JPH109134A - 圧縮機のマフラ構造 - Google Patents

圧縮機のマフラ構造

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JPH109134A
JPH109134A JP8167599A JP16759996A JPH109134A JP H109134 A JPH109134 A JP H109134A JP 8167599 A JP8167599 A JP 8167599A JP 16759996 A JP16759996 A JP 16759996A JP H109134 A JPH109134 A JP H109134A
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勇人 池田
Koichi Ito
浩一 伊藤
Hisaya Yokomachi
尚也 横町
Satoko Yokoyama
聡子 横山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 少ない部品点数でマフラ空間を構成できると
ともに、大容量化をともなわずして吸入ガス或いは吐出
ガスの圧力脈動を十分に減衰し得る圧縮機のマフラ構造
を提供すること。 【解決手段】 フロント側及びリヤ側膨出部41A,4
1Bは、フロント側及びリヤ側シリンダブロック11
A,11Bの外側にそれぞれ一体形成されている。マフ
ラ形成空間42は両膨出部41A,41Bの内部にそれ
ぞれ形成され、両シリンダブロック11A,11Bの接
合により封止されている。頸部43は、両シリンダブロ
ック11A,11Bの外壁面11aを外側に膨出するこ
とで構成され、同頸部43によってマフラ形成空間42
が通路空間44と共鳴マフラ空間45とに区画されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば車両空調シ
ステムに適用される圧縮機に関し、特に同圧縮機のマフ
ラ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、圧縮機の動作に伴い発生される振
動や騒音を低減するために、膨張型のマフラを備えた圧
縮機が存在する。同マフラを構成するマフラ空間は、ハ
ウジングを構成するハウジング構成体の外側に凹部を形
成し、同ハウジング構成体とは別体の蓋体により同凹部
を封止することで構成されている。同マフラは、そのマ
フラ空間によって吸入ガス或いは吐出ガスの通過断面積
を拡大し、再び通過断面積を縮小することで、同吸入ガ
ス或いは吐出ガスの圧力脈動を同マフラ空間内において
反射・干渉させて減衰する。同吸入ガス或いは吐出ガス
の圧力脈動が減衰されることで、圧縮機の動作に伴う振
動や騒音が低減される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来技
術においては次のような問題点が存在する。 (1)吸入ガス或いは吐出ガスの圧力脈動を膨張型のマ
フラで効果的に減衰しようとすると、一般に十分な容量
のマフラ空間が必要とされ、マフラが大型化されてい
た。同マフラの大容量化は圧縮機の大型化につながり、
例えば、狭いエンジンルーム内に装着される車両空調シ
ステム用の圧縮機においては、極力避けたい問題であ
る。
【0004】(2)マフラ空間を構成するために、ハウ
ジング構成体とは別体の蓋部材が必要であって圧縮機を
構成する部品点数が多くなるし、部品点数増にともない
その組付工程数も多くなって圧縮機の製造コスト高を招
いていた。
【0005】本発明は上記従来技術に存在する問題点に
着目してなされたものであって、その目的は、少ない部
品点数でマフラ空間を構成できるとともに、大容量化を
ともなわずして吸入ガス或いは吐出ガスの圧力脈動を十
分に減衰し得る圧縮機のマフラ構造を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1の発明では、ハウジング構成体の外側にマフ
ラ形成空間を形成し、同マフラ形成空間の開口をハウジ
ング構成体同士の接合により封止することで共鳴マフラ
空間が構成されたマフラ構造である。
【0007】請求項2の発明では、前記共鳴マフラ空間
は、冷媒ガスの通路を構成する通路空間に頸部を介して
