JPH1087928A - 難燃性スチレン系樹脂組成物 - Google Patents

難燃性スチレン系樹脂組成物

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JPH1087928A
JPH1087928A JP25732296A JP25732296A JPH1087928A JP H1087928 A JPH1087928 A JP H1087928A JP 25732296 A JP25732296 A JP 25732296A JP 25732296 A JP25732296 A JP 25732296A JP H1087928 A JPH1087928 A JP H1087928A
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flame
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polymer
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JP25732296A
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Yasuaki Ii
康明 井伊
Yoshihiro Nakai
義博 中井
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形時の滞留劣化を防止出来る難燃性スチレ
ン系樹脂組成物の開発。 【解決手段】 難燃剤により難燃化されたスチレン系樹
脂組成物[I]100重量部に対し、特定構造のアクリ
ル系三段重合体[II]0.1〜10重量部を配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、難燃性スチレン系
樹脂組成物に関し、より詳しくは機械的性質と耐熱性と
のバランスに優れ、かつ滞留劣化性が改良された難燃性
スチレン系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】ポリ
スチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂
(AS樹脂)およびABS樹脂に代表されるスチレン系
樹脂は、成形性、機械的性質ならびにこれらを成形して
得られる成形物の外観が優れているために広く用いられ
ているが、易燃性であるためにその使用分野が制限され
ている。このため、スチレン系樹脂の難燃性を向上させ
るために有機ハロゲン化合物やリン酸エステル化合物等
の難燃剤と三酸化アンチモン等の難燃助剤とを配合する
手法が取られてきている。
【0003】しかし、これらの手法で難燃化されたスチ
レン系樹脂組成物は、近年、電気機器・パソコン等のO
A機器の発達に伴い、その使用量が急速に増加してお
り、そのためにいくつかの問題点が発生してきている。
【0004】例えば、機器のハウジングや内部部品とし
て樹脂組成物を成形するにあたっては、その簡便さや複
雑な形状が容易に得られることから射出成形法が広く行
われている。この射出成形過程においては、樹脂が成形
機のバレル内で加熱溶融化され溶融状態で冷却された金
型内部のキャビティに充填されるが、加熱溶融した成形
機のバレル内で比較的長時間にわたって高温下で滞留す
る場合がある。特に、樹脂に難燃剤が添加された樹脂組
成物が長時間滞留した場合には、樹脂の熱劣化という問
題が発生する。
【0005】このような熱劣化が発生すると、成形品に
シルバーストリークや炭化して黒く変色した外観不良が
ゲート付近からスジ状に発生したり、局部的に機械的強
度が低下する現象、いわゆる“滞留劣化現象”が見られ
る場合がある。このため、スチレン系樹脂の難燃化にお
いては、この滞留時の熱による劣化(滞留劣化性)を改
良する必要がある。しかし、難燃性スチレン系樹脂の滞
留劣化性を改良する方法についてはほとんど知られてい
ない。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
