JPH11101699A - トルク検出装置 - Google Patents

トルク検出装置

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JPH11101699A
JPH11101699A JP9281276A JP28127697A JPH11101699A JP H11101699 A JPH11101699 A JP H11101699A JP 9281276 A JP9281276 A JP 9281276A JP 28127697 A JP28127697 A JP 28127697A JP H11101699 A JPH11101699 A JP H11101699A
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佳年雄 毛利
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    • G01LMEASURING FORCE, STRESS, TORQUE, WORK, MECHANICAL POWER, MECHANICAL EFFICIENCY, OR FLUID PRESSURE
    • G01L3/00Measuring torque, work, mechanical power, or mechanical efficiency, in general
    • G01L3/02Rotary-transmission dynamometers
    • G01L3/04Rotary-transmission dynamometers wherein the torque-transmitting element comprises a torsionally-flexible shaft
    • G01L3/10Rotary-transmission dynamometers wherein the torque-transmitting element comprises a torsionally-flexible shaft involving electric or magnetic means for indicating
    • G01L3/101Rotary-transmission dynamometers wherein the torque-transmitting element comprises a torsionally-flexible shaft involving electric or magnetic means for indicating involving magnetic or electromagnetic means
    • G01L3/102Rotary-transmission dynamometers wherein the torque-transmitting element comprises a torsionally-flexible shaft involving electric or magnetic means for indicating involving magnetic or electromagnetic means involving magnetostrictive means

Abstract

(57)【要約】 【課題】 実質的に温度による影響を受けることなく低
廉に精度よくトルクを検出する。 【解決手段】 周方向の磁界が与えられた例えば半硬質
磁性体にて構成されたシャフト10と、一対の磁気検出
装置18及び20とを有する。シャフトは互いに隔置し
て形成された円周溝14及び16を有し、磁気検出装置
18及び20は円周溝14の両縁に近接して配置されて
いる。シャフト10にトルクが作用すると、周方向の磁
界が周方向に対し傾斜した方向に偏向され、二つの溝の
間の領域に於ける磁界の偏向の程度は他の領域に比して
小さい。これら二つの領域の磁界の強さはトルクの変化
に対しヒステリシス及び非線形性を有するが、それらの
線形和はトルクの変化に対しヒステリシスなく線形的に
変化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トルク検出装置装
置に係り、更に詳細には磁歪効果の逆現象(本明細書に
於いては「応力磁気効果」という)を利用したトルク検
出装置に係る。
【0002】
【従来の技術】応力磁気効果、即ち周方向の磁界が与え
られた軸がトルクを受けると逆ウィッデマン効果により
磁界が周方向に対し傾斜した方向に偏向され、また軸線
方向の磁界が与えられた軸がトルクを受けると磁界が軸
線方向に対し傾斜した方向に偏向される現象を利用した
トルク検出装置の一つとして、例えば特開平5−196
517号公報に記載されている如く、軸線に沿って互い
に締まり嵌めされた実質的に円柱状の軸及び実質的に円
筒状の磁歪管を有し、磁歪管には軸線周りの周方向の1
軸の磁気異方性及び周方向の磁界が与えられたトルク−
磁気変換器を有するトルク検出装置が従来より知られて
いる。
【0003】かかるトルク検出装置によれば、軸に軸線
周りのトルクが作用すると、磁歪管には軸線に対し±4
5°傾斜した方向に圧縮応力及び引張り応力が発生し、
これらの応力及び磁歪管に与えられている周方向の引張
り応力による応力磁気効果として周方向の磁界が周方向
に対し傾斜した方向に偏向される。かくして偏向された
磁界の周方向の成分は閉磁路を構成するので、この成分
を外部より検出することはできないが、上記偏向された
磁界の軸線方向の成分は外部より検出可能であり、従っ
てこの軸線方向の成分の強度及び方向を例えばホール効
