JPH1091100A - 液晶装置 - Google Patents

液晶装置

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JPH1091100A
JPH1091100A JP24675496A JP24675496A JPH1091100A JP H1091100 A JPH1091100 A JP H1091100A JP 24675496 A JP24675496 A JP 24675496A JP 24675496 A JP24675496 A JP 24675496A JP H1091100 A JPH1091100 A JP H1091100A
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JP
Japan
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liquid crystal
screw
hole
mounting member
crystal device
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Application number
JP24675496A
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English (en)
Inventor
Toshiaki Itazawa
敏明 板澤
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ネジ締結部材の変形を抑えると共に、ネジ締
結の信頼性を向上させることのできる液晶装置を提供す
る。 【解決手段】 樹脂製の前面カバー9の背面に凸部を有
するボス14を突設すると共に、この凸部に金属製の取
付部材12に形成された基準穴13aを嵌着する一方、
他のボス14の凸部に緩合穴13b,13c,13dを
緩合し、温度変化による取付部材12の基準穴13aを
固定部とした固定方向と直角方向への伸縮を可能とす
る。また、基準穴13a及び緩合穴13b,13c,1
3dにそれぞれ挿通した取付ネジ16を取付部材12に
接しない状態でボス14に取り付けることにより、取付
部材12の温度変化による伸縮を可能とする。さらに、
取付部材12がネジの軸方向へ移動した場合には取付ネ
ジ16に設けた抜け止め部により、取付部材12の抜け
を防ぐようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶パネルを取付
部材を介して前面カバーに取り付けるようにした液晶装
置に関し、特に熱膨張率の異なる材質により取付部材及
び前面カバーが形成されているものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の液晶装置においては、本体の前面
を形成する前面カバーの背面にネジにて取付部材を固定
し、この取付部材を介して前面カバーに液晶パネルを取
り付けるようにしたものがある。ところで、図11は、
このような従来の液晶装置の断面図であり、同図に示す
ように液晶パネル1は、中央部に開口2aを持つ金属製
の前面フレーム2及び背面フレーム3と液晶パネル1の
前面及び背面に設けられた抑えゴム4により挟み込まれ
た状態で保持されている。
【0003】ここで、この液晶パネル1は液晶駆動用の
IC5を備えると共に、このIC5と液晶駆動を制御す
るコントローラ6とをフレキシブルケーブル5a等を介
し電気的に結合して液晶を駆動することで背面光源であ
るところのバックライト7の光をコントロールし、画像
表示を可能とする構成のものである。
【0004】一方、前面カバー29は、通常ABSやP
C/ABS等の樹脂材料を射出成形することにより製造
されるが、この前面カバー29と内部部材である背面フ
レーム3とはネジ19により締結されている。なお、ネ
ジ締結のため、前面カバー29の裏側にはボス29aが
形成され、背面フレーム3にはボス29aと対応する位
置に取付部3aが設けられ、この取付部3aにはネジ締
めの支障にならない程度の、ネジ径より僅かに大きい径
の図示しない固定穴が設けられている。
【0005】そして、この固定穴を通して前面カバー2
9のボス29aと背面フレーム3とがネジ締結により少
なくとも1ヶ所以上、通常4ヶ所程度結合固定されてい
