JPH1087498A - 中心静脈投与用輸液 - Google Patents

中心静脈投与用輸液

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JPH1087498A
JPH1087498A JP24484196A JP24484196A JPH1087498A JP H1087498 A JPH1087498 A JP H1087498A JP 24484196 A JP24484196 A JP 24484196A JP 24484196 A JP24484196 A JP 24484196A JP H1087498 A JPH1087498 A JP H1087498A
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晴仁 谷
Koichi Muraoka
浩一 村岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安定化剤及びpH調整剤を実質的に用いること
なく還元糖を安定化した中心静脈投与用輸液の提供。 【解決手段】 還元糖を含有する溶液(A)と、少なくと
も必須アミノ酸からなるアミノ酸組成物を含有する溶液
(B)の2液からなる輸液において、溶液(A)はその滴定酸
度が1以下になるように電解質の一部を含有し、かつpH
3.5〜4.5に調整されており、溶液(B)は電解質の残部を
含有する中心静脈投与用輸液。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、還元糖、アミノ酸
及び電解質を含む栄養補給用の輸液に関し、更に詳細に
は、安定化剤及びpH調整剤を実質的に用いることなく還
元糖液の安定化が図られた中心静脈投与用輸液に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】消化器手術の術後患者等は、経口摂取が
不可能な場合が多いため、このような患者の栄養管理
は、一般に中心静脈からの高カロリー輸液(IVH)によ
り行われている。IVHは、上記患者の栄養状態を改善し
かつ良好に保つことにより、患者の回復、治癒を促進す
ることができるものであり、その効果は絶大なものであ
るため、今や外科治療の分野で広く普及している。
【0003】高カロリー輸液製剤としては、糖質、アミ
ノ酸及び電解質を全て含んだ1剤形態のものが理想的で
ある。しかし、糖質としてブドウ糖のような還元糖を用
いる場合、アミノ酸とメイラード反応を起こして褐変の
原因となるため、通常、2室容器の一方の室に還元糖を
電解質と共に収容し、他方の室にアミノ酸を分離収容し
て製剤化することが行われている。そして、この種製剤
では、それぞれの液のpHが、アミノ酸側は通常pH6〜7
程度に調整され、還元糖側は糖の安定化、及びリンとカ
ルシウムやマグネシウムとの沈殿防止のため、pH5程度
或いはそれより若干低いpHに調整されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記製剤において、還
元糖液は、加熱滅菌や保存により還元糖が一部分解し、
着色するおそれがあるので、亜硫酸水素塩、重亜硫酸塩
等の安定化剤を添加したり、pHを低めに設定(4.5前
後)することが行われている。
【0005】ところが、亜硫酸水素塩や重亜硫酸塩は、
喘息患者、アトピー性非喘息患者等の一部の感受性の高
い患者に対し、気管支痙攣、アナフィラキシーショック
等の副作用の原因となることが、近年報告されている。
また、高カロリー輸液製剤には、ビタミン製剤が混注さ
れることが多いが、ビタミンB1(チアミン)は亜硫酸
水素塩や重亜硫酸塩により分解されることが知られてお
り、注意を要する。従って、亜硫酸水素塩や重亜硫酸塩
の添加量は、できるだけ少なくすることが望ましく、い
ずれにしても、安定化剤は生体の必須成分とは異なるも
のであるので、その量は最低限に抑える必要がある。
【0006】一方、上記製剤における還元糖液は、緩衝
