JPH1095633A - 乳白ガラスおよびそれを用いた温度計 - Google Patents

乳白ガラスおよびそれを用いた温度計

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JPH1095633A
JPH1095633A JP27136396A JP27136396A JPH1095633A JP H1095633 A JPH1095633 A JP H1095633A JP 27136396 A JP27136396 A JP 27136396A JP 27136396 A JP27136396 A JP 27136396A JP H1095633 A JPH1095633 A JP H1095633A
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glass
thermal expansion
thermometer
milky
white
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JP27136396A
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Inventor
Hisakazu Kamimura
久和 上村
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NIPPON MUSEN GLASS KK
AGC Techno Glass Co Ltd
Original Assignee
NIPPON MUSEN GLASS KK
Toshiba Glass Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C3/00Glass compositions
    • C03C3/04Glass compositions containing silica
    • C03C3/076Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight
    • C03C3/089Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing boron
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C4/00Compositions for glass with special properties
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄層でも十分な乳白色が得られ、低膨脹ガラ
ス中に封入してもクラック等の欠陥を生じない乳白ガラ
スを提供すること。 【解決手段】 質量百分率で、SiO2 50〜75%,
Al2 3 0〜5%,Na2 0+K2 O+Li2 O 1
〜10%,B2 3 5〜35%,CaO+ZnO0.5
〜20%,P2 5 0〜1%,F 0〜5%,As2
3 3〜6%,Sb2 3 0〜1%からなる組成を有し、
熱膨脹係数が30〜55×10-7/℃であり、軟化点が
730℃以下であるガラスからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乳白ガラスに関
し、特に水銀温度計などの温度指示用ガラス毛細管中に
延在される乳白ガラス層に適した乳白ガラスと、この乳
白ガラスを用いた高温温度計に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に水銀等の液体の熱膨張を利用した
温度計には、温度指示液体の視認性を高めるため、温度
指示液体を封入したガラス毛細管の毛細管孔に沿って乳
白ガラス層が延在されている。このような温度計中に延
在される乳白ガラス層のことを「白ぎょく」という。
【0003】従来、白ぎょくには発色性の良さからPb
Oを20質量%以上含有する鉛ガラス系の白色ガラスが
使用されており、その熱膨脹係数は60×10-7/℃前
後、軟化点が780℃程度のものであった。この他に一
般的な乳白ガラスとして、特公昭54-11810号公報、特開
昭63-265841 号公報に記載されたものなどが知られてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】液体の熱膨張を利用し
た温度計の中には700℃付近までの温度測定が可能な
高温温度計がある。このような高温温度計では、温度計
