JPH1089559A - 管継手 - Google Patents

管継手

Info

Publication number
JPH1089559A
JPH1089559A JP24486996A JP24486996A JPH1089559A JP H1089559 A JPH1089559 A JP H1089559A JP 24486996 A JP24486996 A JP 24486996A JP 24486996 A JP24486996 A JP 24486996A JP H1089559 A JPH1089559 A JP H1089559A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pipe
receiving port
spigot
pipe joint
peripheral surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP24486996A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshitada Bando
良忠 板東
Nobuhiro Imanishi
信広 今西
Takeshi Ataka
剛 安宅
Yoshimichi Ogino
義道 荻野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TOGAWA GOMME KK
Kubota Corp
Original Assignee
TOGAWA GOMME KK
Kubota Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TOGAWA GOMME KK, Kubota Corp filed Critical TOGAWA GOMME KK
Priority to JP24486996A priority Critical patent/JPH1089559A/ja
Publication of JPH1089559A publication Critical patent/JPH1089559A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Joints With Sleeves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 排水管などの管継手に内装されるパッキン
が、差口の挿入に伴って押動され弾性変形するリップ部
を円筒状の本体部の内面に設けたものでは、受口からの
管の抜けを防止するための構成が複雑になる。 【解決手段】 パッキン4のリップ部4bを、差口3a
の挿入方向とは逆方向に傾斜させて円筒部4aの外周面
に設け、また、受口2の開口端に径方向内方に突出して
内径がその奥側よりも小さくした係止壁2dを設ける。
パッキン4を差口3aに装着して受口2に挿入すると、
係止壁2dの内周形状に応じて縮径方向に弾性変形した
リップ部4bが、受口2内で弾性復帰して受口内周面に
圧接状になる。また、リップ部4bの受口開口端側の端
部が係止壁2dに軸方向に対面する。これにより、簡単
な構成かつ容易な作業でシール性と共に管の抜けがより
確実に防止された連結状態とすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排水管等の管の連
結に使用される管継手に関する。
【0002】
【従来の技術】高層建築物等での排水管の配管に当たっ
ては、適宜箇所で管の連結が行われる。このような管の
連結に用いられる管継手の例が、例えば特開平1-269787
号公報に記載されている。その管継手には、図7に示す
ように、略円筒状の本体部41の内面に、舌状に内方に突
出するリップ部(シール部)42を設けた形状のゴム製の
パッキン(シール部材)43が用いられている。なお、本
体部41の外周面には、断面三角状に突出する突条部44が
さらに設けられている。
【0003】このパッキン43が、図8に示すように、一
方の管の管端に設けられている受口45の内面に沿って予
め嵌着される。この嵌着状態で、前記突状部44は受口45
の内面に形成されている凹溝に嵌入して軸方向に係合
し、これにより、受口45からのパッキン43の抜けが防止
されている。上記のパッキン43に他方の管(以下、接続
管という)46の差口46aを挿入することで、受口45への
接続管46の連結が行われる。このときの差口46aの挿入
に伴い、リップ部42が弾性変形して差口46aの外周面に
密着し、これによって、パッキン43と差口46aとの間の
止水性(シール性)が付与される。
【0004】このように上記では、差口46aの挿入に伴