性を有しているので、pHを低めに設定しようとすると、
多量のpH調整剤を添加しなければならない。すると、せ
っかく設定した電解質組成がずれたり、無用の電解質が
加わることになり、あまり好ましいとはいえない。
【0007】更に、還元糖液が緩衝性を有していると、
アミノ酸液と混合した後の混合液のpHが、生理的pH(中
性域)と懸け離れてしまいがちである。
【0008】従って、本発明は、安定化剤やpH調整剤を
実質的に用いることなく還元糖を安定化した中心静脈投
与用輸液を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、還元糖側の液の滴
定酸度とpHを特定範囲に調整することにより、還元糖を
安定化することに成功し、本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち本発明は、還元糖を含有する溶液
(A)と、少なくとも必須アミノ酸からなるアミノ酸組成
物を含有する溶液(B)の2液からなる輸液において、溶
液(A)はその滴定酸度が1以下になるように電解質の一
部を含有し、かつpH3.5〜4.5に調整されており、溶液
(B)は電解質の残部を含有することを特徴とする中心静
脈投与用輸液を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明においては、還元糖側の溶
液(A)を、滴定酸度1以下に調整することが必要であ
る。溶液(A)の滴定酸度が1を超えると、溶液(A)のpHを
上記範囲とするためには、どうしてもpH調整剤の添加量
が多くなってしまう。また両液の混合後のpHが生理的pH
から外れてしまうおそれがある。このような滴定酸度の
調整は、還元糖側に配合する電解質の種類を選択するこ
とによって行うことができ、具体的には、電解質中の強
電解質を溶液(A)にできるだけ多く配合することによっ
て行われるが、特に強電解質のみを配合するのが好まし
い。
【0012】ここで、本発明輸液に用いられる電解質と
しては、一般の電解質輸液などに用いられる化合物と同
様のものを使用できる。具体的には、ナトリウム源とし
ては、塩化ナトリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナト
リウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリ
ウム、硫酸ナトリウム、乳酸ナトリウム等が、カリウム
源としては、塩化カリウム、酢酸カリウム、クエン酸カ
リウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウ
ム、硫酸カリウム、乳酸カリウム等が、カルシウム源と
しては、塩化カルシウム、グルコン酸カルシウム、パン
トテン酸カルシウム、乳酸カルシウム、酢酸カルシウム
等が、マグネシウム源としては、硫酸マグネシウム、塩
化マグネシウム、酢酸マグネシウム等が、リン源として
は、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウ
ム、グリセロリン酸ナトリウム等が、塩素源としては、
塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルウシム、塩化
マグネシウム等が、また亜鉛源としては、硫酸亜鉛、塩
化亜鉛等がそれぞれ例示され、これらは水和物形態であ
ってもよい。
【0013】上記電解質のうち、還元糖側の溶液(A)に
は、前述のように強電解質のみを配合することが好まし
く、強電解質の具体例としては、塩化ナトリウム、硫酸
ナトリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、塩化カルシ
ウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硫酸亜
鉛、塩化亜鉛等を挙げることができる。また、配合すべ
き残余の電解質は、アミノ酸側の溶液(B)に配合され
る。なお、溶液(B)に配合される電解質は、強電解質で
