JPH1085885A - ラック軸製造装置 - Google Patents

ラック軸製造装置

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JPH1085885A
JPH1085885A JP26229296A JP26229296A JPH1085885A JP H1085885 A JPH1085885 A JP H1085885A JP 26229296 A JP26229296 A JP 26229296A JP 26229296 A JP26229296 A JP 26229296A JP H1085885 A JPH1085885 A JP H1085885A
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roll
clamp
rack shaft
rack
shaft
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Tsutomu Yasuda
務 安田
Atsushi Minamoto
淳 源
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SHOWA AUTO ENG
Showa Corp
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SHOWA AUTO ENG
Showa Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ラック歯の転造加工における最終仕上工程を
良好に実施できるようにすること。 【解決手段】 転造ロール30の接線方向に、クランプ
ハウジングに保持されたラック軸素材を移動してラック
歯を転造加工するラック軸製造装置において、転造ロー
ルがロール本体30Aと、このロール本体よりも小径の
ロール軸30Bとを有してなり、クランプハウジングに
配置されてラック軸素材をクランプするクランプ部材4
6A、46Bの転造ロール側表面に窪み部61、案内面
62及び凹所63が設けられ、窪み部はクランプされた
ラック軸素材の外周面の一部を露出し、案内面はロール
軸に摺接可能とされ、凹所は案内面に設けられてロール
軸の一部を収容可能としたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中空パイプ状のラ
ック軸素材の外周面に、転造ロールを用いてラック歯を
転造加工するラック軸製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車のステアリング機構等で
用いられるラック軸は、丸棒の周面の一部を平坦にし
て、ここにラック歯を形成したものである。このとき、
ラック軸素材を中空パイプとすることは、軽量化の要求
から実施されている。
【0003】ラック軸素材に塑性加工によってラック歯
を成形するラック軸製造装置として、本出願人は、転造
ロールの径方向両側に、ラック軸素材を保持するクラン
プハウジングを配置し、これら両クランプハウジングを
転造ロールの接線方向に移動させて、ラック軸素材の外
周面にラック歯を転造加工し、ラック軸を製造するもの
を既に出願している(特願平6-337053号)。
【0004】上記ラック軸製造装置では、転造ロール
と、クランプハウジングに保持されたラック軸素材との
軸間距離を徐々に狭めることによって、転造ロールによ
るラック軸素材への食込量を徐々に増し、ラック歯の転
造深さを調整している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、上記ラッ
ク軸製造装置においては、転造加工中に、転造ロールが
ラック軸素材の外周面に食い込みラック歯を盛り上げ成
形しようとする力が作用するが、この力は同時に、クラ
ンプハウジングにおけるラック軸素材をクランプするク
ランプ部材を転造ロールから離す方向に作用して、クラ
ンプ部材を同方向に変形させる。この結果、このクラン
プ部材の変形量分だけ、転造ロールによるラック軸素材
への食込量が減少し、ラック歯の転造深さが所望の値よ
りも減少する。
【0006】特に、転造加工の最終仕上工程では、ラッ
ク歯の転造深さが小さく、従って、転造ロールによるラ
ック軸素材への食込量が少ないため、転造ロールと、ク
ランプハウジングに保持されたラック軸素材との軸間距
離の移動量が小さく設定される。この結果、転造加工の
最終仕上工程中に、クランプハウジングのクランプ部材
に上述のような変形が生ずると、転造ロールによるラッ
