JPH1084787A - 屋外展張用フィルム - Google Patents

屋外展張用フィルム

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JPH1084787A
JPH1084787A JP8246060A JP24606096A JPH1084787A JP H1084787 A JPH1084787 A JP H1084787A JP 8246060 A JP8246060 A JP 8246060A JP 24606096 A JP24606096 A JP 24606096A JP H1084787 A JPH1084787 A JP H1084787A
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JP
Japan
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film
layer
parts
acrylic resin
outdoor
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Pending
Application number
JP8246060A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuyoshi Murakami
主義 村上
Takeshi Tashiro
健 田代
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical MKV Co
Original Assignee
Mitsubishi Chemical MKV Co
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Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical MKV Co filed Critical Mitsubishi Chemical MKV Co
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/10Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in agriculture
    • Y02A40/25Greenhouse technology, e.g. cooling systems therefor

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性を有し、且つ、優れた遮熱性とその持
続力を有する屋外展張用フィルムの提供。 【解決手段】 熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面
上に、熱線遮蔽能を有する無機微粒子を含有する層
(A)を設け、更にその層上および/またはフィルムの
反対面上に、紫外線吸収剤を含有する厚さ1〜10μm
のアクリル系樹脂層(B)を設けてなる屋外展張用フィ
ルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、施設園芸等の被覆
に用いられる屋外展張用フィルムに関するものである。
更に詳しくは、透明性を有し、且つ、優れた遮熱性とそ
の持続力を有する屋外展張用フィルムに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来からの施設園芸において、一般的に
用いられるハウス被覆資材は、冬場の保温性向上および
光合成に必要な日射量を確保することを目的に、可視光
線を極力透過させる、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリオ
レフィン、ポリエチレンテレフタレートなどの透明合成
樹脂フィルムが使用されている。これら従来の合成樹脂
フィルムは冬場の栽培性向上を目的としたものであり、
初夏から、盛夏を経て初秋の間は、ハウス内が高温とな
り、施設園芸は困難である。そのため、夏場を越す必要
のある多年生の花卉類の場合は、内張りまたは外張りの
カーテンとしての遮光ネットや寒冷紗を使用し、日射
(可視光線含む)を約30〜80%遮ることによって、
ハウス内に透過してくる日射エネルギーを低下させ、ハ
ウス内温度の上昇を抑えている。花卉類の場合は、必要
な光量が少なくても栽培が可能ではあるものの、遮光に
よる植物の徒長という問題がある。
【0003】また、夏場の高温対策としてハウス内冷房
も行われているが、ミストによる冷房は、植物が濡れる
事に起因して病害が発生しやすく、また、多湿による作
業環境の悪化、更に、日本のように高温多湿環境下で
は、その効果も不十分であるといった問題点があり、普
及していない。他方、冷凍機による冷房も、日射が降り
注ぐハウスでは、冷房効率が非常に低いので、あまり行
われていない。一方、夏場の果菜類の栽培に関しては、
作物生理上および品質上、ほとんど遮光は不可能なた
め、西南暖地において、施設園芸による夏場の果菜類の
栽培は行われておらず、東北や北海道の冷涼地において
も、夏場透明フィルムの被覆下では、ハウス内が高温と
なり、品質および作業環境が問題となっている。そこ
で、可視光線は極力透過させ、熱線(即ち、近赤外線)
を極力カットするタイプの被覆資材が求められている。
【0004】そこで、合成樹脂フィルムの表面にごく薄
い金属層を蒸着した赤外線反射材料(特公昭59−13
325号公報)、近赤外線および赤外線を反射するホロ
グラムを合成樹脂フィルムと組み合わせて使用した農業
用フィルム(特開平7−274738号公報)等が提案
されているが、太陽からの日射エネルギーは、可視光領
域で約50%、近赤外線領域、赤外線領域で約50%の
エネルギー量を有するので、可視光を遮断すれば、透過
してくる日射エネルギー量を容易に低減できるが、可視
光量が不足するという問題がある。よって、日射エネル
ギーの中で近赤外線領域の光を積極的に吸収または反射
(遮蔽)させることが望ましく、熱線吸収剤または熱線
反射剤を合成樹脂フィルムへ練り込むこと、あるいは塗
布することが行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】熱線遮蔽能を有する粒
子を練り込んだ方法として、例えば、六塩化タングステ
ン、硫化第二銅、アミニウム系の近赤外線吸収色素、金
属錯体化合物等の熱線反射剤あるいは熱線吸収剤を配合
することが、特公平4−45546号公報、特公昭58
−56533号公報、特公昭62−54143号公報、
特開昭50−51549号公報、特公昭54−2506
0号公報、特公平1−114801号公報、特開平2−
