JP3207551B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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JP3207551B2
JP3207551B2 JP24998992A JP24998992A JP3207551B2 JP 3207551 B2 JP3207551 B2 JP 3207551B2 JP 24998992 A JP24998992 A JP 24998992A JP 24998992 A JP24998992 A JP 24998992A JP 3207551 B2 JP3207551 B2 JP 3207551B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体装置の製造方法
に係わり、特に素子形成領域から重金属等の汚染物質を
除去する工程を有する半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の製造工程中に侵入する汚染
物質、例えば、鉄,銅等の重金属は、Si基板のSi中
の格子位置や,格子間位置に析出する。この結果、少数
キャリアの生成消滅中心の形成,pn接合のリ−ク電流
の増大又は過剰キャリア寿命の短命化等が起こり、半導
体装置の電気的特性が劣化する。
【0003】例えば、MOS型メモリ素子においては、
発生した過剰電子又は過剰正孔がSi基板内を拡散する
ため、電荷蓄積セル内に蓄積された電荷が減少し、これ
により蓄積電荷が臨界電荷以下になると、メモリセルの
状態が1から0へ反転し、蓄積情報が失われる。
【0004】このように重金属汚染は、素子の電気的特
性の劣化を引き起こし、特に超LSIの生産において
は、少量の汚染でも素子特性が劣化・変動するため、生
産歩留まりを低下させる大きな原因となっていた。
【0005】このような汚染物質を除去するために、従
来より、ゲッタリングが行なわれている。ゲッタリング
には、ウエハ裏面ダメ−ジゲッタリング,イントリンシ
ックゲッタリング等がある。ウエハ裏面ダメ−ジゲッタ
リングでは、ウエハ裏面に故意に機械的歪みを形成す
る。この機械的歪みを核にして欠陥が発生し、そこに重
金属が偏析する。
【0006】イントリンシックゲッタリングでは、65
0℃〜750℃の低温熱処理によって酸素の析出核を形
成した後、1000℃〜1100℃の高温熱処理で酸素
を析出させ、この酸素に重金属を取り込んでいる。しか
しながら、上記ゲッタリングに次のような問題があっ
た。
【0007】即ち、素子の微細化が進むにつれて、各素
子間の距離が短くなるので、例えば、800〜850℃
程度の低温熱処理で行なう必要がある。ウエハ裏面ダメ
−ジゲッタリングでは、欠陥を成長させるために約10
00℃以上の高温熱処理を必要とする。また、イントリ
ンシックゲッタリングでは、酸素の析出のために約90
0℃以上の高温熱処理を必要とする。
【0008】したがって、素子の微細化が進むにつれ
て、より低い温度の熱処理が要求されるため、従来のゲ
ッタリングでは、汚染物質を十分に取り除くことが困難
であるという問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、素子の微
細化により、より少量の汚染でも素子特性が低下するた
め、ゲッタリングによる汚染物質の除去は超LSIの製
造に不可欠な工程となっている。しかしながら、素子の
微細化が進むにつれて、より低い温度でゲッタリングを
行なわなければならず、汚染物質を十分に取り除くこと
が困難であるという問題があった。
【0010】本発明は、上記事情を考慮してなされたも
ので、その目的とするところは、低温熱処理でも十分に
汚染物質を取り除くことができるゲッタリング工程を有
する半導体装置の製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の半導体装置の製造方法(請求項1)は、
半導体基板に、アモルファス化するのに必要なドーズ量
よりも少ない量のイオンを注入し、点欠陥領域を前記半
導体基板の表面近傍に形成する工程と、この点欠陥領域
を形成する前又は後に、前記半導体基板の表面から所定