い弾性変形するパッキン43の弾性回復力で、パッキン43
と差口46aとの間のシール性が付与されるが、この弾性
回復力は差口46aの挿入作業時には挿入抵抗ともなる。
この場合に、差口46aとの密着を、本体部41の内面から
部分的に突出する上記リップ部42のみとした構成である
ので、その密着面積は比較的狭く、このため、パッキン
43と接続管46とが軸方向に相対移動するときの摺動抵抗
は比較的小さく抑えられる。これによって、過大な力を
要せずに差口46aをパッキン43に挿入することができ、
施工を容易に行えるようになっている。
【0005】また、排水管などの連結には従来フランジ
継手構造が主流となっているが、この構造に比べ、上記
ではフランジ等を設ける必要がなく、また、ボルトナッ
ト等による締結作業も不要であるので、全体がよりコン
パクトなものになり、また、作業性を向上し得るものと
もなっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報記載の管継手においては、例えば、内部を流れる水圧
が高くなれば、その内圧が接続管46に対して受口45から
の抜け方向の力として作用するので接続管46が抜けるお
それがある。つまり、上記の管継手においては、パッキ
ン43に対しては、前記突条部44を受口45と軸方向に係合
させて、受口45からのパッキン43の抜けを防止するよう
に構成されているが、パッキン43からの接続管46の抜け
に対しては、リップ部42における弾性回復力に基づく摺
動抵抗のみしか機能しない。この摺動抵抗は、前記した
ように、差口46aの挿入作業時の挿入力をも考慮して設
定されることから、上記のような接続管46の抜けを十分
には防止できず、このため、その使用範囲が制限される
という問題を有している。
【0007】したがって、より大きな抜け方向の力に対
しても上記のような管の抜けが確実に防止されるように
するためには、例えば、差口46aの外周面に係合溝を設
け、この係合溝に嵌入させた部材をさらに受口45に係止
させて、差口46aと受口45とが軸方向に係合するような
構成とする必要がある。しかしながら、この場合には構
成が複雑になり、また、作業性が低下する。
【0008】本発明は、上記した従来の問題点に鑑みな
されたもので、受口と差口との間にシール部材を介装し
て成る管継手において、作業性を低下させることなく、
受口からの管の抜けを簡単な構成でより確実に防止する
ことが可能であると共に、さらに良好なシール性を安定
して維持し得る管継手を提供することを目的としてい
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の請求項1の管継手は、第1の管の受口内
周面とこの受口に挿入される第2の管の差口外周面との
間に弾性体より成るシール部材が介装される管継手であ
って、上記シール部材は、差口外周面に装着される略円
筒状の本体部と、この本体部の軸方向一部領域の外周面
から差口の挿入方向とは逆方向に斜めに傾斜して径方向
外方に突出する環状のシール部とを備え、受口には、シ
ール部の外方端側の外径よりも小形の内周形状を有する
係止部が開口端側に設けられると共に、シール部材を差
口に装着して受口に挿入するときに縮径方向の弾性変形
を生じて上記係止部の内側を通過したシール部が拡径方
向に拡がって圧接状となる拡径部が、上記係止部の奥側
に段差状に連設されていることを特徴としている。
【0010】上記構成の管継手においては、シール部材
を差口に装着して受口に挿入することで、管の連結が行
われる。この挿入時には、シール部材の本体部から径方
向外方に突出するシール部は、受口開口端側の係止部の
内周形状に応じて縮径方向に弾性変形し、この係止部の
内側を通過して受口内に進入する。そして、係止部を通
過後に、このシール部は拡径方向にやや弾性復帰して係
止部よりも奥側の拡径部内周面に圧接状になり、この状
態での弾性力でシール性が付与される。このとき、シー
ル部の受口開口端側の端部は、このシール部が差口挿入
方向とは逆方向への傾斜状であることから、係止部の内
側通過時の位置から径方向外方に移動し、この結果、係
止部と拡径部との間の段差面に軸方向に対面する位置に
位置する。
【0011】この連結状態で、シール部材に受口からの
抜け方向の変位が生じる場合には、シール部が上記の段
差面に当接し、これによって、それ以上の抜け方向の移
動が阻止される。一方、シール部材は、本体部を差口に
外嵌させて装着する構成であり、この場合に、本体部に
拡径方向の所望の弾性変形量を与えて装着し、また、差
口外周面に接着により装着して、シール部材が差口の外
周面に一体的に固着した状態とすることができる。
【0012】したがって、上記の管継手においては、シ
