JPH1098961A - バレイショ塊茎生産方法 - Google Patents

バレイショ塊茎生産方法

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JPH1098961A
JPH1098961A JP8259486A JP25948696A JPH1098961A JP H1098961 A JPH1098961 A JP H1098961A JP 8259486 A JP8259486 A JP 8259486A JP 25948696 A JP25948696 A JP 25948696A JP H1098961 A JPH1098961 A JP H1098961A
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    • A01GHORTICULTURE; CULTIVATION OF VEGETABLES, FLOWERS, RICE, FRUIT, VINES, HOPS OR SEAWEED; FORESTRY; WATERING
    • A01G31/00Soilless cultivation, e.g. hydroponics
    • A01G31/02Special apparatus therefor
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P60/00Technologies relating to agriculture, livestock or agroalimentary industries
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Abstract

(57)【要約】 【課題】皮目肥大が発生しない塊茎を生産する。とく
に、種いも用となる塊茎を数多く生産し、塊茎の大きさ
のバラツキを少なくする。 【解決手段】NFT水耕栽培装置において、養液流路上
面に、バレイショの根は通すがストロンは通さない仕切
り部材を設置し、該仕切り部材の上面においてバレイシ
ョのストロンを生長させ、バレイショ塊茎を形成させる
ことを特徴とするバレイショ塊茎生産方法及び仕切り部
材の上面において生長するストロンに物理的刺激を加え
ることを特徴とするバレイショ塊茎生産方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、NFT水耕栽培装
置におけるバレイショ塊茎生産方法に関する。特に、貯
蔵適性や栽培適性の高い無病のバレイショ種いも用のバ
レイショ塊茎を効率良く生産する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】NFT水耕栽培装置におけるバレイショ
の種いも生産方法に関する発明は既に知られており、例
えば、特開平5−284864号公報に記載されてい
る。この方法は、傾斜をつけた養液栽培容器の底面に養
液を上流側から下流側に薄く流してバレイショ苗を栽培
して塊茎を生産する方法であり、トマト等の他の作物で
既に広く普及している技術を単にバレイショに適用した
だけのものである。従来方法についてさらに詳しく述べ
ると、上部が開放された栽培容器の上部を定植穴を有す
る遮光性の蓋で覆い、組織培養法などで育成した葉数4
〜14枚程度のバレイショ苗の根から第2 〜5 葉上の茎に
ウレタンフォーム片等でできた支持体を取り付け、これ
を蓋の定植穴に入れて、バレイショの苗を容器に定植し
て栽培し、養液流路とバレイショのストロンの間に何な
る部材も介在させずに、バレイショの種いもを生産する
方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術には、養
液流路とバレイショのストロンの間に何なる部材も介在
させずに栽培するために、ストロン先端に形成されるバ
レイショ塊茎の少なくとも一部が養液に浸ることになる
という課題があった。このように養液に接触した部位の
塊茎表面には、皮目肥大が発生する。皮目肥大が発生し
た塊茎は、貯蔵中の水分ロスが多いことや、病原菌の侵
入による腐敗が多いことなど、貯蔵適性が著しく劣る。
また、外観品質も著しく劣る。なお、特開平5−284
864号公報明細書には、容器底面に浅い溝を設けるこ
とにより塊茎が養液に浸ることを防止すると述べ、図6
に塊茎がその溝の上に形成されるように示してあるが、
すべての塊茎がこの図のように溝の上に形成されること
はあり得ず、むしろほとんどの塊茎は養液に接触して形
成される。また、図5でも多くの塊茎が養液から離れて
