JPH1094911A - 半球殻内壁面の加工方法 - Google Patents
半球殻内壁面の加工方法Info
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- JPH1094911A JPH1094911A JP25262396A JP25262396A JPH1094911A JP H1094911 A JPH1094911 A JP H1094911A JP 25262396 A JP25262396 A JP 25262396A JP 25262396 A JP25262396 A JP 25262396A JP H1094911 A JPH1094911 A JP H1094911A
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- hemispherical shell
- cutting tool
- processing
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 真球度の悪化により耐圧強度が低下し、微小
な肉厚変化を生じても均一な強度を保つことができなく
なる半球殻を、良好な真球度を確保した上で肉厚を一定
にして最小化することにより十分な強度を保持しつつ最
軽量化するための加工方法において、突起部を半球殻に
溶接することによる熱影響部を完全になくして板厚内部
に至るまで均一な材料特性を確保できるような加工方法
がない。 【解決手段】 突起部Gを形成できる所定厚以上の半球
殻素材Eの内壁全面を、フライス工具の回転中心軸を任
意に傾斜させながら移動させて突起部Gとフライス工具
との干渉を避けながら一つの加工工程内で連続的に加工
する。これにより、半球殻Fへの溶接による熱影響部を
完全になくして板厚内部に到るまで均一な材料特性を確
保できるので、半球殻Fの板厚を最小化して軽量化や製
造コストの低減及び工期の短縮を図ることができる。
な肉厚変化を生じても均一な強度を保つことができなく
なる半球殻を、良好な真球度を確保した上で肉厚を一定
にして最小化することにより十分な強度を保持しつつ最
軽量化するための加工方法において、突起部を半球殻に
溶接することによる熱影響部を完全になくして板厚内部
に至るまで均一な材料特性を確保できるような加工方法
がない。 【解決手段】 突起部Gを形成できる所定厚以上の半球
殻素材Eの内壁全面を、フライス工具の回転中心軸を任
意に傾斜させながら移動させて突起部Gとフライス工具
との干渉を避けながら一つの加工工程内で連続的に加工
する。これにより、半球殻Fへの溶接による熱影響部を
完全になくして板厚内部に到るまで均一な材料特性を確
保できるので、半球殻Fの板厚を最小化して軽量化や製
造コストの低減及び工期の短縮を図ることができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願に係る発明は、内壁
面に突起部が形成される半球殻を真球に形成するための
内壁面の加工方法に関し、特に海洋底などを調査するた
めの深海潜水船の操縦室を形成する大型球形耐圧殻の内
壁面を加工する時に応用して好適な半球殻内壁面の加工
方法に関するものである。
面に突起部が形成される半球殻を真球に形成するための
内壁面の加工方法に関し、特に海洋底などを調査するた
めの深海潜水船の操縦室を形成する大型球形耐圧殻の内
壁面を加工する時に応用して好適な半球殻内壁面の加工
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、半球状に形成された半球殻素
材を真球に形成した球形耐圧殻を用いる例として深海潜
水船の操縦室がある。この深海潜水船の操縦室を例に説
明すると、この操縦室は、軽量かつ深海底での所定の耐
圧強度を確保するため内外壁面を球面とし、さらに高真
球度をもって球殻の板厚を極力薄くするのが一般的であ
る。
材を真球に形成した球形耐圧殻を用いる例として深海潜
水船の操縦室がある。この深海潜水船の操縦室を例に説
明すると、この操縦室は、軽量かつ深海底での所定の耐
圧強度を確保するため内外壁面を球面とし、さらに高真
球度をもって球殻の板厚を極力薄くするのが一般的であ
る。
【0003】一方、この耐圧殻には乗員が出入りするた
めのハッチや観測のための覗き窓あるいは各種制御用ケ
ーブルなどを通す貫通孔を成形しなければならず、この
貫通穴の周縁部を補強するために貫通穴周辺部の厚みが
滑らかに変化するような突起部(厚肉部)が形成されて
いる。
めのハッチや観測のための覗き窓あるいは各種制御用ケ
ーブルなどを通す貫通孔を成形しなければならず、この
貫通穴の周縁部を補強するために貫通穴周辺部の厚みが
滑らかに変化するような突起部(厚肉部)が形成されて
いる。
【0004】この突起部も、半球殻を形成した後で予め
所定の形状に成形した厚肉金物などを溶接すると、溶接
歪など熱的影響が残留し真球度が落ちてしまう。
所定の形状に成形した厚肉金物などを溶接すると、溶接
歪など熱的影響が残留し真球度が落ちてしまう。
【0005】そのため、従来は図8(a) 〜(d) に示す断
面図のような加工方法によって半球殻素材の加工が行わ
れている。すなわち、(a) に示すように、半球状に成形
されて幾らかの余肉を設けた半球殻素材51の所定の位
置に、(b) に示すような大径の穴52を穿設し、(c) に
示すように、予め幾らかの余肉を付けて前加工した覗き
窓53a用の厚肉金物53及びケーブル貫通穴54aが
成形された厚肉金物54をはめ込んで溶接する。そし
て、この半球殻素材51を回転させながら厚肉金物5
3,54の突起部以外の回転対称領域を真球に加工する
工程と、この半球殻素材51を固定した状態で上記突起
部を加工する工程とを組合わせた加工によって工具と突
起部との干渉を避けながら最終の成形加工を行ってい
る。このようにして半球殻素材51を真球に加工するこ
とにより、厚肉金物53,54等を半球殻素材51に溶
接することによって発生する表面付近の残留溶接歪や溶
接欠陥などを除去するような加工方法が行われている。
なお、この図面では半球殻素材51の内壁面iと外壁面
oとを切削している例を示しているが、外壁面oは素材
51周囲の開放された空間から加工するので比較的容易
に加工できるが、内壁面iは半球殻素材51内の限られ
た空間からの加工となるため困難な加工となり、この出