ール部材を差口に装着して受口に挿入するという作業だ
けで、シール性と共に管の抜けがより確実に防止された
連結状態とすることができ、しかも、抜け防止のための
専用の部材等を別途必要としないので、構成が簡単とな
り、また、作業も容易になる。請求項2の管継手は、上
記拡径部の内側が環状溝として形成され、この環状溝を
軸方向奥側から囲う面は、この環状溝に嵌入したシール
部の軸方向奥側の外面形状に沿う傾斜状に形成されてい
ることを特徴としている。
【0013】すなわち、上記構成の管継手においては、
環状溝に嵌入し拡径部の内周面に圧接状態となっている
シール部に対し、その軸方向奥側がシール部の形状に沿
う傾斜状となっていることで、この部位に極力空間が生
じないようになっている。つまり、差口に対する抜け方
向の力は、前記段差面に開口端側が当接した状態のシー
ル部に対し、これを軸方向奥側に押圧するように作用す
る。したがって、シール部の軸方向奥側に充分な空間が
存する構成では、抜け方向の力が大きくなったときの差
口の抜け方向の変位の増加に伴って、シール部に上記の
空間、すなわち、逃げ空間に一部が侵入したような過渡
的な変形状態が生じ、その後に、さらにシール部全体の
傾斜方向が反転するような変形状態となってしまうおそ
れがある。このように傾斜方向が反転すると、前記の係
止部での抜脱阻止が維持されなくなって、管の抜けが生
じてしまう。
【0014】そこで、シール部の軸方向奥側を囲う面を
このシール部の形状に合わせて傾斜状とし、この部位に
極力空間を生じないように構成することによって、上記
したような軸方向奥側へと一部が侵入するような過渡的
な変形が抑えられ、この結果、傾斜方向が反転するよう
な弾性変形状態への変化が抑止されるので、大きな抜け
方向の力に対しても、より確実に管の抜けを防止するこ
とができる。
【0015】請求項3の管継手は、シール部材の本体部
がシール部よりも差口挿入方向奥側に延びる先端円筒部
をさらに備えていることを特徴としている。これによ
り、シール部の軸方向奥側には、その径方向内方にも、
前述したような逃げ空間が生じることが防止される。つ
まり、差口が抜け方向にわずかに変位した段階で、この
差口の端面と、これが受口内で当接している管受け面と
の間に隙間が生じることになるが、このとき、仮にシー
ル部が本体部の先端部近傍に設けられ、したがって、差
口の端面近傍に位置するものであると、上記の隙間がシ
ール部に対する逃げ空間を形成することになる。このた
め、この構成では、この逃げ空間方向への変形状態を経
て、前記同様にシール部全体の傾斜方向が反転するよう
な変形状態に変わるおそれがある。
【0016】そこで、シール部を、本体部の先端円筒部
を挟んで差口の端面より離れた位置に位置するように構
成することにより、シール部の近傍に上記したような逃
げ空間が生じることはなく、これによって、抜け方向の
力がより大きくなった場合でも、さらに確実に管の抜け
を防止することができる。請求項4の管継手は、受口に
おける環状溝よりも奥側に、上記先端円筒部の外周面に
近接するように内周を小さくした振れ止め部が設けられ
ていることを特徴としている。
【0017】上記の構成においては、シール部材におけ
る差口の先端部領域に外嵌されている先端円筒部の領域
では、その外側を囲う振れ止め部との間の空間を極力小
さくした管の連結状態となるため、第2の管に管振れが
生じる場合に、上記の振れ止め部の領域で差口の振れが
抑えられ、この結果、受口内周面に対するシール部の圧
接状態が全周にわたってより均一な状態で維持されるの
で、良好なシール性を安定して維持することができるし
かも、振れを抑えるための専用の部材を別途設ける必要
がないので、全体の構成も簡素なものとすることができ
る。
【0018】
【発明の実施の形態】次に、本発明の一実施形態につい
て図面を参照して説明する。図1は、第1の管1の管端
に設けられている受口2内に、第2の管(以下、接続管
という)3の管端部分(以下、この管端部分を差口3aと
いう)を差し込んで、両管1・3を互いに同軸状に連結
した状態を示している。排水管の場合、これらの管1・
3は、例えば、JIS 規格 FCD500 から成る鋳鉄管で形成
される。受口2と差口3aとの間には、止水性を与えるた
めの弾性体から成るパッキン(シール部材)4が介装さ
れている。
【0019】上記受口2は、図2に示すように、その奥
側(図において下側)に、前記接続管3よりも内外径が
やや径大な基部円筒壁(振れ止め部)2aを備え、この基
部円筒壁2aの上端に、上方拡がり形状のテーパ壁2bを介
して、基部円筒壁2aよりも径大な拡径壁(拡径部)2cが
連設されている。さらに、この拡径壁2cの上端部分、す
なわち、受口開口端の部分に、拡径壁2cの内周面よりも