果素子によって検出することによりトルクの大きさ及び
方向を検出することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし上述の如き従来
のトルク検出装置に於いては、トルク−磁気変換器が互
いに締まり嵌めされた軸及び磁歪管よりなっているた
め、締まり嵌めの嵌め合い公差にばらつきが生じ易く、
従って磁歪管に与えられる周方向の引張り応力にばらつ
きが生じ易く、そのため検出感度にばらつきが生じ易い
という問題がある。またこの問題を解消すべく、嵌め合
い公差を厳密に管理しようとすると、トルク検出装置が
高コストになる。
【0005】また軸及び磁歪管を構成する材料は互いに
異なるので、それらの熱膨張係数も異なり、そのためト
ルク−磁気変換器の温度変化に起因して磁歪管に与えら
れた周方向の引張り応力が変動し、従ってトルク検出装
置の精度が温度により影響を受けるという問題がある。
更に切削加工等に比して高コストな締まり嵌め工程が必
須であるため、トルク検出装置が高価になるという問題
がある。
【0006】本発明は、互いに締まり嵌めされた軸及び
磁歪管が使用される従来のトルク検出装置に於ける上述
の如き問題に鑑みてなされたものであり、本発明の主要
な課題は、磁歪管を使用せず、軸部材に応力磁気効果に
よる磁気変化の大きい領域と小さい領域とを形成するこ
とにより、実質的に温度による影響を受けることなく非
常に低廉にトルクを検出することである。
【0007】また本発明の他の一つの課題は、実質的に
温度による影響を受けることなく非常に高精度に且つ低
廉にトルクを検出することである。
【0008】また本発明の更に他の一つの課題は、実質
的に温度による影響を受けることなく高精度に且つ非常
に低廉にトルクを検出することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の主要な課題は、本
発明によれば、請求項1の構成、即ち軸線周りのトルク
を受ける軸部材であって、応力磁気効果による磁気変化
の大きい領域と小さい領域とが軸線に沿って形成された
軸部材と、前記軸部材に磁界を与える手段と、前記磁気
変化の大きい領域又は前記磁気変化の小さい領域の磁気
を検出する磁気検出手段とを含むトルク検出装置によっ
て達成される。
【0010】また上述の他の一つの課題は、本発明によ
れば、請求項2の構成、即ち軸線周りのトルクを受ける
軸部材であって、応力磁気効果による磁気変化の大きい
領域と小さい領域とが軸線に沿って形成された軸部材
と、前記軸部材に磁界を与える手段と、前記磁気変化の
大きい領域の磁気を検出する第一の磁気検出手段と、前
記磁気変化の小さい領域の磁気を検出する第二の磁気検
出手段とを含むトルク検出装置によって達成される。
【0011】また上述の更に他の一つの課題は、本発明
によれば、請求項3の構成、即ち軸線周りのトルクを受
ける軸部材であって、応力磁気効果による磁気変化の大
きい領域と小さい領域とが軸線に沿って互いに隔置して
形成された軸部材と、前記軸部材に磁界を与える手段
と、前記磁気変化の大きい領域と前記磁気変化の小さい
領域との間の磁気を検出する磁気検出手段とを含むトル
ク検出装置によって達成される。
【0012】一般に、軸部材に軸線周りのトルクが作用
すると、軸部材の表面部に軸線に対し±45°傾斜した
方向に引張り応力及び圧縮応力が発生する。この引張り
応力又は圧縮応力による応力磁気効果により軸部材の磁
界が引張り応力又は圧縮応力の方向に近付く方向に偏向
される。また磁界の偏向の方向はトルクの方向に対応
し、磁界の偏向の程度はトルクの大きさに対応してい
る。更に磁界の偏向の程度は応力磁気効果による磁気変
化の小さい領域よりも応力磁気効果による磁気変化の大
きい領域に於いて大きい。
【0013】また軸部材の磁界が偏向されると、応力磁
気効果による磁気変化の大きい領域及び小さい領域の両
端に現れる磁極の強さが変化し、これに応じて該磁極に
より発生される磁界の強さが変化する。そしてこの磁界
の強さ及び方向は軸部材に作用するトルクの大きさ及び
方向に対応している。
【0014】上記請求項1の構成によれば、軸線周りの
トルクを受ける軸部材には応力磁気効果による磁気変化
の大きい領域と小さい領域とが軸線に沿って形成され、
軸部材には磁界が与えられ、磁気検出手段により磁気変
化の大きい領域又は磁気変化の小さい領域の磁気が検出
されるので、軸部材に作用するトルクの大きさ及び方向
が一つの磁気検出手段により磁界の強さ及び方向として
検出される。
【0015】また一般に、軸部材を構成する材料が半硬
質磁性体である場合には、軸部材に作用するトルクの増
減変化に伴い、応力磁気効果による磁気変化の大きい領
域及び小さい領域の両端に現れる磁極により発生される
磁界の強さは比較的大きいヒステリシス及び非線形性を
伴って変化するが、後に詳細に説明する如く、両者の磁
界の強さのヒステリシスの形状は互いに非常に近似して
おり、両者の磁界の強さの線形和はトルクの増減変化に
対し実質的にヒステリシスを生じることなく線形的に変
化する。
【0016】また上記請求項2の構成によれば、軸線周
りのトルクを受ける軸部材には応力磁気効果による磁気
変化の大きい領域と小さい領域とが軸線に沿って形成さ
れ、軸部材には磁界が与えられ、第一の磁気検出手段に
より磁気変化の大きい領域の磁気が検出され、第二の磁
気検出手段により磁気変化の小さい領域の磁気が検出さ
れるので、例えば二つの磁気検出手段の出力の線形和を
求めることにより、軸部材に作用するトルクの大きさ及
び方向が非常に高精度に検出される。
【0017】また上述の如く、応力磁気効果による磁気