願に係る発明はこの半球殻素材51の内壁面である内壁
面iの加工を対象としている。
面図のような加工方法によって半球殻素材の加工が行わ
れている。すなわち、(a) に示すように、半球状に成形
されて幾らかの余肉を設けた半球殻素材51の所定の位
置に、(b) に示すような大径の穴52を穿設し、(c) に
示すように、予め幾らかの余肉を付けて前加工した覗き
窓53a用の厚肉金物53及びケーブル貫通穴54aが
成形された厚肉金物54をはめ込んで溶接する。そし
て、この半球殻素材51を回転させながら厚肉金物5
3,54の突起部以外の回転対称領域を真球に加工する
工程と、この半球殻素材51を固定した状態で上記突起
部を加工する工程とを組合わせた加工によって工具と突
起部との干渉を避けながら最終の成形加工を行ってい
る。このようにして半球殻素材51を真球に加工するこ
とにより、厚肉金物53,54等を半球殻素材51に溶
接することによって発生する表面付近の残留溶接歪や溶
接欠陥などを除去するような加工方法が行われている。
なお、この図面では半球殻素材51の内壁面iと外壁面
oとを切削している例を示しているが、外壁面oは素材
51周囲の開放された空間から加工するので比較的容易
に加工できるが、内壁面iは半球殻素材51内の限られ
た空間からの加工となるため困難な加工となり、この出
願に係る発明はこの半球殻素材51の内壁面である内壁
面iの加工を対象としている。
【0006】このような加工方法を実現させる従来技術
として、特公平1−16608号公報記載の発明があ
る。この発明では、内壁面に突起部が形成された半球殻
の対称軸を中心としてこの半球殻を回転させ、上記突起
部が形成されていない内壁面を第一工程で切削加工し、
突起部が形成されている内壁面とこの第一工程で切削加
工した部分とを除く部分を第二工程でフライス加工し、
これら第一工程及び第二工程で加工した部分を除く範囲
を倣い加工する第三工程とによって半球殻素材の内壁を
真球に加工している。
として、特公平1−16608号公報記載の発明があ
る。この発明では、内壁面に突起部が形成された半球殻
の対称軸を中心としてこの半球殻を回転させ、上記突起
部が形成されていない内壁面を第一工程で切削加工し、
突起部が形成されている内壁面とこの第一工程で切削加
工した部分とを除く部分を第二工程でフライス加工し、
これら第一工程及び第二工程で加工した部分を除く範囲
を倣い加工する第三工程とによって半球殻素材の内壁を
真球に加工している。
【0007】また、他の従来技術として、特公平3−2
3285号公報記載の発明があり、この発明では、半球
殻の中心軸をカッタの回転中心に対して一定角度傾斜さ
せて支持した状態で、カッタを半球殻の内周面に沿わせ
て中心部と縁部との間で往復動させながら、往動あるい
は復動するごとに半球殻を所定角度ずつ回転させること
により半球殻内壁面を加工している。
3285号公報記載の発明があり、この発明では、半球
殻の中心軸をカッタの回転中心に対して一定角度傾斜さ
せて支持した状態で、カッタを半球殻の内周面に沿わせ
て中心部と縁部との間で往復動させながら、往動あるい
は復動するごとに半球殻を所定角度ずつ回転させること
により半球殻内壁面を加工している。
【0008】さらに、他の従来技術として特公平4−1
1321号公報記載の発明があり、この発明では、半球
殻に突起部を溶接した後に、半球殻を回転させて突起部
が形成されていない部分を加工し、その後、半球殻を固
定して突起部を加工することにより半球殻内壁面を加工
している。
1321号公報記載の発明があり、この発明では、半球
殻に突起部を溶接した後に、半球殻を回転させて突起部
が形成されていない部分を加工し、その後、半球殻を固
定して突起部を加工することにより半球殻内壁面を加工
している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記図
8(a) 〜(d) に示すような加工方法では、厚肉金物等を
半球殻に溶接することによって板厚内部に生じた熱影響
が残留するため、冶金学的には溶接材と母材との間に材
質の非一様性による材質の不均一さを生じて強度が低下
するおそれがある。また、切削直後は真球に加工されて
いたとしても長期間経過すると内部応力が解放されて真
球度の悪化を起こすおそれがある。そのため、このよう
な半球殻の内壁面を真球加工する場合、所定の耐圧力を
確保するために安全率を見込んで必要以上に耐圧殻の肉
厚を厚くする必要がある。
8(a) 〜(d) に示すような加工方法では、厚肉金物等を
半球殻に溶接することによって板厚内部に生じた熱影響
が残留するため、冶金学的には溶接材と母材との間に材
質の非一様性による材質の不均一さを生じて強度が低下
するおそれがある。また、切削直後は真球に加工されて
いたとしても長期間経過すると内部応力が解放されて真
球度の悪化を起こすおそれがある。そのため、このよう
な半球殻の内壁面を真球加工する場合、所定の耐圧力を
確保するために安全率を見込んで必要以上に耐圧殻の肉
厚を厚くする必要がある。
【0010】一方、このような半球殻を使用する深海調
査船の場合、深海中での走行における機動性を改善する
には、その深海調査船の重量と浮力を釣り合わせて駆動
エネルギーを最小にすることが重要となる。しかし、現
在の技術でも浮力よりも重量の方が遥かに大きく、その
ため多量の浮力材を搭載する必要があり、船の大型化や
高コスト化が避けられなくなっている。そのため、真球
度の悪化により耐圧強度が低下し、微小な肉厚変化を生
じても均一な強度を保つことができなくなる半球殻を、
良好な真球度を確保した上で肉厚を一定にして最小化す
ることにより十分な強度を保持しつつ最軽量化できるよ
うな加工方法が期待されている。
査船の場合、深海中での走行における機動性を改善する
には、その深海調査船の重量と浮力を釣り合わせて駆動
エネルギーを最小にすることが重要となる。しかし、現
在の技術でも浮力よりも重量の方が遥かに大きく、その
ため多量の浮力材を搭載する必要があり、船の大型化や
高コスト化が避けられなくなっている。そのため、真球
度の悪化により耐圧強度が低下し、微小な肉厚変化を生
じても均一な強度を保つことができなくなる半球殻を、
良好な真球度を確保した上で肉厚を一定にして最小化す
ることにより十分な強度を保持しつつ最軽量化できるよ
うな加工方法が期待されている。
【0011】なお、上述した公報に記載された従来技術