径方向内方に突出する係止壁(係止部)2dが連設され、
この係止壁2dにおける図において下側の面は、拡径壁2c
の内面から、軸心にほぼ直交する段差状の係止面2eとし
て形成されている。なお、上記係止壁2dの内周面の径
は、基部円筒壁2aと拡径壁2cとの間の寸法に設定されて
いる。
【0020】このような形状により、テーパ壁2bおよび
拡径壁2cの各内面と係止面2eとに囲われる断面略フ字状
の環状溝2fが受口2内に形成されている。一方、基部円
筒壁2aの下端部は、管軸に直交して径方向内方に向かう
段差壁2gを介して、その下側の管部2hに連設されてい
る。前記パッキン4は、例えば、エチレンプロピレンゴ
ム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴムなどの
エラストマーからなり、図3に示すように、所定の軸方
向長を有する円筒部(本体部)4aを備えている。この円
筒部4aにおける軸方向中央部領域の外周に、斜め上方に
傾斜して外方に突出する形状のリップ部(シール部)4b
が環状に設けられ、また、円筒部4aにおける下端部内周
面に、前記接続管3の肉厚に合わせた寸法で径方向内方
に突出する管受け部4cがさらに形成されている。
【0021】上記の円筒部4aは前記接続管3の外径より
も径小であり、例えば、前記接続管3が呼び径100A(外
径約113mm)の場合の具体的寸法を例示すれば、円筒部4a
の軸方向長は約50mm、内径約102mm 、肉厚は後述するテ
ーパ部を除いて約3mm である。これが、拡径されて前記
接続管3の差口3aに装着される。このときの差口3aの挿
入作業を容易にし得るように、円筒部4aにおけるリップ
部4bよりも上方側は径方向に拡げてテーパ状に形成され
ている。また、このテーパ部の肉厚は、その下側よりも
部分的にやや薄くして形成されている。なお、このテー
パ部における上端位置でも、その内径寸法は112mm であ
り、したがって、図4に示すように、接続管3の差口3a
に装着されたときには、上記のテーパ部も差口3aの外周
面に密着状態となる。また、円筒部4aにおけるリップ部
4bよりも下側(以下、この部分を先端円筒部4dと称す
る)の肉厚は前記のように約3mm であるが、リップ部4b
よりも上部側はその中程の位置での肉厚を約2.5mm 程度
として薄肉状とされている。これにより、差口3aに装着
した状態で、本体部4aの外周面には、径方向内方に幾分
凹入した湾曲状の領域がリップ部4bの上方位置に形成さ
れるようになっている。
【0022】次に、上記構成の管継手を用いて管を連結
するときの作業手順について説明する。連結作業に当た
って、まず前記図4に示すように、接続管3の差口3aに
パッキン4を装着する。このパッキン4は、前述したよ
うに円筒部4aの内径が差口3aの外径よりも小さく、した
がって、この円筒部4aを拡径させながら差口3aに挿入す
る。この挿入は、同図に示すように、差口3aの端面に管
受け部4cが密着するまで行う。
【0023】この装着状態で、パッキン4における円筒
部4aの弾性回復力により、円筒部4aが差口3aに対して充
分に大きな面圧を生じて密着するように、パッキン4の
弾性特性およびその形状・寸法が設定されている。これ
によって、このパッキン4と差口3aとの間の止水性が付
与される。さらに、軸方向の寸法を比較的長くした上記
の円筒部4aの全体にわたって、差口3aとの間に大きな面
圧が生じた組み付け状態となっていることから、パッキ
ン4と接続管3とが軸方向に相対移動するときには両者
間に大きな摺動抵抗が生じ、これによって、後述する配
管接続状態において、接続管3に通常想定し得る大きさ
の外力が抜け方向に作用したとしても、パッキン4から
の接続管3の離脱は上記の摺動抵抗で充分に阻止される
ものとなっている。
【0024】なお、配管内圧力がより高圧で管に対して
抜け方向に大きな力が作用することが想定される場合等
には、パッキン4の円筒部4aを差口3aに接着剤を用いて
接着しても良い。この場合、円筒部4aの弾性回復力に加
えて接着剤の接着力が抜け方向に抗する力として作用
し、これによって、差口3aにパッキン4がより強固に装
着された状態とすることができる。
【0025】前記のように差口3aへのパッキン4の装着
を終了した後、受口2の内面とリップ部4b表面とに石鹸
水などの滑剤を塗布して差口3aを受口2に挿入する。パ
ッキン4は、拡径して差口3aに装着した状態で、円筒部
4aの外径寸法が受口2における基部円筒壁2aの内径より
もわずかに小さく、そして、リップ部4bは拡径壁2cの内
周面よりも径方向外方に突出する。
【0026】したがって、受口2に差口3aを差し込む際
には、円筒部4aの下端側、すなわち、前記先端円筒部4d