の深さまでの領域にIII族又はV族の元素からなる不純
物領域を形成する工程と、熱処理によって、前記不純物
領域を構成する元素と前記半導体基板中の汚染物質とを
結合させ、これを前記半導体基板の表面に移動させる工
程とを備えたことを特徴とする。
【0012】半導体基板に、アモルファス化するのに必
要なドーズ量よりも少ない量のイオンを注入し、点欠陥
領域を前記半導体基板の表面近傍に形成する工程と、こ
の点欠陥領域を形成する前又は後に、前記半導体基板の
表面から所定の深さまでの領域にIII族又はV族の元素
からなる不純物領域を形成する工程と、熱処理によっ
て、前記不純物領域の不純物濃度分布を、前記半導体基
板の表面で不純物濃度が最大となり、且つ注入される前
記イオンの分布が最大となる深さの2倍より浅い深さで
不純物濃度が極小となる不純物濃度分布に変える工程と
を備えたことを特徴とする。
【0013】また、本発明の他の半導体装置の製造方法
(請求項3)は、加速電圧10keV以下,ドーズ量1
×1014cm-2以上1×1015cm-2以下の条件でシリ
コン基板にシリコンイオンを注入する工程と、このシリ
コンイオンの注入工程の前又は後に前記シリコン基板の
表面から100nm未満の深さの領域に、1×1018
-3以上の不純物濃度を有するIII 族元素又はV族元素
からなる不純物領域を形成する工程と、700℃以上の
熱処理を前記シリコン基板に施す工程とを備えたことを
特徴とする。なお、注入する前記イオンは、前記半導体
基板と同導電型のものであることが好ましい。また、前
記所定の深さとは、前記イオンを注入する際のプロジェ
クションレンジイオン最大分布となる深さの2倍以下の
深さであることが望ましい。
【0014】
【作用】本発明者等の研究によれば、点欠陥からなるア
モルファス状でない損傷領域と、III 族元素又はV族元
素からなる不純物領域とが形成された半導体基板に対し
て熱処理を施すと、この熱処理の温度が低くても、効果
的に半導体基板内の汚染物質を損傷領域に集め、上記点
欠陥とともに基板表面方向に外方拡散させることができ
ことが分かった。
【0015】本発明者等の研究によれば、アモルファス
状でない点欠陥領域と、III 族元素又はV族元素からな
る不純物領域とが形成された半導体基板に対して熱処理
を施して、前記III 族元素又はV族元素と汚染物質とを
結合させ、これを点欠陥領域に移動させることにより、
効果的に半導体基板内の汚染物質を点欠陥領域に集めら
れることが分かった。即ち、低温のゲッタリングでも、
汚染物質の除去ができるようになった。
【0016】また、点欠陥領域及び不純物領域は、イオ
ン注入により形成できるので、通常の素子形成における
イオン注入工程に、不純物領域を形成するためのイオン
注入,点欠陥領域を形成するためのイオン注入の2つの
イオン注入工程を追加するだけで済む。このため、素子
の微細化が進んでも、プロセスの複雑化を招くこと無
く、半導体基板内の特定領域に効果的なゲッタリングを
行なうことができる。
【0017】
【実施例】以下、図面を参照しながら実施例を説明す
る。図1は、本発明に係るゲッタリングの実験結果を示
す図であり、ボロン及び鉄の基板表面からの深さと濃度
との関係を示している。
【0018】この実験では、表面が酸化膜等で被覆され
ていない、基板表面が露出した単結晶シリコン基板を用
いた。そして、この単結晶シリコン基板に加速電圧10
keV,ドーズ量5×1014cm-2の条件でシリコンの
イオン注入を行なって、基板表面から数10nmの深さ
までの領域に高濃度の点欠陥領域を形成した。
【0019】次いで上記単結晶シリコン基板に加速電圧
5keV,ドーズ量2.5×1014cm-2の条件でボロ
ンイオンを注入し、上記単結晶シリコン基板に700℃
の熱処理を施すことにより、ゲッタリングを行なう。こ
のゲッタリングの効果を二次イオン質量分析により調べ
て見た。
【0020】図1(a)は、ボロンイオンを注入した直
後のボロン及び汚染物質である鉄の深さと濃度との関係
を示している。ボロンの濃度は、基板表面から30nm
程度の深さのところでピーク(1×1020cm-3程度)
となり、一方、鉄の濃度は、基板表面でピークとなり、
