JPH0696948B2 - シールド掘進機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、円形断面以外の断面のトンネルを掘削する場
合に使用できるシールド掘進機に関するものである。

〈従来の技術〉 筒状のシールド本体の内部に多数本のジャッキを配置す
るとともに後方にセグメントを組み立て、セグメントに
反力をとったジャッキの伸縮を利用して地中にトンネル
を掘進するシールド掘進機が広く利用されている。

〈従来の技術の問題点〉 こうした従来のシールド掘進機の前面には回転盤を位置
させ、この回転盤によって掘削を行っている。

しかし回転によって掘削を行うものである以上、その掘
削断面形状は円形に限定される。

円形以外の断面を掘削しようとすると、複数の回転カッ
タを組み合わせることになるが、回転軌跡の重ならない
部分を掘削することができない。

ところで最近ではトンネルの断面が大きくなる傾向があ
り、その結果非円形断面のトンネルの需要が高まってい
る。

なぜなら円形断面のトンネルを掘削しても利用できるの
は中央の帯状部分であって、利用できない範囲が上下に
大きく発生してしまい、断面が大きくなればなるほど上
下に無駄な空間が発生して不経済なものとなってしまう
からである。

〈本発明の目的〉 本発明は上記のような問題点を解決するためになされた
もので、円形でないトンネルの断面を、掘削残しを発生
させずに掘削をすることのできるシールド掘進機を提供
することを目的とする。

〈本発明の構成〉 次に本発明実施例について説明する。

〈イ〉全体の構造（第１図） シールド掘進機の全体の構造は、従来の装置と同様であ
る。

ただし筒状の本体１の形状は、円形以外の形状、すなわ
ち楕円形、矩形、などの非円形に構成してある。

そして筒状の本体１の内部には多数本のジャッキを配置
し、内部には各種の駆動装置、回転装置、補助装置が設
置してある。

なお関連装置は従来の構造と同様であるために図示して
いない。

〈ロ〉掘削盤 シールド掘進機本体１の前面には掘削盤２を配置する。

この掘削盤２は本体の前面の全部を被覆する構造ではな
く、本体１の断面積よりも小さい面積に構成する。

したがって掘削盤２の周囲には空間部分が発生すること
になる。

しかし長時間掘削を停止する場合における空間部分から
の土砂の崩壊は、第５図に示すようにジャッキ51で出入
りする遮蔽板５によって閉塞しておくから問題はない。

ところでこの掘削盤２は１枚の板状体であって、従来の
装置のように、複数のカッタを組み合わせた構造とは異
なる。

そして１枚の掘削盤２は複数本の公転軸３を介して本体
１側の駆動部分と連結している。

〈ハ〉公転軸 掘削盤２を駆動する複数本の公転軸３は、各々掘削盤２
の掘削面に直交する方向に取り付けてある。

そして公転軸３の駆動側は、回転する自転軸31の偏心位
置に取り付けてある。

そして自転軸31の円心と公転軸３の円心とに偏心距離Ｐ
が存在する。

そして各自転軸31が駆動源に接続しており、同一方向に
同一の回転数で回転する。

その結果、自転軸31の回転が公転軸３を公転させ、この
公転軸３の回転が掘削盤２をその平面上で移動させるこ
とになる。

〈ニ〉楕円形断面（第２図） 本体１の断面が楕円形の場合について説明するがこの場
合に掘削盤２は、２本の公転軸３によって連結されてい
る。

２本の公転軸３の回転によって、掘削盤２は連続した上
昇、下降、横移動を繰り返す。

したがって、自転軸31の中心から公転軸３の中心までの
距離Ｐおよび掘削盤２の形状を適当に選択することによ
って掘削盤２に、本体１の断面を完全にカバーする移動
を行わせることができる。

〈ホ〉半円断面（第３図） 円形断面のトンネルの床部分の形状を半径の大きな円弧
で構成した場合のシールド掘進機の構造である。

この場合には掘削盤２は３本の公転軸３によって駆動源
と連結している。

そしてこの場合にも自転軸31中心から公転軸３中心まで
の偏心距離Ｐおよび掘削盤２の形状を適当に選択するこ
とによって掘削盤２に、本体１の断面を完全にカバーす
る移動に行わせることができる。

〈ヘ〉矩形断面（第４図） シールド掘進機本体１の断面が矩形断面である場合には
例えば掘削盤２を４本の公転軸３によって駆動源と連結
する構成を採用することができる。

〈ト〉その他の断面 その他の形状のトンネルを掘削する場合にも自転軸31中
心から公転軸３中心までの偏心距離Ｐおよび掘削盤２の
形状を適当に選択することによって掘削盤２に、本体１
の断面を完全にカバーする移動を行わせることができ
る。

〈本発明の効果〉 本発明は上記したような構造を採用するから次のような
効果を期待することができる。

〈イ〉円形断面以外の断面のトンネルを掘削することが
できる。

その場合に複数の円盤を回転させる構造ではなく、前面
の掘削盤全体が全断面内を移動するから掘削の残し部分
が発生しない。

〈ロ〉掘削盤の前面に取り付けた多数の掘削刃（ビッ
ト）はすべて同一距離の運動を行う。

そのためにすべてのビットに均一な掘削抵抗が作用し、
ビットの磨耗が集中することがなく全体で均一に磨耗し
て長い寿命を維持することができる。

〈ハ〉掘削盤の後方には従来の装置と同様に土砂を取り
込み攪拌する攪拌機が存在する。

この攪拌機も同様の運動を行うから、チャンバ内部での
土砂との共回りの発生が防止することができる。

〈ニ〉従来の掘削盤は円心の回転軸のみで支持され駆動
している。

しかし本発明の装置では掘削盤が複数本の回転軸によっ
て支持され駆動される構造であるから掘削時に土砂の抵
抗によって偏心力が作用しても安定して掘削盤の形状の
支持と回転の伝達を行うことができ、故障の発生を防止
できる。

〈ホ〉複数基の掘削盤を互いに干渉しないように取り付
けて回転を与えることによって、きわめて大きな直径の
断面の掘削を行うこともできる。

〈へ〉掘削盤を複数の自転軸により直接押し付けて掘進
する構造であるから、掘削盤を切羽面に強く押し付け
て、掘進することが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図 本発明の装置の断面図 第２図 正面から見た説明図 第３、４図 他の実施例を正面から見た説明図 第５図 他の実施例の装置の断面図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】シールド本体の前面に掘削盤を位置させた
   シールド掘進機において、 シールドの軸と平行に配した複数の自転軸と、 各自転軸の前面にシールドの軸と平行に配し、かつ各自
   転軸の軸心から同方向へ同距離だけ偏心させて配した公
   転軸と、 公転軸の先端に掘削面に平行な面上で移動自在に取り付
   けた掘削盤と、より構成した、 シールド掘進機。