ガラス自体に耐熱性が要求されるとともにガラスの熱膨
張による測定誤差をなくすためにも低膨脹のパイレック
ス系硼珪酸ガラスまたはアルミノシリケートガラスが使
用される。したがって、白ぎょくとしての上記鉛ガラス
系白色ガラスは、当然これらの低膨脹ガラス中に封入さ
れて乳白ガラス層を形成することになる。
【0005】しかしながら、上記パイレックス系硼珪酸
ガラスまたはアルミノシリケートガラスは、上記鉛ガラ
ス系白色ガラスに比べてはるかに低膨脹係数であるた
め、これらのガラス中に鉛ガラス系白色ガラス層を封入
形成すると、熱膨張係数差によるクラックを生じること
がある。また、成形時にクラック等の不都合を生じなく
とも高温温度計では、使用温度範囲が広いことから使用
中に白ぎょくまたは低膨脹ガラスの一方もしくは双方に
クラックを生じ、温度計として使用不能となることがあ
った。
【0006】また、上記特公昭54-11810号公報に記載の
乳濁ガラスは、比較的高率のアルカリ金属酸化物を含
み、熱膨張係数が48.9〜91.7×10-7/℃であ
るため、上記パイレックス系硼珪酸ガラスまたはアルミ
ノシリケートガラスと組合せた場合、なおクラック発生
の危惧があり高温温度計の白ぎょくとしては信頼性の面
で好ましくない。
【0007】上記特開昭63-265841 号公報に記載された
硼珪酸系乳白ガラスは、熱膨張係数の開示はないものの
その組成からある程度低膨脹であることが予想でき、ま
た低い液相温度により好ましくない失透化を抑制してい
る。ただし、温度計の白ぎょく形成は、一度作成した乳
白ガラスを母ガラス上で再溶融して母ガラスとともに管
に成形するため、乳白ガラスをキャストしてストックす
る必要がある。本発明者の試験によれば、特開昭63-265
841 号公報記載の乳白ガラスはこのキャスト時になお失
透化する傾向があり、温度計の白ぎょくとしては少々使
いづらいことがわかった。
【0008】本発明はこのような背景から、薄層でも十
分な乳白色が得られ、パイレックス系硼珪酸ガラスまた
はアルミノシリケートガラス等の低膨脹ガラス中に封入
してもクラック等の欠陥を生じない乳白ガラスとそれを
用いた温度計を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、熱膨脹係数が30〜55×10-7/℃の透
明なガラス中に層状に内在させてクラックを生ずること
がなく、層厚0.2mmにおいて背面側が透視できない
ようにした乳白ガラスである。より具体的には可視域に
おける分光透過率が肉厚0.2mmで70%以下である
ことを特徴とする。
【0010】上述のように高温温度計では、母ガラスと
して熱膨脹係数が30〜55×10-7/℃、好ましくは
上限を45×10-7/℃以下とする低膨脹ガラスが用い
られるので、そのガラス中に内在させてクラックを生じ
ないことが必要である。また温度計の白ぎょくとして視
認性向上を図るには、乳白層の背面側が透けて見えては
都合が悪いため、温度計乳白層の一般的な厚さである
0.2〜0.3mmのうち薄い方の層厚0.2mmにお
いて背面側が透視できないようにした。なお、背面側が
透視できないとは、たとえば、ガラスが乳白色で、かつ
肉厚0.2mmにおける可視域の分光透過率が70%以
下であれば問題なく使用できる。
【0011】本発明の乳白ガラスは、質量百分率で、S
iO2 50〜75%,Al2 3 0〜5%,Na2 0+
2 O+Li2 O 1〜10%,B2 3 5〜35%,
CaO+ZnO 0.5〜20%,P2 5 0〜1%,
F 0〜5%,As2 3 3〜6%,Sb2 3 0〜1
%からなる組成を有する。
【0012】以上の組成を選択することにより、熱膨脹
係数が30〜55×10-7/℃の透明なガラス中に層状
に内在させてクラックを生ずることがなく、層厚0.2
mmにおいて背面側が透視できないようにすることがで
きる。本発明のガラス組成を上記範囲に限定した理由に
つき以下に説明する。
【0013】SiO2 はガラスの主成分であり、ガラス
ネットワーク構造の形成に必要不可欠な成分であるが、
50%未満ではネットワーク構造が不十分でガラス化し
づらく、75%を越えると溶融性が悪くなる。
【0014】Al2 3 はその添加によりガラスの分相
を抑制する作用があるが、5%を越えて添加すると脈理
等の不良を生じやすくなる。好ましくは3%以下とす
る。
【0015】Na2 0,K2 O,Li2 Oは、ガラスの
粘性を下げ、溶融を促進させるものであるが、これらの