気相部に形成されるように示されているが、塊茎が肥大
し始めた頃には気相部に存在する塊茎もあったが、塊茎
が肥大し、重量が増し、かつストロンが老化するにつれ
て、これらの塊茎のほとんどは下に下りてきて容器の底
面に接するようになり、気相部に存在する塊茎は小さな
塊茎を除いて、ほとんど無かった。
【0004】また、上記従来技術には、ストロンに刺激
を与えて塊茎の形成を促進する手段がないため、種いも
の生産個数が不十分であるという課題があった。さらに
また、上記従来技術では、ストロンの肥大、つまり塊茎
肥大開始のバラツキが大きく、早く肥大し始めた塊茎が
必要以上に大きくなり、後に肥大し始めた塊茎は、充分
に大きくならず、生産された塊茎の大きさにバラツキが
大きいという課題があった。
【0005】
【発明が解決するための手段】本発明者は、上記課題に
ついて鋭意研究の結果、それらの課題を解決する以下の
手段を見いだし、本発明を完成した。まず、本発明のう
ちで請求項1の発明は、NFT水耕栽培装置において、
養液流路上面に、バレイショの根は通すがストロンは通
さない仕切り部材を設置し、該仕切り部材の上面におい
てバレイショのストロンを生長させ、バレイショ塊茎を
形成させることを特徴とするバレイショ塊茎生産方法で
ある。また、本発明のうちで請求項3の発明は、仕切り
部材の上面において生長するストロンに刺激を加えるこ
とを特徴とする請求項1に記載のバレイショ塊茎生産方
法である。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明方
法に使用するNFT水耕栽培装置は、いかなる形式のも
のでもよい。同装置は、水平又は傾斜を有する栽培床上
に水耕養液の養液流路が形成されていることを特徴とす
る。さらに詳細に述べれば、深さ10〜50cm程度で上部が
開放した容器を栽培容器として用いる。容器はプラスチ
ック製などの養液を通さない養液栽培に適するものであ
れば何でもよく、容器の外側を木材や発泡スチロールの
板などで組み立てて、その内側にビニールシートなどを
敷いて養液が漏れないようにしたものでもよい。なお、
上記養液流路の水深は、通常0.5 〜3cm である。容器の
大きさは栽培するハウスの大きさや作業方法などにより
異なるが、幅は0.5 〜2m、長さは0.5 〜50m 程度であ
る。
【0007】容器の上部には直径1 〜3cm 程度の定植穴
をあけた定植板を置く。定植板は遮光性のものでもよい
が、ストロンの塊茎形成を同調的に誘導するために塊茎
形成期から容器内部を暗条件とするためには、発泡スチ
ロール製などの透光性の定植板の方が好ましい。透光性
の定植板を使用した場合は、 その上に遮光性のビニール
シートや板などを置くことにより容器内部を暗条件とす
る。また、定植板は1 枚に複数の列の定植穴を開けた大
きなものでもよいが、定植穴の列毎に分かれていて、定
植穴の側面の一部が開放されている方が苗の定植等の作
業に便利である。
【0008】容器の適当な位置に養液の流入口と流出口
をそれぞれ1カ所以上設ける。流入口には養液槽からポ
ンプによって送られてきた養液が容器内に入るよう配管
する。また、流出口からは容器内の養液が排出される。
排水口から出た養液は廃棄してもよいが、通常は養液槽
または容器内に流れるようにして養液を循環させ、再利
用する。また、容器は水平に置いてもよいが、1/50〜1/
500 程度の傾斜をつけるほうが好ましい。本発明方法に
使用する養液は、バレイショを栽培できるものならいか
なる養液でもよく、限定されない。
【0009】本発明方法に使用するバレイショの植物体
材料には、通常入手できる塊茎や塊茎から出た芽をさし
芽等で増殖した苗などでも良いが、組織培養等で育成さ
れたウイルスやその他の病害に感染していない苗を用い
ることが好ましい。また、このような苗を温室などで病
害に感染しないように栽培し、これらを節毎に分割して
増殖した苗でも良い。苗の大きさは、茎長が5 〜40cm程
度で良いが、15〜30cmが好ましい。なお、組織培養で育
成した苗を用いる場合は、後に述べる栽培容器に直接定
植しても良いが、栽培容器とは別の容器に仮植して、栽
培環境に順化させるとともに、定植に適する大きさに生
長させることが好ましい。
【0010】本発明方法に使用する、バレイショの根は
通すがストロンは通さない仕切り部材は、例えば、ネッ
ト、不織布であるが、これに限るものではない。好まし
くは、40〜50メッシュの網目をもった合成樹脂製の
ネットである。上記仕切り部材を設置する高さは、塊茎
肥大期以後の養液の水面より0.5 〜5cm 程度、好ましく