あるか否かを問わない。
【0014】なお、カルシウム源及びリン源の電解質を
配合するにあたっては、両者による沈殿を防ぐために、
それぞれ分離して配合するのが好ましく、例えば、カル
シウム源として塩化カルシウム等の強電解質を選び、こ
れを還元糖側溶液(A)に配合し、リン源をアミノ酸側溶
液(B)に配合することが好ましい。また更に、マグネシ
ウム源もリン源との沈殿形成のおそれがあるので、上記
と同様に、強電解質のマグネシウム源を還元糖側溶液
(A)に配合することが好ましい。
【0015】また、本発明輸液において、溶液(A)に用
いられる還元糖としては、ブドウ糖、フルクトース、マ
ルトース等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を
配合することができる。これらのうち、血糖管理の面な
どの点からいえばブドウ糖を用いるのが好ましく、更に
必要に応じて、キシリトール、ソルビトール、グリセリ
ン等の非還元糖の至適量を配合してもよい。還元糖の配
合量は、投与経路等の使用目的に応じて適宜決定できる
が、10〜50w/v%となる濃度範囲で配合するのが好適で
ある。
【0016】上記還元糖溶液(A)は、pH3.5〜4.5、好ま
しくはpH3.8〜4.3に調整される。この際、前述のように
電解質を選択して配合すれば、pHは上記範囲付近となる
ため、通常はpH調整剤を使用する必要はないが、pH調整
剤を使用する場合にも、ごく微量にとどめることができ
る。溶液(A)のpHが3.5に満たないと、両液を混合したと
きのpHが生理的範囲から外れてしまい、4.5を超える
と、還元糖の分解により、液の着色等の品質劣化を来し
てしまう。
【0017】一方、アミノ酸側溶液(B)は、少なくとも
必須アミノ酸からなるアミノ酸組成物を含むことが必要
であり、使用される各アミノ酸は、一般のアミノ酸輸液
と同様、純粋結晶状アミノ酸であるのが好ましい。これ
らは、通常遊離アミノ酸の形態で用いられるが、特に遊
離形態でなくてもよく、薬理学的に許容される塩、エス
テル、N-アシル誘導体、2種のアミノ酸の塩やペプチド
の形態で用いることもできる。
【0018】アミノ酸側溶液(B)は、必要に応じてpH調
整剤を少量添加して、pH6.0〜8.0、特にpH6.0〜7.0に調
整するのが好ましい。溶液(B)のpHが6.0に満たないと、
上記と同様、混合後のpHが生理的範囲から外れてしま
い、8.0を超えると、L-システイン等の酸化され易いア
ミノ酸がより不安定となり好ましくない。
【0019】更に溶液(B)は、アミノ酸の分解を防ぐた
めに、亜硫酸水素塩、重亜硫酸塩等の安定化剤を、必要
に応じて最低限添加してもよいが、本発明の趣旨からす
ると、微量にとどめられるべきである。
【0020】また、溶液(A)及び(B)の体積比は、(A):
(B)=5:1〜1:1の範囲、特に(A):(B)=3:1〜
1.5:1の範囲とするのが好ましい。当該体積比が上記
範囲を外れると、アミノ酸や還元糖の必要投与量と水へ
の溶解度を考慮すれば、安定な製剤を製造することは困
難である。
【0021】かくして調製される本発明輸液は、還元糖
側の溶液(A)に安定化剤を加えることなく、また多量のp
H調整剤を用いることなく、加熱滅菌や保存中における
還元糖の分解が抑えられる。また、溶液(A)の液のpHが
3.5〜4.5であるにもかかわらず、2液の混合後はpHが5.
8〜7.0と中性に近くなる。
【0022】本発明輸液のより好ましい例としては、混
合後の液の組成として下記の範囲のものが挙げられる。
【0023】
