JPH1095465A

JPH1095465A - 穀粒真空パック及びその穀粒袋

Info

Publication number: JPH1095465A
Application number: JP28581296A
Authority: JP
Inventors: Mutsumi Yamashiro; 睦山城
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1996-09-20
Filing date: 1996-09-20
Publication date: 1998-04-14

Abstract

(57)【要約】【課題】袋にいびつが生じ易い大型の真空パック装置
を用いることなく、大袋の穀粒袋を真空パックできる方
法を提供する。【解決手段】脱酸素剤を収納した穀粒袋に穀粒を入れ
て袋上部を密封する行程、袋内の空気を袋に穿孔の空気
孔を介して排出する行程、空気孔を閉塞する行程、袋内
の残存空気を脱酸素剤を介して除去する行程からなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、米や玄米などの穀
粒を品質を落とさずに長期間保存できる真空パック及び
その真空パックに用いる穀粒袋に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、穀粒袋に入れた米や玄米などの穀
粒を品質を落とさずに長期間保存する手段として、真空
パック、或いは、穀粒袋に脱酸素剤を封入した手段があ
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記真空パックを用い
る手段、或いは、穀粒袋に脱酸素剤を封入する手段のい
ずれの場合にも、袋内の空気を除去することによって穀
粒の酸化を抑制し、穀粒を長期間品質を落とさずに保存
できるようにしたものであるが、前者の真空パックを用
いる手段では、１０キログラム入りや３０キログラム入
りの大袋になると真空パック装置が大型化してコスト高
を招く不都合があり、また、袋内の空気をバキュームホ
ースを介して抜くときに、袋の入口側と奥側とで吸込圧
の差が生じ袋がいびつになり易く、穀粒袋を倉庫に積み
重ねて保管するときに積み重ね難い不都合がある。他
方、後者の脱酸素剤を用いる手段では、袋の上部を熱溶
着などによって密封するときに袋内に多くの空気が残り
易く、脱酸素剤で袋内の残存空気の主成分である酸素を
除去することはできても、残りの窒素成分が多量に残る
ため、穀粒袋を真空パックに近い状態にすることができ
ず、多量の窒素成分が残ったままであるため穀粒袋が空
気袋の形を呈し、穀粒袋を倉庫に保管するとき積み重ね
て保管し難い不都合がある。

【０００４】本発明の第１の目的は、袋にいびつが生じ
易い大型の真空パック装置を用いることなく、大袋の穀
粒袋を真空パックできる方法を提供する点にある。

【０００５】本発明の第２の目的は、その真空パックに
用いる穀粒袋を提供する点にある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】請求項１に記載の本発明
の穀粒真空パックは、脱酸素剤を収納した穀粒袋に穀粒
を入れて袋上部を密封する行程、袋内の空気を袋に穿設
の空気孔を介して排出する行程、空気孔を閉塞する行
程、袋内の残存空気を脱酸素剤を介して除去する行程と
からなる。〔作用〕脱酸素剤を収納した穀粒袋に米や玄米などの穀
粒を入れて袋の上部を密封した後、袋内の空気を袋に穿
設の空気孔を介して排出することにより、袋内の空気を
殆ど零に近い状態にまで排出することができ、然る後、
空気孔を閉塞することによって、袋内の穀粒と穀粒との
隙間に残ったわずかな残存空気を脱酸素剤を介して除去
することができ、これによって、酸素成分を除去した
分、袋内の体積が減少して殆ど真空に近い状態にするこ
とができ、しかも、袋内に残存する窒素成分の絶対量も
少なくなり、より真空に近い状態にすることができる。
そして、脱酸素剤の化学反応を利用して徐々に酸素を除
去するため、真空パック装置を用いる場合のように、急
激な真空作用に伴う袋のいびつを抑制することができ
る。〔効果〕このように、袋に穿設の空気孔を介して袋内の
空気を殆ど零にした後、空気孔を閉塞して、脱酸素剤で
残存空気を除去するものであるから、コストの高い、ま
た、いびつが生じ易い大型の真空パック装置を用いるこ
となく真空パックすることができ、しかも、唯単に、穀
粒袋に脱酸素剤を封入して残存空気の酸素成分を除去す
る従来手段に比べて袋内に多量の窒素成分が残存するこ
とがなく、穀粒袋が真空パックに近い状態を呈し、穀粒
袋を倉庫に積み重ねて保管するとき積み重ね易い。

【０００７】請求項２に記載の本発明は、穀粒真空パッ
クに用いる穀粒袋であって、袋内面に気密性の脱酸素剤
を貼着し、袋に空気抜きの小孔を穿設してある。〔作用〕袋内面に気密性の脱酸素剤を貼付けてあるの
で、穀粒袋に穀粒を充填する場合、作業者は但に脱酸素
剤の気密シートを剥がすだけでよく、しかも、脱酸素剤
を別に投入する場合のように、脱酸素剤が穀粒の充填に
よって折れ曲がったりすることがなく、酸素除去作用が
発揮され易い。また、穀粒袋に予め空気孔を穿設してあ
るので、穀粒袋に穀粒と脱酸素剤を入れて袋上部を密封
した後、錐などの道具で空気孔を穿設する場合のよう
に、別に孔開け行程を必要としない。〔効果〕上記構成の結果、脱酸素剤の折れ曲がりを防止
して良好な酸素除去作用が発揮され易く、また、袋上部
を密封した後、別に孔開け行程を必要とせず作業の短縮
化が図れる。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基いて説明すると、図５乃至図８に示すように、１は
酸素を透過させない高密度ポリエチレン性の穀粒袋で、
袋内面の略中央に、酸素を吸収して発熱作用を発揮する
使い捨て懐炉からなる脱酸素剤２を貼付けてある。前記
脱酸素剤２は、酸素と触れて化学反応を起こさないよう
に気密シール３によって密封されており、両面テープ４
を介して袋１内面に貼付けてある。そして、袋１の下部
コーナ近傍に米や玄米などの穀粒の通過を阻止する大き
さの空気抜き小孔５を穿設してある。そして、空気孔５
上部の袋１表面部分に、前記空気孔５を閉塞可能な非通
気性のセロテープからなる接着テープ７を貼付けてあ
る。前記セロテープ７は裏面側に剥離シート６を備え、
上部に捲り上げ可能で、上部の一部のみが袋１表面に接
着されている。

