JPH11101298A - 免振構造部のトリガー装置 - Google Patents

免振構造部のトリガー装置

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Publication number
JPH11101298A
JPH11101298A JP9267284A JP26728497A JPH11101298A JP H11101298 A JPH11101298 A JP H11101298A JP 9267284 A JP9267284 A JP 9267284A JP 26728497 A JP26728497 A JP 26728497A JP H11101298 A JPH11101298 A JP H11101298A
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JP
Japan
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vibration
locking force
generating mechanism
support base
isolation target
Prior art date
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Pending
Application number
JP9267284A
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English (en)
Inventor
Takeshi Yamawaki
武志 山脇
Yoshiyuki Fujiwara
義幸 藤原
Yukio Okuda
幸男 奥田
Kazuo Ebihara
和夫 海老原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Obayashi Corp
Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Obayashi Corp
Osaka Gas Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 免振装置がロック解除されたときに、免振対
象側の沈み込みが発生するのを防止するようにした免振
構造部のトリガー装置を提供する。 【解決手段】 所定の主係止力μ1 をもって係合部材5
6が定位置に維持されるとともに、該係合部材56に該
主係止力μ1 以上の下方への相対変位力が作用すると定
位置から離脱して一気に係止力が排除される主係止力発
生機構32を、免振装置の支持板26に設ける。可動床
の床面荷重が作用した免振装置の釣合い状態で、主係止
力発生機構32の係合部材56とセンター軸22とに跨
って連結され、これらセンター軸22と支持板26との
間に発生する上下相対変位力を主係止力発生機構32に
伝達する剛体状の連結部材30を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、支持基礎側に免振
装置を介して免振対象側を弾性支持する免振構造部にあ
って、常時は揺れを防止するために免振対象側を確実に
ロックし、所定以上の上下加速度が入力された時に免振
対象側のロックを解除して、免振装置の機能を発揮させ
るようにしたトリガー装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年では、免振装置の緩衝ばねの剛性を
低下することにより、免振装置によって弾性支持される
免振対象側の固有周期を長周期化し、もって地震等の外
部振動に対する免振効果を向上することが提案され、か
つ実際の建築物に適用されるに至っている。このような
免振構造は、コンピュータや精密測定装置などの精密機
器の設置フロアに適用して特に有効となる。
【0003】ところで、上記固有周期を長周期化するた
めに緩衝ばねの剛性を低下、つまり、緩衝ばねの弾発力
を小さくして柔らかくすると、人がフロアを歩行しただ
けでフロアが揺動してしまい、居住性を悪化させて不快
感を与えてしまうことになる。このため、従来では特公
昭55−41384号公報(Int.Cl.F16F 15/02 )に開
示されるように、振動外力が発生しない通常時は免振装
置をロック状態にして、フロアの上下揺動を阻止する一
方、地震などにより所定の上下加速度以上の振動力が入
