JPH1087366A - 自動車用酸素センサー - Google Patents

自動車用酸素センサー

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JPH1087366A
JPH1087366A JP9150641A JP15064197A JPH1087366A JP H1087366 A JPH1087366 A JP H1087366A JP 9150641 A JP9150641 A JP 9150641A JP 15064197 A JP15064197 A JP 15064197A JP H1087366 A JPH1087366 A JP H1087366A
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JP
Japan
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sintered body
weight
powder
zirconia
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JP9150641A
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English (en)
Inventor
Shigeru Tanaka
田中  滋
Satoru Ogiwara
覚 荻原
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高い機械的強度と、耐熱衝撃性を両立したジル
コニア焼結体を備えた自動車用酸素センサーを提供する
こと。 【解決手段】キュービック相が45〜75重量%、テト
ラゴナル相が10〜30重量%、モノクリニック相が1
0〜25重量%からなる部分安定化ジルコニア焼結体を
備えることを特徴とする自動車用酸素センサー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用酸素セン
サーに係わり、特に高い機械的強度と耐熱衝撃性を両立
した自動車用酸素センサーに関する。
【0002】
【従来の技術】酸素センサーの酸素検知素子として使わ
れるジルコニア焼結体は、センサー組立工程において割
れない強度が必要であり、かつ高温の排ガス中等で急激
な温度変化を受け易い雰囲気下で使われるために、優れ
た耐熱衝撃性が要求される。すなわち信頼性のあるセン
サーを得るには、強度・耐熱衝撃性の2つの要因を満足
する様なジルコニア焼結体を用いる必要がある。この種
のジルコニア焼結体を得る方法として、特開昭59−4195
2 号公報記載のようなキュービック相とモノクリニック
相を混在させることで熱膨脹係数を下げ、耐熱衝撃性を
向上させる方法が知られている。また、特開昭56−1114
56号公報記載のようなキュービック相の粒径を小さくし
て、強度を増し耐熱衝撃性を向上させる方法も知られて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、キュー
ビック相とモノクリニック相との混相からなるジルコニ
ア焼結体の場合、熱膨脹係数を下げ、耐熱衝撃性を向上
させることでは効果があるが、焼結性を高めるために高
温で焼成することが必要であり、そのために粒成長が起
こり強度が向上しないという問題点があった。一方、粒
径の小さなキュービック相のみからなるジルコニア焼結
体では、熱膨脹係数が110×10-7-1と比較的大き
く、穏やかな温度変化が起きる様な雰囲気下では、熱衝
撃による破損は起こりにくいが急激な熱変化を生ずる条
件下では焼結体内部に多大な熱応力が発生し、破損に至
ることがある。すなわちキュービック相のみから成るジ
ルコニア焼結体では、熱衝撃の点で大きな改善は望めな
い。つまり上記2種の従来技術では、耐熱衝撃性,強度
の向上という個々の点では、夫々効果はあるが、2種の
要求を同時に満たすという点で配慮がされていなかっ
た。
【0004】本発明の目的は、センサー組立工程時にか
かる機械的強度に耐える強度を有し、かつ温度変化の激
しい雰囲気下で使用しても破損に至らない耐熱衝撃性を
有するジルコニア焼結体を備えた自動車用酸素センサー
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】酸化ジルコニウム(ジル