【０００９】次に、この穀粒袋１を用いて精米を真空パ
ックする方法に付いて説明する。図１から図４に示すよ
うに、先ず、上部開口の穀粒袋１を開けて袋内面に貼付
けてある脱酸素剤２の表面の気密シール３を破り表面を
露出させ、精米機８から米を充填する穀粒充填行程（図
１）。次に、袋の上部を熱溶着機９で熱溶着して穀粒袋
１を密封する密封行程（図２）。そして、この密封した
穀粒袋１を積み重ねて下側の穀粒袋の空気を上側の穀粒
袋の重みを利用して素早く空気孔５を介して排出する空
気排出行程（図３）。そして、袋内の空気が殆ど抜けた
後、袋表面に貼付けてある接着テープ７の剥離シート６
を剥がして前記空気孔５を閉塞する空気孔閉塞行程（図
４）。その後、袋内の残存空気の主成分である酸素成分
を脱酸素剤２の酸素吸収作用によって除去する脱酸素行
程（図４）からなる。上記方法により、空気排出行程
で袋内の空気が殆ど抜け、脱酸素行程で、袋内の酸素成
分が減った分、袋内の体積が減少して袋の中が真空状態
になる。上記手段により真空パックされた精米は、精米
後約１０か月は摺りたての味を保てる。

【００１０】〔別実施の形態〕上記実施の形態において
は、精米を真空パックする場合に付いて例示したが、玄
米を真空パックする場合にも適用することができる。

【００１１】また、上記実施の形態においては、予め袋
内面に脱酸素剤を貼付けてあったが、穀粒を充填すると
きに脱酸素剤を投入しても良い。

【００１２】また、袋上部を密封する手段は熱溶着の他
に接着剤を使用する接着手段であってもよい。

【００１３】また、上記実施の形態においては、袋を積
重ねて空気を排出したが、空気を排出する手段は、静圧
をかけて強制的に排出する押圧機械を利用した手段であ
っても良い。

【００１４】また、上記実施の形態においては、空気孔
を備えた穀粒袋を用いたが、空気孔を備えない無孔の穀
粒袋を用いて、穀粒を充填して袋上部を密封した後、錐
などの工具を用いて空気孔を形成して穀粒を排出するよ
うにしても良い。

【００１５】また、上記実施の形態においては、空気孔
を一つ設けるものを例示したが、複数個設けて空気排出
時間を短くしても良い。また、空気孔を設ける箇所は上
部近傍のコーナなど空気の排出を阻害しない箇所であれ
ばいかなる箇所でも良い。

【００１６】さらに、上記実施の形態においては、袋表
面に空気孔閉塞用の剥離シート付き接着テープを貼付け
てあったが、袋とは別に用意した接着テープで空気孔を
閉塞するようにしても良い。

【００１７】また、空気孔を閉塞する接着テープとして
は非通気性のものであればビニールテープ、スコッチテ
ープなどであっても良い。

【００１８】また、上記実施の形態においては、精米袋
として高密度ポリエチレン性のものを用いたが、アルミ
シートと高密度ポリエチルン性シートとを張り合わせた
真空パック専用の特殊袋を用いればより気密性が保た
れ、また、袋が固化せず破袋を防止することができる。

【００１９】また、精米袋として気密並びに防湿性のも
のを使用すれば、カビの発生を防ぐことができる。

【００２０】また、脱酸素剤としては、害虫駆除効果の
あるエージレスを使用してもよい。

【００２１】また、上記実施の形態においては、穀粒袋
の内面略中央に脱酸素剤を貼付けたが、袋の底側又は上
部入口側など袋に対して片寄った位置に貼付けておいて
も良い。上記実施の形態のように、穀粒袋の内面略中央
に脱酸素剤を貼付けておくと、袋全体に亘ってムラなく
酸素除去作用が発揮される利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】穀粒充填行程を示す斜視図

【図２】密封行程を示す斜視図

【図３】空気抜き行程を示す斜視図

【図４】空気孔密閉行程を示す斜視図

【図５】穀粒袋の正面図

【図６】同、縦断側面図

【図７】脱酸素剤の縦断側面図

【図８】接着テープの縦断側面図

【符号の説明】

１穀粒袋２脱酸素剤５空気孔６剥離シート７接着テープ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】脱酸素剤を収納した穀粒袋に穀粒を入れ
て袋上部を密封する行程、袋内の空気を袋に穿設の空気
孔を介して排出する行程、空気孔を閉塞する行程、袋内
の残存空気を脱酸素剤を介して除去する行程からなる穀
粒真空パック。
【請求項２】袋（１）内面に気密性の脱酸素剤（２）
を貼着し、袋（１）に空気抜きの小孔（５）を穿設して
ある請求項１に記載の穀粒袋。