【表2】 ブドウ糖 5〜40 w/v% Na+ 25〜70 mEq/l K+ 15〜50 mEq/l Ca2+ 3〜15 mEq/l Mg2+ 3〜10 mEq/l Cl- 25〜70 mEq/l P 5〜20 mmol/l Zn2+ 0〜30 μmol/l L-イソロイシン 1.0〜4.0 g/l L-ロイシン 2.0〜7.0 g/l L-リジン 1.5〜7.5 g/l L-メチオニン 0.5〜2.5 g/l L-フェニルアラニン 1.0〜4.0 g/l L-スレオニン 0.8〜3.0 g/l L-トリプトファン 0.2〜1.2 g/l L-バリン 0.7〜4.2 g/l L-アラニン 1.0〜4.2 g/l L-アルギニン 1.4〜5.5 g/l L-アスパラギン酸 0.1〜1.7 g/l L-システイン 0.1〜0.7 g/l L-グルタミン酸 0.1〜3.0 g/l L-ヒスチジン 0.8〜2.7 g/l L-プロリン 0.6〜2.6 g/l L-セリン 0.3〜1.7 g/l L-チロシン 0〜0.5 g/l グリシン 1.0〜4.5 g/l
【0024】本発明輸液を収容する容器としては特に限
定されないが、例えば易剥離性溶着により隔壁が形成さ
れたもの(特開平2-4671号公報、実開平5-5138号公報
等)、室間をクリップで挟むことにより隔壁が形成され
たもの(特開昭63-309263号公報等)、隔壁に開封可能
な種々の連通手段を設けたもの(特公昭63-20550号公報
等)などの連通可能な隔壁で隔てられた2室容器が挙げ
られる。これらのうち、隔壁が易剥離性溶着により形成
されたものが、大量生産に適しておりまた連通作業も容
易であるので好ましい。
【0025】また、上記容器の材質としては、医療用容
器等に慣用されている各種のガス透過性プラスチック、
例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニ
ル、架橋エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・α
−オレフィン共重合体、これら各ポリマーのブレンドや
積層体などが挙げられる。
【0026】なお、容器への本発明輸液の充填、収容
は、常法に従って行うことができ、例えば、各液を各室
に不活性ガス雰囲気下で充填後、施栓し、加熱滅菌する
方法が挙げられる。ここで、加熱滅菌は、高圧蒸気滅
菌、熱水シャワー滅菌等の公知の方法を採用することが
でき、必要に応じて二酸化炭素、窒素等の不活性ガス雰
囲気中で行うことができる。
【0027】更に、上記容器に収容された本発明輸液
は、変質、酸化等を確実に防止するために、該容器を脱
酸素剤と共にガス非透過性外装容器で包装するのが好ま
しく、とりわけ容器として隔壁が易剥離性溶着により形
成されたものを採用した場合は、外圧により隔壁が連通
しないように該隔壁部にて折り畳まれた状態で包装する
のが好ましい。また、必要に応じて不活性ガス充填包装
等を行うこともできる。
【0028】上記包装に適したガス非透過性外装容器の
材質としては、一般に汎用されてる各種材質のフィル
ム、シート等を使用できる。その具体例としては、例え
ばエチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニ
リデン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコー
ル、ポリアミド、ホリエステル等、又はこれらの少なく
とも1種を含む材質からなるフィルム、シート等が挙げ
られる。
【0029】また、脱酸素剤としては、公知の各種のも
の、例えば水酸化鉄、酸化鉄、炭化鉄等の鉄化合物を有
効成分とするものを使用することができる。その代表的
な市販品の商品名としては、「エージレス」(三菱ガス
化学社製)、「モジュラン」(日本化薬社製)、「セキ
ュール」(日本曹達社製)等が挙げられる。
【0030】なお、本発明輸液の投与時には、必要に応
じて他の配合薬、例えば各種ビタミン類、微量元素(ミ
ネラル)等を任意に添加配合することもできる。該ビタ
ミン類としては、水溶性及び脂溶性を問わず各種のも
の、例えばパルミチン酸レチノール、塩酸チアミン、リ
ボフラビン、塩酸ピリドキシン、シアノコバラミン、ア
スコルビン酸、コレカシフェロール、酢酸トコフェロー
ル、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、葉
酸、ビオチン、フィトナジオン等が挙げられる。
【0031】