合量が1%未満ではその効果が得られず、10%を越え
ると熱膨張係数が大きくなり過ぎる。好ましくは上限を
合量で7%までとする。
【0016】B2 3 は熱膨張係数を上げることなく溶
融性を向上させるが、5%未満ではその効果が得られ
ず、35%を越えると分相を生じやすくなり、また化学
的耐久性が劣化する。なお、本発明のガラスは低膨脹で
あることが求められるので、できるだけ膨脹係数を増大
させるアルカリ金属酸化物の添加料を減らし、B2 3
によって溶融性を改善してやることが好ましい。またこ
れによって後述するように低膨脹係数かつ低軟化点のガ
ラスが得られ、白ぎょくを形成した温度計においてクラ
ックが発生しにくくなる。B2 3 の好ましい含有量
は、20〜33%である。
【0017】CaOとZnOは溶融性を向上させるとと
もに熱膨脹係数を調整し、また化学的耐久性を改善する
作用があるが、これらの合量が0.5%未満では前記効
果は期待できず、20%を越えると結晶が析出しやすく
なる。好ましくない失透化の防止を確実にするには上限
を10%までとする。また、CaO,ZnOに前記合量
の範囲内でPbOを加えてもよい。PbOは乳白色の発
色をよくする作用があるが、本発明のガラスにおいて
は、PbO単独の添加料が7%を越えるとガラスの粘性
が急激に高まり成形に支障を来すようになるので、上限
を7%、好ましくは5%以下とする。
【0018】As2 3 はガラスを乳白化させるととも
に清澄させる作用があるが、3%未満では白ぎょくとし
て十分な乳白色が得られず、6%を越えて添加しても有
意差は現れないため、他の成分との関係で上限を6%と
する。
【0019】P2 5 およびFはガラスを乳濁化させる
成分であるが、本発明ガラスではAs2 3 によってほ
ぼ必要な乳白色が得られるので必ずしも添加する必要は
ないが、これら成分のいずれか一方または両方を加える
ことにより発色性を良くする効果がある。P2 5 は1
%を越えて添加するとガラスが結晶化してしまう。好ま
しくは0.4%までにとどめる。Fについては5%を越
えると耐火物等に対する浸食性が強くなり、また弗素の
散逸が多くなるので好ましくない。
【0020】Sb2 3 はガラスの清澄剤として働く
が、1%を越えて添加しても実質的な効果は変わらない
ので、添加量は1%までとする。
【0021】またこの乳白ガラスは、熱膨脹係数が30
〜55×10-7/℃であり、軟化点が730℃以下であ
ることを特徴とする。
【0022】当然のことながら熱膨脹係数が30〜55
×10-7/℃である母ガラスに封入して使用される場
合、乳白ガラスの熱膨脹係数が同じであれば、膨脹差を
生じないからクラックも発生しない。実際には母ガラス
の熱膨脹係数に合わせて前記範囲内でさらに近似の値に
調整して用いることが好ましい。また、本発明者の実験
によれば、図1に示すように乳白ガラスの熱膨脹係数が
同じであっても、そのガラスの軟化点によってクラック
の発生に差異が見られることが判明した。つまり、乳白
ガラスの熱膨脹係数が上記範囲内であれば、その熱膨脹
係数にかかわらず軟化点730℃を境に、より高温の軟
化点を持つ乳白ガラスでは母ガラス中に封入した際にク
ラックが発生しやすい傾向が顕著であった。この結果か
ら本発明の乳白ガラスでは、その軟化点が730℃以下
であることが望ましいと結論づけた。なお図1におい
て、○はクラックが全く発生しなかったもの、◇は小さ
なクラックの発生が見られたもの、●は常に大きなクラ
ックが発生したものを表す。
【0023】さらにこの乳白ガラスは、液体の熱膨張を
利用した高温温度計の白ぎょくとして用いられるもので
あり、また、上記の乳白ガラスからなる乳白層を熱膨脹
係数が30〜55×10-7/℃の透明なガラス製の温度
指示用毛細管の毛細管孔に沿って延在させてあることを
特徴とする高温温度計である。
【0024】上記乳白ガラスを白ぎょくとして用いた高
温温度計は、母ガラスと白ぎょくとのマッチングがよ
く、成形時にも温度計としての使用時においてもクラッ
クの発生がない。また発色のよい乳白ガラスにより薄層
で充分な乳白色の白ぎょくを形成でき、温度指示液体の
背景を遮ってコントラストを高め視認性に優れた温度計
を提供できる。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の乳白ガラスは次のように
して製造することができる。まず、上記組成となるよう
に原料を調合し、この調合物を均一に混合した後、白金
るつぼ又は耐火物製るつぼに収容し、電気炉内において
1400℃で約5時間溶融する。温度計の白ぎょくとし
