JP6355702B2 - 細穴複合加工装置及び加工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、レーザ加工と細穴放電加工とを実施する細穴複合加工装置及び加工方法に関するものである。
従来、切削加工を効率的に行うことのできない例えばニッケル合金あるいはチタン合金等の難削材に細穴をあけるために細穴放電加工機が用いられている。近年、そのような難削材をセラミック等の非導電性材料で被覆した難削材に細穴をあける要求も増えている。そのような場合は通常、非導電性材料に対する細穴加工にはレーザ加工が適用され、金属材料に対する細穴加工には細穴放電加工が適用される。
特許文献1には、金属材料だけからなる難削材に細穴放電加工を効率よく且つ高精度に実施するために、細穴放電加工に先立ってレーザ加工によりワークを貫通する下穴(加工先穴)をあけておく加工方法が記載されている。
特許文献2には、金属材料にレーザ切断加工を行うために、レーザ切断加工に先立って必要な細穴(ピアス)の加工に細穴放電加工を適用する複合加工システムが記載されている。特許文献2の複合加工システムは、レーザ加工ヘッドと細穴放電加工ヘッドが並列に連結された一体型の加工ヘッドを有している。
特開2000−24923号公報 特開平7−112339号公報
レーザ加工により細穴をあける場合、加工中にドロスやデブリが発生すること、ワークに対する熱影響が大きいこと、及び深さ方向における穴形状の変形が生じ易いことから、高精度の細穴をあけることは容易でない。また、非導電性材料が被覆された難削材に細穴をあける場合、レーザ加工機だけで加工ができるケースは限られており、従って通常はレーザ加工機と細穴加工機の両方を使用しなければならない。そうすると、レーザ加工機から細穴放電加工機へワークを載せ替える必要があるためそれぞれの加工機において段取り作業が発生する。これらの課題は、特許文献1の方法を実施する場合でも同様に生じる。
特許文献2の複合加工システムによると、特許文献1の場合のようにワークの載せ替えは不要になる。但し、レーザ照射の光軸と細穴放電加工の電極の中心軸線はX方向でずれているので、加工ヘッドがX方向で大型化するとともに、加工ヘッドが放電加工によりピアスをあけた後にレーザ照射の光軸をピアスに合わせるためにX方向へ所定の距離移動する必要がある。そのため、前記移動距離にともなう加工時間の延長と加工プログラムにおけるステップ数の増加が生じる。また、特許文献2の複合加工システムにおいて、レーザ加工を切断ではなく細穴加工に適用したと仮定した場合には、やはり前述した理由から高精度の細穴をあけることは容易ではないと考えられる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、非導電性材料層と導電性材料層とでなるワーク、又は細穴放電加工だけでは加工の難しいワークに細穴を容易に且つ高い加工品質と加工能率をもって加工し、また、設備コストを低減できる細穴複合加工装置及び細穴複合加工方法を提供することを目的とする。
前述の目的を達成するために、本発明の第1の態様によれば、レーザ加工と細穴放電加工とを実施する細穴複合加工装置において、ウォータジェットレーザ加工ヘッド部と細穴放電加工ヘッド部とを一体的に含み、ウォータジェットレーザ加工ヘッド部の光軸線と細穴放電加工ヘッド部の主軸軸線とが同軸に整列された一体型の加工ヘッドと、ウォータジェットレーザ加工ヘッド部に設けられ、細穴放電加工ヘッド部の主軸に取り付けられるパイプ電極の内壁に接しない太さの水柱を形成可能なノズルと、ワークを載置するテーブルと、加工ヘッドとテーブルとを相対的に送り動作させる送り装置と、ウォータジェットレーザ加工ヘッド部によるレーザ加工と細穴放電加工ヘッド部による放電加工とを選択的に実施させると共に送り装置の動作を制御する制御装置と、を具備する細穴複合加工装置が提供される。