ク軸素材への食込量が相殺されて著しく減少し、ラック
歯を所望の転造深さに成形することができない虞れがあ
る。
【0007】本発明の課題は、上述の事情を考慮してな
されたものであり、ラック歯の転造加工における最終仕
上工程を良好に実施できるラック軸製造装置を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、転造ロールの径方向両側に、ラック軸素材を保持す
るクランプハウジングが配置され、両クランプハウジン
グを上記転造ロールの接線方向に移動させて、上記ラッ
ク軸素材の外周面にラック歯を転造加工しラック軸を製
造するラック軸製造装置において、上記転造ロールは、
上記ラック軸素材に摺接して上記ラック歯を成形するロ
ール本体と、このロール本体に同軸状態で一体化され上
記ロール本体よりも小径のロール軸とを有してなり、上
記クランプハウジングには、上記ラック軸素材をクラン
プする一対のクランプ部材が配置され、各クランプ部材
が上記転造ロール側の表面に窪み部、案内面及び凹所を
備え、上記窪み部が、上記クランプ部材の上記表面の略
中央位置に設けられて上記ラック軸素材の外周面の一部
を露出し、上記案内面が、上記窪み部の周面に設けられ
て上記転造ロールの上記ロール軸に摺接可能とされ、上
記凹所が、上記案内面に設けられて上記転造ロールの上
記ロール軸の一部を収容可能とし、上記転造ロールの上
記ロール軸を上記クランプ部材の上記凹所に位置付けた
状態で、上記転造ロールと上記クランプハウジングにク
ランプされたラック軸素材との軸間距離が設定されるよ
うに構成されたものである。
【0009】請求項1に記載の発明には、次の作用があ
る。クランプハウジングに配置されたクランプ部材の転
造ロール側の表面に、転造ロールのロール軸に摺接可能
な案内面が設けられ、この案内面に上記ロール軸の一部
を収容可能な凹所が形成され、上記凹所に転造ロールの
ロール軸を位置付けた状態で、クランプハウジングに保
持されたラック軸素材と転造ロールとの軸間距離が設定
されるよう構成されたものである。この構成から、転造
加工の最終仕上工程で、転造ロールのロール軸をクラン
プハウジングのクランプ部材の凹所に位置付けて、両ク
ランプハウジングのクランプ部材の案内面間距離が転造
ロールのロール軸の外径寸法よりも小さくなるように、
クランプハウジングに保持されたラック軸素材と転造ロ
ールとの軸間距離を設定した場合、クランプハウジング
を転造ロールの接線方向に移動させたとき、転造ロール
のロール軸がクランプハウジングのクランプ部材の案内
面に乗り上げて摺接した段階で、このロール軸からクラ
ンプ部材に転造ロールから離れる方向の与圧が作用し
て、このクランプ部材を同方向に強制的に変形させるこ
とができる。この結果、その後、転造ロールのロール本
体がクランプハウジングに保持されたラック素材に摺接
したときには、クランプ部材は、転造ロールから離れる
方向に上記変形量以上には変形しない。このため、この
最終仕上工程で、転造ロールのロール本体によるラック
軸素材への食込量がクランプ部材の変形量に相殺される
ことがなく、ラック歯を所望の深さに仕上加工できるこ
とから、ラック歯の転造加工における最終仕上工程を良
好に実施できる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は、本発明に係るラック軸製
造装置の一つの実施の形態を、一部につき断面状態で示
す正面図である。図2は、図1のII-II 線に沿う矢視図
である。図3は、図1のラック軸製造装置を一部につい
て断面状態で示す平面図である。図4は、図1のラック
軸製造装置における転造ロール移動装置を示し、(A)
が正面図、(B)が側面図である。図5は、図1の一部
を拡大して示す拡大断面図である。図6は、図5のVI矢
視図である。図7は、図5のクランプ用カムにおけるカ
ム突部を示す正面図である。図8は、図6のVIII-VIII
線に沿う断面図である。図9は、転造加工中の転造ロー
ルのロール軸とクランプ部材との関係を示す作動図であ
る。図10は、ラック軸を示す斜視図である。
【0011】ラック軸10は、図10に示す如く、中空
の丸パイプからなるラック軸素材11の外周面の一部
に、その軸方向に交差する多数のラック歯12を有する
ものである。
【0012】ラック軸製造装置20は、土台ベース21
と、固定架台22と、機枠23と、可動架台24と、素
材クランプ装置25と、芯金設定装置(不図示)と、転
造ロール移動装置27と、素材移動装置28とを有し、
ラック軸素材11に芯金13(図5)を挿入した状態
