JPH1089218A - 車両用盗難防止装置 - Google Patents

車両用盗難防止装置

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JPH1089218A
JPH1089218A JP26772296A JP26772296A JPH1089218A JP H1089218 A JPH1089218 A JP H1089218A JP 26772296 A JP26772296 A JP 26772296A JP 26772296 A JP26772296 A JP 26772296A JP H1089218 A JPH1089218 A JP H1089218A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 正規のキースイッチによる定電圧発生を認識
することにより始動可能にして盗難防止を行なう車両に
おけるキック始動時の認識を容易に行う。 【解決手段】 キースイッチ1に設けられた定電圧ダイ
オードZD1により所定の電圧差が生じる高電圧端子A
と低電圧端子BとをCDIユニット2に設け、CDIユ
ニット2内に、両電圧端子間の電圧差を検出するキー電
圧検出回路4と、キー電圧検出回路4により所定の電圧
差を検出したら認識信号を伝達可能にする判定回路5
と、判定回路5を介して入力された認識信号をコンデン
サC1の放電時間保持し得るラッチ回路6とを設け、ラ
ッチ回路6で認識信号が保持されている間、点火制御回
路3を動作可能にする。 【効果】 正規のキースイッチが接続されたことをラッ
チ回路で保持することから、キック始動時の電源電圧の
断続的発生に対しても点火制御可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用盗難防止装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、特に自動二輪車にあっては、キー
シリンダ錠が外部に露出していることから、キースイッ
チを介さずにバッテリ端子と点火装置の電源端子とを故
意に短絡することにより、キーを差し込むことなくエン
ジンを回転させて、盗難されるおそれがあった。
【0003】そのような盗難を防止するべく、キーをシ
リンダ錠に差し込んだ際に、例えば点火装置にCDIを
用いている場合、そのCDIユニットに高低の電源端子
を設けると共に、キーに、両端子間に接続される定電圧
ダイオードを内蔵したものがある。このようにして、定
電圧ダイオード内蔵キーを差し込んだ場合には、高低の
電源端子間に所定の電位差が生じることになる。その所
定の電位差をCDIユニット側で検出するようにしてお
くことにより、不正な模造キーを差し込んだり、バッテ
リ端子と電源端子とを短絡した場合には、それだけでは
高低の電源端子間に所定の電位差が発生しないため、盗
難時のエンジン始動を防止することができる。
【0004】しかしながら、特に普及型の自動二輪車に
あっては、小型のバッテリを搭載していることもあって
長期間の不使用状態によりバッテリ上がりが起きる場合
があり、そのためキック始動可能にしている。そのよう
なキック始動可能車で前記キースイッチ構造を用いた場
合には、上記バッテリ上がり時のキック始動では、発電
機(ACG)から交流半波波形の電源電圧が供給され、
両端子間には図3に示されるようにキー内蔵の定電圧ダ
イオードに応じた電位差Vzを有する高低2つの波形が
生じる。そのため、前記所定の電位差を検出するタイミ
ングをその交流波形に同期させる必要がある(図3のT
の範囲内)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記電位差検出の同期
のタイミングとしては、通常は点火タイミングとして用
いているパルサコイルの出力が適当であり、そのパルサ
コイルはACGに取り付けられている。一方、ACGの
交流波形及び位相はACGに接続された負荷の状態によ
り変化するので、図3に示される範囲Tからパルサコイ
ルの点火タイミング用波形が外れてしまう場合がある。
それに対応して、全ての状態に対して交流波形とパルサ
コイル出力とを同期させるためには、パルサコイルを高
精度に位置決めする必要があり、さらに車種毎にACG