基板表面から40nm以内の深さの領域まで観測され
た。
【0021】図1(b)は、700℃の熱処理後の鉄及
びボロンの深さと濃度との関係を示している。鉄の濃度
は、基板表面でピークとなり、基板表面から3nm以内
の深さの領域のみで観測され、それより深い領域では検
出限界以下の低濃度であった。即ち、上述した方法によ
り、基板表面に鉄がゲッタリングされている。また、ボ
ロンの濃度は、鉄の濃度と同様に基板表面でピークとな
り、基板表面から約25nmの深さで極小となり、そし
て、これより深い領域で極大となり、それ以降は深さと
共に小さくなっていた。また、ボロンの濃度が極小とな
る深さは、シリコンのイオン注入で形成される点欠陥領
域の点欠陥密度が最大となるところであることが分かっ
た。
【0022】図1(a),(b)からボロンの濃度のピ
ークが基板表面に移動すると、鉄の濃度も基板表面で高
くなることが分かる。また、このときのボロンプロファ
イルから、基板表面方向に拡散するボロンは、基板表面
から32nm、換言すれば、加速電圧10keVでシリ
コンのイオン注入をしたときのプロジェクションレンジ
である16nmの2倍の深さまでの領域に限られている
ことが分かる。また、ボロンの濃度のピークが基板表面
に移動すると、酸素の濃度も基板表面で高くなることを
確認した。これらのことからこのゲッタリングの機構は
次のように考えられる。即ち、まず、鉄とボロンとの複
合体が形成され、熱処理によって、この複合体がシリコ
ンイオンの注入よって形成された基板表面の点欠陥領域
に移動することにより、上記複合体は熱処理により点欠
陥と共に基板表面方向へ外方拡散し、鉄がゲッタリング
されると考えられる。
【0023】本発明者等は、上記ゲッタリングを、40
0〜900℃の範囲で熱処理温度を変えて行なってみ
た。なお、熱処理時間は1時間である。図2は、その結
果を示す図で、5nmより深い領域に残った鉄の濃度と
熱処理温度との関係を表している。熱処理温度が700
℃以上の場合には、鉄の濃度は測定限界以下の低レベル
であった。これからゲッタリングを効果的に行なうに
は、熱処理温度は700℃以上であること望ましいこと
が分かる。図3は、本発明のゲッタリングを用いたLD
D構造を有するp型MOSトランジスタの形成工程を示
す断面図である。
【0024】まず、図3(a)に示すように、例えば、
面方位が(100)で、比抵抗が4〜6Ωcm程度のn
型単結晶シリコン基板1上に、通常の熱酸化によって、
厚さ0.6μm程度の素子分離用の二酸化シリコン膜2
を形成する。引き続き、熱酸化によって、厚さ10nm
のゲート酸化膜11を形成した後、このゲート酸化膜1
1上に厚さ100nmの不純物ドープ多結晶シリコン膜
12,厚さ300nmのタングステンシリサイド膜13
を順次形成する。次いでLPCVD法を用いて、タング
ステンシリサイド膜13の表面に厚さ150nmのシリ
コン酸化膜14を形成した後、ゲート酸化膜11,不純
物ドープ多結晶シリコン膜12,タングステンシリサイ
ド膜13及びシリコン酸化膜14からなる積層膜を、反
応性イオンエッチングを用いてゲート電極部状にパター
ニングする。次いでこのようにして形成されたゲート電
極部をマスクとして、BF2 イオンをn型シリコン基板
1に注入し、n型シリコン基板1に熱処理を施すことに
より、ソース・ドレイン領域に低濃度の浅いp型不純物
層15を自己整合的に形成する。このイオン注入の条件
は、加速電圧10keV,ドーズ量4×1013cm-2
あり、イオン注入後の熱処理の条件は、700℃,30
秒である。
【0025】次に図3(b)に示すように、ゲート電極
部の側壁部に厚さ100nm程度のシリコン酸化膜16
を形成する。このシリコン酸化膜16は、例えば、CV
D法を用いて全面に厚さ150nmのシリコン酸化膜を
堆積し、このシリコン酸化膜を異方性ドライエッチング
によって全面エッチングすることにより得られる。
【0026】次に図3(c)に示すように、基板表面に
露出したp型不純物層15にBF2イオンを注入し、高
濃度の深いp型不純物層4を形成する。このイオン注入
は、例えば、加速電圧45keV,ドーズ量4×1015
cm-2の条件で行なう。これによって、シリコン基板1
の表面から28nmより浅い領域には、III 族元素であ