難燃性スチレン系樹脂の滞留劣化性の改良について鋭意
検討を重ねた結果、難燃剤により難燃化されたスチレン
系樹脂組成物に、特定構造のアクリル系の三段重合体の
特定量を配合することにより、難燃性に優れ、かつ滞留
劣化性が大幅に改良されたスチレン系樹脂組成物が得ら
れることを見い出し本発明に至った。
【0007】すなわち本発明は、難燃剤により難燃化さ
れたスチレン系樹脂組成物[I]100重量部に対し
て、(A)メチルメタクリレート5〜100重量%とそ
れと共重合可能な単量体95〜0重量%とからなる単量
体または単量体混合物を重合して得られる共重合体5〜
45重量部の存在下に、(B)アルキル基の炭素数が1
〜18のアクリル酸アルキルエステル30〜100重量
%とアルキル基の炭素数が1〜18のメタクリル酸アル
キルエステル70〜0重量%とからなる単量体または単
量体混合物40〜70重量部を重合して得られたηsp
Cが1.5以下である(A),(B)両成分を含む重合
体の存在下に、(C)メチルメタクリレート50〜10
0重量%とそれと共重合可能な単量体50〜0重量%と
からなる単量体または単量体混合物5〜40重量部
((A),(B),(C)の合計を100重量部とす
る。)を重合して得られる三段重合体[II]0.1〜1
0重量部を配合せしめてなることを特徴とする難燃性ス
チレン系樹脂組成物である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明における難燃剤により難燃
化されたスチレン系樹脂組成物[I](以下、難燃性ス
チレン系樹脂組成物[I]と略記する)は、スチレンの
単独重合体、あるいはスチレンと他の重合性化合物との
共重合体(以下、スチレン系樹脂という。)を主成分と
する熱可塑性樹脂に、難燃剤、さらには必要に応じて難
燃助剤が配合されたものである。
【0009】本発明において成分[I]を構成するのに
用いられるスチレン系樹脂としては、ポリスチレン類と
AS樹脂(アクリロニトリル−スチレン共重合体)類が
代表的なものとして挙げられる。ポリスチレン類として
は、一般用ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレ
ン、あるいはその他のスチレン成分を主成分とする樹脂
が挙げられ、また、AS類としては、アクリロニトリル
−スチレン共重合体を主成分とするものであり、AAS
樹脂、AS樹脂、、ABS樹脂等のアクリロニトリル−
スチレン共重合体、あるいはAS樹脂とゴム成分をブロ
ックしたブロックコポリマー、あるいはAS樹脂とゴム
成分をブレンドしたブレンドポリマー等が挙げられる。
その他、メチルメタクリレート、ブタジエンおよびスチ
レンを主成分とするMBS樹脂等が挙げられる。これら
の中でも、一般用ポリスチレン、ハイインパクトポリス
チレン、AAS樹脂、AS樹脂、ABS樹脂の使用が好
ましい。
【0010】さらに本発明において成分[I]を構成す
るのに用いられる難燃剤としては、ハロゲン含有化合
物、リン含有化合物、窒素含有化合物、あるいはその他
の難燃剤が挙げられるが、好ましくはハロゲン含有化合
物である。ハロゲンとしては塩素あるいは臭素が有効で
ある。ハロゲン含有化合物のうち、好ましいものは臭素
含有化合物であり、特に臭素が結合した芳香核を有する
化合物が好ましい。多臭素化芳香族化合物として、例え
ばテトラブロモビスフェノールA(TBA)、テトラブ
ロモビスフェノールS(TBS)、ヘキサンブロモベン
ゼン(HBB)、デカブロモジフェニルエーテル(DB
DPO)、デカブロモジフェニル(DBDP)、テトラ
ブロモ無水フタール酸、またはこれらの誘導体、例えば
TBA−(ハロ)アルキルエーテル、TBA−S−トリ
アジン系化合物、その他各種のものがある。その他、塩
素化芳香族炭化水素系化合物、ハロゲン化脂肪族炭化水
素系化合物、ハロゲン化脂環族炭化水素化合物、ハロゲ
ン化無機化合物等各種のハロゲン化含有化合物系難燃剤
が使用できる。
【0011】リン系化合物としては、主にハロゲンを含
むあるいは含まない各種のリン酸のエステルであり、例