を専用設計しなければならない。そのため、製造コスト
が高騰化するという問題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決し
て、正規のキースイッチによる所定の電位差を認識する
ことにより始動可能にして盗難防止を行なう車両におけ
るキック始動時の認識を容易に行うことを実現するため
に、本発明に於いては、キック始動可能なエンジンの点
火制御を行うための制御ユニットに電源電圧入力用の高
電圧端子と低電圧端子とを設け、エンジン始動用のキー
スイッチにより前記エンジンに連動する発電機の充電端
子と前記制御ユニットの前記高電圧端子とを接続すると
共に、前記両電圧端子間に接続されることにより前記両
電圧端子間に所定の電圧差を生じさせる定電圧素子を前
記キースイッチに設けて、前記定電圧素子による前記所
定の電圧差を検出することにより正規のキースイッチが
用いられていることを認識するようにした車両用盗難防
止装置であって、前記制御ユニットに、前記両電圧端子
間に前記所定の電圧差が生じた場合に所定の状態になり
かつ当該状態を保持するラッチ回路を設けたものとし
た。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に添付の図面に示された具体
例に基づいて本発明の実施の形態について詳細に説明す
る。
【0008】図1は、本発明が適用された車両用盗難防
止装置の要部回路図である。本回路では、図示されない
エンジンに連結された発電機ACGにより発生する電圧
によりバッテリBTが充電されるようになっている。ま
た、その発電機ACGの発電電圧は、図示されないシリ
ンダ錠に差し込まれるエンジン始動用のキースイッチ1
を介して、エンジン点火制御用のCDIユニット2の回
路駆動用電圧として供給されるようになっている。
【0009】キースイッチ1内には2位置選択式のスイ
ッチSWが設けられており、キースイッチ1をシリンダ
錠に差し込んで所定位置まで回すことにより、前記発電
機ACGの充電端子Gが、レギュレータREGを介して
スイッチSWの常時閉接点1bに接続されるようになっ
ている。そして、そのスイッチSWの常時閉接点1bを
介して、バッテリ電圧または発電機ACGの発電電圧が
CDIユニット2の高電圧端子Aに印加される。なお、
本CDIユニット2には、上記高電圧端子Aと並列に低
電圧端子Bが設けられており、その低電圧端子Bには、
スイッチSWの常時開接点1aが接続されるようになっ
ている。また、キースイッチ1内には、上記両電圧端子
A・B間に接続される定電圧素子としての定電圧ダイオ
ードZD1が、端子A側を高電位とするように設けられ
ている。
【0010】CDIユニット2内にあっては、前記高電
圧端子Aに接続された電源ラインに、電源電圧により制
御される制御用サイリスタSCR1が直列に接続されて
おり、その電源ラインの制御用サイリスタSCR1の下
流側にCDI点火制御を行う点火制御回路3が接続され
ている。その点火制御回路3のからの点火制御信号が端
子Iを介してイグニッションコイルICに出力されて、
点火制御が行われる。また、発電機ACGに設けられた
点火基準位置検出用パルサPSからの点火タイミングパ
ルス信号が端子Pを介して点火制御回路3に入力するよ
うになっている。
【0011】本CDIユニット2内には、上記点火制御
回路3とは別個に、キー電圧検出回路4と、判定回路5
と、ラッチ回路6とが設けられている。キー電圧検出回
路4は、主として2つのトランジスタTr1・Tr2と
2つの定電圧ダイオードZD2・ZD3とにより構成さ
れており、前記両電圧端子A・B間の電圧差を検出する
ものである。端子Aに電圧が印加されるとトランジスタ
Tr1がオンし、トランジスタTr1がオンすると定電
圧ダイオードZD3に端子Aの電圧が印加され、その定
電圧ダイオードZD3が導通状態になると、定電圧ダイ
オードZD3を介した電圧が判定回路5に出力される。
【0012】また、定電圧ダイオードZD2の定格値を
上記定電圧ダイオードZD1の定格値よりも大きく設定
しておくことにより、キースイッチ1の接続状態では端
子Bの電圧値がトランジスタTr2のエミッタ電圧以上
になり、トランジスタTr2がオフ状態になる。