るボロンの濃度が1018cm-3以上の不純物領域が形成
される。
【0027】この後、ゲッタリングのためのイオン注入
及び熱処理を行なう。即ち、p型不純物層4に加速電圧
8keV,ドーズ量1×1015cm-2の条件でシリコン
イオンを注入した後、800℃,20秒の熱処理をシリ
コン基板1に施す。なお、本実施例では、p型不純物層
4を形成する工程が不純物領域を形成する工程を兼ねて
いるので、ゲッタリング工程が簡略化される
【0028】なお、上記不純物領域は、その大部分がシ
リコンのイオン注入を加速電圧8keVで行なった場合
のプロジェクションレンジ(14nm)の2倍である2
8nm以下の深さに形成されている。このような深さに
することでゲッタリング効果を高められることが分かっ
た。特に不純物領域を不純物のイオン注入により形成す
る場合には、点欠陥形成のためのイオン注入のプロジェ
クションレンジの2倍以下の深さに、上記不純物のイオ
ン注入のプロジェクションレンジが収まるようにするこ
とがより好ましい。
【0029】次に全面に厚さ300nmのシリコン酸化
膜17をCVD法によって堆積した後、異方性ドライエ
ッチングを用いて、p型不純物層4上のシリコン酸化膜
17にコンタクトホール3を開口する。次いでシリコン
と銅をそれぞれ0.5%ずつ含有するアルミニウム膜5
を全面に厚さ800nm堆積する。
【0030】最後に、アルミニウム膜5をパターニング
した後、水素含有量が10%の窒素雰囲気中での400
℃,15分の熱処理を行なって、LDD構造のMOSト
ランジスタが完成する。
【0031】以上述べた方法により、チャネル長0.8
μm,チャネル幅1.1μmのMOSトランジスタを形
成し、ドレイン電圧が0.05V,3.3Vの場合につ
いてチャネルのオフ電流を測定したところ、それぞれ2
×10-2nA,3×10-1nAであった。比較のため、
シリコンイオンを注入しなかった場合について、同一条
件のもとでオフ電流を測定したところ、6×10-2nA
(ドレイン電圧0.05V),4×10-1nA(ドレイ
ン電圧3.3V)であった。
【0032】このようにシリコンイオンの注入を行なっ
た場合のほうが、オフ電流が小さくなるのは、シリコン
イオンの注入によってゲッタリング効果が高まり、より
多くの鉄などの重金属が基板表面に集められ、ドレイン
端部のp+ n接合領域に再結合発生電流の原因となる深
い準位が形成されなかったためと考えられる。
【0033】本発明者等は、上記ゲッタリングの工程に
おいて、シリコンの加速電圧を変えてゲッタリングを行
なってみた。なお、ボロンのドーズ量は5×1014cm
-2とした。
【0034】図4は、その結果を示す図で、5nmより
深い領域に残った鉄の濃度とシリコンの加速電圧との関
係を示している。加速電圧が10keVを越えると、鉄
の濃度が加速電圧の増加と共に高くなることが分かる。
この図4からゲッタリングを効果的に行なうには、シリ
コンの加速電圧は10keV以下であることが望まし
い。
【0035】加速電圧が高くなると、ゲッタリング効果
が低下するのは、シリコンのイオン注入で形成されるべ
き過剰な点欠陥領域が失われ、このために基板表面方向
への鉄の外方拡散が進まないからだと考えられる。
【0036】本実施例では、シリコンのイオン注入によ
って、基板表面に点欠陥領域を形成したが、他の元素を
イオン注入しても良い。また、このイオン注入による後
工程での電気的影響を防止するには、炭素,シリコン,
ゲルマニウム又は錫などのIV族元素が望ましい。
【0037】また、十分な量の点欠陥を形成できるドー
ズ量未満又はシリコン基板をアモルファス化するのに必
要なドーズ量以上では、ゲッタリング効果が得られなく
なることが分かった。図5は、そのことを示す図で、5
nmより深い領域に残った鉄の濃度とシリコンのドーズ
量との関係を示している。この図からドーズ量が1×1
14cm-2より小さくなると、ドーズ量の低下と共に鉄
の濃度が高くなり、また、ドーズ量が1×1015cm-2
より大きくなると、ドーズ量の増加と共に鉄の濃度が高
くなることが分かる。
【0038】ドーズ量が1×1014cm-2未満になる
と、ゲッタリング効果が得られなくなるのは、十分な量
の点欠陥を形成できなくなるからだと考えられる。ま
