JPH1098004A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体装置およびその製造方法

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JPH1098004A
JPH1098004A JP24974096A JP24974096A JPH1098004A JP H1098004 A JPH1098004 A JP H1098004A JP 24974096 A JP24974096 A JP 24974096A JP 24974096 A JP24974096 A JP 24974096A JP H1098004 A JPH1098004 A JP H1098004A
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JP
Japan
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temperature
semiconductor substrate
dopant activation
activation annealing
diffusion layer
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JP24974096A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Ota
裕之 太田
Hideo Miura
英生 三浦
Shuji Ikeda
修二 池田
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の課題は、高濃度拡散層形成に伴うシリ
コン基板の強度低下を抑え、良好な電気特性を示す半導
体装置及びその製造方法を提供することである。 【解決手段】イオン注入後のドーパント活性化アニール
の保持温度を2段階以上変化させ、かつ一回目のドーパ
ント活性化アニールの温度を500℃以上750℃以下
とし、少なくとも2回目以降の熱処理温度を800℃以
上1100℃以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気的特性の信頼
性を要求される半導体装置およびその製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来の半導体装置の製造技術として、例
えば特開昭62−235906号公報にMOSデバイス
の製造方法が記載されている。◆この従来の半導体装置
の集積回路の製造技術を図10乃至図12を用いて説明
する。図10は従来技術のn−MOSデバイスの断面構
造模式図、図11は従来技術のn−MOSデバイスの製
造工程の概要を示すフローチャート、図12はアモルフ
ァス状態のイオン注入層のドーパント活性化アニール温
度と活性化率の関係をそれぞれ示す。
【0003】n−MOSデバイスの製造工程の概要は次
のようになる。◆ (1)p型のシリコン基板2の素子形成面の表面に素子
分離のための素子分離膜3を形成する。◆ (2)p型のシリコン基板2にMOSトランジスタVt
hコントロール用のイオン打ち込みを行う。◆ (3)p型のシリコン基板2の上にゲート酸化膜4と多
結晶シリコン膜5をこの順番で形成する。◆ (4)多結晶シリコン膜5の所望の位置をエッチング除
去して、ゲート酸化膜4の上にゲート電極5を形成す
る。◆ (5)ゲート電極5をマスクとして所望の位置にヒ素、
リン等のイオンを打ち込み、アモルファス状態のイオン
注入層7を形成する。◆ (6)800℃以上の温度でアニールを行ない、アモル
ファス状態のイオン注入層7を活性化させ拡散層(以
下、高濃度拡散層7という)7とする。◆ (7)ゲート電極5の周囲に層間絶縁膜6を形成し、そ
の上方に金属配線8を形成し多数のトランジスタの電極
間の接続を行ない、n−MOSデバイスが完成する。
【0004】上記の工程(6)の800℃以上のアニー
ルはドーパント活性化アニールと呼ばれ、イオン注入に
よってシリコン基板内部に打ち込まれた原子を電気的に
活性な結合位置に配置する目的で行われる。
【0005】すなわち、上記工程(5)でイオン注入さ
れた直後の状態では、シリコン基板のイオン注入層はア
モルファス状態になっており、打ち込まれた原子がシリ
コンの格子間位置に存在するために電気的に十分活性な
状態ではない。そこで、ドーパント活性化アニールによ
って、打ち込まれた原子がシリコンの格子位置に存在す
るようにする。また、ドーパント活性化アニールにはイ
