JPH1099031A - ゼリー食品及びその製造法 - Google Patents

ゼリー食品及びその製造法

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JPH1099031A
JPH1099031A JP8280355A JP28035596A JPH1099031A JP H1099031 A JPH1099031 A JP H1099031A JP 8280355 A JP8280355 A JP 8280355A JP 28035596 A JP28035596 A JP 28035596A JP H1099031 A JPH1099031 A JP H1099031A
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淳 佐々木
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博之 桑原田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 サノウ風の組織及び食感を有する耐熱性ゼリ
ー食品及びその製造法の提供。 【解決手段】 ゲル化剤としてジェランガムを単独で0.
10〜1.0 重量%含有させたゾル溶液に塩を添加し冷却し
てゲル化し、緩慢凍結し、解凍することよりなる上記ゼ
リーー食品の製造法及び得られたゼリー食品。凍結速度
Vは0.60〜3.30cm/hr が望ましい。ただし、V=R/Z
(R:ゼリー容器の半径、Z:ゼリー中心温度が0℃か
ら−5℃に下がるに要する時間)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、柑橘系果実のサノ
ウ風の組織及び食感を持った耐熱性のある新規なゼリー
食品及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】果肉状のゼリー食品は、特開昭 57-1896
53号公報、特開昭57-36950号公報、特開昭 63-3768号公
報、特公平 4-75746号公報に種々の形態のものが開示さ
れている。これらの公報では、寒天、ゼラチン、カラギ
ーナン、ローカストビーンガムなどのゲル化剤と果汁や
糖液を混合し、加熱し、得られるゾル溶液をカップ状の
容器に充填し、冷却によりゲル化させた後、凍結、解凍
することにより果肉様の組織及び食感を有するゼリー食
品を製造する方法が開示されている。これらの従来の方
法で調製されたゼリー食品は、ゲル化剤としてカラギー
ナン、ローカストビーンガム、寒天、あるいはゼラチン
などを配合し調製されている。このゼリーは熱可逆性の
ゲルであるため、ゲル化させても再度加熱するとゾルに
戻るという性質を持つていた。
【0003】また、特開昭64-30547号公報には、ジェラ
ンガムをゲル化剤として用いて耐熱性ゼリーを調製する
方法が開示されている。この方法は、高温でゾル化しな
い球形ゲルを得る目的でジェランガムの溶液をカルシウ
ム塩溶液のなかに滴下し、球形ゲルを形成し、加熱殺菌
を行なうものである。しかし、この方法のようにジェラ
ンガムのみをゲル化剤として用いたゼリーは、脆くて硬
い寒天のようなゼリーとなるものであった。そして、こ
の方法は、球形ゲルを単に加熱殺菌しているだけで、ジ
ェランガムを用いて柑橘系果実のサノウ風の組織や食感
のあるゼリーを得ようとすることは何も意図されていな
かった。
【0004】また、特公平6-37574 号公報には寒天等の
熱可塑性ゲル化剤及びアルギン酸をゲル化剤として用い
て耐熱性ゼリーを調製する方法が開示されている。しか
し、この法によれば得られるゼリーは口溶けの悪いゼリ
ーとなる。
【0005】さらに、すりおろし果実風の食感を持った
ゼリーを調製する方法が種々提案されている。例えば、
特開平 7-31387号公報には、LMペクチンとカルシウム
イオンでゲルを形成し、それを粉砕してすりおろし風の
食感を持ったゼリーを調製する方法が開示されており、
特開平1-231857号公報には、等電点以下のpHにしたタ
ンパク質と多糖類とを反応させて繊維状組織をもつゲル
食品を調製する方法が開示されている。これらの方法
は、いずれも、異なる性質の二液同士を混合し繊維状の
ゲル状食品を製造するものであり、凍結や解凍によるゲ
ルの性状の変化を利用して果実風のゼリーを得ようとす
るものではなかった。すなわち、これらの従来法は、繊