る。なお、前面カバー29のボス29aにはネジ締結の
信頼性を向上させるために円柱状の金属に雌ネジが切ら
れ、外壁にローレットが設けられたインサートメタルが
溶着固定されたものが多い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来の液晶装置において、金属製の背面フレーム3と樹脂
製の前面カバー29とをネジ19により締め付け固定し
た場合、熱膨張率の異なる2種類の材料を結合すること
となる。そして、このように熱膨張率の異なる2種類の
材料を結合した場合、温度変化により両部材の伸縮によ
る寸法変動に差が生じ、これにより部材の変形を招いた
り、ネジ締結の信頼性が損なわれたりするという欠点が
あった。
【0007】ところで、液晶装置はバックライトやイン
バータ等の大きな発熱体を備えており、また液晶パネル
自体及びその周辺回路部材も駆動により発熱する一方、
これら大きな発熱体及び周辺回路部材等を、液晶装置の
特徴である薄い筐体の内部、即ち小さな空間内に収納し
ているため、液晶装置の内部温度は60℃程度まで上昇
することがある。
【0008】ここで、このように内部温度が上昇した場
合、非動作時である保存時も考慮に入れると80℃近く
もの温度差になる場合があり、この範囲の温度に対応し
て部材の伸縮が起きる。即ち、例えば前面カバー29の
樹脂材料をPC/ABS、背面フレーム3をステンレス
鋼とすると、それぞれの線膨張係数は PC/ABS:8×10-5(mm/mm/℃) ステンレス鋼:1.4×10-5(mm/mm/℃) である。
【0009】また、仮に前面カバー29のボス29aの
ピッチが300mmであるとすると、80℃の温度変化
でボスピッチは1.92mmの寸法変化となる一方、背
面フレーム3の寸法変化は0.34mmとなり、これら
2つの部材における寸法差は1.58mmとなる。
【0010】ところが、前面カバー29と背面フレーム
3はネジ固定により相互に動けないように固定されてい
るため、上記寸法変化の差はその全てが部品の変形とし
て吸収されるか、フレーム穴のネジ径に対するクリアラ
ンス範囲内での無理な移動による変形となる。特に、ネ
ジ座面の部品変形や擦れはネジ機能を著しく低下させ、
繰り返し温度ストレスを受けたりすることで、ネジの緩
みや脱落という不具合を起こしかねないという問題点が
ある。
【0011】また、上記寸法変化の差により部品全体が
変形したときは、背面フレーム3の内側に保持している
液晶パネル1の変形につながり、これは特に外力を嫌う
強誘電性液晶にとっては、耐衝撃性や耐振動性等、対外
力的性能の低下を招く等の問題点がある。特に、近年の
液晶装置においては、大画面化の傾向が強く、これに伴
い寸法も大きくなる傾向にあり、熱膨張率の差による寸
法変化の差の影響はますます大きくなる。
【0012】そこで本発明は、このような問題点を解決
するためになされたものであり、ネジ締結部材の変形を
抑えると共に、ネジ締結の信頼性を向上させることので
きる液晶装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、本体の前面を
形成する樹脂製の前面カバーの背面にネジにて固定され
る金属製の取付部材を介して前記前面カバーに液晶パネ
ルを取り付ける液晶装置において、前記前面カバーの背
面に突設されると共に、ネジ穴が形成された凸部を有す
る複数のボスと、前記取付部材に設けられた複数のネジ
締結部と、前記ネジ締結部の一つに形成されると共に所
定の前記ボスの凸部に嵌着され、温度変化により前記取
付部材が固定方向と直交する方向へ伸縮する際の固定部
となる基準穴と、他の前記ネジ締結部に形成されると共
に他の前記ボスの凸部と緩合し、前記取付部材の温度変
化による伸縮に伴い前記凸部に沿って移動する緩合穴
と、前記基準穴及び複数の緩合穴にそれぞれ挿通されて
前記取付部材に接しない状態で前記ボスのネジ穴に取り
付けられる一方、前記取付部材が抜け方向へ移動した場
合には前記基準穴及び緩合穴の縁部に当接して該取付部
材の抜けを防ぐ抜け止め部を有する取付ネジと、を備え
たことを特徴とするものである。
【0014】また本発明は、少なくとも前記緩合穴に対
応するボスは、前記ネジ締結部を受ける鍔部と、前記鍔
部に形成され、前記緩合穴と係合すると共に前記ネジ穴
を有する円柱状の凸部とを備えた金属部材を固定してい
ることを特徴とするものである。
【0015】また本発明は、前記金属部材の円柱状の凸