変化の大きい領域及び小さい領域の両端に現れる磁極に
より発生される磁界の強さの線形和はトルクの増減変化
に対し実質的にヒステリシスを生じることなく線形的に
変化する。従って磁気変化の大きい領域と小さい領域と
が互いに隔置して形成される場合には、二つの領域の間
の適宜な位置に磁気検出手段が配置されれば、二つの領
域の端部に現れる磁極による二つの磁界の強さの線形和
に相当する磁界の強さが検出される。
【0018】また上記請求項3の構成によれば、軸線周
りのトルクを受ける軸部材には応力磁気効果による磁気
変化の大きい領域と小さい領域とが軸線に沿って互いに
隔置して形成され、軸部材には磁界が与えられ、磁気検
出手段により磁気変化の大きい領域と磁気変化の小さい
領域との間の磁気が検出されるので、軸部材に作用する
トルクの大きさ及び方向が一つの磁気検出手段により磁
界の強さ及び方向として高精度に検出される。
【0019】
【課題解決手段の好ましい態様】本発明の一つの好まし
い態様によれば、上記請求項1乃至3の何れかの構成に
於いて、応力磁気効果による磁気変化の小さい領域はト
ルクによる表面応力が小さい領域であるよう構成される
(好ましい態様1)。
【0020】また本発明の他の一つの好ましい態様によ
れば、上記好ましい態様1の構成に於いて、トルクによ
る表面応力が小さい領域は軸線に沿って互いに隔置され
た位置に形成されたトルクによる表面応力の伝達を抑制
する二つの部分の間の領域であるよう構成される(好ま
しい態様2)。
【0021】また本発明の他の一つの好ましい態様によ
れば、上記好ましい態様2の構成に於いて、トルクによ
る表面応力の伝達を抑制する部分は軸部材の表面に形成
された窪んだ部分であるよう構成される(好ましい態様
3)。
【0022】また本発明の他の一つの好ましい態様によ
れば、上記好ましい態様3の構成に於いて、窪んだ部分
は軸部材の他の部分に比して小径の部分であるよう構成
される(好ましい態様4)。
【0023】また本発明の他の一つの好ましい態様によ
れば、上記好ましい態様3の構成に於いて、窪んだ部分
は軸線の周りに延在する溝であるよう構成される(好ま
しい態様5)。
【0024】また本発明の他の一つの好ましい態様によ
れば、上記好ましい態様3の構成に於いて、窪んだ部分
は軸線の周りに互いに隔置された窪みであるよう構成さ
れる(好ましい態様6)。
【0025】また本発明の他の一つの好ましい態様によ
れば、上記好ましい態様1の構成に於いて、トルクによ
る表面応力が小さい領域は軸部材の他の部分に比して大
径の部分であるよう構成される(好ましい態様7)。
【0026】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記請求項1乃至3の何れかの構成に於いて、応力
磁気効果による磁気変化の小さい領域は磁気変化の大き
い領域の応力磁気効果よりも低い応力磁気効果を有する
材料にて形成されるよう構成される(好ましい態様
8)。
【0027】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記請求項1乃至3の何れかの構成に於いて、応力
磁気効果による磁気変化の小さい領域は実質的に応力磁
気効果を有しない材料にて形成されるよう構成される
(好ましい態様9)。
【0028】また本発明の他の一つの好ましい態様によ
れば、上記請求項1乃至3の何れかの構成に於いて、軸
部材に磁界を与える手段は軸部材に着磁により与えられ
た残留磁界であるよう構成される(好ましい態様1
0)。
【0029】また本発明の他の一つの好ましい態様によ
れば、上記請求項1乃至3の構成に於いて、軸部材に磁
界を与える手段は実質的に軸線に沿って軸部材に磁界を
与える外部磁界付与手段であるよう構成される(好まし
い態様11)。
【0030】また本発明の他の一つの好ましい態様によ
れば、上記請求項1の構成に於いて、磁気変化の大きい
領域を構成する材料は軟質磁性体であるよう構成される
(好ましい態様12)。
【0031】また本発明の他の一つの好ましい態様によ
れば、上記請求項1の構成に於いて、磁気検出手段は磁
気変化の大きい領域又は磁気変化の小さい領域の端部に
近接して配置されるよう構成される(好ましい態様1
3)。
【0032】また本発明の他の一つの好ましい態様によ
れば、上記請求項2の構成に於いて、第一の磁気検出手
段は磁気変化の大きい領域の端部に近接して配置され、
第二の磁気検出手段は磁気変化の小さい領域の端部に近
接して配置されるよう構成される(好ましい態様1
4)。
【0033】また本発明の他の一つの好ましい態様によ
れば、上記請求項2又は3の構成に於いて、磁気変化の
大きい領域及び磁気変化の小さい領域を構成する材料は
半硬質磁性体であるよう構成される(好ましい態様1
5)。
【0034】また本発明の他の一つの好ましい態様によ
れば、上記請求項1乃至3の何れかの構成に於いて、磁
気検出手段は磁気インピーダンス効果素子であるよう構
成される(好ましい態様16)。
【0035】また本発明の他の一つの好ましい態様によ
れば、上記好ましい態様16の構成に於いて、磁気イン
ピーダンス効果素子はアモルファスワイヤのヘッドを有
する磁気インピーダンス効果素子であるよう構成される
(好ましい態様17)。
【0036】
【発明の実施の形態】以下に添付の図を参照しつつ、本
発明を幾つかの好ましい実施形態について詳細に説明す
る。
【0037】第一の実施形態 図1は請求項2の構成に対応する本発明によるトルク検
出装置の第一の実施形態を示す概略構成図、図2はシャ
フトにトルクが作用した場合の磁界の変化を示す説明
図、図3はシャフトにトルクTが作用した場合に溝の両