さらに、前述の目的を達成するために、本発明の第2の態様によれば、レーザ加工と細穴放電加工によってワークに細穴を加工する細穴複合加工方法において、細穴放電加工に用いるパイプ電極の先端をワークに接近させて対面させるステップと、ワークに到達する水柱をパイプ電極内を通し、パイプ電極の内壁に接しない太さで形成すると共に、水柱によってレーザ光をワークへ導光し、加工すべき細穴の一部をレーザ加工するステップと、パイプ電極とワークとの間に電圧を印加すると共にレーザ加工するステップで用いる水と同じ供給源からの水をパイプ電極内に供給して細穴の他の一部を細穴放電加工するステップと、を有し、レーザ加工するステップと細穴放電加工するステップを選択的に実施することによりワークに所望の細穴を加工する細穴複合加工方法が提供される。
本発明によると、ウォータジェットレーザ加工と細穴放電加工を適切に組み合わせることによって、例えば非導電性材料が被覆された金属の難削材からなるワーク、あるいは細穴放電加工だけでは加工の難しいワークに対しても高精度且つ高効率に細穴を加工することが可能になる。また、本発明による細穴複合加工装置1台を、ウォータジェットレーザ加工装置と細穴放電加工装置を1台ずつ個別に設備するのに比較して経済的に設備することが可能になる。
また、本発明による細穴複合加工装置では、レーザ加工ヘッド部の光軸線と放電加工ヘッド部の主軸軸線とが同軸に整列されているので、少なくとも水平方向にはコンパクトな加工ヘッドが実現できる。また、ウォータジェットレーザ加工から細穴放電加工へ移行する際に加工ヘッドを移動させる必要がなく従って加工時間が短縮され、加工プログラムの作成も効率化される。
本発明の実施形態による細穴複合加工装置の主に加工ヘッドの構成を模式的に示す図である。 本発明の実施形態による細穴複合加工装置の機械本体の模式的な正面図である。 ウォータジェットレーザ加工を実施しているワークの模式的な断面図である。 細穴放電加工を実施しているワークの模式的な断面図である。
以下、図1及び図2を参照して、本発明の実施形態による細穴複合加工装置100について説明する。図1は、本発明の実施形態による細穴複合加工装置100の構成を、加工ヘッド20を中心にして模式的に示す図であり、図2は細穴複合加工装置100の機械本体の模式的な正面図である。なお、以下においては、図示されるように互いに直交するX軸方向、Y軸方向、Z軸方向が定義され、またそれらは、それぞれを左右方向、前後方向、上下方向とも呼ばれる。
細穴複合加工装置100は、レーザ加工と細穴放電加工の両方の加工を選択的に実施することができる。本実施形態におけるレーザ加工は、ノズル37aにより形成した水柱39によりレーザ光をワーク5まで導光するウォータジェットレーザ加工であり、また細穴放電加工はパイプ状の電極18を利用するものである。
細穴複合加工装置100は、加工ヘッド20、ワーク5を載置するテーブル10、加工ヘッド20とテーブル10とを相対的に送り動作させる送り装置50、レーザ加工と放電加工とを選択的に実施させると共に送り装置50の動作を制御する制御装置60、放電加工電源70、及び水供給源80を主要構成要素として具備する。加工ヘッド20は、ウォータジェットレーザ加工を行うためのレーザ加工ヘッド部30と細穴放電加工を行うための放電加工ヘッド部40とを一体的に含んでいて、レーザ加工ヘッド部30の光軸線Oと放電加工ヘッド部40の主軸41の回転軸線(以下、「主軸軸線」と呼ぶ)Rは同軸に整列されてZ軸方向に延びている。
図2に示されるように、細穴複合加工装置100は更に、ベッド1の後部から立設されたコラム2と、コラム2の上面においてX軸方向に移動可能に支持されたXスライダ3と、Xスライダ3の上面にY軸方向に移動可能に支持されたラム4を具備する。ラム4の前面には加工ヘッド20がZ軸方向に移動可能に支持されている。加工ヘッド20の下端から突出する主軸41の先端部に電極ホルダ7が着脱可能に連結されている。電極ホルダ7の鉛直方向下方には、電極ガイド8が配置され、電極ガイド8は、ガイドアーム9の下端部に支持されている。ガイドアーム9は、ラム4の右側面に設けられたブラケット4aに、上下方向に移動可能に支持されている。ガイドアーム9の上下移動軸は、Z軸に平行であって、本明細書ではW軸と呼ぶ。ガイドアーム9は、電極ガイド8により電極18を支持できるように傾斜部分を有する。
