JPH1096392A - 親子シールド掘進機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 子シールド機の単独掘進時において大径礫層
もしくは岩盤区間での破砕掘削を行えるようにする。 【解決手段】 子カッタヘッド１２の面板１２ａの形状
をドーム形状もしくは円錐台形状とし、この面板１２ａ
に礫層破砕用のディスクカッタ８を設け、この面板１２
ａの外周部に装着されるディスクカッタ８により親カッ
タヘッド７と子カッタヘッド１２との境界部の切羽を掘
削する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、環状の親カッタヘ
ッドを有する親シールド機の内部に円板状もしくはスポ
ーク状の子カッタヘッドを有する子シールド機を配して
なる親子シールド掘進機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、大口径のトンネルの掘削に引き続
いて小口径のトンネルの掘削を行えるようにしたシール
ド掘進機が、親子シールド掘進機（もしくは異径断面掘
進機）として知られている。このような親子シールド掘
進機において、大口径トンネルを掘削する際には、親カ
ッタヘッドと子カッタヘッドとを連結するカッタヘッド
連結機構により両カッタヘッドが連結された状態で、子
シールド機に設けられるカッタヘッド駆動機構によりそ
れら両カッタヘッドが一体的に駆動され、小口径トンネ
ルを掘削する際には、両カッタヘッドの連結が解除され
て子カッタヘッドのみがカッタヘッド駆動機構により駆
動されるように構成されている。

【０００３】ところで、この種従来の親子シールド掘進
機においては、通常、親カッタヘッドおよび子カッタヘ
ッドの面板が共にフラットディスク状で同一平面内に配
置されている構造とされている。また、大口径シールド
装置の中央孔内に小口径シールド装置を収納可能に配し
た二段式シールド装置において、大口径シールド装置の
カッタヘッドをドーム形状に形成したものが例えば特開
平１−９４１９３号公報に開示されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来一
般に用いられているフラットディスク状のカッタヘッド
では、ディスクカッタを面板の外周部に配置することが
できないために、大径礫層もしくは岩盤での破砕掘削が
行えないという問題点があった。このような問題点に対
しては、前記公報（特開平１−９４１９３号公報）に開
示されているように、面板をドーム形状もしくは円錐台
形状に形成してその面板の外周部にもディスクカッタを
配置することにより対処が可能であるが、この公報のも
のでは、子カッタヘッドが依然としてフラットディスク
状であるために、子シールド機の単独掘進時に大径礫層
等での破砕掘削を行うことができない。

【０００５】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたもので、子シールド機の単独掘進時において大径礫
層もしくは岩盤区間での破砕掘削を行うことのできる親
子シールド掘進機を提供することを目的とするものであ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段および作用・効果】前述の
目的を達成するために、本発明による親子シールド掘進
機は、親カッタヘッドを有する親シールド機の内部に子
カッタヘッドを有する子シールド機を配する親子シール
ド掘進機において、前記子カッタヘッドの面板の形状を
ドーム形状もしくは円錐台形状とし、この面板に礫層破
砕用のディスクカッタを設けることを特徴とするもので
ある。

【０００７】本発明においては、子カッタヘッドの面板
がドーム形状もしくは円錐台形状とされているので、こ
の面板の外周部を含む箇所に礫層破砕用のディスクカッ
タを配置することができ、外周まで掘削することが可能
となる。さらに、ディスクカッタをチャンバー側から簡
単に交換することができる。したがって、子シールド機
の単独掘進時においても大径礫層もしくは岩盤区間での
破砕掘削を行うことが可能となる。

【０００８】本発明においては、さらに前記親カッタヘ
ッドと前記子カッタヘッドとの境界部の切羽を掘削する
境界部掘削手段を設けるのが好ましい。このようにすれ
ば、子カッタヘッドの面板にディスクカッタを設けて
も、親子一体での掘進時に親シールド機と子シールド機
との境界部に掘削不能領域が生じるのを防ぐことができ
る。

