JPH1084832A - 釣り糸用カートン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】場所を選ばず、器具も使わず、一人で、容易に
しかも迅速に釣り糸を糸巻からテンションをかけて引出
し、リールにしっかり巻き込むことができ、さらに透明
カートンを使用する場合に糸巻の位置規制を行って陳列
効果を高めることかできる釣り糸用カートンを提供す
る。 【解決手段】 糸巻ＭにディスクＡを折り返し片ＳＡに
よって固定し、さらにディスク受け板ＢにディスクＡの
一部を差し込んでディスクブレーキ機能を与え、ディス
ク受け板Ｂに設けた折り返し片ＳＢを糸巻裏面の凹陥部
に押し込むことにより糸巻の回転方向の位置規制を行
い、さらに、折り畳まれている二重のヘッダーパネルを
開いて釣り竿Ｊに跨がせ、前側ヘッダーパネルの差し込
み片を前板上辺の切り込み線に差し込んでロックするこ
とにより釣り竿の所定の位置に係止させる機能を持たせ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、リールに巻いて使
用する釣り糸用のカートンに関する。

【０００２】

【従来の技術】釣り糸は一般に円形か図３に示す多角形
状の糸巻に巻かれ、吊り下げ可能なヘッダーの付いた差
し込みフラップタイプの板紙あるいは透明プラスチック
シートによるカートンに収納されて販売されている。ま
たカートンに代わってブリスターパックも使用されてい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかるに、これまでの
釣り糸用カートンは単に糸巻に巻いた釣り糸を包装し、
ヘッダーによってフックに吊り下げてディスプレーする
機能を有するに過ぎなかった。従ってこれまでは、釣り
糸をリールに巻き込む場合、カートンから取り出した糸
巻の芯に棒を通して糸巻を固定する器具を必要とした
り、あるいは二人がかりで巻き込まねばならないという
問題があり、釣り場において一人でリールへの巻き込み
あるいは巻き替えが容易に出来ないという問題があっ
た。 また、上記の器具を使用しないで一人で巻き込む
場合に釣り糸に適度なテンションがかからないのでリー
ルに緩くしか巻けないという問題があった。さらに、透
明なプラスチックシートを使用したカートン（以下透明
カートン）によって包装、陳列する場合は、糸巻が正し
い方向に固定されないと正面レーベルの方向が狂って見
苦しい陳列結果を生ずるという問題がある。本発明は、
前述の問題点に鑑みてなされたもので、従来のカートン
の包装、陳列機能に加えて、釣り場で一人で糸巻からリ
ールに釣り糸を容易にしかも一定のテンションで巻き込
める機能とカートン内で糸巻を正しい方向に固定できる
機能を付加した透明カートンの提供を目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
になされた本発明による釣り糸用カートンは、釣り糸用
糸巻を収納したまま釣り竿の所定の位置に取り付け可能
とする係止手段を有する収納本体と前記糸巻に対して固
定手段を有するディスクと該ディスクの一部を挟み込ん
で回転摩擦抵抗を与えるとともに前記糸巻の回転方向の
位置規制手段を有するディスク受け板とからなり、前記
釣り竿への取り付け機能に加えて、収納された糸巻から
釣り糸を所定のテンションで引出してリールに確実に巻
き込み易くする機能と、前記収納本体を通して見える糸
巻の外観を揃える機能を持たせ、前記収納本体を前板と
後板、左右両側板がそれぞれ対向する角柱体の前板の上
辺および下辺に折線を介して天板と底板をそれぞれ連接
し、前記天板と底板に折線を介してメインフラップを延
設し、前記側板の上下両辺に折線を介して小フラップを
設けてなる差し込みフラップタイプのカートンとし、前
記収納本体が有する前記係止手段を、前記後板上辺に折
線を介して連接された二重のヘッダーパネルを開いて釣
り竿を跨がせ、一方のヘッダーパネルに延設された差し
込み片を前記前板の上辺に設けられた切れ目線に差し込
んでロックすることから構成し、前記ディスクを前記糸
巻をカバーする大きさの円盤とし、前記ディスクが有す
る前記固定手段を、前記糸巻裏面に設けられた放射状の
リブ間の凹陥部に嵌合するよう前記ディスクの同心円周
上に設けられた複数個の折り返し片によるものとし、前
記ディスク受け板を前記収納本体の上端から下端に至る
二重のパネルとし、内側パネルの下端部に前記ディスク
の一部を挟み込む切り込み線を設け、前記収納本体の前
記位置規制手段を、適正位置に置かれた前記糸巻の前記
凹陥部に嵌合する前記内側パネルの略中央に設けられた
折り返し片によるものとする。