縁の近傍に発生する磁界を示す拡大部分断面図である。
【0038】図1に於いて、10は軸線12に沿って延
在し軸線12の周りのトルクTを受ける断面円形の軸部
材としてのシャフトを示している。シャフト10は炭素
鋼や合金鋼(例えばニッケル−クロム鋼)の如き応力磁
気効果を有する半硬質磁性体にて形成されている。尚シ
ャフト10は例えば自動車のステアリング系に組み込ま
れたステアリングシャフトの如き構造部材又はその一部
であってよい。
【0039】シャフト10には着磁により軸線12の周
りの周方向の磁界Ha が与えられている。尚周方向の磁
界Ha は前述の特開平5−196517号公報に記載さ
れている如く磁石を使用して与えられてもよいが、例え
ば1万アンペアの単発パルス状の直流大電流又は半周期
分の正弦波大電流を軸線12に沿ってシャフト10に流
すことにより付与されることが好ましい。
【0040】シャフト10は同一の直径を有する第一乃
至第三のシャフト部10A、10B、10Cを有し、第
一のシャフト部10Aと第二のシャフト部10Bとの間
には軸線12の周りに全周に亘り延在する深さ一定の溝
14が形成され、第二のシャフト部10Bと第三のシャ
フト部10Cとの間には軸線12の周りに全周に亘り延
在する深さ一定の溝16が形成されている。前述の如
く、シャフト10がその軸線12の周りにトルクTを受
けると、軸線12に垂直な方向に見てシャフト10の表
面部には軸線12に対し45°傾斜した方向に引張り応
力が発生し、軸線12に対し−45°傾斜した方向に圧
縮応力が発生する。
【0041】しかし溝14及び16はシャフトの表面に
於ける捩じりによる引張り応力及び圧縮応力の伝達を抑
制する部分として機能し、溝14及び16の両端は応力
磁気効果の不連続部14A、14B及び16A、16B
として機能する。またトルクにより溝14と16との間
の第二のシャフト部10Bの表面部に発生される捩じり
による引張り応力及び圧縮応力は第一及び第三のシャフ
ト部10A、10Cの表面部に発生される引張り応力及
び圧縮応力よりも小さい。従って第一及び第三のシャフ
ト部10A、10Cは表面応力の大きい領域を郭定し、
第二のシャフト部10Bは表面応力の小さい領域を郭定
している。
【0042】応力磁気効果の不連続部14A及び14B
に近接した位置にはそれぞれシャフト部10A及び10
Bの表面に近接して磁気検出装置18及び20が配置さ
れている。磁気検出装置18及び20はそれぞれ対応す
る位置の磁界の強さ及び方向に対応する電圧及び符号の
電圧信号を出力し、これらの出力信号は信号処理装置2
2へ入力される。
【0043】図1に解図的に示されている如く、信号処
理装置22は磁気検出装置20の出力電圧をK倍する乗
算回路24と、二つの入力信号を加算増幅する加算増幅
回路26とを有し、乗算回路24の乗算係数Kは調節可
能である。磁気検出装置18の出力電圧は加算増幅回路
26の一方の正の入力端子に入力され、乗算回路24の
出力電圧は加算増幅回路26の他方の正の入力端子に入
力される。加算増幅回路26の出力信号は表示装置28
へ入力され、表示装置28によりシャフト10に作用す
るトルクTの大きさ及び方向が表示される。
【0044】図示の第一の実施形態(及び後述の他の実
施形態)に於いては、磁気検出装置18及び20はアモ
ルファスワイヤのヘッドを有する磁気インピーダンス効
果素子である。尚磁気インピーダンス効果素子は本願の
一方の発明者である毛利佳年雄により発明されたマイク
ロ寸法の磁気センサであり(必要ならば特開平7−18
1239号公報参照)、検出されるべき磁界を1マイク
ロガウスの分解能にて検出することが可能な感度、安定
性(S/N比)、応答性、低電力消費性に優れたもので
ある。
【0045】この第一の実施形態に於いて、シャフト1
0がその軸線12の周りにトルクTを受けると、シャフ
ト10の表面部に軸線12に対し±45°傾斜した方向
に引張り応力及び圧縮応力が発生し、この引張り応力又
は圧縮応力による応力磁気効果により、図2に示されて
いる如く、表面応力の大きい領域及び小さい領域の周方
向の磁界Ha がそれぞれ周方向に対し傾斜した方向の磁
界Hb 、Hc に偏向される。
【0046】この場合磁界の偏向の度合(傾斜の度合)
はシャフト10に作用するトルクTの大きさに比例し、
磁界の偏向の方向(傾斜の方向)はシャフト10に作用
するトルクTの方向に対応している。またこの場合、表
面応力の相違から磁界Hb の偏向の度合はHc の偏向の
度合よりも大きいので、第一及び第三のシャフト部10
A、10Cは応力磁気効果による磁気変化の大きい領域
であり、第二のシャフト部Bは応力磁気効果による磁気
変化の小さい領域である。
【0047】周方向の磁界Ha が上述の如く偏向される
と、応力磁気効果の不連続部14A、14B及び16
A、16Bとして機能する溝14及び16の両縁には磁
極N、Sが発生し、これらの磁極により図3に示されて
いる如く溝14及び16の両縁の近傍にそれぞれ磁界H
x 、Hy が発生される。磁界Hb の偏向の度合はHc の
偏向の度合よりも大きいので、不連続部14A及び16
Bの近傍に発生する磁界Hx の強さは不連続部14B及
び16Aの近傍に発生する磁界Hy の強さよりも大き
い。従って磁気検出装置18により検出される磁界の強
さは磁気検出装置20により検出される磁界の強さより
も大きい。
【0048】図4はシャフト10に作用するトルクTと
磁気検出装置18の出力電圧(実線)及び磁気検出装置
20の出力電圧(破線)との間の関係の一例を示してい
る。図4より解る如く、トルクTの変化に対する磁気検
出装置18及び20の出力電圧の変化には比較的大きい