は、いずれも複数の工程によって異なった加工を施すた
め、半球殻素材51を複数の工作機械間で取替える作業
や位置決め作業等に多くの時間と労力を要することとな
る。しかも、各装置間において半球殻素材51の取替え
作業を行うので真球度の精度を保つように加工するのが
非常に困難となる。その上、厚肉金物などと半球殻を別
々に加工する工程及びそれらを一体溶接する工程、並び
に溶接前後の品質を検査する工程など多くの工程数が必
要となり工期が長期化し、更に厚肉金物突起部と工具と
の干渉を避けるための特殊な倣い加工方法や倣い加工装
置を必要とするなど製品の高コスト化を避けることがで
きなくなる。
は、いずれも複数の工程によって異なった加工を施すた
め、半球殻素材51を複数の工作機械間で取替える作業
や位置決め作業等に多くの時間と労力を要することとな
る。しかも、各装置間において半球殻素材51の取替え
作業を行うので真球度の精度を保つように加工するのが
非常に困難となる。その上、厚肉金物などと半球殻を別
々に加工する工程及びそれらを一体溶接する工程、並び
に溶接前後の品質を検査する工程など多くの工程数が必
要となり工期が長期化し、更に厚肉金物突起部と工具と
の干渉を避けるための特殊な倣い加工方法や倣い加工装
置を必要とするなど製品の高コスト化を避けることがで
きなくなる。
【0012】
【課題を解決するための手段】そこで、上記課題を解決
するために、この出願に係る発明は、突起部を形成でき
る所定厚以上の半球殻素材の内壁全面を、この内壁面で
切削工具の回転中心軸を任意に傾斜させながら移動させ
て突起部と切削工具との干渉を避けながら一つの加工工
程内で連続的に加工するようにしている。
するために、この出願に係る発明は、突起部を形成でき
る所定厚以上の半球殻素材の内壁全面を、この内壁面で
切削工具の回転中心軸を任意に傾斜させながら移動させ
て突起部と切削工具との干渉を避けながら一つの加工工
程内で連続的に加工するようにしている。
【0013】これにより、半球殻への溶接による熱影響
部を完全になくして板厚内部に到るまで均一な材料特性
を確保できるので、半球殻の板厚を最小化して軽量化や
製造コストの低減及び工期の短縮を図ることができる。
部を完全になくして板厚内部に到るまで均一な材料特性
を確保できるので、半球殻の板厚を最小化して軽量化や
製造コストの低減及び工期の短縮を図ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】この出願に係る発明は、突起部を
形成できる所定厚以上の半球殻素材を所定位置に固定
し、この半球殻素材の内壁面で切削工具の回転中心軸を
任意に傾斜させながら移動させて突起部と切削工具との
干渉を避けることにより、突起部を形成する半球殻の内
壁全面を一つの加工工程内で連続的に加工して、内壁の
一部に厚肉となる突起部を形成した所定形状の半球殻を
得るようにしている。この一つの加工工程内とは、連続
した加工を意味し、具体的には、内壁の真球面と突起部
とを区別することなく、内壁全面を連続的に加工するこ
とをいう。このように、突起部と切削工具との干渉を避
けるように切削工具の回転中心軸を任意に傾斜させなが
ら移動させることにより、一つの加工工程内で突起部を
形成する半球殻の内壁全面を連続的に加工することがで
きるので、均一な材料特性で最小化した板厚の半球殻を
形成することができる。
形成できる所定厚以上の半球殻素材を所定位置に固定
し、この半球殻素材の内壁面で切削工具の回転中心軸を
任意に傾斜させながら移動させて突起部と切削工具との
干渉を避けることにより、突起部を形成する半球殻の内
壁全面を一つの加工工程内で連続的に加工して、内壁の
一部に厚肉となる突起部を形成した所定形状の半球殻を
得るようにしている。この一つの加工工程内とは、連続
した加工を意味し、具体的には、内壁の真球面と突起部
とを区別することなく、内壁全面を連続的に加工するこ
とをいう。このように、突起部と切削工具との干渉を避
けるように切削工具の回転中心軸を任意に傾斜させなが
ら移動させることにより、一つの加工工程内で突起部を
形成する半球殻の内壁全面を連続的に加工することがで
きるので、均一な材料特性で最小化した板厚の半球殻を
形成することができる。
【0015】上記切削工具の回転中心軸を任意に傾斜さ
せながら移動させる動作を、半球殻素材に対して切削工
具を左右方向、前後方向、上下方向の各直線移動動作を
同時に、かつ半球殻内面に沿うように制御させて得られ
る切削工具の旋回運動と傾斜とを組合せれば、これらの
移動軸を同時制御することができる5面加工が可能な工
作機械により内壁の一部に厚肉となる突起部を形成した
所定形状の半球殻を容易に加工することができる。
せながら移動させる動作を、半球殻素材に対して切削工
具を左右方向、前後方向、上下方向の各直線移動動作を
同時に、かつ半球殻内面に沿うように制御させて得られ
る切削工具の旋回運動と傾斜とを組合せれば、これらの
移動軸を同時制御することができる5面加工が可能な工
作機械により内壁の一部に厚肉となる突起部を形成した
所定形状の半球殻を容易に加工することができる。
【0016】また、上記切削工具の回動に代えて、半球
殻素材をこの半球殻素材の対称軸を中心にして回動させ
るように構成すれば、切削工具の回動機能がない工作機
械でも内壁の一部に厚肉となる突起部を形成した所定形
状の半球殻を加工することができる。
殻素材をこの半球殻素材の対称軸を中心にして回動させ
るように構成すれば、切削工具の回動機能がない工作機
械でも内壁の一部に厚肉となる突起部を形成した所定形
状の半球殻を加工することができる。
【0017】さらに、上記切削工具の前後方向又は上下
方向の移動に代えて、半球殻素材を前後方向又は上下方
向に移動させるように構成すれば、切削工具を前後方向
又は上下方向に移動させる機能がない工作機械でも内壁
の一部に厚肉となる突起部を形成した所定形状の半球殻
を加工することができる。
方向の移動に代えて、半球殻素材を前後方向又は上下方
向に移動させるように構成すれば、切削工具を前後方向
又は上下方向に移動させる機能がない工作機械でも内壁
の一部に厚肉となる突起部を形成した所定形状の半球殻
を加工することができる。
【0018】上記切削工具として正面フライスカッタを
用いて突起部を加工する時に、この正面フライスカッタ
の後方側に位置する刃先が突起部以外の真球面と接触し