電極ホルダ7と電極ガイド8との間には電極18が主軸軸線Rに沿って延在している。電極18は、円筒状のパイプ電極18であり、その上端部は電極ホルダ7によって把持されている。パイプ電極18の下端部は、電極ガイド8を上下方向に貫通している。パイプ電極18は、その外周面が電極ガイド8により支持され、前後左右方向の位置を拘束されながら、電極ガイド8内を上下方向に摺動可能となっている。パイプ電極18の内部には、放電加工時に、例えば水などの液体が供給されて、パイプ電極18の先端(下端)18aから噴射される。一方、ウォータジェットレーザ加工時には、水などの液体とともにレーザ光がパイプ電極18の先端18aから噴射及び照射される。
パイプ電極18はその上端部が電極ホルダ7によって把持されているので、放電加工中に、主軸41が主軸軸線Rを中心に回転することによって、主軸41に連結された電極ホルダ7と、電極ホルダ7に把持されたパイプ電極18が回転する。放電加工の進行につれてパイプ電極18の先端18aが消耗するが、パイプ電極18の消耗につれて加工ヘッド20がガイドアーム9に対して下降するので、パイプ電極18の先端18aのZ軸方向の位置は望ましい位置に維持される。
本実施形態においては、ベッド1の前部上面に設けられたテーブル10の上面には、傾斜回転テーブル装置12が搭載されている。傾斜回転テーブル装置12は、テーブル10の上面から上方に突設された前後一対の支持部材13と、それら支持部材13の間に、Y軸方向に延在する旋回軸Rbを中心としてB軸方向に旋回可能に支持された傾斜部材14と、傾斜部材14の左端面に、旋回軸Rbに垂直な回転軸Raを中心としてA軸方向に回転可能に支持された回転テーブル15とを有する。回転テーブル15にはチャック16が設けられ、チャック16にワーク5が取り付けられる。
テーブル10の周囲には、テーブル10および傾斜回転テーブル装置12の全体を囲うように昇降可能に放電加工用の加工槽17が設けられている。なお、図2の一点鎖線は、放電加工中に加工槽17が上昇した状態を示しており、実線は、段取り作業時あるいはレーザ加工時において下降した状態を示している。また、作図が省略されているが、細穴複合加工装置100は、主にレーザ光を遮蔽するために装置全体を覆うカバーも備えている。
図示は省略するが、細穴複合加工装置100は、Xスライダ3を左右方向に移動させるX軸駆動部と、ラム4を前後方向に移動させるY軸駆動部と、加工ヘッド20を上下方向に移動させるZ軸駆動部と、主軸軸線Rzを中心に主軸41を回転させる主軸回転駆動機構43と、ガイドアーム9を上下方向に移動させるW軸駆動部と、旋回軸Rbに対して傾斜部材14を傾斜させるB軸駆動部と、回転軸Raを中心にして回転テーブル15を回転させるA軸駆動部とをそれぞれ有する。これらX軸駆動部、Y軸駆動部、Z軸駆動部、W軸駆動部、主軸回転駆動機構43、B軸駆動部およびA軸駆動部は、細穴複合加工装置100の制御装置60により制御される。また、本明細書においては、これら各種駆動部が送り装置50と総称される。
以上の構成により、パイプ電極18の先端18aはテーブル10に固定されたワーク5に対してX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向に相対移動可能となり、かつB軸方向およびA軸方向に相対移動可能となる。