ヒステリシス及び非線形性が存在し、両者の傾斜も大き
く異なるが、ヒステリシスの形状は相互に非常によく似
ている。
【0049】図5は磁気検出装置18の出力電圧と磁気
検出装置20の出力電圧の3倍の電圧との差をトルクT
の変化について示すグラフである。図5に示されている
如く、出力電圧の線形和はヒステリシスが非常に小さ
く、しかもトルクTの変化に対し線形的に変化する。従
って第一の実施形態によれば、二つの磁気検出装置の出
力電圧の線形和により、例えば二つの磁気検出装置の出
力電圧が図4の関係にあるときには信号処理装置22の
乗算回路24の乗算係数Kを3に設定することにより、
シャフト10に作用するトルクTの大きさ及び方向を非
常に高精度に検出し得ることが解る。
【0050】尚二つの磁気検出装置の出力電圧のヒステ
リシスの形状が相互に非常によく似ていることはシャフ
トを構成する半硬質磁性体の種類、シャフトに与えられ
る磁界の強さ、溝の深さや形状等に拘らず普遍的に成立
する関係であり、従って二つの磁気検出装置の出力電圧
の線形和によれば、シャフトを構成する材料の種類等に
拘らずシャフトに作用するトルクの大きさ及び方向を非
常に高精度に検出することが可能である。
【0051】また磁気検出装置が配置される位置を図2
のP1 〜P4 とすると、磁気検出装置18及び20は図
示の実施形態の如く下記の表1の組合せ1の他に組合せ
2〜4の位置に配置されてもよい。但し組合せ3及び4
の場合には対応する磁極が同一の磁極になるので、乗算
回路24の出力電圧は加算増幅回路の負の入力端子に入
力される。更に組合せ1及び3に於ける磁気検出装置1
8の位置は第一のシャフト部10Aの不連続部14Aと
は反対側の端部であってもよく、同様に組合せ2及び4
に於ける磁気検出装置18の位置は第二のシャフト部1
0Bの不連続部16Bとは反対側の端部であってもよ
い。
【0052】
【表1】 組合せ 磁気検出装置18の位置 磁気検出装置20の位置 1 P1 P2 2 P4 P3 3 P1 P3 4 P4 P2
【0053】第二乃至第四の実施形態 図6乃至図8はそれぞれ第一の実施形態の修正例として
構成された本発明によるトルク検出装置の第二乃至第四
の実施形態を示す概略構成図である。尚図6乃至図8に
於いて、図1に示された部材と同一の部材には図1に於
いて付された符号と同一の符号が付されている。
【0054】図6に示された第二の実施形態に於いて
は、シャフト10は同一の直径を有する第一及び第二の
シャフト部10A及び10Bと、第一及び第二のシャフ
ト部よりも直径の小さい第三のシャフト部10Cとを有
する。また第二のシャフト部10Bは第一のシャフト部
10Aと第三のシャフト部10Cとの間に位置し、第一
のシャフト部10Aと第二のシャフト部10Bとの間に
は溝14が形成されている。
【0055】この実施形態に於いては、第一のシャフト
部10Aが表面応力の大きい領域、即ち応力磁気効果に
よる磁気変化の大きい領域として機能し、第二のシャフ
ト部10Bは表面応力の小さい領域、即ち応力磁気効果
による磁気変化の小さい領域として機能する。従って磁
気検出装置18は溝14の側の第一のシャフト部10A
の端部の表面に近接して配置され、磁気検出装置20は
溝14の側の第二のシャフト部10Bの端部の表面に近
接して配置されている。尚磁気検出装置20は溝14と
は反対の側の第二のシャフト部10Bの端部の表面に近
接して配置されてもよい。
【0056】図7に示された第三の実施形態に於いて
は、シャフト10は小径の第一のシャフト10Aと大径
の第二のシャフト部10Bとを有し、二つのシャフト部
の間に溝14が形成されている。従ってこの実施形態に
於いても、シャフト部の直径の関係から、第一のシャフ
ト部10Aは表面応力の大きい領域、即ち応力磁気効果
による磁器変化の大きい領域として機能し、第のシャフ
ト部10Bは表面応力の小さい領域、即ち応力磁気効果
による磁気変化の小さい領域として機能し、磁気検出装
置18及び20は第二の実施形態と同様の位置に配置さ
れている。
【0057】図8に示された第四の実施形態に於いて
は、第一の実施形態に於ける溝14又は16に相当する
溝は形成されておらず、シャフト10は互いに直径の異
なる第一乃至第三のシャフト部10A〜10Cを有して
いる。第一のシャフト部10Aは第二のシャフト10B
と第三のシャフト10Cとの間に位置し、第二のシャフ
ト部10Bは最も大きい直径を有し、第三のシャフト部
10Cは最も小さい直径を有しており、磁気検出装置1
8及び20はそれぞれ第三のシャフト部10Cに近い側
の第一のシャフト部10A、第二のシャフト部10Bの
端部の表面に近接して配置されている。
【0058】従ってこの実施形態に於いては、第一のシ
ャフト部10Aが応力磁気効果による磁気変化の大きい
領域を郭定し、第二のシャフト部10Bが応力磁気効果
による磁気変化の小さい領域を郭定している。
【0059】第五の実施形態 図9乃至図11はそれぞれ請求項3の構成に対応する本
発明によるトルク検出装置の第五乃至第七の実施形態を
示す概略構成図である。尚図9乃至図11に於いて、図
1に示された部材と同一の部材には図1に於いて付され
た符号と同一の符号が付されている。
【0060】図9に示された第五の実施形態に於いて
は、シャフト10自体は溝14の幅が小さく設定されて
いる点を除き第一の実施形態と同様に形成されており、
一つの磁気検出装置18のみが溝14の位置に配置され
ている。特に磁気検出装置18は、第一の実施形態に於
ける二つの磁気検出装置の出力電圧の線形和によるヒス
テリシスの相殺と同様の作用が不連続部14Aの磁極に
より発生される磁界及び不連続部14Bの磁極により発