で、ラック軸素材1と転造ロール30とを該転造ロール
30の接線方向に相対的に摺動させて、ラック軸素材1
1にラック歯12を転造するものである。
【0013】また、転造ロール30は、図4(B)に示
すように、周面にラック歯形が形成されたロール本体3
0Aと、このロール本体30Aに同軸状態で一体化さ
れ、ロール本体30Aよりも小径に設けられたロール軸
30Bとを有して構成される。転造ロール30のロール
本体30Aがラック軸素材11の外周面に摺接して、こ
の外周面にラック歯12を転造加工する。
【0014】以下、ラック軸製造装置20の構成要素に
ついて説明する。 (A) 土台ベース21等(図1〜図3) 土台ベース21に、固定架台22と機枠23とがボルト
固定されて立設される。機枠23は、側板23A、天板
23Bを有している。固定架台22と機枠23の側板2
3Aとは、全4本のねじ軸31によりつながれている。
即ち、ねじ軸31は、その一端部を固定架台22に回転
自在かつ軸方向には一体化し、その他端部を機枠23の
側板23Aに回転自在かつ軸方向には一体化して、固定
架台22と機枠23の側板23Aとを軸組一体化してい
る。
【0015】可動架台24は、図1、図2に示す如く、
固定架台22と機枠23の側板23Aとの間で、上述し
た全4本のねじ軸31の各ねじ部31Aに螺合し、ねじ
軸31の回転により移動可能とされる。このとき、可動
架台24は、その下面に設けたスライド24Aを土台ベ
ース21上の案内レール32に嵌合し、その上面に設け
たスライド24Bを機枠23の天板23B下の案内レー
ル33に嵌合している。また、各ねじ軸31の一端部の
固定架台22から突出している部分には歯車34が固定
されている。他方、土台ベース21にはモータ35が配
設され、モータ35により駆動される歯車36は、中間
歯車37を介して、各ねじ軸31の歯車34に噛み合っ
ている。即ち、可動架台24は、モータ35によるねじ
軸31の回転により、案内レール32、33に案内され
て移動し、固定架台22との間隔を調整可能に構成され
る。
【0016】(B) 素材クランプ装置25(図1〜図3、
図5〜図8) 素材クランプ装置25は、図1、図2に示す如く、転造
ロール30の径方向の両側に、転造ロール30のロール
軸心を通る点対称上に配置される左右のクランプハウジ
ング41、42を有する。両クランプハウジング41、
42は、固定架台22と可動架台24のそれぞれに架設
される素材往復動シリンダ81、82を介して、それぞ
れ固定架台22と可動架台24の対向側面に摺動自在に
配置されている。
【0017】両クランプハウジング41、42は、それ
ぞれ、図5に示す如く、凹陥部45を有する。この凹陥
部45に、上下に2分割された一対のクランプ部材46
A、46Bを配置し、これらのクランプ部材46A、4
6Bがラック軸素材11をクランプする。凹陥部45内
で、上下のクランプ部材46A、46Bは上下方向移動
自在に配置され、クランプ部材46A、46Bの外側に
一対のクランプ用カム48A、48Bが装備される。
【0018】図5及び図6に示すように、クランプ部材
46A、46Bのそれぞれの外側には、カム面57a及
び58aを備えた嵌合溝59が形成される。一方、図5
及び図7に示すように、クランプ用カム48A、48B
のそれぞれの内側には、カム面57b及び58bを備え
たカム突部60が形成される。カム面57bがカム面5
7aに当接可能とされ、カム面58bがカム面58aに
当接可能とされた状態で、カム突部60が嵌合溝59に
嵌合される。
【0019】また、クランプハウジング41、42は、
クランプ用カム48A、48Bに螺合一体化されたプラ
ンジャ49A、49Bのための油圧作動室51A、51
Bを備えている。油圧作動室51A、51Bはそれぞれ
プランジャ49A、49Bの両側に第1室52、第2室
53を形成して構成され、それらの第1室52、第2室
53に油路54、55が連通されている。
【0020】従って、左右のクランプハウジング41、
42のそれぞれにおいて、油圧作動室51A、51Bの
第1室52に作動油が供給されクランプ用カム48A、
48Bが右方向(図5)に移動すると、それらのカム突
部60のカム面57bがクランプ部材46A、46Bの
嵌合溝59のカム面57aを押圧して、クランプ部材4
6A、46Bが縮閉してラック軸素材11を保持する。
これにより、左右のクランプハウジング41、42の上
に保持される左右のラック軸素材11、11は、互い
に、転造ロール30のロール軸心を通る径方向の両側の
点対称上に対向して保持され、それらの転造加工が開始
可能とされる。