ないような傾斜角度で正面フライスカッタを保ちながら
突起部の外側から内側に向かって加工すれば、正面フラ
イスカッタを用いた正確な加工ができる。
用いて突起部を加工する時に、この正面フライスカッタ
の後方側に位置する刃先が突起部以外の真球面と接触し
ないような傾斜角度で正面フライスカッタを保ちながら
突起部の外側から内側に向かって加工すれば、正面フラ
イスカッタを用いた正確な加工ができる。
【0019】また、上記切削工具としてボールエンドミ
ルを用いて突起部を加工する時に、このボールエンドミ
ルを切削送り方向に所定の傾斜角度で保ちながら、突起
部の外側から内側に向かって加工すれば、ボールエンド
ミルを用いた正確な加工ができる。
ルを用いて突起部を加工する時に、このボールエンドミ
ルを切削送り方向に所定の傾斜角度で保ちながら、突起
部の外側から内側に向かって加工すれば、ボールエンド
ミルを用いた正確な加工ができる。
【0020】
【実施例】以下、この出願に係る発明の一実施例を図面
に基づいて説明する。図1はこの出願に係る発明の加工
方法による半球殻の加工手順を示す断面図であり、(a)
は加工前、(b) は加工後を示す断面図である。なお、こ
の実施例でも深海潜水船の耐圧殻を例に説明する。
に基づいて説明する。図1はこの出願に係る発明の加工
方法による半球殻の加工手順を示す断面図であり、(a)
は加工前、(b) は加工後を示す断面図である。なお、こ
の実施例でも深海潜水船の耐圧殻を例に説明する。
【0021】まず、図1に基づいて半球殻素材Eから加
工する半球殻Fを説明すると、(a)に示すように、加
工前の素材Eとしては、(b) に示す突起部Gが形成
できるような所定厚以上の半球状に成形された半球殻素
材Eであり、(b) に示すように、この半球殻素材Eの内
壁面iと外壁面oとを切削することにより、覗き窓厚肉
部g1 と、ケーブル貫通厚肉部g2 とを素材Eから一体
的に仕上がり形状まで連続した工程で切削加工してい
る。そして、この出願に係る発明は、半球殻素材Eの内
壁面iを、素材Eから一つの加工工程内で突起部Gも含
めて一体的に仕上がり形状まで連続して切削加工するも
のである。
工する半球殻Fを説明すると、(a)に示すように、加
工前の素材Eとしては、(b) に示す突起部Gが形成
できるような所定厚以上の半球状に成形された半球殻素
材Eであり、(b) に示すように、この半球殻素材Eの内
壁面iと外壁面oとを切削することにより、覗き窓厚肉
部g1 と、ケーブル貫通厚肉部g2 とを素材Eから一体
的に仕上がり形状まで連続した工程で切削加工してい
る。そして、この出願に係る発明は、半球殻素材Eの内
壁面iを、素材Eから一つの加工工程内で突起部Gも含
めて一体的に仕上がり形状まで連続して切削加工するも
のである。
【0022】図2はこの出願に係る発明の加工方法を実
施する装置の第1実施例を示す図面であり、(a) は一部
断面正面図、(b) は一部断面側面図であり、(c) は加工
軌跡を示す半球殻の平面図である。図示するように、こ
の第1実施例では、NC装置付門型フライス盤M1 を使
用する例であり、上記図1(a) に示すように、半球状に
前処理加工された半球殻素材Eを内壁面iが上向きの状
態になるようにして門型フライス盤M1 の固定テーブル
1上に設けられた固定用治具1a上に載置し、半球殻素
材Eの対称軸Sを垂直にして位置決め及び固定をする。
施する装置の第1実施例を示す図面であり、(a) は一部
断面正面図、(b) は一部断面側面図であり、(c) は加工
軌跡を示す半球殻の平面図である。図示するように、こ
の第1実施例では、NC装置付門型フライス盤M1 を使
用する例であり、上記図1(a) に示すように、半球状に
前処理加工された半球殻素材Eを内壁面iが上向きの状
態になるようにして門型フライス盤M1 の固定テーブル
1上に設けられた固定用治具1a上に載置し、半球殻素
材Eの対称軸Sを垂直にして位置決め及び固定をする。
【0023】次に、NC装置付門型フライス盤M1 の主
軸頭2のラム3の先端に取り付けられたNCユニバーサ
ルヘッドNの先端に切削工具たる正面フライスカッタ等
のフライス工具Tを取付ける。そして、門型フライス盤
M1 の横けた4に設けられた主軸頭2が左右方向に移動
する軸Xと、この横けた4を支持するコラム5がベース
6上を前後方向に移動する軸Yと、上記主ラム3が主軸
頭2の内側案内面に沿って上下方向に移動する軸Zによ
るフライス工具Tの直線3軸移動を同時に駆動するとと
もに、NCユニバーサルヘッドNの出力側回転主軸7の
回転角度を変更させるフライス工具Tの回動軸Wと傾動
軸Vとを同時に組合せて駆動することにより、回転する
フライス工具Tが半球殻素材Eの内壁面iに沿うように
制御される。つまり、このNC装置付門型フライス盤M
1 は、これら多軸を同時制御することにより5面加工が
できる工作機械である。また、上記NCユニバーサルヘ
ッドNとしては、回転して切削加工するフライス工具T
が設けられた傾動部材n1を、回動部材n2 に対して任
意に所定角度傾動可能なように構成された装置であれば
よい。
軸頭2のラム3の先端に取り付けられたNCユニバーサ
ルヘッドNの先端に切削工具たる正面フライスカッタ等
のフライス工具Tを取付ける。そして、門型フライス盤
M1 の横けた4に設けられた主軸頭2が左右方向に移動
する軸Xと、この横けた4を支持するコラム5がベース
6上を前後方向に移動する軸Yと、上記主ラム3が主軸
頭2の内側案内面に沿って上下方向に移動する軸Zによ
るフライス工具Tの直線3軸移動を同時に駆動するとと
もに、NCユニバーサルヘッドNの出力側回転主軸7の
回転角度を変更させるフライス工具Tの回動軸Wと傾動
軸Vとを同時に組合せて駆動することにより、回転する
フライス工具Tが半球殻素材Eの内壁面iに沿うように
制御される。つまり、このNC装置付門型フライス盤M
1 は、これら多軸を同時制御することにより5面加工が
できる工作機械である。また、上記NCユニバーサルヘ
ッドNとしては、回転して切削加工するフライス工具T
が設けられた傾動部材n1を、回動部材n2 に対して任
意に所定角度傾動可能なように構成された装置であれば
よい。
【0024】このようなNCユニバーサルヘッドNによ
って半球殻素材Eを加工する場合、フライス工具Tの刃
先面が半球殻素材Eの仕上がり内壁面及びフライス工具
Tの送り方向に対し一定の相対角度を保つように、フラ