力された時にロックを解除して、免振装置の本来の免振
機能を発揮させるようにしたトリガー装置が提案されて
いる。
【0004】また、上記トリガー装置として、例えば図
7に示すように免振装置1の上端部に取り付けたものが
ある。これは、支持基礎側となるセンター軸2の上端部
2aに第1受け部材3を取り付けるとともに、図外の緩
衝ばねの上側に配置されて、センター軸2に対して上下
移動自在の免振対象側となる支持板4に第2受け部材5
を取り付け、これら第1,第2受け部材3,5間に挟ま
れた状態でストッパー6が挿入される。このストッパー
6は、免振装置1の実負担荷重のほぼ10%程度の荷重
を負担させた状態で係止されるとともに、スプリング7
により常時引き抜き方向に付勢される。そして、地震な
ど振動外力によって発生する上下方向の加速度入力が、
上記ストッパーを係止した上記10%程度の負担荷重に
達すると、上記スプリング7によって該ストッパー6が
引き抜かれて、上記センター軸5と上記支持板4との自
由な上下相対移動が可能となる。従って、ストッパー6
が引き抜かれた後は、免振装置1の本来の免振機能が発
揮されるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来の免振構造部のトリガー装置にあっては、振動外力
の上下加速度が所定値以上になってストッパー6が引き
抜かれると、該ストッパー6が負担していたほぼ10%
程度の荷重が一気に解放されるため、この開放された荷
重が一気に免振装置に入力される。このとき、上述した
ように長周期化するために緩衝ばねの剛性を低下させた
場合には、フロアが急激に大きく沈み込むことになり、
床に大きな不陸を生じたり、人に不安感を与えてしまう
恐れがあるという課題があった。
【0006】そこで、本発明はかかる従来の課題に鑑み
て、免振装置がロック解除されたときに、免振対象側に
沈み込みが発生するのを防止するようにした免振構造部
のトリガー装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに本発明の請求項1に示す免振構造部のトリガー装置
は、免振装置を挟んで上下方向の相対変位が可能な支持
基礎側と免振対象側との間に設けられ、常時はこれら両
者の下方への相対変位をロックする一方、両者間に作用
する下方への相対変位力が所定値以上になったときにロ
ックを解除して、支持基礎側と免振対象側との間の上下
相対変位を許容する免振構造部のトリガー装置であっ
て、上記支持基礎側または上記免振対象側の一方に設け
られ、所定の主係止力をもって係合部材を定位置に維持
するとともに、該主係止力以上の下方への相対変位力が
作用することによって該係合部材を定位置から離脱させ
て一気に係止力を排除する主係止力発生機構と、上記免
振対象側の荷重が作用した上記免振装置の釣合い状態
で、上記主係止力発生機構の係合部材と、上記支持基礎
側または上記免振対象側の他方とに跨って設けられ、こ
れら支持基礎側と免振対象側との間に発生する下方への
相対変位力を上記主係止力発生機構の係合部材に伝達す
る剛体状の連結部材と、を備え、上記主係止力発生機構
の係合部材が定位置を維持する限りにおいて下方への変
位力に対し免振対象側を支持基礎側にロックする一方、
該主係止力発生機構の係合部材が定位置から離脱された
時点でロックを解除することを特徴とする。
【0008】ここで、本発明の請求項2に示すように、
上記請求項1に示す主係止力発生機構は、係止力の排除
方向に厚肉となる楔状の係合部材を、上記支持基礎側ま
たは上記免振対象側の一方に設けた支持壁に圧接し、こ
の圧接により上記主係止力に対応する摩擦力を得る構成
とすることができる。
【0009】また、本発明の請求項3に示す免振構造部
のトリガー装置は、免振装置を挟んで上下方向の相対変
位が可能な支持基礎側と免振対象側との間に設けられ、
常時はこれら両者の相対変位をロックする一方、両者間
に作用する上下相対変位力が所定値以上になったときに
ロックを解除して、支持基礎側と免振対象側との間の上
下相対変位を許容する免振構造部のトリガー装置であっ
て、上記支持基礎側または上記免振対象側の一方に設け
られ、所定の主係止力をもって係合部材を定位置に維持
するとともに、該主係止力以上の下方への相対変位力が
作用することによって該係合部材を定位置から離脱させ
て一気に係止力を排除する主係止力発生機構と、上記免
振対象側の荷重が作用した上記免振装置の釣合い状態