えば、トリアルキルホスフェート、トリアリールホスフ
ェート、トリハロアルキルホスフェート、トリアリール
ホスファイト、ポリホスホネート等各種の有機リン系化
合物、またはポリリン酸アンモン等の無機リン系化合物
等が挙げられる。上記各種難燃剤の組み合わせや上記以
外の各種の難燃剤がポリスチレン系樹脂の難燃化に使用
される。
【0012】さらに上記難燃剤と必要に応じて併用して
使用することのできる難燃助剤としては、三酸化アンチ
モン等のアンチモン系化合物が挙げられ、その他ホウ素
含有化合物あるいは金属含有化合物も使用することがで
きる。
【0013】スチレン系樹脂に対する難燃剤および難燃
助剤の添加量は特に限定されないが、スチレン系樹脂に
対して合計量で1〜50重量%の範囲が好ましく、さら
に好ましくは5〜45重量%、特に好ましくは難燃剤1
0〜40重量%、難燃助剤0〜20重量%である。難燃
剤および難燃助剤の添加量が1重量%未満では難燃化効
果が得られず、一方、50重量%を越えると耐衝撃性等
の機械特性が大幅に低下するようになる。
【0014】本発明において用いられる成分[II]は、
(A)成分と(B)成分と(C)成分とで構成され、
(B)成分として低分子量のアクリル酸エステルの重合
体または共重合体、あるいはアクリル酸エステルとメタ
クリル酸エステルとの共重合体からなる粘着性を有する
成分を用い、さらにこの(B)成分の内側と外側に、ス
チレン系樹脂の溶融時に粘着性を向上させる、好ましく
は比較的分子量の大きなメタクリレート系重合体からな
る(A)成分と(C)成分を配置した、いわゆるサンド
イッチ構造からなる三段重合体である。
【0015】このサンドイッチ構造からなる三段重合体
[II]は、少なくとも50重量%がメチルメタクリレー
トであり、好ましくはηsp/Cが1.0以上である重合
体または共重合体ラテックス(合成ゴムをブレンド成分
として別に含有する場合を含む)(A)成分の存在下
に、アクリル酸アルキルエステルまたはメタクリル酸エ
ステルとアクリル酸エステルとの混合物(B)成分を、
(B)成分のηsp/Cが1.5以下になるような条件で
添加して重合し、次いで、このラテックスの存在下に、
(C)成分としてメチルメタクリレートまたはこれと共
重合可能な他の単量体成分50重量%以下とからなる単
量体混合物を添加して重合する。この三段重合体は、乳
化重合系の三段重合法を適用することにより容易に得る
ことができるが、このサンドイッチ構造を形成するため
には、二段目以降の存在下重合においては乳化剤を新た
に添加することなく重合を行い、(B)成分あるいは
(C)成分単独の重合体の形成を実質的に抑えるように
することが好ましい。
【0016】このようにして得られた三段重合体[II]
を難燃性スチレン系樹脂組成物[I]に配合した本発明
の組成物は、難燃性スチレン系樹脂組成物[I]の滞留
劣化性の改良に優れた効果を発揮するのみではなく、難
燃性スチレン系樹脂組成物[I]の表面光沢を高めると
いう驚くべき効果をも有しており、これらの効果は従来
の公知の組成物では達成することができない。例えば、
三段重合体[II]のサンドイッチ構造の中身にあたる
(B)成分のηsp/Cを大きくした場合、成形時に付着
物が増加し、樹脂の流動性が低下して成形加工性を大幅
に低下させるようになる。
【0017】本発明は、三段重合体[II]のサンドイッ
チ構造における内層と外層とその中間層との相乗効果に
よって、優れた滞留劣化防止効果と成形加工性とを合わ
せ持つ組成物を提供できる。このサンドイッチ構造重合
体は、難燃性スチレン系樹脂組成物[I]の滞留劣化を
防止させるための極めて重要な要件であり、(A)成
分、(B)成分および(C)成分をそれぞれ単独で重合
させた重合体を添加しても、また(A)成分、(B)成
分および(C)成分に使用される単量体を同時に一段で
共重合させても本発明の優れた滞留劣化防止効果は得ら
れたない。また、(B)成分よりなる重合体を核とし
て、その外層に(A)成分または(C)成分よりなる重
合体層を設けた二段構造の場合、本発明で用いる三段重