部は、前記取付部材に前記取付ネジが接しないよう該取
付部材の板厚より高く形成されていることを特徴とする
ものである。
【0016】また本発明は、前記取付部材を金属シャー
シとしたことを特徴とするものである。
【0017】また本発明は、前記液晶パネルは、強誘電
性液晶を用いたものであることを特徴とするものであ
る。
【0018】また本発明のように、本体の前面を形成す
る樹脂製の前面カバーの背面にネジ穴が形成された凸部
を有するボスを突設すると共に、この凸部に金属製の取
付部材に設けられた複数のネジ締結部の一つに形成され
た基準穴を嵌着し、この基準穴を温度変化により取付部
材が固定方向と直交する方向へ伸縮する際の固定部とす
る。さらに、他のボスの凸部に他のネジ締結部に形成さ
れた緩合穴を緩合し、この緩合穴が取付部材の温度変化
による伸縮に伴い凸部に沿って移動するようにすること
により、ボスや取付部材の変形を抑えるようにする。
【0019】また、基準穴及び緩合穴にそれぞれ挿通し
た取付ネジを取付部材に接しない状態でボスのネジ穴に
取り付けることにより、取付部材の温度変化による伸縮
を可能とする。さらに、この取付ネジに取付部材が抜け
方向へ移動した場合には基準穴及び緩合穴の縁部に当接
する抜け止め部を設けることにより、取付部材の抜けを
防ぐようにする。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を用いて説明する。
【0021】図1,2は、本発明の実施の形態に係る液
晶装置の正面図及び側面図であり、同図において、1A
は液晶装置本体(以下本体という)、8は本体1Aの液
晶パネルに相当する画像表示部、9,10は前面カバー
である前面外装カバー及び背面外装カバーであり、材質
は両者ともPC/ABSである。9aは前面外装カバー
9に設けられた電源スイッチであり、本体1Aは、図示
しないコンピュータと電気的に接続されており、この電
源スイッチ9aの投入とコンピュータからの指示により
表示を開始するものである。なお、1Bは本体1Aを保
持するスタンドである。
【0022】一方、図3は本体1Aの組立構造図であ
る。同図において、11は中央部に開口部分を有する前
面フレーム、12は取付部材の一例である背面フレーム
であり、これら2つのフレーム11,12により画像表
示部8が挟持され、液晶モジュール8Aが形成される。
そして、この背面フレーム12の四隅には液晶モジュー
ル8Aを前面外装カバー9へ取り付けるための固定穴1
3a,13b,13c,13dが形成されたネジ締結部
である耳部12aが設けられている。なお、この背面フ
レーム12の材質はSUSで板厚は0.8mmである。
【0023】また、同図において、14は前面外装カバ
ー9の背面四隅に突設された液晶モジュール取付用のボ
ス(以下取付ボスという)であり、この取付ボス14に
は、それぞれ金属部材であるインサートメタル15A,
15B,15C,15Dが溶着固定されている。なお、
この前面外装カバー9の取付ボス14の矢印Aで示す横
方向のピッチは300mm、矢印Bで示す縦方向のピッ
チは220mmである。
【0024】ここで、このインサートメタル15A,1
5B,15C,15Dは、図4に示すように背面フレー
ム12の耳部12aを受ける輪状の鍔部15aと、固定
穴13a,13b,13c,13dと係合する凸部15
bと、凸部15bに穿設されたネジ穴15cと、インサ
ートメタル15A,15B,15C,15Dを取付ボス
14に溶着固定するため取付ボス14に形成された後ほ
ど図示する取り付け穴に嵌入される嵌入部15dとを有
したものである。
【0025】なお、図3において、7は背面光源である
ところのバックライト、6は画像表示を制御するコント
ロール基板であり、これらバックライト7及びコントロ
ール基板6は液晶モジュール8Aに固定されるようにな
っている。また、16は鍔付のTPネジといわれる取付
ネジ(以下ネジという)であり、M3である。
【0026】一方、図5は液晶モジュール8Aを形成す
る背面フレーム12の4個の固定穴13a,13b,1
3c,13dの形状を示すものであり、同図において、
右上の固定穴(以下第1固定穴という)13aは、前面
外装カバー9の右上のインサートメタル(以下第1メタ
ルという)15Aの凸部15bと一致する径を有する基
準穴である位置決め穴であり、第1メタル15Aの凸部
15bに嵌着されるようになっている。
