JPH10250002A - 屋外展張用フィルム - Google Patents

屋外展張用フィルム

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JPH10250002A
JPH10250002A JP9059311A JP5931197A JPH10250002A JP H10250002 A JPH10250002 A JP H10250002A JP 9059311 A JP9059311 A JP 9059311A JP 5931197 A JP5931197 A JP 5931197A JP H10250002 A JPH10250002 A JP H10250002A
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JP
Japan
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layer
film
outdoor
fine particles
oxide fine
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Application number
JP9059311A
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English (en)
Inventor
Kazuyoshi Murakami
主義 村上
Takeshi Tashiro
健 田代
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Mitsubishi Chemical MKV Co
Original Assignee
Mitsubishi Chemical MKV Co
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Publication date
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/10Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in agriculture
    • Y02A40/25Greenhouse technology, e.g. cooling systems therefor

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性を有し、且つ、優れた遮熱性とその持
続力を有する屋外展張用フィルムの提供。 【解決手段】 熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面
に、3A、4Aおよび5A族に属する少なくとも1種の
金属がドープされた熱線遮蔽能を有する無機酸化物微粒
子、親水性無機質コロイド粒子およびバインダー樹脂を
主成分とする層を設けてなる屋外展張用フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、施設園芸等の被覆
に用いられる屋外展張用フィルムに関するものである。
更に詳しくは、透明性を有し、且つ、優れた遮熱性を有
する屋外展張用フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来からの施設園芸において、一般的に
用いられるハウス被覆資材は、冬場の保温性向上および
光合成に必要な日射量を確保することを目的に、可視光
線を極力透過させる、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリオ
レフィン、ポリエチレンテレフタレートなどの透明合成
樹脂フィルムが使用されている。これら従来の合成樹脂
フィルムは冬場の栽培性向上を目的としたものであり、
初夏から、盛夏を経て初秋の間は、ハウス内が高温とな
り、施設園芸は困難である。そのため、夏場を越す必要
のある多年生の花卉類の場合は、内張りまたは外張りの
カーテンとしての遮光ネットや寒冷紗を使用し、日射
(可視光線含む)を約30〜80%遮ることによって、
ハウス内に透過してくる日射エネルギーを低下させ、ハ
ウス内温度の上昇を抑えている。花卉類の場合は、必要
な光量が少なくても栽培が可能ではあるものの、遮光に
よる植物の徒長という問題がある。
【0003】また、夏場の高温対策としてハウス内冷房
も行われているが、ミストによる冷房は、植物が濡れる
事に起因して病害が発生しやすく、また、多湿による作
業環境の悪化、更に、日本のように高温多湿環境下で
は、その効果も不十分であるといった問題点があり、普
及していない。他方、冷凍機による冷房も、日射が降り
注ぐハウスでは、冷房効率が非常に低いので、あまり行
われていない。一方、夏場の果菜類の栽培に関しては、
作物生理上および品質上、ほとんど遮光は不可能なた
め、西南暖地において、施設園芸による夏場の果菜類の
栽培は行われておらず、東北や北海道の冷涼地において
も、夏場透明フィルムの被覆下では、ハウス内が高温と
なり、品質および作業環境が問題となっている。そこ
で、可視光線は極力透過させ、熱線(即ち、近赤外線)
を極力カットするタイプの被覆資材が求められている。
【0004】合成樹脂フィルムの表面にごく薄い金属層
を蒸着した赤外線反射材料(特公昭59−13325号
公報)、近赤外線および赤外線を反射するホログラムを
合成樹脂フィルムと組み合わせて使用した農業用フィル
ム(特開平7−274738号公報)等が提案されてい
るが、太陽からの日射エネルギーは、可視光領域で約5
0%、近赤外線領域、赤外線領域で約50%のエネルギ
ー量を有するので、可視光を遮断すれば、透過してくる
日射エネルギー量を容易に低減できるが、可視光量が不
足するという問題がある。よって、日射エネルギーの中
で近赤外線領域の光を積極的に吸収または反射(遮蔽)
させることが望ましく、熱線吸収剤または熱線反射剤を
合成樹脂フィルムへ練り込むこと、あるいは塗布するこ
とが行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】熱線遮蔽能を有する粒