【実施例】以下、実施例を挙げて更に詳細に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0032】実施例1 ブドウ糖、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウム、塩化カ
ルシウム及び硫酸亜鉛をを注射用蒸留水に溶解し、ブド
ウ糖167g/l、塩化ナトリウム2.93g/l、硫酸マグネシウ
ム1.03g/l、塩化カルシウム0.61g/l、硫酸亜鉛9.6ppmの
組成の糖電解質液〔溶液(A)〕を調製した。この液のpH
は4.3、滴定酸度は0.1であった。一法、下記の結晶アミ
ノ酸及び電解質を注射用蒸留水に溶解し、pH調整剤とし
て微量の酢酸を用いてpHを7.0として、下記組成のアミ
ノ酸電解質液〔溶液(B)〕を製造した。なお、B液に
は、安定化剤として亜硫酸水素ナトリウムを濃度200ppm
となるように添加した。
【0033】
【表3】 L-イソロイシン 8.0 g/l L-ロイシン 14.0 g/l 酢酸L-リジン 14.8 g/l L-メチオニン 3.9 g/l L-フェニルアラニン 7.0 g/l L-スレオニン 5.7 g/l L-トリプトファン 2.0 g/l L-バリン 8.0 g/l L-アラニン 8.0 g/l L-アルギニン 10.5 g/l L-アスパラギン酸 1.0 g/l L-システイン 1.0 g/l L-グルタミン酸 1.0 g/l L-ヒスチジン 5.0 g/l L-プロリン 5.0 g/l L-セリン 3.0 g/l L-チロシン 0.5 g/l グリシン 5.9 g/l クエン酸ナトリウム 2.4 g/l 酢酸カリウム 3.93 g/l リン酸水素二カリウム 5.22 g/l
【0034】両液を無菌濾過し、溶液(A)の600ml及び溶
液(B)の200mlを、それぞれ窒素置換下、ポリエチレン製
2室容器の各室に充填し、密封した後、常法に従い高圧
蒸気滅菌を行って、中心静脈投与用輸液を得た。なお、
この輸液の溶液(A)及び(B)を混合した後の液のpHは、6.
7であった。
【0035】実施例2 ブドウ糖、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウム、塩化カ
ルシウム及び硫酸亜鉛を注射用蒸留水に溶解し、ブドウ
糖292g/l、塩化ナトリウム2.83g/l、硫酸マグネシウム
1.23g/l、塩化カルシウム0.73g/l、硫酸亜鉛9.6ppmの組
成の糖電解質液〔溶液(A)〕を調製した。この液のpHは
4.2、滴定酸度は0.1であった。一方、下記の結晶アミノ
酸及び電解質を注射用蒸留水で溶解し、pH調整剤として
微量の酢酸を用いてpHを7.0として、下記組成のアミノ
酸電解質液〔溶液(B)〕を製造した。なお、溶液(B)に
は、安定化剤として亜硫酸水素ナトリウムを濃度200ppm
となるように添加した。
【0036】
【表4】 L-イソロイシン 8.0 g/l L-ロイシン 14.0 g/l 酢酸L-リジン 14.8 g/l L-メチオニン 3.9 g/l L-フェニルアラニン 7.0 g/l L-スレオニン 5.7 g/l L-トリプトファン 2.0 g/l L-バリン 8.0 g/l L-アラニン 8.0 g/l L-アルギニン 10.5 g/l L-アスパラギン酸 1.0 g/l L-システイン 1.0 g/l L-グルタミン酸 1.0 g/l L-ヒスチジン 5.0 g/l L-プロリン 5.0 g/l L-セリン 3.0 g/l L-チロシン 0.5 g/l グリシン 5.9 g/l クエン酸ナトリウム 1.94 g/l 酢酸カリウム 2.3 g/l リン酸水素二カリウム 5.22 g/l
【0037】両液を無菌濾過し、溶液(A)の600ml及び溶
液(B)の300mlを、それぞれ窒素置換下、ポリエチレン製
2室容器の各室に充填し、密封した後、常法に従い高圧
蒸気滅菌を行って、中心静脈投与用輸液を得た。なお、
この輸液の溶液(A)及び(B)を混合した後の液のpHは、6.