17306号公報、特開平3−215561号公報、特
開平3−161644号公報、特開平6−73197号
公報、特開平8−81567号公報等により提案されて
いる。また、熱線反射剤あるいは熱線吸収剤を塗布した
方法として、酸化スズ微粒子をバインダー溶液に分散さ
せ、透明基材上に製膜してなる可視光線透過率が高く、
しかも熱線遮蔽性に優れる熱線遮蔽膜(特開平6−26
2717号公報)、ポリエチレンテレフタレートフィル
ムにアミノ化合物よりなる有機物近赤外線吸収層および
酸化スズと酸化アンチモンの固溶体よりなる無機物近赤
外線吸収層を積層した近赤外線吸収性フィルム(特開平
7−100996号公報)等が提案されている。
【0006】しかし、熱線吸収剤または反射剤とも、屋
外に曝露すると、数年以内特に有機系の場合は1年以内
に熱線遮蔽能が低下し、夏場ハウス内の高温対策として
の効果が薄れてくる問題があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる背
景下にあって、熱線を遮蔽する屋外展張用フィルムとし
て、可視光線を透過し、且つ、熱線遮蔽性能の効果の持
続性を向上させた屋外展張用フィルムを提供すべく、鋭
意検討した。その結果、本発明者らは、紫外線吸収剤を
含有するアクリル系樹脂被膜層を設けることにより、熱
線遮蔽効果が持続し、さらに紫外線の入射エネルギーを
ハウスの最外層で遮断することにより、夏場ハウス内の
温度上昇抑制効果がさらに向上することを確認し、本発
明を完成するに至ったものである。
【0008】しかして本発明の要旨とするところは、熱
可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面上に、熱線遮蔽能
を有する無機微粒子を含有する層(A)を設け、更にそ
の層上および/またはフィルムの反対面上に、紫外線吸
収剤を含有する厚さ1〜10μmのアクリル系樹脂層
(B)を設けてなる屋外展張用フィルムに存する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において、熱線とは波長2
00〜2600nmの範囲の近赤外線を意味し、また、
遮蔽とは反射または吸収を意味する。以下、本発明を詳
細に説明する。本発明の屋外展張用フィルムを構成する
熱可塑性樹脂としては、一般にフィルム成形に用いられ
る樹脂であればよい。具体的には、塩化ビニル、エチレ
ン、プロピレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エ
ステル、フッ化エチレン等の単量体の単独またはこれら
相互の重合体、あるいはこれら単量体中の少なくとも1
種と他の共重合可能な単量体(例えば、酢酸ビニル、塩
化ビニリデン等)との共重合体、含フッ素樹脂、ポリエ
ステル、ポリアミド等もしくはこれら重合体のブレンド
物があげられる。これらの中では、耐候性、光透過性、
経済性、強度等の観点から、塩化ビニル系樹脂(即ち、
ポリ塩化ビニルおよび塩化ビニルを50重量%以上含む
その共重合体)およびエチレン系樹脂(即ち、ポリエチ
レンおよびエチレンを50重量%以上含むその共重合
体)が好適であり、最も有利にはポリエチレンテレフタ
レートおよびフッ素樹脂である。
【0010】ポリエチレンテレフタレートを用いる場合
は、フィルムは未延伸のものでも二軸に延伸されたもの
でもよいが、フィルムの強度の点からいえば二軸に延伸
されたものが好ましい。二軸に延伸する場合は、縦、
横、2.0〜5.0倍延伸されたものが好ましい。延伸
倍率が2.0倍未満であると、製品の強度が充分のもの
とならないので好ましくなく、5.0倍を越えたもので
は製品の強度は充分なものとなるが、製造作業が困難と
なるので好ましくない。延伸倍率は二軸方向とも、夫々
2.5〜4.0倍の範囲が特に好ましい。二軸延伸フィ
ルムを製造する方法は特に限定されるものではなく、例
えば逐次にまたは同時に縦横二軸に延伸する等、従来知
られている、如何なる方法によるものでもよい。
【0011】本発明に係る屋外展張用フィルムは、厚み
が0.01〜0.3mmのものが好ましい。厚みが0.
01mm未満であると、製品の強度が充分なものとなら
ず、また、0.3mmを越えるとフィルムが硬くなり、
取り扱い難くなるので好ましくない。
【0012】これら熱可塑性樹脂には、必要に応じ、通
常の熱可塑性樹脂に添加される周知の可塑剤、滑剤、熱
安定剤、有機リン酸金属塩、防曇剤、防霧剤、紫外線吸
収剤、光安定剤、着色剤、安定剤、酸化防止剤等の添加
助剤を通常量配合することができる。
【0013】滑剤ないし熱安定剤としては、一般的に屋
外展張用フィルムに使用される、脂肪酸系滑剤、脂肪酸
アミド系滑剤、エステル系滑剤、ポリエチレンワック
ス、流動パラフィン、有機ホスファイト化合物の如きキ
レーター、フェノール類、βージケトン化合物等があげ
られる。具体的には、特公昭62ー53543号公報第
7欄第1行〜12行目に記載の化合物等がある。
【0014】紫外線吸収剤としては、次のようなものが
あげられる。シアノアクリレート系紫外線吸収剤であ
る、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフ
ェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3’−
ジフェニルアクリレート等。ベンゾフェノン系紫外線吸
収剤である、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェ
ノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒド
ロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒド
ロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノ
ン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベ
ンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンゾイルオキシ
ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキ
シベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5
−スルホンベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テト
ラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ
−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキ
シ−5−クロルベンゾフェノン、ビス−(2−メトキシ
−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニル)メタン
等。
【0015】ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤であ
る、2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾ
ール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5
−メチルフェニル)−5−カルボン酸ブチルエステルベ
ンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メ
チルフェニル)−5,6−ジクロルベンゾトリアゾー
ル、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)
−5−エチルスルホンベンゾトリアゾール、2−(2’
−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)−5−クロ
ロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’
−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−5’−アミノフェニル)ベンゾト
リアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ
メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒ
ドロキシ−3’,5’−ジメチルフェニル)−5−メト
キシベンゾトリアゾール、2−(2’−メチル−4’−
ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’
−ステアリルオキシ−3’,5’−ジメチルフェニル)
−5−メチルベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロ
キシ−5−カルボン酸フェニル)ベンゾトリアゾールエ
チルエステル、2−(2’−ヒドロキシ−3’−メチル
−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2
−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフ
ェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’
−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニ
ル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒ
ドロキシ−5’−メトキシフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブ
チルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−5’−シクロヘキシルフェニル)
ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’,
5’−ジメチルフェニル)−5−カルボン酸ベンゾトリ
アゾールブチルエステル、2−(2’−ヒドロキシ−
3’,5’−ジクロルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−4’,5’−ジクロルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−
3’,5’−ジメチルフェニル)−5−エチルスルホン
ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−
オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’
−ヒドロキシ−5’−メトキシフェニル)−5−メチル
ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−
メチルフェニル)−5−カルボン酸エステルベンゾトリ
アゾール、2−(2’−アセトキシ−5’−メチルフェ
ニル)ベンゾトリアゾール等。
【0016】更に、これらシアノアクリレート系、ベン
ゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の数
量体、重合体があげられる。これらの紫外線吸収剤は1
種あるいは2種以上併用してもよく、その使用量は熱可
塑性樹脂100重量部当り0.01〜5重量部、好まし
くは0.05〜2重量部である。
【0017】本発明において、層(A)形成する熱線遮
蔽能を有する無機微粒子とは、熱線吸収または熱線反射
する能力を有するものであればいずれでもよい。具体的
には、周期表4A、5A、6A金属の酸化物、炭化物、
ホウ化物等があげられ、具体的には酸化チタン、酸化ス
ズと酸化アンチモンとの固溶体、硫化第二銅、六塩化タ
ングステン、雲母チタン(酸化チタン被覆マイカ)、酸
化鉄被覆マイカ、塩基性炭酸鉛、オキシ塩化ビスマス、
酸化セレン、酸化亜鉛等があげられる。中でも無機酸化
物が好ましい。
【0018】これら無機微粒子の粒径は、平均粒径が1
5μmを超える粗粒物になると、表面粗度が低下し、ク
レーター状のへこみや突起ができて外観不良になるほ
か、表面の乱反射も著しくなり、可視光線透過率が低下
するので好ましくない。よって、無機微粒子の平均粒径
は15μm以下が望ましい。また、無機微粒子の添加量
は、層(A)および層(B)成形後のフィルムにおい
て、可視光領域(代表して555nmでの透過率)の透
過率が60%以上となるように調整すべきであるが、対
象作物範囲を考慮すると、可視光線透過率値で80%以
上となるような配合量に調整することがより望ましい。
【0019】これら無機微粒子は、1種または数種を同
時に用いてもかまわない。また、アントラキノン誘導体
や、フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物、
スクアリリウム化合物、チオ尿素化合物、イモニウム系
化合物、アセチレン系化合物などの有機化合物あるい
は、クロム、コバルト、銅等の金属錯体を併用してもさ
しつかえない。
【0020】かかる熱線遮蔽能を有する無機微粒子を含
有する層(A)は、無機微粒子をバインダーとともに液
状分散媒中に分散させたものを熱可塑性樹脂フィルムの
表面上に、塗布した後、強制乾燥または自然乾燥し、液