子を練り込んだ方法として、例えば、六塩化タングステ
ン、硫化第二銅、アミニウム系の近赤外線吸収色素、金
属錯体化合物等の熱線反射剤あるいは熱線吸収剤を配合
することが、特公平4−45546号公報、特公昭58
−56533号公報、特公昭62−54143号公報、
特開昭50−51549号公報、特公昭54−2506
0号公報、特公平1−114801号公報、特開平2−
17306号公報、特開平3−215561号公報、特
開平3−161644号公報、特開平6−73197号
公報、特開平8−81567号公報等により提案されて
いる。また、熱線反射剤あるいは熱線吸収剤を塗布した
方法として、酸化スズ微粒子をバインダー溶液に分散さ
せ、透明基材上に製膜してなる可視光線透過率が高く、
しかも熱線遮蔽性に優れる熱線遮蔽膜(特開平6−26
2717号公報)、ポリエチレンテレフタレートフィル
ムにアミノ化合物よりなる有機物近赤外線吸収層および
酸化スズと酸化アンチモンの固溶体よりなる無機物近赤
外線吸収層を積層した近赤外線吸収性フィルム(特開平
7−100996号公報)等が提案されている。
【0006】しかし、熱線を吸収するタイプ(熱線吸収
剤を配合あるいは塗布したタイプ)では、基材フィルム
が熱線を吸収してしまい、基材フィルムの温度が上昇
し、基材フィルムからの熱の再放射が生じ、ハウス内の
温度を上昇させてしまい、むしろ逆効果になるという問
題があった。また、熱線を反射するタイプでも、可視光
線を極力透過させ、且つ、農業用ハウス内の夏場の温度
上昇を抑制するには、未だ熱線遮蔽能が充分なものでは
なかった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる背
景下にあって、屋外展張用フィルムとして、可視光線を
透過し、且つ、熱線を遮蔽するフィルムにおいて、その
遮蔽性能をさらに向上させた屋外展張用フィルムを提供
すべく、鋭意検討した。その結果、本発明者らは、無機
質コロイドゾルを含有する層が空気中の水分を積極的に
取り込むことに着目し、この水分の蒸発潜熱により、熱
線吸収剤の遮熱効果をさらに高める事を確認した。すな
わち、ハウス内湿度が低いときは、基材表面に取り込ん
だ空気中水分が速やかに蒸発して蒸発潜熱を奪い、基材
フィルムの過熱を防ぎ、基材フィルムからの熱線の再放
射を低減する。ハウス内が多湿のときは、フィルム表面
に水膜が生じ、常にその水膜が基材面を流下することに
より、基材フィルムの熱を奪い、更に、水膜の比熱は高
く、基材温度の上昇を防ぎ、基材フィルムからの再放射
を低減することができるものである。
【0008】しかして本発明の要旨とするところは、熱
可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面上に、3A、4A
および5A族に属する少なくとも1種の金属がドープさ
れた熱線遮蔽能を有する無機酸化物微粒子を含有する層
(A)を設け、更にその層上および/またはフィルムの
反対面上に、親水性無機質コロイド粒子を含有する層
(B)を設けてなる屋外展張用フィルムに存する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において、熱線とは波長2
00〜2600nmの範囲の近赤外線を意味し、また、
遮蔽とは反射または吸収を意味する。以下、本発明を詳
細に説明する。本発明の屋外展張用フィルムを構成する
熱可塑性樹脂としては、一般にフィルム成形に用いられ
る樹脂であれば何れでもよい。具体的には、塩化ビニ
ル、エチレン、プロピレン、アクリル酸エステル、メタ
クリル酸エステル、フッ化エチレン等の単量体の単独ま
たはこれら相互の重合体、あるいはこれら単量体中の少
なくとも1種と他の共重合可能な単量体(例えば、酢酸
ビニル、塩化ビニリデン等)との共重合体、含フッ素樹
脂、ポリエステル、ポリアミド等もしくはこれら重合体
のブレンド物があげられる。これらの中では、耐候性、
光透過性、経済性、強度等の観点から、塩化ビニル系樹
脂(即ち、ポリ塩化ビニルおよび塩化ビニルを50重量
%以上含むその共重合体)およびエチレン系樹脂(即
ち、ポリエチレンおよびエチレンを50重量%以上含む
その共重合体)が好適であり、最も有利にはポリエチレ
ンテレフタレートおよびフッ素樹脂である。
【0010】ポリエチレンテレフタレートを用いる場合
は、フィルムは未延伸のものでも二軸に延伸されたもの
でもよいが、フィルムの強度の点からいえば二軸に延伸
されたものが好ましい。二軸に延伸する場合は、縦、
横、2.0〜5.0倍延伸されたものが好ましい。延伸
倍率が2.0倍未満であると、製品の強度が充分のもの
とならないので好ましくなく、5.0倍を越えたもので
は製品の強度は充分なものとなるが、製造作業が困難と
なるので好ましくない。延伸倍率は二軸方向とも、夫々
2.5〜4.0倍の範囲が特に好ましい。二軸延伸フィ
ルムを製造する方法は特に限定されるものではなく、例
えば逐次に又は同時に縦横二軸に延伸する等、従来知ら
れている、如何なる方法によるものでもよい。
【0011】本発明の屋外展張用フィルムに係る熱可塑
性樹脂フィルムは、厚みが0.01〜0.3mmのもの
が好ましい。厚みが0.01mm未満であると、製品の
強度が充分なものとならず、また、0.3mmを越える
とフィルムが硬くなり、取り扱い難くなるので好ましく
ない。これら熱可塑性樹脂には、必要に応じ、通常の熱
可塑性樹脂に添加される周知の可塑剤、滑剤、熱安定
剤、有機リン酸金属塩、防曇剤、防霧剤、紫外線吸収
剤、光安定剤、着色剤、安定剤、酸化防止剤等の添加助
剤を通常量配合することができる。
【0012】滑剤ないし熱安定剤としては、一般的に屋
外展張用フィルムに使用される、脂肪酸系滑剤、脂肪酸
アミド系滑剤、エステル系滑剤、ポリエチレンワック
ス、流動パラフィン、有機ホスファイト化合物の如きキ
レーター、フェノール類、βージケトン化合物等があげ
られる。具体的には、特公昭62ー53543号公報第
7欄第1行〜12行目に記載の化合物等がある。
【0013】紫外線吸収剤としては、次のようなものが
あげられる。シアノアクリレート系紫外線吸収剤であ
る、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフ
ェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3’−
ジフェニルアクリレート等。ベンゾフェノン系紫外線吸
収剤である、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェ
ノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒド
ロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒド
ロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノ
ン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベ
ンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンゾイルオキシ
ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキ
シベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5
−スルホンベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テト
ラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ
−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキ
シ−5−クロルベンゾフェノン、ビス−(2−メトキシ
−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニル)メタン
等。
【0014】ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤であ
る、2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾ
ール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5
−メチルフェニル)−5−カルボン酸ブチルエステルベ
ンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メ
チルフェニル)−5,6−ジクロルベンゾトリアゾー
ル、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)
−5−エチルスルホンベンゾトリアゾール、2−(2’
−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)−5−クロ
ロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’
−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−5’−アミノフェニル)ベンゾト
リアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ
メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒ
ドロキシ−3’,5’−ジメチルフェニル)−5−メト
キシベンゾトリアゾール、2−(2’−メチル−4’−
ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’
−ステアリルオキシ−3’,5’−ジメチルフェニル)
−5−メチルベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロ
キシ−5−カルボン酸フェニル)ベンゾトリアゾールエ
チルエステル、2−(2’−ヒドロキシ−3’−メチル
−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2
−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフ
ェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’
−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニ
ル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒ
ドロキシ−5’−メトキシフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブ
チルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−5’−シクロヘキシルフェニル)
ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’,
5’−ジメチルフェニル)−5−カルボン酸ベンゾトリ
アゾールブチルエステル、2−(2’−ヒドロキシ−
3’,5’−ジクロルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−4’,5’−ジクロルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−
3’,5’−ジメチルフェニル)−5−エチルスルホン
ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−
オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’
−ヒドロキシ−5’−メトキシフェニル)−5−メチル
ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−
メチルフェニル)−5−カルボン酸エステルベンゾトリ
アゾール、2−(2’−アセトキシ−5’−メチルフェ
ニル)ベンゾトリアゾール等。
【0015】更に、これらシアノアクリレート系、ベン
ゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の数
量体、重合体があげられる。中でもベンゾフェノン系紫