6であった。
【0038】実施例3 ブドウ糖、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウム、塩化カ
ルシウム及び硫酸亜鉛を注射用蒸留水に溶解し、ブドウ
糖417g/l、塩化ナトリウム2.54g/l、硫酸マグネシウム
1.44g/l、塩化カルシウム1.10g/l、硫酸亜鉛9.6ppmの組
成の糖電解質液〔溶液(A)〕を調製した。この液のpHは
4.1、滴定酸度は0.1であった。一方、下記の結晶アミノ
酸及び電解質を注射用蒸留水で溶解し、pH調整剤として
微量の酢酸を用いてpHを7.0として、下記組成のアミノ
酸電解質液〔溶液(B)〕を製造した。なお、溶液(B)に
は、安定化剤として亜硫酸水素ナトリウムを濃度200ppm
となるように添加した。
【0039】
【表5】 L-イソロイシン 8.0 g/l L-ロイシン 14.0 g/l 酢酸L-リジン 14.8 g/l L-メチオニン 3.9 g/l L-フェニルアラニン 7.0 g/l L-スレオニン 5.7 g/l L-トリプトファン 2.0 g/l L-バリン 8.0 g/l L-アラニン 8.0 g/l L-アルギニン 10.5 g/l L-アスパラギン酸 1.0 g/l L-システイン 1.0 g/l L-グルタミン酸 1.0 g/l L-ヒスチジン 5.0 g/l L-プロリン 5.0 g/l L-セリン 3.0 g/l L-チロシン 0.5 g/l グリシン 5.9 g/l クエン酸ナトリウム 2.19 g/l 酢酸カリウム 1.47 g/l リン酸水素二カリウム 5.22 g/l
【0040】両液を無菌濾過し、溶液(A)の600ml及び溶
液(B)の400mlを、それぞれ窒素置換下、ポリエチレン製
2室容器の各室に充填し、密封した後、常法に従い高圧
蒸気滅菌を行って、中心静脈投与用輸液を得た。なお、
この輸液の溶液(A)及び(B)を混合した後の液のpHは、6.
6であった。
【0041】実施例4 溶液(B)のpHを6にする以外は、実施例1と同様にし
て、中心静脈投与用輸液を得た。なお、この輸液の溶液
(A)及び(B)を混合した後の液のpHは、5.9であった。
【0042】実施例5 溶液(B)のpHを6にする以外は、実施例2と同様にし
て、中心静脈投与用輸液を得た。なお、この輸液の溶液
(A)及び(B)を混合した後の液のpHは、5.9であった。
【0043】実施例6 溶液(B)のpHを6にする以外は、実施例3と同様にし
て、中心静脈投与用輸液を得た。なお、この輸液の溶液
(A)及び(B)を混合した後の液のpHは、5.8であった。
【0044】比較例 ブドウ糖167g/l、塩化ナトリウム2.93g/l、硫酸マグネ
シウム1.03g/l、塩化カルシウム0.61g/l、クエン酸ナト
リウム0.8g/l、酢酸カリウム1.31g/l、リン酸二水素カ
リウム1.74g/l、硫酸亜鉛9.6ppmの組成の溶液を調製し
た(pH7.5)。この溶液のpHを、酢酸4g/lを用いて4.3
に調整し、糖電解質液〔溶液(A)〕を得た。この液の滴
定酸度は32.0であった。一方、上記実施例と同様にして
下記の組成のアミノ酸液〔溶液(B);pH7〕を製造し
た。
【0045】
【表6】 L-イソロイシン 8.0 g/l L-ロイシン 14.0 g/l 酢酸L-リジン 14.8 g/l L-メチオニン 3.9 g/l L-フェニルアラニン 7.0 g/l L-スレオニン 5.7 g/l L-トリプトファン 2.0 g/l L-バリン 8.0 g/l L-アラニン 8.0 g/l L-アルギニン 10.5 g/l L-アスパラギン酸 1.0 g/l L-システイン 1.0 g/l L-グルタミン酸 1.0 g/l L-ヒスチジン 5.0 g/l L-プロリン 5.0 g/l L-セリン 3.0 g/l L-チロシン 0.5 g/l グリシン 5.9 g/l
【0046】両液を無菌濾過し、A液の600ml及び溶液
(B)の200mlを、それぞれ窒素置換下、ポリエチレン製2
室容器の各室に充填し、密封後、上記実施例と同一条件
で高圧蒸気滅菌を行い、中心静脈投与用輸液を得た。こ