連通されている。請求項3の発明では、前記通路空間は
マフラ形成空間を頸部により区画することで構成され、
ハウジング構成体の接合により共鳴マフラ空間と同時に
封止される。
【0008】請求項4の発明では、前記圧縮機構は、ハ
ウジング構成体であるシリンダブロックに形成されたシ
リンダボアと、同シリンダボア内に収容されて往復動さ
れる両頭型のピストンとを備え、一方のピストン端面と
シリンダボアとにより囲まれて形成された圧縮室から吐
出される吐出ガスと、他方のピストン端面とシリンダボ
アとにより囲まれて形成された圧縮室から吐出される吐
出ガスとが、前記通路空間内において合流するように構
成され、一方の圧縮室側からの吐出ガスの入口と、他方
の圧縮室側からの吐出ガスの入口とは、同通路空間内に
おいて対向するように配置されている。
【0009】(作用)上記構成の請求項1及び2の発明
においては、ハウジング構成体の外側にマフラ形成空間
を形成するとともに、同マフラ形成空間がハウジング構
成体同士の接合により封止されることで共鳴マフラ空間
が構成されている。従って、同共鳴マフラ空間を構成す
るにあたって、ハウジング構成体と別体の部材を必要と
せず、構成部品点数を低減できる。
【0010】そして、通路空間を通過される吸入ガス或
いは吐出ガスの一部が、頸部を介して共鳴マフラ空間に
出入りし、それにより圧力脈動成分が共鳴されて同吸入
ガス或いは吐出ガスの圧力脈動が減衰される。
【0011】請求項3の発明においては、前記通路空間
はマフラ形成空間を頸部により区画することで構成さ
れ、ハウジング構成体の接合により共鳴マフラ空間と同
時に封止される。従って、通路空間を構成するにあたっ
て、ハウジング構成体とは別体の部材を必要とせず、構
成部品点数を低減できる。
【0012】請求項4の発明においては、一方の圧縮室
から吐出された吐出ガスと、他方の圧縮室から吐出され
た吐出ガスとが、前記通路空間内において合流される。
ここで、一方の圧縮室側からの吐出ガスの入口と、他方
の圧縮室側からの吐出ガスの入口とは、同通路空間内に
おいて対向されている。このため、両吐出ガスが通路空
間内においてぶつかり合うことにより互いの圧力脈動成
分が干渉され、圧縮機からの吐出ガスの圧力脈動が減衰
される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を両頭ピストン式圧
縮機のマフラ構造において具体化した一実施形態につい
て説明する。
【0014】図1に示すように、ハウジング構成体とし
ての一対のシリンダブロック11A,11Bは、対向端
縁において互いに接合されている。同じくハウジング構
成体としてのフロントハウジング12は、フロント側シ
リンダブロック11Aの前端面にフロント側弁形成体1
3を介して接合されている。同じくハウジング構成体と
してのリヤハウジング14は、リヤ側シリンダブロック
11Bの後端面にリヤ側弁形成体15を介して接合され
ている。
【0015】複数のボルト挿通孔16は、フロントハウ
ジング12からフロント側弁形成体13、両シリンダブ
ロック11A,11B及びリヤ側弁形成体15を貫通し
てリヤハウジング14に穿設されている。複数の通しボ
ルト17は、同ボルト挿通孔16に対してフロントハウ
ジング12側より挿入され、その先端部を以てリヤハウ
ジング14に形成されたネジ孔16aに螺合されてい
る。そして、フロントハウジング12及びリアハウジン
グ14は、これらの通しボルト17により、対応するシ
リンダブロック11A,11Bの端面に締結固定されて
いる。
【0016】駆動軸18は、前記シリンダブロック11
A,11B及びフロントハウジング12の中央に、前後
一対のラジアルベアリング19を介して回転可能に支持
されている。リップシール20は、駆動軸18の前端外
周とフロントハウジング12との間に介装されている。
そして、同駆動軸18は、図示しないクラッチを介して
車両エンジン等の外部駆動源に作動連結され、クラッチ
の接続時に外部駆動源の駆動力が伝達されて回転駆動さ
れる。
【0017】図2に示すように、複数のシリンダボア2
1は、前記駆動軸18と平行に延びるように、各シリン
ダブロック11A,11Bの両端部間に同一円周上で所
定間隔おきに貫通形成されている。複数の両頭型のピス
