JPH11101765A - 湿度センサ - Google Patents

湿度センサ

Info

Publication number
JPH11101765A
JPH11101765A JP34111797A JP34111797A JPH11101765A JP H11101765 A JPH11101765 A JP H11101765A JP 34111797 A JP34111797 A JP 34111797A JP 34111797 A JP34111797 A JP 34111797A JP H11101765 A JPH11101765 A JP H11101765A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
moisture
humidity sensor
substrate
sensitive element
humidity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP34111797A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigefumi Akagi
重文 赤木
Yasuhiro Ito
安廣 伊東
Masatoshi Isaki
正敏 伊▲崎▼
Kengo Shiiba
健吾 椎葉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP34111797A priority Critical patent/JPH11101765A/ja
Publication of JPH11101765A publication Critical patent/JPH11101765A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Fluid Adsorption Or Reactions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 感湿素子を薄く形成することができ、応答速
度を向上させることができる湿度センサを提供すること
を目的とする。 【解決手段】 感湿素子部12を印刷技術で形成すると
ともに、感温素子13,14,15,16を用い、しか
も感湿素子部12に抵抗の異なる様に回路配線11を形
成することで、高湿から低湿まで、幅広い領域の湿度を
確実に感度良く測定できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エアコン、加湿器
などの空調機器やコピー機、レーザビームプリンタなど
のOA機器等に用いられる湿度センサー及び湿度検出装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】湿度変化を電気信号に変換する湿度セン
サは、容量変化型と抵抗変化型に大別できる。容量変化
型は湿度に対する電気的な変化を周波数の変化として捉
えなければならず、周波数−電圧変換回路が必要とな
り、駆動回路等が複雑になるが、抵抗変化型は湿度の変
化を直接センサへの印可電圧の変化として捉えることが
できるため、比較的簡単な回路で構成できる。このた
め、現在では、この抵抗変化型の湿度センサが主流とな
っている。
【0003】更に、抵抗変化型湿度センサは、セラミッ
ク系センサと、高分子系センサに大別できるが、セラミ
ック系センサは、信頼性が高いが、ヒータやその駆動回
路等をを必要とするために、消費電力が大きくなり、空
調機器やOA機器の分野では高分子系センサが主に使用
されている。
【0004】図22は従来の湿度センサを示す斜視図で
ある。図22において、1は多孔質セラミックブロック
に高分子電解質を担持させた感湿素子であり、感湿素子
1の両主面には電極が設けられている。2は感湿素子1
を載置する基板で、基板2上には回路配線3が形成され
ており、この回路配線3と感湿素子1の電極はそれぞれ
電気的に接合されている。また、基板2上には感湿素子
1と直列に接続される感温素子4が設けられており、こ
の感温素子4を設けることによって、温度−抵抗値特性
を得ることができ、それぞれの温度による湿度を正確に
測定できる。5は外部回路などとの電気的接続を行うリ
ード端子である。
【0005】以上の様に構成された湿度センサの応答速
度を向上させるためには、なるべく感湿素子の薄さを薄
くすることが必要となってくる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら以上のよ
うな構成では、応答速度を向上させるために感湿素子1
の厚さを薄くしようとすると、機械的強度が不足し、所
定の厚さ以下に調整することは非常に困難であった。具
体的には、感湿素子1の厚さが250μm以下の寸法に
することは、スライス加工などの精度等の兼ね合いから
非常に難しかった。また、前述の様に、感湿素子1を作
製する際にスライス加工や切断加工等が必要となり工程
が複雑になるとともに、比較的機械的強度の小さな感湿
素子1を基板2上に慎重に実装しなければならず、湿度
センサの生産性が悪かった。
【0007】更に、低湿状態(ほぼ湿度30%RH(相
対湿度)以下)の感度を向上させるためには、異なる特
性を有する複数の感湿素子を組み合わせることが必要と
なるが、従来の工法では、感湿素子がブロック状となっ
ているので、複雑な電極構造を持たせることが難しく感
湿素子の抵抗値の最適化が非常に困難であった。従っ
て、低湿状態の湿度の測定は非常に感度が悪かった。
【0008】本発明は、上記従来の課題を解決するもの
で、感湿素子を薄く形成することができ、応答速度を向
上させることができる湿度センサを提供することを目的
とする。
【0009】また、工数を低減させること等によって、
生産性を向上させる湿度センサを提供することを目的と
している。
【0010】更に、低湿状態の湿度の測定を感度良く行
うことができる湿度センサを提供することを目的として
いる。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、印刷技術によ
って多孔質体を形成し、その多孔質体に感湿素子を担持
させた湿度センサであって、基板の表面粗さ、感湿材の
担持量、電極の材料等を規定した。
【0012】
【発明の実施の形態】請求項1記載の発明は、基板と、
前記基板上に印刷技術で形成された多孔質体に感湿材を
担持した感湿素子部と、前記感湿素子部に接合した電極
とを備え、前記基板の感湿素子部を形成する面の表面粗
さを中心線平均粗さで1〜5μmとした事によって、薄
い感湿素子部を容易に作製できるとともに、感湿素子部
の基板との密着強度を向上させることができ、膜質の劣
化を防止できるので、特性のばらつきの少ないセンサを
作製できる。
【0013】請求項2記載の発明は、請求項1において
基板の感湿素子部を形成する第1の面の表面粗さと、前
記第1の面と反対側の面の表面粗さを異ならせた事によ
って、工数を減らすことができ、生産性を向上させるこ
とができる。
【0014】請求項3記載の発明は、絶縁性を有する基
板と、前記基板上に印刷技術で形成された多孔質体に感
湿材を担持した感湿素子部と、前記感湿素子部に接合し
た電極とを備え、前記基板をアルミナを含む材料で構成