は2 〜3cm 程度、高くする。通常、塊茎肥大期以降の養
液の水深は0.5 〜3cm 程度とするので、仕切り部材を設
置する高さは容器の底面より1〜8cm (好ましくは3 〜6
cm )程度にする。
【0011】仕切り部材を設置する方法はいろいろある
が、針金や強化プラスチックなどでできた網(目の大き
さ、直径1 〜5cm 程度)の台の上に置くと容易に設置で
き、かつ塊茎が肥大した時に仕切り部材が下がり塊茎が
養液に接触することを防ぐことができる。なお、栽培容
器の側壁に沿って仕切り部材を折り、仕切り部材の周囲
を高くしておくとストロンが仕切り部材の端を越えて養
液中に進入することを防ぐことができる。
【0012】本発明方法において、上記NFT水耕栽培
装置へのバレイショ植物材料の定植は、例えば、次のよ
うにして行われる。上記のとおり育成された植物材料の
茎の一部をウレタンフォーム片などの弾力性のある支持
体で包み、該支持体をNFT水耕栽培装置の定植板に設
けた定植穴に差し込み、バレイショ苗を定植する。
【0013】定植のための支持体の取り付け位置は、例
えば、バレイショ苗の上位の展開葉2枚を残した、その
下の茎の部位が好都合である。バレイショ苗の基部が前
記仕切り部材に接触するように定植すると活着不良を防
ぐことができる。なお、定植時の養液の水位は、根の乾
燥などによる活着不良を防ぐために、一時的に仕切り部
材の上面の高さあるいは上面を若干越す高さとすること
が好ましい。根が仕切り部材の下の養液に十分伸長した
ら養液の水位を仕切り部材より下に下げる。下げる幅は
塊茎の重みで仕切り部材が下がっても塊茎が養液に接触
しない幅とするが、通常仕切り部材から0.5 〜5cm 程度
下げればよい。水位は一度に下げても、何回かに分けて
徐々に下げても良いが、塊茎が養液に接触して表皮の皮
目が肥大することを避けるために、最も大きい塊茎が3c
m 程度に肥大する前に仕切り部材より下に水位を下げる
ことが好ましい。
【0014】本発明方法に使用する仕切り部材は、前述
のとおり、バレイショの根は通すがストロンは通さない
仕切り部材であるので、ストロンより細い根は、仕切り
部材を通過して、下の養液流路に到達し、養分を吸収
し、バレイショ苗が生育する。根よりも太いストロン
は、仕切り部材を通過できないので、仕切り部材の上面
において生長する。
【0015】本発明の請求項3、4の方法において、仕
切り部材の上面で生長するストロンに物理的な刺激を加
えることによって、ストロンの先端の肥大を促進し、塊
茎の生産数を増大させる。ストロンに物理的刺激を加え
る手段としては、例えば、ストロンに重力を加える手段
又はストロンにシャワーをかける手段などが上げられ
る。さらに、本発明方法において、これらの手段が組み
合わされて、物理的刺激が加えられてもよい。
【0016】また、本発明方法において、ストロンに物
理的な刺激を加えることによって、ストロン先端の肥大
が同時的に始まり、ストロン間のバラツキが少なくな
り、生産される塊茎の大きさのバラツキを少なくするこ
とができる。ストロンに重力を加える手段は、水、砂な
どを入れたビニール袋や布袋あるいは小石などを仕切り
部材の上面に敷きつめる手段がとられる。水、砂などを
入れたビニール袋や布袋あるいは小石などを仕切り部材
の上面に敷き詰める時期としては、定植時とストロンが
仕切り部材上に伸長した後とのいずれでもよい。定植時
に敷きつめる場合は、ストロンはこれらの袋や小石の下
に伸長し、つまりこれらの袋や小石と仕切り部材の間に
伸長し、 ストロンに重力が加わる。ストロンが伸長した
後に重力を加える場合には、ほとんどのストロンは仕切
り部材に接して伸長しているので、ストロンの上に上記
の袋や小石を置けばよい。この場合は、ストロンの先端
が肥大する前、つまり塊茎形成が始まる前に重力を加え
ることが好ましい。
【0017】ストロンにシャワーをかける手段は、一般
に、定植板の下方に多数の穴を開けたパイプやビニール
チューブなどを取り付けることによって実施することが
できる。パイプやビニールチューブは配管により養液供
給口に接続し、また穴は下方または斜め下方向に向けて
設置し、供給した養液がバレイショ植物体の基部やスト
ロンに当たる構造とする。
【0018】穴の直径は1 〜3mm (好ましくは1.5 〜2m
m )程度で、1 列の穴の間隔は1 〜5cm とし、パイプま
たはチューブ1本当たり1 〜4 列程度の穴を設ける。こ
のようなパイプまたはチューブをストロンより上方10〜
30cm程度の位置に10〜50cm程度の間隔で設置し、養液が
容器内に万遍なく散水されるようにする(以下、この方
法による養液供給方法を「上位供給法」と記すこともあ