状分散媒を揮散させることで形成することができる。バ
インダーとしては、熱可塑性樹脂を用いればよい。具体
的には、アクリル系樹脂、塩化ビニルー酢酸ビニル系樹
脂、ポリエチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニ
リデン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート
系樹脂、スチロール系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、不飽和
ポリエステル系樹脂等があげられるが、特にアクリル系
樹脂が好適である。
【0021】強制乾燥する方法としては、熱風乾燥法、
赤外線輻射法等が採用できる。また、塗布する方法とし
ては、ロールコート法、ディップコート法、ハケ塗り
法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法
等それ自体公知のいかなる方法によってもよい。
【0022】フィルム表面と、層(A)との接着性が充
分でない場合には、層(A)を塗布する前に、フィルム
表面にプラズマ処理を施すとか、もしくはコロナ放電処
理を施すとか、適当なアンカー剤の塗布等の方法によっ
てフィルム表面を改質してもよい。本発明の屋外展張用
フィルムは、層(A)を形成した層上または層(A)を
形成したフィルムの反対面上に、紫外線吸収剤を含有す
る層(B)を形成する。すなわち、層(A)が、フィル
ム片面のみに形成された場合は、層(A)上または層
(A)を形成していないフィルム表面上に、あるいは両
方に層(B)を形成すればよい。層(A)が、フィルム
両面に形成された場合は、少なくとも一面に、層(B)
を形成すればよい。
【0023】本発明において層(B)を構成するアクリ
ル系樹脂としては、架橋アクリル酸エステル系弾性体の
存在下に、メタクリル酸アルキルエステル単量体、また
はメタクリル酸アルキルエステル単量体を主成分とし、
これと共重合可能なビニル系単量体との混合物を重合し
て得られるグラフト共重合体であって、架橋アクリル酸
エステル系弾性体を5〜80重量%含むものが好まし
い。架橋アクリル酸エステル系単量体とは、架橋性単量
体と(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体、また
はこれと共重合可能なビニル系単量体とを重合して得ら
れる重合体である。
【0024】架橋性単量体としては、通常多官能性化合
物として使用されているものであればよく、具体例とし
ては、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−
ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレ
ングリコールジメタクリレート、プロピレングリコール
ジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタク
リレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレー
ト、ジプロピレングリコールジメタクリレート、ジビニ
ルベンゼン、ジビニルアジペート、ジアリルフタレー
ト、ジアリルマレート、アリルアクリレート、アリルメ
タクリレート、トリアリルシアヌレート等があげられ、
これらは2種以上を併用してよい。
【0025】(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量
体とは、アクリル酸のまたはメタクリル酸のアルキルエ
ステル類であり、具体的には例えば、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−プロピル、ア
クリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−ブチル、アク
リル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸デシル、メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸−
n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル
酸−n−ブチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、
メタクリル酸デシル等があげられ、一般には、アルキル
基の炭素数が1〜20個のアクリル酸アルキルエステル
および/またはアルキル基の炭素数が1〜20個のメタ
クリル酸アルキルエステルが使用され、これらは混合し
て使用してもよい。
【0026】これら(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ル単量体と共重合可能なビニル系単量体としては、メタ
クリル酸およびメタクリル酸のアルキルエステル(アル
キル基の炭素数1〜12)、イタコン酸のジアルキルエ
ステル(アルキル基の炭素数1〜10)、アクリロニト
リル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、スチレン、核アルキル置換スチレン、α−メチルス
チレン等があげられる。これら単量体は、40重量%以
下、好ましくは25重量%以下とするのがよい。
【0027】架橋アクリル酸エステル系弾性体は、乳化
重合法によって製造するのがよい。この際使用できる重
合開始剤は、通常の遊離基発生開始剤である。具体例を
あげると、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の無
機過酸化物;キュメンハイドロパーオキサイド、p−メ
ンタンハイドロパーオキサイド、ジターシャリーブチル
ハイドロパーオキサイド等の有機ハイドロパーオキサイ
ド、キュメンパーオキサイド等の有機過酸化物や、アゾ
ビスイソブチロニトリルのようなアゾ系の開始剤をあげ
ることができる。
【0028】更にこれらと、亜硫酸ナトリウム、酸性亜
硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ナトリウムホル
ムアルデヒドスルフォキシレート、グルコース、ポリア
ミン、アスコルビン酸ヒドロキシアセトン等の還元剤を
組み合せた、通常のレドックス系開始剤も使用しうる。
使用できる乳化剤は、通常の乳化重合用の界面活性剤を
あげることができる。例えば、炭素数が8〜20個のア
ルキル硫酸のナトリウム、カリウム、アンモニウム塩お
よびラウリン酸、ステアリン酸、パルミチン酸等の脂肪
族カルボン酸のナトリウム、カリウム塩等の陰イオン界
面活性剤や、アルキルフェノール類、脂肪族アルコール