するとともに基板の厚みを0.3mm〜0.95mmと
したことによって、薄い感湿素子部を容易に作成でき、
機械的強度を十分に保ちつつ、センサの小型化を実現す
ることができる。
【0015】請求項4記載の発明は、絶縁性を有する基
板と、前記基板上に形成された回路配線と、前記回路配
線上に設けられ、印刷技術で形成された多孔質体に感湿
材を担持した感湿素子部とを備え、前記感湿素子部と接
触している回路配線は耐食性の大きな材料で構成した事
によって、感湿素子を薄くしかも容易に形成できるとと
もに高分子系溶液を多孔質体に点滴しても、電極の腐食
を低減させることができるので、長期間安定した特性を
得ることができる。
【0016】請求項5記載の発明は、請求項4におい
て、回路配線の感湿素子部が対向している第1の部分
と、対向していない第2の部分とでは、構成材料を異な
らせることによって、コスト的に有利になり、電気抵抗
の小さな回路を構成することができる。
【0017】請求項6記載の発明は、請求項5におい
て、第1の部分は、ルテニウム,Au,Tiの少なくと
も1から構成されており、第2の部分はAu,Cu,A
g,Ag−Pdの少なくとも1から構成されている事に
よって、コスト的に有利になり、電気抵抗の小さな回路
を構成することができる。
【0018】請求項7記載の発明は、請求項5におい
て、第1の部分は少なくとも一対の櫛形電極が設けられ
ているとともに、櫛形電極の間隔は0.2mm〜1.0
mmとした事によって、感度を向上させることができ、
しかも櫛形電極を作製する際に電極同士の接合などの発
生を防止でき、不良率の低減を行うことができる。
【0019】請求項8記載の発明は、基板と、前記基板
上に印刷技術で形成された多孔質体に感湿材を担持した
感湿素子部と、前記感湿素子部に接合した電極とを備
え、前記多孔質体の厚さを10μm〜100μmとした
事によって、感湿素子部を薄くしかも容易に作製でき、
十分な量の感湿材を担持させることができるとともにセ
ンサの薄型化を行うことができる。
【0020】請求項9記載の発明は、基板と、前記基板
上に印刷技術で形成された多孔質体に感湿材を担持した
感湿素子部と、前記感湿素子部に接合した電極とを備
え、前記多孔質体の気孔率を50%以下とした事によっ
て、感湿素子部を薄くしかも容易に作製することがで
き、感湿素子部の機械的強度を向上させることができ、
しかも感湿材の溶出を防止することができる。
【0021】請求項10記載の発明は、基板と、前記基
板上に印刷技術で形成された多孔質体に感湿材を担持し
た感湿素子部と、前記感湿素子部に接合した電極とを備
え、前記多孔質体への感湿材の担持量を前記多孔質体1
mm3当たり1.3マイクロリットル〜2.1マイクロ
リットルとした事によって、感度を向上させることがで
き、感湿材の溶出を防止することができる。
【0022】請求項11記載の発明は、絶縁性を有する
基板と、前記基板上に設けられ、素子対向部と回路部を
有する電極と、前記素子対向部上に設けられ印刷技術に
よって形成された多孔質体に感湿材を担持させ、前記多
孔質体の全縁部に保護材を設け、更に前記多孔質体上に
上部電極を設けた感湿素子部と、前記回路部上に実装さ
れた感温素子とを備え、前記素子対向部は一対の第1の
櫛形電極と、一対の第2の櫛形電極とを有し、前記第1
の櫛形電極間の抵抗と前記第2の櫛形電極間の抵抗値を
異ならせた事によって、薄い感湿素子部を容易に形成す
ることができるとともに、高湿から低湿まで幅広い湿度
の測定を感度良く行うことができる。
【0023】請求項12記載の発明は、請求項11にお
いて、保護材を設ける事によって多孔質体の上に形成さ
れる窪み部の深さを10〜100μmとした事によっ
て、確実に感湿材を含んだ溶液を多孔質体に含浸させる
ことができ、しかも保護材の破損等を防止できる。
【0024】請求項13記載の発明は、請求項12にお
いて、保護材は撥水性の大きな材料を選択する事によっ
て、感湿材を含んだ溶液を、長時間多孔質体に接触させ
ることができるので、確実な感湿材の多孔質体への担持
を行うことができる。
【0025】請求項14記載の発明は、請求項11にお
いて、多孔質体を複数のペーストを複数回重ね塗りして
形成した事によって、均一な厚みの多孔質体を形成する
ことができ、特性のばらつきなどが発生するのを防止で
きる。
【0026】請求項15記載の発明は、交流電圧を作製
する発振手段と、前記発振手段中の直流成分をカットす
る直流カット手段と、前記直流カット手段からの交流電
源が入力される請求項1〜14いずれか1記載の湿度セ
ンサと、前記湿度センサからの出力を直流電圧に変換す
る平滑回路と、前記平滑回路片の直流電圧を増幅する増
幅手段とを備えた事によって、高湿から低湿まで広範囲
にわたって、正確で感度の良い湿度を測定できる。
【0027】請求項16記載の発明は、基板と、前記基
板上に印刷技術で形成された多孔質体に感湿材を担持し
た感湿素子部と、前記感湿素子部に接合した複数の電極
とを備え、複数の電極の内、一対の第1の電極間は10
%RH〜30%RHで感度を有するとともに一対の第2
の電極間は30%RH〜90%RHで感度を有する事に
よって、感湿素子部を容易にしかも薄く形成することが
でき、更に高湿から低湿まで広範囲にわたって、正確で
感度良い湿度を測定できる。
【0028】請求項17記載の発明は、請求項1〜1
4,16において、感湿素子部上にフッ素系樹脂膜を2
0μm以下の膜厚で形成した事によって、耐結露性を応
答特性をあまり劣化させずに向上させることができる。
【0029】請求項18記載の発明は、請求項11にお
いて、感温素子として温度補償用サーミスタを用いると
ともに前記温度補償用サーミスタには電極を設けず、し
かも前記温度補償用サーミスタを実装する回路部上に形
成されている電極に接着性を持たせたによって、温度補
償用サーミスタの形状等を変更せずに抵抗値を適宜設定
できるので、生産性が向上する。
【0030】請求項19記載の発明は請求項15におい
て、湿度センサの出力を直列に接続した抵抗とサーミス
タで分圧したことによって、相対湿度及び絶対湿度の双
方を出力電圧の取り方で任意に選択できるので、湿度検
出装置を搭載する機種によって、選択することができ
る。
【0031】請求項20記載の発明は、請求項1〜1
4,16いずれか1記載の湿度センサと、前記湿度セン
サを実装する回路基板とを備え、前記湿度センサの外部
との信号のやりとりは、端子レスで行うとともに、前記
回路基板上に凹部を設け、前記凹部中に前記湿度センサ
を挿入し、前記湿度センサ上に設けられた電極と前記回
路基板上に設けられた電極とを接合材を用いて直接接続
するによって、耐衝撃性や実装性を向上させることがで
きる。
【0032】以下、本発明におけるの実施の形態につい
て説明する。図1は本発明の一実施の形態における湿度
センサを示す斜視図である。
【0033】図1において、10は基板で、基板10は
絶縁性を有する材料で構成することが好ましい。基板1
0が絶縁性を有することによって、基板10上に後述す
る回路配線等を形成し易くなり、しかも電気特性などの
劣化を防止できる。
【0034】11は基板10の上に形成された回路配
線、12は回路配線11の一部の上にスクリーン印刷等