【0021】また、ラック軸素材11、11の転造加工
が終了すると、左右のクランプハウジング41、42の
それぞれにおいて、油圧作動室51A、51Bの第2室
53に作動油が供給されクランプ用カム48A、48B
が左方向(図5)に移動する結果、クランプ用カム48
A、48Bのカム突部60のカム面58bが、クランプ
部材46A、46Bの嵌合溝59のカム面58aを押圧
して、クランプ部材46A、46Bを拡開させ、ラック
軸素材11の保持を解除する。
【0022】上記クランプ部材46A、46Bは、図5
に示す如く、クランプ面56を有する。クランプ面56
は、クランプ部材46A、46Bの前後方向の全域に渡
って設けられ、ラック軸素材11の略半部(図5の略右
半部)を締付けできるようにラック軸素材11のパイプ
外周面と略同形をなす。
【0023】また、各クランプハウジング41、42の
それぞれのクランプ部材46A、46Bは、図6及び図
8に示すように、転造ロール30側の表面に窪み部6
1、案内面62及び凹所63が形成されている。
【0024】窪み部61は、各クランプ部材46A、4
6Bにおける転造ロール30側の上記表面の中央部に形
成され、クランプ部材46A及び46Bのクランプ面5
6にてクランプされたラック軸素材11の外周部の一部
を露出する。ラック軸素材11におけるこの露出された
部分に、転造ロール30のロール本体30Aが摺接し
て、ラック歯12が形成される。
【0025】案内面62は、各クランプ部材46A、4
6Bにおける転造ロール30側の上記表面において、窪
み部61の周囲に形成される。ラック歯12の転造加工
の最終仕上工程で、この案内面62に、転造ロール30
のロール軸30Bが摺接可能とされる。
【0026】凹所63は、各クランプ部材46A、46
Bにおいて、案内面62に形成され、図8の2点鎖線に
示すように、転造ロール30のロール軸30Bの一部を
収容可能とする。図8及び図9(A)に示すように、ラ
ック歯12の転造加工においては、転造ロール30のロ
ール軸30Bを上記凹所63に位置付けた状態で、転造
ロール30と両クランプハウジング41、42に保持さ
れたラック軸素材11との軸間距離が調整され設定され
るよう構成される。
【0027】(C) 芯金設定装置 芯金設定装置(不図示)は、左右のクランプハウジング
41、42それぞれの後面に芯金用シリンダを備え、こ
れにより、芯金13をクランプ部材46A、46B間の
素材挿入位置に設定して、ラック軸素材11のパイプ内
部に芯金13を挿入してラック軸素材11の転造加工を
開始可能とするものである。
【0028】(D) 転造ロール移動装置27(図1、図
2、図4) 転造ロール移動装置27は、固定架台22側のクランプ
ハウジング41と、可動架台24側のクランプハウジン
グ42との間に配置される転造ロール移動台71に、転
造ロール30のロール軸30Bの両端部を軸受を介して
回転自在に支持している。
【0029】転造ロール移動台71は、土台ベース21
上に回転自在に支持されているねじ軸72のねじ部72
Aに螺合し、ねじ軸72の回転により移動可能とされて
いる。このとき、転造ロール移動台71は、その下面に
設けたスライド71Aを土台ベース21上の案内レール
73に嵌合している。この案内レール73は、前記案内
レール32と平行に配置され、また、ねじ軸72の端部
には歯車74が固定されている。前述のモータ35の回
転が前述のねじ軸31に固定の歯車34、中間歯車75
を介して、ねじ軸72の歯車74に伝えられる。即ち、
転造ロール移動台71は、モータ35によるねじ軸72
の回転により、上記案内レール73に案内されて移動
し、固定架台22との間隔が調整可能とされる。
【0030】後述するクランプハウジング41、42の
摺動毎に、モータ35が上述の転造ロール30と前述の
可動架台24とを固定架台22に近づく方向に移動さ
せ、ラック軸素材11に加工されるラック歯12の歯の
深さを徐々に深くする。このとき、可動架台24のため
のねじ軸31の歯車34と、転造ロール30のためのね
じ軸72の歯車74との歯数比は、可動架台24の移動
量と転造ロール30の移動量が2対1になるように設定
されて、固定架台22側のクランプハウジング41と可
動架台24側のクランプハウジング42とのそれぞれに
保持されるラック軸素材11のラック歯深さが同量に調
整される。
【0031】(E) 素材移動装置28(図1〜図3) 素材移動装置28は、固定架台22と可動架台24のそ
れぞれに左右の素材往復動シリンダ81、82を固定
し、左素材往復動シリンダ81のロッドに左連結ブラケ
ット83を介して左クランプハウジング41を連結し、