類およびポリプロピレンオキサイド類とエチレンオキサ
イドとの反応生成物等の非イオン界面活性剤があげられ
る。また、場合によっては、これら界面活性剤を2種以
上併用することもできる。更に、ナフタレンホルムアル
デヒド縮合スルフォン酸塩等の界面活性剤を添加するこ
ともできる。更に要すれば、アルキルアミン塩酸塩等の
陽イオン界面活性剤を使用することもできる。
【0029】乳化重合法によって架橋アクリル酸エステ
ル系弾性体を製造する方法としては、以下のものがあげ
られる。 (1)アクリル酸アルキルエステル単量体、またはアク
リル酸アルキルエステル単量体とこれと共重合可能なビ
ニル系単量体との混合物に、少量の架橋性単量体を加え
て、乳化重合法によって製造する方法。 (2)(1)の方法で得た重合体エマルジョンに、更に
アクリル酸アルキルエステル単量体、またはアクリル酸
アルキルエステル単量体とこれと共重合可能なビニル系
単量体との混合物を加え、乳化重合法によって製造する
方法。 (3)(2)の方法において、単量体または単量体混合
物に、少量の架橋剤を加え、乳化重合法によって製造す
る方法。
【0030】(4)まず、アクリル酸アルキルエステル
単量体、またはアクリル酸アルキルエステル単量体とこ
れと共重合可能なビニル系単量体との混合物より乳化重
合法によって、未架橋重合体を製造する。次いで、この
重合体に更にアクリル酸アルキルエステル単量体、また
はアクリル酸アルキルエステル単量体とこれと共重合可
能なビニル系単量体との混合物、および少量の架橋性単
量体を加えた、乳化重合法によって製造する方法。 (5)(1)〜(4)の方法で得た重合体エマルジョン
の一種に、更にアクリル酸アルキルエステル単量体、ま
たはこれと共重合可能なビニル系単量体を加え、架橋性
単量体を加えずまたは少量加えて、乳化重合法によって
製造する方法。
【0031】架橋アクリル酸エステル系弾性体は、前記
界面活性剤の使用量や、使用する水性媒体の量を加減す
ることによって、架橋弾性体エマルジョン粒子の平均粒
子径を調整し、0.05〜0.30μmの範囲とするこ
とが好ましい。0.05μm以下では、被膜として使用
されるアクリル系樹脂の機械的強度が低下し、0.30
μmを超えると、応力白化が著しくなり好ましくない。
更に架橋アクリル酸エステル系弾性体は、次の方法で測
定したゲル含量が80%以上で、膨潤度が15以下のも
のがよい。
【0032】架橋弾性体を所定量W0採取し、室温でメ
チルエチルケトンに48時間浸漬した後の膨潤した重量
W1、およびこの試料を減圧乾燥機で乾燥した後の重量
W2を測定し、次式により算出する。 ゲル含量=(W2−W0)×100(%) 膨潤度 =(W1−W2)/W0
【0033】ゲル含量、膨潤度は、前述の架橋性単量体
の種類および量の調整以外に、弾性体を重合する時の温
度、開始剤の種類とその使用量、弾性体を構成する単量
体の添加方法、分子量調節剤の有無等の重合諸条件によ
って影響されるので、適宜調節するのがよい。ゲル含量
が80%に満たないときは、その弾性体から得られる被
膜形成用アクリル系樹脂は、後述する有機溶媒に完全に
溶解し、または過度に膨潤し、弾性体粒子が変形してし
まい、好ましくない。膨潤度についても、15を超える
と応力白化しやすくなり、好ましくない。
【0034】上記架橋アクリル酸エステル系弾性体にグ
ラフトさせる単量体は、メタクリル酸アルキルエステ
ル、またはメタクリル酸アルキルエステルを主成分と
し、これと共重合可能なビニル系単量体との混合物であ
る。グラフトさせる成分としてのメタクリル酸アルキル
エステルは、弾性体製造の際に使用される前述の中から
選んでよく、これと共重合可能なビニル系単量体もま
た、弾性体製造の際に使用されると例示したものの中か
ら選んでよい。
【0035】この場合、グラフトさせる単量体成分から
得られる重合体または共重合体自体のガラス転移温度
(Tg)が50℃以上となるように単量体の種類、組合
せを選ぶことが好ましい。Tgが50℃に満たないとき
は、このグラフト重合体を含むアクリル系樹脂の被膜を
形成した熱可塑性樹脂フィルムの耐ブロッキング性が悪
くなる(ブロッキングしやすい)ので好ましくない。
【0036】グラフト重合反応は、乳化重合法によって
遂行するのがよいが、溶液重合法によってもよい。乳化
重合法によるときは例えば、架橋アクリル酸エステル系
弾性体のエマルジョンに、グラフトさせる単量体を加
え、必要があれば乳化剤、重合開始剤、分子量調節剤、
水等を加えて、通常の乳化重合の条件を選んで、遂行す
ることができる。グラフト重合反応を遂行する際の架橋
弾性体と、グラフトさせる単量体との割合は、架橋弾性
体エマルジョンを重合体固形分として10〜90重量
部、グラフトさせる単量体90〜10重量部の範囲から
選ぶのがよい。
【0037】グラフト重合体はそのまま、またはグラフ
ト重合体と相溶性があり、Tgが50℃以上で透明な硬
質熱可塑性樹脂をブレンドして、被膜形成用アクリル系
樹脂として使用することができる。後者において、ブレ
ンドするに当たっては、アクリル系樹脂に含まれる架橋
弾性体の割合を5〜80重量%、好ましくは10〜50
重量%の範囲とするのがよい。架橋弾性体の割合が5重
量%に満たないときは、機械的強度が劣り、80重量%
を超えるときは、これを被膜として有するフィルムの耐
ブロッキング性が悪くなり、好ましくない。
【0038】これらアクリル系樹脂には、紫外線吸収剤
を配合して、基体フィルムの片面に被膜を形成する。紫
外線吸収剤の種類は、従来公知の紫外線吸収剤、例えば
サリチル酸系化合物、シアノアクリレート系化合物、ベ
ンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物等
があげられる。これらの中で、アクリル系樹脂への溶解
性、熱可塑性樹脂フィルムに塗布して屋外展張用として
使用する観点から評価すると、ベンゾフェノン系化合
物、および/またはベンゾトリアゾール系化合物が好ま
しい。
【0039】具体的には、前述したような紫外線吸収剤
およびその数量体、重合体があげられる。前記アクリル
系樹脂に配合される紫外線吸収剤の量は、余り少なすぎ
ると本発明の目的が達成されないし、余り多すぎるとブ
リード・アウトの問題がある。好ましい配合量は、アク
リル系樹脂100重量部に対して、10〜25重量部の
範囲である。
【0040】これら紫外線吸収剤を含有するアクリル系
樹脂の被膜の厚さは、1〜10μmであり、特に1〜5
μmが好適である。1μm未満であると本発明の目的が
達成されないので好ましくなく、10μmを超えると被
膜が剥離しやすいという問題が生じ好ましくない。アク
リル系樹脂に配合される紫外線吸収剤の量、ポリエチレ
ンテレフタレートの片面に形成される被膜の厚さは、種
々変更しうるが、フィルム一定面積当りの紫外線吸収剤