る)。養液を上位から供給する期間は定植から収穫まで
の栽培全期間でもよいが、好ましくは、ストロンが伸長
した後で塊茎形成が始まる前から収穫時まで、さらに好
ましくは、塊茎形成直前から塊茎肥大し始める栽培期間
の一部の期間だけである。
【0019】
【発明の実施の形態】 【実施例】
【0020】〔実施例1〕 植物体材料となるバレイショ無病苗の育成 ガラス製の管ビン(直径2.5cm 、長さ12cm)内で公知の
方法で育成したウイルスフリーのバレイショの培養苗
(品種:男爵薯、日本たばこ遺伝育種研究所で保存管理
していた培養苗より増殖したもの)を植物体材料に用い
た。管ビン内で育成したウイルスフリーの培養苗(以
下、単に「培養苗」と記すこともある)の長さは5 〜7c
m 、葉数は7 枚程度であった。
【0021】NFT水耕装置における塊茎生産 上記培養苗を市販のNFT水耕装置、「ホームハイポニ
カ302 」(販売元:協和株式会社、容器の大きさ:約67
×66cm、高さ約21cm、このうち栽培槽の深さは定植板を
含め約7cm )を原装置として、その原装置を下記のとお
り改作したNFT水耕装置に24本ずつ(6 本×4 列、約
10×12cm間隔)定植し、環境制御温室内(温室内の気温
は、昼間約20〜25℃、夜間約15〜18℃、日長は自然日長
と同じ)で栽培し、定植から112 日目に塊茎を収穫し
た。
【0022】本発明方法に使用する装置の改作と本発明
の塊茎の生産方法 原装置の栽培槽底面に高さ約3cm の金網の台を置き、そ
の上にバレイショの根は通すが、ストロンは通さない大
きさの目のプラスチック製の40メッシュの防虫ネット
(以下、単に「ネット」と記すこともある)を本発明仕
切り部材として敷いた。なお、ストロンがネットの端を
越えて養液中に伸長することを防止するために、 ネット
の縁を栽培槽側面に沿って折り、ネットの周囲を高くし
た。 培養苗の上位の展開葉2 〜3 枚目下の茎をウレタンフォ
ーム片で包み、この部位を発泡スチロール板の定植穴で
差し込み、上位の展開葉2 〜3 枚が定植板の上に出て、
根や茎の基部が養液に浸る状態で培養苗を栽培装置に植
えた。
【0023】根の乾燥等による培養苗の活着不良を防ぐ
ために、定植時の養液流路の水位はネットより数mm高く
し、その後、培養苗の根がネット下の養液に十分伸長し
たら、養液流路の水位を徐々に下げ、定植後約2週間目
からは養液流路の水位を栽培槽の底面から約1cm 離れる
ようにした。原装置では定植板の下面から栽培槽の底面
までの距離は7cm 程度しかなく、バレイショの塊茎を生
産するには狭すぎるので、植物体の草丈が定植板の上面
から約15〜20cmに生長した定植後22日目に、原装置の栽
培槽の周囲に高さ約10cmの発泡スチロール板を付け足し
て、その上に定植板を置き、定植板から栽培槽底面の間
の空間(以下、この空間を「塊茎形成部位」と記すこと
もある)を原装置より広げるとともに、生長した植物体
の上位の展開葉2 〜3 枚目下の茎を再度ウレタンフォー
ム片で包み、高くした定植板の定植穴に差し込み、苗の
支持位置を変更した。 定植後29日目に定植板の上面と
栽培容器の側面を遮光性のビニールシートで覆い、塊茎
形成部位を暗条件とした。なお、当然のことではある
が、定植板より上にある植物体の茎葉はビニールシート
の外に出した。また、定植板と容器の側壁に使用した発
泡スチロール板は光を通すため、遮光性のビニールシー
トで栽培容器を覆わない場合は塊茎形成部位は明条件で
あった。
【0024】水耕栽培用の養液は、定植時に市販の園芸
用肥料「微粉ハイポネックス6.5-6-19」(発売元:ハイ
ポネックス・コーポレーション)を1,000 倍の水で溶か
した養液を栽培装置に入れ、その後は電気伝導度が1.5
〜2.5ms /cm程度となるように養液または水を追加し
た。また、養液のpHは5 〜7 の範囲となるよう数日ごと
に調整した。栽培槽の養液の深さは定植時は約4cm と
し、その後根が伸長したら徐々に水位を下げ、苗の支持
位置を変更した後は1cm 程度とした。
【0025】従来のNFT水耕装置における種いも生産 原装置の改作は、金網の台と防虫ネットを設置した点を
除いて、本発明に用いた上記装置と同じである。塊茎生
産するに当たっての環境制御温度、培養苗とその定植方
法、水耕栽培用の養液、養液流路の水位調節、塊茎の収
穫方法などについては、上記本発明方法と同一条件とし
た。上記のように生産して、収穫された塊茎は、収穫後
4日間約10℃の部屋で塊茎表面を乾燥して塊茎の大きさ
別に個数と重量を調査した。その結果を表−1に示し
た。