【0027】また、左上の固定穴(以下第2固定穴とい
う)は前面外装カバー9の左上のインサートメタル(以
下第2メタルという)15Bの凸部15bに緩合されて
液晶モジュール8Aの回転を止める回転止め穴である。
そして、第1固定穴13aを位置決め基準とし、緩合穴
の一つである第2固定穴13bを回転止めとすることに
より、前面外装カバー9と液晶モジュール8Aとの位置
決めを行うことができるようになっている。
【0028】なお、この第2固定穴13bは横長形状を
有しており、後述するように温度変化に応じて第1固定
穴13aを固定部とし、第2メタル15Bの凸部15b
に沿って同図の矢印に示す方向に移動することができる
ようになっている。
【0029】さらに、左下の固定穴(以下第3固定穴と
いう)13c及び右下の固定穴(以下第4固定穴とい
う)13dは前面外装カバー9の左下のインサートメタ
ル(以下第3メタルという)15C及び右下のインサー
トメタル(以下第4メタルという)15Dの凸部15b
にそれぞれ緩合する緩合穴である。
【0030】ここで、このように第3及び第4固定穴1
3c,13dを第3及び第4メタル15C,15Dに緩
合することにより、後述するように温度変化に応じて第
1固定穴13aを固定部とし、第3及び第4固定穴13
c,13dは凸部15bに沿って同図の矢印に示す方向
に移動することができるようになっている。
【0031】そして、このように第1固定穴13aを、
温度変化により背面フレーム12が固定方向と直交する
方向へ伸縮する際の固定部とすると共に、第2〜第4固
定穴13b,13c,13dが背面フレーム12の伸縮
に伴い凸部15bに沿って移動するようにすることによ
り、ボス14や背面フレーム12等のネジ締結部材の変
形を抑えることができるようにしている。なお、同図に
おいて、+印は前面外装カバー9の取付ボス14のセン
ター位置を示しており、それぞれa,b,c,dで示し
ている。
【0032】ところで、図6は液晶モジュール8Aを前
面外装カバー9に固定した時の第3固定穴13cの位置
での断面図である。なお、図示しないが第4固定穴13
dの位置での断面も同様である。同図において、第3メ
タル15Cの凸部15bの径D1は5mm、凸量Tは
0.9mm、鍔部15aの径D2は8mm、中央部にM
3のタップが切られている。一方、この第3メタル15
Cに緩合する第3固定穴13cの径D3は7mmであ
り、液晶モジュール8Aの背面フレーム12の板厚tは
0.8mmである。
【0033】そして、以上の各部の寸法から明らかなよ
うに液晶モジュール8Aとネジ16の座面とのネジ軸方
向のクリアランスは、0.1mm[第3メタル15Cの
凸量T(0.9mm)−液晶モジュール8Aの板厚t
(0.8mm)]となり、これによりネジ16を締めて
もネジ16は背面フレーム12には当たらないため、ネ
ジ16の締め付け力は背面フレーム12に作用せず、第
3メタル15Cにのみ作用することとなる。
【0034】一方、背面フレーム12と第3メタル15
CとのクリアランスXは周囲に1mm[[固定穴の径D
3(7mm)−第3メタル15Cの凸部の径D1(5m
m)]÷2]となり、所定の温度範囲における背面フレ
ーム12と前面外装カバー9との伸縮寸法の差が1mm
以内であれば温度変化による部材変形を防ぐことができ
ることになる。
【0035】このように、液晶モジュール8Aとネジ1
6の座面とのネジ軸方向のクリアランス及び背面フレー
ム12と第3メタル15CとのクリアランスXを設ける
ことにより、液晶モジュール8Aは前面外装カバー9に
対しネジ16の軸方向への動きは制限されるようになる
が、ネジ16の軸方向である液晶モジュール8Aの固定
方向と直角方向は第3メタル15Cの凸部15bに沿っ
てクリアランス分だけ移動することが可能となる。
【0036】また、ネジ16の締め付け力が第3メタル
15Cにのみ作用するようにすることにより、背面フレ
ーム12が温度変化に応じて移動した場合でも、ネジ締
め付け力ヘの影響が無く、ネジ締め付けの信頼性を損な
うことがない。なお、同図において、14aは、先に述
べた取付ボス14に形成された取り付け穴である。
【0037】一方、同図において、16aは抜け止め部
であるネジ16の鍔部であり、背面フレーム12がネジ
16の軸方向へ移動した場合には第1〜第4固定穴13
a,13b,13c,13dの縁部に当接し、背面フレ
ーム12の抜けを防ぐためのものである。