右素材往復動シリンダ82のロッドに右連結ブラケット
84を介して右クランプハウジング42を連結し、結果
としてそれらのクランプハウジング41、42を転造ロ
ール30の接線方向に移動する。
【0032】このとき、左右のクランプハウジング4
1、42を互いに同期させ、逆方向に移動させるよう
に、左右のクランプハウジング41、42の中間位置
(転造ロール30と同位置)に揺動中心が設定された揺
動レバー87を設けるとともに、左右の連結ブラケット
83、84のそれぞれに設けた嵌合孔83A、84Aに
軸受を介して水平方向摺動自在のプランジャ85、86
を嵌合し、揺動レバー87の両レバー端をそれらのプラ
ンジャ85、86に枢着している。
【0033】機枠23の天板23B上には、案内レール
32と平行配置された案内レール88が設けられる。こ
の案内レール88にスライド89を介して支持されてい
る可動軸受90には、上述の揺動レバー87の揺動支軸
87A(揺動中心)が軸支されている。この可動軸受9
0は、機枠23の天板23B上に回転自在に支持されて
いるねじ軸91のねじ部91Aに螺合し、ねじ軸91の
回転により移動可能とされている。ねじ軸91の端部に
は歯車92が固定されている。前述のモータ35の回転
が、前述のねじ軸31に固定の歯車34、中間歯車93
を介してねじ軸91の歯車92に伝えられる。このと
き、歯車92の歯数は、前述の転造ロール30の移動の
ための歯車74の歯数と同じであり、可動軸受90の移
動量を、転造ロール移動装置27による転造ロール30
の移動量と同量になるようにしている。即ち、この可動
軸受90は、モータ35によるねじ軸91の回転によ
り、案内レール88に案内されて移動し、揺動レバー8
7の揺動支軸87Aを常に転造ロール30と同位置に定
める。
【0034】これにより、素材移動装置28が、左素材
往復動シリンダ81による左連結ブラケット83の下動
(もしくは上動)と、右素材往復動シリンダ82による
右連結ブラケット84の上動(もしくは下動)とを同期
させると、左右のクランプハウジング41、42のそれ
ぞれに保持された左右のラック軸素材11、11は、転
造ロール30におけるロール本体30Aの径方向の両面
に圧接されながら逆方向に移動し、各ラック軸素材11
が転造ロール30のロール本体30Aの接線方向に相対
的に摺動するものとなる。このとき、転造ロール30は
反時計方向(もしくは時計方向)に回転する。尚、左右
のラック軸素材11、11の摺動方向は、上述のように
互いに逆方向となる(左連結ブラケット83が上動すれ
ば右連結ブラケット84が下動し、転造ロール30は時
計方向に回転する)。
【0035】ところで、ラック軸製造装置20において
は、前記素材往復動シリンダ81、82の運動周期をモ
ータ35の制御に取り込み、素材移動装置28による左
右のラック軸素材11、11の往復動の一行程毎に、ね
じ軸31、72、91を所定角度回転し、可動架台24
と転造ロール30と可動軸受90とを固定架台22の側
へとそれぞれ一定量ずつ近づける。即ち、可動架台24
と転造ロール30の移動は、転造ロール30に対する左
右のクランプハウジング41、42の上下動に同期し、
図9(A)に示すように、転造ロール30に対する左右
のクランプハウジング41、42の各摺動行程毎に、転
造ロール30のロール軸30Bが、クランプハウジング
41、42に配置のクランプ部材46A、46Bの凹所
63に位置付けられた状態で、これらクランプハウジン
グ41、42にクランプされたラック軸素材11と転造
ロール30との軸間距離を前述の如く左右同量ずつ狭
め、左右のラック軸素材11に加工されるラック歯12
の歯の深さを徐々に深くする。
【0036】以下、ラック軸製造装置20によるラック
軸10の製造手順について説明する。 (1) 芯金設定装置により、芯金13を左右のクランプハ
ウジング41、42それぞれのクランプ部材46A、4
6B間の素材挿入位置に設定する。
【0037】(2) 左右のラック軸素材11、11を左右
のクランプハウジング41、42それぞれのクランプ部
材46A、46B間の素材挿入位置に位置付け、上記
(1) の芯金13をラック軸素材11に挿入する。このと
き、ラック軸素材11の端面をクランプハウジング4
1、42に設けた素材ストッパに突き当て、ラック軸素
材11の長手方向の保持位置を位置決めする。
【0038】(3) 素材クランプ装置25により、左右の
ラック軸素材11、11を左右のクランプハウジング4
1、42それぞれのクランプ部材46A、46B間にク
ランプ保持する。左右のラック軸素材11、11は、転