トン22は各シリンダボア21内に往復動可能に嵌挿支
持され、それらの両端面と弁形成体13,15との間に
おいて、各シリンダボア21内には圧縮室23(フロン
ト側),24(リヤ側)が複数形成されている。
【0018】クランク室25は、前記両シリンダブロッ
ク11A,11Bの中間内部に区画形成されている。斜
板26は、クランク室25内において駆動軸18に嵌合
固定され、その外周部がシュー27を介してピストン2
2の中間部に係留されている。そして、同ピストン22
は、駆動軸18の回転により斜板26を介して往復動さ
れる。前後一対のスラストベアリング28は、斜板26
の両端面と各シリンダブロック11の内端面との間に介
装され、このスラストベアリング28を介して斜板26
が両シリンダブロック11A,11B間に挟着保持され
ている。同クランク室25は、導入通路49及び吸入口
50を介して図示しない外部冷媒回路に接続されてお
り、吸入圧領域を構成している。
【0019】フロント側吸入室29及びリヤ側吸入室3
0は、前記フロントハウジング12及びリヤハウジング
14内の内周部に区画形成されている。吸入通路31は
両シリンダブロック11A,11Bに貫設され、前記フ
ロント側吸入室29及びリヤ側吸入室30をそれぞれク
ランク室25に接続している。フロント側吐出室32及
びリヤ側吐出室33は、フロントハウジング12及びリ
ヤハウジング14内の外周部に環状に区画形成されてい
る。
【0020】複数の吸入孔34は各シリンダボア21に
対応して、前記各弁形成体13,15に貫設されてい
る。吸入弁35は各弁形成体13,15に形成され、各
吸入孔34を開閉する。そして、ピストン22の上死点
位置から下死点位置への移動に伴って吸入弁35が開放
され、両吸入室29,30から各圧縮室23,24内に
冷媒ガスが吸入される。
【0021】複数の吐出孔36は各シリンダボア21に
対応して、前記各弁形成体13,15に貫設されてい
る。吐出弁37は各弁形成体13,15に形成され、各
吐出孔36を開閉する。そして、ピストン22の下死点
位置から上死点位置への移動に伴って、前記吐出弁37
の作用により各圧縮室23,24内の冷媒ガスが所定の
圧力にまで圧縮されて両吐出室32,33に吐出され
る。なお、同吐出弁37の開度は、各弁形成体13,1
5にそれぞれ重合されたリテーナ38によって規制され
る。
【0022】次に、上記構成の両頭ピストン式圧縮機の
マフラ構造について説明する。図1〜図3に示すように
フロント側膨出部41Aは、フロント側シリンダブロッ
ク11Aの外側に一体形成されている。リヤ側膨出部4
1Bはリヤ側シリンダブロック11Bの外側に一体形成
され、両シリンダブロック11A,11Bの接合状態に
てフロント側膨出部41Aと連続される。マフラ形成空
間42は各膨出部41A,41Bの内部にそれぞれ形成
され、互いに対向される膨出部41B,41Aとの接合
面で開口されている。そして、両シリンダブロック11
A,11B(膨出部41B,41A)が接合されること
で各マフラ形成空間42が封止されるとともに、両マフ
ラ形成空間42は一体化された空間を構成している。同
マフラ形成空間42は、所定の容積を稼ぐためにシリン
ダブロック11A,11Bの外壁面11aに沿ってその
周方向に延在されており、なるべく膨出部41A,41
Bの突出度合いを小さくするようにしている。また、両
膨出部41A,41Bに跨がってマフラ形成空間42を
形成することによりその容積を稼ぐことも、同膨出部4
1A,41Bの突出度合いを小さくすることに貢献され
る。
【0023】図2及び図3に示すように、頸部43は、
両シリンダブロック11A,11Bの外壁面11a(マ
フラ形成空間42の内面)をマフラ形成空間42側に膨
出させ、同マフラ形成空間42を横断する方向(図2の
左右方向)へ向かう吐出ガスの通過断面積を、同膨出部
位において縮小することで構成されている。そして、図
3において網線で示すように、同頸部43はマフラ形成
空間42を縦断して設けられており、同マフラ形成空間
42は、同頸部43によって通路空間44と共鳴マフラ
空間45とに区画されている。
【0024】なお、本実施形態においては、シリンダブ
ロック11A,11Bの外壁面11aがマフラ形成空間