の量を150〜1000mg/m2 の範囲とすると特に
好ましい。
【0041】本発明の層(B)を熱可塑性樹脂フィルム
表面上に形成する場合は、紫外線吸収剤を含む組成物
を、液状分散媒として、例えば、メチルエチルケトンの
ようなケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレンのよう
な芳香族炭化水素類、酢酸メチル、酢酸エチル等の酢酸
エステル類などの1種または2種以上を混合した有機溶
媒との混合物を用いて分散液として用いる。この組成物
を熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に塗布し、強
制乾燥または自然乾燥して、液状分散媒を揮散させるこ
とで塗膜を形成することができる。
【0042】強制乾燥する方法としては、熱風乾燥法、
赤外線輻射法等が採用できる。強制乾燥するときの加熱
温度は、塗布された組成物によって決定されるが、50
〜250℃、好ましくは70〜200℃の範囲である。
塗布する方法としては、ロールコート法、ディップコー
ト法、ハケ塗り法、スプレーコート法、バーコート法、
ナイフコート法等それ自体公知のいかなる方法によって
もよい。
【0043】フィルム表面と、層Bとの接着性が充分で
ない場合には、層Bを塗布する前に、フィルム表面にプ
ラズマ処理を施すとか、もしくはコロナ放電処理を施す
とか、適当なアンカー剤の塗布等の方法によってフィル
ム表面を改質してもよい。本発明の屋外展張用フィルム
を展張使用する際に、該層が片面のみに形成されたフィ
ルムの場合は、該層が形成された面をハウスあるいはト
ンネルの外側になるように展張する。
【0044】本発明に係る屋外展張用フィルムを展張使
用する際は、層(B)が形成された面をハウスあるいは
トンネルの外側になるように展張する。
【0045】
【発明の効果】本発明に係る屋外展張用フィルムは、透
明性に優れ、且つ、層(A)と層(B)との相乗効果に
より、夏場の農業用ハウス内の遮熱効果が向上し、その
効果の持続に優れるので、屋外展張用フィルムとしての
利用価値は極めて大きい。
【実施例】以下、本発明を実施例にもとづいて詳細に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の例
に限定されるものではない。 実施例1〜10、比較例1〜4
【0046】(1)基体フィルムの調製 (i)ポリエチレンテレフタレート ポリエチレンテレフタレート(o−クロロフェノールを
溶媒として用い、25℃で測定した極限粘度が0.65
のもの)100重量部に対し、必要に応じ表−1に示し
た紫外線吸収剤を同表に示した配合割合で配合した。各
配合物をスーパーミキサーで10分間攪拌混合したの
ち、常法によって溶融押出し、縦方向に延伸温度65
℃、延伸倍率3.5倍、次いで横方向に延伸温度65
℃、延伸倍率3.5倍で逐次二軸延伸し、厚さ0.15
mmの二軸配向フィルムを製造した。このフィルムの密
度は1.37g/cm3 であった。
【0047】(ii)軟質塩化ビニル系樹脂フィルム ポリ塩化ビニル(重合度=1300)100重量部に対
して、ジオクチルフタレートを50重量部、トリクレジ
ルホスフェートを5重量部、エポキシ樹脂を2重量部、
Ba−Zn系液状安定剤を2重量部、Ba−Zn系粉末
安定剤を1重量部、ソルビタンモノパルミテートを1.
5重量部および表−1に示した紫外線吸収剤を0.1重
量部を秤量し、これらをスーパーミキサーで10分間攪
拌混合した後、165℃に加熱したロール上で混練し、
L型カレンダー装置によって、幅100cm、厚さ0.
15mmの透明な軟質塩化ビニル系樹脂フィルムを製造
した。
【0048】(iii)フッ素樹脂フィルム エチレン−テトラフルオロエチレン共重合樹脂フィルム
(デュポン(株)製テフゼルAS、厚み64μm)の片
面上に、放電電圧120V、放電電流4.7A、ライン
スピード5〜15m/minでコロナ処理を行った。
【0049】(iv)ポリオレフィン系フィルム 三層インフレーション成形装置として三層ダイに100
mmφ((株)プラ技研製)を用い、押出機は外肉層を
30mmφ((株)プラ技研製)2台、中間層を40m
mφ((株)プラ技研製)として成形温度160℃、ブ
ロー比2.0、引取速度5m/分にて下記配合からなる
厚さ0.15mmの積層フィルムを製造した。
【0050】 [外層] 原料樹脂(EVA(VA成分5%)) 100重量部 有機リン酸金属塩(リン酸モノオクタデシル亜鉛塩) 0.5 〃 ヒンダードアミン(MARK LA−57) 0.5 〃 紫外線吸収剤 0.5 〃 ソルビタンモノステアレート 0.5 〃
【0051】 [内層] 原料樹脂(EVA(VA成分15%)) 100重量部 有機リン酸金属塩(リン酸モノオクタデシル亜鉛塩) 0.5 〃 ヒンダードアミン(MARK LA−57) 0.5 〃 紫外線吸収剤 0.5 〃 ソルビタンモノステアレート 0.5 〃 ハイドロタルサイト類 15 〃
【0052】
【表1】
【0053】(2)層(A) (i)層(A)組成物の調製 表−2に示した種類の雲母チタン、酸化スズおよび酸化
亜鉛をアクリル系樹脂溶液(メチルメタクリレート50
重量部、ブチルメタクリレート30重量部および2ーヒ
ドロキシエチルメタクリレート20重量部)(固形分濃
度10wt%)に表−2に示した配合量で配合し、層
(A)組成物を調製した。 (ii)層(A)塗膜の形成 (1)で得られた各フィルムの片面(フッ素フィルムの
場合は、表面処理をした面上)に、(2)-(i)で得ら
れた各組成物をバーコート法によって、乾燥後の塗布量
が固形分として6g/m2 となるように塗布し、130
℃の熱風中に1分間滞留させ溶媒を飛散させた。
【0054】(3)層(B) (i)アクリル系樹脂の調製 紫外線吸収剤を配合するためのアクリル系樹脂溶液は、
次のように調製した。
【0055】(a)アクリル系樹脂溶液a a−1 架橋アクリル酸エステル系弾性体の製造 重合缶中に、脱イオン水300重量部(以下、単に
「部」と表示するのは「重量部」を意味する。)、過硫
酸カリ0.3部、燐酸二ナトリウム12水塩0.5部、
燐酸水素ナトリウム2水塩0.3部を仕込み、充分窒素
置換を行ったのちに、内温を70℃に昇温した。内温を
この温度に保持し、攪拌しながら、スチレン19.8
部、アクリル酸ブチル69.3部、メタクリル酸アリル
0.9部、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム(乳化
剤)2.5部からなる混合物を、2時間を要して連続的
に添加した。添加終了後直ちに、t−ブチルパーオキシ
−2−エチルヘキサノエート1.0部、スチレン2.2
部、アクリル酸ブチル7.7部、アクリル酸アリル0.