で、上記主係止力発生機構の係合部材と、上記支持基礎
側または上記免振対象側の他方とに跨って設けられ、こ
れら支持基礎側と免振対象側との間に発生する下方への
相対変位力を上記主係止力発生機構の係合部材に伝達す
る剛体状の連結部材と、該連結部材と上記支持基礎側ま
たは上記免振対象側の他方との間に設けられ、支持基礎
側と免振対象側との上下相対変位に対して副係止力を発
生させる副係止力発生機構と、を備え、上記主係止力発
生機構の係合部材が定位置を維持する限りにおいて下方
への変位力に対し免振対象側を支持基礎側にロックする
一方、該主係止力発生機構の係合部材が定位置から離脱
された時点でロックを解除するとともに、副係止力発生
機構で発生する副係止力により、免振対象側に発生する
微少な荷重変動で支持基礎側と免振対象側とが相対変位
するのを阻止することを特徴とする。
【0010】ここで、本発明の請求項4に示すように、
上記請求項3に示す主係止力発生機構は、係止力の排除
方向に厚肉となる楔状の係合部材を、上記支持基礎側ま
たは上記免振対象側の一方に設けた支持壁に圧接し、こ
の圧接により上記主係止力に対応する摩擦力を得る構成
とすることができる。
【0011】更に、本発明の請求項5に示すように、請
求項3の副係止力発生機構は、上記支持基礎側または上
記免振対象側の他方に設けられる鉛直摩擦板と、該鉛直
摩擦板に圧接される上記連結部材に一体の圧接部とから
なり、該圧接部が鉛直摩擦板に圧接されることにより上
記副係止力に対応する摩擦力を得る構成とすることがで
きる。
【0012】以上の構成により本発明の作用を以下述べ
ると、請求項1では、係合部材が主係止力をもって定位
置に維持される主係止力発生機構が、支持基礎側または
免振対象側の一方に設けられており、該主係止力発生機
構の係合部材は剛体状の連結部材を介して支持基礎側ま
たは免振対象側の他方に連結されるため、上記主係止力
発生機構の係合部材が定位置に維持されている限りにお
いて、下方への変位力に対し免振対象側を支持基礎側に
ロックすることができる。
【0013】従って、地震などの上下加速度が入力され
て、支持基礎側と免振対象側との間に上記主係止力発生
機構の主係止力以上の下方への相対変位力が発生された
場合には、これが上記連結部材を介して該主係止力発生
機構の係合部材に伝達される。すると、該主係止力発生
機構の係止力が一気に排除されてロックが解除されるた
め、支持基礎側と免振対象側との自由な上下相対変位が
許容され、免振装置による本来の免振機能が発揮され
る。
【0014】また、ここで上記主係止力発生機構は自己
の係止力で係合部材の定位置が維持されるようになって
おり、かつ、上記連結部材は、免振対象側の荷重が作用
した上記免振装置の釣合い状態で主係止力発生手段の係
合部材と支持基礎側または免振対象側とに跨って設けら
れているため、主係止力発生機構の係止力が排除される
時点まで、該免振装置は床荷重に対して静的な釣合い状
態を維持したままとなっており、係止力が排除される瞬
間に、緩衝ばねが負担する静的な床荷重の増大分はな
く、よって免振対象側に床荷重の変動に起因した沈み込
みが生ずるのを防止することができる。
【0015】また、請求項3では、上記請求項1の構成
に加えて連結部材と支持基礎側または免振対象側の他方
との間に副係止力発生機構を設け、該副係止力発生機構
により上下相対変位に対する副係止力を発生させるよう
にしたので、免振対象側に発生する人の体重や歩行など
の微少な荷重変動で支持基礎側と免振対象側とが相対変
位するのを阻止することができる。つまり、本発明のト
リガー装置が設置される際に、免振対象側に作業員が位
置して作業が行われた場合に、トリガー装置の設置作業
の完了によって作業員が免振対象側から居なくなると、
免振対象側には作業員の重量分に対応する荷重が軽減さ
れ、免振対象側は浮き上がり方向に緩衝ばねが作用しよ
うとする。このとき、上記副係止力発生機構の副係止力
により免振対象側が浮き上がるのを阻止することがで
き、このことによって該免振対象側を当初設定した所定
の高さレベルに保持することができる。
【0016】更に、請求項2及び4では、上記請求項1
あるいは3における主係止力発生機構の係合部材に、係
止力の排除方向に厚肉となる楔状の係合部材を用い、こ
の楔状係合部材を上記支持基礎側または上記免振対象側
の一方に設けた支持壁に圧接し、この圧接により上記主
係止力に対応する摩擦力を得るようにしたので、支持基
礎側と免振対象側との間に発生する下方への相対変位力