の印刷法によって形成された感湿素子部、13,14,
15,16はそれぞれ回路配線11に接続された感温素
子、17,18,19はそれぞれ回路配線11と接合さ
れたリード端子である。
【0035】次に各部について図2〜図11を用いて詳
細に説明する。まず、基板10について説明する。
【0036】基板10は図2に示すように方形状の板状
体とすることが好ましい。この様な形状とすることによ
って、基板10上に他の部品を実装する際の位置決めな
どを正確に行うことができ、実装精度などを向上させる
ことができる。なお、基板10としては、円板状や楕円
板状もしくは多角形板状(三角形や5角形以上の多角
形)としてもよい。基板10の形状は仕様等によって適
宜選択する必要がある。
【0037】基板10としては、絶縁性の材料で構成さ
れた板状体をそのまま用いることによって、基板10の
厚みを薄くできるのでセンサの厚さを薄くすることがで
き、小型化を実現できる。
【0038】また、複数の板状体(絶縁材料か導電材料
で構成されたもの)を張り合わせて基板10を作製した
場合、例えば絶縁特性は優れているが機械的強度が弱い
板状体(例えば樹脂材料等で構成されたもの)と、機械
的強度に優れた板状体(例えば金属材料等で構成された
もの)とを張り合わせることによって、絶縁性に優れ、
機械的強度の大きな基板10を作製できる。この様に、
基板10を板状体を複数積層して構成することによっ
て、基板10が有する特性の自由度を向上させることが
できる。
【0039】更には、基板10として板状体(絶縁材料
か導電材料で構成されたもの)の表面に絶縁層を設けた
ものでもよい。この絶縁層は、蒸着法,スパッタ法及び
電着法等で形成された絶縁膜や、板状体自身の表面を酸
化等させて絶縁膜を形成しても良い。この様な構成で
は、基板10の構成材料の選択の自由度が広がり、設計
などが行い易い。
【0040】他にも基板10の構造は考えられるが、基
板10としては、感湿素子部12や回路配線11を設け
る面の少なくとも表面部が絶縁性を有する事が好まし
い。
【0041】基板10の具体的構成材料としては、アル
ミナ等のセラミック材料や樹脂等の材料が好適に用いら
れる。基板10をアルミナ単体もしくはアルミナに所定
の添加物(Fe,Si,C等の少なくとも一つ)が添加
された材料で構成した場合、非常に基板の機械的強度が
大きいので、量産の時に扱いやすく、基板10の欠けや
割れ等を防止できるので、生産性が向上するとともに、
湿度センサ自体の寿命も向上させることができる。アル
ミナを含む材料で基板10を形成した場合、基板10の
厚みは0.30mm〜0.95mm(より好ましくは
0.5mm〜0.8mm)とする事が好ましい。基板1
0の厚みが0.3mmより小さいと、たとえ機械的強度
の優れているアルミナ材料といえども機械的強度が悪く
なる事があり、後述する回路配線や感湿素子部を形成し
たり、サーミスタ等を実装する際に基板10にクラック
や割れ等が発生することがあり、生産するときに慎重に
作業しなければならないなど、生産性の向上は望めない
ことがある。また、基板10の厚みが0.95mmより
大きいと、センサ自体の厚さが厚くなり、湿度センサの
小型化を実現できない。基板10の厚みを0.5mm〜
0.8mmとすることによって更に上記効果を向上させ
ることができる。
【0042】また、基板10に樹脂材料を用いた場合、
アルミナで構成する場合に比べると幾分機械的強度等は
劣化するものの、非常に軽いので、湿度センサの軽量化
を行うことができ、しかも粘りがあるので、欠けの発生
などを防止することができる。
【0043】基板10の表面粗さは、中心線平均粗さR
aで1〜5μm(好ましくは2〜3μm)とすることが
好ましい。Raが1μm以下であると、回路配線11及
び感湿素子部12の接合強度が小さくなり、回路配線1
1及び感湿素子部12の剥がれ等が発生することがあ
り、Raが5μm以上であると、回路配線11や感湿素
子部12の膜質が悪くなり、所定の特性を得ることは出
来ない。なお、基板10において感湿素子部12等を形
成する面と、その反対側の面の表面粗さを異ならせるこ
とによって、生産性を向上させ、しかもコスト的に有利
になる。すなわち、感湿素子部12等を形成する面を上
述の様に表面粗さを調整し、反対側の面を基板10を作
製した状態の表面粗さのままとすることによって、基板
10の前記反対側の面の表面粗さを調整しないので、研
磨工程などが一部省略されるからである。
【0044】次に回路配線11について図3を用いて詳
細に説明する。回路配線11は感湿素子部12を設ける
素子対向部11aと回路部11bによって構成されてい
る。素子対向部11aは基板10上に独立(互いに非接
触)に設けられた櫛形電極11c,11d,11e,1
1f及び方形電極11gによって構成されている。この
素子対向部11aは、耐食性の優れたルテニウム(Ru
2等)やAu,Ti等の金属単体かそれらの合金によ
って形成されている。素子対向部11aは後述する高分
子電解質を感湿素子部12に担持させる際に溶媒などに
接触する事があり、耐食性に優れ、導電性を示す材料で
構成することが好ましい。この素子対向部11aの膜厚
は5μm〜30μm(好ましくは10μm〜20μm)
が好ましい。素子対向部11aの膜厚が5μm以下であ
ると、電気抵抗が大きくなり、所定の出力を得ることが
困難で、膜厚が30μm以上であると電気抵抗が小さく
なるものの剥がれ易くなり、しかもコスト的に不利にな
る。
【0045】櫛形電極11cと櫛形電極11d間の隙間
と、櫛形電極11fと櫛形電極11g間の間隔はそれぞ
れ異なる間隔を有する事によって、櫛形電極11c,1
1d間の電気抵抗と櫛形電極11f,11g間の電気抵
抗は異なるように設定されている。この様に、櫛形電極
間の電気抵抗が異なるように構成することで、出力特性
の起伏を小さくすることができ、出力が直線的な変化を
起こすことが出来るので、感度良い湿度測定を行うこと
が可能になる。櫛形電極11c,11dの間隔及び櫛形
電極11f,11g間隔は0.2mm〜1.0mmの範
囲内で調整することが好ましい。櫛形電極間の間隔が
0.2mmよりも小さいと、櫛形電極を作製する際に、
隣り合う電極同士が接触してしまうことがあり、センサ
としての機能が働かない事がある。また、櫛形電極間の
間隔が1.0mmよりも広くなると、基板10の主面の
面積を広くしなければならず、小型化を行うことが出来
なくなると共に、電極間の電気抵抗が大きくなりすぎ
て、特性劣化等を引き起こすことがある。
【0046】次に感湿素子部12について図4〜図12
を用いて説明する。感湿素子部12は、スクリーン印刷
等の印刷技術を用いて作製する。感湿素子部12を印刷
技術で作製するメリットは、従来の様に、バルク型の多
孔質体に感湿材を担持させて基板等に実装する方法で
は、生産性などが悪くなるが、感湿素子部12を印刷技
術で形成することによって、容易に基板10上に形成で
きるので、工数が低減し、生産性の面やコストの面で非
常に有利になる。また、小型の湿度センサを作製するの
に非常に有利になり、従来のバルク型の感湿素子部を小
さくしかも薄くしようとすると、割れなどが発生し、非
常に作りにくいのに対して、印刷技術で感湿素子部12
を作製することによって、割れやクラック等の発生の確