オン打ち込みにより損傷したシリコン基板を回復させる
効果もある。
【0006】ドーズ量(単位面積に打ち込まれるイオン
の量)が少ない場合、すなわちイオン注入層がアモルフ
ァス状態にならない場合の活性化率(イオン注入によっ
てシリコン基板内部に打ち込まれた原子の量に対するド
ーパント活性化アニールによって活性化された原子の量
の割合)はドーパント活性化アニール温度の上昇ととも
に増加する。しかしながら図12に示すように、アモル
ファス状態のイオン注入層のアニールによる活性化率の
変化は単調でなく、500℃から800℃の温度域で活
性化率(キャリア密度)が低下する現象が起こる。従っ
て、従来技術の高濃度拡散層のドーパント活性化アニー
ルは800℃以上の温度で行われている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来技術
の半導体回路製造方法は、ゲート電極端部からシリコン
基板中に転位などが発生し半導体装置の電気的特性の不
良を招く場合があるという問題がある。
【0008】この問題は特に半導体装置の高速化のため
に通常の多結晶シリコン膜等のゲート酸化膜の上に、T
iN,W,WSi,CoSi,TiSi,NiSi等の
低抵抗膜を形成した半導体装置で顕著に発生する。
【0009】そしてこの問題を解決すべく鋭意究明した
ところ、その原因が高濃度拡散層のシリコン基板との界
面近傍に存在する微小欠陥によるものであり、この微小
欠陥がドーパント活性化アニールにより形成されること
を見出した。
【0010】以下にそのメカニズムを図13を用いて説
明する。図13は従来技術のドーパント活性化アニール
後の高濃度拡散層の断面模式図である。
【0011】アモルファス状態のイオン注入層7を従来
技術でドーパント活性化アニールするとアモルファス状
態のイオン注入層7が再結晶化するが、このとき図13
に示すように、高濃度拡散層7におけるシリコン基板2
との界面近傍に微小欠陥14が残留し、これによりシリ
コン基板2の強度が低下する。
【0012】イオン注入前のシリコン基板2には転位等
の格子欠陥がなく、その強度はシリコン結晶の理想的強
度(大体シリコンの剛性率の1/6と計算される)であ
りゲート電極膜の膜応力程度では転位は発生しない。し
かしながら、上記のようにイオン注入、およびそれに続
くドーパント活性化アニールによって高濃度拡散層7に
おけるシリコン基板2との界面近傍に微小欠陥14が発
生するためにシリコン基板2の強度が低下し、イオン注
入前では転位が発生しないような小さな応力が負荷され
た場合でも転位が発生することになり、電気的特性の悪
化につながる。特にゲート電極端部のように形状的に応
力の集中しやすい場所においては、わずかなゲート電極
膜の応力の増加によっても、ドーパント活性化アニール
に起因した微小欠陥が大きな転位に発達し易く、半導体
集積回路装置1の製造歩留まりの低下等大きな問題とな
る。
【0013】特に半導体装置の高速化のために通常の多
結晶シリコン膜等のゲート酸化膜の上に、TiN,W,
WSi,CoSi,TiSi,NiSi等の低抵抗膜を
形成した半導体装置でこの問題が顕著に発生するのは、
低抵抗膜は多結晶シリコン膜より硬い材料が多く、ま
た、真性応力が大きいため、シリコン基板のゲート端部
には通常のゲート酸化膜よりもさらに大きな応力が働く
ためである。
【0014】本発明の目的は、高濃度拡散層形成に伴う
シリコン基板の強度低下を抑え、良好な電気特性を示す
半導体装置及びその製造方法を提供することである。
【0015】なお本願でいう転位とは、例えばPNジャ
ンクションを横切るような、半導体装置の電気的特性の
不良を招くような転位を言い、半導体装置の電気的特性
の不良を招ねかないような微小な転位は含まない。
【0016】
【課題を解決するための手段】高濃度拡散層形成のため
のイオン注入およびそれに続くドーパント活性化アニー
ルの後にシリコン基板の強度が低下し、転位が発生しや
すくなるという問題点は、ドーパント活性化アニールを
低温と高温の2回に分けて行うことにより解決できる。
【0017】初回の低温のドーパント活性化アニールに
よってシリコン基板表面のアモルファスが結晶化し、こ
れに伴ってアモルファス/結晶界面では高温のドーパン
ト活性化アニールの場合よりさらに小さい微小欠陥が発
生する。しかしながら発明者らの研究によれば、この微
小欠陥は750℃以上の高温でドーパント活性化アニー
ルした場合と比較して大きな転位になりにくいことが判
明した。すなわち、この微小欠陥はある限界応力以上の
応力を負荷することによって大きな転位に成長するが、