【０００５】

【発明の実施の形態】以下図面によって本発明をさらに
詳細に説明する。図１は本発明による釣り糸用カートン
２０の使用状態説明図である。本発明による釣り糸用カ
ートン２０は、図１に示すように、釣り竿Ｊ上のガイド
Ｇに隣接して釣り糸用カートン２０の収納本体Ｃに設け
られている係止手段によって固定され、その位置から釣
り糸引出し孔Ｈを通して釣り糸Ｌを引き出し、直接リー
ルＲに巻き込むことができるようになっている。図１
（ａ）はスピニングリールＲに巻き込む場合であり、図
１（ｂ）はベイトリールＲ（タイコ型リール）に巻き込
む場合であって、それぞれ釣り糸用カートン２０の取り
付け位置が異なっている。いずれの場合も同一の釣り糸
用カートン２０がしようされるが、ベイトリールの場合
は釣り竿の先端の細い部分に取り付けられるので、釣り
竿周辺の空間を減らして巻き取り時に釣り糸用カートン
２０が上下動しないような配慮がなされている。この点
は００１２欄において後述する。

【０００６】図２は実際に市販されている釣り糸が所定
の長さに巻かれた一部の糸巻Ｍの正面と裏面を示す斜視
図である。通常は円形状のものが多いが、外周に直線部
分が設けられて多角形状になっているのは円形状のもの
と違って落としても転がらないような配慮からである。
本発明による釣り糸用カートン２０に適用される糸巻Ｍ
の形状は以上の形状に限定されることなく、次に述べる
ディスクＡによってカバーされるものであればいかなる
形状を有していてもよい。

【０００７】図３はディスクの斜視図である。ディスク
Ａは、本発明による釣り糸用カートンを構成する部材の
一つである。図３で示すようにディスクＡは糸巻Ｍに対
して固定手段を有する板紙の円盤であって、糸巻Ｍを完
全に覆う大きさを有している。その固定手段は、同心円
上に設けられた複数の折り返し片ＳＡが糸巻の裏面の放
射状のリブ間の凹陥部Ｏに差し込まれることによるもの
である。折り返し片の数は糸巻Ｍの裏面に見られるリブ
の数にもよるが、図３のように点対称に設けられた３個
程度が装着しやすく好ましい。また折り返し片ＳＡは隣
接するリブによって軽く挟まれる幅を有するものである
ことが好ましい。このディスクＡは後述するディスク受
け板Ｂと共にまさにディスクブレーキ的な効果を発揮す
るものである。

【０００８】図４はディスク受け板Ｂの斜視図である。
ディスク受け板Ｂは、本発明による釣り糸用カートンを
構成する部材の一つである。図４に示すように、ディス
ク受け板Ｂは一枚の板紙を中央で折り畳んだ二重のパネ
ルであって内側パネルの下部に切り込み線Ｋが設けら
れ、略中央には折り返し片ＳＢが設けられている。この
切り込み線Ｋを通して、前述の糸巻に固定されたディス
クＡの一部が差し込まれてセットされる。図４における
一点鎖線はセットされるディスクＡの位置を示してい
る。この切り込み線Ｋの上下部分においてディスクＡと
ディスク受け板Ｂ間に回転摩擦抵抗が発生する。従って
糸巻Ｍから釣り糸Ｌを引き出す場合に、釣り糸Ｌにテン
ションを与えることになり、リールＲに釣り糸Ｌをタイ
トにきっちりと巻き上げることが可能になる。また糸巻
Ｍに固定たれたディスクＡの一端をディスク受け板Ｂに
差し込むと同時に、ディスク受け板Ｂの内側パネルの略
中央に設けられた折り返し片ＳＢを糸巻Ｍ裏面の凹陥部
に差し込み糸巻Ｍの回転方向の位置規制を行うことがで
きる。すなわち糸巻Ｍの正面から見てラベルのデザイン
が正位置になるような位置において差し込めば、後述す
る透明カートンである収納本体Ｃの中で糸巻Ｍが回転す
ることはなくなり、良好な陳列効果をもたらすことが可
能になる。なお、折り返し片ＳＢは使用時点で内側パネ
ルから切り離して糸巻Ｍが収納本体Ｃ内で回転できるよ
うにする。

【０００９】図５は収納本体の斜視図である。図５に示
すように、収納本体Ｃは筒状体の透明カートンであっ
て、天板７あるいは底板８から、上記のセットされた糸
巻Ｍ、ディスクＡ，ディスク受け板Ｂが挿入される。収
納本体Ｃの内部スペースは、ディスクＡがばたつかない
で回転できる大きさになっている。また筒貼りされた側
板ＮＮ’の上部には釣り糸引出し口Ｈが設けられてお
り、ここから釣り糸がリール方向に引き出されようにな
っている。収納本体Ｃの上部には二重のヘッダーパネル
が設けられていて、中央にフックに吊り下げ可能な貫通
孔Ｆが設けられ、店頭陳列用に使用される。