加工ヘッド20は、放電加工ヘッド部40とレーザ加工ヘッド部30を一体に含んでいる。放電加工ヘッド部40の主軸41は、それを長手方向に貫通する中心穴を有する円筒状に形成されており、その大部分が加工ヘッド20のハウジング21の内に配設されていて、下端側の一部がハウジング21から突出している。主軸41は、やはりハウジング21内に配設された一対の軸受42によって主軸軸線R回りに回転可能に支持されている。ハウジング21内には、主軸41を回転駆動するためのモータ(図示せず)及び動力伝達機構(図示せず)を含む前述の主軸回転駆動機構43も配設されている。主軸41の上端部と、レーザ加工ヘッド部30との境界には防水用のシール部材44が配置されている。主軸41の下端部には電極ホルダ7が着脱可能に連結されている。放電加工ヘッド部40は、これら、主軸41、軸受42、主軸回転駆動機構43、シール部材44、並びにそれらを収容するハウジング21の部分を含んでいる。
細穴放電加工の際の加工液である水は、水供給源80から管路81を介して、レーザ加工ヘッド部30のノズルヘッド37及びノズル37aを経由して主軸41の中心穴に導入され、さらに電極ホルダ7内の図示しない流路を通してパイプ電極18内に供給される。
加工ヘッド20の放電加工ヘッド部40の上側には、ウォータジェットレーザ加工を実施するために必要な各種構成要素が配設されている。具体的には、レーザ発振器31からのレーザ光を光ファイバー31aのような導光部材を介して受け取るレーザ照射ヘッド32、レーザ照射ヘッド32から照射されたレーザ光を平行光にするコリメーションレンズ33、コリメーションレンズ33からのレーザ光を図の左側に平行にシフトするための第1のミラー34及び第2のミラー35、第2のミラー35からのレーザ光を絞るフォーカスレンズ36、水柱39を形成するためのノズルヘッド37及びノズル37aが配設されている。これらウォータジェットレーザ加工のための構成要素及びそれらを収容するハウジング21の部分がレーザ加工ヘッド部30に含まれる。また、図1からわかるように、フォーカスレンズ36の光軸線Oは、主軸軸線Rに一致している。
前述のミラー及びレンズは、レーザ照射ヘッド32から照射されたレーザ光がフォーカスレンズ36によって絞られてノズル37aの入口の中心で焦点を結ぶように配置されている。ただし、実際には各種の誤差があるので、焦点位置の調整が必要である。このため、レーザ加工ヘッド部30は、第1と第2のミラー34、35の角度を変更するための第1モータ34aと第2モータ35a、及びフォーカスレンズ36の上下方向の位置を調節する図示しない第3モータ、及び焦点を撮像するアライメントカメラ38も含んでいる。なお、第2のミラー35は、レーザ発振器31から照射されるレーザ光は反射するが、そのレーザ光の波長以外の波長の光を透過する誘電体多層膜が蒸着されたガラス板から形成されている。そのため、アライメントカメラ38は、それが第2のミラー35の上方に配置されているにもかかわらずレーザ光の焦点を撮像することができる。焦点調節は、オペレータが、操作盤(図示せず)のモニタ(図示せず)上に映し出されたアライメントカメラ38の画像を見ながら第1〜第3モータを微小量駆動させることにより行われる。
ノズルヘッド37は、水供給源80から管路81を介して水の供給を受ける中空状の部材である。ノズルヘッド37の底壁にウォータジェットを噴出するノズル37aが設けられ、底壁の反対側のフォーカスレンズ36に対面する上面にガラス等の透明な材料より成る窓37bが設けられている。ノズル37aから噴出されたウォータジェットにより水柱39が形成され、水柱39は放電加工ヘッド部40の主軸41及び電極ホルダ7からパイプ電極18の中を通って、テーブル10に載置されたワーク5に達する。一方、ノズル37aの入口に焦点を結んだレーザ光は、形成された水柱39の外周境界面で全反射を繰り返してワーク5まで達して、ワーク5を加工することができる。