【0026】 表−1 実施例1の収量結果 1株当り塊茎数(個/株) 1株当り 区 別 塊茎の大きさ 塊茎重 100g以上 100-50g 50-10g 10-3g 3-0.1g 合計 g/株 本発明方法区 0.3 1.0 2.8 1.1 6.1 11.2 197 従来方法区 0.3 1.4 4.8 2.7 4.0 13.2 282 注 1.1株当り塊茎重は3g以上の塊茎の重量の合計である。
【0027】表−1から明らかなとおり、本発明方法区
では、従来方法区に比べて塊茎数はやや少なかったが、
塊茎は養液と接することなくネット上面で生産されたの
で、塊茎の表皮には皮目肥大はほとんど見られず、外観
の良い塊茎が得られた。一方、従来方法区のほとんどの
塊茎は栽培槽の底面に接して生産されたので、塊茎の下
側の養液に浸っていた部分の表皮には皮目肥大の発生が
著しかった。また、従来方法区の塊茎の一部は、養液に
浸って生産され、その部位が濡れているので、貯蔵中の
腐敗等を防ぐために、収穫後塊茎を通気の良いところに
数日置き、塊茎表面を乾燥させてから本貯蔵する必要が
ある。それに対し、本発明方法区の塊茎は、そのような
必要はほとんどない。
【0028】さらに、従来方法区では、塊茎が根と一緒
に容器の底に形成されるので、20g 程度より小さい塊茎
は、根群の中に隠れて見つけ難いものがあり、これらの
塊茎を見つけるために、根をかき分けて探す必要があっ
た。さらにまた、塊茎を収穫するときに根が付着し、収
穫後に塊茎を水洗いする必要がある。これらの作業は、
単に多くの労力や施設を必要とするのみならず、収穫や
洗浄中に塊茎表面に小さな傷を付け、雑菌の進入をまね
き、塊茎腐敗の原因となる。一方、本発明方法区では、
根はネットの下に伸び、塊茎はネットの上に生産される
ので、小さな塊茎でも根に隠れることはなく、塊茎の収
穫が簡単で、付着した根を洗い流す必要もない。
【0029】本発明方法区の塊茎と従来方法区の塊茎と
の貯蔵適性を調査するために、さらに、10℃の部屋で
12日間塊茎を仮貯蔵し、その後175日間約4℃の低
温下で貯蔵した。仮貯蔵後と低温貯蔵後に腐敗や乾燥等
により種いもに適さないと判断した塊茎を取り除き、残
った塊茎数と塊茎重量を測定し、貯蔵適性を調査した。
その結果を表−2に示す。
【0030】 * 塊茎数または塊茎重の比 貯蔵後の塊茎数または塊茎重÷貯蔵開始時の塊茎数また
は塊茎重×100
【0031】表−2から明らかなとおり、本発明方法区
では、従来方法区に比べて貯蔵中に腐敗や乾燥等によっ
て廃棄した塊茎はほとんどなく、貯蔵性に優れていた。
従来方法区の塊茎は仮貯蔵中に皮目肥大が発生した部位
より腐敗するものが多かった。塊茎の腐敗は、他の塊茎
にも移るので、腐敗した塊茎は注意深く除去する必要が
あり、選別に労力を要する。この点でも本発明方法区に
より生産された塊茎は従来方法区の塊茎よりも優れてい
た。また、本発明方法区の塊茎は、従来方法区より貯蔵
後の萎縮は少なく、このことは生理活性が高く、種いも
としての生産能力が高いことを示す。
【0032】〔実施例2〕実施例1と同様に管ビン内で
育成したバレイショ品種・メークインの培養苗(日本た
ばこ遺伝育種研究所で保存管理していた培養苗より増殖
したもの)を培養液を入れたプラスチック容器(長さ約
30cm、幅約20cm、高さ約5cm )で水耕法により栽培し、
定植用の苗を育成した。培養苗の基部をウレタンフォー
ム片で包み、プラスチック容器内の養液に浮かした発泡
スチロール板の植付け穴(直径約1.5cm 、約2.5cm 間
隔)に植え付けた。培養液は1,000 倍に希釈した市販の
園芸用肥料「液体ハイポネックス5-10-5」(販売元:ハ
イポネックス・コーポレーション)を使用した。栽培は
環境制御温室内(条件は実施例1と同様)で13日間行
い、13日目の苗の長さ約15〜20cm、葉数は12〜14枚程度
であった。
【0033】実施例1の装置と同様に市販の水耕装置
「ホームハイポニカ302」の栽培槽底面に高さ3cm の
金網の台を置き、仕切り部材として、その上にストロン
が養液中に進入しないように周囲を高くした箱状の防虫
ネットを設置した。なお、防虫ネットは、容器底面の半
分に相当する大きさのものを2つ用意し、これらを1つ
の装置に並べて置いた。また、実施例1と同様に、栽培
槽の周囲に高さ約10cmの発泡スチロール板を付け足し、
塊茎形成部位を拡大した。
【0034】実施例1と同様な定植板を用意し、上記の
方法で育成した定植苗の上位の展開葉2 〜3 枚下の茎を
ウレタンフォーム片で包み、この部位を定植板の定植穴
に差し込み、上位の展開葉2 〜3 枚が定植板の上に出る