イス工具Tの回転中心軸Aを任意の角度に傾斜させなが
ら軸X,Y,Z,V,Wの5軸を同時に連続制御するこ
とにより、図2(c) に示すように、突起部G(覗き窓厚
肉部g1 及びケーブル貫通厚肉部g2 )と、この突起部
G以外の真球面Hの2つの加工領域を同一の加工領域と
して、一つの加工工程内の連続した工具軌跡tで加工す
ることができる。
って半球殻素材Eを加工する場合、フライス工具Tの刃
先面が半球殻素材Eの仕上がり内壁面及びフライス工具
Tの送り方向に対し一定の相対角度を保つように、フラ
イス工具Tの回転中心軸Aを任意の角度に傾斜させなが
ら軸X,Y,Z,V,Wの5軸を同時に連続制御するこ
とにより、図2(c) に示すように、突起部G(覗き窓厚
肉部g1 及びケーブル貫通厚肉部g2 )と、この突起部
G以外の真球面Hの2つの加工領域を同一の加工領域と
して、一つの加工工程内の連続した工具軌跡tで加工す
ることができる。
【0025】図3は図2におけるフライス工具Tの使用
要領を示す図面であり、(a) は正面フライスカッタの使
用要領を示す側面図、(b) はボールエンドミルの使用要
領を示す側面図である。上記図2に示すように、半球殻
Fの内壁面iに形成する突起部Gにかけて真球面Hから
三次元加工を行う時に正面フライスカッタ8を使用する
場合には、(a) のように、刃先8aの旋回面を切削送り
の方向sに対して正面フライスカッタ8の後方側に位置
する刃先8bが突起部G以外の真球面Hと干渉しないよ
う適度の傾斜角度を保ちながら突起部Gの外側である真
球面Hから突起部Gの内側に向かって移動させて切削す
る。この刃先8aと8bは、特別な場合として突起部G
の上面を加工する時には突起部Gの上面に接するように
位置決めされてもよい。また、(b) のように、フライス
工具Tとして刃先先端部が半球状になったボールエンド
ミル9を使用する場合には、ボールエンドミル9を切削
送りの方向sに適度の傾斜角度を保ちながら突起部Gの
外側である真球面Hから突起部Gの内側に向かって移動
させて切削する。
要領を示す図面であり、(a) は正面フライスカッタの使
用要領を示す側面図、(b) はボールエンドミルの使用要
領を示す側面図である。上記図2に示すように、半球殻
Fの内壁面iに形成する突起部Gにかけて真球面Hから
三次元加工を行う時に正面フライスカッタ8を使用する
場合には、(a) のように、刃先8aの旋回面を切削送り
の方向sに対して正面フライスカッタ8の後方側に位置
する刃先8bが突起部G以外の真球面Hと干渉しないよ
う適度の傾斜角度を保ちながら突起部Gの外側である真
球面Hから突起部Gの内側に向かって移動させて切削す
る。この刃先8aと8bは、特別な場合として突起部G
の上面を加工する時には突起部Gの上面に接するように
位置決めされてもよい。また、(b) のように、フライス
工具Tとして刃先先端部が半球状になったボールエンド
ミル9を使用する場合には、ボールエンドミル9を切削
送りの方向sに適度の傾斜角度を保ちながら突起部Gの
外側である真球面Hから突起部Gの内側に向かって移動
させて切削する。
【0026】図4は図2のフライス工具による厚肉部の
切削要領を示す図面であり、(a) は半径方向移動、(b)
は円周方向移動、(c) は直線方向移動による切削軌跡を
示す平面図である。(a) に示す例では、突起部Gの突起
形状に沿うように中心に向かう半径方向にフライス工具
Tを移動させた切削軌跡tを示しており、突起部Gの周
囲から中心に向かって切削している。(b) に示す例で
は、突起部Gの中心軸を中心として円周移動させた切削
軌跡tを示しており、この円周移動は突起部Gの突起形
状に沿って外側から内側へまたは内側から外側へ螺旋方
向にフライス工具Tを移動させてもよい。また、(c) に
示す例では、突起部Gの突起形状の上を一方向一工程の
加工動作が終了した後、横方向に一定間隔だけずらす動
作を平行刻みに往復運動させながら繰り返す、直線方向
にフライス工具Tを移動させた切削軌跡tを示してい
る。なお、これらは切削要領の一例であり、他の要領に
よって内壁面iの加工が突起部Gの加工を含んだ連続的
な切削加工であれば他の要領であってもよい。
切削要領を示す図面であり、(a) は半径方向移動、(b)
は円周方向移動、(c) は直線方向移動による切削軌跡を
示す平面図である。(a) に示す例では、突起部Gの突起
形状に沿うように中心に向かう半径方向にフライス工具
Tを移動させた切削軌跡tを示しており、突起部Gの周
囲から中心に向かって切削している。(b) に示す例で
は、突起部Gの中心軸を中心として円周移動させた切削
軌跡tを示しており、この円周移動は突起部Gの突起形
状に沿って外側から内側へまたは内側から外側へ螺旋方
向にフライス工具Tを移動させてもよい。また、(c) に
示す例では、突起部Gの突起形状の上を一方向一工程の
加工動作が終了した後、横方向に一定間隔だけずらす動
作を平行刻みに往復運動させながら繰り返す、直線方向
にフライス工具Tを移動させた切削軌跡tを示してい
る。なお、これらは切削要領の一例であり、他の要領に
よって内壁面iの加工が突起部Gの加工を含んだ連続的
な切削加工であれば他の要領であってもよい。
【0027】図5はこの出願に係る発明の加工方法を実
施する装置の第2実施例を示す図面であり、(a) は一部
断面正面図、(b) は一部断面側面図である。なお、上述
した第1実施例と同一の構成には同一符号を付してその
説明は省略する。この第2実施例におけるNC制御式門
型フライス盤M2 では、上記第1実施例における固定テ
ーブル1に代えて回転テーブル10を設けた実施例であ
り、半球殻素材Eは回転テーブル10上に設けた固定用
治具1a上に載置して位置決め及び固定されている。こ
の第2実施例も上記第1実施例と同様に、半球殻素材E
の内壁面iを上向きの状態にしてフライス工具Tで加工
する実施例である。
施する装置の第2実施例を示す図面であり、(a) は一部
断面正面図、(b) は一部断面側面図である。なお、上述
した第1実施例と同一の構成には同一符号を付してその
説明は省略する。この第2実施例におけるNC制御式門
型フライス盤M2 では、上記第1実施例における固定テ
ーブル1に代えて回転テーブル10を設けた実施例であ
り、半球殻素材Eは回転テーブル10上に設けた固定用
治具1a上に載置して位置決め及び固定されている。こ
の第2実施例も上記第1実施例と同様に、半球殻素材E