た、ドーズ量が1×1015cm-2を越えると、ゲッタリ
ング効果が得られなくなるのは、シリコン基板がアモル
ファス化されると、結晶回復が固相成長によって起こ
り、過剰な点欠陥が失われてしまうからだと考えられ
る。
【0039】なお、本実施例では、シリコンイオンの注
入後の熱処理は、850℃,20秒としたが、700℃
以上の熱処理であれば、同様のゲッタリング効果を得る
ことができた。また、これより低い温度の場合には、鉄
が基板表面まで十分に拡散せずゲッタリング効果は得ら
れなかった。
【0040】かくして本実施例によれば、高温熱処理が
不要で、しかもプロセスの複雑化を招くこと無く、ソー
ス・ドレイン領域の汚染物質を十分に取り除くことがで
きるようになる。図6は、本発明の他の実施例に係るL
DD構造を有するn型MOSトランジスタの形成工程を
示す断面図である。なお、図3のMOSトランジスタと
対応する部分には図3と同一符号を付してある。
【0041】先ず、図6(a)に示すように、先の実施
例と同様な方法を用いて、比抵抗4〜6Ωcm程度のp
型単結晶シリコン基板6上に二酸化シリコン膜2を形成
した後、ゲート酸化膜11,不純物ドープ多結晶シリコ
ン膜12,タングステンシリサイド膜13,シリコン酸
化膜14からなるゲート電極部を形成する。次いでこの
ゲート電極部をマスクとして、例えば、加速電圧15k
eV,ドーズ量4×1013cm-2の条件で砒素のイオン
注入により、低濃度の浅いn型不純物層18を形成した
後、750℃,30秒の熱処理をシリコン基板6に施
す。
【0042】次に図6(b)に示すように、ゲート電極
部の側壁部に厚さ100nm程度のシリコン酸化膜16
を形成する。このシリコン酸化膜16は、例えば、全面
に厚さ150nm程度のシリコン酸化膜をCVD法によ
り堆積した後、異方性エッチングにより全面エッチング
することにより得られる。
【0043】次に図6(c)に示すように、基板表面に
露出したn型不純物層18に、リンイオンを注入して高
濃度のn型拡散層7を形成する。このイオン注入の条件
は、例えば、加速電圧300keV,ドーズ量6×10
15cm-2とする。次いで加速電圧8keV,ドーズ量1
×1015cm-2のシリコンのイオン注入を行ない、点欠
陥領域を形成すると共に、加速電圧3.5keV,ドー
ズ量2×1015cm-2のボロンのイオン注入を行ない、
点欠陥・不純物領域19を形成する。このシリコンのイ
オン注入及びボロンのイオン注入はどちらが先でも良
い。次いで乾燥酸素雰囲気中での800℃,20秒の熱
処理によりゲッタリングを行なった後、1%弗化水素水
溶液に1分間浸すことにより、上記熱処理の際に形成さ
れた酸化膜を剥離する。この熱処理及び酸化膜剥離によ
って、点欠陥・不純物領域19が取り除かれる。ここ
で、上記ゲッタリングの雰囲気を非酸化性雰囲気、例え
ば、アルゴン雰囲気としも良く、この場合には、アルカ
リ系水溶液等で点欠陥・不純物領域を除去すれば良い。
【0044】次に図6(d)に示すように、全面に厚さ
300nmのシリコン酸化膜17をCVD法により形成
した後、n型拡散層7上のシリコン酸化膜17を異方性
エッチングを用いてエッチングしてコンタクトホールを
開口し、続いて、このコンタクトホール内のn型拡散層
7をケミカルドライエッチングにより100nmエッチ
ングする。
【0045】最後に、シリコン,銅の含有量がともに5
%のアルミニウム膜5を全面に堆積した後、このアルミ
ニウム膜5をパターニングして、LDD構造のMOSト
ランジスタが完成する。
【0046】以上述べた方法により、チャネル長0.8
μm,チャネル幅1.1μmのMOSトランジスタを形
成し、ドレイン電圧が0.05V,3.3Vの場合につ
いてチャネルのオフ電流を測定したところ、それぞれ4
×10-2nA,6×10-1nAであった。比較のため、
シリコンイオン及びボロンイオンを注入しなかった場合
について、同一条件のもとでオフ電流を測定したとこ
ろ、8×10-2nA(ドレイン電圧0.05V),3×
100 nA(ドレイン電圧3.3V)であった。本発明
者等は、シリコンイオン及びボロンイオンの注入の効果
を調べるため、リンのみのイオン注入した場合、リンの