ようにして栽培装置に定植した。そして、一方の防虫ネ
ット内に植えた定植苗の株元には、ストロンに重力の負
荷を加えるために、水約100 ミリリットルを入れたビニ
ール袋を10袋敷き詰め、株元とその後株元近くの節から
出てくるストロンに重量が加わるようにした(重力加用
区)。他方の一方の防虫ネット内に植えた区には、水の
入ったビニール袋は置かなかった(重力非加用区)。苗
は、各防虫ネット内に9本ずつ植えた。培養液には市販
の園芸肥料「微粉ハイポネックス6.5-6-19」を水に溶か
して使用し、電気伝導度が概ね1.5 〜2.0 、pH5 〜7
の範囲に入るよう管理した。栽培は環境制御温室内(条
件は実施例1と同様)で行った。
【0035】定植後14日目に定植苗の上位の展開葉2 〜
3 枚下の茎をウレタンフォーム片で包み、この部分を定
植板の定植穴に入れて、多くの節が定植板の下に存在す
るように支持位置を変更するとともに、重力加用区では
さらに茎をビニール袋の下に入れ、定植時よりも多くの
ストロンに重量が加わるようにした。また、栽培容器の
定植板と側面を遮光性のビニールシートで覆い、塊茎形
成部位を暗条件とした。また、養液の水位は実施例1の
装置と同様に調整した。 定植から99日目に塊茎を収穫した。その結果を表−3に
示した。
【0036】 表−3 実施例2の収量結果 1株当り塊茎数(個/株) 1株当り 区 別 塊茎の大きさ 塊茎重 100g 以上 100-50g 50-10g 10-3g 3-0.1g 合計 g/株 重力非加用区 0.1 0.6 5.7 2.0 2.0 10.4 205 重力加用区 0.0 0.3 12.6 5.3 6.2 24.4 321 注 1.1株当り塊茎重は3g以上の塊茎の重量の合計である。
【0037】重力加用区では重力非加用区に比べて、塊
茎の大きさのバラツキが少なくなり、2倍以上の塊茎数
が得られ、特に種いもに適する50-10gの塊茎数が多くな
り、ストロンに重量を加えることが塊茎数増加に大きな
効果があることが分かった。また、仕切り部材としてネ
ットを設置しているので、両区とも実施例1と同様に塊
茎には皮目肥大はほとんど見られず、貯蔵適性は良かっ
た。
【0038】〔実施例3〕実施例2と同様に、品種メー
クインの培養苗(長さは5 〜7cm 、葉数は4 〜6枚程
度)を培養液を入れたプラスチック容器(長さ約54cm、
幅約35cm、高さ約15cm)で水耕法により栽培し、定植用
の苗を育成した。栽培方法は、 容器の大きさが異なるだ
けで、その他は実施例2と同様である。 ただし、本試験
では定植苗の育成は22日間行い、22日目の苗の長さ約25
〜30cm、葉数は9 〜11枚程度であった。
【0039】これらの定植苗を市販の水耕装置「ホーム
ハイポニカ302 」を原装置として、下記のとおり改作し
た装置a及びbに24本ずつ(6 本×4 列、約10×12cm間
隔)定植し、環境制御温室内で栽培した。定植から3日
後に各装置とも、定植板の上面と栽培装置の側面を遮光
性のビニールシートで覆い、容器の内側を暗条件とし、
定植から98日目に塊茎を収穫した。養液は水1,000 リッ
トル当たりに硝酸カルシウム(Ca(NO 3) 2・4H 2O )
950g、硝酸カリウム(KNO 3)800g、硫酸マグネシウム
(MgSO4・7H 2O )500g、リン酸一アンモニウム(NH4
H 2PO4)155gと微量要素(鉄3ppm、ホウ素0.5ppm、マ
ンガン0.5ppm、亜鉛0.05ppm 、銅0.02ppm 、モリブデン
0.01ppm )を含む液を基本養液として、 定植時の電気伝
導度が約1.5ms/cm、その後開花期までは約1.5 〜2ms/c
m、開花期以降は約3 〜4ms/cmとなるように管理した。
またpHは概ね5 〜7 となるよう管理した。
【0040】上記装置a及びbの改作は、次の通りであ
る。 装置a:従来方法(NFT水耕装置、以下「従来方法
区」ということがある。)に用いる装置。原装置の栽培
槽の周囲に高さ10cmの発泡スチロール版を付け足して塊
茎形成部位を広げて、その上に定植穴( 直径約1.5cm 、
6 穴×4 列=24 穴、約10×12cm間隔) を開けた発泡スチ
ロール板( 定植板) を置いた。
【0041】装置b:本発明方法( ネット設置、シャワ
ーをかける手段によりストロンを物理的に刺激する。以
下、「シャワー区」ということがある。) に用いる装
置。 装置bを概略的に示す図1に基づいて説明すると、図
中、1は定植苗、2は塊茎、3はストロン、4は根、5
は養液、5’は養液流路、6は容器、7は定植板、8は
培養苗1を定植板7に設けた穴に支持するためのウレタ