本実施形態においてはウォータジェットレーザ加工時に供給される水と前述した細穴放電加工時に供給される水は、通常はそれらの水圧に差がある(ウォータジェットレーザ加工時の水圧の方が高い)ものの、共に同じ水供給源80から同じ流路を通って供給されたものである。また、ノズル37aにより形成される水柱39の軸線、及び従って水柱39によって導光されるレーザ光の光軸線Oは、主軸軸線Rに同軸に整列される。
上述したように構成された細穴複合加工装置100によると、一つのワークに対して従来それぞれ別個の装置で実施されていた細穴放電加工とウォータジェットレーザ加工を選択的に実施することが可能になる。
本実施形態の細穴複合加工装置100のテーブル10、コラム2、ラム4や送り装置50のような構造的あるいは機械的構成要素の相当な部分及び水供給源80がウォータジェットレーザ加工と細穴放電加工において共用される。これは、ウォータジェットレーザ加工装置と細穴放電加工装置を個別に2台製作するよりも低コストで細穴複合加工装置100を1台製作できることを意味する。また、設置スペースも、ウォータジェットレーザ加工装置と細穴放電加工装置を個別に準備して設置した場合に比較して縮小される。
本実施形態の細穴複合加工装置100によると、レーザ加工においてドロスやデブリの発生が無く、加工物への熱影響が抑えられ、深さ方向において均一な穴径が得られるといったウォータジェットレーザ加工の利点が得られることは勿論、ワーク5をテーブル10に固定したまま、つまり一回の段取り作業により、ウォータジェットレーザ加工と細穴放電加工を連続して行うことが可能になる。さらに、この細穴複合加工装置100では、レーザ加工ヘッド部30の光軸線Oと放電加工ヘッド部40の主軸軸線Rとが同軸に整列されているので、ウォータジェットレーザ加工から細穴放電加工へ(あるいはその逆へ)移行する際に加工ヘッド20を移動させる必要がなく従って加工時間が短縮され、また加工プログラムの作成も効率化される。
次に、例えば前述した細穴複合加工装置100を使って実施可能な本発明の実施形態による細穴複合加工方法について図3及び図4も参照して説明する。この実施形態におけるワーク5は、例えばガスタービン等のブレードの材料としても利用される遮熱コーティング材を材料としている。遮熱コーティング材は、ニッケル基耐熱合金からなる母材5aが、金属のボンド層を介してセラミックス層5bにより被覆されたものである。なお、ボンド層は薄い層であるので、図3及び図4では作図が省略されている。加工すべき細穴5cは、均一な内径を有して最終的にはワーク5を貫通する。
この実施形態による方法では、最初に、細穴放電加工に用いるパイプ電極18の先端18aをワーク5に接近させて、細穴5cをあけるべきワーク5の部分に対面させて位置決めする。
次に、図3に示されるように、ウォータジェットレーザ加工によって加工すべき細穴の一部5cをワーク5にあける。より詳しくは、ワーク5に到達する水柱39を形成し、形成した水柱39によってレーザ光をワーク5へ導光し、加工すべき細穴の一部5cをワーク5にあける。本実施形態においては、パイプ電極18が電極ホルダ7を介して主軸41に連結された状態でウォータジェットレーザ加工が行なわれる。そのため、水柱39はパイプ電極18内に形成されている。但し、水柱39はパイプ電極18の内壁に接しない太さで形成されている。
図3においてはレーザ光は示されないが、水柱39の径とほぼ同じビーム径のレーザ光がワーク5に照射される。本実施形態においては、レーザ光の光軸線Oが不動の場合にウォータジェットレーザ加工により得られる穴の径は最終形状の細穴5cの径よりもかなり小さいので、加工ヘッド20及び従ってレーザ光の光軸線OをXY水平方向に振ることによって穴径が拡大される。一方、ウォータジェットレーザ加工においてあける細穴の一部5cの深さは、セラミック層5bを貫通できればよく、したがって本実施形態においてはセラミック層5bの厚さプラスαの深さに設定されている。