その限界応力の値は、低温のドーパント活性化アニール
の場合の方が高温のドーパント活性化アニールの場合よ
りも大きいことがわかった。よって、低温のドーパント
活性化アニールを行うことによって微小欠陥によるシリ
コン基板強度の低下を減少させることができる。しかし
ながら、低温のドーパント活性化アニールはドーパント
の活性化率を低下させ、また高温のドーパント活性化ア
ニールの場合に比べて、アモルファスから結晶化した部
分のシリコン基板の結晶性も良くないという問題があ
る。しかしながら、発明者らは低温でドーパント活性化
アニールしたものを、再び高温でドーパント活性化アニ
ールすることによりドーパントの活性化率を上昇させる
ことが可能であることを見出した。なお、この2回目の
高温のドーパント活性化アニールを行った後でも1度目
の低温のドーパント活性化アニールで発生した微小欠陥
は残留するが、大きな転位に発達することはなかった。
【0018】以上述べたように、高濃度拡散層形成のた
めのイオン注入に続くドーパント活性化アニールを低温
のドーパント活性化アニールと高温のドーパント活性化
アニールとの2回に分けて行うことによって、シリコン
基板の強度低下を最低限に抑えて、高濃度拡散層7の活
性化が可能である。
【0019】本発明の半導体装置の製造方法は、次の工
程を含む。◆ (1)半導体基板の所望の位置にゲート酸化膜を介して
ゲート電極を形成する工程。◆半導体基板としては、シ
リコン基板が一般的に用いられている。また、シリコン
基板はSOI(Silicon on Insulat
or)構造を持つもの、または最表面にエピタキシャル
層を持つものを用いてもよい。
【0020】(2)半導体基板の所望の位置にイオンを
注入し、アモルファス状態のイオン注入層を形成する工
程。◆注入するイオン種としてはヒ素が一般的である
が、その他に、リン、ボロン、フッ化ボロン、アンチモ
ン等であっても拡散層が高濃度拡散層であれば同等の効
果が得られる。
【0021】(3)前記アモルファス状態のイオン注入
層を形成した半導体基板を第1の温度でドーパント活性
化アニールする工程。◆この第1の温度は、シリコン基
板を再結晶させるために500℃以上が望ましく、拡散
層の微小欠陥を大きな転位にさせないために750℃以
下が望ましい。
【0022】なお、シリコン基板を完全に再結晶させる
ためにこの第1の温度によるドーパント活性化アニール
は10分以上行うことが望ましい。
【0023】(4)前記アモルファス状態のイオン注入
層を形成した半導体基板を第1の温度よりも高い第2の
温度でドーパント活性化アニールする工程。◆この第2
の温度は、高濃度拡散層の活性化率を高めるために80
0℃以上が望ましく、シリコン基板上の回路にダメージ
を与えないために1100℃以下であることが望まし
い。◆なお、この第2の温度によるドーパント活性化ア
ニールは短時間でよく、RTA(Rapid Ther
mal Anneal)を用いた高温短時間のアニール
でもよい。◆上記の工程(3)および(4)は連続して
も行ってもよい。また、第2の温度によるドーパント活
性化アニールの後にさらに熱処理が加わっても良い。
【0024】本発明の半導体装置は、少なくとも半導体
基板と、この半導体基板の所望の位置に形成されたゲー
ト酸化膜と高濃度拡散層と素子分離膜と、前記ゲート酸
化膜上に形成されたゲート電極と、前記ゲート電極と前
記高濃度拡散層とを接続する配線とが機能的に配設され
た半導体装置において次の構成を特徴とする。
【0025】(1)前記高濃度拡散層の転位発生限界応
力σ1と、前記半導体基板の前記ゲート酸化膜と前記高
濃度拡散層と前記素子分離膜とが形成された領域以外の
領域の転位発生限界応力σ2との関係がσ1≧0.8×σ2
であること。◆そして、このように高濃度拡散層の転位
発生限界応力の低下が20%以下のため、本発明の半導
体装置は半導体基板内に大きな転位が発生せず、良好な
電気特性を示すことができる。◆なお、上記のσ1およ
びσ2は半導体基板に球圧子を押し付けることにより正
確に計測することができる。
【0026】(2)前記高濃度拡散層のドーパント活性
化率が90%以上であり、前記高濃度拡散層に分解せん
断応力が420MPa以上の領域を有すること。◆本発
明によれば、高濃度拡散層の転位発生限界応力の低下が
20%以下のため、分解せん断応力が420MPa以上
であっても半導体基板内に大きな転位が発生せず、良好
な電気特性を示すことができる。◆なお、高濃度拡散層
の分解せん断応力はラマン法等により測定することがで