ンフォーム片、9はネット10を載せるための台、10
はネット、11はパイプである。
【0042】原装置の栽培槽容器6の周囲に高さ約15cm
の発泡スチロール板を付け足す(図1では省略してあ
る)とともに、直径約1.5mm の穴を約5cm 間隔に4列開
けた塩化ビニール製のパイプ11を2本、それぞれ容器
6の側面より平行に約15cm離して(パイプ11の間隔は
約30cm)、パイプ11に設けた穴を下方に向けて、定植
板7の底面より約3cm 下に取り付けた。これら2本のパ
イプ11は配管により原体の養液供給パイプに接続した
(図示せず)。さらに実施例1の本発明装置と同様に栽
培槽底面に高さ約3cm の金網の台9を置き、その上にプ
ラスチック製の40メッシュの防虫ネット10を敷いた。
このように構成された装置bにおいて、養液5は上方よ
りシャワー状に供給され、ネット10の上で生長するス
トロン3を刺激する。 定植から98日目に塊茎2を収穫した。その結果を表−4
に示した。
【0043】 表−4 実施例3の塊茎収量結果 1株当り塊茎数(個/株) 1株当り 区 別 塊茎の大きさ 塊茎重 100g 以上 100-50g 50-10g 10-3g 3-0.1g 合計 100-10g g/株 シャワー区 0.0 1.8 5.5 2.4 1.6 11.3 7.3 280 従来方法区 0.3 1.3 4.2 3.8 4.7 14.3 5.5 239 注 1株当り塊茎重は3g以上の塊茎の重量の合計である。
【0044】本発明方法のシャワー区における塊茎の大
きさのバラツキは少なくなり、100-10g 重量範囲の塊茎
数は、従来方法区より多かった。収穫された塊茎の表面
の皮目肥大はほとんど無く、外観や貯蔵性の良い塊茎が
得られた。また、収穫された塊茎のでんぷん価は10.2%
で、従来方法区の8.0 %よりかなり高かった。このよう
なでんぷん価の高い塊茎は、内容成分が充実しているの
で貯蔵性に優れ、種いもとした場合に発芽力が高い。ま
た、本発明方法のシャワー区では、 従来方法区に比べて
ストロンは著しく長くかつ太く伸長した。養液が当たる
物理的な刺激がストロンの伸長を著しく促進することが
分かった。
【0045】〔実施例4〕実施例3と同様に品種メーク
インの培養苗から定植苗を育成した。 これらの苗を実施例3と同様な装置a(従来方法区)及
び装置b(シャワー区)に定植した。供試材料の比較を
するために「ネット+上位供給法」の装置は2台作成
し、1台には、 培養苗に代えて、水耕法で生産した塊茎
の芽が15cm程度に伸びた状態で植え付けた(シャワー区
(塊茎))。また、「ホームハイポニカ302」と同じ
大きさの木箱(約67×66cm、高さ約21cm)に蒸気消毒し
た土を入れて培養苗を植え、水耕法と現行の種いも生産
体系で一般的に行われている土耕法とを比較した。苗お
よび塊茎は容器当たり20本または20個ずつ供試した。
【0046】培養液は市販の園芸用肥料「微粉ハイポネ
ックス6.5-6-19」1,000倍液に、窒素、カルシウム、マ
グネシウムをそれぞれ1ミリモール/リットルと、鉄
(60マイクロモール/リットル)、マンガン(19マイク
ロモール/リットル)、ホウ素3.7 マイクロモール/リ
ットル)を加えた液を用いた。栽培は環境制御室内で行
い、定植後21日目に塊茎形成部位を暗条件とし、105 日
目に塊茎を収穫した。その結果を表−5に示した。
【0047】 表−5 実施例4の収量結果 1株当り塊茎数(個/株) 1株当り 区 別 塊茎の大きさ 塊茎重 100g以上 100-50g 50-10g 10-3g 3-1g 合計 g/株 シャワー区 0.0 0.1 4.8 5.6 2.0 12.3 144 シャワー区( 塊茎) 0.2 1.5 3.8 1.1 0.6 7.1 231 従来方法区 0.2 0.8 1.8 0.6 0.3 3.5 126 土耕区 0.2 0.8 1.5 0.4 0.4 3.1 120 注 1株当り塊茎重は3g以上の塊茎の重量の合計である。
【0048】これまでの結果と同様に、シャワー区の方
が従来方法区及び土耕区より塊茎の大きさのバラツキが
少なくなり、塊茎生産数が多かった。また、植物体材料
に塊茎を使用した場合は、50g 以上の大きな塊茎数は多
くなり、1株当りの塊茎重量は高かったが、塊茎数は苗
の場合より少なかった。また、水耕法と土耕法を比べた
場合、従来の水耕法のNFT法では土耕法と塊茎生産
数、重量とも差は無かったが、本発明方法では何れも塊
茎生産数はかなり多く、 重量も高かった。
【0049】〔実施例5〕実施例2と同じ本発明方法に
よって生産した品種メークインの塊茎を圃場で栽培し、
種いもとしての栽培適性を調査した。比較のために市販