が係止壁2dの内側を通して受口2内に進入した後、リッ
プ部4bの外方側が係止壁2dの内周縁に当接し、以降は、
リップ部4bの外方側がこの係止壁2dの内周形状に合わせ
て縮径方向に屈曲した状態となって挿入が継続される。
すなわち、図5に示すように、リップ部4bは、係止壁2d
の内側通過時には、円筒部4aにおける前記薄肉状として
径方向内方に凹入させた外周面に密着するように弾性変
形し、外方側の面が係止壁2dの内面に摺接しながら、係
止壁2dの内側を通過する。
【0027】そして、リップ部4bが受口2の環状溝2fの
位置に達すると、リップ部4bは係止壁2dの位置を通過す
るときの屈曲状態から、その弾性力により、上記環状溝
2f内で径方向外方への拡がり形状に変化する。その直後
に、円筒部4a先端の管受け部4cの端面が受口2の段差壁
2gに密着し、この位置まで差口3aを受口2に挿入するこ
とで、管の連結作業が完了する。
【0028】これにより、前記図1に示した連結状態と
なる。この状態では、リップ部4bは、その全体が環状溝
2f内に嵌入した状態となっており、そして、係止壁2dの
内側を通過するときの変形状態からはやや弾性復帰する
ものの、拡径壁2c内面に当接して径方向に圧縮された変
形状態であり、したがって、この拡径壁2cの内面に強く
圧接した状態となっている。この圧接状態により、受口
2とパッキン4との間の止水性が与えられる。
【0029】一方、上記の環状溝2f内で、リップ部4bに
おける受口2の開口端側に位置する先端部は、係止壁2d
の内側通過時からの弾性復帰により、この係止壁2dの内
面よりも径方向外方の位置、すなわち、前記係止面2eと
軸方向に対向する位置に位置する。したがって、接続管
3に受口2からの抜け方向の変位が生じる場合、差口3a
に固着されているパッキン4も一体的に移動し、この結
果、図6に示すように、リップ部4bの先端部が上記係止
面2eに下側から当接する。このとき、リップ部4bの先端
部には、これを下方向に押動するような相対的な力が係
止面2eから作用するが、これは、上方への拡がり方向に
全体が傾斜するリップ部4bに対しては、その先端部を、
係止面2eに沿って径方向外側に向かって摺動させるよう
に作用するだけである。すなわち、上記の先端部が、係
止壁2dと円筒部4aとの間の隙間に向かって係止面2eを径
方向内方へと移動する変形は生じない。
【0030】この結果、接続管3に受口2からの抜け方
向の移動が生じる場合、上記のようにリップ部4bの開口
端側が係止壁2dの係止面2eに当接してそれ以上の変位が
阻止されるので、接続管3の抜けが防止される。なお、
このときのリップ部4bの軸方向奥側への変形は、前記テ
ーパ壁2bの内面に当接して規制された状態ともなってい
る。つまり、リップ部4bの軸方向奥側に空間が形成され
ていると、抜け方向の力が大きい場合、差口3aの抜け方
向の変位の増加に伴って、リップ部4bに上記の空間、す
なわち、逃げ空間に一部が侵入したような過渡的な変形
状態を生じた後に、さらにリップ部4b全体の傾斜方向が
反転するような変形状態になるおそれがある。このよう
に傾斜方向が反転すると、前記の係止面2eでの抜脱阻止
が維持されなくなって、管の抜けが生じる。
【0031】しかしながら、本実施形態においては、リ
ップ部4bの軸方向奥側には、リップ部4bの形状に沿って
傾斜するテーパ壁2bを設けて環状溝2fを形成しており、
これによって、リップ部4bの軸方向奥側に上記のような
逃げ空間が極力生じない構成となっている。この結果、
パッキン4には図6に示すような膨らみ形状の弾性変形
が生じた後は、それ以上の変形は生じようがなく、これ
により、抜け方向の力が大きい場合でも接続管3の抜け
をより確実に防止し得るものとなっている。
【0032】さらに、上記のリップ部4bが本体部4aの軸
方向中途位置に設けられていることによって、このリッ
プ部4bに対してはその径方向内方にも、前述したような
逃げ空間が生じることが防止されている。つまり、差口
3aが抜け方向にわずかに変位した段階で、この差口3aの
端面側は、受口2における前記段差壁2gとの間に隙間が
生じる。このとき、仮にリップ部4bが本体部4aの先端部
近傍に設けられ、したがって、差口3aの端面近傍に位置
するものであると、上記の隙間がリップ部に対する逃げ
空間を形成することになる。このため、この構成では、
この逃げ空間方向への変形状態を経て、前記同様にリッ
プ部全体の傾斜方向が反転するような変形に変わるおそ
れがある。
【0033】これに対し、本実施形態では、リップ部4b
が差口3aの端部から先端円筒部4dを挟んで離れた位置に
設けられているので、差口3aが抜け方向に変位したとし
ても、逃げ空間が径方向内方にも生じることはない。し