の輸液の溶液(A)及び(B)を混合した後の液のpHは、5.3
と酸性に偏っていた。
【0047】試験例 実施例1〜3で調製した各糖電解質液〔溶液(A)〕を、
容量300mlの透明ポリエチレン製輸液バックに充填し、1
06℃で40分間滅菌した後、40℃、75%RHで30日間保存し
て、液の着色状況を目視観察した。その結果、上記いず
れの液も、無色澄明で変化は観られなかった。一方、比
較例において、pHの調整を行わない糖電解質液〔溶液
(A)〕について同様の試験を行ったところ、滅菌直後か
ら既に淡黄色に着色していた。
【0048】
【発明の効果】本発明の中心静脈投与用輸液は、安定化
剤及びpH調整剤を実質的に用いることなく還元糖液の安
定化が図られたものである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 31/425 A61K 31/425

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 還元糖を含有する溶液(A)と、少なくと
    も必須アミノ酸からなるアミノ酸組成物を含有する溶液
    (B)の2液からなる輸液において、溶液(A)はその滴定酸
    度が1以下になるように電解質の一部を含有し、かつpH
    3.5〜4.5に調整されており、溶液(B)は電解質の残部を
    含有することを特徴とする中心静脈投与用輸液。
  2. 【請求項2】 溶液(A)に配合される電解質が、全て強
    電解質である請求項1記載の中心静脈投与用輸液。
  3. 【請求項3】 溶液(A)が、安定化剤及びpH調製剤を実
    質的に含まないものである請求項1又は2記載の中心静
    脈投与用輸液。
  4. 【請求項4】 電解質のうち、カルシウム塩が溶液(A)
    に配合され、リン化合物が溶液(B)に配合されているも
    のである請求項1〜3のいずれかに記載の中心静脈投与
    用輸液。
  5. 【請求項5】 電解質のうち、マグネシウム塩が溶液
    (A)に配合され、リン化合物が溶液(B)に配合されている
    ものである請求項1〜4のいずれかに記載の中心静脈投
    与用輸液。
  6. 【請求項6】 溶液(A)がブドウ糖10〜50w/v%を含み、
    溶液(A)と溶液(B)の体積比が5:1〜1:1である請求
    項1〜5のいずれかに記載の中心静脈投与用輸液。
  7. 【請求項7】 溶液(B)のpHが6.0〜8.0であり、溶液(A)
    と溶液(B)の混合後の液のpHが5.8〜7.0である請求項1
    〜6のいずれかに記載の中心静脈投与用輸液。
  8. 【請求項8】 溶液(A)及び(B)の混合後の組成が、 【表1】 ブドウ糖 5〜40 w/v% Na+ 25〜70 mEq/l K+ 15〜50 mEq/l Ca2+ 3〜15 mEq/l Mg2+ 3〜10 mEq/l Cl- 25〜70 mEq/l P 5〜20 mmol/l Zn2+ 0〜30 μmol/l L-イソロイシン 1.0〜4.0 g/l L-ロイシン 2.0〜7.0 g/l L-リジン 1.5〜7.5 g/l L-メチオニン 0.5〜2.5 g/l L-フェニルアラニン 1.0〜4.0 g/l L-スレオニン 0.8〜3.0 g/l L-トリプトファン 0.2〜1.2 g/l L-バリン 0.7〜4.2 g/l L-アラニン 1.0〜4.2 g/l L-アルギニン 1.4〜5.5 g/l L-アスパラギン酸 0.1〜1.7 g/l L-システイン 0.1〜0.7 g/l L-グルタミン酸 0.1〜3.0 g/l L-ヒスチジン 0.8〜2.7 g/l L-プロリン 0.6〜2.6 g/l L-セリン 0.3〜1.7 g/l L-チロシン 0〜0.5 g/l グリシン 1.0〜4.5 g/l である請求項1〜7のいずれかに記載の中心静脈投与用
    輸液。
  9. 【請求項9】 加熱滅菌されたものである請求項1〜8
    のいずれかに記載の中心静脈投与用輸液。
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