【0013】判定回路5はトランジスタTr3により構
成されており、トランジスタTr3がオンすることによ
り、上記した定電圧ダイオードZD3を介した電圧が出
力されるラインが接地される。このトランジスタTr3
は、上記キー電圧検出回路4の両トランジスタTr1・
Tr2がオンすることによりオンする。
【0014】ラッチ回路6には、端子Aの電源ラインの
サイリスタSCR1の下流側に接続されたサイリスタS
CR2と、サイリスタSCR2のゲートに接続されたコ
ンデンサC1とが設けられている。このサイリスタSC
R2のゲートは、前記キー電圧検出回路ZD3の定電圧
ダイオードZD3を介して印加される電圧により制御さ
れるようになっており、トランジスタTr1がオンしか
つトランジスタTr3がオフであればサイリスタSCR
2がオンする。
【0015】そして、サイリスタSCR2がオン状態の
時に、サイリスタSCR2を介して電源ラインの電圧信
号が点火制御回路3の入力端子INに入力し、その電圧
信号入力状態で点火制御回路3が動作し得る。なお、電
源電圧の半波波形の消失時のサイリスタSCR2及び点
火制御回路3への電源電圧は電源ラインに接続されたコ
ンデンサC2の放電電圧により供給される。
【0016】このようにして構成された本装置による盗
難対策を以下に示す。盗難時には、正規のキースイッチ
1が無いことから、CDIユニット2に電源電圧を直接
供給して点火制御を行わせるように試みることになり、
高電圧端子AにバッテリBTの正端子や発電機ACGの
充電端子G(レギュレータREGの出力端子)を接続す
る。次に、低電圧端子Bに対して何らかの処置を施すこ
とになる。
【0017】例えば端子Bを端子Aと同一状態にするべ
く、端子Bを端子AまたはバッテリBTと接続する。こ
の場合には、両端子A・Bに同一電圧が加わることか
ら、両トランジスタTr1・Tr2共オンせず、またト
ランジスタTr3がオフ状態であるが、トランジスタT
r1がオフ状態であることからサイリスタSCR2はオ
フである。したがって、点火制御回路3には低レベル
(L)信号が入力され、点火制御回路3は動作しない。
【0018】また例えば端子Bをオープン状態にするこ
とが考えられる。この場合には、両トランジスタTr1
・Tr2がオンし得ると共に、トランジスタTr3がオ
ンするためサイリスタSCR2はオフ状態である。した
がって、上記と同様に点火制御回路3は動作しない。あ
るいは、端子Bを接地させることが考えられる。この場
合にも、両トランジスタTr1・Tr2がオンし得ると
共に、トランジスタTr3がオンするためサイリスタS
CR2はオフ状態である。したがって、上記と同様に点
火制御回路3は動作しない。
【0019】盗難時のこれら種々の試みに対して正規の
キースイッチ1を用いた場合には、両端子A・B間に定
電圧ダイオードZD1による所定の電圧差が生じる。こ
れにより、前記回路構成で説明したように、トランジス
タTr1がオンするが、トランジスタTr2がオフ状態
であり、それによりトランジスタTr3がオフ状態であ
ることから、サイリスタSCR2がオンする。したがっ
て、点火制御回路3に高レベル(H)信号が入力され、
点火制御回路3が動作可能になる。
【0020】そして、本装置では、サイリスタSCR2
が一旦オンすると電源遮断状態になるまでそのオン状態
を保持することを利用して、一度正規のキースイッチ1
が接続されたことを判定したら、その状態をサイリスタ
SCR2のオン状態で認識するようにしている。
【0021】ところで二輪車におけるバッテリ上がり時
などにおいてキック始動する場合に、発電機ACGで発
生する交流波形がレギュレータREGにより半波波形に
なることから、電源電圧が断続的に発生することになる
が、本装置では、キー電圧検出回路4に半波波形が加わ
り、両A・B端子間に定電圧ダイオードZD1による所
定の電位差Vzが加わった時にバッテリ正常時と同様に
サイリスタSCR2がオンする。サイリスタSCR2
は、一旦オンすると前記半波波形が無くなりゲート電圧
が無くなっても電源コンデンサC2の放電電流が流れ続
け、オン状態が次の電圧発生時まで十分保持され得るた
め、点火制御回路3は連続的に動作可能になる。
【0022】したがって、パルサPSから点火タイミン
