JPH11100401A - 環状オリゴ糖及びそれを含むレトロウイルス性疾患の予防または治療剤 - Google Patents

環状オリゴ糖及びそれを含むレトロウイルス性疾患の予防または治療剤

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JPH11100401A
JPH11100401A JP10187286A JP18728698A JPH11100401A JP H11100401 A JPH11100401 A JP H11100401A JP 10187286 A JP10187286 A JP 10187286A JP 18728698 A JP18728698 A JP 18728698A JP H11100401 A JPH11100401 A JP H11100401A
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cyclic
salt
oligosaccharide
sulfate
retrovirus
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Kouichirou Tobe
光一朗 戸邉
Minoru Saito
實 斉藤
Shoichi Tokutake
昌一 徳武
Satoru Kitao
悟 北尾
Tetsuya Oguma
哲哉 小熊
Kahee Fujita
佳平衛 藤田
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Kikkoman Corp
Noda Institute for Scientific Research
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Kikkoman Corp
Noda Institute for Scientific Research
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
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    • C08B37/0006Homoglycans, i.e. polysaccharides having a main chain consisting of one single sugar, e.g. colominic acid
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    • C08BPOLYSACCHARIDES; DERIVATIVES THEREOF
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    • C08B37/0012Cyclodextrin [CD], e.g. cycle with 6 units (alpha), with 7 units (beta) and with 8 units (gamma), large-ring cyclodextrin or cycloamylose with 9 units or more; Derivatives thereof

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 少なくとも1個のS-オキソ酸基が結合し
ている、グルコースがα-1,6結合で環状に結合した環状
オリゴ糖またはそれらの塩類及び上記のオリゴ糖または
それらの塩類を有効成分として含むレトロウイルス性疾
患の予防または治療剤。 【効果】 新規硫酸化環状イソマルトオリゴ糖は、エイ
ズをはじめとする、種々のレトロウイルスの宿主細胞へ
の感染に対して、その感染を極めて効果的に阻害するこ
とから、レトロウイルス起因性の疾患に対して著しい予
防及び治療効果がある。従って、該オリゴ糖は、医薬品
分野におけるレトロウイルス性疾患の予防または治療剤
として利用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な環状オリゴ
糖及びそれを含むレトロウイルス性疾患の予防または治
療剤に関する。
【0002】
【従来の技術】環状イソマルトオリゴ糖は、グルコース
がα-1,6結合により 7〜9 個環状に連結した環状オリゴ
糖である。環状イソマルトオリゴ糖は、分子内部に空洞
があり、しかもこの空洞内部が、環状デキストリン(以
下、CDと略称する。)と同様に、疎水性になっているた
め、包接作用があり、各種油性物質を取り込む性質を有
している。環状イソマルトオリゴ糖は、この様な性質を