たがって、上記のような不具合を生じることなく、リッ
プ部4bは受口内周面と差口外周面との間での所望の弾性
変形状態で保持されるので、これによっても、接続管3
の抜けをさらに確実に防止することができるようになっ
ている。
【0034】以上の説明のように、本実施形態において
は、パッキン4が、リップ部4bを円筒部4aの外周面に設
けて構成され、このパッキン4を差口3aに装着して受口
2に挿入するという作業だけで、シール性と共に管の抜
けが防止された連結状態とすることができ、抜け防止の
ための専用の部材等を別途必要としないので、構成が簡
単であり、しかも、作業も容易に行うことができる。
【0035】一方、パッキン4の内面と差口3aとの間の
止水性は、円筒部4aを拡径させて差口3aに装着したとき
の円筒部4aの弾性回復力によって与えられる。この円筒
部4aは、挿入作業時の抵抗を考慮して接触面積を設定す
る必要のあるリップ部4bに比べ、差口3a外面との接触面
積が大きく、したがって、円筒部4aの弾性回復力で、例
えば、接続管3が前記した鋳鉄管などのように表面肌が
荒いものであっても、安定した止水性を得ることができ
る。
【0036】さらに本実施形態では、リップ部4bを円筒
部4aの軸方向中央部領域の外面に設け、このリップ部4b
よりも奥側の先端円筒部4dの外周面に受口2の基部円筒
壁2aの内周面が近接して位置するように構成されてい
る。これにより、この領域に生じる隙間空間は極力小さ
く、この結果、接続管3に管振れが生じる場合に、上記
の先端円筒部4dの領域で差口3aの振れが抑えられる。し
たがって、受口2内周面に対するリップ部4bの圧接状態
が全周にわたってより均一な状態で維持されるので、こ
れによっても、安定したシール性を維持することができ
るものとなっている。
【0037】なお、上記の実施形態は本発明を限定する
ものではなく、本発明の範囲内で種々の変更が可能であ
る。例えば、上記実施形態では、受口2における係止面
2eを軸心にほぼ直交する面とした例を示したが、この係
止面2eを、リップ部4bの傾斜方向に合わせて、係止壁2d
の内周面の位置から拡径壁2cの内周面へとテーパ状に傾
斜させた構成とすることも可能である。この場合、係止
面2eと拡径壁2cの内周面との間に断面が楔状の空間が形
成され、抜け方向の変位が差口3aに生じたときには、上
記の空間にリップ部4dの開口端側が進入することにな
る。これによって、リップ部4dの開口端側が係止面2aに
沿って径方向内方へと移動することがより確実に防止さ
れるので、管の抜けをさらに確実に防止することができ
る。
【0038】また上記では、係止壁2dの内周形状を円形
とした例を挙げたが、受口2への差口3aの挿入時には縮
径方向に弾性変形させたリップ部4dの通過を許容し、か
つ、拡径壁2dの内側で拡径方向にやや拡がったリップ部
4dの円形の端部に対し、少なくとも周方向の一部領域で
軸方向に対面する係止面2eが得られる形状であれば、例
えば四角形などの他の形状で形成することも可能であ
る。
【0039】さらに上記では、本発明の管継手を排水管
に適用した例を挙げたが、その他の任意の管の接続に適
用することが可能である。
【0040】
【発明の効果】以上のように、本発明の請求項1の管継
手においては、シール部材が、略円筒状の本体部の軸方
向一部領域の外周面から、差口の挿入方向とは逆方向に
斜めに傾斜して径方向外方に突出する環状のシール部を
設けて形成され、また、受口開口端側に係止部を設け、
この係止部の内側を通過して拡がった上記シール部が拡
径部の内面に圧接することにより、シール部材と受口と
の間のシール性が与えられるように構成されている。
【0041】この状態で、シール部材に受口からの抜け
方向の変位が生じる場合には、シール部が拡径部と係止
部との間の段差面に当接し、これによって、それ以上の
抜け方向の移動が阻止される。一方、シール部材は、本
体部を差口に外嵌させて装着する構成であり、この場合
に、本体部に拡径方向の所望の弾性変形量を与えて装着
し、また、差口外周面に接着により装着して、シール部
材が差口の外周面に一体的に固着した状態とすることが
できる。
【0042】したがって、上記の管継手においては、シ
ール部材を差口に装着して受口に挿入するという作業だ
けで、シール性と共に管の抜けが防止された連結状態と
することができ、抜け防止のための専用の部材等を別途
必要としないので、構成が簡単になり、また、作業も容
易になる。請求項2の管継手においては、上記拡径部の
内側の環状溝における軸方向奥側の面が、この環状溝に
嵌入したシール部の軸方向奥側の外面形状に沿う傾斜状
に形成されている。
【0043】したがって、シール部が前記段差面に当接