合体のサンドイッチ構造と異なるため滞留劣化防止性が
劣る。また、(C)成分が存在せず、(A)成分を芯と
し(B)成分を外層に有する場合、(B)成分のガラス
転移点(Tg)が低いためラテックスから重合体を回収
する凝固・乾燥工程でブロック化し、二層構造重合体を
粉体として工業的に得ることが困難になる。
【0018】三段重合体[II]における(A)成分の含
有量は、三段重合体[II]100重量部中、5〜45重
量部、好ましくは20〜40重量部である。45重量部
を越えると粘着性が増加して成形性が悪化し、一方、5
部未満では粘度が低下して所望の滞留劣化防止効果が得
られなくなる。
【0019】(A)成分は、ポリメチルメタクリレート
もしくは50重量%以上のメチルメタクリレートを含む
共重合体であることが必要であり、ηsp/Cが1.0以
上と分子量が比較的大きい方が好ましい。メチルメタク
リレートと共重合可能な単量体としては特に制限はな
く、最終目的に応じて適当な単量体を用いることができ
る。例えば、芳香族ビニル、不飽和ニトリル、ビニルエ
ステル、アクリル酸エステルまたはメチルメタクリレー
ト以外のメタクリル酸エステル等のうち1種または2種
以上が用いられているが、その使用量が50重量%を越
えると、本発明の目的が達成られなくなる。
【0020】さらに、(A)成分には必要に応じてジビ
ニルベンゼン、アリルメタクリレート等の多官能性単量
体を用いることも可能であるが、その使用量は非架橋単
量体100重量部あたり2部以下であることが好まし
い。
【0021】また、三段重合体[II]における(B)成
分の含有量は三段重合体[II]100重量部中、40〜
70重量部、好ましくは50〜60重量部である。40
重量部未満では樹脂の成形加工性が低下し、また、70
重量部を越えると表面光沢が損なわれるようになる。
【0022】本発明に用いる三段重合体の大きな特徴
は、(A)成分および(B)成分からなる重合体の分子
量をある範囲に保つことであり、(A)成分+(B)成
分重合体のηsp/Cを1.5以下にすることが滞留劣化
を防止し、成形加工性を良好なものとするために必要で
あり、好ましくはηsp/Cは1.0以下である。ηsp
Cが1.5を越えると粘着性が低下し、最終的に三段重
合体を含む難燃性スチレン系樹脂組成物は優れた滞留劣
化防止性を示さなくなる。
【0023】(B)成分を構成する単量体中のアクリル
酸エステルの含有量は30〜100重量%であり、メタ
クリル酸エステルの含有量は70〜0重量%である。ア
クリル酸エステル含有量が30重量%未満の場合、滞留
劣化防止効果が著しく低下し、また、メタクリル酸エス
テルの含有量が70重量%を越えると成形加工性が悪く
なる。(B)成分として用いられるアクリル酸エステル
としては、例えば、エチルアクリレート、ブチルアクリ
レート、イソブチルアクリレート、2−エチルヘキシル
アクリレート等のアルキル基の炭素数が1〜18のアク
リル酸アルキルが好ましく、また、メタクリル酸エステ
ルとしては、例えば、エチルメタクリレート、ブチルメ
タクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等の
アルキル基の炭素数が1〜18のメタクリル酸アルキル
が好ましい。そしてアクリル酸エステル、メタクリル酸
エステル共にガラス転移温度の低い重合体を与える単量
体、例えばブチルアクリレート、2−エチルヘキシルア
クリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシ
ルメタクリレート等を用いた場合にその効果が大きい。
また、この効果を発揮させるためには(B)成分中のメ
タクリル酸エステルとアクリル酸エステルとがランダム
共重合の形を取らせることが好ましく、メタクリル酸エ
ステルにアクリル酸エステルをグラフトさせたり、また
はその逆にした結合様式を取らせることは好ましくな
い。すなわち、生成物の中に、例えばブチルアクリレー
ト等の結合がブロック的に存在すると、最終生成物を難
燃性ポリスチレン系樹脂に混合した組成物は全く光沢を
失うことになる。