持っているため、食品工業、化成品工業、医薬品工業等
の分野での実用化が期待されている。また、環状イソマ
ルトオリゴ糖は、CDと異なる性質として、虫歯菌が生産
するグルカン合成酵素の作用を特異的に阻害する。その
結果、虫歯の原因となる歯垢の生成が著しく抑制される
ことから、抗う蝕剤としての利用も期待されている。
【0003】従来より、レトロウイルス性特にエイズウ
イルス性疾患の予防及び治療を目的として、レトロウイ
ルスのRNAをDNAに転写する逆転写酵素阻害剤である、ア
ジトチミジン(AZT)、ジデオキシイノシン(DDI)等の
核酸アナログや、レトロウイルス由来のプロテアーゼ阻
害剤等が利用されてきた。しかしながら、AZT等の核酸
アナログは、長期投与により、骨髄障害を起こしたり、
急性膵炎や末梢神経障害等の副作用、あるいは、これら
の薬剤に対する耐性ウイルスの出現等が問題となってい
る。また、プロテアーゼ阻害剤も、長期投与により耐性
ウイルスの出現等が問題となっている。このような観点
から、エイズ等の治療は、現在異なった作用機作を持つ
薬剤を複数併用することにより行なわれているが、長期
投与による副作用の問題や、新たなる耐性ウイルスの出
現の可能性の問題が常にある。
【0004】一方、1987年に、デキストラン硫酸を代表
とする硫酸化多糖が、前述した薬剤とは全く異なった作
用点として、エイズウイルスのT細胞表面のCD4レセプタ
ーへの結合を著しく阻害することが明らかとなった。こ
れらの硫酸化多糖は、細胞毒性が極めて低く、安価であ
るため、その実用化が期待された。しかしながら、これ
らの硫酸化多糖は、インヴィトロ(in vitro)では、著し
い効果を示すにもかかわらず、インヴィヴォ(in vivo)
においては、阻害活性が認められなかった。その理由と
して、分子量が大き過ぎて、吸収されにくい、あるい
は、生体内で多糖が分解してしまう等の可能性が指摘さ
れた。この欠点を補うべく登場したのが、硫酸化CD誘導
体であった。しかしながら、本物質は比較的容易に生体
に吸収されるものの、CD由来の強い溶血活性に問題があ
る可能性があり、いまだ実用化には至っていないのが現
状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、新規
な環状オリゴ糖及びそれを含むレトロウイルス性疾患の
予防または治療剤を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は、環状イ
ソマルトオリゴ糖について鋭意検討した結果、その新規
な誘導体化合物である硫酸化環状イソマルトオリゴ糖が
エイズ(AIDS、後天性免疫不全症侯群)ウイルスのgp12
0とT細胞のCD4レセプターとの結合を阻害することを見
出し、この知見にもとづいて本発明を完成するに至っ
た。
【0007】すなわち本発明は、少なくとも 1個のS-オ
キソ酸基が結合している、グルコースがα-1,6結合で環
状に結合した環状オリゴ糖またはそれらの塩類である。
そして、上記環状オリゴ糖としては 7〜9 個のグルコー
スからなるものが挙げられる。また、本発明は次の一般
式(I)
【0008】
【化4】
【0009】〔式中のXはSO3M(Mは水素原子、アルカリ
金属、アルカリ土類金属、アンモニア、有機アミンであ
る)又はHであり、各構成糖におけるXは同一であっても
異なってもよく、かつSO3MであるXの総数は 7〜11であ
る、Mは上記と同義である〕で表される硫酸化環状イソ
マルトオクタオース又はそれらの塩類、次の一般式(I
I)
【0010】
【化5】
【0011】〔式中のXはSO3M(Mは水素原子、アルカリ
金属、アルカリ土類金属、アンモニア、有機アミンであ
る)又はHであり、各構成糖におけるXは同一であっても
異なってもよく、かつSO3MであるXの総数は 6〜10であ
る、Mは上記と同義である〕で表される硫酸化環状イソ
マルトヘプタオース又はそれらの塩類、および次の一般
式(III)
【0012】
【化6】
【0013】〔式中のXはSO3M(Mは水素原子、アルカリ
金属、アルカリ土類金属、アンモニア、有機アミンであ
る)又はHであり、各構成糖におけるXは同一であっても
異なってもよく、かつSO3MであるXの総数は8〜12であ
る、Mは上記と同義である〕で表される硫酸化環状イソ
マルトノナオース又はそれらの塩類である。さらに、本
発明は、一般式(I)中のSO3MであるXの合計数が9であ
り、MがNa又は NH4である環状イソマルトオクタオース
ヘプタデカ硫酸エステルの塩類である。
【0014】さらに、本発明は、環状イソマルトオリゴ
糖とS-オキソ酸とを反応させることにより得られるS-オ