42側に膨出されることで同膨出部位が肉厚となり、リ
ヤ側シリンダブロック11Bの同肉厚部分には、前述し
た導入通路49が貫設されている。
【0025】そして、前記両吐出室32,33は、各弁
形成体13,15からシリンダブロック11A,11B
にかけてそれぞれ貫設された連通路46,47を介し
て、前記通路空間44に連通されている。両連通路4
6,47は、通路空間44への入口46a,47aが、
同通路空間44内において互いに対向されるように配置
されている。吐出口48はリヤ側膨出部41Bの外面に
開口形成されており、前記通路空間44は同吐出口48
を介して外部冷媒回路に連通されている。
【0026】以上のように本実施形態のマフラ構造は、
所謂、共鳴型マフラを構成しており、各吐出室32,3
3から通路空間44及び吐出口48を介して外部冷媒回
路に排出される吐出ガスの圧力脈動を、頸部43と共鳴
マフラ空間45とからなる共鳴器によって減衰するよう
になっている。
【0027】次に、前記構成の両頭ピストン式圧縮機の
作用について説明する。さて、クラッチの接続により、
車両エンジン等の外部駆動源から駆動軸18に駆動力が
伝達されると、斜板26の回転に連動してピストン22
の往復動が開始される。ピストン22の往復動が開始さ
れると、各圧縮室23,24では、同ピストン22の往
復動に伴って、冷媒ガスの吸入室29,30からの吸
入、圧縮室23,24内での圧縮、及び吐出室32,3
3への吐出のサイクルが開始される。
【0028】そして、フロント側及びリヤ側吐出室3
2,33に吐出された吐出ガスは、それぞれ連通路4
6,47を介して通路空間44内に流入される。同通路
空間44内に流入された吐出ガスの一部は、その圧力脈
動(圧力の周期的な変化)によって頸部43を介して共
鳴マフラ空間45に出入りされる。この吐出ガスの出入
りによって圧力脈動成分が共鳴され、吐出口48を介し
て排出される吐出ガスの圧力脈動が吸収・減衰される。
なお、減衰しようとする圧力脈動成分の周波数域は、予
め試験等により調査されており、同周波数域に応じて頸
部43の通過断面積或いは幅や、共鳴マフラ空間45の
容積等が設定される。
【0029】また、フロント側吐出室32から通路空間
44への入口46aと、リヤ側吐出室33から通路空間
44への入口47aとは対向されている。従って、フロ
ント側吐出室32から通路空間44へ流入された吐出ガ
スと、リヤ側吐出室33から流入された吐出ガスとが同
通路空間44内においてぶつかり合う。その結果、互い
の圧力脈動成分が干渉されることで、吐出口48から外
部冷媒回路に向けて排出される吐出ガスの圧力脈動が減
衰する作用も奏される。
【0030】上記構成の本実施形態においては、次のよ
うな効果を奏する。 (1)膨出部41A,41Bが、シリンダブロック11
A,11Bの外側に一体形成されている。そして、同膨
出部41A,41B内にマフラ形成空間42をそれぞれ
形成することで、同マフラ形成空間42を両シリンダブ
ロック11A,11Bの接合により封止して共鳴マフラ
空間45を構成した。従って、共鳴マフラ空間45を構
成するのに、シリンダブロック11A,11Bと別体の
部材を必要とせず、マフラ構造を構成する部品点数を低
減できるし、その組付工程数も低減でき、ひいては圧縮
機の低コスト化につながる。
【0031】また、本実施形態のマフラ構造は、吐出ガ
スの圧力脈動を共鳴により減衰する共鳴型マフラであ
る。同共鳴型マフラは、頸部43の通過断面積及び幅
や、共鳴マフラ空間45の容積等を適正値に設定するこ
とが、吐出ガスの圧力脈動を減衰するのに重要である。
従って、同共鳴型マフラによって圧力脈動の減衰効果を
十分に発揮させるために、必ずしも大容量化を伴うとは
限らない。従って、例えば、吐出ガスを膨張させること
に主眼をおいた膨張型マフラと比較して、マフラ構造を
コンパクトに構成でき得るし、ひいては圧縮機をコンパ
クトに構成できる。
【0032】(2)通路空間44はマフラ形成空間42
を頸部43により区画することで形成されており、同通
路空間44は両シリンダブロック11A,11Bの接合
により共鳴マフラ空間45と同時に封止される。従っ
て、通路空間44を構成するのに、シリンダブロック1
1A,11Bとは別体の部材を必要とせず、マフラ構造