が該楔状係合部材の摩擦力以下である場合は、楔状係合
部材の定位置が確実に維持される。一方、上記下方への
相対変位力が上記摩擦力を越えた場合に、この摩擦力に
打ち勝って上記楔状係合部材が離脱方向に少しでも移動
すると、該楔状係合部材は支持壁との間に隙間が生じて
摩擦力が無くなるため、該楔状係合部材の主係止力が一
気に排除される。このように楔状係合部材を用いたこと
により、主係止力を排除するための機構を著しく簡便に
して、かつ、確実に作動させることができる。
【0017】更にまた、請求項5では、上記副係止力発
生機構を、上記支持基礎側または上記免振対象側の他方
に設けられる鉛直摩擦板と、該鉛直摩擦板に圧接される
上記連結部材に一体の圧接部とによって構成し、該圧接
部が鉛直摩擦板に圧接されることにより上記副係止力に
対応する摩擦力を得るようにしたので、上記鉛直摩擦板
を設けて、これに所定摩擦力を得るように上記圧接部を
常時圧接させておけばよく、その構造を著しく簡便にす
ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の好適な実施の形
態を添付図面を参照して詳細に説明する。図1から図5
は本発明の免振構造部のトリガー装置の一実施形態を示
し、図1は本実施形態に適用される免振装置の断面正面
図、図2はトリガー装置の要部を示す拡大正面図、図3
はトリガー装置の要部を示す拡大平面図、図4から図6
はトリガー装置の作動状態を順を追って示し、それぞれ
(a)で正面図、(b)でA方向の要部側面図を示す。
【0019】即ち、本実施形態は本発明の免振構造部の
トリガー装置10を免振床に適用した場合を例にとって
示したもので、図1に示すように免振装置12を挟んで
上下方向の相対変位が可能となった支持基礎側としての
固定床14と、免振対象側としての可動床16との上下
相対変位を規制するようになっている。上記トリガー装
置10は、常時はこれら固定床14と可動床16両者の
相対変位をロックする一方、地震などにより両者間に作
用する上下加速度が所定値以上になったときにロックを
解除して、固定床14と可動床16との間の相対変位を
許容するようになっている。
【0020】ここで、本実施形態における上記トリガー
装置10は、図2,図3に示すように上記可動床16に
設けられ、所定の主係止力μ1 をもって係合部材56を
定位置に維持するとともに、該主係止力μ1 以上の下方
への相対変位力が作用することによって係合部材56を
定位置から離脱させて一気に係止力を排除する主係止力
発生機構32と、上記可動床16の荷重が作用した上記
免振装置12の釣合い状態で、上記主係止力発生機構3
2の係合部材56と上記固定床14とに跨って設けら
れ、これら固定床14と可動床16との間に発生する下
方への相対変位力を上記主係止力発生機構32の係合部
材56に伝達する剛体状の連結部材30と、を備えて構
成される。また、更には該連結部材30と上記固定床1
4との間に設けられ、固定床14と可動床16との上下
方向の相対変位に対して副係止力μ2 を発生させる副係
止力発生機構45が設けられる。
【0021】上記免振装置12は、図1に示したように
緩衝ばね18の下端を支持するベースプレート20から
緩衝ばね18の中心を通るようにセンター軸22を立設
してある。一方、緩衝ばね18の上端を支持する上方板
24の中心部は、上記センター軸22に摺動自在に挿通
されるとともに、該上方板24の上方には上記可動床1
6を支持するための支持板26が所定間隔を設けて配置
される。該支持板26は上方板24と同様に中心部がセ
ンター軸22に挿通されており、該支持板26に作用す
る可動床16の荷重はボルト28を介して上記上方板2
4に支持される。そして、上記可動床16と上記支持板
26および上方板24とは一体となって上下移動するよ
うになっている。
【0022】ところで、上記緩衝ばね18は入力振動に
対して免振効果を向上するために、可動床16の固有周
期を長周期化するように弾発力を小さく設定するように
なっている。また、上記支持板26の中心部には、上記
センター軸22の外周に転動自在に嵌合されるボールベ
アリング26aが取り付けられ、該ボールベアリング2
6aを介して支持板16は、該センター軸22に低摩擦
状態で上下摺動される。そして、上記トリガー装置10
は、上記免振装置12の頂部に配置され、固定床14と
一体となる上記センター軸22の上端と、可動床16と