キソ酸基含有環状オリゴ糖またはそれらの塩類が挙げら
れる。上記環状イソマルトオリゴ糖としては、微生物由
来のもの又は化学合成により得られるものが挙げられ
る。上記環状オリゴ糖としては、硫酸化環状イソマルト
オリゴ糖が挙げられ、そして、該硫酸化環状イソマルト
オリゴ糖としては分子量400〜4,000、好ましくは、1,40
0〜3,800のもの、S含量2〜25%、好ましくは5〜24%、
さらに好ましくは15〜20%のものが挙げられる。
【0015】さらに、本発明は、上記環状オリゴ糖また
はそれらの塩類を有効成分として含むレトロウイルス性
疾患の予防または治療剤である。前記レトロウイルス性
疾患としてはPGL(進行性一般リンパ腺症) 、LAS(リンフ
ォアデノパシー症侯群)、ARC(エイズ関連コンプレック
ス)、AIDS(後天性免疫不全症候群)、成人T細胞白血病ま
たは川崎病が挙げられる。
【0016】また、上記レトロウイルスとしてはヒトレ
トロウイルスが挙げられ、その例としてHTLV-III(ヒト
Tリンパ球嗜好性ウイルスIII 型)、LAV及びARV等のHIV
、HTLV-I(ヒトTリンパ球嗜好性ウイルスI 型)、HTLV-
II(ヒトTリンパ球嗜好性ウイルスII型)または川崎病ウ
イルスが挙げられる。さらに、上記レトロウイルスとし
てはヒト以外の動物のレトロウイルスが挙げられ、その
例としてとりミエロブラストシスウイルスまたはフレン
ド白血病ウイルスが挙げられる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の式(I)の硫酸化環状イソマルトオクタオース
又はそれらの塩類、式(II)の硫酸化環状イソマルトヘ
プタオース又はそれらの塩類及び式(III)の硫酸化環
状イソマルトノナオース又はそれらの塩類は、いかなる
方法で入手してもよいが、例えば、環状イソマルトオク
タオース、環状イソマルトヘプタオース又は環状イソマ
ルトノナオース(以下この3種を環状イソマルトオリゴ
糖と略す)を硫酸化し、次いで塩にすることによって得
られる。出発原料となる環状イソマルトオリゴ糖は既知
物質であり、次の一般式(IV)
【0018】
【化7】
【0019】(式中、zは 7〜9 である)で表される。
そして、式(IV)の化合物でzが8の場合、環状イソマ
ルトオクタオース、zが7の場合、環状イソマルトヘプ
タオース、zが9の場合、環状イソマルトノナオースで
ある。これら環状イソマルトオリゴ糖類は、市販のデキ
ストランに環状イソマルトオリゴ糖合成酵素又はバチル
ス属に属し、前記環状イソマルトオリゴ糖合成酵素生産
能を有する微生物、例えばバチルス・エスピー.T-3040
(FERM BP-4132)を作用させることにより得ることがで
きる(特開平7-8276号公報参照)。
【0020】次に本発明に用いられる環状イソマルトオ
リゴ糖の硫酸化剤としては、例えばピリジン−SO3
体、トリメチルアミン−SO3錯体、ピペリジン硫酸、ク
ロロスルホン酸、無水硫酸、濃硫酸等が挙げられる。こ
れらを用いて環状イソマルトオリゴ糖を硫酸化するので
あるが、その方法は如何なる方法でもよい。通常環状イ
ソマルトオリゴ糖を20〜200倍量(重量比)のN,N−ジメ
チルホルムアミド(DMF)又はジメチルスルホキシド(DMS
O)中に溶解し、環状イソマルトオリゴ糖に対して硫酸化
剤を3〜100倍モル当量、好ましくは20 〜50倍モル当量
加えて、50〜120℃、好ましくは副反応を避けるため60
〜80℃で反応させる。反応時間は硫酸化剤の種類、温
度、溶媒、濃度等に影響されるが通常2〜24時間であ
る。
【0021】得られた生成物の精製には通常の方法が用
いられるが、例えばSephadex LH-20、トヨパールHW-20
等のゲルカラム、シリカゲルカラムを用いたカラムクロ
マトグラフィー法を用いることができる。また必要に応
じて強酸性陽イオン交換樹脂AG50W 、Dowex 50W 、アン
バーライトIR-120を用いて硫酸エステル基をフリー(−
OSO3Hフォーム)にすることもできるし、さらに例えばN
aOH、KOH、アンモニア水、トリエチルアミン等の所望の
塩基をフリーの硫酸エステル体に加えて、硫酸エステル
塩へ導くこともできる。
【0022】このようにして得られる前記一般式
(I)、(II)及び(III)で表される硫酸化環状イソ
マルトオリゴ糖又はそれらの塩類の具体例としては環状
イソマルトオクタオース21,31,22,32,23,33,24,34,25,3
5,26,36,27,37,28,38,48-ヘプタデカ -O- スルフェー
ト、環状イソマルトオクタオース21,31,22,32,23,33,