【００１０】図６は本発明による釣り糸用カートンの正
面拡大図である。同図から本発明による釣り糸用カート
ン２０の各部材であるディスクＡ，ディスク受け板Ｂ、
収納本体Ｃおよび糸巻Ｍの位置関係が明白になる。

【００１１】図７は本発明による釣り糸用カートンの中
央縦断面拡大図である。すなわち、図６におけるｘ−
ｘ’断面を示している。図７（ａ）は使用前の状態であ
り、図７（ｂ）は釣り竿に係止後の状態を示している。
図７から明らかになるように、ディスクＡとディスク受
け板Ｂは切り込み線Ｋの上下部分で挟まれた状態となっ
ておりディスクＡを回転させるとこの両者間で回転摩擦
抵抗が発生し、結果として前述のようにテンションが加
わった状態の釣り糸Ｌを収納本体Ｃから引出してリール
に良好な巻き込みができる。このテンションの強さは切
り込み線の長さ、水平位置を変えることによって加減す
ることが可能である。また板紙の表面粗さ、剛度等によ
っても調整することができる。

【００１２】本発明による釣り糸用カートン２０の釣り
竿への係止手段は図７（ａ）、図７（ｂ）で明らかなよ
うに、前側ヘッダーパネルをカートン内部から抜き出し
前後のヘッダーパネルを開いて釣り竿Ｊを跨がせてか
ら、前側ヘッダーパネルの先端に設けられている差し込
み片６を前板１の上辺に設けられた切れ目線９に差し込
めばロック機構が働き、本発明による釣り糸用カートン
２０を釣り竿上に係止させることができる。その位置は
図１に示すようにガイドＧに隣接した位置が好ましい。
ベイトリールの場合のように、細い竿の先端に係止させ
る場合には、差し込み片６を図８の点線で示すように長
めに設けておき、その根本まで切れ目線９に差し込め
ば、釣り竿周辺の空間は狭まり、釣り糸巻き込み時に釣
り糸用カートン２０の動きを抑えることができる。尚、
釣り竿からの取り外しは前記差し込み片６を切れ目線９
から引き抜き図５あるいは図７（ａ）の状態に戻せばよ
い。

【００１３】図８は収納本体Ｃのブランク展開図であ
る。ブランク１０は，図８に示すように、糊代Ｎ’，前
板１、側板２、後板３、糊代Ｎの順に折線ａ〜ｄを介し
て連接し、前板の上下には折線ｅ，ｆを介して天板７と
底板６を、またそれぞれにメインフラップＦを連接し、
側板２と糊代Ｎ’の上下にはサブフラップＦ’を連接
し、前板１と天板７間の折線ｅ上に切れ目線９が設けら
れたものである。また後板３の上辺には折線ｄを介して
中央に貫通孔Ｆのある後側ヘッダーパネル４とさらに折
線ｈを介して中央に貫通孔Ｆのある前側ヘッダーパネル
５を連接し、前側ヘッダパネル５の先端には差し込み片
６が設けられている。さらに、折線ａ，ｄの上端部はミ
シン目ｊとなっていて、筒貼りされてできる側壁Ｎ，
Ｎ’の上端部を折線ｉから外側に折り曲げ可能とし、釣
り糸引出し口Ｈを形成し易くなっている。上記のブラン
ク１０から収納本体Ｃを形成するには、先ず前側ヘッダ
ーパネルを折線ｈで後側ヘッダーパネル上に折り畳み、
次にブランク１０全体を折線ｂ，ｄで三つ折りして糊代
Ｎ，Ｎ’で強接着してフラットな折り畳みカートンと
し、これを起こして筒状体となし、天板７側を成形し、
開放状態の底部から前述のようにセットされた糸巻Ｍ，
ディスクＡ，ディスク受け板Ｂを挿入して底板８側を成
形すればよい。また成形の順序を上記と逆にしてもよ
い。

【００１４】本発明による釣り糸用カートン２０に使用
される素材は、ディスクＡ，ディスク受け板Ｂに関して
は、極めて広範囲の板紙が使用できるが、ディスクブレ
ーキ的な役割を果たすため平滑性を押さえ、耐摩擦抵抗
力と腰の強い板紙の使用が望ましい。また板紙の坪量は
収納する糸巻Ｍの大きさに応じて適宜決定すればよい。
収納本体Ｃに使用する素材には、透明な塩化ビニル、Ａ
−ＰＥＴ（アモルファスポリエチレンテレフタレート）
等のプラスチックシートを使用することができる。