【０００９】この境界部掘削手段としては、前記子カッ
タヘッドの面板の外周部に設けられるディスクカッタを
用いるのが好ましく、これを可能にするために、このデ
ィスクカッタを支承する前記子カッタヘッドの面板もし
くは取付台座を少なくとも前記親カッタヘッドの面板よ
りも前方に突出するように配置するのが良い。このよう
に子カッタヘッドの面板もしくは取付台座を親カッタヘ
ッドの面板よりも前方に配置することで、子カッタヘッ
ドの外周部にディスクカッタを設けても、このディスク
カッタが親カッタヘッドの内周リングと干渉することが
なく、親子一体掘進時に親シールド機と子シールド機と
の境界部を確実に掘削することができる。

【００１０】

【発明の実施の形態】次に、本発明による親子シールド
掘進機の具体的な実施の形態につき、図面を参照しつつ
説明する。

【００１１】図１に本発明の一実施例に係る親子シール
ド掘進機の縦断面図が、図２に同親子シールド掘進機の
正面図がそれぞれ示されている。

【００１２】本実施例の親子シールド掘進機は、親シー
ルド機１とその親シールド機１の内部に設けられる子シ
ールド機２とにより構成されている。親シールド機１
は、前部シールド１ａと、この前部シールド１ａに対し
アーティキュレートジャッキ３により屈曲自在に接続さ
れる後部シールド１ｂとよりなり、親シールドジャッキ
４によりセグメント５に反力を得つつ地中を掘進するよ
うにされている。

【００１３】この親シールド機１においては、前部にス
ラスト・ラジアル受ベアリング６を介して環状の親カッ
タヘッド７が中心軸回りに回転自在に支承され、これに
よって掘進時に親カッタヘッド７の前面に作用するスラ
スト力および外周面に加わるラジアル力が前記スラスト
・ラジアル受ベアリング６を介して親シールド機本体に
伝達されるようにされている。前記親カッタヘッド７は
ドーム状（もしくは円錐台状）の面板７ａおよびスポー
ク７ｂを有し、これら面板７ａおよびスポーク７ｂの前
面および外周部に、大径礫層もしくは岩盤での破砕掘削
が行えるように多数個のディスクカッタ８が装着される
とともに、スポーク７ｂの両側にツールビット９が装着
されてなる構造とされている。

【００１４】一方、前記子シールド機２は、子シールド
ジャッキ１０の推進力により親シールド機１内から発進
できるようにその親シールド機１内に同心的に収容され
ており、前部に、子カッタヘッド用駆動モータ１１によ
り回転される子カッタヘッド１２を有している。この子
カッタヘッド１２は、親カッタヘッド７と同様、ドーム
状（もしくは円錐台状）の面板１２ａおよびスポーク１
２ｂを有し、これら面板１２ａおよびスポーク１２ｂの
前面および外周部に、大径礫層もしくは岩盤での破砕掘
削が行えるように多数個のディスクカッタ８が装着され
るとともに、スポーク１２ｂの両側にツールビット９が
装着されてなる構造とされている。

【００１５】図３に拡大して示されているように、子カ
ッタヘッド１２の面板１２ａおよびスポーク１２ｂは、
親カッタヘッド７の面板７ａおよびスポーク７ｂに対し
てやや前方へ突出するように設けられている。また、こ
の子カッタヘッド１２の外周部に設けられるディスクカ
ッタ８は掘進方向に対して斜め外方へ向けて配置され、
その掘削外径が親カッタヘッド７の内周リング７ａの内
径よりも外側になるようにされている。このような構成
によって、子カッタヘッド１２の外周部に礫層破砕用の
ディスクカッタ８を配置しても、親子一体での掘進時に
親シールド機１と子シールド機２との境界部に掘削不能
領域が生じるのを確実に防ぐことができる。言い換えれ
ば、この外周部のディスクカッタ８を親シールド機１と
子シールド機２との境界部掘削手段とすることができ
る。なお、この子カッタヘッド１２の中心部にはアロー
ヘッド１３ａを有するセンタカッタ１３が装着されてい
る。

【００１６】前記親カッタヘッド７と子カッタヘッド１
２との間には、子カッタヘッド１２側の回転トルクを親
カッタヘッド７側へ伝達するために先端部が円錐テーパ
形状の複数基（本実施例では３基）のトルク伝達ロッド
１７が設けられている。このトルク伝達ロッド１７は、
親シールド機１と子シールド機２との一体掘進時に伸長
方向に作動されて先端部が親カッタヘッド７側の円錐テ
ーパ穴に係合され、子シールド機２の単独掘進時に収縮
方向に作動されて前記円錐テーパ穴から抜き出される。