イオン注入にシリコンのイオン注入を追加した場合、リ
ンのイオン注入にボロンのイオン注入を追加した場合,
リンのイオン注入にシリコンとボロンとのイオン注入を
追加した場合について、鉄,ボロンの基板表面からの深
さと濃度との関係をSIMSによって調べてみた。な
お、イオン注入後の熱処理は、800℃,20秒とし
た。
【0047】リンのみをイオン注入した場合には、図7
(a)に示すように、基板表面から20nmの深さまで
高濃度の鉄の存在が認められた。これに対し、シリコン
のみの追加イオン注入を行なった場合には、図7(b)
に示すように、基板表面から8nmの深さまで高濃度の
鉄の存在が認められた。また、ボロンのみの追加イオン
注入を行なった場合には、図7(c)に示すように、基
板表面から15nmの深さのところに鉄のパイルアップ
が認められた。これらのイオン注入対して、シリコン及
びボロンの追加イオン注入を行なった場合には、図7
(d)に示すように、基板表面から2nmの深さまでし
か高濃度の鉄の存在が認められなかった。以上のことか
ら、シリコンとボロンの両元素をイオン注入することが
鉄のゲッタリングに効果的であることが分かる。図8
は、本発明の他の実施例に係る拡散層と金属配線との接
続方法を示す工程断面図である。
【0048】まず、図8(a)に示すように、例えば、
面方位が(100)で、比抵抗が4〜6Ωcm程度のn
型シリコン基板31上に、通常の選択熱酸化によって、
厚さ0.6μm程度の素子分離絶縁膜32を形成する。
次いで露出した基板表面にボロンイオンを注入して、高
濃度のp型拡散層33を形成する。このイオン注入の条
件は、例えば、加速電圧25keV,ドーズ量3×10
15cm-2とする。
【0049】次に図8(b)に示すように、全面に厚さ
300nmのシリコン酸化膜34を形成した後、反応性
イオンエッチング等の異方性ドライエッチングにより、
p型拡散層33上のシリコン酸化膜34をエッチングし
て、コンタクトホール35を形成する。この後、ゲッタ
リングを行なう。即ち、加速電圧8keV,ドーズ量1
×1015cm-2の条件によるシリコンのイオン注入,加
速電圧3.5keV,ドーズ量2×1015cm-2の条件
によるボロンのイオン注入を行なって、点欠陥・不純物
領域36を形成した後、乾燥酸素雰囲気中での800
℃,20秒の熱処理を行なう。この後、1%弗化水素溶
液にシリコン基板31を1分間浸して、上記熱処理の際
に形成された酸化膜を除去する。この酸化膜剥離及び熱
処理によって、点欠陥・不純物領域36が取り除かれ
る。
【0050】次に図8(c)に示すように、厚さ20n
mのチタン膜と厚さ30nmの窒化チタン膜との積層膜
(不図示)を全面に堆積した後、乾燥窒素雰囲気中での
600℃,30秒の熱処理によって、p型拡散層33の
表面に接した上記積層膜を選択的に珪化チタン膜37に
変える。この後、弗化水素水溶液及び硫酸/過酸化水溶
液との混合溶液を用いて上記積層膜の選択エッチングを
行ない、珪化チタン膜37を残す。
【0051】最後に、シリコン,銅を例えば0.5%ず
つ含有するアルミニウム膜38を800nm堆積し、所
定の電極形状にパターニングした後、シリコン酸化膜3
4と珪化チタン膜37との密着性を向上するために、水
素を10%含む窒素雰囲気中での450℃,15分の熱
処理を行なう。
【0052】以上述べた方法により形成した1辺が1μ
mのサイズの素子の拡散層と金属配線とのコンタクト抵
抗を測定したところ、22Ωの値が得られた。これに対
し、本実施例の方法からシリコン及びボロンのイオン注
入によるゲッタリングを除いた方法により形成した同サ
イズの素子の拡散層と金属配線とのコンタクト抵抗を測
定したところ、43Ωであった。このようにコンタクト
抵抗を低減できたのは、先の実施例と同様に、ゲッタリ
ング効果によって、コンタクト界面のおける鉄などの汚
染物質が除去されたからだと考えられる。
【0053】なお、本実施例では、コンタクト部の形成
工程のおけるゲッタリングについて説明したが、本発明
は、他の工程、例えば、RIE等のエッチング工程の場
合のように表面付近が重金属によって汚染される工程の
後工程にも適用できる。
【0054】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、低