24,34,25,3 5,26,36,27,37,28,38- ヘキサデカ-O-スル
フェートナトリウム塩、環状イソマルトオクタオース-2
1,31,22,32,42,23,33,24,34,25,35,45,26,36,27,37,28,
38,48-ノナデカ-O-スルフェートカリウム塩、環状イソ
マルトオクタオース−21,22,32 ,23,33,24,34,25,35,
26,36,27,37,28,38- ペンタデカ-O-スルフェートアンモ
ニウム塩、環状イソマルトオクタオース-21,31,22,32,2
3,33,43,24,25,35,45,26,36 ,27,37,28,38,48- オクタ
デカ-O-スルフェートトリエチルアミン塩、環状イソマ
ルトヘプタオース21,31,22,32,23,33,24,34,25,35,26,3
6,27,37,47-ペンタデカ-O-スルフェート、環状イソマル
トヘプタオース21,31,22,32,23,33,24,34,25,35,26,36,
27,37-テトラデカ-O-スルフェートアルミニウム塩、環
状イソマルトヘプタオース-21,31,22,32,42,23,33,24,3
4,25,35,45,26,36,27,37,47-ヘプタデカ-O-スルフェー
トカルシウム塩、環状イソマルトヘプタオース-21,22,3
2,23,33,24,34,25,35,26,36,27,37-トリデカ-O-スルフ
ェートカリウム塩、環状イソマルトヘプタオース-21,
31,22,32,23,33,43,24,25,35,45,26,36,27,37,47-ヘキ
サデカ-O-スルフェートトリメチルアミン塩、環状イソ
マルトノナオース21,31,22,32,23,33,24,34,25,35,26,3
6,27,37,28,38,29,39,49-ノナデカ-O-スルフェート、環
状イソマルトノナオース21,31,22,32,23,33,24,34,25,3
5,26,36,27,37,28,38,29,39-オクタデカ-O-スルフェー
トアンモニウム塩、環状イソマルトオクタオース-21,
31,22 ,32,42,23,33,24,34,25,35,45,26,36,27,37,28,3
8,48,29,39- ヘンエイコサ-O-スルフェートナトリウム
塩等が挙げられる。なお上記文中の数字の右肩に付けた
数字は、環状イソマルトオリゴ糖の連続する各グルコー
ス残基を区別するため、夫々の残基に便宜的に付けたナ
ンバーである。
【0023】一方、本発明で得られた硫酸化環状イソマ
ルトオリゴ糖がその予防または治療剤として使用できる
疾患は、レトロウイルス性疾患ならば、如何なる疾患で
もよく、例えば、エイズ、ARC、PGL、LAS、及び無症状
エイズウイルス保有者の発病阻止等が挙げられる。
【0024】投与方法としては、例えば、経口、肛門、
鼻、局所(舌下を含む)、膣、注射(皮下、筋肉内、静
脈内、皮内を含む)、塗布等の任意の方法をとりうる。
また、有効成分を前記の投与方法に適した有機または無
機の固体又は液体賦形剤のような医薬用担体と混合し、
常用の医薬製剤の形で投与できる。このような製剤とし
ては、例えば、錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤等の固
体、及び液剤、乳剤、懸濁剤等の液体や軟膏が含まれ
る。
【0025】さらに、投与量としては、体内において、
目的とする治療効果を生ずるに充分な量あれば如何なる
量でもよく、例えば、抗ウイルス活性をもたらす血中濃
度を生ずる用量は、0.1〜800mg/kg、好ましくは、0.4〜
300mg/kgを1日 1〜数回に投与するか、または持効性製
剤として投与する。
【0026】<参考例1> 環状イソマルトオクタオー
ス(以下、CI-8と略称する)の製造 1%デキストラン40(名糖産業社製)、1 %ペプトン
(極東製薬工業社製)、0.5% NaCl及び0.1%イースト
エキス(ディフコ社製)からなる液体培地(水道水使
用、pH 7.0)100mlを500ml容坂口フラスコに分注し、 1
20℃で20分間殺菌処理を行なったものに、バチルス・エ
スピー.T-3040菌株(FERM BP-4132)保存スラントより
1白金耳接種し、30℃で1日間振盪培養して培養物を得
た。
【0027】本培養液1000mlを上記と同様の培地組成と
殺滅菌条件により調製した300Lの培地を含有する500L容
タンクに接種し、30℃、0.25vvm、70rpm の条件で3日
間通気撹拌培養を行ない、培養終了後、培養液300L を
マイクローザ(旭化成工業社製、限外濾過膜、登録商標
名)を用いた膜処理により除菌し、得られた除菌液を更