きる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を実施例
を参照して説明する。
【0028】
【実施例】本発明の第1実施例を図1乃至図4を用いて
説明する。図1は本実施例に係るn−MOSトランジス
タの断面模式図、図2は本実施例に係るn−MOSトラ
ンジスタの製造工程のフローチャート、図3は本実施例
に係るアニール温度と時間の関係を表すグラフ、図4は
本実施例に係る高速形n−MOSトランジスタの断面模
式図である。
【0029】第1実施例のn−MOSトランジスタの製
造工程の概要を以下に示す。◆ (1)p型のシリコン基板2の素子形成面の表面に素子
分離のための素子分離膜3を形成する。◆ (2)p型のシリコン基板2にMOSトランジスタVt
hコントロール用のイオン打ち込みを行う。◆ (3)p型のシリコン基板2の上にゲート酸化膜4と多
結晶シリコン膜5をこの順番で形成する。◆ (4)多結晶シリコン膜5の所望の位置をエッチング除
去して、ゲート酸化膜4の上にゲート電極5を形成す
る。◆ (5)ゲート電極5をマスクとして所望の位置にイオン
注入により1015〜1016cm~2程度のヒ素原子を導入
して、アモルファス状態のイオン注入層を形成する。◆ (6)500℃以上750℃以下の低温でドーパント活
性化アニールを長時間(10分以上)行うことによっ
て、アモルファス状態のイオン注入層を結晶化する(図
3参照)。
【0030】この低温のドーパント活性化アニール温度
は、シリコン基板を再結晶させるために500℃以上が
望ましく、拡散層の微小欠陥を大きな転位にさせないた
めに750℃以下が望ましい。
【0031】この低温のドーパント活性化アニールによ
って発生する結晶欠陥の大きさは5nmより小さくな
り、またこの結晶欠陥はドーパント原子によるピンニン
グ効果によって運動しにくくなるため、シリコン基板上
部の膜の応力が大きな場合においても、結晶欠陥が大き
な転位になるのを防ぐことができる。
【0032】本実施例では、真性応力1600MPaの
SiN膜をシリコン基板上に240nm堆積させたとこ
ろ、PNジャンクションを横切るような大きな転位は発
生せず、良好な結果が得られた。
【0033】同様の試験片に対して従来技術のように9
50℃で15分のドーパント活性化アニールを1回だけ
行ったところ転位が発生してしまった。この状態での高
濃度拡散層の最大分解せん断応力は応力解析結果から4
20MPa程度と推測される。つまり、本実施例によれ
ば高濃度拡散層の最大分解せん断応力が420MPa程
度であっても転位が発生せず良好な結果が得られたこと
が解る。
【0034】(7)800℃以上1100℃以下の高温
でドーパント活性化アニールを行う(図3参照)。◆こ
の高温のドーパント活性化アニール温度は高濃度拡散層
の活性化率を高めるために800℃以上が望ましく、シ
リコン基板上の回路にダメージを与えないために110
0℃以下であることが望ましい。◆この熱処理の雰囲気
ガスは特に限定されるものではないが、シリコン基板や
回路形成要素の酸化を防止するために不活性ガス(A
r、N2)が主体であることが望ましい。
【0035】この高温の熱処理温度を800℃以上とす
ることによって活性化率90%以上が達成できた。本実
施例では、ゲート電極の形成後にイオン注入を行った
が、ゲート電極に側壁を設けた後にイオン注入を行って
も良い。また、高温のドーパント活性化アニールはRT
A(Rapid Thermal Anneal)を用
いた高温短時間のアニールでもよい。すなわち、低温の
ドーパント活性化アニールのアニール時間よりも高温の
ドーパント活性化アニールのアニール時間の方が短くて
も良い。◆高温のドーパント活性化アニールは次工程
(8)の層間絶縁膜形成後、金属電極形成前でもよい。
◆ (8)ゲート電極5の周囲に層間絶縁膜8を形成し、そ
の上方に金属配線8を形成し多数のトランジスタの電極
間の接続を行いn−MOSトランジスタが完成する。◆
本実施例によればゲート電極5の端部に応力が集中した
場合においても、シリコン基板2の表面の転位発生限界
応力の低下が著しくないため、PNジャンクションを横
切るような転位は発生しない。シリコン基板にはSOI
(Silicon on Insulator)構造を
持つもの、または最表面にエピタキシャル層を持つもの
を用いてもよい。またイオン種はヒ素の他に、リン、ボ
ロン、フッ化ボロン、アンチモン等であっても拡散層が
高濃度拡散層であれば同等の効果が得られる。また、本
実施例ではn−MOS型のトランジスタに適用したが、
p−MOS型やC−MOS型のトランジスタにも適用で