した状態で、これが軸方向奥側に押圧されても、軸方向
奥側への逃げ空間が極力小さくなっているので、この方
向への変形が抑えられる。この結果、シール部に上記逃
げ空間方向への弾性変形状態を経て傾斜方向が反転する
ような変形状態に変わることが抑止されるので、大きな
抜け方向の力に対しても、より確実に管の抜けを防止す
ることができる。
【0044】請求項3の管継手においては、シール部材
の本体部がシール部よりも差口挿入方向奥側に延びる先
端円筒部をさらに備えており、これによって、差口が抜
け方向に変位したとしても、シール部の軸方向奥側に
は、その径方向内方にも、前述したような逃げ空間が生
じることが防止される。これによっても、抜け方向の力
がより大きくなっても、さらに確実に管の抜けが防止さ
れる。
【0045】請求項4の管継手においては、受口におけ
る前記環状溝よりも奥側に、シール部材における先端円
筒部の外周面に近接するように内周を小さくした振れ止
め部が設けられているので、第2の管に管振れが生じる
場合に、上記の振れ止め部の領域で差口の振れが抑えら
れ、この結果、受口内周面に対するシール部の圧接状態
が全周にわたってより均一な状態で維持されるので、良
好なシール性を安定して維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における管継手を用いた管
の連結状態を示す一部切欠正面図である。
【図2】上記管継手における受口の形状を示す断面図で
ある。
【図3】上記管継手におけるパッキンの形状を示す断面
図である。
【図4】上記パッキンを接続管の差口に装着した状態を
示す断面図である。
【図5】上記差口を受口に挿入するときの状態を示す断
面図である。
【図6】上記管継手による管の連結状態において、接続
管に受口からの抜け方向の変位が生じたときの動作を示
す説明図である。
【図7】従来の管継手に用いられているパッキンの形状
を示す断面図である。
【図8】図7に示すパッキンが介装された管継手による
管の連結状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 第1の管 2 受口 2a 基部円筒壁(振れ止め部) 2b テーパ壁 2c 拡径壁(拡径部) 2d 係止壁(係止部) 2e 係止面 2f 環状溝 2g 段差壁 3 接続管(第2の管) 3a 差口 4 パッキン(シール部材) 4a 円筒部(本体部) 4b リップ部(シール部) 4c 管受け部 4d 先端円筒部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安宅 剛 大阪府大阪市大正区南恩加島7丁目1番22 号 株式会社クボタ恩加島工場内 (72)発明者 荻野 義道 大阪府大阪市大正区南恩加島7丁目1番22 号 株式会社クボタ恩加島工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の管の受口内周面とこの受口に挿入
    される第2の管の差口外周面との間に弾性体より成るシ
    ール部材が介装される管継手であって、 上記シール部材は、差口外周面に装着される略円筒状の
    本体部と、この本体部の軸方向一部領域の外周面から差
    口の挿入方向とは逆方向に斜めに傾斜して径方向外方に
    突出する環状のシール部とを備え、 受口には、シール部の外方端側の外径よりも小形の内周
    形状を有する係止部が開口端側に設けられると共に、シ
    ール部材を差口に装着して受口に挿入するときに縮径方
    向の弾性変形を生じて上記係止部の内側を通過したシー
    ル部が拡径方向に拡がって圧接状となる拡径部が、上記
    係止部の奥側に段差状に連設されていることを特徴とす
    る管継手。
  2. 【請求項2】 上記拡径部の内側が環状溝として形成さ
    れ、この環状溝を軸方向奥側から囲う面は、この環状溝
    に嵌入したシール部の軸方向奥側の外面形状に沿う傾斜
    状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の管
    継手。
  3. 【請求項3】 シール部材の本体部がシール部よりも差
    口挿入方向奥側に延びる先端円筒部をさらに備えている
    ことを特徴とする請求項2記載の管継手。
  4. 【請求項4】 受口における環状溝よりも奥側に、上記
    先端円筒部の外周面に近接するように内周を小さくした
    振れ止め部が設けられていることを特徴とする請求項3
    記載の管継手。