維状の組織を調製し、その組織を機械的な剪断力で破壊
してすり下ろし風あるいはさのう風など種々の性質のゼ
リーを製造している。これらの方法では、撹拌条件の相
違によって微妙に異なった繊維状になるとともに、その
後製造工程(均質化、殺菌など)で受ける剪断により一
旦形成した繊維状物が破壊され、一定品質の繊維状物と
することが難しい。また、高分子複合体で繊維状物をつ
くる場合は、pHやイオンの濃度に著しく影響される。
そのため配合によって、繊維状物の性質(硬さ、食感)
が決まるものと考えられる。つまり配合の微妙な条件が
支配的な要素となるゼリーの調製方法である。
【0006】
【本発明が解決しようとする課題】このように、従来の
凍結解凍技術により調製されたゼリー食品は、単なるゼ
リーと比較した場合、果肉様の食感を有している。しか
しこのような果肉様ゼリーは耐熱性が付与されていなか
った。また、耐熱性ゼリーとして、ジェランガムのみを
ゲル化剤として配合したゼリーは知られているが、凍結
解凍に対する配慮は何もなされておらず、これを凍結解
凍すると凍結変性のためゲルが破壊され粒状のボロボロ
とした食感を呈する。また、得られるゼリーは製造工程
における原料の配合、均質、殺菌等の諸条件によってそ
の性質が大きく相違した。本発明は、このような従来の
ゼリー食品における欠点を改善したものであって、耐熱
性があり、果肉様の組織及び食感を持った新規なゼリ
ー、例えばオレンジやグレープフルーツなど柑橘系果実
のサノウ風の組織や食感を有するゼリー食品を簡単に得
ることを目的としてなされたものである。すなわち、本
発明は、柑橘系果実のサノウ風の組織及び食感を有する
耐熱性ゼリー食品及びその製造方法を提供することを課
題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のよ
うな状況に鑑み、果肉様、特にサノウ風の組織及び食感
を有する耐熱性ゼリー食品を提供すべく鋭意研究を行っ
た。その結果、糖類と果汁と、ゲル化剤としてジェラン
ガムのみを単用してゾル溶液を調製し、これに塩を加え
て冷却し、ゲル化させ、さらに凍結速度を制御して凍結
し、解凍することで、ザクザクとした柑橘系のサノウの
ような食感(サノウ風)を有する耐熱性ゼリー食品が得
られることを見出し、本発明をなすに至った。すなわ
ち、本発明は、ゲル化剤としてジェランガムのみを0.10
〜1.0 重量%含有し、サノウ風の組織及び食感を有する
耐熱性ゼリー食品に関する。また、本発明は、ゲル化剤
としてジェランガムのみを0.10〜1.0 重量%配合し加熱
してゾル溶液を調製し、次いでこのゾル溶液に塩を添加
し冷却してゲル化し、さらにこのゲルを緩慢凍結し、解
凍することによってサノウ風組織及び食感を有する耐熱
性ゼリー食品を製造する方法である。このゼリーは、外
観は通常の均質なゼリーと同じであるが、スプーン切れ
がよく、食べ始めるとサノウ風の食感があり、適度な離
水が発生しジューシーで喉ごしの良い製品となる。
【0008】従来の凍結解凍法により調製したゼリーの
果肉状食感とは、ゲルの網目構造が凍結時に発生する氷
晶の成長により一部破壊され、網目構造が疎の部分と密
な部分に分かれ果肉状のテクスチャーが発現するものと
考えられる。本発明では従来の果肉状のテクスチャーの
ゼリーとは大きく異なる食感となる。本発明者らは、ゲ
ル化剤としてジェランガムのみを用いて調製したゼリー
を凍結すると、氷晶が薄板状に成長し均質なゼリーを細
かく切断することを見出した。この切断された微小なゼ
リー片同士は結着性がないため口中でわずかな力でバラ
バラにくずれ、それ自体が適度な硬さをもっているため
ザクザクとした柑橘系果肉のサノウを想起させる組織及
び食感が発現するものと考えられる。この時、凍結速度
を制御することでゼリー片の大きさを変えることができ
る。その結果、ミカン、オレンジ、グレープフルーツな
どの柑橘系果実のサノウ風の組織及び食感に至るまで種
々の果肉風耐熱性ゼリー食品とすることができる。
【0009】本発明においては、カップに充填したゼリ
ー液を冷却してゲル化し、特定の凍結速度下で凍結し、
ゲル内部に氷晶を成長させ、その後解凍することで、サ
ノウ風の組織及び食感を形成したゼリー食品を得ること
ができる。ゼリー食品のサノウ風の組織を形成させるた
めには、ゼリーを凍結させる速度が特に重要である。凍
結速度は以下のように測定する。まず、ゼリー容器の下