温熱処理で、しかもプロセスの複雑化を招くこと無く、
半導体基板内の特定領域に効果的なゲッタリングを行な
うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ボロン及び鉄の深さと濃度との関係を示す図。
【図2】鉄濃度と熱処理温度との関係を示す図。
【図3】本発明の一実施例に係るLDD構造を有するp
型MOSトランジスタの形成工程断面図。
【図4】鉄濃度とシリコン加速電圧との関係を示す図。
【図5】鉄濃度とシリコンドーズ量との関係を示す図。
【図6】本発明の他の実施例に係るLDD構造を有する
n型MOSトランジスタの形成工程断面図。
【図7】シリコンイオン及びボロンイオンの注入効果を
説明するための図。
【図8】本発明の他の実施例に係る拡散層と金属配線と
の接続方法を示す工程断面図。
【符号の説明】
1…n型単結晶シリコン基板、2…二酸化シリコン膜、
3,35…コンタクトホール、4,33…高濃度p型不
純物層、5,38…アルミニウム膜、6…p型単結晶シ
リコン基板、7…高濃度n型拡散層、11…ゲート酸化
膜、12…不純物ドープ多結晶シリコン膜、13…タン
グステンシリサイド膜、14,16,17,34…シリ
コン酸化膜、15…低濃度p型不純物層、18…低濃度
n型不純物層、19,36…点欠陥・不純物領域、31
…n型シリコン基板、32…素子分離絶縁膜、37…珪
化チタン膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/322 H01L 21/265

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体基板に、アモルファス化するのに必
    要なドーズ量よりも少ないドーズ量のイオンを注入し、
    点欠陥領域を前記半導体基板の表面近傍に形成する工程
    と、 この点欠陥領域を形成する前又は後に、前記半導体基板
    の表面から所定の深さまでの領域にIII族又はV族の元
    素からなる不純物領域を形成する工程と、 熱処理によって、前記不純物領域を構成する元素と前記
    半導体基板中の汚染物質とを結合させ、これを前記半導
    体基板の表面に移動させる工程とを有することを特徴と
    する半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】半導体基板に、アモルファス化するのに必
    要なドーズ量よりも少ないドーズ量のイオンを注入し、
    点欠陥領域を前記半導体基板の表面近傍に形成する工程
    と、 この点欠陥領域を形成する前又は後に、前記半導体基板
    の表面から所定の深さまでの領域にIII族又はV族の元
    素からなる不純物領域を形成する工程と、 熱処理によって、前記不純物領域の不純物濃度分布を、
    前記半導体基板の表面で不純物濃度が最大となり、且つ
    注入される前記イオンの分布が最大となる深さの2倍よ
    り浅い深さで不純物濃度が極小となる不純物濃度分布に
    変える工程とを有することを特徴とする半導体装置の製
    造方法。
  3. 【請求項3】加速電圧10keV以下,ドーズ量1×1
    14cm-2以上1×1015cm-2以下の条件でシリコン
    基板にシリコンイオンを注入する工程と、 このシリコンイオンの注入工程の前又は後に、前記シリ
    コン基板の表面から100nm未満の深さの領域に、1
    ×1018cm-3以上の不純物濃度を有するIII族又はV
    族の元素からなる不純物領域を形成する工程と、 700℃以上の熱処理を前記シリコン基板に施す工程と
    を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】前記不純物領域は、加速電圧5keVの条
    件でボロンイオンを前記シリコン基板に注入して形成す
    ることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置の製造
    方法。
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