造ロール30のロール軸心を通る径方向の両側の点対称
上に対向して保持される。
【0039】(4) モータ35により、可動架台24、転
造ロール30を固定架台22に対する適宜の前進位置に
設定し、ついで、素材移動装置28により、左右のクラ
ンプハウジング41、42を上下動させる。これによ
り、左右のクランプハウジング41、42の上にクラン
プ保持された左右のラック軸素材11、11は、芯金1
3により背面支持された状態で、転造ロール30におけ
るロール本体30Aの外周部に食い込んで摺動し、浅い
ラック歯12が冷間加工により転造される。このとき、
左右のラック軸素材11、11は、転造ロール30のロ
ール軸心を通る点対称位置関係を保ちながら、転造ロー
ル30の外周上を互いに反対方向に摺動する。
【0040】(5) 以後、転造ロール30に対する左右の
クランプハウジング41、42の上記(4) の摺動行程毎
に、図9(A)に示すように、転造ロール30のロール
軸30Bがクランプハウジング41、42に配置のクラ
ンプ部材46A、46Bの凹所63に位置付けられた状
態下で、モータ35により可動架台24、転造ロール3
0を固定架台22に近づく方向に一定量ずつ前進させ
て、クランプ部材46A、46Bにクランプされたラッ
ク軸素材11、11と転造ロール30との軸間距離を狭
め、ラック歯12の歯の深さを徐々に増していき、最終
的に所定深さのラック歯12を形成する。
【0041】(6) 尚、ラック歯12の最終仕上工程で
は、転造ロール30のロール軸30Bがクランプハウジ
ング41、42におけるクランプ部材46A、46Bの
凹所63に位置付けられた状態下で、転造ロール30と
ラック軸素材11との軸間距離が調整されるが、このと
きの上記軸間距離は、左右のクランプ部材46A、46
Bのそれぞれの案内面62間距離が、転造ロール30の
ロール軸30Bの外径寸法よりも小さくなるように設定
される。この状態で、クランプハウジング41、42が
転造ロール30の接線方向に摺動すると、図9(B)に
示すように、転造ロール30のロール本体30Aがクラ
ンプ部材46A及び46Bにクランプされたラック軸素
材11に摺接する前に、転造ロール30のロール軸30
Bはクランプ部材46A及び46Bの案内面62上に乗
り上がり、このクランプ部材46A及び46Bに転造ロ
ールから離れる方向の与圧Fを作用をさせて、これらの
クランプ部材46A及び46Bを転造ロール30から離
れる方向に変形させる。従って、転造ロール30のロー
ル本体30Aがクランプ部材46A及び46Bにクラン
プされたラック軸素材11に摺接したときには、クラン
プ部材46A及び46Bは、転造ロール30から離れる
方向に上記変形量以上には変形されず、この状態で転造
ロール30のロール本体30Aが、ラック軸11のラッ
ク歯12を最終仕上する。
【0042】上記実施の形態によれば、次の効果を奏す
る。クランプハウジング41、42における一対のクラ
ンプ部材46A、46Bの転造ロール30側の表面に、
転造ロール30のロール軸30Bに摺接可能な案内面6
2が設けられ、この案内面62にロール軸30Bの一部
を収容可能な凹所63が形成され、この凹所63に転造
ロール30のロール軸30Bを位置付けて、転造ロール
30と、クランプハウジング41、42に保持されたラ
ック軸素材11との軸間距離が設定されるよう構成され
た。この構成から、転造加工の最終仕上工程で、転造ロ
ール30のロール軸30Bをクランプハウジング41、
42のクランプ部材46A、46Bの凹所63に位置付
けた状態で、両クランプハウジング41、42のクラン
プ部材46A、46Bにおける案内面62間距離が転造
ロール30のロール軸30Bの外径寸法よりも小さくな
るように、転造ロール30と、クランプハウジング4
1、42に保持されたラック軸素材11との軸間距離を
設定した場合に、クランプハウジング41、42を転造
ロール30の接線方向に移動させたとき、転造ロール3
0のロール軸30Bがクランプハウジング41、42の
クランプ部材46A、46Bの案内面62に乗り上げて
摺接した段階で、このロール軸30Bからクランプ部材
46A及び46Bに転造ロール30から離れる方向の与
圧Fが作用して、このクランプ部材46A、46Bを同
方向に強制的に変形させることができる。この結果、そ
の後、転造ロール30のロール本体30Aが、クランプ
ハウジング41、42に保持されたラック軸素材11に
摺接したときには、クランプ部材46A、46Bは、転
造ロール30から離れる方向に上記変形量以上には変形
しない。このため、この最終仕上工程で、転造ロール3