部から熱電対を挿入しゼリー中心部の凍結過程での温度
変化を測定する。ゼリー温度は時間とともに低下し、ゼ
リーの氷結点に達すると温度は一定のままで時間が経過
していく平坦部分(熱的平坦部)が観察される。その後
再び時間とともにゼリー温度は低下し、最終的には冷凍
庫の設定温度まで下がる。この熱的平坦部は、ゼリーの
場合0℃から−5℃の範囲に存在する。糖又は塩の量に
よって異なり、例えば、本発明のゼリーの場合は−1.7
℃前後の一定の温度で時間が経過していき氷結が完了す
ると−5℃以下に下がる。この一定の温度が長く続く状
態を示す。熱的平坦部はゼリー中の水が氷に変わる過
程、つまり凍結潜熱を奪う過程であるため温度が一定と
なる。熱的平坦部が長ければ長いほど緩慢凍結となり氷
晶の成長が促進される。しかし、あまり長すぎると氷結
点をすぎても凍らない、所謂過冷却現象が起きる。過冷
却が起きると、過冷却温度から氷結点に戻る過程で急激
に細かな氷晶ができるため、サノウ風の組織は形成され
ない。つまり、熱的平坦部の長さが適当な範囲内になけ
ればサノウ風の食感が発現しない。そこで、本発明者ら
は、凍結速度を凍結の指標値として用いた。この凍結速
度Vは次式のように定義された。
【0010】V=R/Z V:凍結速度(cm/hr) R:ゼリーを充填した容器の半径(cm) Z:容器に充填したゼリーの中心部の温度が0℃から−
5℃まで下がるのに要する時間(hr)
【0011】本発明においては、Vの値が3.30cm/hr を
越える急速な凍結の場合、微細な氷晶が形成され超微小
なゼリー片となり、サノウ風の食感は発現しない。ま
た、凍結速度が 0.60cm/hr未満になると過冷却がおこり
微細な氷晶となりすりおろし風の食感となる。つまり、
Vの値が0.60cm/hr から3.30cm/hr の範囲でカップに充
填したゼリーを凍結させると、ザクザクとしたサノウ風
の組織及び食感を有するゼリー食品を得ることができ
る。
【0012】本発明に使用するゲル化剤としてジェラン
ガムを単独で使用することにより、柑橘系果肉のサノウ
風の組織及び食感を持った耐熱性のある新規なゼリー食
品が得られる。つまり、従来の耐熱性ゼリーの調製方法
では凍結解凍すると粒状感はあるが、各粒子同士の結着
性がなく口に残らないゼリーとなる。つまりすりおろし
風の食感のゼリーとなる。そこで凍結速度を制御する
と、ゼリーの食感をすりおろし風からサノウ風まで変え
ることができる。
【0013】本発明に用いられるジェランガムはゼリー
食品中に 0.1〜1.0 重量%、好ましくは0.25〜0.8 重量
%を配合する。サノウ風の組織及び食感の発現は、ジェ
ランガムのみによって生ずる特有の現象であり、その他
のゲル化剤あるいはゲル化剤を使用しても発現しない。
本発明における果汁としては、リンゴ、グレ−プフル−
ツ、メロン、桃、洋梨等を用いることができる。糖類と
しては各種の糖及び液糖を用いることができる。これら
の糖類としては、例えばブドウ糖、果糖、蔗糖、乳糖、
麦芽糖等を用いることができる。また液糖としては、濃
厚な砂糖(蔗糖)溶液、転化糖溶液、砂糖と転化糖との
混合濃厚液、ブドウ糖を添加した濃厚砂糖溶液あるいは
ブドウ糖と果糖とを添加した濃厚砂糖溶液等を用いるこ
とができる。さらにクエン酸、リンゴ酸、酒石酸等の酸
味料、調味料、着色料、フレーバー等を適宜加えてもよ
い。またジェランガムのゲル化のために各種の塩類、例
えば乳酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、塩化カル
シウム、塩化ナトリウム等の食品衛生上無害な塩を加え
る。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明においては、カップに充填
したゼリー液を冷却してゲル化し、特定の凍結速度下で
凍結し、ゲル内部に氷晶を成長させ、その後解凍するこ
とで、サノウ風の組織及び食感を有するゼリー食品を得
ることができる。得られたゼリー食品のザクザクとした
サノウ風の組織及び食感を形成させるためには、ゼリー
を凍結させる速度が重要であり、凍結速度により、サノ
ウ風あるいはすりおろし風又は超微小なサノウ風の組織
を有するゼリー食品を得ることができる。 次に、
ゼリー食品の凍結速度とサノウ風食感の関係について、
検討した結果を示す。表1に示した配合で得られたオレ
ンジ風味の食感を有するゼリーを表2に示される種々の