率が極めて小さくなり、湿度センサの小型化を容易に行
える。なお、印刷技術の中でも、スクリーン印刷法は、
精度良くしかも量産性に富む方法であるので、特に好ま
しい。
【0047】まず、感湿素子部12を作製する際のペー
ストについて説明する。好ましくは平均粒径が0.5μ
m〜5μmの多孔質体を用意する。多孔質体の平均粒径
が0.5μmより小さいと感湿素子部12を作製した際
に、感湿素子部12の細孔が小さくなりすぎて感湿材を
担持させる際に、感湿材が含浸しない等の不具合が生じ
る事があり、平均粒径が5μm以上であると、感湿素子
部12の細孔が大きくなりすぎて、感湿材が感湿素子部
12から漏れやすくなる等の不具合が生じることがあ
る。多孔質体としては、多孔質を構成する材料で有れば
良いが、特に多孔質セラミック材料が生産性の面や特性
の面で好ましく、多孔質セラミックの中でも、特にMg
Cr24−TiO2やAl23等が強度の面や加工性の
面で特に優れている。多孔質体としては、上記セラミッ
ク材料の一種若しくは他の材料との混合物を用いても良
い。
【0048】以下、多孔質体としてMgCr24−Ti
2を用いた具体的なペーストの作製方法について説明
する。なお、他の材料を用いた場合でも以下と同様の作
製方法で作製するが、材料などによって、添加物の異な
るものを用いたり、作製条件等が異なったりすることが
ある。
【0049】平均粒径が1μmの多孔質粉末を用意し、
この粉末にビヒクルとシリカゾルを加え、ライカイ機等
で1時間程度粗混合した後に、3本ロール等で本混合を
行いペーストを作製した。ビヒクルとしては、粘度調整
用の粘度調整材、基板10上に印刷した直後の形状を保
持する材料、分散材などから構成されている。シリカゾ
ルは、多孔質体を接合するいわゆる無機接着剤であり、
当然のことながらシリカゾル以外の無機接着剤を用いて
も良い。
【0050】次に図4に示すように、基板10上であっ
て、しかも素子対向部11aの少なくとも一部が露出す
るように前述のペーストをスクリーン印刷等の印刷技術
にて塗布し、第1のペースト層12aを形成する。この
時の第1のペースト層12aの形状は、方形状であるが
円形状でも楕円形状でもまた、多角形状でも良い。
【0051】次に、図5に示すように第1のペースト層
12aの上に第2のペースト層12bを形成する。この
様に、ペースト層を複数重ねて塗布する事によって、所
定の厚みのペースト層を得ることが出来る。なお、本実
施の形態では、第1及び第2のペースト層12a,12
bを形成したように、複数回ペーストを塗布して形成す
ることが、膜厚の均一性等の点から非常に有用である
が、1回のペースト塗布によって形成しても良い。
【0052】また、第2のペースト層12bは第1のペ
ースト層12aよりも塗布面積を狭くし、第1のペース
ト層12aの縁部よりも第2のペースト層12bの縁部
が内部に入り込むように第2のペースト層12bを形成
することが好ましく、この様な塗布方法によって、ペー
ストを印刷する際の精度が多少悪くても、第2のペース
ト層12bが第1のペースト層12aからはみ出したり
することは無く、膜厚が均一で、ペーストの塗布面積の
ばらつきの少ないペーストの塗布作業を行うことができ
る。
【0053】この様に、1回又は複数回の塗布によって
形成されたペースト層を形成した後に、ペースト層の上
に、耐食性を有する導電性材料で構成された上部電極1
2cを形成する。この上部電極12cは、ペースト層の
露出部分が2分するように方形状とする構成を有してい
るが、円形状などの曲線を有する形状としても良い。上
部電極12cは電極11gと電気的に接合されている。
上部電極12cの具体的材料としては、Au,Ru等を
含む導電性の金属材料で構成されている。
【0054】次に、ペースト層の縁部に、濡れ性の悪い
材料(撥水性の高い材料)で構成された保護部材12d
を設ける。保護部材12dは撥水性に加えて、絶縁性を
有することによって、他の電極などとの接触などに注意
する必要はないので、作業性が良くなり生産性が向上す
る。保護部材12dはガラスなどの撥水性の大きな材料
が用いられる。保護部材12dはスクリーン印刷等でペ
ースト層12dの縁部に設けられる。保護部材12dの
熱膨張係数αは、基板10の熱膨張係数とほぼ同じもの
が好ましく、基板10をアルミナで構成し、保護部材1
2dをガラス材料で構成した場合、保護部材12dの熱
膨張係数αは30℃〜300℃の時に45×10-7≦α
≦85×10-7が好ましい。また、保護部材12dをガ
ラス材料で構成する場合はその作業性を良くするために
軟化点Tsは500℃≦Ts≦650℃を満たすことが
好ましい。更に保護部材12dの具体的な構成材料とし
ては、SiO2−B23−Al23−Na2O系かSiO
2−B23−Al23−PbO系のガラス材料の少なく
とも一方か、それらの混合材料を用いる事が好ましく、
またそれら材料に特性調整などの目的でシリカゾル等の
添加物を加えても良い。
【0055】以上の様に各層を形成した後に、760℃
〜900℃で焼成して焼き付けを行い、図8に示すよう
な感湿素子部12を構成した。
【0056】感湿素子部12の多孔質体(ペースト層1
2a,12bが焼成して形成された多孔質体)の膜厚は
10μm以上100μm以下とした。多孔質体の膜厚が
10μmより薄いと、十分な感湿材を担持できずに所定
の出力を得ることは出来ず、しかも電気抵抗値が大きく
なりすぎてセンサとしては不向きであり、100μmよ
り厚いと、多孔質体に欠け等が発生し易くなり、機械的
強度の問題や、ペースト層をたくさん設けなければなら
ないので、生産性が悪くコストの面で不利になり、加え
て応答性も悪くなる。更に、多孔質体のサイズとして
は、縦及び横はそれぞれ2mm〜20mm(例えば縦1
0mm:横12mm)程度が良く、厚さとしては前述の
様に10μm〜100μmが好ましい。
【0057】また、多孔質体の気孔率は50%以下が好
ましく、気孔率が50%以上であると、多孔質体自体の
機械的強度が悪くなるとともに感湿材が溶出しやすくな
る。
【0058】更に、図8に示すように保護部材12dは
多孔質体の外縁部に堤防状に形成されることによって、
全周を保護部材12dで囲まれた窪み部12eが形成さ
れることになり、この窪み部12eを設ける事によっ
て、後に説明する感湿材の塗布を容易にしている。すな
わち、窪み部を設けることによって、感湿材を有した溶
液をこの窪み部12eに一時的に溜めることが出来、確
実に感湿材を多孔質体に保持できる。また、図8に示す
ように窪み部の深さtは10μm〜100μm程度が好
ましい。深さtが10μm以下であると、十分な感湿材
を含む溶液を溜めることが出来ず、十分な量の感湿材を
担持させることはできない可能性がある。また、深さt
が100μm以上であると、保護部材12dが突出して
しまい、絶縁物12dが破損しやすくなる。
【0059】更に、図8に示すように感湿素子部12の
上面における保護部材12dは、前記上面の中央部に行
くに従ってしだいに膜厚が薄くなるような構成となって
いる。この様な形状にすることによって、溶液などを確
実に溜めることが出来、特性の安定した感湿素子部12
を作製することが出来る。
【0060】なお、本実施の形態では、生産性などの向
上のために第1のペースト層12a,第2のペースト層