を構成する部品点数を低減できるし、その組付工程数も
低減でき、圧縮機の製造コストを低減できる。
【0033】(3)フロント側吐出室32から通路空間
44への吐出ガスの入口46aと、リヤ側吐出室33か
らの入口47aとは対向されている。従って、両吐出ガ
スが通路空間44内においてぶつかり合うことで、さら
に圧力脈動の減衰効果が高められる。
【0034】(4)頸部43は、マフラ形成空間42に
対応する両シリンダブロック11A,11Bの外壁面1
1aを同マフラ形成空間42側に膨出させることで構成
されている。従って、同頸部43を、シリンダブロック
11A,11Bと別個の部材で構成することと比較して
部品点数を低減できる。また、シリンダブロック11
A,11Bの外壁面11aをマフラ形成空間42側に膨
出させることで同膨出部位が肉厚となり、前記膨出部4
1A,41Bを高くすることなく頸部43の裏側に導入
通路49を形成できた。従って、圧縮機内部のスペース
を有効利用することができ、圧縮機の小型化を図り得
る。
【0035】(別例)なお、本発明の趣旨から逸脱しな
い範囲で、以下の態様でも実施できる。 (1)上記実施形態においては、吐出ガスの圧力脈動を
低減する吐出マフラに具体化されていたが、これに限定
されるものではなく、吸入ガスの圧力脈動を低減する吸
入マフラに具体化しても良い。また、吸入マフラ及び吐
出マフラの両方を備えたものに具体化しても良い。この
ようにすれば、吸入ガスの圧力脈動を低減でき、同圧力
脈動に起因した振動や騒音を低減できる。
【0036】(2)通路空間44に対して複数の共鳴マ
フラ空間45を並設すること。このようにすれば、さら
に吐出ガスの圧力脈動の減衰効果が高められ、それに起
因した振動や騒音を効果的に低減できる。
【0037】(3)マフラ形成空間42をフロント側或
いはリヤ側膨出部41A,41Bの一方のみに形成し、
他方の膨出部41B,41Aは、同マフラ形成空間42
の開口を封止する蓋構成のみとすること。
【0038】(4)フロントハウジング12とフロント
側シリンダブロック11Aとの間、或いはリヤハウジン
グ14とリヤ側シリンダブロック11Bとの間で、上記
実施形態と同様なマフラ構造を構成すること。
【0039】(5)フロントハウジング12からリヤ側
シリンダブロック11Bに跨がって、或いはフロント側
シリンダブロック11Aからリヤハウジング14に跨が
って、上記実施形態と同様なマフラ構造を構成するこ
と。この場合、フロント側シリンダブロック11A(前
者の場合)或いはリヤ側シリンダブロック11B(後者
の場合)に一体形成された膨出部には、フロント側及び
リヤ側の両方に向かって開放されたマフラ形成空間が設
けられる。
【0040】(6)フロントハウジング12からリヤハ
ウジング14に跨がって、上記実施形態と同様なマフラ
構造を構成すること。この場合、両シリンダブロック1
1A,11Bに一体形成された膨出部には、フロント側
及びリヤ側の両方に向かって開放されたマフラ形成空間
が設けられる。
【0041】(7)他のピストン式圧縮機として、例え
ば、単頭型のピストンを備えた単ピストン式圧縮機或い
は斜板に代えてウエーブカムを備えたウエーブカム式圧
縮機等においてそのマフラ構造に具体化すること。吐出
ガスの圧力脈動が大きいピストン式圧縮機のマフラ構造
に具体化することで、振動や騒音の低減効果が有効に奏
される。なお、ピストン式圧縮機に限定されるものでは
なく、ロータリ型圧縮機として、例えば、ベーン式圧縮
機やスクロール型圧縮機等においてそのマフラ構造に具
体化しても良い。
【0042】(付記)上記実施形態から把握できる技術
的思想について記載する。 (1)前記圧縮機構は、ハウジング構成体であるシリン
ダブロック11A,11Bにシリンダボア21を形成す
るとともに、同シリンダボア21内にピストン22を往
復動可能に収容し、カム体26を回転させることで同ピ
ストン22を往復動させて冷媒ガスを吸入して圧縮し、
さらには吐出する構成である請求項1〜4のいすれかに
記載のマフラ構造。
【0043】特に、吸入ガス或いは吐出ガスの脈動が大
きいピストン式圧縮機においては、その圧力脈動の減衰
効果が大きい。 (2)前記頸部43は、マフラ形成空間42内の内面1
1aを膨出させることでハウジング構成体11A,11