凍結速度で凍結し、解凍してゼリー食品を調製した。す
なわち、水に液糖、ジェランガムを分散してから約90℃
まで湯煎で加熱して溶解した。加熱した溶液を70℃に冷
却した時点で、果汁、乳酸カルシウム、クエン酸、およ
びフレーバーを添加してよく撹拌しゼリー用ミックスと
した。このミックス90gを熱電対を装着した透明なプラ
スチックカップに充填しアルミ蓋でシールした。カップ
に充填したゼリーを種々の温度に設定した冷凍庫で凍結
し凍結曲線から凍結速度Vを求めて、その後室温で解凍
してゼリー食品を得た。凍結速度とゼリーの性状との関
係を表2に示した。表2に示したように凍結速度が 0.6
0cm/hr未満だと過冷却が起き、部分的にはサノウ風ある
いはすりおろし風の食感であった。一方、凍結速度が3.
57cm/hr 以上では超微小なサノウ風となり非常に柔らか
いゼリーとなった。凍結速度が0.60cm/hr から3.30cm/h
r の範囲では、外観は通常の均質なゼリーであるが、食
するとザクザクとしたサノウ風の食感で、非常にスプー
ン切れがよく、また食するにつれて適度な離水が発生し
ジューシーなおいしさがあった。また、この結果からV
が0.60〜3.30cm/hr でサノウ風の組織及び食感の耐熱性
ゼリー食品を得ることができるが特に好ましいサノウ風
の組織及び食感となるのはVが0.96〜1.78cm/hr の範囲
であった。
【0015】
【表1】 オンンジ風味食感ゼリーの配合(重量%) ─────────────────────── リンゴ果汁(5倍濃縮) 5.00 ジェランガム 0.35 液糖 15.00 乳酸カルシウム 0.30 クエン酸 0.20 フレーバー 0.12 水 79.03 ─────────────────────── 計 100.00
【0016】
【表2】
【0017】次に、本発明を実施例により更に詳細に説
明する。
【実施例1】表3に示した配合でレモン風味の食感を有
するゼリーを調製した。すなわち、表3に示される配合
割合で水に液糖、ジェランガムを分散し約90℃まで湯煎
で加熱し溶解した。加熱した溶液が70℃に冷却した時点
で、乳酸カルシウム、クエン酸、およびフレーバーを添
加してよく撹拌しゼリー用ミックスとした。このミック
ス150gをカップに充填しアルミ蓋でシールした。カップ
充填したゼリーを−20℃の冷凍庫で約12時間凍結した。
この時の凍結速度は 1.20cm/hrであった。解凍したゼリ
ーはスプーン切れがよくザクザクとした新規な食感を持
っていた。
【0018】
【表3】 レモン風味食感ゼリーの配合(重量%) ────────────────────── ジェランガム 0.40 液糖 20.00 乳酸カルシウム 0.30 クエン酸 0.40 フレーバー 0.15 水 78.75 ────────────────────── 計 100.00
【0019】
【実施例2】表4に示した配合でグレープフルーツ風味
の食感のゼリーを調製した。すなわち、表4に示す配合
割合で水に液糖、ジェランガムを分散してから約90℃ま
で湯煎で加熱し溶解した。加熱した溶液が70℃に冷却し
た時点で、果汁、乳酸カルシウム、クエン酸、およびフ
レーバーを添加してよく撹拌しゼリー用ミックスとし
た。このミックス170gをカップに充填しアルミ蓋でシー
ルした。カップ充填したゼリーを−20℃の冷凍庫で約12
時間凍結後、解凍した。この時の凍結速度は1.09cm/hr
であった。ゼリーはザクザクとした瑞々しいゼリーで、
あたかもグレープフルーツのような食感を持っていた。
【0020】
【表4】 グレープフルーツ風味食感ゼリーの配合(重量%) ─────────────────────── グレープフルーツ果汁(5倍濃縮) 6.00 ジェランガム 0.40 液糖 18.00 乳酸カルシウム 0.30 クエン酸 0.15 フレーバー 0.22 水 75.33 ─────────────────────── 計 100.00
【0021】
【実施例3】表1に示した配合で実施例2と同様にゼリ
ーミックスを調製し、カップに充填しアルミ蓋でシール
した。カップに充填したゼリーを−12℃、−20℃、−35
℃の温度に設定した冷凍庫で凍結し凍結曲線から凍結速
度Vを求めて、その後室温で解凍してオレンジ風味のゼ
リー食品を得た。この得られたゼリー食品の風味をパネ
ラー10人により官能検査を行って比較した。その結果を
表5に示した。表5に示したように−20℃(凍結速度1.