の内壁面iを上向きの状態にしてフライス工具Tで加工
する実施例である。
【0028】この第2実施例では、上記第1実施例にお
ける正面フライスカッタ8等のフライス工具Tを5軸
X,Y,Z,V,W同時に駆動させる代わりに、NC制
御式門型フライス盤M2 の主軸頭2のラム3の直線3軸
X,Y,ZとNCユニバーサルヘッドNの回動軸V並び
に回転テーブル10の回転1軸Cを同時に駆動すること
によって上記第1実施例と同一の効果が得られるように
している。
ける正面フライスカッタ8等のフライス工具Tを5軸
X,Y,Z,V,W同時に駆動させる代わりに、NC制
御式門型フライス盤M2 の主軸頭2のラム3の直線3軸
X,Y,ZとNCユニバーサルヘッドNの回動軸V並び
に回転テーブル10の回転1軸Cを同時に駆動すること
によって上記第1実施例と同一の効果が得られるように
している。
【0029】図6はこの出願に係る発明の加工方法を実
施する装置の第3実施例を示す図面であり、(a) は一部
断面側面図、(b) は一部断面平面図である。この第3実
施例は、横型のNC装置付横型フライス盤M3 を用いた
実施例であり、NC装置付横型フライス盤M3 の移動式
テーブル11上に設けた直角型治具12に固定用治具1
3を介して半球殻素材Eを位置決め及び固定したもので
あり、半球殻素材Eの内壁面iが横向きの状態でNCユ
ニバーサルヘッドN側を向くようにしている。したがっ
て、上記移動式テーブル11の直線軸Uを固定し、NC
制御式横型フライス盤M3 の主軸頭14を縦方向にガイ
ドする支柱17がベース16に沿って左右方向に移動す
る軸Xと、主軸頭14が支柱17に沿って上下方向に移
動する軸Yと、主軸頭14に沿ってラム15が前後方向
に移動する軸Zとからなる直線3軸と、ラム15の先端
に取り付けたNCユニバーサルヘッドNの回転主軸18
の回動軸Vと傾動軸Wとを同時に駆動することによって
上記第1及び第2実施例と同じ効果を得るものである。
この第3実施例の場合、移動式テーブル11の軸Uを固
定してラム15の軸Zを駆動させる代わりに、移動式テ
ーブル11の軸Uを駆動してラム15の軸Zを固定して
も同じ結果を得ることができる。
施する装置の第3実施例を示す図面であり、(a) は一部
断面側面図、(b) は一部断面平面図である。この第3実
施例は、横型のNC装置付横型フライス盤M3 を用いた
実施例であり、NC装置付横型フライス盤M3 の移動式
テーブル11上に設けた直角型治具12に固定用治具1
3を介して半球殻素材Eを位置決め及び固定したもので
あり、半球殻素材Eの内壁面iが横向きの状態でNCユ
ニバーサルヘッドN側を向くようにしている。したがっ
て、上記移動式テーブル11の直線軸Uを固定し、NC
制御式横型フライス盤M3 の主軸頭14を縦方向にガイ
ドする支柱17がベース16に沿って左右方向に移動す
る軸Xと、主軸頭14が支柱17に沿って上下方向に移
動する軸Yと、主軸頭14に沿ってラム15が前後方向
に移動する軸Zとからなる直線3軸と、ラム15の先端
に取り付けたNCユニバーサルヘッドNの回転主軸18
の回動軸Vと傾動軸Wとを同時に駆動することによって
上記第1及び第2実施例と同じ効果を得るものである。
この第3実施例の場合、移動式テーブル11の軸Uを固
定してラム15の軸Zを駆動させる代わりに、移動式テ
ーブル11の軸Uを駆動してラム15の軸Zを固定して
も同じ結果を得ることができる。
【0030】図7はこの出願に係る発明の加工方法を実
施する装置の第4実施例を示す図面であり、(a) は一部
断面側面図、(b) は一部断面平面図である。なお、上記
第3実施例と同一の構成には同一符号を付してその説明
は省略する。この第4実施例のNC装置付門型フライス
盤M4 は、直角型治具12と固定用治具13との間に回
転テーブル19を設けたものであり、半球殻素材Eは固
定用治具13に位置決め及び固定されており、内壁面i
が横向きの状態でNCユニバーサルヘッドN側を向いて
いる。したがって、上記移動式テーブル11の軸Uを固
定し、NC装置付門型フライス盤M4 の左右方向移動軸
Xと上下方向移動軸Yと前後方向移動軸Zとからなる直
線3軸と、ラム15の先端に取り付けたNCユニバーサ
ルヘッドNの回転主軸18の回動軸Vと、回転テーブル
19の回転1軸Cとを同時に駆動することによって上記
第3実施例と同じ効果を得ることができる。なお、この
第4実施例でも、上記第3実施例と同様に、移動式テー
ブル11の軸Uを固定してラム15の軸Zを駆動させる
代わりに、移動式テーブル11の軸Uを駆動してラム1
5の軸Zを固定しても同じ結果を得ることができる。
施する装置の第4実施例を示す図面であり、(a) は一部
断面側面図、(b) は一部断面平面図である。なお、上記
第3実施例と同一の構成には同一符号を付してその説明
は省略する。この第4実施例のNC装置付門型フライス
盤M4 は、直角型治具12と固定用治具13との間に回
転テーブル19を設けたものであり、半球殻素材Eは固
定用治具13に位置決め及び固定されており、内壁面i
が横向きの状態でNCユニバーサルヘッドN側を向いて
いる。したがって、上記移動式テーブル11の軸Uを固
定し、NC装置付門型フライス盤M4 の左右方向移動軸
Xと上下方向移動軸Yと前後方向移動軸Zとからなる直
線3軸と、ラム15の先端に取り付けたNCユニバーサ
ルヘッドNの回転主軸18の回動軸Vと、回転テーブル
19の回転1軸Cとを同時に駆動することによって上記
第3実施例と同じ効果を得ることができる。なお、この
第4実施例でも、上記第3実施例と同様に、移動式テー
ブル11の軸Uを固定してラム15の軸Zを駆動させる
代わりに、移動式テーブル11の軸Uを駆動してラム1
5の軸Zを固定しても同じ結果を得ることができる。
【0031】このような半球殻内壁面の加工方法によれ
ば、内壁の一部に厚肉金物などの突起部Gを有する半球
殻Fの内壁面i全面を成形加工するに際し、半球殻素材
Eの対象軸を中心としてこの半球殻Fを連続的に回転さ
せるか、または半球殻素材Eを固定してフライス工具T
の回転中心軸Aを任意に傾斜させながら加工することに
より一つの加工工程内で所定形状の半球殻Fを得ること
ができるので、従来のように、半球殻Fと厚肉金物との
溶接による溶接欠陥の残留や溶接の伴う熱的悪影響を考
慮しなくてもよくなり、耐圧強度が向上し、加工工程で
残留応力が開放され、真球度が悪化する恐れがなくなり