JP24486996A 1996-09-17 1996-09-17 管継手 Pending JPH1089559A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24486996A JPH1089559A (ja) 1996-09-17 1996-09-17 管継手

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24486996A JPH1089559A (ja) 1996-09-17 1996-09-17 管継手

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1089559A true JPH1089559A (ja) 1998-04-10

Family

ID=17125215

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24486996A Pending JPH1089559A (ja) 1996-09-17 1996-09-17 管継手

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1089559A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020013103A (ko) * 2000-08-11 2002-02-20 이계안 흡기관로의 접속장치
KR100475806B1 (ko) * 2001-11-28 2005-03-10 현대자동차주식회사 흡기덕트의 접속구조
JP2008286260A (ja) * 2007-05-16 2008-11-27 Higashio Mech Co Ltd 管継手
JP2012518758A (ja) * 2009-02-24 2012-08-16 サン−ゴバン サントル ド レシェルシュ エ デテュド ユーロペアン 連結デバイス
JP2013106431A (ja) * 2011-11-14 2013-05-30 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> ケーブル保護管の補修部材

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020013103A (ko) * 2000-08-11 2002-02-20 이계안 흡기관로의 접속장치
KR100475806B1 (ko) * 2001-11-28 2005-03-10 현대자동차주식회사 흡기덕트의 접속구조
JP2008286260A (ja) * 2007-05-16 2008-11-27 Higashio Mech Co Ltd 管継手
JP2012518758A (ja) * 2009-02-24 2012-08-16 サン−ゴバン サントル ド レシェルシュ エ デテュド ユーロペアン 連結デバイス
JP2013106431A (ja) * 2011-11-14 2013-05-30 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> ケーブル保護管の補修部材

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100392500B1 (ko) 관 조인트
US8011671B2 (en) Shaft seal having integrated removal feature
JP2578033Y2 (ja) 管体継手構造
US5609368A (en) Separation preventive pipe joint
JPH08178157A (ja) 管継手
JPH1089559A (ja) 管継手
JP2000146075A (ja) 樹脂製管継手
JP2009144740A (ja) アダプターを備えた継手
JP2001200972A (ja) 管継手
JP3000435B2 (ja) 分岐管継手
JPS6234999B2 (ja)
JPH1089561A (ja) 管継手
JPH1089564A (ja) 管継手
JP3429611B2 (ja) 流体管連結用伸縮流体管
JPH11173472A (ja) 管継手構造
JPH1089562A (ja) 管継手
JP3813294B2 (ja) 防食スリーブの装着方法
JP4347299B2 (ja) 工具装着用防食スリーブ
JPH0823397B2 (ja) 離脱防止管継手
JP2001227688A (ja) 差込式管継手
JP2758098B2 (ja) 離脱防止管継手
JP2561694B2 (ja) 管継手
JP2002243077A (ja) 差込式管継手
JPH1089563A (ja) 管継手
JPH07190271A (ja) 樹脂管継手及び管材の接続方法