に分子量6000カットのフォロファイバーにより6.3Lに迄
濃縮した後、濃縮液を900mlずつ−20℃に凍結保存し
た。
【0028】この濃縮液の一部を、デキストラン(名糖
産業社製)100gを10mMリン酸緩衝液(pH6.5)10Lに溶解し
た水溶液と混合し、40℃で48時間インキュベーションを
行なった。活性炭を加えて煮沸することにより反応を停
止させ、かつ未反応のデキストランを吸着させた。活性
炭を除去した上清液を脱イオン水で平衡化した活性炭カ
ラムに掛け、脱イオン水で洗浄後、エタノール濃度勾配
により吸着したオリゴ糖を溶出した。環状オリゴ糖画分
を集め、濃縮した後、脱イオン水で平衡化したODS カラ
ムに掛けた。脱イオン水で洗浄後、エタノール濃度勾配
によりオリゴ糖を溶出し、各環状イソマルトオリゴ糖画
分を集め、CI-8 4.6g を得た。なお、他の環状イソマル
トオリゴ糖成分として同時に環状イソマルトヘプタオー
ス2.1g、及び環状イソマルトノナオース1.0gを得た(特
開平 7−8276号公報参照) 。
【0029】
【実施例】以下に、該オリゴ糖の生成及び応用例に関し
て実施例を示すが、本発明は、これらに限定されるもの
ではない。 〔実施例1〕環状イソマルトオクタオース-ヘプタデシ
ル-O-スルフェートナトリウム塩の合成 環状イソマルトオクタオース1.037g(0.800mmol)をDMF4
0mlに溶解し、トリメチルアミン・SO3錯体 4.0g(0.029m
ol)を添加し、激しく攪拌しながら、70℃で24時間反応
させた。粘性のある褐色の固体の反応生成物が生じたこ
とを確認後、DMFをデカンテーションにより除去した。
次いで反応生成物に6%(w/v)の酢酸ナトリウム溶液(約
200ml)を加えて溶解させ、溶液の pHを7.0に調整し
た。この溶解液にエタノール 500mlを加え、生じた沈澱
物をグラスフィルターで濾取し、得られた濾取物を水に
溶解したのち凍結乾燥した。得られた凍結乾燥物の内2
gを取り、水40mlを加えて溶解して5%(w/v)溶液とし
た。
【0030】この水溶液をSephadex LH-20カラムクロマ
トグラフィー(φ25mm×720mm )に付し、水を溶離液と
して1.0 ml/minの流速で溶出した。溶出のプロファイル
を図1に示した。図 1中に矢印で示した目的の画分を集
めて凍結乾燥し、環状イソマルトオクタオース-ヘプタ
デシル-O-スルフェートナトリウム塩 1.7gを得た。
【0031】〔実施例2〕環状イソマルトヘプタオース
-ペンタデシル-O-スルフェートナトリウム塩の合成 環状イソマルトヘプタオース1.026 g(0.900 mmol)をDM
F 40mlに溶解し、ピリジン・SO3錯体 4.0g ( 0.025 mo
l)を添加し、激しく攪拌しながら、70℃で6時間反応さ
せた。粘性のある褐色の固体の反応生成物が生じたこと
を確認後、DMFをデカンテーションにより除去した。反
応生成物を水10mlに溶解し、Dowex 50W-X8(H+型)カラ
ムクロマトグラフィー(φ30mm×200mm )に付し、水で
溶出した。溶出液を集め 0.2 Nの水酸化ナトリウム溶液
でpH 7.0 に調整した後、これを減圧下濃縮して、20%
(w/v)溶液10mlとした。
【0032】この濃縮液をTOYOPEARL HW-40(東ソー製)
カラムクロマトグラフィー(φ50mm×450mm)に付し、
水を溶離液として1.0ml/min の流速で溶出した。溶出液
は15mlずつ分取し、TLC ( シリカゲルプレート 展開
液;n-プロパノール:酢酸エチル:水= 7:3:6 v/v/v)
及びHPLC(TSKgel G3000SWXLφ7.8mm×300mm, 2本溶離
液;0.2 M 硝酸ナトリウム)で分析した。目的画分を集
め、活性炭で脱色したのち減圧下濃縮し、次いで凍結乾
燥して環状イソマルトヘプタオース-ペンタデシル-O-ス
ルフェートナトリウム塩1.6 g を得た。
【0033】〔実施例3〕環状イソマルトノナオース-
ノナデシル-O-スルフェートナトリウム塩の合成 原料に環状イソマルトノナオース1.021g(0.700mmol)
を用いること以外、実施例1と同様の方法を用いて、環
状イソマルトノナオース-ノナデシル-O-スルフェートナ
トリウム塩1.7gを得た。
【0034】〔実施例4〕環状イソマルトオクタオース
-ヘプタデシル-O-スルフェートアンモニウム塩の合成 実施例1と同様の方法で合成した硫酸化環状イソマルト
オクタオースナトリウム塩 5g を水100mlに溶解し、Dow
ex 50W-X8(H+型)カラムクロマトグラフィー(φ30mm
×200mm )に付し、水で溶出した。溶出液を集めアンモ