グパルスが点火制御回路3に入力すると同時に両端子A
・B間に所定の電圧差が発生している必要が無く、正規
のキースイッチが接続されたことを一旦認識(サイリス
タSCR2のオン状態)したら、その認識状態が保持さ
れている間、すなわちキック始動によるクランキング中
であれば、点火制御回路3が動作し続け、任意のタイミ
ングで入力される点火タイミングパルスに応じて点火制
御を行うことができる。そのため、従来装置のように充
電波形と点火タイミングパルスとを極力同期させる必要
が無く、発電機ACGの製造を簡易化し得る。
【0023】なお、正規のキースイッチ接続の判定結果
を保持するラッチ回路には、上記回路で示した構成に限
られず、種々の回路が適用可能である。例えば図2に第
2の実施例を示すが、この図においては、判定回路5を
介して入力される正規キースイッチ接続状態の認識信号
をFETのゲートに入力し、かつその認識信号ラインに
コンデンサC1を接続している。そして、FETのドレ
インを点火制御回路3の入力端子INに接続している。
【0024】この第2の実施例にあっては、判定回路5
を介して入力される正規キースイッチ接続状態の認識信
号によりコンデンサC1を充電し、発電機ACGの脈流
の谷間をコンデンサC1の放電により補完して、認識結
果としてのFETのオン状態を保持可能にしている。そ
して、ラッチ回路6から認識結果としてのHレベル信号
が点火制御回路3の入力端子INに出力され、その信号
が連続して出力されるため、前記実施例と同様の効果を
奏し得る。
【0025】また、ラッチ回路6をCPUに置換しても
良い。この場合には、認識結果信号が一旦入力された
ら、CPUの内部でラッチしておき、CPUを電源ライ
ンに接続したコンデンサC2により連続して動作可能に
すれば良い。この場合の効果も前記第1の実施例と何ら
変わることがない。
【0026】
【発明の効果】このように本発明によれば、正規のキー
スイッチを用いた場合に制御回路に発生する所定の電圧
差を認識して点火制御を可能にすることにより盗難を防
止するようにした車両用盗難防止装置をキック始動可能
なエンジンに用いた場合に、バッテリ上がりなどにおけ
るキック始動のために、電源電圧の断続的な発生タイミ
ングと点火タイミング基準信号とを同期させなくても、
認識結果をラッチ回路により保持することから、電源電
圧の発生の度に認識処理を行う必要が無く、一旦認識し
たらその後に任意のタイミングで発生する点火タイミン
グ基準信号の入力により点火制御を行うことができる。
したがって、発電機のチャージコイル出力と点火タイミ
ング出力とを同期させるように調節する必要が無く、発
電機の製造を簡易化して、低コスト化し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された車両用盗難防止装置の要部
回路図。
【図2】本発明に基づくラッチ回路の第2の実施例を示
す要部回路図。
【図3】バッテリ上がり時のキック始動による電源電圧
波形を示す図。
【符号の説明】
1 キースイッチ 2 CDIユニット 3 点火制御回路 4 キー電圧検出回路 5 判定回路 6 ラッチ回路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キック始動可能なエンジンの点火制御を
    行うための制御ユニットに電源電圧入力用の高電圧端子
    と低電圧端子とを設け、エンジン始動用のキースイッチ
    により前記エンジンに連動する発電機の充電端子と前記
    制御ユニットの前記高電圧端子とを接続すると共に、前
    記両電圧端子間に接続されることにより前記両電圧端子
    間に所定の電圧差を生じさせる定電圧素子を前記キース
    イッチに設けて、前記定電圧素子による前記所定の電圧
    差を検出することにより正規のキースイッチが用いられ
    ていることを認識するようにした車両用盗難防止装置で
    あって、 前記制御ユニットに、前記両電圧端子間に前記所定の電
    圧差が生じた場合に所定の状態になりかつ当該状態を保
    持するラッチ回路を設けたことを特徴とする車両用盗難
    防止装置。
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