0のロール本体30Aによるラック軸素材11への食込
量がクランプ部材46A、46Bの変形量にて相殺され
ることがなく、ラック歯12を所望の深さに仕上加工で
きることから、ラック歯の転造加工における最終仕上工
程を良好に実施できる。
【0043】尚、上記実施の形態では、素材クランプ装
置25におけるクランプ部材46A、46Bのクランプ
面56が、クランプ部材46A、46Bのそれぞれの長
手方向に対し傾斜して設けられて、ラック軸素材11に
ヘリカル歯のラック歯12を形成するものを述べたが、
クランプ部材46A、46Bのクランプ面56が、クラ
ンプ部材46A、46Bのそれぞれの長手方向に平行に
設けられて、ラック軸素材11にストレート歯のラック
歯12を形成するものでも良い。
【0044】
【発明の効果】以上のように、本発明に係るラック軸製
造装置によれば、ラック歯の転造加工における最終仕上
工程を良好に実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係るラック軸製造装置の一つ
の実施の形態を、一部につき断面状態で示す正面図であ
る。
【図2】図2は、図1のII-II 線に沿う矢視図である。
【図3】図3は、図1のラック軸製造装置を一部につい
て断面状態で示す平面図である。
【図4】図4は、図1のラック軸製造装置における転造
ロール移動装置を示し、(A)が正面図、(B)が側面
図である。
【図5】図5は、図1の一部を拡大して示す拡大断面図
である。
【図6】図6は、図5のVI矢視図である。
【図7】図7は、図5のクランプ用カムにおけるカム突
部を示す正面図である。
【図8】図8は、図6のVIII-VIII 線に沿う断面図であ
る。
【図9】図9は、転造加工中の転造ロールのロール軸と
クランプ部材との関係を示す作動図である。
【図10】図10は、ラック軸を示す斜視図である。
【符号の説明】 10 ラック軸 11 ラック軸素材 12 ラック歯 20 ラック軸製造装置 25 素材クランプ装置 30 転造ロール 30A ロール本体 30B ロール軸 41、42 クランプハウジング 46A、46B クランプ部材 56 クランプ部材のクランプ面 61 クランプ部材の窪み部 62 クランプ部材の案内面 63 クランプ部材の凹所

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 転造ロールの径方向両側に、ラック軸素
    材を保持するクランプハウジングが配置され、両クラン
    プハウジングを上記転造ロールの接線方向に移動させ
    て、上記ラック軸素材の外周面にラック歯を転造加工し
    ラック軸を製造するラック軸製造装置において、 上記転造ロールは、上記ラック軸素材に摺接して上記ラ
    ック歯を成形するロール本体と、このロール本体に同軸
    状態で一体化され上記ロール本体よりも小径のロール軸
    とを有してなり、 上記クランプハウジングには、上記ラック軸素材をクラ
    ンプする一対のクランプ部材が配置され、各クランプ部
    材が上記転造ロール側の表面に窪み部、案内面及び凹所
    を備え、 上記窪み部が、上記クランプ部材の上記表面の略中央位
    置に設けられて上記ラック軸素材の外周面の一部を露出
    し、上記案内面が、上記窪み部の周面に設けられて上記
    転造ロールの上記ロール軸に摺接可能とされ、上記凹所
    が、上記案内面に設けられて上記転造ロールの上記ロー
    ル軸の一部を収容可能とし、 上記転造ロールの上記ロール軸を上記クランプ部材の上
    記凹所に位置付けた状態で、上記転造ロールと上記クラ
    ンプハウジングにクランプされたラック軸素材との軸間
    距離が設定されるように構成されたことを特徴とするラ
    ック軸製造装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100852424B1 (ko) * 2006-06-20 2008-08-18 주식회사 코우 랙바아의 랙성형장치
CN102167093A (zh) * 2011-04-08 2011-08-31 江铃汽车股份有限公司 一种汽车驾驶室翻转锁止装置

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KR100852424B1 (ko) * 2006-06-20 2008-08-18 주식회사 코우 랙바아의 랙성형장치
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