一体となる上記支持板26の上面とに跨って取り付けら
れる。
【0023】上記主係止力発生機構32は、上記支持板
26の上面にボルト48を介して固定される垂直な支持
壁50と、該支持壁50に形成した上下長孔50aに挿
通される第1アジャスタボルト52と、該第1アジャス
タボルト52の先端部に形成した鈎部52aと上記支持
壁50との間にスペーサ54を介して挟み込まれる楔状
の係合部材56とを備えて構成される。該楔状係合部材
56の上端部は所定長さだけ突出して配置され、その上
端に上記L字状部材34の水平部分34aの先端部下側
を当接させてある。
【0024】上記楔状係合部材56はスペーサ54との
当接側に、下方に行くに従って肉厚が増大するテーパ面
56aが形成され、この肉厚が増大する下方向が係止解
除方向となっており、かつ、上記スペーサ54の楔状係
合部材56が当接する側には、該テーパ面56aに沿っ
たテーパ面54aが形成されている。そして、上記第1
アジャスタボルト52に螺合するナット52aを締め付
けることにより、上記楔状係合部材56に主係止力とし
ての所定の摩擦力μ1 を発生させるようになっている。
また、上記楔状係合部材56が第1アジャスタボルト5
2を挿通する孔56bは上下長孔となっている。
【0025】上記連結部材30は、水平部分34aと垂
直部分34bとからなるL字状部材34と、該垂直部分
34bに上記センター軸22方向に向かって螺合され、
その先端部38aに圧接部36が固設される第2アジャ
スタボルト38とを備えて構成され、L字状部材34の
中間部34cは上記支持板26から立設される支柱40
に回動自在にピン42で結合されている。また、上記圧
接部36は図2に示したように第2アジャスタボルト3
8が水平方向を指向する状態で、該圧接部36の先端面
が、センター軸22の上端面22aにボルト44を介し
て固定される鉛直摩擦板46の壁面に対向し、第2アジ
ャスタボルト38の締め付け力により、これら圧接部3
6と鉛直摩擦板46との対向面間に副係止力として所定
の摩擦力μ2 を発生させるようになっている。
【0026】上記圧接部36は、その先端部が上記セン
ター軸22の上方投影面内に所定距離Lだけ進入して上
記鉛直摩擦板46に当接されるようになっており、か
つ、該圧接部36下側は、可動床16の荷重が作用した
上記免振装置12の釣合い状態でセンター軸22の上端
面22aに当接される。そして、上記センター軸22が
上記支持板26に対して相対的に上方に変位すると、該
センター軸22の上端が圧接部36を押し上げ、該圧接
部36と鉛直摩擦板46との当接状態を離脱させるとと
もに、押し上げ時の上方変位力Fが該圧接部36に入力
されるようになっている。ここで、上記主係止力発生機
構32の楔状係合部材56に発生される摩擦力μ1 は、
上記副係止力発生機構45に発生される摩擦力μ2 より
大きい値に設定し、かつ主係止力として必要な値に設定
される。
【0027】以上の構成により本実施形態の免振構造部
のトリガー装置10は、地震などの振動外力が入力され
ない通常時は、図4中(a)に示すように副係止力発生
機構45の圧接部36が鉛直摩擦板46に所定の摩擦力
μ2 をもって圧接されており、この摩擦力μ2 をもって
該圧接部36と上記鉛直摩擦板46との上下方向の相対
移動が阻止された状態となっている。また、この通常状
態では連結部材30を介して主係止力発生機構32には
何ら回動力が伝達されないため、該主係止力発生機構3
2は楔状係合部材56が図2に示す所定位置にセットさ
れた係止状態が保持され、図4中(b)に示すように第
1アジャスタボルト52は、該楔状係合部材56を締め
付けたときの圧接力をもって支持壁50の長孔50aの
上方に位置している。従って、この状態では支持板26
とセンター軸22とが連結部材30によって押さえられ
てロック状態にあり、可動床16は上下変位が阻止され
た状態にある。このため、剛性を小さくした緩衝ばね1
8で支持される可動床16は、人の歩行などの微少な振
動が入力された場合にも揺動が確実に防止される。
【0028】次に、地震などによってある程度大きな上
下加速度が入力された場合、図5に示すように支持板2
6の沈み込みによってセンター軸22の上端面22aで
圧接部36の下側を押し上げて、該圧接部36を鉛直摩
擦板46から離脱させる。また、このときの圧接部36
の押し上げ力(上方変位力)Fが連結部材30のL字状
部材34に作用し、該L字状部材34はピン42を中心
に時計回り方向に回転し、水平部分34aの先端部下側