1部からなる混合物を加えた。加え終わってから30分
間経過してから、内温を90℃に昇温し、この温度で3
時間反応を続け、架橋弾性体のエマルジョンを得た。こ
の架橋弾性体の平均粒子径は0.2mμであり、ゲル含
量は97.1%、膨潤度は7.2であった。
【0056】a−2 グラフト共重合体の製造 重合缶に、上記a−1で得た架橋弾性体エマルジョン4
00部を仕込み、攪拌しながら、窒素置換した後、内温
を80℃に昇温した。内温をこの温度に保持し、攪拌し
ながら脱イオン水3.0部にナトリウムホルムアルデヒ
ドスルホキシレート0.15部を溶解した液を添加して
からメタクリル酸メチル30.0部、n−オクチルメル
カプタン0.03部、パラメンタンパーオキサイド(5
0%溶液)0.15部の混合物を、30分間を要して連
続的に添加した。添加終了後、更に30分間重合反応を
継続し、グラフト共重合体エマルジョンを得た。なおグ
ラフトさせた単量体成分から得られる共重合体自体のガ
ラス転移温度(Tg)は108℃であった。得られたグ
ラフト共重合体エマルジョンは、常法に従って塩析し、
重合体を濾別し、水洗し、乾燥して、グラフト共重合体
の粉末を得た。
【0057】a−3 樹脂溶液aの調製 上記a−2で得たグラフト共重合体6.5部に、メタク
リル樹脂(メタクリル酸メチル/メタクリル酸エチルが
96/4の割合の共重合体)のビーズ13.5部を混合
し、この混合物をメチルエチルケトン64部とトルエン
16部とよりなる混合溶媒中に入れて、攪拌しつつ溶解
し、固形分が20重量%のアクリル系樹脂溶液aを調製
した。
【0058】(b)アクリル系樹脂溶液b b−1 架橋アクリル酸エステル系弾性体の製造 重合缶中に、脱イオン水250部、ジオクチルスルホコ
ハク酸ナトリウム2.9部、ナトリウムホルムアルデヒ
ドスルホキシレート0.05部を仕込み、充分窒素置換
を行った。この重合缶の内容物を攪拌しつつ、メタクリ
ル酸メチル1.6部、アクリル酸ブチル8.0部、1,
3−ブチレンジメタクリレート0.4部、メタクリル酸
アリル0.1部、キュメンハイドロパーオキサイド0.