12b,上部電極12c,保護部材12dを全て作製し
た後に、所定の温度で焼成したが、各層を形成する度に
温度を上げて、各層を焼成してもよい。即ち、例えば第
1のペースト層12aを形成した後温度を上げて焼成
し、その後に第2のペースト層12bを形成し、その後
に第2のペースト層12bを焼成してもよい。
【0061】次に、感湿材を含んだ溶液を、感湿素子部
12の上部形成された窪み部12eに供給し、感湿素子
部12の多孔質体に含浸させ、その後に130℃〜21
0℃の間で45分間〜75分間乾燥させ、その後に50
℃〜70℃の温度下で、湿度95%RHの条件下で数時
間エージング処理を行う。この時感湿材としては、ポリ
アミン,ポリアクリル酸ソーダ等の高分子電解質材料を
用いることが、感湿材の脱落などを防止する上で好まし
い。また、感湿材の担持量としては、多孔質体1mm3
当たり1.3マイクロリットル〜2.1マイクロリット
ルとすることが好ましい。この様な範囲に感湿材の担持
量を調整することによって、感湿材の溶出などを防止
し、感度などを向上させることができる。なお、この感
湿材を感湿素子部12に担持させる工程は、後述の回路
部11bを形成した後や、複数の感温素子を実装した後
や、複数のリード端子を接合した後に行っても同様の効
果を得ることが出来る。
【0062】この様に感湿素子部12を形成した後に図
9に示すように、基板10上に回路部11bを焼き付け
などによって形成する。回路部11cはAu,Cu,A
g,Ag−Pd等の導電材料の少なくとも一つか、それ
らの合金によって形成されている。なお、本実施の形態
では、素子対向部11aと回路部11bは構成材料を異
ならせているが、これは、素子対向部11aは耐食性が
求められるために、比較的高価な材料で構成されてお
り、さほど耐食性の要求されない回路部11bは比較的
安価な導電材料で構成されているためである。なお、工
数の低減等を考慮し生産性を向上させ様とする場合に
は、素子対向部11aと同じ材料で、しかも素子対向部
11aを形成する際に、回路部11bをほぼ同じ時に形
成することもできる。
【0063】回路部11bは、本実施の形態において
は、櫛形電極11cと接合した電極11h、電極11
i、電極11gと接合した電極11j、櫛形電極11e
と接合した11kで構成されている。なお、櫛形電極1
1c,11eそれぞれの露出した部分は、電極11h,
11kを形成することによって隠れてしまう。
【0064】次に図10に示すように、電極11hと櫛
形電極11dの間には感温素子14が設けられ、櫛形電
極11fと電極11kの間には感温素子13が設けら
れ、電極11iと電極11jの間には感温素子15が設
けられ、更に電極11h上には感温素子16が設けられ
ている。電極11hと電極11iは感温素子16を介し
て電極11lで電気的に接続されている。感温素子1
3,14,15,16を回路中に設けることによって、
温度による湿度の依存性を排除し、所定の温度における
湿度を正確に測定できるようになっている。また、感温
素子13,14,15,16の具体的な構成素子として
はサーミスタなどが好適に用いられる。
【0065】次に、リード端子17,18,19をそれ
ぞれ電極11i,11j,11kにそれぞれハンダなど
の接合材によって接合する。この時、リード端子17,
18,19は先端部が二股構造となっており、基板10
を挟むように取り付けられているので、接合強度等が向
上し、リード端子17,18,19が基板10から脱落
することが殆どなくなる。
【0066】最後に、プラスチックやセラミック等で構
成され、感湿素子部12と対向する部分に貫通孔を有す
るカバー20を取り付けて湿度センサが完成する。
【0067】以上の様に構成された湿度センサは、櫛形
電極11c,11d間の電気抵抗(以下R1と略す)
と、櫛形11e,11f間の電気抵抗(以下R2と略
す)を異ならせる事によって、出力の直線性を得ること
が出来、精度良い測定を行うことが出来る。この時、R
1≠R2であることが条件であり、例えばR2をR1の
1.2倍以上(好ましくは1.5倍以上)とすることが
好ましい。また、感温素子14として所定の特性のもの
を用いると共にR1を所定の値にすることによって、3
0%RH以上の高湿領域の湿度を測定可能にし、同様に
感温素子13として所定の特性のものを用いると共にR
2を所定の値にすることによって、40%RH以下の低
湿の領域の湿度を測定可能にしている。また、感温素子
15は低湿側である10〜30%RHの感度を向上させ
る様な所定の特性を有するものが選択され、感温素子1
6は高湿側である30〜90%RHの感度を向上させる
様な所定の特性を有するものが選択される。
【0068】R1とR2を異ならせる方法としては、本
実施の形態の様に、感湿素子部12の多孔質体が均一の
特性となるように構成した場合には、櫛形電極11c,
11dの間隔等と、櫛形電極11f,11eの間隔等を
異ならせる事によって実現したが、前述の櫛形電極間の
間隔等は同じにした場合には、感湿素子部12の多孔質
体の膜厚や多孔質体に担持させる感湿材の量を部分的に
異ならせる等の方法がある。
【0069】また、本実施の形態として、リード端子1
7〜19を用いたが、このリード端子を用いずに電極等
を基板の側面部あるいは、感湿素子部12と反対側の面
まで電極などを引き回すことによって、面実装が可能な
湿度センサを作製できる。この様にリード端子17〜1
9無しに他の回路基板との接続が可能となるので、湿度
センサ同士のリード端子17〜19の絡み合いがなく、
パーツフィーダなどで回路基板等への供給が可能となる
ので、接続作業が用意となり、実装性が向上する。又、
図19に示すように、面実装可能な湿度センサを抵抗な
どの電子部品37が実装されたプリント基板等の基板3
6に実装する際に、基板36に凹部38を設け、この凹
部38内に面実装可能な挿入し、固定することによっ
て、取付強度を向上させることが出来るので、外部から
の振動等に対して強くなり、湿度検出の回路等の破損を
防止できる。
【0070】なお、本実施の形態において、少なくとも
感湿素子部12上にフッ素系樹脂の膜を形成した方が好
ましい。本実施の形態では、感湿素子部12の少なくと
も一部に多孔質体を用いているので、フッ素系樹脂の膜
を感湿素子部12上に設けることによって、適度な隙間
を形成することが出来るので、感湿特性の劣化はあまり
生じずに、耐結露性が向上し、結露が生じやすい環境下
でも使用可能な湿度センサとすることができる。フッ素
系樹脂の膜を形成する方法としては、ディップ法,スク
リーン印刷法,スピナー塗布法等が使用可能であり、フ
ッ素系樹脂の膜厚は応答特性が劣化するのを考慮して、
20μm以下とすることが好ましい。
【0071】また、例えば図1に示す感温素子13〜1
5には電極を設けなくても良い。即ちこの様な構成にす
ることによって、感温素子13〜15を載置する電極間
の間隔を調整することによって、所定の抵抗値を得るこ
とができる。予め感温素子自体に電極を形成しておく
と、感温素子の抵抗値は、感温素子に設けられた電極の
間隔で決まってしまい、その使用毎に感温素子に形状等
を変更しなければならない。しかしながら、上述の通
り、感温素子に電極を形成しないことによって、感温素