で主係止力発生機構32の楔状係合部材56の上端を押
し下げる。このときのL字状部材34による押し下げ力
は、楔状係合部材56が係止される摩擦力μ1 より大き
いと、該楔状係合部材56は下方に移動する。すると、
該楔状係合部材56はテーパ面56aが形成されている
ため、少しの下方移動により該テーパ面56aの両側に
隙間が生じて摩擦力が無くなるため、該楔状係合部材5
6は落下される。
【0029】すると、図5中(b)に示すように該楔状
係合部材56の落下に伴って、第1アジャスタボルト5
2が長孔50aを落下し、この第1アジャスタボルト5
2の落下に伴って該楔状係合部材56を更に下方に落下
させて係止解除状態となる。この状態で上記L字状部材
34は、上記楔状係合部材56による回動規制が無くな
るため更に大きく時計方向に回動できるようになり、図
6中(a)に示すようにセンター軸22の上方に位置し
ていた圧接部36は、該センター軸22の上方から大き
く外れるとともに、センター軸22と支持板26の上下
方向の自由な相対移動が許容される。従って、この状態
で免振装置12は本来の免振機能を発揮し、地震などの
振動力から可動床16を免振することができる。尚、上
記L字状部材34が大きく回動される際、図2に示すス
トッパーピン58に当接されてそれ以上の回動が阻止さ
れる。
【0030】また、上記連結部材30と上記センター軸
22との間に副係止力発生機構45を設け、該副係止力
発生機構45により所定の摩擦力μ2 を発生させるよう
になっている。即ち、本実施形態のトリガー装置10が
設置される際に、免振装置12の支持板26上で作業員
が作業を行った場合に、トリガー装置10の設置完了に
よって作業員が該支持板26から居なくなると、該支持
板26には作業員の重量分に対応する荷重が軽減され
る。このとき、支持板26は浮き上がり方向に緩衝ばね
のばね力が作用するが、上記副係止力発生機構45の副
係止力μ2 により、該支持板26が浮き上がるのを阻止
して上記可動床16を所定レベルに保持することがで
き、該可動床16に不陸部分が発生するのを防止でき
る。また、上記副係止力発生機構45は上記作業時の荷
重軽減に限ることなく、可動床16を人が通行した際に
発生する浮き上がり方向の微少な荷重変動に対してもレ
ベル維持を図ることができる。
【0031】ところで、本実施形態にあっては主係止力
発生機構32を支持板26側に配置した場合を開示した
が、これに限ることなく主係止力発生機構32をセンタ
ー軸22側に配置して、該主係止力発生機構32と支持
板26との間を連結部材30で連結した場合にも、上記
実施形態と同様の作用・効果を発揮することができる。
この場合、副係止力発生機構45は連結部材30と支持
板26との間に設けられることになる。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1に
示す免振構造部のトリガー装置にあっては、係合部材が
主係止力をもって定位置に維持される主係止力発生機構
が、支持基礎側または免振対象側の一方に設けられてお
り、該主係止力発生機構の係合部材は剛体状の連結部材
を介して支持基礎側または免振対象側の他方に連結され
るため、上記主係止力発生機構の係合部材が定位置を維
持する限りにおいて免振対象側を下方への変位力に対し
支持基礎側にロックすることができる。一方、支持基礎
側と免振対象側との間に、上記主係止力発生機構の主係
止力を越える下方への相対変位力が発生された場合に
は、これが上記連結部材を介して該主係止力発生機構の
係合部材に伝達されて当該係合部材が定位置から離脱さ
れ、該主係止力発生機構の係止力が一気に排除されてロ
ックが解除されるため、支持基礎側と免振対象側との自
由な上下相対変位が許容され、免振装置による本来の免
振機能が発揮される。このとき、上記主係止力発生機構
の係合部材および上記連結部材の取付けは、免振対象側
の荷重が作用した免振装置の釣合い状態で行われるた
め、主係止力発生機構の係止力が排除される時点では免
振装置は静的に釣合い状態を維持したままとなってお
り、係止力が排除される瞬間に、緩衝ばねが負担する静
的な荷重の増大分はなく、よって免振対象側に荷重の変
動に起因した沈み込みが生ずるのを防止することがで
き、この点でも居住性の向上を図ることができる。
【0033】また、請求項3に示す免振構造部のトリガ
ー装置にあっては、上記請求項1の構成に加えて連結部