【0024】また、三段重合体[II]における(C)成
分の含有量は、三段重合体[II]100重量部中、5〜
40重量部、好ましくは10〜30重量部である。5重
量部未満または40重量部を越えると、優れた滞留劣化
防止性を発揮できなくなる。(C)成分は50重量%以
下のメチルメタクリレートと共重合可能な単量体を含む
ことができるが、最終的に優れた滞留劣化防止性を付与
するためには、メチルメタクリレート単独の単量体の方
が好ましい。また、(C)成分のηsp/Cは、特に規制
しなくとも、本発明の特徴である滞留劣化防止性を損な
うことはないが、成形加工性を重視する場合には2.0
以上、樹脂組成物のフィッシュアイをきらう場合には
2.0以下にすることが好ましい。この場合でも高重合
度のポリメチルメタクリレートは軟化温度が高いためフ
ィッシュアイの原因となりやすく、製造する際には高重
合度のポリメチルメタクリレートの生成を極力抑える必
要がある。
【0025】三段重合体[II]の製造は、乳化重合で行
うことが好ましいが、それに用いる乳化剤は通常知られ
ているものが、また、重合開始剤としては水溶性・油溶
性の単独系またはレドックス系が用いられる。また、重
合体のηsp/Cは、連鎖移動剤種や使用量の調節、重合
温度の調節等の既知の方法で任意に調整される。
【0026】本発明における難燃性スチレン系樹脂組成
物[I]と三段重合体[II]の配合比は、難燃性スチレ
ン系樹脂組成物[I]100重量部に対して、三段重合
体[II]0.1〜10重量部であり、好ましくは0.5
〜6重量部の範囲である。三段重合体[II]の配合比が
0.1重量部未満では滞留劣化防止効果が充分でなく、
一方、10重量部を越えると難燃性が低下するようにな
る。
【0027】本発明の難燃性スチレン系樹脂組成物の調
製は、特に限定されず任意の方法で行うことができる。
その方法としては、例えば、難燃剤で難燃化したスチレ
ン系樹脂組成物に三段重合体を加えるか、あるいはスチ
レン系樹脂に難燃剤、難燃助剤および三段重合体[II]
を加え、V型ブレンダー、スーパーミキサー等を用いて
混合する方法、あるいは押出機、コニーダーなどを用い
た溶融状態で混合する方法などがある。
【0028】本発明の難燃性スチレン系樹脂組成物に
は、さらにその改質を目的として他の添加剤、例えば、
充填剤、強化繊維充填剤、安定剤、着色剤、離型剤、可
塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、あるいはその
他の添加剤等を1種でまたは2種以上が添加することが
できる。
【0029】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明をさ
らに具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定さ
れるものではない。なお、以下の例中の%および部数は
明記しない限りは重量基準とする。また、以下の実施例
および比較例中の各種物性の測定は以下の方法により測
定した。
【0030】(1)滞留劣化防止性 山城精機(株)製、SAV−60型縦型射出成形機を用
い、シリンダー温度240℃にて樹脂をシリンダー中に
充填させ、そのまま30分間滞留させ放置した。その後
成形を再開して、別途採取した滞留させないサンプルと
の色差(ΔE)が1.0以下となるショット数で以って
評価した。ショット数の小さい程滞留劣化防止性が優れ
ていることを示す。
【0031】(2)難燃性 厚さ1/16インチの試験片を射出成形で作製し、この
試験片についてUL−94規格の垂直試験法に準じてド
リップが起こるまで連続して接炎する方法によりドリッ
プ開始時間を測定して、UL−94グレードを決定し
た。
【0032】(3)ηsp/Cの測定 乾燥させた0.1gのポリマーを100mlのクロロホ
ルムに溶解させた溶液を用いて25℃で測定した。単位
はdl/gである。
【0033】[参考例1] 三段重合体[II−1]の製造 撹拌羽根および環流冷却器を備えた反応容器に、イオン
交換水280部、ジオクチルスルホコハク酸ソーダ1.