ニア水溶液を加えて pH8.5 とした。これを減圧下濃縮
し、20% 溶液約 20ml を得た。
【0035】この濃縮液をSephadex LH-20カラムクロマ
トグラフィー(φ50mm×450mm )に付し、水を溶離液と
して1.0ml/min の流速で溶出した。溶出液は15mlずつ分
取し、TLC(シリカゲルプレート展開液;nープロパノー
ル:酢酸エチル:水=7:3:6)及び HPLC(TSKgel G3000S
WXLφ7.8mm ×300mm 、2本溶離液0.2M硝酸ナトリウム)
で分析した。目的の画分を集めて活性炭で脱色し、得ら
れた脱色液を減圧下に濃縮し、次いで凍結乾燥して環状
イソマルトオクタオース-ヘプタデシル-O-スルフェート
アンモニウム塩3.5gを得た。
【0036】
【0037】〔実施例5〕環状イソマルトヘプタオース
-ペンタデシル-O-スルフェートアンモニウム塩の合成実
施例2と同様の方法で合成した環状イソマルトヘプタオ
ース-ペンタデシル-O-スルフェートナトリウム塩 1g を
用いること以外、実施例4と同様の方法を用いて環状イ
ソマルトヘプタオース-ペンタデシル-O-スルフェートア
ンモニウム塩 0.7g を得た。
【0038】
【0039】〔実施例6〕環状イソマルトノナオース-
ノナデシル-O-スルフェートアンモニウム塩の合成 実施例3と同様の方法で合成した環状イソマルトノナオ
ース-ノナデシル-O-スルフェートナトリウム塩 2g を用
いること以外、実施例4と同様の方法を用いて環状イソ
マルトノナオース-ノナデシル-O-スルフェートアンモニ
ウム塩1.2gを得た。
【0040】
【0041】〔実施例7〕イオンクロマトによる硫酸イ
オンの定量 実施例1により調製した硫酸化CI-8ナトリウム10mgを、
0.2Nの塩酸水溶液に溶解した後、密封下で、95℃、16時
間塩酸加水分解を行った。得られた加水分解液を直ち
に、イオンクロマト分析により、遊離した硫酸イオンを
定量した。その結果、硫酸基は、1分子の硫酸化CI-8に1
5〜20残基含まれていることが判明した。
【0042】<参考例2>環状イソマルトオクタオース
-ヘプタデシル-O-スルフェートアンモニウム塩のメチル
化分析 充分に乾燥した環状イソマルトオクタオース-ヘプタデ
シル-O-スルフェートアンモニウム塩 3.0g を DMSO 600
ml に溶解し、予めペンタンで鉱油を除去させた水素化
ナトリウム 9g とヨウ化メチル(MeI)150ml を加え、4
5℃で5時間反応させた。反応終了後DMSOを減圧下留去
し、得られた残査に水 500mlを加えて溶解した。これを
クロロホルム(200mlx3)で洗浄した。次いで水層に強酸
性イオン交換樹脂 Dowex 50W-8(H+型)500ml を加え、
18時間攪拌した後、樹脂をグラスフィルターで濾別し、
さらに樹脂を水 500mlで洗浄した。濾液及び洗液を合わ
せ、減圧下 200mlまで濃縮し、これを100℃で2日間熱
分解反応させた。反応終了後反応液をクロロホルム(20
0mlx3)で洗浄し、水層を減圧下濃縮することにより20
%(w/v) の溶液45mlを得た。
【0043】この溶液を Sephadex LH-20 カラムクロマ
トグラフィー(φ60mmx500mm)に付し、水を溶離液とし
て1.0ml/min の流速で溶出した。溶出液は15mlずつ分取
し、TLC(シリカゲルプレート 展開液;酢酸エチル:メ
タノール:水=8:2:0.1, v/v/v)で分析し、メチル化糖
を含む画分を濃縮することにより、2.7gの残査を得た。
この残査をシリカゲルクロマトグラフィー(φ30mmx400
mm)に付し、酢酸エチル:メタノール:水=8:2:0.2(v/
v/v)で溶出した目的画分(F1,F2及びF3)を夫々減圧乾
燥し、F1画分から3,4−ジ-O-メチルグルコースが28m
g、F2画分から3-O-メチルグルコースが184mg、F3画
分から4-O-メチルグルコースが166mgそれぞれ得られ
た。なお、水層及び前記の洗浄に用いたクロロホルム層
には、2-O-メチルグルコース及びトリ-O-メチルグルコ
ースは含まれていなかった。
【0044】以上のことより、環状イソマルトオクタオ
ース-ヘプタデシル-O-スルフェートアンモニウム塩を構
成する、ほとんどの各グルコース残基の3位及び4位OH基
どちらかにほぼ同量ずつ、そしてまれに3位及び4位OH基
両者に硫酸エステル基が導入されており、また2位OH基
には硫酸エステル基が必ず導入されていることが強く示
唆された。
【0045】<参考例3>メチル 6-クロロ-6-デオキシ
-α-D-グルコシドの硫酸エステル化 市販のメチル 6-クロロ-6-デオキシ-α-D-グルコシド1.