子の形状などは変更せずに、感温素子を載値する電極間
のギャップを調整することで所定の抵抗値にすることが
できるので、非常に生産性が良くなる。以上の様に構成
された本実施の形態における湿度センサと従来の湿度セ
ンサの湿度−抵抗比特性を図13に示す。
【0072】図13からわかるように、従来例が湿度3
0%RHからの感度しかないのに対して、本実施の形態
では、湿度10%RHから感度を有している。また、従
来例では、湿度70%RH以上で出力が飽和気味で有る
のに対して本実施の形態では、湿度90%RHまでリニ
アな特性を維持している。これにより湿度制御を行う場
合の周辺回路については、本実施の形態では容易にな
る。
【0073】また、図14は本発明の一実施の形態にお
ける湿度センサの櫛形電極と対向電極それぞれの湿度と
抵抗値の関係を示すグラフであるが、上述の櫛形電極1
1c,11d,11e,11f間の特性は、30%RH
以上でリニアな特性を有しており、上述の櫛形電極11
d,11fと上部電極12c間の対向した電極間の特性
は、湿度10%RH〜30%RHで大きな感度を有して
いることがわかる。この二つの特性を合成した感湿素子
部12を設けることによって、湿度10%RH〜90%
RHでリニアな湿度抵抗値特性を得ることが出来るとと
もに高い湿度感度を得ることが出来る。従って、本実施
の形態の湿度センサは広範囲の湿度域で感度良くしかも
正確な湿度を検出し、その検出信号を他の回路などに送
ることが出来る。
【0074】次に、上記湿度センサを用いた湿度検知装
置について説明する。図15は本発明の一実施の形態に
おける湿度センサを用いた湿度検出装置を示すブロック
図である。図15において、30は発振手段で、発振手
段30は入力される3〜10Vの直流電圧によって、1
00〜3000Hzの交流電圧を発生させる。例えば発
振手段30に5Vの直流電圧が加えられると、±2.5
Vの矩形波状の交流電圧を得ることができる。
【0075】31は基準電圧発生手段で、基準電圧発生
手段31は発振手段30で作製された矩形は状の交流電
圧がマイナス側に振れないようにレベルを調整するもの
であり、例えば、上記の様に発振手段30に5Vの直流
電圧が加えられると±2.5Vの矩形波状の交流電圧が
加えられるが、基準電圧発生手段31によって−2.5
Vが0V以上に押し上げられ、例えば0Vと5Vの間の
矩形波状交流電圧が作製される。これは、後述の平滑手
段等に用いられるオペアンプ等の種類がマイナスの電圧
を加えることができないからである。この基準電圧発生
手段31は湿度センサのリード端子19に接続される。
なお、平滑手段などに用いられるオペアンプ等がマイナ
ス電圧を加えることができる種類のものであれば、この
基準電圧発生手段31は不要になり、リード端子19は
アースに接続され、リード端子19には±2.5Vの電
圧が加えられることになる。
【0076】32は直流カット手段で、発振手段30で
作製された矩形波状の交流電圧の中には、時折直流成分
が入り込むことがあり、この直流成分をほぼ取り除くの
がこの直流カット手段32であり、直流カット手段32
にから出力された矩形波状交流電圧は、湿度センサのリ
ード端子17に接続される。33は図1〜図11に示す
湿度センサである。湿度センサ33の出力端子となるリ
ード端子18には平滑手段34が接続されており、湿度
センサ33から出力される交流電圧を直流電圧に変換
し、その後に、この直流電圧は増幅手段35によって増
幅され、出力信号として外部に出力される。
【0077】次に、上記湿度検出装置について、その回
路について図16を用いて説明する。
【0078】図16において、増幅器40の反転入力端
子に抵抗R101,コンデンサC101の接続点を接続
する。この抵抗R101はコンデンサ101を充電及び
放電させるものであり、この抵抗R101の抵抗値が大
きくすると発振周波数が小さくなり抵抗値が小さくなる
と発振周波数が大きくなる。増幅器40の非反転入力端
子に抵抗R102と抵抗R103の接続点を接続する。
抵抗R102はR103と増幅器40の非反転入力の電
圧を決定(スラッシュレベル)しており、その非反転入
力の電圧によって発振手段30のデューティ比が変化す
る。湿度センサ33では直流成分を印可しないようにデ
ューティ比が50%になる様な電圧に設定している。抵
抗R101と抵抗R102のもう一方の端子を接続し増
幅器40の出力端子に接続する。抵抗R104と抵抗R
105の接続点を増幅器41非反転入力端子に接続詞、
抵抗R104の残りの端子をVddへ接続、抵抗R10
5の残りの端子をアースに接続する。増幅器41の反転
入力端子と出力端子を接続し、その接続点をコンデンサ
C101と抵抗R103の接続点へ接続する。これによ
り、増幅器41の出力端子からは、抵抗R104と抵抗
R105の比で決定される分電圧が得られる。増幅器4
0の出力端子からはこの分電圧を中心とした矩形波の発
振波形が得られる。得られた発振波形をコンデンサC1
02で直流分のカットを行い、抵抗R113,R11
4,R106で分圧した電圧を本実施の形態の湿度セン
サ33のリード端子19へ入力する。湿度センサ33の
リード端子17は、増幅器41の出力端子へ接続され、
湿度センサ33のリード端子18から湿度変化に応じた
分電圧が得られる。
【0079】湿度センサ33のリード端子18の出力電
圧を増幅器42の非反転入力端子に印加し、増幅器42
の出力端子をダイオードD101のカソード側に接続
し、増幅器42の反転入力端子とダイオードD101の
アノード側を接続する。その後接続端子と、抵抗R10
7の一方の端子を接続し、もう片方の端子を抵抗R10
9とコンデンサC103の片側の端子を接続(接続端子
A)する。抵抗R109とコンデンサC103の残りの
端子をグランドに接続する。
【0080】接続端子Aを抵抗R108の片側の端子と
接続しもう一方の端子を抵抗R110と増幅器43の反
転入力端子に接続する。電源電圧を抵抗R112と抵抗
R111で分圧しその分電圧を非反転入力端子に接続す
る。増幅器43の出力端子と抵抗R110の残りの端子
を接続し、その接続端子から信号を取り出す。CN1は
コネクタであり、TH101は温度センサである。
【0081】上記回路により得られた湿度−出力電圧特
性を図17に示し、湿度センサ33のみの湿度−出力特
性を図18に示す。図18において、湿度50%RHで
補正がかかっているがそれ以外の湿度範囲では5〜10
%RH程のずれが生じている。図15,16に示す回路
構成を用いることによって図17からわかるように全湿
度域で湿度のずれは3%RH以下となっている。これ
は、上記か色校正が湿度センサ33の温度特性とは逆の
温度特性を有しており、互いに打ち消しあっているため
である。
【0082】なお、図16において、CN1の出力電圧
2を直列に接続した抵抗R115とサーミスタTH10
2で分圧しても良い。サーミスタTH102のB常数を
CN1の2の出力が温度変化に対して湿度−出力電圧特
性が等間隔で平行移動に選択することによって絶対湿度
の変化に対してリニアな出力電圧を得ることができる。
これによりCN1の2から直接出力を取り出せば相対湿
度センサになり、CN1の2出力電圧を直列に接続した
抵抗R115とサーミスタTH102で分圧した出力を