の種いもを用いた。本発明方法で生産した塊茎は大きさ
別に全粒のまま、市販の種いもは1/2 または1/4 分割し
て植えた。2月下旬に植付け、6月中旬に収穫した。1
区当たりの供試数は10株で、3反復設けた。収量結果を
表−6に示した。
【0050】 表−6 圃場栽培試験の収量結果 1株当たり 10アール当たり収量(kg/10a) サイズ 平均重 塊茎数 塊茎の大きさ* (g /個)(個/株) LL L M S SS 合計 本発明塊茎 100-50g 58.2 12.7 532 1,219 1,653 1,312 508 5,225 50-20g 30.9 11.1 1,264 1,278 1,195 1,129 428 5,294 20-10g 14.5 8.0 718 1,319 1,026 804 203 4,069 10- 5g 6.9 7.4 816 1,042 860 628 284 3,630 5- 3g 3.3 5.3 583 1,027 569 439 155 2,773 3- 1g 1.5 5.6 172 861 577 509 244 2,364 市販種いも 1/2大 45.2 11.4 466 1,776 1,251 1,122 434 5,049 1/4大 26.9 9.2 1,449 1,726 949 880 217 5,221 * 塊茎の大きさ LL:180g以上 L :120-180g M : 80-120g S : 40- 80g SS: 20- 40g
【0051】本発明方法で生産した20g 以上の塊茎は、
市販の種いもと同等の生産力を示し、本発明方法によっ
て得られる種いもが、市販の種いもと遜色が無いことが
明らかになった。すなわち、萌芽期や開花期などの栽培
特性にも市販の種いもと大きな差は無く、市販の種いも
と同等の栽培適性を有することが示された。20-10gの塊
茎は収量は市販の種いもよりやや低かったが、栽培特性
には市販の種いもと大きな差は無かった。
【0052】また、10-5g 、5-3gの塊茎は市販の塊茎よ
り収量は低く、萌芽期や開花期が市販の種いもより5日
程度遅かったが、供試した塊茎は全て発芽し、用途によ
っては、例えば種いも生産用として、十分利用できる。
市販の種いもの平均の重量は約100gであり、バレイショ
農家は一般に購入した種いもを2 〜4 つ程度に分割して
植え付けているが、分割に多大な労力を要する。また、
病害に罹病している種いもが混入していた場合、分割作
業中に他の種いもに感染する可能性もある。この点、本
発明方法で生産したほとんどの塊茎は分割する必要の無
い大きさで、全粒のまま植え付けることができる大きな
利点がある。本発明方法で生産した塊茎には、ウイルス
に感染している株は無かった。
【0053】
【発明の効果】本発明方法の塊茎の生産性は高く、塊茎
の収穫作業も簡便となる。しかも本発明方法で生産され
た塊茎は、無病であり、その大きさのバラツキが少なく
て、種いもとしての栽培適性や貯蔵適性が優れている。
また、本発明方法で生産された塊茎は、食用にも適する
ものであることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法に用いる前記装置bを概略的に示す
側断面である。
【符号の説明】
1 定植苗 2 塊茎 3 ストロン 4 根 5 養液 5’養液流路 6 容器 7 定植板 8 ウレタンフォーム片 9 台 10 ネット 11 パイプ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 NFT水耕栽培装置において、養液流路
    上面に、バレイショの根は通すがストロンは通さない仕
    切り部材を設置し、該仕切り部材の上面においてバレイ
    ショのストロンを生長させ、バレイショ塊茎を形成させ
    ることを特徴とするバレイショ塊茎生産方法。
  2. 【請求項2】 バレイショの根は通すがストロンは通さ
    ない仕切り部材が40〜50メッシュの網目を有するネ
    ットである請求項1に記載のバレイショ塊茎生産方法。
  3. 【請求項3】 仕切り部材の上面において生長するスト
    ロンに物理的刺激を加えることを特徴とする請求項1又
    は2に記載のバレイショ塊茎生産方法。
  4. 【請求項4】 ストロンに物理的刺激を加える手段がス
    トロンに重力の負荷を加える又はストロンにシャワーを
    かけるのいずれかである請求項3に記載のバレイショ塊
    茎生産方法。
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