生される磁界との相互作用によって達成されるよう、不
連続部14Aと不連続部14Bのと中間よりも不連続部
14Bに近い位置に配置されている。
【0061】例えばシャフト10に作用するトルクTの
変化に伴い、磁気検出装置18のヘッドに於ける第一の
シャフト部10Aの不連続部14Aの磁極による磁界H
x の強さ及び第三のシャフト部10Cの不連続部14B
の磁極による磁界Hy の強さが図12に於いてそれぞれ
実線及び破線にて示されている如く変化するものとする
と、磁気検出装置18はこれらの磁界の強さの和を検出
することになり、磁気検出装置18のヘッドに於ける全
体としての磁界の強さは図13に示されている如く変化
する。
【0062】従って磁気検出装置18の出力電圧はヒス
テリシスが非常に小さく、しかもトルクTの変化に対し
線形的に変化するので、磁気検出装置18の出力電圧を
適宜に増幅することにより、第一の実施形態の場合と同
様、例えば図5に示されている如き関係が得られ、これ
により一つの磁気検出装置のみによりシャフトに作用す
るトルクを非常に正確に検出することができる。
【0063】それぞれ図10及び図11に示された第六
及び第七の実施形態に於いても、シャフト10自体は溝
14の幅が小さく設定されている点を除きそれぞれ第二
及び第三の実施形態と同様に形成されており、これらの
実施形態の他の点は第五の実施形態と同様に構成されて
いる。
【0064】第八の実施形態 図14は請求項1の構成に対応する本発明によるトルク
検出装置の第八の実施形態を示す概略構成図である。尚
図14に於いて図1に示された部材と同一の部材には図
1に於いて付された符号と同一の符号が付されている。
【0065】この実施形態に於いては、シャフト10は
同一の直径を有する第一及び第二のシャフト部10A及
び10Bを有し、これらのシャフト部の間には溝14が
形成されている。また磁気検出装置18は溝14の側の
第一のシャフト部10Aの端部の表面に近接して配置さ
れている。尚シャフト10は応力磁気効果を有する軟質
磁性体、例えばパーマロイ、マルエージング鋼等のFe
−Ni 合金や3%Si−Fe 合金にて形成されているこ
とが好ましい。
【0066】またこの実施形態に於いて、シャフト10
がその軸線12の周りにトルクTを受けた場合にシャフ
ト10の表面部に発生する引張り応力又は圧縮応力は、
直径の相違から第一及び第二のシャフト部10A及び1
0Bの表面部に於けるよりも溝14の表面部に於いて高
く、従って第一及び第二のシャフト部10A及び10B
の表面部に於いて低く、溝14の部分は応力磁気効果に
よる磁気変化の大きい領域を郭定し、第一及び第二のシ
ャフト部10A及び10Bは応力磁気効果による磁気変
化の小さい領域を郭定している。
【0067】磁気検出装置18は不連続部14Aの磁極
により発生される磁界を検出し、この磁界の強さはシャ
フト10に作用するトルクTの大きさに比例し、磁界の
方向はシャフト10に作用するトルクTの方向に対応し
ているので、この実施形態に於ける磁気検出装置18の
出力信号の電圧及び符号もそれぞれシャフト10に作用
するトルクTの大きさ及び方向を示す。
【0068】図15は第八の実施形態に於けるトルクT
と磁気検出装置18の出力電圧との関係の一例を示して
いる。図15より解る如く、トルクTの変化に対する磁
気検出装置18の出力電圧の変化には或る程度のヒステ
リシス及び非線形性が存在するが、第八の実施形態によ
れば上述の第一乃至第七の実施形態に比して遥かに簡単
な構成によりシャフト10に作用するトルクTの大きさ
及び方向を検出し得ることが解る。
【0069】尚磁気検出装置は、以上の説明より解る如
く、溝14に対し第八の実施形態の磁気検出装置18の
位置とは反対の側、即ち図14の磁気検出装置18′の
位置に配置されてもよい(このことは後述の第九及び第
十一の実施形態についても同様である)。
【0070】第九乃至第十一の実施形態 図16乃至図18はそれぞれ第八の実施形態の修正例と
して構成された本発明によるトルク検出装置の第九乃至
第十一の実施形態を示す概略構成図である。尚図16乃
至図18に於いて、図1に示された部材と同一の部材に
は図1に於いて付された符号と同一の符号が付されてい
る。
【0071】図16に示された第九の実施形態に於いて
は、シャフト10は小径の第一及び第二のシャフト部1
0A及び10Bと、これらの間に位置する大径の第三の
シャフト部10Cとを有している。大径の第三のシャフ
ト部10Cは応力磁気効果による磁気変化の小さい領域
を郭定し、第一及び第二のシャフト部10A及び10B
は応力磁気効果による磁気変化の大きい領域を郭定して
いる。また磁気検出装置18は第三のシャフト部10C
の一端の表面に近接して配置されている。
【0072】この実施形態に於いて、シャフト10に作
用するトルクTにより周方向の磁界が偏向されると、応
力磁気効果の不連続部30A、30Bとして機能する大
径の第三のシャフト部10Cの両端には磁極が発生し、
その磁極により第三のシャフト部の両端の近傍に磁界が
発生され、その磁界の強さ及び方向がそれぞれシャフト
10に作用するトルクTの大きさ及び方向を示す情報と
して磁気検出装置18により検出される。
【0073】図17に示された第十の実施形態に於いて
は、シャフト10は小径の第一のシャフト部10Aと、
該第一のシャフト部よりも大きい直径を有する第二のシ
ャフト部10Bとを有し、これらのシャフト部の間には
不連続部30Aとして機能する肩部が郭定されている。
また磁気検出装置18は大径の第二のシャフト部10B
の不連続部30Aの側の端部の表面に近接して配置され
ている。