コニア)は、3種の結晶形態があり、室温で安定なモノ
クリニック相,1100℃〜2300℃で安定なテトラ
ゴナル相,2300℃以上で安定なキュービック相に区
別される。このジルコニアに2価の金属酸化物である酸
化カルシウム(カルシア),酸化マグネシウム(マグネ
シア)や、3価の金属酸化物である酸化イットリウム
(イットリア)などを固溶すると、最高温相であるキュ
ービック相が、室温においても安定に存在し、そのキュ
ービック相が良好な酸素イオン導電性を示し、酸素セン
サーとして有効であることが知られている。しかし酸素
センサーの如く温度変化の激しい雰囲気下で使用する場
合、キュービック相のみからなる焼結体では強度・耐熱
衝撃性ともに充分でなく、耐熱衝撃性を改善すべく為さ
れたキュービック相にモノクリニック相を分散させた焼
結体でも、強度の点で充分な信頼性を得るに至っていな
いことは既に述べた。本発明者等は、強度・耐熱衝撃性
の両方を満足するようなジルコニア焼結体を得るべく鋭
意研究を進めた結果、ジルコニア原料粉の粒径を微細化
すると高温相であるテトラゴナル相が室温まで安定に存
在するという事実、さらに上記テトラゴナル相を含んで
いる焼結体は、本質的に高強度を有するという事実を知
った。一方、キュービック相,モノクリニック相の混相
である焼結体が耐熱衝撃性に優れているといわれる理由
は、焼結体の熱膨脹係数が小さいということだけでな
く、クラックが進展しづらい組織構造になっている為と
いうことが分かった。すなわち焼結体中に生じたクラッ
クの破壊エネルギーを、焼結体中に分散している小さな
モノクリニック粒子が、吸収するためと考えられる。そ
こで上記の事実に鑑みて、キュービック相にモノクリニ
ック相ならびにテトラゴナル相を分散させたところ、上
記の3種の相がある割合の範囲内で存在すると高強度を
有し、耐熱衝撃性にも優れた焼結体を得ることができ
た。前記存在割合の範囲外では、例えばモノクリニック
相が多く、テトラゴナル相が少ない場合、焼結性が悪く
なり、またモノクリニック相は抵抗率が大きいため、酸
素イオン導電性を減少する。逆にモノクリニック相が少
なく、テトラゴナル相が多いと熱衝撃を受けた時のテト
ラゴナル相→モノクリニック相の変態で生ずるクラック
が大きく進展し、容易に破損に至る。
【0006】さて、本発明の様に、テトラゴナル相を室
温で安定に存在させるためには、焼結体の粒子径を小さ
くすることが重要である。構成粒子が大きくなると、強
度が小さくなり、また焼成冷却過程でテトラゴナル相
は、ほとんどモノクリニック相に変態してしまい組織の
破壊につながり、本発明の如きジルコニア焼結体は得ら
れない。本発明においてキュービック相,テトラゴナル
相,モノクリニック相の存在割合範囲はそれぞれ45〜
75重量%,10〜30重量%,10〜25重量%に規
定したが、48〜70重量%,15〜28重量%,15
〜23重量%が良く、最も好ましいのは50〜65重量
%,18〜25重量%,18〜22重量%である。ジル
コニアの結晶相は、安定化剤の添加量と、出発原料粉の
粒径および焼結温度で調節できる。すなわち、キュービ
ック相を多くするには安定化剤を増やし、モノクリニッ
ク相を多くするには安定化剤を少なくすることにより焼
結体の組成比を調整ないし変更できる。さらに、テトラ
ゴナル相はこの中間にでてくるもので、粉末粒径を細か
くすると熱処理過程において非平衡反応で焼結体中に出
現してくる。本発明の如きジルコニア焼結体を得るに
は、イットリア等の安定化剤を例えばジルコニアに対し
4〜6mol% に選定し、混合・粉砕後の粒径を例えば
0.7〜1.5μmにし、かつこの材料の焼成温度を適当
に選べばよい。
【0007】この焼結体を得るための工業用ジルコニア
原料粉には、若干量の酸化ハフニウム,酸化チタニウム
などが含まれており、本発明のジルコニア焼結体中に上
記不純物成分が含まれることは許容されるものとする。
さらに焼結助剤として酸化アルミニウム,二酸化ケイ
素,酸化鉄などを使用するのは普通であり、これらの助
剤を使用しても本発明の効果に変わりはない。尚、上記
焼結体助剤の添加量は、ジルコニア原料粉(安定化剤含
む)に対して、3重量%以下が良い。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例により詳細
に説明する。
【0009】(実施例1)融解法によって調整されたジ
ルコニア粉末(第一稀元素化学社製,PSZgrade)に