取り出せば絶対湿度センサとなる。この様に構成された
湿度センサにおける絶対湿度と出力電圧の関係を図2
0,21に示す。これにより安価な相対湿度センサ,絶
対湿度センサの複合センサができると共に、絶対湿度検
知を行う機器への搭載が可能となる。
【0083】
【発明の効果】本発明は、この様な構成によって、感湿
素子を薄く形成することができ、応答速度を向上させる
ことができ、また、工数を低減させること等によって、
生産性を向上させることができ、更に、低湿状態の湿度
の測定を感度良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における湿度センサを示
す斜視図
【図2】本発明の一実施の形態における湿度センサを示
す平面図
【図3】本発明の一実施の形態における湿度センサを示
す平面図
【図4】本発明の一実施の形態における湿度センサを示
す平面図
【図5】本発明の一実施の形態における湿度センサを示
す平面図
【図6】本発明の一実施の形態における湿度センサを示
す平面図
【図7】本発明の一実施の形態における湿度センサを示
す平面図
【図8】本発明の一実施の形態における湿度センサを示
す断面図
【図9】本発明の一実施の形態における湿度センサを示
す平面図
【図10】本発明の一実施の形態における湿度センサを
示す平面図
【図11】本発明の一実施の形態における湿度センサを
示す平面図
【図12】本発明の一実施の形態における湿度センサを
示す平面図
【図13】本実施の形態及び従来の湿度センサの湿度と
抵抗比を示すグラフ
【図14】本発明の一実施の形態における湿度センサの
櫛形電極と対向電極それぞれの湿度と抵抗値の関係を示
すグラフ
【図15】本発明の一実施の形態における湿度センサを
用いた湿度検出装置を示すブロック図
【図16】本発明の一実施の形態における湿度センサを
用いた湿度検出装置を示す回路図
【図17】本発明の一実施の形態における湿度センサを
用いた湿度検出装置の湿度−出力電圧の関係を示すグラ
【図18】本発明の一実施の形態における湿度センサの
みの湿度と抵抗比を示したグラフ
【図19】本発明の一実施の形態における湿度検出装置
を示す斜視図
【図20】本発明の他の実施の形態における湿度検出装
置の絶対湿度と出力電圧の関係を示したグラフ
【図21】本発明の他の実施の形態における湿度検出装
置の絶対湿度と出力電圧の関係を示したグラフ
【図22】従来の湿度センサを示す斜視図
【符号の説明】
10 基板 11 回路配線 11a 素子対向部 11b 回路部 12 感湿素子部 12d 保護部材 12e 窪み部 13,14,15,16 感温素子 17,18,19 リード端子 30 発振手段 32 直流カット手段 33 湿度センサ 34 平滑手段 35 増幅手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 椎葉 健吾 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板と、前記基板上に印刷技術で形成され
    た多孔質体に感湿材を担持した感湿素子部と、前記感湿
    素子部に接合した電極とを備え、前記基板の感湿素子部
    を形成する面の表面粗さを中心線平均粗さで1〜5μm
    とした事を特徴とする湿度センサ。
  2. 【請求項2】基板の感湿素子部を形成する第1の面の表
    面粗さと、前記第1の面と反対側の面の表面粗さを異な
    らせた事を特徴とする請求項1記載の湿度センサ。
  3. 【請求項3】絶縁性を有する基板と、前記基板上に印刷
    技術で形成された多孔質体に感湿材を担持した感湿素子
    部と、前記感湿素子部に接合した電極とを備え、前記基
    板をアルミナを含む材料で構成するとともに基板の厚み
    を0.3mm〜0.95mmとした事を特徴とする湿度
    センサ。
  4. 【請求項4】絶縁性を有する基板と、前記基板上に形成
    された回路配線と、前記回路配線上に設けられ、印刷技
    術で形成された多孔質体に感湿材を担持した感湿素子部
    とを備え、前記感湿素子部と接触している回路配線は耐
    食性の大きな材料で構成した事を特徴とする湿度セン
    サ。
  5. 【請求項5】回路配線の感湿素子部が対向している第1
    の部分と、対向していない第2の部分とでは、構成材料
    を異ならせた事を特徴とする請求項4記載の湿度セン
    サ。
  6. 【請求項6】第1の部分は、ルテニウム,Au,Tiの
    少なくとも1から構成されており、第2の部分はAu,
    Cu,Ag,Ag−Pdの少なくとも1から構成されて
    いる事を特徴とする請求項5記載の湿度センサ。
  7. 【請求項7】第1の部分は少なくとも一対の櫛形電極が
    設けられているとともに、櫛形電極の間隔は0.2mm
    〜1.0mmとした事を特徴とする請求項5記載の湿度
    センサ。
  8. 【請求項8】基板と、前記基板上に印刷技術で形成され
    た多孔質体に感湿材を担持した感湿素子部と、前記感湿
    素子部に接合した電極とを備え、前記多孔質体の厚さを
    10μm〜100μmとした事を特徴とする湿度セン
    サ。
  9. 【請求項9】基板と、前記基板上に印刷技術で形成され
    た多孔質体に感湿材を担持した感湿素子部と、前記感湿
    素子部に接合した電極とを備え、前記多孔質体の気孔率
    を50%以下とした事を特徴とする湿度センサ。
  10. 【請求項10】基板と、前記基板上に印刷技術で形成さ
    れた多孔質体に感湿材を担持した感湿素子部と、前記感
    湿素子部に接合した電極とを備え、前記多孔質体への感
    湿材の担持量を前記多孔質体1mm3当たり1.3マイ
    クロリットル〜2.1マイクロリットルとした事を特徴
    とする湿度センサ。
  11. 【請求項11】絶縁性を有する基板と、前記基板上に設
    けられ、素子対向部と回路部を有する電極と、前記素子
    対向部上に設けられ印刷技術によって形成された多孔質
    体に感湿材を担持させ、前記多孔質体の全縁部に保護材
    を設け、更に前記多孔質体上に上部電極を設けた感湿素
    子部と、前記回路部上に実装された感温素子とを備え、
    前記素子対向部は一対の第1の櫛形電極と、一対の第2
    の櫛形電極とを有し、前記第1の櫛形電極間の抵抗と前
    記第2の櫛形電極間の抵抗値を異ならせた事を特徴とす
    る湿度センサ。
  12. 【請求項12】保護材を設ける事によって多孔質体の上
    に形成される窪み部の深さを10〜100μmとした事
    を特徴とする請求項11記載の湿度センサ。
  13. 【請求項13】保護材は撥水性の大きな材料を選択する
    事を特徴とする請求項11記載の湿度センサ。
  14. 【請求項14】多孔質体を複数のペーストを重ね塗りし
    て形成した事を特徴とする請求項11記載の湿度セン
    サ。
  15. 【請求項15】交流電圧を作製する発振手段と、前記発
    振手段中の直流成分をカットする直流カット手段と、前
    記直流カット手段からの交流電源が入力される請求項1
    〜14いずれか1記載の湿度センサと、前記湿度センサ