て使用する場合、充分均質になったところで鋳型に流し
込んで放冷固化させる。これを適当な大きさに破砕して
白ぎょく用原料ガラスとする。
【0026】次に、この白ぎょく用原料ガラスを用いて
乳白層を有する温度指示用毛細管を製造する方法につい
て説明する。たとえば図3に示すように、第1融体槽1
内に収容された母ガラス2の表面下に引上端を挿入した
取出枠3と、この取出枠3の側方の母ガラス2中に挿入
されかつ底部を一部開口して白ぎょく用原料ガラス4を
収容する第2融体槽5とを有する装置で、取出枠3をガ
イドとして両者溶融状態にある白ぎょく用原料ガラス4
を母ガラス中に併合吸引してこの部分を連続的に引き上
げることにより管状に成形することができる。
【0027】本発明の乳白ガラスを温度計の白ぎょく以
外に使用する場合、失透しにくい特性から原料溶融後ま
たは上記のように固化させた原料ガラスを再溶融し、ブ
ローあるいはプレス等周知の成形方法によって成形する
こともできる。また本発明の乳白ガラスは、鉛を使用し
ていないにもかかわらず薄層でも十分な乳白色を呈し、
しかも低膨張係数であるので、耐熱性を要する食器類や
照明用グローブ等幅広い用途に使用可能である。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。表
1の試料No.1〜16に本発明の実施例ガラスを、N
o.17に鉛系ガラスからなる比較例を示す。なお表中
の組成は質量%で示し、熱膨脹係数をα、転移点をT
g、軟化点をTsとして表示した。
【0029】これら実施例および比較例のガラスは、そ
れぞれ表中の組成となるように原料を調合し、各1lの
るつぼに収容して上記した方法にしたがって溶融し、融
液を金属板上に適量流し出した上に金属板を乗せ、円板
状に成形して除冷した。これをサンプルとして表中の特
性を測定するとともに以下のようにして乳白層を有する
温度指示用毛細管を作成した。
【0030】母ガラスとしては、熱膨脹係数35×10
-7/℃の硼珪酸ガラスと熱膨脹係数45×10-7/℃の
アルミノシリケートガラスの2種について試験を行っ
た。2種の透明な母ガラスを別々のポットにて溶融状態
にし、同時に実施例、比較例の上記乳白ガラスサンプル
をそれぞれ再溶融する。まず、吹き竿の先端に母ガラス
を適量巻き取った後、その一部に乳白ガラスサンプルを
つけて、さらにその外周に母ガラスを巻き付けて中空の
玉状にする。次に吹き竿から空気を吹き込みながら玉状
ガラスの吹き竿とは反対側を急速に引き伸ばし切断する
ことにより所定寸法の温度指示用毛細管を得た。試作し
た管は、各サンプルガラスにつき上記硼珪酸ガラスを母
ガラスとするもの5本、アルミノシリケートガラスを母
ガラスとするもの5本の計10本ずつ作成した。また管
の状態で乳白層の厚さは、0.2〜0.3mmとなるよ
うに揃えた。
【0031】これらの試作管について、乳白層の発色お
よび背面非透視性と、クラック発生の有無とを確認し、
それぞれ「色」、「クラック」として4段階で表1中に
記載した。◎は非常に良好、○は良好、△はまれにクラ
ックの発生等が認められたが問題なく使用できるレベ
ル、×は使用不可能を表す。
【0032】表1からわかるように、No.17の比較
例ガラスは発色は極めて良いが熱膨脹係数が高いため母
ガラスとのマッチングが悪く、クラックが多発して高温
温度計としては使用できない状態であった。これに対し
実施例のガラスでは、乳白層の発色において比較例には
及ばないものの実用上問題とはならない良好な白濁状態
を示した。これは層厚を同一にした場合の比較であり、
乳白層の厚さを若干厚く形成することで比較例に劣らな
い状態にしうる。
【0033】また実施例ガラスは母ガラスとのマッチン
グが良く、クラックの発生もほとんど見られない。さら
に実施例からも上述した軟化点の相違による差異が見受
けられる。実施例No.1〜5のガラスは、比較的近似
した組成を持ち熱膨脹係数も近い値であるが、クラック
の発生に違いがある。すなわち、No.1,3,5のガ
ラスはいずれも軟化点が730℃を越えており若干クラ
ックの発生が認められたが、軟化点が730℃以下であ
るNo.2,4のガラスではクラックの発生がほとんど
見られない良好な状態であった。これはNo.6以降の
実施例についても同様であり、母ガラスとの熱膨脹係数
差が小さくかつ軟化点が730℃以下であるNo.6〜
10のガラスではクラックは全く発生しなかった。
【0034】また、各ガラスサンプルについて厚さ7m
mの母ガラス中に層厚0.2mmの乳白層を形成した状