工作機械の加工精度に対応した真球を維持することがで
きる。
ば、内壁の一部に厚肉金物などの突起部Gを有する半球
殻Fの内壁面i全面を成形加工するに際し、半球殻素材
Eの対象軸を中心としてこの半球殻Fを連続的に回転さ
せるか、または半球殻素材Eを固定してフライス工具T
の回転中心軸Aを任意に傾斜させながら加工することに
より一つの加工工程内で所定形状の半球殻Fを得ること
ができるので、従来のように、半球殻Fと厚肉金物との
溶接による溶接欠陥の残留や溶接の伴う熱的悪影響を考
慮しなくてもよくなり、耐圧強度が向上し、加工工程で
残留応力が開放され、真球度が悪化する恐れがなくなり
工作機械の加工精度に対応した真球を維持することがで
きる。
【0032】また、突起部を溶接しないため溶接による
変形防止治具をはじめ溶接工程そのものや溶接前後の検
査工程等がなくなり、製造コストの低減や工期の短縮を
図ることもできる。
変形防止治具をはじめ溶接工程そのものや溶接前後の検
査工程等がなくなり、製造コストの低減や工期の短縮を
図ることもできる。
【0033】なお、上記実施例では、深海潜水船の操縦
室を例に説明したが、この出願に係る発明は上記実施例
に限定されるものではない。
室を例に説明したが、この出願に係る発明は上記実施例
に限定されるものではない。
【0034】
【発明の効果】この出願に係る発明は、以上説明したよ
うな形態で実施され、以下に記載するような効果を奏す
る。
うな形態で実施され、以下に記載するような効果を奏す
る。
【0035】一つの加工工程内で突起部を形成する半球
殻の内壁全面を連続的に加工することにより、均一な材
料特性で最小化した板厚の半球殻を形成して軽量化を図
ることができるので、半球殻の軽量化や製造コストの低
減及び工期の短縮を図ることが可能となる。
殻の内壁全面を連続的に加工することにより、均一な材
料特性で最小化した板厚の半球殻を形成して軽量化を図
ることができるので、半球殻の軽量化や製造コストの低
減及び工期の短縮を図ることが可能となる。
【0036】上記一つの加工工程内で半球殻の内壁全面
を連続的に加工する場合、半球殻素材に対して切削工具
を左右方向と前後方向と上下方向とに移動させるととも
に、この切削工具の回動と傾動とを組合せて同時制御で
きる5面加工が可能な工作機械によれば容易に可能とな
る。
を連続的に加工する場合、半球殻素材に対して切削工具
を左右方向と前後方向と上下方向とに移動させるととも
に、この切削工具の回動と傾動とを組合せて同時制御で
きる5面加工が可能な工作機械によれば容易に可能とな
る。
【0037】また、上記切削工具の回動に代えて、半球
殻素材をこの半球殻素材の対称軸を中心にして回動させ
るように構成すれば、切削工具の回動機能がない工作機
械でも内壁の一部に厚肉となる突起部を形成した所定形
状の半球殻を一つの加工工程内で加工することができ、
工作機械の選択範囲を広げることが可能となる。
殻素材をこの半球殻素材の対称軸を中心にして回動させ
るように構成すれば、切削工具の回動機能がない工作機
械でも内壁の一部に厚肉となる突起部を形成した所定形
状の半球殻を一つの加工工程内で加工することができ、
工作機械の選択範囲を広げることが可能となる。
【0038】さらに、上記切削工具の前後方向又は上下
方向の移動に代えて、半球殻素材を前後方向又は上下方
向に移動させるように構成すれば、切削工具の前後方向
又は上下方向の移動機能がない工作機械でも内壁の一部
に厚肉となる突起部を形成した所定形状の半球殻を一つ
の加工工程内で加工することが可能となる。
方向の移動に代えて、半球殻素材を前後方向又は上下方
向に移動させるように構成すれば、切削工具の前後方向
又は上下方向の移動機能がない工作機械でも内壁の一部
に厚肉となる突起部を形成した所定形状の半球殻を一つ
の加工工程内で加工することが可能となる。
【0039】上記切削工具として正面フライスカッタを
用いて突起部を加工する時に、この正面フライスカッタ
の後方側に位置する刃先が突起部以外の真球面と接触し
ないような傾斜角度で正面フライスカッタを保ちながら
加工すれば、正面フライスカッタを用いた正確な加工が
可能となり、この切削工具としてボールエンドミルを用
いて突起部を加工する時に、このボールエンドミルを切
削送り方向に所定の傾斜角度で保ちながら、突起部の外
側から内側に向かって加工すれば、ボールエンドミルを
用いた正確な加工が可能となる。
用いて突起部を加工する時に、この正面フライスカッタ
の後方側に位置する刃先が突起部以外の真球面と接触し
ないような傾斜角度で正面フライスカッタを保ちながら
加工すれば、正面フライスカッタを用いた正確な加工が
可能となり、この切削工具としてボールエンドミルを用
いて突起部を加工する時に、このボールエンドミルを切
削送り方向に所定の傾斜角度で保ちながら、突起部の外
側から内側に向かって加工すれば、ボールエンドミルを
用いた正確な加工が可能となる。
【図1】この出願に係る発明の加工方法による半球殻の
加工要領を示す断面図であり、(a) は加工前、(b) は加
工後を示す断面図である。
加工要領を示す断面図であり、(a) は加工前、(b) は加
工後を示す断面図である。
【図2】この出願に係る発明の加工方法を実施する装置
の第1実施例を示す図面であり、(a) は一部断面正面
図、(b) は一部断面側面図であり、(c) は加工軌跡を示
す半球殻の平面図である。
の第1実施例を示す図面であり、(a) は一部断面正面
図、(b) は一部断面側面図であり、(c) は加工軌跡を示
す半球殻の平面図である。
【図3】図2におけるフライス工具の使用要領を示す図
面であり、(a) はフライス工具の使用要領を示す側面
図、(b) はボールエンドミルの使用要領を示す側面図で
ある。
面であり、(a) はフライス工具の使用要領を示す側面
図、(b) はボールエンドミルの使用要領を示す側面図で
ある。
【図4】図2のフライス工具による厚肉部の切削要領を
示す図面であり、(a) は半径方向移動、(b) は円周方向
移動、(c) は直線方向移動による切削軌跡を示す平面図
である。
示す図面であり、(a) は半径方向移動、(b) は円周方向
移動、(c) は直線方向移動による切削軌跡を示す平面図
である。
【図5】この出願に係る発明の加工方法を実施する装置
の第2実施例を示す図面であり、(a) は一部断面正面
図、(b) は一部断面側面図である。
の第2実施例を示す図面であり、(a) は一部断面正面