06g をDMF60mlに溶解し、そこにトリメチルアミン-SO3
コンプレックス3.13g を加えて、70℃で20時間攪拌しな
がら反応させた。次いでDMFを減圧下留去し、得られた
残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、酢
酸エチル:メタノール:水=8 :2:0.5(v/v/v)で溶出
した目的画分(F1,F2及びF3)を夫々減圧乾燥し、強酸
性イオン交換樹脂AG50W-8で処理した後、28%アンモニ
ア水で中和した。
【0046】3区分を夫々Sephadex LH-20カラムに付
し、水で溶出した目的区分を凍結乾燥して、F1区分から
はメチル 6-クロロ-6-デオキシ-α-D-グルコシド-2,3-
ジO-スルフェートアンモニウム塩が613mg、F2区分か
らはメチル 6-クロロ-6-デオキシ-α-D-グルコシド-2,4
-ジ-O-スルフェートアンモニウム塩が468mg、F3区分
からはメチル 6-クロロ-6-デオキシ-α-D-グルコシド-
2,3,4-トリ-O-スルフェートアンモニウム塩が550mg夫々
得られた。夫々のNMRチャートを図2〜4に示す。
【0047】以上のことよりα1位と6位のOH基が置換さ
れたグルコース残基を硫酸化すると、2位OH基が必ず硫
酸化され、3,4位OH基はどちらかがほぼ同じ確率で硫酸
化され、また両者ともに硫酸化されたものも得られるこ
とが判明した。このことから、環状イソマルトオリゴ糖
を同様の条件で硫酸化した際に、夫々の1,6-O-ジ置換
グルコース残基の2位OH基全てと、3位及び4位OH基どち
らかにほぼ同量ずつ、そしてまれに3位及び4位OH基両者
に硫酸エステル基が導入されることが強く示唆された。
【0048】〔実施例8〕硫酸化CI-8の抗HIV活性の測
定 上記実施例1で得られた硫酸化CI-8を用い、gp120及びC
D4レセプターの結合阻害活性を0〜100mg/mlの濃度範囲
でドラッグディスカバリーキット(デュポン社製)によ
り測定した。図5に示したように、硫酸化CI-8は、濃度
に比例してgp120及びCD4の結合を阻害した。
【0049】〔実施例9〕硫酸化環状オリゴ糖の抗凝血
活性 硫酸化CI-8を用いて抗凝血活性の測定を行なった。10mg
硫酸化CI-8ナトリウムを1mlの脱イオン水に溶解して作
製した1%CI-8水溶液を滅菌済み0.85%NaCl溶液(生理食
塩水)で各種濃度に希釈して、各種濃度のCI-8溶液を調
製した。同様の方法で、デキストラン5000硫酸ナトリウ
ム(和光純薬社製)についても各種濃度の溶液を調製し
た。また、標準液は、抗凝血活性が20U/mgのデキストラ
ン硫酸ナトリウム(名糖産業から恵与)から同様にし
て、各種濃度の標準液を調製した。
【0050】各水溶液を40μlずつ96穴マイクロタイタ
ープレートの各ウェルに分注した。次に、そこへ、0.38
%クエン酸三ナトリウム含有の新鮮なラット血液50μlを
同じく分注し混和した。さらに、2%CaCl2水溶液を10μl
を加えて、混和することにより、凝血反応を開始した。
室温で15分間静置後、2000rpmで10分間遠心処理を行な
い、各ウェル内の血清の分離状況を目視で判定した。そ
の結果、硫酸化CI-8の抗凝血活性は、既知のデキストラ
ン硫酸ナトリウムに比べると、その活性が約1/2と判断
されたことから、約10U/mgと判定された。また、デキス
トラン5000硫酸ナトリウムは、約40U/mgと判定された。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、新規硫酸化環状イソマ
ルトオリゴ糖は、エイズをはじめとする、種々のレトロ
ウイルスの宿主細胞への感染に対して、その感染を極め
て効果的に阻害することから、レトロウイルス起因性の
疾患に対して著しい予防及び治療効果があると考えられ
る。従って、該オリゴ糖は、医薬品分野におけるレトロ
ウイルス性疾患の予防または治療剤として利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の反応生成物のSephadex LH-20カラム
における溶出曲線を示す図。
【図2】F1区分のメチル 6-クロロ-6-デオキシ-α-D-グ
ルコシド-2,3-ジ-O-スルフェートアンモニウム塩のNMR
分析プロファイルを示す図。
【図3】F2区分のメチル 6-クロロ-6-デオキシ-α-D-グ
ルコシド-2,4-ジ-O-スルフェートアンモニウム塩のNMR
分析プロファイルを示す図。
【図4】F3区分のメチル 6-クロロ-6-デオキシ-α-D-グ
ルコシド-2,3,4-トリ-O-スルフェートアンモニウム塩の
NMR分析プロファイルを示す図。
【図5】硫酸化CI-8によるgp120とCD4レセプターとの結