226cm/hr) で凍結したときに、組織及び食感ともにザク
ザクとしたサノウ風となった。このゼリー入り容器を部
分的に切断しスプーンでゼリー面を露出させた写真を図
1に、又ゼリーをガラス板上に分散させた写真を図4に
示す。比較例1は、−12℃(凍結速度0.520cm/hr) で凍
結したもので過冷却が起き細かな氷晶となるため、すり
おろし風の食感となった。上記と同様にゼリー面を露出
させた写真を図2に、ガラス板上に分散させた写真を図
5に示す。また、比較例2は、−35℃(凍結速度3.365c
m/hr) で凍結したものでサノウの単位が非常に細かくな
って、口に入れると溶ける超微小なサノウ風の食感とな
った。ゼリー面を露出させた写真を図3に、ガラス板上
に分散させた写真を図6に示す。
【0022】
【表5】
【0023】
【発明の効果】本発明は、ゲル化剤としてジェランガム
を配合し加熱してゾル溶液を調製し、次いでこのゾル溶
液に塩を添加し冷却してゲル化し、さらに緩慢凍結した
後解凍することで、果肉のサノウ風の組織及び食感を有
する耐熱性の新規なゼリー食品を得ることができる。本
発明により得られたゼリー食品は、外観は通常の均質な
ゼリーと同じであるが、スプーン切れがよく、食べ始め
るとザクザクとした柑橘系のサノウを想起させる食感を
もち、適度な離水が発生しジューシー感があって、のど
ごしの良い食感を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例3で得られたゼリー食品の組織を示した
図。
【図2】比較例1で得られたゼリー食品の組織を示した
図。
【図3】比較例2で得られたゼリー食品の組織を示した
図。
【図4】実施例3で得られたゼリー食品の組織をガラス
上に分散させた図。
【図5】比較例1で得られたゼリー食品の組織をガラス
上に分散させた図。
【図6】比較例2で得られたゼリー食品の組織をガラス
上に分散させた図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桑原田 博之 埼玉県大宮市東大宮7丁目17番37号 グラ ンドジュネス203号 (72)発明者 相良 康重 埼玉県入間郡毛呂山町大字市場464番地35

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゲル化剤としてジェランガムのみを0.10
    〜1.0 重量%含有し、サノウ風の組織及び食感を有する
    耐熱性ゼリー食品。
  2. 【請求項2】 ゲル化剤としてジェランガムのみを0.10
    〜1.0 重量%配合し加熱してゾル溶液を調製し、次いで
    このゾル溶液に塩を添加し冷却してゲル化し、さらに緩
    慢凍結した後解凍することを特徴とするサノウ風組織及
    び食感を有する耐熱性ゼリー食品の製造法。
  3. 【請求項3】 次式で定義される凍結速度Vが 0.60cm/
    hr〜3.30cm/hr になるようにして緩慢凍結を行なう請求
    項2記載のサノウ風組織及び食感を有する耐熱性ゼリー
    食品の製造法。 V=R/Z (式中、Vは凍結速度(cm/hr)、Rはゼリー容器の半径
    (cm)、Zは凍結時間(hr)(ゼリー中心部の温度が0
    ℃から−5℃に下がるのに要する時間)をそれぞれ示
    す)
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