表1に記載した様な割合でイットリア粉末(信越化学社
製,平均粒径3μm)を湿式ボールミルで7〜20時間
混合後1200〜1350℃で3〜5時間、電気炉中で
仮焼し、それを再び湿式ボールミルで3〜10時間粉砕
し、粉砕後の平均粒径が0.5〜1.3μmになる様なイ
ットリア含有ジルコニア粉末を用意した(表1,No.1
〜34)。さらに中和共沈法によって合成されたイット
リア安定化ジルコニア粉末、及びイットリア部分安定化
ジルコニア粉末(東洋曹達工業社製)も用意した(表
1,No.5〜42)。
【0010】こうして得たジルコニア原料粉末に結合剤
としてポリビニアルコール(P.V.A.重合度1500)
を粉末に対して3〜8重量%相当量混合し、ふるいにか
けて整粒し、400〜1000kg/cm2 で金形成形し
た。尚、成形圧力は、成形体の密度が理論密度の40〜
50%になる様に選んだ。続いて、各成形体を空気中に
おいて1400〜1600℃で各1時間焼成した。その
時の昇降温度は300℃/h、冷却時は900℃から炉
冷した。こうして得られたジルコニア焼結体を、以下の
項目によって評価した。
【0011】(1)かさ比重測定及び焼結状態の確認 アルキメデス法によって試料のかさ比重を、さらにスカ
ーレット浸透液の含浸の有無によって焼結状態を判断し
た。
【0012】(2)曲げ強度試験 試料を3×4×35mmの寸法に切断し、鏡面仕上げ後、
室温で4点曲げ試験を行った。
【0013】(3)耐熱衝撃性試験 電機炉中で所定の温度に10〜15分間保持した試料
(鏡面仕上げ,寸法3×4×35mm)を水中に落下さ
せ、その後4点曲げ強度試験を行った。曲げ強度が室温
と変わらない温度をもって熱衝撃の目安とした。
【0014】(4)X線回折 試料の表面を軽く研磨した後X線回折によって構成成分
の同定を行い、以下に示す式に基づいてジルコニアの各
結晶相の存在割合(重量%)を求めた。〔R.A.ミュラ
ー,アドバンセス・イン・セラミックス3巻1981年
(R.A.Miller etal,Advances in Ceramics Vol.3(198
1)p241)〕
【0015】
【数1】
【0016】C=1−(M+T) ここでM,T,Cは、それぞれモノクリニック相テトラ
ゴナル相,キュービック相の存在割合、Im(11
1),Im(11T)は、それぞれモノクリニック相の
(111)面,(11T)面からのX線回折ピーク強
度,Itc(111)はテトラゴナル相とキュービック相
の(111)面からのピーク強度、It(400), I
t(004)は、それぞれテトラゴナル相の(400)
面,(004)面からのピーク強度,IC(400)はキ
ュービック相の(400)面からのピーク強度である。
【0017】(5)焼結体組織の観察 走査型電子顕微鏡(S.E.M)及び透過型電子顕微鏡
(T.E.M)を用いて、試料の表面及び破面を観察し、
粒子径を測定した。
【0018】なお、表1において評価は、耐熱衝撃性と
曲げ強度の両者を加味し、○:優れている、△:やや劣
る、×:劣る、の3段階で示した。
【0019】
【表1】
【0020】表1から、No.1〜10,12,19,2
0,26,31〜34に見られるように、構成結晶相の
存在割合が、本発明の範囲外にある様な試料は、強度・
耐熱衝撃温度ともに低い。一方No.11,13〜18,
21〜25,27〜30,36〜39の様に焼結体中の
テトラゴナル相の存在割合が高いと曲げ強度は、大きく
なっている。ところが、テトラゴナル相は200〜30
0℃、特に250℃付近で急速に不安定化し、モノクリ
ニック相に変態を起こし始める。その際に生ずる堆積膨
脹の為に、焼結体中にマイクロクラックを大きく促進さ
せて図1に示す如く、曲げ強度を急激に落とす。強度が
急落した試料の破面を観察したところ、粒内破壊を起こ
していた。この様に、テトラゴナル相は強度を向上させ
るのには大いに有効であるが、その量が多くなりすぎる
と、耐熱衝撃性には逆に負の要因となる。
【0021】ところで、表1よりテトラゴナル相を室温
においても安定に存在させるには、焼結体組織の粒子径
を小さくしなければならないことがわかる。粒子径が大
きいと、焼結体そのものの強度が出ず、またテトラゴナ
ル相がモノクリニック相に変態しやすくなり、組織の破
壊を招く(No.6−No.12,No.30−No.32)。次
に焼結状態の良好な試料内、キュービック相とモノクリ
ニック相との混在した焼結体では、No.5に見られる様