材と支持基礎側または免振対象側の他方との間に副係止
力発生機構を設け、該副係止力発生機構により上下相対
変位に対する副係止力を発生させるようにしたので、免
振対象側に発生する人の体重や歩行などの微少な荷重変
動で支持基礎側と免振対象側とが相対変位するのを阻止
することができる。従って、トリガー装置の設置完了に
よって作業員が免振対象側から居なくなって、作業員の
重量分に対応する荷重が軽減された場合にも、免振対象
側が浮き上がるのを阻止することができるだけでなく、
免振対象側のフロアに不陸部分が発生するのを防止して
該免振対象側を当初設定した所定の高さレベルに保持す
ることができる。
【0034】更に、請求項2及び4では、上記請求項1
あるいは3における主係止力発生機構の係合部材に、係
止力の排除方向に厚肉となる楔状の係合部材を用い、こ
の楔状係合部材を上記支持基礎側または上記免振対象側
の一方に設けた支持壁に圧接し、この圧接により上記主
係止力に対応する摩擦力を得るようにしたので、支持基
礎側と免振対象側との間に発生する下方への相対変位力
が該楔状係合部材の摩擦力以下である場合は、楔状係合
部材の定位置が確実に維持される。一方、上記下方への
相対変位力が上記摩擦力を越えた場合に、この摩擦力に
打ち勝って上記楔状係合部材が離脱方向に少しでも移動
すると、該楔状係合部材は支持壁との間に隙間が生じて
摩擦力が無くなるため、該楔状係合部材の主係止力が一
気に排除される。このように楔状係合部材を用いたこと
により、主係止力を排除するための機構を著しく簡便に
して、かつ、確実に作動させることができる。
【0035】更にまた、請求項5では、上記副係止力発
生機構を、上記支持基礎側または上記免振対象側の他方
に設けられる鉛直摩擦板と、該鉛直摩擦板に圧接される
上記連結部材に一体の圧接部とによって構成し、該圧接
部が鉛直摩擦板に圧接されることにより上記副係止力に
対応する摩擦力を得るようにしたので、上記鉛直摩擦板
を設けて、これに所定摩擦力を得るように上記圧接部を
常時圧接させておけばよく、その構造を著しく簡便にす
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態が適用される免振装置の断
面正面図である。
【図2】本発明の一実施形態を示すトリガー装置の拡大
正面図である。
【図3】本発明の一実施形態を示すトリガー装置の拡大
平面図である。
【図4】本発明の一実施形態を示すトリガー装置の通常
状態を、(a)の正面図、(b)の要部側面図として示
す作動説明図である。
【図5】本発明の一実施形態を示すトリガー装置の主係
合力発生機構の離脱状態を、(a)の正面図、(b)の
要部側面図として示す作動説明図である。
【図6】本発明の一実施形態を示すトリガー装置の解除
状態を、(a)の正面図、(b)の要部側面図として示
す作動説明図である。
【図7】従来のトリガー装置を示す正面図である。
【符号の説明】
10 トリガー装置 12 免振装置 14 固定床(支持基礎側) 16 可動床(免振対象側) 18 緩衝ばね 22 センター軸(支持基礎側) 26 支持板(免振対象側) 30 連結部材 32 主係止力発生機構 45 副係止力発生機構 46 鉛直摩擦板 50 支持壁 56 楔状係合部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥田 幸男 東京都千代田区神田司町2丁目3番地 株 式会社大林組東京本社内 (72)発明者 海老原 和夫 東京都千代田区神田司町2丁目3番地 株 式会社大林組東京本社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 免振装置を挟んで上下方向の相対変位が
    可能な支持基礎側と免振対象側との間に設けられ、常時
    はこれら両者の下方への相対変位をロックする一方、両
    者間に作用する下方への相対変位力が所定値以上になっ
    たときにロックを解除して、支持基礎側と免振対象側と
    の間の上下相対変位を許容する免振構造部のトリガー装
    置であって、 上記支持基礎側または上記免振対象側の一方に設けら
    れ、所定の主係止力をもって係合部材を定位置に維持す
    るとともに、該主係止力以上の下方への相対変位力が作
    用することによって該係合部材を定位置から離脱させて
    一気に係止力を排除する主係止力発生機構と、 上記免振対象側の荷重が作用した上記免振装置の釣合い