【0038】ところで、例えば液晶装置動作時の内部温
度が60℃、保存や輸送時において−20℃程度の範囲
で温度変化があるとすれば、液晶モジュール8A、前面
外装カバー9は、それぞれ温度変化に応じた寸法変化を
生じる。ここで、液晶モジュール8Aの背面フレーム1
2及び前面外装カバー9は通常常温で成形され、その時
の温度を20℃とすると、−20〜60℃の温度変化は
20±40℃となるので、40℃の温度変化があった場
合を考える。
【0039】図5において、右上の取付ボス14のセン
ター位置aを基準位置とすると、この基準位置aに対
し、ボスピッチが一番大きなところは矢印Cで示すa−
c間の約372mmである。ここで、前面外装カバー
(PC/ABS)9と、背面フレーム(SUS)12の
熱膨張係数を、下記のように 前面カバー:8×10-5(mm/mm℃) フレーム :1.4×10-5(mm/mm℃) とすると、液晶装置が20℃から60℃に温度上昇した
場合、a−c間で前面外装カバー9は1.19mm伸
び、背面フレーム12は0.21mm伸びるため、a−
c間においては0.98mmの伸びの差を生じることに
なる。
【0040】ここで、本構成においては、背面フレーム
12はネジ16による締め付け力を受けていないため、
既述したように温度変化に応じて第1固定穴13aを基
準とし、第2〜第4固定穴13b,13c,13dは図
5に示す矢印に示すネジ16の軸方向と直角な方向に伸
縮することができる。
【0041】さらに、背面フレーム12と第3メタル1
5CとのクリアランスXが1mmであるので、背面フレ
ーム12の第2〜第4固定穴13b,13c,13dは
取付ボス14に対して移動可能であり、伸びの差を吸収
することが可能になる。なお、ネジ16の鍔16aの径
D4は8mm、第3固定穴13cの径D3は7mmであ
るので、背面フレーム12が抜けることはなく、またこ
の方向でのクリアランスは0.1mmに保たれているの
でガタつきは無視できる。
【0042】ところで、これまでの説明においては、鍔
付のTPネジを用いたが、使用材料やボスピッチ寸法、
対応温度等の違いによりネジ標準材料であるTPネジの
鍔径では足りない場合がある。この場合には、例えば図
7のように抜け止め部として別体の平ワッシャー17を
設け、この平ワッシャー17と通常のネジ16’とを組
み合わせることでも同様の効果を得ることが可能であ
る。
【0043】また、これまでの説明においては、液晶モ
ジュール8Aの背面フレーム12に耳部12aを設け、
この耳部12aを介して液晶モジュール8Aを前面外装
カバー9にネジ締結する場合について述べてきた。しか
し、本発明はこれに限らず、図8のように液晶モジュー
ル8Aとバックライト7とコントローラ6等を熱膨張係
数が液晶モジュール8Aの背面フレーム12と同等の鉄
板等で構成される金属製のシャーシ18を固定し、この
シャーシ18を取付部材として前面外装カバー9にネジ
締結しても同様の効果が得られる。
【0044】さらに、これまでの説明においては、前面
外装カバー9の取付ボス14の一つを位置決めに用いる
場合について述べてきた。しかし、本発明はこれに限ら
ず、図9のように液晶モジュール8Aに、止め位置とは
別の場所に位置決め用の丸穴eと長穴fとをそれぞれ有
する耳部12bを設けると共に前面外装カバー9に位置
決め用ボス21を形成する一方、これら位置決め用の丸
穴eと長穴f及び位置決め用ボス21により位置決めす
ると共にネジ締め付け部を全て緩合としても同様の効果
を得ることが可能である。なお、このように構成した場
合、第2固定穴13bは、特に横長形状とする必要はな
く、同図に示すような丸穴形状としてもよい。
【0045】ところで、これまでの説明においては、イ
ンサートメタルとしては輪状の鍔部を持つものを用いる
場合について述べてきたが、本発明はこれに限らず図1
0のように鍔部のない円柱状のインサートメタル22を
用いる一方、このインサートメタル22の凸部22aを
フレーム板厚t+αの高さを備えるようにした場合でも
同様の効果を得ることができる。
【0046】しかし、鍔部により凸量であるTの管理を
行っていたインサートメタル15に比べ、鍔部のないイ
ンサートメタル22においては、Tの管理が困難である
ことから既述した実施の形態において用いた鍔部を有す
るインサートメタル15を用いることが望ましい。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、温