    からの出力を直流電圧に変換する平滑回路と、前記平滑
    回路の直流電圧を増幅する増幅手段とを備えた事を特徴
    とする湿度検出装置。
  16. 【請求項16】基板と、前記基板上に印刷技術で形成さ
    れた多孔質体に感湿材を担持した感湿素子部と、前記感
    湿素子部に接合した複数の電極とを備え、複数の電極の
    内、一対の第1の電極間は10%RH〜30%RHで感
    度を有するとともに一対の第2の電極間は30%RH〜
    90%RHで感度を有する事を特徴とする湿度センサ。
  17. 【請求項17】感湿素子部上にフッ素系樹脂膜を20μ
    m以下の膜厚で形成した事を特徴とする請求項1〜1
    4,16いずれか1記載の湿度センサ。
  18. 【請求項18】感温素子として温度補償用サーミスタを
    用いるとともに前記温度補償用サーミスタには電極を設
    けず、しかも前記温度補償用サーミスタを実装する回路
    部上に形成されている電極に接着性を持たせた事を特徴
    とする請求項11記載の湿度センサ。
  19. 【請求項19】湿度センサの出力を直列に接続した抵抗
    とサーミスタで分圧したことを特徴とする請求項15記
    載の温度検出装置。
  20. 【請求項20】請求項1〜14,16いずれか1記載の
    湿度センサと、前記湿度センサを実装する回路基板とを
    備え、前記湿度センサの外部との信号のやりとりは、端
    子レスで行うとともに、前記回路基板上に凹部を設け、
    前記凹部中に前記湿度センサを挿入し、前記湿度センサ
    上に設けられた電極と前記回路基板上に設けられた電極
    とを接合材を用いて直接接続する事を特徴とする湿度検
    出装置。
JP34111797A 1997-07-28 1997-12-11 湿度センサ Pending JPH11101765A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34111797A JPH11101765A (ja) 1997-07-28 1997-12-11 湿度センサ

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20128297 1997-07-28
JP9-201282 1997-07-28
JP34111797A JPH11101765A (ja) 1997-07-28 1997-12-11 湿度センサ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11101765A true JPH11101765A (ja) 1999-04-13

Family

ID=26512703

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34111797A Pending JPH11101765A (ja) 1997-07-28 1997-12-11 湿度センサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11101765A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002357581A (ja) * 2001-05-31 2002-12-13 Ngk Spark Plug Co Ltd 湿度センサ
JP2007218814A (ja) * 2006-02-20 2007-08-30 Ngk Spark Plug Co Ltd 水素ガスセンサ
JP2008523397A (ja) * 2004-12-09 2008-07-03 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー ガスセンサーデバイスの部品
JP2009047675A (ja) * 2007-03-30 2009-03-05 Ideal Star Inc ガスセンサー、そのための気体検知モジュール、およびこれらを用いた気体計測システム

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002357581A (ja) * 2001-05-31 2002-12-13 Ngk Spark Plug Co Ltd 湿度センサ
JP2008523397A (ja) * 2004-12-09 2008-07-03 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー ガスセンサーデバイスの部品
JP2007218814A (ja) * 2006-02-20 2007-08-30 Ngk Spark Plug Co Ltd 水素ガスセンサ
JP2009047675A (ja) * 2007-03-30 2009-03-05 Ideal Star Inc ガスセンサー、そのための気体検知モジュール、およびこれらを用いた気体計測システム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH07190863A (ja) 温度センサ
JPH10148591A (ja) 圧力検出装置
JPS61108953A (ja) セラミツクスを用いたセンサ素子の電気的接続端子
JP3493343B2 (ja) プラチナ温度センサおよびその製造方法
WO2006095597A1 (ja) 積層セラミック電子部品
US5608374A (en) Humidity sensor and a method of producing the humidity sensor
EP2020692B1 (en) Piezoelectric film device
JP4168035B2 (ja) 白金抵抗体式温度センサ
JPH11101765A (ja) 湿度センサ
US20020109577A1 (en) Electrical resistor with platinum metal or a platinum metal compound and sensor arrangement with the resistor
EP0999431B1 (en) Method of manufacturing sensor and resistor element
JP2000340403A (ja) 温度センサおよびその製造方法
JPH0658900A (ja) 湿度センサ
JPH0147739B2 (ja)
JPH08271323A (ja) 力学量センサおよびインク残量計
JP2000299203A (ja) 抵抗器およびその製造方法
JPH09273968A (ja) 力学量センサおよびその製造法
JPH04244952A (ja) 湿度センサ
JPS6032722Y2 (ja) 厚膜サ−ミスタ
JPH07167720A (ja) 圧力センサ
JPH04132946A (ja) 結露センサー及びその製造方法
JPH04155253A (ja) 容量式薄膜湿度センサおよびその製造方法
KR830002517B1 (ko) 적층형 막구조 산소감지기
JP3074901B2 (ja) 湿度センサ
JPH0121525Y2 (ja)