04部からなる混合物を仕込んだ。重合缶内温を70℃
に昇温し、この温度で60分間反応を継続した。続い
て、この重合缶にメタクリル酸メチル1.5部、アクリ
ル酸ブチル22.5部、1,3−ブチレンジメタクリレ
ート1.0部、メタクリル酸アリル0.25部およびこ
れら単量体混合物に対して0.05重量%の量のキュメ
ンハイフォロパーオキサイドを加えた混合物を60分を
要して添加した。得られた架橋弾性体の平均粒子径は
0.12mμであり、ゲル含量は90%、膨潤度は10
であった。
【0059】b−2 グラフト共重合体の製造 上記b−1で得た架橋弾性体エマルジョンを含む重合缶
に、イオン水3部にナトリウムホルムアルデヒドスルホ
キシレート0.01部を溶解した液を添加してから、メ
タクリル酸メチル5部、アクリル酸ブチル5部、アクリ
ル酸アリル0.1部およびこれら単量体に対して0.0
3重量%の量のキュメンハイドロパーオキサイドを加え
た混合物を30分要して、連続的に添加した。添加終了
後、更に30分間重合反応を継続した。
【0060】この重合缶に、イオン水3部にナトリウム
ホルムアルデヒドスルホキシレート0.05部を溶解し
た液を添加してから80℃に昇温し、メタクリル酸メチ
ル52.25部、アクリル酸ブチル2.75部、パラメ
ンタンハイドロパーオキサイド(50%溶液)0.13
部よりなる混合物を、30分間を要して添加した。添加
終了後、更に80℃で30分間重合反応を継続し、グラ
フト共重合体エマルジョンを得た。なお最外層にグラフ
トさせた単量体成分から得られる共重合体自体のガラス
転移温度(Tg)は103℃であった。得られたグラフ
ト共重合体エマルジョンは、常法に従って塩析し、重合
体を濾別し、水洗し、乾燥して、グラフト共重合体の粉
末を得た。
【0061】b−3 樹脂溶液bの調製 上記b−2で得たグラフト共重合体20部をメチルエチ
ルケトン64部とトルエン16部とよりなる混合溶媒中
に入れて攪拌し、固形分が20重量%のアクリル系樹脂
溶液bを調製した。
【0062】(ii)層(B)組成物の調整 上記(i)に記載の方法に従って調製したアクリル系樹
脂溶液に、表−2に示した種類の紫外線吸収剤を、同表
に記載した割合(樹脂固形分に対する割合を意味す
る。)を添加した。 (iii)層(B)塗膜の形成 (2)で得られたフィルムの層(A)を形成した面上
に、(3)−(ii)で得られた各種組成物をバーコート
法によって塗布し、140℃の熱風中に1分間滞留させ
溶媒を飛散させた。
【0063】
【表2】
【0064】表−2中の注は以下の物を表す。 *1 X:2−(2’−ヒドロキシ−5’−ターシャリーブチ
ルフェニル)ベンゾトリアゾール Y:2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジターシャ
リーブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール Z:2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン
【0065】(4)評価 (3)-(iii)で得られた各フィルムについて次に記載
した方法で各種の性質を評価し、結果を表−3に示し
た。 (i)可視光線透過率 自記分光光度計(日立330型)を用い、60φ積分球
を使用し、555nmでの全光線透過率を測定した。 (ii)熱線遮断率 自記分光光度計(日立330型)を用い、60φ積分球
を使用し、200〜2600nmでの全光線透過率を測
定し、かつ、太陽からの日射エネルギーの波長依存性デ
ータを合わせ、基材によって遮断される日射エネルギー
と基材がなく直接受ける日射エネルギーとの比で示し
た。
【0066】(iii)ハウス内地温、気温 密閉パイプハウス(間口5m×奥行き10m)に各フィ
ルムを層(B)を設けた面をハウスの外側にして展張
し、夏場の日中の地温、気温を測定した。地温はハウス
中央部に砂を入れ、周囲を板で遮断し、深さ5cmの位置
に熱電対をセットして測定し、快晴時の14:00の測
定値を外界値対比の値で示した。(平成3年〜8年の7
月〜8月、三重県の試験農場にて実施)
【0067】(iv)夏場の栽培性 屋根型ハウス(間口9m、奥行き20m、棟高2.5
m、屋根勾配30度)に、各フィルムを層(B)を設け
た面をハウスの外側にして展張した。各ハウスに平成3
年〜8年の6シーズンにかけての5月上旬〜中旬にトマ
ト(品種 桃太郎)を定植し、6月下旬〜11月にかけ
て収穫した。各ハウスのトマトを、開花から着果にかけ
て観察を行い、その効果の持続性を評価した。評価結果
は次の通りとした。
【0068】 5点:花数が多く、着果がきわめて良好なもの 4点:花数が普通で、着果が良好なもの 3点:花数が普通で、やや落果しているもの 2点:花数が少なく、落果が多いもの 1点:花飛びしているもの(着花なし)
【0069】(v)熱線遮蔽効果持続性 展張使用後の熱線遮蔽効果を初期(1年目)のそれと比
較し、以下の基準により評価した。 5点:ほぼ初期の効果を持続 4点:やや効果が劣るが、栽培性は良好 3点:やや効果が劣り、栽培性にもやや影響が生じる 2点:僅かに熱線遮蔽効果は残っているが、夏場の栽培
性に効果無し 1点:ほぼ効果が消滅
【0070】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B32B 27/20 B32B 27/20 Z 27/30 27/30 A

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面
    上に、熱線遮蔽能を有する無機微粒子を含有する層
    (A)を設け、更にその層上および/またはフィルムの
    反対面上に、紫外線吸収剤を含有する厚さ1〜10μm
    のアクリル系樹脂層(B)を設けてなる屋外展張用フィ
    ルム。
  2. 【請求項2】 層(A)が無機微粒子として平均粒子径
    15μm以下の無機酸化物を用い、バインダーとして熱
    可塑性樹脂を用いたものである、請求項1記載の屋外展
    張用フィルム。
  3. 【請求項3】 555nmでの直進光線透過率が60%
    以上である請求項1または2記載の屋外展張用フィル
    ム。
  4. 【請求項4】 紫外線吸収剤が、ベンゾフェノン系化合
    物および/またはベンゾトリアゾール系化合物であり、
    その量がフィルム1m2 あたり150〜1000mgの
    範囲である請求項1ないし3のいずれかの項に記載の屋
    外展張用フィルム。
  5. 【請求項5】 層(B)のアクリル樹脂が、架橋アクリ
    ル酸エステル系弾性体の存在下に、メタクリル酸アルキ
    ルエステル単量体、またはメタクリル酸アルキルエステ
    ルを主成分とし、これと共重合可能なビニル系単量体と
    の混合物を重合して得られるグラフト共重合体である請
    求項1ないし4に記載の屋外展張用フィルム。
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