合阻害活性を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 徳武 昌一 千葉県野田市野田339番地 キッコーマン 株式会社内 (72)発明者 北尾 悟 大阪府池田市五月丘4−3−10 (72)発明者 小熊 哲哉 千葉県野田市野田399番地 財団法人 野 田産業科学研究所内 (72)発明者 藤田 佳平衛 長崎県長崎市夫婦川町2−24

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1個のS-オキソ酸基が結合し
    ている、グルコースがα-1,6結合で環状に結合した環状
    オリゴ糖またはそれらの塩類。
  2. 【請求項2】 環状オリゴ糖が7〜9個のグルコースか
    らなるものである請求項1記載の環状オリゴ糖またはそ
    れらの塩類。
  3. 【請求項3】 環状イソマルトオリゴ糖とS-オキソ酸と
    を反応させることにより得られるS-オキソ酸基含有環状
    オリゴ糖またはそれらの塩類。
  4. 【請求項4】 環状イソマルトオリゴ糖が微生物由来の
    もの又は化学合成により得られるものである請求項1乃
    至3記載の環状オリゴ糖またはそれらの塩類。
  5. 【請求項5】 環状オリゴ糖が硫酸化環状イソマルトオ
    リゴ糖である請求項1乃至4記載の環状オリゴ糖または
    それらの塩類。
  6. 【請求項6】 硫酸化環状イソマルトオリゴ糖が分子量
    400〜4,000、好ましくは、1,400〜3,800のものである請
    求項5記載の環状オリゴ糖またはそれらの塩類。
  7. 【請求項7】 硫酸化環状イソマルトオリゴ糖がS含量2
    〜25%、好ましくは5〜24%、さらに好ましくは15〜20
    %のものである請求項5記載の環状オリゴ糖またはそれ
    らの塩類。
  8. 【請求項8】 次の一般式(I) 【化1】 〔式中のXはSO3M(Mは水素原子、アルカリ金属、アルカ
    リ土類金属、アンモニア、有機アミンである)又はHで
    あり、各構成糖におけるXは同一であっても異なっても
    よく、かつSO3MであるXの総数は7〜11である、Mは上記
    と同義である〕で表される硫酸化環状イソマルトオクタ
    オース又はそれらの塩類。
  9. 【請求項9】 次の一般式(II) 【化2】 〔式中のXはSO3M(M は水素原子、アルカリ金属、アル
    カリ土類金属、アンモニア、有機アミンである)又はH
    であり、各構成糖におけるXは同一であっても異なって
    もよく、かつSO3MであるXの総数は 6〜10である、Mは上
    記と同義である〕で表される硫酸化環状イソマルトヘプ
    タオース又はそれらの塩類。
  10. 【請求項10】 次の一般式(III) 【化3】 〔式中のXはSO3M(Mは水素原子、アルカリ金属、アルカ
    リ土類金属、アンモニア、有機アミンである)又はHで
    あり、各構成糖におけるXは同一であっても異なっても
    よく、かつSO3MであるXの総数は 8〜12である、Mは上記
    と同義である〕で表される硫酸化環状イソマルトノナオ
    ース又はそれらの塩類。
  11. 【請求項11】 請求項8における一般式(I)中のSO
    3MであるXの合計数が9であり、MがNa又はNH4である環状
    イソマルトオクタオースヘプタデカ硫酸エステルの塩
    類。
  12. 【請求項12】 請求項1乃至11のいずれかの項記載
    のオリゴ糖またはそれらの塩類を有効成分として含むレ
    トロウイルス性疾患の予防または治療剤。
  13. 【請求項13】 レトロウイルス性疾患がPGL、LAS、AR
    C、AIDS、成人T細胞白血病または川崎病である請求項1
    2記載レトロウイルス性疾患の予防または治療剤。
  14. 【請求項14】 レトロウイルスがヒトレトロウイルス
    である請求項12記載レトロウイルス性疾患の予防また
    は治療剤。
  15. 【請求項15】 ヒトレトロウイルスがHTLV-III、LAV
    及びARV等のHIV類、HTLV-I、HTLV-IIまたは川崎病ウイ
    ルスである請求項14記載レトロウイルス性疾患の予防
    または治療剤。
  16. 【請求項16】 レトロウイルスがヒト以外の動物のレ
    トロウイルスである請求項11記載のレトロウイルス性
    疾患の予防または治療剤。
  17. 【請求項17】 レトロウイルスがとりミエロブラスト
    シスウイルスまたはフレンド白血病ウイルスである請求
    項16記載のレトロウイルス性疾患の予防または治療
    剤。
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