JPH1086138A - 孔明け加工装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 粉塵の発生を防止し、且つ作業現場での染み
の発生等を防止できる孔明け加工装置を提供すること。 【解決手段】 回転駆動手段に接続された中空円筒状の
筒体３の先端に切刃４を設け、前記回転駆動手段で筒体
３を回転させることにより、切刃４でコンクリート板６
等に孔明け加工を行う孔明け加工装置において、筒体３
内に吸水可能なスポンジ状の粉塵吸着材５を着脱自在に
装着したもの。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、コンクリート板等に孔
明け加工を行う際に用いる孔明け加工装置に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】従来、住宅の建築又は改修時等に、軽量
気泡コンクリート板（ＡＬＣ板）や押し出し成形セメン
ト板（商品名：アスロック）等のコンクリート板に、ド
レン用や雨樋、ガス管の接続用等の孔を明ける場合、図
３に示すような孔明け加工装置を用いている。

【０００３】この孔明け加工装置は、モータを内蔵した
本体１の先端にドリル２を回転自在に設け、且つこのド
リル２の外周に、ドリル２と同芯に円筒状の筒体３を配
置し、筒体３の先端に切刃４を形成したものである。ド
リル２の先端は、切刃４より前方に位置している。孔明
け時には、まず、ドリル２を不図示のコンクリート板に
噛み込ませることにより、孔明け位置を定め、続いて、
切刃４を前記コンクリート板に噛み込ませることによ
り、このコンクリート板に切刃４の径に応じた孔を明け
るものである。

【０００４】ところが、前記の孔明け時には、コンクリ
ート板から多量の粉塵が発生し、これが建築中の住宅の
鋼材等の構築材に付着する不具合があるばかりでなく、
作業者が吸引した場合、作業者の健康を損なう恐れがあ
り、更に、孔明け作業に伴って、大きな騒音が発生する
問題もある。そこで、従来、孔明け時に、（１）作業現
場をシートで囲んだり、（２）送風機で粉塵を拡散させ
たり、（３）作業中に注水して粉塵を吸収することによ
り、拡散を防止する等の種々の対策が取られている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところが、前記（１）
の対策では、シートで作業現場を取り囲むのに手間が掛
かり、又、前記（２）の対策では、粉塵が広範囲に拡散
するので、他の作業者や、近隣の住宅等に悪影響が及ぶ
恐れがあり、且つ清掃等の後始末も煩雑になる。更に、
前記（３）の対策では、作業現場に水道等の注水設備が
ない場合、注水に手間が掛かるとともに、粉塵を吸収し
た水が周囲に流れ出した場合、粉塵によって染みが付く
恐れがある。特に、室内の内装が仕上がっている場合
は、内装に染みが付くのを防止する必要上、（３）の注
水法は適当ではない。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決し、粉塵の発生を防止し、且つ作業現場での粉塵に
よる染みの発生等を防止できる孔明け加工装置を提供す
ることを目的とする。そのため、本発明の孔明け加工装
置は、回転駆動手段に接続された中空円筒状の筒体の先
端に切刃を設け、前記回転駆動手段で筒体を回転させる
ことにより、前記切刃でコンクリート板等に孔明け加工
を行う孔明け加工装置において、前記筒体内に吸水可能
なスポンジ状の粉塵吸着材を着脱自在に装着したことを
特徴とするものである。

【０００７】前記の孔明け加工装置を用いて、コンクリ
ート板等に穿孔する場合、前記粉塵吸着材に予め吸水さ
せた上で前記筒体内に配置し、この状態で、前記回転駆
動手段で前記筒体を回転させることにより、前記切刃で
コンクリート板に孔を明ける。この孔明け作業中に、コ
ンクリート板から発生する切粉、つまり、粉塵は、前記
水を含んだ粉塵吸着材にペースト状に吸着され、周囲へ
の粉塵の拡散は最小限に抑制される。又、ペースト状の
粉塵は、孔明け加工終了時まで、粉塵吸着材により保持
されるので、室内の内装等に染みを付けることもない。