5部、過硫酸アンモニウム2.0部、(A)成分のメチ
ルメタクリレート30部、n−オクチルメルカプタン
0.05部の混合物を仕込み反応容器内を窒素にて置換
した後、撹拌下で内温を65℃に昇温して2時間重合を
行った。続いて(B)成分のn−ブチルメタクリレート
25部およびn−ブチルアクリレート25部、n−オク
チルメルカプタン0.5部の混合物を1時間にわたって
滴下し、添加終了後さらに2時間熟成を行った。この時
点の重合体のηsp/Cは0.85であった。次いで、こ
の反応系に(C)成分のメチルメタクリレート20部、
n−オクチルメルカプタン0.03部の混合物を30分
間にわたって滴下し、さらに2時間熟成を行って重合を
終了した。得られたラテックスを、冷却後塩化アルミニ
ウムで塩析し、濾過、洗浄、乾燥して三段重合体[II−
1]を得た。
【0034】[参考例2] 二段重合体[II−2]の製造 参考例1で用いた反応容器に、イオン交換水280部、
ジオクチルスルホコハク酸ソーダ1.5部、過硫酸アン
モ二ウム2.0部、(B)成分のn−ブチルメタクリレ
ート25部およびn−ブチルアクリレート25部、n−
オクチルメルカプタン0.5部の混合物を仕込み、反応
容器内を窒素置換した後、撹拌下で反応容器を65℃に
昇温して2時間加熱した。この時点での重合体のηsp
Cは0.55であった。続いて(C)成分のメチルメタ
クリレート50部、n−オクチルメルカプタン0.08
部の混合物を30分かけて滴下し、さらに熟成を行って
重合を終了し、以下、参考例1と同様にして二段重合体
[II−2]を得た。
【0035】[参考例3] 三段重合体[II−3]の製造 参考例1の(B)成分の重合においてn−オクチルメル
カプタンを添加しなかった以外は参考例1と同様にして
重合を行って、三段重合体[II−3]を得た。二段重合
後のηsp/Cは1.90であった。
【0036】[参考例4] 一段重合体[II−4]の製造 参考例1の反応容器に、イオン交換水280部、ジオク
チルスルホコハク酸ソーダ1.5部、過硫酸アンモニウ
ム2.0部、メチルメタクリレート50部、n−ブチル
メタクリレート25部、n−ブチルアクリレート25部
およびn−オクチルメルカプタン1.2部を仕込み、反
応容器内を窒素置換した後、撹拌下で内温を65℃に昇
温し、2時間熟成を行って重合を終了し、以下、参考例
1と同様にしてηsp/Cが0.80である一段重合体
[II−4]を得た。
【0037】[実施例1、比較例1〜6]スチレン系樹
脂として、三菱レイヨン(株)製、ABS樹脂「ダイヤ
ペット(登録商標)7001」を用い、これにテトラブ
ロモビスフェノールA(TBA)、三酸化アンチモンお
よび上記参考例1〜4で製造された重合体[II−1]〜
[II−4]を表1記載の量でブレンド後、二軸押出機で
シリンダー温度220℃で混練し、ペレット化した。次
いで、これらのペレットを射出成形して各種の試験片を
作製し評価を行った。得られた結果を表1に示した。
【0038】[実施例2]スチレン系樹脂として、旭化
成工業(株)製のハイインパクトポリスチレン(スタイ
ロン492)を用いた以外は、実施例1と同様にして評
価を行った。得られた結果を表1に示した。
【0039】
【表1】
【0040】表1に示した結果から明らかなように、本
発明の樹脂組成物(実施例1〜2)は、難燃性に優れ、
かつ滞留劣化性が改良されている。これに対し、本発明
の要件を満たさない樹脂組成物(比較例1〜6)では、
難燃性で滞留劣化性が改良された樹脂組成物が得られな
いことが分かる。
【0041】
【発明の効果】以上述べてきた構成からなる本発明の難
燃性スチレン系樹脂組成物は、難燃性で滞留劣化性が著
しく改良されたものであるので、種々の用途、例えば、
テレビキャビネット、テレビフロントパネル、ラジオ、
テープレコーダー、ステレオのキャビネット、パソコン
のハウジング、プリンターの匡体、その他の部品等の電
気機器、OA機器およびそれらの外装部品を得るための
成形材料として有用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 難燃剤により難燃化されたスチレン系樹
    脂組成物[I]100重量部に対して、(A)メチルメ
    タクリレート5〜100重量%とそれと共重合可能な単
    量体95〜0重量%とからなる単量体または単量体混合
    物を重合して得られる共重合体5〜45重量部の存在下
    に、(B)アルキル基の炭素数が1〜18のアクリル酸
    アルキルエステル30〜100重量%とアルキル基の炭
    素数が1〜18のメタクリル酸アルキルエステル70〜
    0重量%とからなる単量体または単量体混合物40〜7
    0重量部を重合して得られたηsp/Cが1.5以下であ
    る(A)および(B)両成分を含む重合体の存在下に、
    (C)メチルメタクリレート50〜100重量%とそれ
    と共重合可能な単量体50〜0重量%とからなる単量体
    または単量体混合物5〜40重量部(ただし、(A),
    (B)および(C)の合計を100重量部とする。)を
    重合して得られる三段重合体[II]0.1〜10重量部
    を配合せしめてなることを特徴とする難燃性スチレン系
    樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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