0036】この場合、CRP測定については、CBC
測定と同様に検体3として抗凝固剤添加の全血を用いて
いるため、この全血を用いることによって生ずる血漿成
分容積誤差を補正する必要がある。そこで、この発明で
は、CBC測定によって得られるRBC(赤血球数)と
赤血球容積(MCV)とからヘマトクリット値(Hc
t)を求め、このヘマトクリット値を用いて、CRP測
定によって得られる全血中のCRP濃度を、下記の補正
式によって補正し、血漿中のCRP濃度を求めるのであ
る。
【0037】すなわち、全血中のCRP濃度をAとし、
ヘマトクリット値をBとすると、血漿中のCRP濃度C
は、 C=A×100/(100−B) なる式によって求められる。
【0038】前記MCU39によって得られた各測定値
は、例えばMCU39に内蔵されたメモリに記憶される
一方、表示装置42に項目別に表示されたり、プリンタ
43によって出力される。
【0039】そして、上述したように、この発明の全血
血球免疫測定装置においては、CRP測定部8において
溶血および妨害物質除去反応を起こさせている間にCB
C測定部9において血球測定を行うようにしているの
で、CRP測定およびCBC測定のトータル時間を短縮
することができるとともに、前述したCRP測定によっ
て得られる結果を、CBC測定によって得られる結果に
よって行う補正をスムーズに行なえる。
【0040】
【発明の効果】この発明の全血血球免疫測定装置によれ
ば、一つの装置によって全血で血球計数と免疫項目の測
定を同時に行えるため、用いる検体は全血でよく、血清
分離の必要がないとともに、採血後短時間で測定に入る
ことができる。したがって、専門の検査技術者がいなく
ても簡単かつ迅速に測定を行うことができる。
【0041】そして、前記装置においては、プローブユ
ニット部、演算・制御部および表示・出力装置などを血
球計数測定と免疫測定とに共通して使用することがで
き、従来の個別に設けていたものに比べて共通化できる
分だけコストダウンを図ることができるとともに、全体
としてコンパクトな構成にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の全血血球免疫測定装置の一例を、側
面パネルを取り外した状態で示す斜視図である。
【図2】前記全血血球免疫測定装置の全体の構成を概略
的に示す図である。
【図3】図4および図5とともに測定手順の一例を示す
フローチャートである。
【図4】図3に示した部分に続くフローチャートであ
る。
【図5】図4に示した部分に続くフローチャートであ
る。
【符号の説明】
8…免疫測定部、9…血球計数測定部。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 免疫測定を行う免疫測定部と血球計数測
    定を行う血球計数測定部とを備え、これら両測定部にお
    いて同じ全血試料を用いるとともに、免疫測定の結果を
    血球計数測定によって得られたヘマトクリット値を用い
    て補正するようにしたことを特徴とする全血血球免疫測
    定装置。
  2. 【請求項2】 免疫測定部において免疫反応を起こさせ
    ている間に血球計数測定部において血球測定を行うよう
    にした請求項1に記載の全血血球免疫測定装置。
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