【０００８】更に、粉塵吸着材に水を含ませることによ
って、孔明け加工時の回転音、摩擦音も低減され、騒音
レベルも低下する。孔明け終了後は、粉塵吸着材を筒体
から取り出して、洗浄することにより、繰り返し使用す
ることが可能であるとともに、粉塵が拡散しないので、
清掃等の後始末も容易になる。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図３に示すように、本実施の形態
の孔明け加工装置は基本的には、従来のものと同様の構
成であり、図示しないモータ（回転駆動手段）を内蔵し
た本体１の先端にドリル２を設けるとともに、ドリル２
の周囲に筒体３を配置し、筒体３の先端に切刃４（ホー
ルソー）を形成している。

【００１０】図１に示すように、筒体３内には、連続発
泡スポンジ等からなり、伸縮可能で且つ吸水可能なスポ
ンジ状の粉塵吸着材５が着脱自在に配置されるようにな
っている。粉塵吸着材５は、円筒状で、軸方向中央位置
には、ドリル２が貫通する中心孔６が形成されている。
粉塵吸着材５の外径は、自由状態（非圧縮状態）で、筒
体３の内径と略同程度か、それより若干大きくなるよう
に設定されている。

【００１１】前記孔明け加工装置を用いて、コンクリー
ト板に穿孔する場合、まず、粉塵吸着材５に水を含ませ
た上で、筒体３内に装着する。或いは、未吸水の粉塵吸
着材５を筒体３内に装着した状態で、筒体３全体を水に
浸して、粉塵吸着材５に吸水させてもよい。

【００１２】その後、本体１内の前記モータでドリル２
及び筒体３を一体的に回転させ、まず、ドリル２をコン
クリート板に噛み込ませて穿孔位置を定め、続いて、筒
体３の先端の切刃４をコンクリート板に噛み込ませて、
穿孔する。図２に示すように、孔明け時に、筒体３内の
粉塵吸着材５が圧縮されながらコンクリート板７に押し
付けられ、粉塵吸着材５内の水が僅かずつコンクリート
板７の表面に溢れ出し、穿孔部で発生する切粉、つま
り、粉塵をペースト状に吸着する。

【００１３】このペースト状の粉塵は、穿孔作業の終了
時まで粉塵吸着材５によって、吸着、保持され、外部へ
の粉塵の拡散が最小限に抑制されるとともに、前記ペー
スト状の粉塵が粉塵吸着材５によって吸着、保持される
ので、室内の内装等に染みが付くことも防止される。更
に、筒体３内に水を含んだ粉塵吸着材５が装着されてい
るので、孔明け作業時の回転音、摩擦音が抑制され、騒
音レベルも低下する。孔明け作業が終了すると、粉塵吸
着材５を筒体３から取り出し、吸着された粉塵を洗い落
として、再使用することができる。なお、前記実施の形
態では、粉塵吸着材５を円筒状に形成したが、粉塵吸着
材５は多角柱状等の形状としてもよい。

【００１４】

【発明の効果】以上のように本発明の孔明け加工装置
は、回転駆動手段に接続された中空円筒状の筒体の先端
に切刃を設け、前記回転駆動手段で筒体を回転させるこ
とにより、前記切刃でコンクリート板等に孔明け加工を
行う孔明け加工装置において、前記筒体内に吸水可能な
スポンジ状の粉塵吸着材を着脱自在に装着したものであ
るから、孔明け作業中に、コンクリート板から発生する
切粉、つまり、粉塵は、予め水を含ませた粉塵吸着材に
ペースト状に吸着、保持され、周囲への粉塵の拡散は最
小限に抑制されるとともに、ペースト状の粉塵が粉塵吸
着材に吸着されているので、室内の内装等に染みが付く
こともない。又、水を含ませた粉塵吸着材を筒体内に配
置することによって、孔明け加工時の回転音、摩擦音も
低減され、騒音レベルも低下する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態における孔明け加工装置の
粉塵吸着材を取り出した状態を示す概略斜視図。

【図２】前記孔明け加工装置で孔明け加工を行う様子を
示す概略正面図。

【図３】孔明け加工装置の外形を示す概略正面図。

【符号の説明】

３ 筒体 ４ 切刃 ５ 粉塵吸着材 ７ コンクリート板

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 回転駆動手段に接続された中空円筒状の
   筒体の先端に切刃を設け、前記回転駆動手段で筒体を回
   転させることにより、前記切刃でコンクリート板等に孔
   明け加工を行う孔明け加工装置において、 前記筒体内に吸水可能なスポンジ状の粉塵吸着材を着脱
   自在に装着したことを特徴とする孔明け加工装置。