度変化により取付部材が伸縮する際、取付部材に設けら
れた基準穴を固定部とした状態で他の緩合穴が移動する
ようにすることにより、熱膨張係数が異なる2種類の材
料を組み合わせてネジ締結を行った場合でもネジ締結部
材の変形を抑えることができる。
【0048】また、取付ネジを取付部材に接しない状態
で取り付けることにより、取付部材の伸縮を可能とする
と共に、取付部材が伸縮してもネジ締め付け力ヘの影響
を無くすことができるので、信頼性の高いネジ締結が可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る液晶装置の正面図。
【図2】上記液晶装置の側面図。
【図3】上記液晶装置の組立構造図。
【図4】上記液晶装置の前面外装カバーの取付ボスに溶
着固定されたインサートメタルの斜視図。
【図5】上記液晶装置の背面フレームに形成された固定
穴の配置を示す図。
【図6】上記液晶装置の液晶モジュールと前面外装カバ
ーの取り付け部分の断面図。
【図7】上記実施の形態の他の実施例に係る液晶モジュ
ールと前面外装カバーの取り付け部分の断面図。
【図8】上記実施の形態のその他の実施例に係る液晶装
置の断面図。
【図9】上記実施の形態の別の実施例に係る液晶装置の
組立構造図。
【図10】上記インサートメタルの円柱状のものを説明
する図。
【図11】従来の液晶装置の断面図。
【符号の説明】 1A 液晶装置本体 8 画像表示領城 8A 液晶モジュール 9 前面外装カバー 12 背面フレーム 12a 耳部 13a,13b,13c,13d固定穴 14 取付ボス 15A,15B,15C,15Dインサートメタル 15a インサートメタルの鍔部 15b インサートメタルの凸部 15c インサートメタルのネジ穴 16 ネジ 16a ネジの鍔部 16’ 通常のネジ 17 平ワッシャー 18 シャーシ 21 位置決め用ボス 22 鍔部のないインサートメタル

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 本体の前面を形成する樹脂製の前面カバ
    ーの背面にネジにて固定される金属製の取付部材を介し
    て前記前面カバーに液晶パネルを取り付ける液晶装置に
    おいて、 前記前面カバーの背面に突設されると共に、ネジ穴が形
    成された凸部を有する複数のボスと、 前記取付部材に設けられた複数のネジ締結部と、 前記ネジ締結部の一つに形成されると共に所定の前記ボ
    スの凸部に嵌着され、温度変化により前記取付部材が固
    定方向と直交する方向へ伸縮する際の固定部となる基準
    穴と、 他の前記ネジ締結部に形成されると共に他の前記ボスの
    凸部と緩合し、前記取付部材の温度変化による伸縮に伴
    い前記凸部に沿って移動する緩合穴と、 前記基準穴及び複数の緩合穴にそれぞれ挿通されて前記
    取付部材に接しない状態で前記ボスのネジ穴に取り付け
    られる一方、前記取付部材が抜け方向へ移動した場合に
    は前記基準穴及び緩合穴の縁部に当接して該取付部材の
    抜けを防ぐ抜け止め部を有する取付ネジと、を備えたこ
    とを特徴とする液晶装置。
  2. 【請求項2】 少なくとも前記緩合穴に対応するボス
    は、前記ネジ締結部を受ける鍔部と、前記鍔部に形成さ
    れ、前記緩合穴と係合すると共に前記ネジ穴を有する円
    柱状の凸部とを備えた金属部材を固定していることを特
    徴とする請求項1記載の液晶装置。
  3. 【請求項3】 前記金属部材の円柱状の凸部は、前記取
    付部材に前記取付ネジが接しないよう該取付部材の板厚
    より高く形成されていることを特徴とする請求項1又は
    2記載の液晶装置。
  4. 【請求項4】 前記取付部材を金属シャーシとしたこと
    を特徴とする請求項1記載の液晶装置。
  5. 【請求項5】 前記液晶パネルは、強誘電性液晶を用い
    たものであることを特徴とする請求項1記載の液晶装
    置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109118980A (zh) * 2018-08-01 2019-01-01 安徽宇烁光电科技有限公司 一种可移动调节的液晶lcd拼接

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