態で可視透過率を測定した。実施例試料No.7とN
o.12の透過率曲線をそれぞれ曲線A,曲線Bとして
図2に示す。可視域における透過率は、図示しないもの
も含めていずれも短波長側から長波長側へ緩やかに上昇
する傾向を示すが、ほぼフラットであり、表1の「色」
において△と評価された試料で380〜780nmにお
ける平均透過率がおよそ73%、○と評価された試料で
およそ69%であった。この結果から、少なくとも温度
計の白ぎょくに使用する場合、可視域における分光透過
率が層厚0.2mmで70%以下のものであることが好
ましいことがわかる。
【0035】以上のような温度指示用毛細管を用い、温
度指示液体槽の封止、水銀等の温度指示液体の封入、示
度校正、目盛り付けなどの工程を経て温度計が作成され
る。本発明の乳白ガラスを白ぎょくとして用いた温度計
は、乳白層の発色が良く温度指示液体とのコントラスト
が明解で温度指示値が読み取りやすい。また上述の通
り、温度計生地となる母ガラスとのマッチングに優れ、
温度計製造時および高温温度計の使用時においてもクラ
ックが発生しない利点がある。
【0036】
【表1】
【表1】
【発明の効果】本発明の乳白ガラスは、低失透性で低膨
張係数であるので、耐熱性が求められる様々な用途に適
用できる。しかも薄い肉厚でも十分な乳白色を呈する。
【0037】また、低膨張ガラスとのマッチングが良い
ため、低膨張ガラスと重層またはその中に内在させても
クラックの発生等外観上の好ましくない変化が起きにく
い。
【0038】本発明の乳白ガラスの以上のような優れた
特性から、温度計、特に高温温度計の白ぎょくに用いた
場合、0.2mm程度の薄層でも十分な発色が得られ、
温度計製造時や温度測定時の変化幅の大きな温度変化に
もクラックを生じない優れた温度計を製造することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】乳白ガラスの熱膨脹係数、軟化点とクラック発
生との関係を示す図である。
【図2】本発明に係る乳白ガラスの透過率特性を示す曲
線図である。
【図3】乳白層を有する温度指示用毛細管の製造装置を
簡略に示す断面図である。
【符号の説明】
A 実施例試料No.7の透過率曲線 B 実施例試料No.12の透過率曲線 1 第1融体槽 2 母ガラス 3 取出枠 4 白ぎょく用原料ガラス 5 第2融体槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C03C 3/118 C03C 3/118 4/02 4/02 G01K 11/12 G01K 11/12 D

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱膨脹係数が30〜55×10-7/℃の
    透明なガラス中に層状に内在させてクラックを生ずるこ
    とがなく、可視域における分光透過率が肉厚0.2mm
    で70%以下であることを特徴とする乳白ガラス。
  2. 【請求項2】 質量百分率で、SiO2 50〜75%,
    Al2 3 0〜5%,Na2 0+K2 O+Li2 O 1
    〜10%,B2 3 5〜35%,CaO+ZnO 0.
    5〜20%,P2 5 0〜1%,F 0〜5%,As2
    3 3〜6%,Sb2 3 0〜1%からなる組成を有す
    ることを特徴とする乳白ガラス。
  3. 【請求項3】 熱膨脹係数が30〜55×10-7/℃で
    あり、軟化点が730℃以下であることを特徴とする請
    求項1または2記載の乳白ガラス。
  4. 【請求項4】 液体の熱膨張を利用した温度計の白ぎょ
    くとして用いられる請求項1ないし3のいずれかに記載
    の乳白ガラス。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし3のいずれかに記載の乳
    白ガラスからなる乳白層を熱膨脹係数が30〜55×1
    -7/℃の透明なガラス製の温度指示用毛細管の毛細管
    孔に沿って延在させたことを特徴とする高温温度計。
JP27136396A 1996-09-20 1996-09-20 乳白ガラスおよびそれを用いた温度計 Pending JPH1095633A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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