きる。
【0036】本発明は特に図4に示すような高速化のた
めに通常の多結晶シリコン膜等のゲート酸化膜5の上に
TiN,W,WSi,CoSi,TiSi,NiSi等
の低抵抗膜23が形成された、通常の半導体装置よりも
シリコン基板2のゲート端部に大きな応力が働く半導体
装置において有効に作用する。
【0037】本実施例によれば、高温のドーパント活性
化アニール終了時においても、多数の微小欠陥がシリコ
ン基板内に残留しているものの、大きな電流リークの原
因となる転位はなく、良好な電気的特性を示す半導体装
置を得ることができた。しかしながら、従来技術のよう
にイオン注入後のドーパント活性化アニールを950℃
で10分のみとしたところ、数は少ないが10nm程度
の大きな欠陥がシリコン基板内に発生し、ゲート膜端部
においては転位が発生した。この従来技術で製造した半
導体装置は電流リークが多く、使用に耐えなかった。
【0038】このように、本実施例によれば大きな電流
リークの原因となる転位や欠陥の発生を防ぐため、良好
な電気的特性を有する信頼性のある半導体装置を得るこ
とができる。
【0039】次に図5乃至図7を用いて本実施例のシリ
コン基板の転位発生限界応力の測定結果を説明する。図
5は転位発生限界応力の測定装置の構造図、図6は転位
発生限界応力の測定装置の検出部(球状圧子)の詳細
図、図7は低温のドーパント活性化アニールと転位発生
限界応力比を表すグラフである。
【0040】転位発生限界応力の測定装置は図5に示す
ように、サファイア球(球状圧子)9をシリコン基板2
の表面に押しつける機能を持つ。この測定装置は支点に
ナイフエッジ10を用い、また電磁荷重の負荷システム
を持つため、精密な微小荷重をシリコン基板の表面に局
所的に与えることができる。押しつけ試験は高温の真空
中で行い、温度低下後にエッチピット法によって押しつ
け試験時の転位発生の有無を確認する。負荷荷重を減少
させるとシリコン基板表面に与える応力も減少し、ある
荷重において転位が発生しなくなる。その荷重における
シリコン基板表面の圧痕中心の応力を転位発生に対する
限界応力(転位発生限界応力)と定義する。
【0041】本測定方法は、高温真空中においてサファ
イア球(球状圧子)9をシリコン基板内の被測定箇所に
押しつけて、負荷荷重と発生する転位の有無から、転位
発生限界応力を測定するものである。この転位発生限界
応力はヘルツの式から求められる。
【0042】球状圧子を押しつけた場合の対称軸方向の
応力は、負荷荷重P、接触半径aとして、
【0043】
【数1】
【0044】と表され、ここで接触半径aは、球状圧子
の径をR、圧子とシリコン基板のヤング率とポアソン比
を各々、(E’、ν’)、(E、ν)とすると以下のよ
うに求められる。◆
【0045】
【数2】
【0046】また半径方向の応力σrは、
【0047】
【数3】
【0048】と表せる。シリコン基板は単結晶であるの
で、転位の応力評価を行うためにはすべり面内のすべり
方向の分解せん断応力に変換する必要がある。すなわ
ち、シリコン基板の{100}面に球状圧子を押しつけ
た場合の分解せん断応力τRSSは
【0049】
【数4】
【0050】として求められる。転位発生限界応力は転
位の発生する限界荷重における上記分解せん断応力τR
SSの値とした。
【0051】上記の転位発生限界応力の測定法を用い
て、本発明の有効性の確認を行った。図7はその試験結
果を表すグラフであり、イオン注入後にドーパント活性
化アニールを行った場合の転位発生限界応力を、未処理
のCZウエハの強度を100%として規格化して示して
いる。本試験においてはイオン種としてヒ素を1016
m~2打ち込んでシリコン基板表面を完全なアモルファス
状態とし、また初回のドーパント活性化アニール温度を
変化させてアニールした後に2回目のアニールを950
℃で10分間行ったものの応力を測定した。
【0052】イオン注入後、950℃で10分間の初回
のドーパント活性化アニールを行ったものは未処理のC
Zウエハに対して60%の強度となったのに対し、55
0℃で10分間の初回のドーパント活性化アニールを行
った場合では80%の強度となった。
【0053】図7によれば、特に750℃以上の温度域
において初回のドーパント活性化アニールを行うとシリ
コン基板の強度低下が激しいことがわかる。すなわち、
シリコン基板の強度低下を最低限とするためには、初回
のドーパント活性化アニール温度を、シリコン基板を再
結晶させるために500℃以上とすることが望ましく、
拡散層の微小欠陥を大きな転位にさせないために750