    状態で、上記主係止力発生機構の係合部材と、上記支持
    基礎側または上記免振対象側の他方とに跨って設けら
    れ、これら支持基礎側と免振対象側との間に発生する下
    方への相対変位力を上記主係止力発生機構の係合部材に
    伝達する剛体状の連結部材と、 を備え、 上記主係止力発生機構の係合部材が定位置を維持する限
    りにおいて下方への変位力に対し免振対象側を支持基礎
    側にロックする一方、該主係止力発生機構の係合部材が
    定位置から離脱された時点でロックを解除することを特
    徴とする免振構造部のトリガー装置。
  2. 【請求項2】 上記主係止力発生機構は、係止力の排除
    方向に厚肉となる楔状の係合部材を、上記支持基礎側ま
    たは上記免振対象側の一方に設けた支持壁に圧接し、こ
    の圧接により上記主係止力に対応する摩擦力を得る構成
    としたことを特徴とする請求項1に記載の免振構造部の
    トリガー装置。
  3. 【請求項3】 免振装置を挟んで上下方向の相対変位が
    可能な支持基礎側と免振対象側との間に設けられ、常時
    はこれら両者の相対変位をロックする一方、両者間に作
    用する上下相対変位力が所定値以上になったときにロッ
    クを解除して、支持基礎側と免振対象側との間の上下相
    対変位を許容する免振構造部のトリガー装置であって、 上記支持基礎側または上記免振対象側の一方に設けら
    れ、所定の主係止力をもって係合部材を定位置に維持す
    るとともに、該主係止力以上の下方への相対変位力が作
    用することによって該係合部材を定位置から離脱させて
    一気に係止力を排除する主係止力発生機構と、 上記免振対象側の荷重が作用した上記免振装置の釣合い
    状態で、上記主係止力発生機構の係合部材と、上記支持
    基礎側または上記免振対象側の他方とに跨って設けら
    れ、これら支持基礎側と免振対象側との間に発生する下
    方への相対変位力を上記主係止力発生機構の係合部材に
    伝達する剛体状の連結部材と、 該連結部材と上記支持基礎側または上記免振対象側の他
    方との間に設けられ、支持基礎側と免振対象側との上下
    相対変位に対して副係止力を発生させる副係止力発生機
    構と、 を備え、 上記主係止力発生機構の係合部材が定位置を維持する限
    りにおいて下方への変位力に対し免振対象側を支持基礎
    側にロックする一方、該主係止力発生機構の係合部材が
    定位置から離脱された時点でロックを解除するととも
    に、副係止力発生機構で発生する副係止力により、免振
    対象側に発生する微少な荷重変動で支持基礎側と免振対
    象側とが相対変位するのを阻止することを特徴とする免
    振構造部のトリガー装置。
  4. 【請求項4】 上記主係止力発生機構は、係止力の排除
    方向に厚肉となる楔状の係合部材を、上記支持基礎側ま
    たは上記免振対象側の一方に設けた支持壁に圧接し、こ
    の圧接により上記主係止力に対応する摩擦力を得る構成
    としたことを特徴とする請求項3に記載の免振構造部の
    トリガー装置。
  5. 【請求項5】 上記副係止力発生機構は、上記支持基礎
    側または上記免振対象側の他方に設けられる鉛直摩擦板
    と、該鉛直摩擦板に圧接される上記連結部材に一体の圧
    接部とからなり、該圧接部が鉛直摩擦板に圧接されるこ
    とにより上記副係止力に対応する摩擦力を得る構成とし
    たことを特徴とする請求項3または4のいずれかに記載
    の免振構造部のトリガー装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011085248A (ja) * 2009-10-19 2011-04-28 Ohbayashi Corp 上下免震装置
KR20240016570A (ko) * 2022-07-29 2024-02-06 연세대학교 원주산학협력단 낙상 시 부상을 방지하기 위한 바닥 시스템

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JP2011085248A (ja) * 2009-10-19 2011-04-28 Ohbayashi Corp 上下免震装置
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