Bと一体形成されている請求項2〜4のいずれかに記載
のマフラ構造。
【0044】このようにすれば、ハウジング構成体11
A,11Bとは別部材で頸部43を構成することと比較
して部品点数を低減できる。 (3)膨出されるのはマフラ形成空間42を構成するハ
ウジング構成体11A,11Bの外壁面11aである付
記(2)に記載のマフラ構造。
【0045】このようにすれば、ハウジング構成体11
A,11Bにおいてマフラ形成空間42の裏側に通路等
を形成するスペース(肉厚部分)を確保でき、圧縮機内
部のスペースを有効に利用できる。
【0046】
【発明の効果】上記構成の請求項1及び2の発明によれ
ば、少ない部品点数でマフラ空間を構成できるととも
に、吸入ガス或いは吐出ガスの圧力脈動を十分に減衰す
るのに、大容量化を必ずしも伴わない。従って、圧縮機
の小型化及び低製造コスト化を図り得る。
【0047】請求項3の発明によれば、少ない部品点数
で通路空間を構成できるし、共鳴マフラ空間と同時に封
止されるため組付工程数も少なくて済む。請求項4の発
明によれば、吐出ガスの圧力脈動の減衰効果がさらに高
められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 両頭ピストン式圧縮機の縦断面図。
【図2】 リヤ側シリンダブロックの端面図。
【図3】 図2のA−A線に対応する断面図。
【符号の説明】
11A,11B…ハウジング構成体としてのシリンダブ
ロック、22…圧縮機構を構成するピストン、26…同
じく斜板、41A,41B…膨出部、42…マフラ形成
空間、45…共鳴マフラ空間。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横山 聡子 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のハウジング構成体を接合してなる
    ハウジング内に圧縮機構が収容されるとともに、同圧縮
    機構の動作により冷媒ガス等を吸入して圧縮し、さらに
    は吐出する構成の圧縮機において、 前記ハウジング構成体の外側にマフラ形成空間を形成
    し、同マフラ形成空間の開口をハウジング構成体同士の
    接合により封止することで共鳴マフラ空間が構成された
    マフラ構造。
  2. 【請求項2】 前記共鳴マフラ空間は、冷媒ガスの通路
    を構成する通路空間に頸部を介して連通されている請求
    項1に記載のマフラ構造。
  3. 【請求項3】 前記通路空間はマフラ形成空間を頸部に
    より区画することで構成され、ハウジング構成体の接合
    により共鳴マフラ空間と同時に封止される請求項2に記
    載のマフラ構造。
  4. 【請求項4】 前記圧縮機構は、ハウジング構成体であ
    るシリンダブロックに形成されたシリンダボアと、同シ
    リンダボア内に収容されて往復動される両頭型のピスト
    ンとを備え、一方のピストン端面とシリンダボアとによ
    り囲まれて形成された圧縮室から吐出される吐出ガス
    と、他方のピストン端面とシリンダボアとにより囲まれ
    て形成された圧縮室から吐出される吐出ガスとが、前記
    通路空間内において合流するように構成され、一方の圧
    縮室側からの吐出ガスの入口と、他方の圧縮室側からの
    吐出ガスの入口とは、同通路空間内において対向するよ
    うに配置されている請求項2又は3に記載のマフラ構
    造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1302662A2 (en) * 2001-10-10 2003-04-16 Halla Climate Control Corporation Swash plate type compressor having improved refrigerant discharge structure
US7175396B2 (en) 2002-09-02 2007-02-13 Halla Climate Control Corporation Compressor

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