【００１７】さらに、前記子シールド機２においては、
子カッタヘッド１２と、子カッタヘッド用駆動モータ１
１を含むカッタヘッド駆動部１１Ａとを支持するフレー
ム部１８が設けられ、このフレーム部１８の外周側に子
シールド機用のスキンプレート１９が設けられている。
ここで、このスキンプレート１９は、ガータ部２０とそ
のガータ部２０の前部に一体形成されるフード部２１と
を備えてなり、このスキンプレート１９が、親シールド
機１の内周面もしくはその内周側に配されるガイド筒２
２の内周面と前記フレーム部１８の外周面とに沿って前
方へ摺動できるようにされている。

【００１８】また、前記ガータ部２０と前記フレーム部
１８との間にはスペーサ２５が取り外し可能に設けられ
ている。このスペーサ２５は、親子一体での掘進時に
は、前端部がフレーム部１８に、後端部がガータ部２０
にそれぞれボルト締結され、この大口径トンネルに引き
続いて小口径トンネルを掘削する際には、図３に示され
ているようにそれらフレーム部１８およびガータ部２０
間から取り去られる。なお、このスペーサ２５が取り外
されてスキンプレート１９が前進されると、このスキン
プレート１９前部のフード部２１によって子シールド機
２のチャンバー部１５の上部が覆われる。

【００１９】本実施例においては、子カッタヘッド１２
の面板１２ａを親カッタヘッド７の面板７ａに対してや
や前方へ突出するように設けるとともに、子カッタヘッ
ド１２の外周部に設けられるディスクカッタ８により親
シールド機１と子シールド機２との境界部を掘削するよ
うにしたものを説明したが、子カッタヘッドの面板を前
方へ突出させなくても、親子の各面板を同一平面内に位
置させて子カッタヘッド側のディスクカッタを支持する
取付台座もしくはディスクカッタ自体を前方に位置せし
めるようにしても良い。

【００２０】また、逆に親カッタヘッドの面板を子カッ
タヘッドの面板に対して前方へ突出させるとともに、こ
の親カッタヘッドの面板の内周部に出没自在に設けられ
るディスクカッタにより親シールド機１と子シールド機
２との境界部を掘削するようにする実施例も可能であ
る。この場合には、子シールド機２の単独掘進時に前記
親シールド機１の内周部のディスクカッタを後退させる
ことによりそのディスクカッタと子カッタヘッドの内周
部との干渉を回避することが必要となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本発明の一実施例に係る親子シールド
掘進機の縦断面図である。

【図２】図２は、本実施例の親子シールド掘進機の正面
図である。

【図３】図３は、スキンプレートの前進状態で示す図１
の部分拡大断面図である。

【符号の説明】

１ 親シールド機 ２ 子シールド機 ７ 親カッタヘッド ７ａ 内周リング（親カッタヘッド面板） ８ ディスクカッタ １１ 子カッタヘッド用駆動モータ １１Ａ カッタヘッド駆動部 １２ 子カッタヘッド

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 親カッタヘッドを有する親シールド機の
   内部に子カッタヘッドを有する子シールド機を配する親
   子シールド掘進機において、 前記子カッタヘッドの面板の形状をドーム形状もしくは
   円錐台形状とし、この面板に礫層破砕用のディスクカッ
   タを設けることを特徴とする親子シールド掘進機。
2. 【請求項２】 さらに、前記親カッタヘッドと前記子カ
   ッタヘッドとの境界部の切羽を掘削する境界部掘削手段
   を設けることを特徴とする請求項１に記載の親子シール
   ド掘進機。
3. 【請求項３】 前記境界部掘削手段は、前記子カッタヘ
   ッドの面板の外周部に設けられるディスクカッタであ
   り、このディスクカッタを支承する前記子カッタヘッド
   の面板もしくは取付台座が少なくとも前記親カッタヘッ
   ドの面板よりも前方に突出するように配置されることを
   特徴とする請求項２に記載の親子シールド掘進機。