℃以下とすることが望ましい。
【0054】950℃で10分間のドーパント活性化ア
ニールを1回のみを行った場合は60%の強度が測定さ
れているがこれは従来技術のドーパント活性化アニール
に相当する。つまり、従来技術の場合には40%の強度
低下であったものが本発明によって20%の強度低下に
抑えられたことが解る。
【0055】次に本発明の第2実施例を図8を用いて説
明する。図8は本実施例に係るドーパント活性化アニー
ルの熱処理温度と時間との関係を示すものである。本実
施例では、熱処理を2回とする代わりに保持温度を2段
階に変化させた場合である。初めの保持温度は500℃
以上750℃以下の範囲とし、2回目の保持温度を80
0℃以上1100℃以下とした。本実施例の場合におい
ても、転位発生限界応力の値は本発明の第1実施例の場
合と同程度であった。本実施例は保持温度を2段階に変
化させた場合であるが、初回の保持温度を500℃以上
750℃以下とし、2回目の保持温度が800℃以上1
100℃以下であれば、それ以降の工程に加熱があった
としても同様の効果が得られる。
【0056】次に本発明の第3実施例を図9を用いて説
明する。図9は本実施例に係るバイポーラ素子の断面模
式図である。バイポーラ素子は主に、p型を有するシリ
コン基板2、n型を有するエピタキシャル成長層、素子
分離膜3、活性領域、n型高濃度埋め込み拡散層、n型
低濃度層、p型を有するベース領域17、n型を有する
エミッタ領域18、p型不純物を高濃度に含んだベース
電極19、層間絶縁膜20、エミッタ電極21、側壁部
22から構成されている。
【0057】図9のバイポーラ素子は以下の製造方法に
よって形成される。◆ (1)活性領域の表面上にp型不純物を高濃度に含むベ
ース電極19と層間絶縁膜20とを堆積し、フォトレジ
スト膜からなるマスクを用いて選択的にベース電極19
と層間絶縁膜20を除去して開口部を設ける。◆ (2)シリコン酸化膜を堆積させた後、エッチバックす
ることにより、開口部の側壁にシリコン酸化膜からなる
側壁部22を形成する。◆ (3)この側壁部22および層間絶縁膜20をマスクと
して、ベース領域17を形成するために、ボロン原子も
しくはフッ化ボロン分子を1014cm~2程度注入し、熱
処理を行う。◆ (4)エミッタ領域18を形成するためにヒ素原子を1
16cm~2程度イオン注入し、シリコン基板表面をアモ
ルファス状態とする。◆ (5)500℃以上750℃以下の温度において低温の
ドーパント活性化アニールを行う。◆ (6)800℃以上1100℃以下の高温のドーパント
活性化アニールを行う。◆ (7)配線や層間絶縁膜を形成してバイポーラ素子が完
成する。◆本実施例によれば、エミッタ領域18の形成
時のドーパント活性化アニールにおいて、大きな電流リ
ークの原因となる転位や欠陥の発生を防ぐため、良好な
電気的特性を有する、信頼性の高い半導体装置1を得る
ことができる。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、高濃度拡散層形成に伴
うシリコン基板の強度低下を抑え、良好な電気特性を示
す半導体装置及びその製造方法を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るn−MOSトランジ
スタの断面模式図である。
【図2】本発明の第1実施例に係るn−MOSトランジ
スタの製造工程のフローチャートである。
【図3】本発明の第1実施例に係るアニール温度と時間
の関係を表すグラフである。
【図4】本発明の第1実施例に係る高速形n−MOSト
ランジスタの断面模式図である。
【図5】本発明の第1実施例に係る転位発生限界応力の
測定装置の構造図である。
【図6】本発明の第1実施例に係る転位発生限界応力の
測定装置の検出部(球状圧子)の詳細図である。
【図7】本発明の第1実施例に係る低温のドーパント活
性化アニールと転位発生限界応力比を表すグラフであ
る。
【図8】本発明の第2本実施例に係るドーパント活性化
アニールの熱処理温度と時間との関係を示すグラフであ
る。
【図9】本発明の第3実施例に係るバイポーラ素子の断
面模式図である。
【図10】従来技術のn−MOSデバイスの断面構造模
式図である。
【図11】従来技術のn−MOSデバイスの製造工程の
概要を示すフローチャートである。
【図12】アモルファス状態のイオン注入層のドーパン
ト活性化アニール温度と活性化率の関係を示すグラフで
ある。
【図13】従来技術のドーパント活性化アニール後の高
濃度拡散層の断面模式図である。
【符号の説明】