【００１５】本発明による釣り糸用カートンは上述の実
施例に限定されることなく本発明の要旨を逸脱しない範
囲内で種々の変形が可能である。例えば、前述のロック
方式は他の方法を使用してもよい。また釣り糸Ｌの取り
出し口Ｈの形状、位置は任意に定めればよい。さらに収
納本体Ｃの底部構造は自由で、底部が例えば自動成型さ
れるオートボトム方式としてもよい。また不透明カート
ンになるが、収納本体Ｃに通常の板紙を使用してもよ
い。ただし中身の糸巻Ｍは見えなくなるので、ディスプ
レイ効果は落ちる。なお、この場合には、ディスク受け
板Ｂに施された位置規制機能は不要になる。

【００１６】

【発明の効果】本発明による釣り糸用カートン２０によ
れば、釣り竿上の所定の位置で釣り糸用カートンを係止
させ、その中で糸巻Ｍを回転させることができるので、
場所を選ばず、器具を使わず、他人の手を借りず、一人
で極めて容易に、しかも迅速に釣り糸をリールに巻き込
むことができ、釣りの準備時間を減らすことができる。
また、釣り糸Ｌは一定のテンションをもって引き出され
るのでリールＲにタイトでしっかりした巻き込みが可能
である。さらに、充填時に釣り糸用カートン２０内での
糸巻の回転方向の位置規制がなされるので、透明カート
ンの場合に、糸巻Ｍが常に正しい向きで包装、陳列さ
れ、ディスプレー効果を高めることが可能となる。また
組み立て部材が板紙であるため過度なコストアップの要
因にはならない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による釣り糸用カートンの使用状態説明
図

【図２】実際に市販されている釣り糸が所定の長さに巻
かれた一部の糸巻の正面と裏面を示す斜視図

【図３】ディスクの斜視図

【図４】ディスク受け板の斜視図

【図５】収納本体の斜視図

【図６】釣り糸用カートンの正面拡大図

【図７】釣り糸用カートンの中央縦断面拡大図

【図８】収納本体Ｃのブランク展開図

【符号の説明】

１ 前板 ２ 側板 ３ 側板 ４ 後側ヘッダーパネル ５ 前側ヘッダーパネル ６ 差し込み片 ７ 天板 ８ 底板 ９ 切れ目線 １０ カートンブランク ａ〜ｉ 折線 Ａ ディスク Ｂ ディスク受け板 Ｃ 収納本体 Ｇ ガイド Ｆ メインフラップ Ｆ’ サブフラップ Ｈ 釣り糸引出し口 Ｊ 釣り竿 Ｋ 切り込み線 Ｌ 釣り糸 Ｍ 糸巻 Ｎ，Ｎ’ 糊代 Ｏ 糸巻裏面の凹陥部 Ｒ リール ＳＡ，ＳＢ 折り返し片

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 釣り糸用糸巻を収納したまま釣り竿の所
   定の位置に取り付け可能とする係止手段を有する収納本
   体と前記糸巻に対して固定手段を有するディスクと該デ
   ィスクの一部を挟み込んで回転摩擦抵抗を与えるととも
   に前記糸巻の回転方向の位置規制手段を有するディスク
   受け板とからなり、前記釣り竿への取り付け機能に加え
   て、収納された糸巻から釣り糸を所定のテンションで引
   出してリールに確実に巻き込み易くする機能と、前記収
   納本体を通して見える糸巻の外観を揃える機能を有する
   ことを特徴とする釣り糸用カートン。
2. 【請求項２】 前記収納本体が、前板と後板、左右両側
   板がそれぞれ対向する角柱体の前板の上辺および下辺に
   折線を介して天板と底板をそれぞれ連接し、前記天板と
   底板に折線を介してメインフラップを延設し、前記側板
   の上下両辺に折線を介して小フラップを設けてなる差し
   込みフラップタイプのカートンであって、前記収納本体
   が有する前記係止手段が、前記後板上辺に折線を介して
   連接された二重のヘッダーパネルを開いて釣り竿を跨が
   せ、一方のヘッダーパネルに延設された差し込み片を前
   記前板の上辺に設けられた切れ目線に差し込んでロック
   することからなるものであることを特徴とする請求項１
   記載の釣り糸用カートン。
3. 【請求項３】 前記ディスクが前記糸巻をカバーする大
   きさの円盤であり、前記ディスクが有する前記固定手段
   が、前記糸巻裏面に設けられた放射状のリブ間の凹陥部
   に嵌合するよう前記ディスクの同心円周上に設けられた
   複数個の折り返し片によるものであることを特徴とする
   請求項１記載の釣り糸用カートン。
4. 【請求項４】 前記ディスク受け板が、前記収納本体の
   上端から下端に至る二重のパネルであって、内側パネル
   の下端部に前記ディスクの一部を挟み込む切り込み線を
   有し、前記収納本体の前記位置規制手段が、適正位置に
   置かれた前記糸巻の前記凹陥部に嵌合する前記内側パネ
   ルの略中央に設けられた折り返し片によるものであるこ
   とを特徴とする請求項１記載の釣り糸用カートン。