次に、細穴の他の一部5cを細穴放電加工によって加工する。より詳しくは、主軸41を回転させるとともに、パイプ電極18とワーク5との間に電圧を印加し、ウォータジェットレーザ加工のときと同じ水供給源80からの水をパイプ電極18内に供給して加工すべき細穴の他の一部5cを細穴放電加工により加工する。これにより、ワーク5を貫通する細穴5cが完成する。
上記実施形態においては、ウォータジェットレーザ加工が細穴放電加工の前に実施されたが、例えばワーク5のセラミック層5cが金属母材5aの下層にある場合等には、前述の加工の順序は逆転されるであろう。また、一つの細穴に対してウォータジェットレーザ加工と細穴放電加工を繰り返し実施する実施形態も可能である。
この細穴複合加工方法によると、セラミックのような非導電性材料と金属材料とからなる材料に対して精細な細穴加工を効率的に実施することが可能になる。また、本実施形態におけるレーザ加工はウォータジェットレーザ加工であるので、通常のレーザ加工の際に問題となる、深さ方向における穴形状の乱れ、ドロスやデブリの発生、及び加工物への熱影響が発生しない。
本発明による細穴複合加工方法は、非導電性材料を有しない金属材料だけからなるワークに対して適用されてもよい。一つのワークにおいて加工すべき細穴が複数種類ある場合、細穴の深さ、内径、及び許容誤差等に応じて、最適な加工方法がウォータジェットレーザ加工と細穴放電加工のうちから選択されてよい。あるいは、金属材料だけからなるワークの一つの細穴に対してウォータジェットレーザ加工と細穴放電加工の両方を適用することにより加工時間を短縮できる場合もある。例えば、相対的に大径で深い大径部と相対的に小径で浅い小径部とからなる段付き細穴を加工する場合、大径部に対して細穴放電加工を適用し、小径部に対してウォータジェットレーザ加工を適用することにより、電極を交換することなく効率的に前記段付き細穴を得ることが可能になる。
7 電極ホルダ
10 テーブル
18 電極
20 加工ヘッド
30 レーザ加工ヘッド部
37a ノズル
39 水柱
40 細穴放電加工ヘッド部
41 主軸
50 送り装置
60 制御装置
80 水供給源

Claims (2)

  1. レーザ加工と細穴放電加工とを実施する細穴複合加工装置において、
    ウォータジェットレーザ加工ヘッド部と細穴放電加工ヘッド部とを一体的に含み、前記ウォータジェットレーザ加工ヘッド部の光軸線と前記細穴放電加工ヘッド部の主軸軸線とが同軸に整列された一体型の加工ヘッドと、
    前記ウォータジェットレーザ加工ヘッド部に設けられ、前記細穴放電加工ヘッド部の主軸に取り付けられるパイプ電極の内壁に接しない太さの水柱を形成可能なノズルと、
    ワークを載置するテーブルと、
    前記加工ヘッドと前記テーブルとを相対的に送り動作させる送り装置と、
    前記ウォータジェットレーザ加工ヘッド部によるレーザ加工と前記細穴放電加工ヘッド部による放電加工とを選択的に実施させると共に前記送り装置の動作を制御する制御装置と、
    を具備することを特徴とした細穴複合加工装置。
  2. レーザ加工と細穴放電加工によってワークに細穴を加工する細穴複合加工方法において、
    細穴放電加工に用いるパイプ電極の先端をワークに接近させて対面させるステップと、 前記ワークに到達する水柱を前記パイプ電極内を通し、前記パイプ電極の内壁に接しない太さで形成すると共に、前記水柱によってレーザ光をワークへ導光し、加工すべき細穴の一部をレーザ加工するステップと、
    前記パイプ電極と前記ワークとの間に電圧を印加すると共に前記レーザ加工するステップで用いる水と同じ供給源からの水を前記パイプ電極内に供給して前記細穴の他の一部を細穴放電加工するステップと、
    を有し、前記レーザ加工するステップと前記細穴放電加工するステップを選択的に実施することにより前記ワークに所望の細穴を加工することを特徴とした細穴複合加工方法。
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