2…シリコン基板、3…素子分離膜、4…ゲート酸化
膜、5…ゲート電極、6…層間絶縁膜、7…高濃度拡散
層、8…金属配線、9…サファイア球、10…ナイフエ
ッジ、14…微小欠陥、17…ベース領域、18…エミ
ッタ領域、19…ベース電極、20…層間絶縁膜、21
…エミッタ電極、22…側壁部、24…転位。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の工程を含む半導体装置の製造方法。 (1)半導体基板の所望の位置にゲート酸化膜を介して
    ゲート電極を形成する工程。 (2)半導体基板の所望の位置にイオンを注入し、アモ
    ルファス状態のイオン注入層を形成する工程。 (3)前記アモルファス状態のイオン注入層を形成した
    半導体基板を第1の温度でドーパント活性化アニールす
    る工程。 (4)前記アモルファス状態のイオン注入層を形成した
    半導体基板を第1の温度よりも高い第2の温度でドーパ
    ント活性化アニールする工程。
  2. 【請求項2】次の工程を含む半導体装置の製造方法。 (1)半導体基板の所望の位置にゲート酸化膜を介して
    ゲート電極を形成する工程。 (2)半導体基板の所望の位置にイオンを注入し、アモ
    ルファス状態のイオン注入層を形成する工程。 (3)前記アモルファス状態のイオン注入層を形成した
    半導体基板を500℃以上750℃以下の温度でドーパ
    ント活性化アニールする工程。 (4)前記アモルファス状態のイオン注入層を形成した
    半導体基板を800℃以上1100℃以下の温度でドー
    パント活性化アニールする工程。
  3. 【請求項3】次の工程を含む半導体装置の製造方法。 (1)半導体基板の所望の位置にゲート酸化膜を介して
    ゲート電極を形成する工程。 (2)半導体基板の所望の位置にイオンを注入し、アモ
    ルファス状態のイオン注入層を形成する工程。 (3)前記アモルファス状態のイオン注入層を形成した
    半導体基板を500℃以上750℃以下の温度で所望の
    時間保持した後、この温度を800℃以上1100℃以
    下の温度で所望の時間保持することによりドーパント活
    性化アニールを行う工程。
  4. 【請求項4】少なくとも半導体基板と、この半導体基板
    の所望の位置に形成されたゲート酸化膜と高濃度拡散層
    と素子分離膜と、前記ゲート酸化膜上に形成されたゲー
    ト電極と、前記ゲート電極と前記高濃度拡散層とを接続
    する配線とが機能的に配設された半導体装置において、
    前記高濃度拡散層の転位発生限界応力σ1と、前記半導
    体基板の前記ゲート酸化膜と前記高濃度拡散層と前記素
    子分離膜とが形成された領域以外の領域の転位発生限界
    応力σ2との関係がσ1≧0.8×σ2であることを特徴と
    する半導体装置。
  5. 【請求項5】請求項4において、前記σ1および前記σ2
    は前記半導体基板に球圧子を押し付けることにより計測
    されることを特徴とする半導体装置。
  6. 【請求項6】少なくとも半導体基板と、この半導体基板
    の所望の位置に形成されたゲート酸化膜と高濃度拡散層
    と素子分離膜と、前記ゲート酸化膜上に形成されたゲー
    ト電極と、前記ゲート電極と前記高濃度拡散層とを接続
    する配線とが機能的に配設された半導体装置において、
    前記高濃度拡散層のドーパント活性化率が90%以上で
    あり、前記高濃度拡散層に分解せん断応力が420MP
    a以上の領域を有することを特徴とする半導体装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000349039A (ja) * 1999-06-02 2000-12-15 Nec Corp 浅い拡散層を有する半導体装置の製造方法
JP2001156293A (ja) * 1999-09-17 2001-06-08 Matsushita Electronics Industry Corp 半導体装置の製造方法
US6300239B1 (en) 1998-11-06 2001-10-09 Nec Corporation Method of manufacturing semiconductor device
JP2002134745A (ja) * 2000-10-25 2002-05-10 Sony Corp 半導体装置の製造方法

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