に強度が低い割には、比較的、耐熱衝撃温度は高い。キ
ュービック用のみからなる試料では、No.33,34の
如く耐熱衝撃温度が低いことから、熱衝撃に対して、モ
ノクリニック相が、以下に有効であるかがわかる。この
理由は、焼結体中にクラックが入った時、モノクリニッ
ク相の微粒子によってクラックの破壊エネルギーが緩和
吸収されるためと思われる。
【0022】以上の結果に基づいて、充分な機械的強度
を有し、かつ耐熱衝撃温度の高いジルコニア焼結体を検
討したところ、キュービック相,テトラゴナル相,モノ
クリニック相の三相からなり、その存在範囲が、夫々4
5〜75重量%,10〜30重量%,10〜25重量%
であり、かつキュービック相の粒径は5μm以下、テト
ラゴナル相,モノクリニック相の粒径が0.8μm 以下
になっている焼結体が良いということがわかった。
【0023】本発明の前述の実施例では、安定化剤とし
てイットリアを用いているが、酸化カルシウム,酸化マ
グネシウム等を用いてもよい。
【0024】なお、表1のC.T.M量と評価の関係を図
2に示す。図中太線内は本発明の範囲を示すものであ
る。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、高い機械的強度と、耐
熱衝撃性を両立したジルコニア焼結体を備えた自動車用
酸素センサーが提供できる。
【0026】本発明のセンサーは、製造時の歩留り向上
を図ることができ、更に高い信頼性を有する。また、本
発明のジルコニア焼結体は耐熱衝撃が優れているので、
内燃機関のシリンダーヘッドなどにも適用することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の焼結体試料の耐熱衝撃温度と曲げ強さ
の関系を示す曲線図である。
【図2】本発明の焼結体の結晶組成キュービック相
(C),テトラゴナル相(T),モノクリニック相
(M)の量と、評価との関系を示す図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】キュービック相が45〜75重量%,テト
    ラゴナル相が10〜30重量%,モノクリニック相が1
    0〜25重量%からなる部分安定化ジルコニア焼結体を
    備えることを特徴とする自動車用酸素センサー。
  2. 【請求項2】前記キュービック相が50〜65重量%,
    前記テトラゴナル相が18〜25重量%,前記モノクリ
    ニック相が18〜22重量%である特許請求の範囲第1
    項記載の自動車用酸素センサー。
  3. 【請求項3】請求項1または2において、前記キュービ
    ック相の結晶粒径が5μm以下、前記テトラゴナル相お
    よび前記モノクリニック相の結晶粒径が0.8μm 以下
    であることを特徴とする自動車用酸素センサー。
  4. 【請求項4】ジルコニア粉末をイットリア粉末と混合す
    る工程、 混合した粉末を仮焼して仮焼体を製造する工程、 該仮焼体を粉砕して平均粒径0.5〜1.3μmの原料粉
    末を製造する工程、 該原料粉末を成形して成形体を製造する工程、 該成形体を1400〜1600℃の温度で焼成する工
    程、を含むことを特徴とするジルコニア焼結体の製造方
    法。
JP9150641A 1997-06-09 1997-06-09 自動車用酸素センサー Pending JPH1087366A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11316211A (ja) * 1998-03-05 1999-11-16 Denso Corp 積層型空燃比センサ素子
JP2008286569A (ja) * 2007-05-16 2008-11-27 Ngk Spark Plug Co Ltd センサ素子及びこのセンサ素子を備えるガスセンサ
JP2012027036A (ja) * 2011-09-26 2012-02-09 Ngk Spark Plug Co Ltd センサ素子及びこのセンサ素子を備えるガスセンサ
US10801989B2 (en) 2015-08-27 2020-10-13 Denso Corporation A/F sensor and method of manufacturing the same

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