【0074】図18に示された第十一の実施形態に於い
ては、シャフト10は同一の直径を有する第一及び第二
のシャフト部10A及び10Bと、第一及び第二のシャ
フト部の間に溶接等の手段によりこれらと一体的に接続
され第一及び第二のシャフト部の同一の直径を有する第
三のシャフト部10Cとを有している。第一及び第二の
シャフト部10A及び10Bは応力磁気効果を有する軟
質磁性体にて形成され、第三のシャフト部10Cは実質
的に応力磁気効果を有しない材料にて形成されている。
また磁気検出装置18は第三のシャフト部10Cの側の
第一のシャフト部10Aの端部の表面に近接して配置さ
れている。
【0075】シャフト10がトルクTを受けることによ
りシャフト部10A、10B、10Cの何れの表面部に
も引張り応力及び圧縮応力が発生するが、第三のシャフ
ト部10Cの材料は実質的に応力磁気効果を有しないの
で、第一及び第二のシャフト部10A及び10Bは応力
磁気効果による磁気変化の大きい領域として機能し、第
三のシャフト部は応力磁気効果による磁気変化の小さい
領域として機能し、シャフト部10Cの両端は応力磁気
効果の不連続部30A及び30Bとして機能する。
【0076】シャフト10に作用するトルクTにより周
方向の磁界が偏向されると、第三のシャフト部10Cの
側の第一及び第二のシャフト部10A及び10Bの端部
には磁極が発生し、その磁極によりこれらの端部の近傍
に磁界が発生され、第一のシャフト部10Aの端部近傍
の磁界の強さ及び方向がそれぞれシャフト10に作用す
るトルクTの大きさ及び方向を示す情報として磁気検出
装置18により検出される。
【0077】尚第十一の図示の実施形態に於いては、第
一乃至第三のシャフト部は実質的に同一の直径を有して
いるが、これらは互いに異なる直径を有していてもよ
い。また第一及び第二のシャフト部10A及び10Bを
構成する材料は同一の軟質磁性体であってもよく、また
互いに異なる軟質磁性体であってもよい。またシャフト
部10Cを形成する非磁性体は第一及び第二のシャフト
部10A及び10Bを形成する軟質磁性体と実質的に同
一の機械的性質を有しているが、両者の機械的性質も互
いに異なっていてもよい。更に第三のシャフト部10C
は第一及び第二のシャフト部10A、10Bを形成する
軟質磁性体とは応力磁気効果が異なる軟質磁性体にて形
成されていてもよい。
【0078】以上に於ては本発明を特定の実施形態につ
いて詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定
されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実
施形態が可能であることは当業者にとって明らかであろ
う。
【0079】例えば上述の各実施形態に於いては、シャ
フト10は着磁により周方向の磁界が与えられている
が、磁界の方向は軸線方向又は軸線方向に対し傾斜した
方向であってもよい。また磁界は例えばシャフト10の
周りに巻回されたコイルやシャフトの端部に配置された
永久磁石の如き外部磁界付与手段により軸線方向に与え
られてもよい。
【0080】また上述の各実施形態に於いては、磁気検
出装置は磁気インピーダンス効果素子であるが、磁気検
出装置は対応する領域の磁気を検出し得る限り任意の検
出装置であってよく、例えばホール効果素子、MR素
子、GMR素子、コイル等であってもよい。更にシャフ
ト10の周りに巻回され交流電流が通電されるコイルに
より軸線方向に交播磁界が与えられ、その交播磁界のト
ルクによる変化が磁気検出装置としてのコイルにより磁
気変調として検出されてもよい。
【0081】また磁気応力効果による磁気変化の大きい
領域又は磁気変化の小さい領域の端部に近接した位置は
他の位置に比して磁界の強さが大きいので、上述の各実
施形態に於いては、磁気検出装置は磁気変化の大きい領
域又は磁気変化の小さい領域の端部に近接して配置され
ているが、磁気検出装置は対応する領域の磁気を検出し
得る限り、磁気変化の大きい領域又は磁気変化の小さい
領域の両端の間の如き他の位置に配置されてもよい。
【0082】また上述の各実施形態に於いては、磁気検
出装置は磁気変化の大きい領域又は磁気変化の小さい領
域の端部に近接して一つずつ配置されているが、複数個
の磁気検出装置がシャフトの周りに好ましくは軸線の周
りに等間隔に配置され、これにより例えばシャフトが回
転する場合に於ける軸ぶれに起因するトルク検出精度の
悪化が防止されてもよい。
【0083】更に上述の各実施形態に於いては、捩じり
トルクによる表面応力の伝達を抑制する窪んだ部分は円
周溝又は小径の部分であるが、窪んだ部分は例えば周方
向に部分的に延在する溝、周方向に互いに隔置して形成
された複数個の窪み等であってもよい。また磁気変化の
大きい領域又は磁気変化の小さい領域は例えばレーザや
電子ビームを熱源とする局部的表面処理によりシャフト
の表面部に形成されてもよい。
【0084】
【発明の効果】以上の説明より明らかである如く、本発
明の請求項1の構成によれば、軸線周りのトルクを受け
る軸部材には応力磁気効果による磁気変化の大きい領域
と小さい領域とが軸線に沿って形成され、軸部材には磁
界が与えられ、磁気検出手段により磁気変化の大きい領
域又は磁気変化の小さい領域の磁気が検出されるので、
軸部材に作用するトルクの大きさ及び方向を一つの磁気
検出手段により磁界の強さ及び方向として検出すること
ができる。
【0085】また請求項2の構成によれば、軸線周りの
トルクを受ける軸部材には応力磁気効果による磁気変化
の大きい領域と小さい領域とが軸線に沿って形成され、
軸部材には磁界が与えられ、第一の磁気検出手段により