図、(b) は一部断面側面図である。
【図6】この出願に係る発明の加工方法を実施する装置
の第3実施例を示す図面であり、(a) は一部断面側面
図、(b) は一部断面平面図である。
の第3実施例を示す図面であり、(a) は一部断面側面
図、(b) は一部断面平面図である。
【図7】この出願に係る発明の加工方法を実施する装置
の第4実施例を示す図面であり、(a) は一部断面側面
図、(b) は一部断面平面図である。
の第4実施例を示す図面であり、(a) は一部断面側面
図、(b) は一部断面平面図である。
【図8】(a) 〜(d) は、従来の加工方法による半球殻の
加工要領を示す断面図である。
加工要領を示す断面図である。
1…固定テーブル 1a…固定用治具 2,14…主軸頭 3,15…ラム 4…横けた 5…コラム 6,16…ベース 7,18…回転主軸 8…正面フライスカッタ 9…ボールエンドミル 10…回転テーブル 11…移動式テーブル 12…直角型治具 13…固定用治具 17…支柱 19…回転テーブル E…半球殻素材 i…内壁面 o…外壁面 F…半球殻 G…突起部 H…真球面 M1,M2 …NC装置付門型フライス盤 M3,M4 …NC装置付横型フライス盤 N…NCユニバーサルヘッド T…フライス工具 t…工具軌跡 X,Y,Z…直線軸 V…回動軸 W…傾動軸 A…回転中心軸 C…回転軸 U…直線軸
Claims (6)
- 【請求項1】 内壁の一部に厚肉となる突起部を形成す
る半球殻の内壁全面を成形加工する加工方法であって、 前記突起部を形成できる所定厚以上の半球殻素材を所定
位置に固定し、該半球殻素材の内壁面で、切削工具の回
転中心軸を任意に傾斜させながら移動させて前記突起部
と該切削工具との干渉を避けることにより、前記突起部
を形成する半球殻の内壁全面を一つの加工工程内で連続
的に加工して所定形状の半球殻を得ることを特徴とする
半球殻内壁面の加工方法。 - 【請求項2】 前記切削工具の回転中心軸を任意に傾斜
させながら移動させる動作を、前記半球殻素材に対して
切削工具を左右方向と、前後方向と、上下方向とに移動
させる直線動作と、該切削工具の回動と傾動とを組合せ
ることを特徴とする請求項1記載の半球殻内壁面の加工
方法。 - 【請求項3】 前記切削工具の回動に代えて、半球殻素
材を該半球殻素材の対称軸を中心にして回動させること
を特徴とする請求項2記載の半球殻内壁面の加工方法。 - 【請求項4】 前記切削工具の前後方向又は上下方向の
移動に代えて、半球殻素材を前後方向又は上下方向に移
動させたことを特徴とする請求項2又は請求項3記載の
半球殻内壁面の加工方法。 - 【請求項5】 前記切削工具として正面フライスカッタ
を用い、前記突起部を加工する時に、該正面フライスカ
ッタの後方側に位置する刃先が突起部以外の真球面と接
触しないような傾斜角度で正面フライスカッタを保ちな
がら突起部の外側から内側に向かって加工することを特
徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の半球殻内
壁面の加工方法。 - 【請求項6】 前記切削工具としてボールエンドミルを
用い、前記突起部を加工する時に、該ボールエンドミル
を切削送り方向に所定の傾斜角度で保ちながら、該突起
部の外側から内側に向かって加工することを特徴とする
請求項1〜4のいずれか1項に記載の半球殻内壁面の加
工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25262396A JPH1094911A (ja) | 1996-09-25 | 1996-09-25 | 半球殻内壁面の加工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25262396A JPH1094911A (ja) | 1996-09-25 | 1996-09-25 | 半球殻内壁面の加工方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1094911A true JPH1094911A (ja) | 1998-04-14 |
Family
ID=17239944
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25262396A Pending JPH1094911A (ja) | 1996-09-25 | 1996-09-25 | 半球殻内壁面の加工方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1094911A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2243593A1 (en) | 2009-04-21 | 2010-10-27 | Mori Seiki Co., Ltd. | Chip discharge device for machine tool |
CN109093130A (zh) * | 2018-08-08 | 2018-12-28 | 西北工业大学 | 基于分区域加工的薄壁环形零件粗加工工艺优化方法 |
CN114905323A (zh) * | 2022-05-09 | 2022-08-16 | 浙江童氏汽车部件股份有限公司 | 一种自动加工球壳的设备 |
CN117600536A (zh) * | 2023-03-27 | 2024-02-27 | 北京凌空天行科技有限责任公司 | 一种运载火箭舱段内壁加工装置 |
-
1996
- 1996-09-25 JP JP25262396A patent/JPH1094911A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2243593A1 (en) | 2009-04-21 | 2010-10-27 | Mori Seiki Co., Ltd. | Chip discharge device for machine tool |
US8628279B2 (en) | 2009-04-21 | 2014-01-14 | Mori Seiki Co., Ltd. | Chip discharge device for machine tool |
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