磁気変化の大きい領域の磁気が検出され、第二の磁気検
出手段により磁気変化の小さい領域の磁気が検出される
ので、例えば二つの磁気検出手段の出力の線形和を求め
て各磁気検出手段により検出される磁界の強さのヒステ
リシス及び非線形性を相殺し消去することができ、これ
により軸部材に作用するトルクの大きさ及び方向を非常
に高精度に検出することができる。
【0086】更に請求項3の構成によれば、軸線周りの
トルクを受ける軸部材には応力磁気効果による磁気変化
の大きい領域と小さい領域とが軸線に沿って互いに隔置
して形成され、軸部材には磁界が与えられ、磁気検出手
段により磁気変化の大きい領域と磁気変化の小さい領域
との間にて軸部材に近接した位置の磁気が検出されるの
で、軸部材に作用するトルクの大きさ及び方向を一つの
磁気検出手段により磁界の強さ及び方向として高精度に
検出することができる。
【0087】また本発明によれば、磁歪管やその締まり
嵌めの加工は不要であり、軸部材の構成材料はトルクを
受ける部材に一般的に使用されている半硬質磁性体又は
軟質磁性体であってよく、更には温度変化による締まり
嵌めの引張り応力の変動等が発生しないので、温度変化
に拘らずトルクを正確に検出することができ、またトル
ク検出装置のコストを低減することができる。特に請求
項1又は3の構成によれば、磁気検出手段は一つでよい
ので、請求項2の構成の場合に比してトルク検出装置を
低廉に構成することができ、逆に請求項2の構成によれ
ば、請求項1又は3の構成の場合に比して高精度にトル
クを検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項2の構成に対応する本発明によるトルク
検出装置の第一の実施形態を示す概略構成図である。
【図2】第一の実施形態に於いてシャフトにトルクTが
作用した場合の磁界の変化を示す説明図である。
【図3】第一の実施形態に於いてシャフトにトルクTが
作用した場合に溝の両縁の近傍に発生する磁界を示す拡
大部分断面図である。
【図4】第一の実施形態に於いてシャフトにトルクTが
作用した場合のトルクTと二つの磁気検出装置の出力電
圧との間の関係を示すグラフである。
【図5】図4に示された二つの磁気検出装置の出力電圧
の線形和とトルクTとの間の関係を示すグラフである。
【図6】第一の実施形態の修正例として構成された本発
明によるトルク検出装置の第二の実施形態を示す概略構
成図である。
【図7】第一の実施形態の修正例として構成された本発
明によるトルク検出装置の第三の実施形態を示す概略構
成図である。
【図8】第一の実施形態の修正例として構成された本発
明によるトルク検出装置の四の実施形態である。
【図9】請求項3の構成に対応する本発明によるトルク
検出装置の第五の実施形態を示す概略構成図である。
【図10】第五の実施形態の修正例として構成された本
発明によるトルク検出装置の第六の実施形態を示す概略
構成図である。
【図11】第五の実施形態の修正例として構成された本
発明によるトルク検出装置の第七の実施形態を示す概略
構成図である。
【図12】第五の実施形態についてシャフトに作用する
トルクTと溝の両縁に現れる磁極による磁界Hx 及びH
y の強さとの間の関係を示すグラフである。
【図13】第五の実施形態についてシャフトに作用する
トルクTと磁気検出装置のヘッドに於ける磁界の強さと
の間の関係を示すグラフである。
【図14】請求項1の構成に対応する本発明によるトル
ク検出装置の第八の実施形態を示す概略構成図である。
【図15】第八の実施形態に於けるトルクTと磁気検出
装置の出力電圧との関係の一例を示すグラフである。
【図16】第八の実施形態の修正例として構成された本
発明によるトルク検出装置の第九の実施形態を示す概略
構成図である。
【図17】第八の実施形態の修正例として構成された本
発明によるトルク検出装置の第十の実施形態を示す概略
構成図である。
【図18】第八の実施形態の修正例として構成された本
発明によるトルク検出装置の第十一の実施形態を示す概
略構成図である。
【符号の説明】
10…シャフト 14、16…溝 14A、14B、16A、16B…応力磁気効果の不連
続部 18、20…磁気検出装置 22…信号処理装置 28…表示装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軸線周りのトルクを受ける軸部材であっ
    て、応力磁気効果による磁気変化の大きい領域と小さい
    領域とが軸線に沿って形成された軸部材と、前記軸部材
    に磁界を与える手段と、前記磁気変化の大きい領域又は
    前記磁気変化の小さい領域の磁気を検出する磁気検出手
    段とを含むトルク検出装置。
  2. 【請求項2】軸線周りのトルクを受ける軸部材であっ
    て、応力磁気効果による磁気変化の大きい領域と小さい
    領域とが軸線に沿って形成された軸部材と、前記軸部材
    に磁界を与える手段と、前記磁気変化の大きい領域の磁
    気を検出する第一の磁気検出手段と、前記磁気変化の小
    さい領域の磁気を検出する第二の磁気検出手段とを含む
    トルク検出装置。
  3. 【請求項3】軸線周りのトルクを受ける軸部材であっ
    て、応力磁気効果による磁気変化の大きい領域と小さい
    領域とが軸線に沿って互いに隔置して形成された軸部材
    と、前記軸部材に磁界を与える手段と、前記磁気変化の
    大きい領域と前記磁気変化の小さい領域との間の磁気を
    検出する磁気検出手段とを含むトルク検出装置。
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