外線吸収剤又はベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を使
用することが望ましい。これらの紫外線吸収剤は1種あ
るいは2種以上併用してもよく、その使用量は熱可塑性
樹脂100重量部当り0.01〜5重量部、好ましくは
0.05〜2重量部である。
【0016】本発明において、層(A)を構成する、3
A、4Aおよび5A族に属する少なくとも1種の金属が
ドープされた熱線遮蔽能を有する無機酸化物微粒子と
は、例えば、酸化インジウム、酸化スズ、酸化ゲルマニ
ウム、酸化亜鉛等の金属酸化物に、3A、4Aおよび5
A族に属する金属をドープさせ導電性を付与したもので
あり、具体的には、スズがドープされた酸化インジウム
(ITO)、アンチモンがドープされた酸化スズ(AT
O)、ガリウムがドープされた酸化ゲルマニウム等があ
げらる。また、3A、4Aおよび5A族に属する金属
は、2種以上ドープさせても良い。
【0017】これら無機酸化物微粒子の1次粒子の粒径
は、平均粒径が2000nmを超える粗粒物になると、
表面粗度が低下し、クレーター状のへこみや突起ができ
て外観不良になるほか、表面の乱反射も著しくなり、可
視光線透過率が低下するので好ましくない。よって、無
機酸化物微粒子の平均粒径が、2000nm以下のもの
が望ましい。また、無機酸化物微粒子の添加量は、層
(A)および層(B)成形後のフィルムにおいて、可視
光領域(代表して555nmでの透過率)の透過率が6
0%以上となるように調整すべきであるが、対象作物範
囲を考慮すると、可視光線透過率値で80%以上となる
ような配合量に調整することがより望ましい。これら無
機酸化物微粒子は、1種または数種を同時に用いてもか
まわない。また、アントラキノン誘導体や、フタロシア
ニン化合物、ナフタロシアニン化合物、スクアリリウム
化合物、チオ尿素化合物、イモニウム系化合物、アセチ
レン系化合物などの有機化合物あるいは、クロム、コバ
ルト、銅等の金属錯体を併用してもさしつかえない。
【0018】かかる層(A)を形成するには、無機酸化
物微粒子をバインダーとともに液状分散媒中に分散させ
たものを熱可塑性樹脂フィルムの表面上に、塗布した
後、強制乾燥又は自然乾燥し、液状分散媒を揮散させれ
ばよい。バインダーとしては、熱可塑性樹脂を用いれば
よい。具体的には、アクリル系樹脂、塩化ビニルー酢酸
ビニル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、塩化ビニル系樹
脂、塩化ビニリデン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ
カーボネート系樹脂、スチロール系樹脂、酢酸ビニル系
樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂等があげられるが、特
にアクリル系樹脂が好適である。
【0019】強制乾燥する方法としては、熱風乾燥法、
赤外線輻射法等が採用できる。また、塗布する方法とし
ては、ロールコート法、ディップコート法、ハケ塗り
法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法
等それ自体公知のいかなる方法によってもよい。
【0020】フィルム表面と、層(A)との接着性が充
分でない場合には、層(A)を塗布する前に、フィルム
表面にプラズマ処理を施すとか、もしくはコロナ放電処
理を施すとか、適当なアンカー剤の塗布等の方法によっ
てフィルム表面を改質してもよい。本発明の屋外展張用
フィルムは、層(A)を形成した面上または層(A)を
形成したフィルムの反対面上に、層(B)を形成する。
すなわち、層(A)がフィルム片面のみに形成された場
合、層(B)は、層(A)面上または層(A)を形成し
ていないフィルム表面上に、あるいは両面に形成しても
よい。層(A)がフィルム両面に形成された場合、少な
くとも一面に、層(B)を形成すればよい。
【0021】本発明において層(B)を構成する親水性
無機質コロイド粒子としては、例えばシリカ、アルミ
ナ、水不溶性リチウムシリケート、水酸化鉄、水酸化ス
ズ、酸化チタン、硫酸バリウム等があげられ、これら
は、種々の方法で、水又は親水性媒体中に分散させた、
水性ゾルのかたちで用いられる。中でも好ましいのは、
シリカゾルとアルミナゾルである。これらは、単独で用
いても併用してもよい。使用する無機質コロイドゾルと
しては、その固体平均粒子径が5〜100mμの範囲の
ものが好ましい。この範囲内にあれば、平均粒子径の異
なる2種以上のコロイドゾルを組合せて用いてもよい。
平均粒子径が100mμを超えると、塗膜が白く失透す
る傾向がでてくるのみならず、遮熱効果が低下するため
好ましくない。また、5mμに満たないときは、無機質
コロイドゾルの安定性に欠ける恐れがある。
【0022】層(B)は、ガラス転移温度35〜80℃
の範囲にある疎水性アクリル系樹脂をバインダーとする
組成物であることが好ましい。親水性無機質コロイド粒
子は、その配合量を該アクリル系樹脂に対して重量比で
0.5以上4以下にすることが好ましい。即ち0.5に
満たないときは、充分な遮熱効果が発揮できない。ま
た、4を超えるときは、遮熱効果が配合量に比例して向
上しないばかりでなく、成形品が透明な場合は、形成さ
れる塗膜が白濁化し光線透過率を低下させ、また、塗膜
が粗雑でぜい弱になり易くなるので好ましくない。
【0023】ガラス転移温度が35〜80℃の範囲にる
疎水性アクリル系樹脂としては、(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステル類または(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステル類とアルケニルベンゼン類との混合物を少なくと
も60重量%、およびこれらと共重合可能なα,β−エ
チレン性不飽和単量体0〜40重量%を重合して得られ
た単独重合体または共重合体が好ましい。
【0024】(メタ)アクリル酸アルキルエステル類と
は、アクリル酸のまたはメタクリル酸のアルキルエステ
ル類であり、具体的には例えば、アクリル酸メチルエス
テル、アクリル酸エチルエステル、アクリル酸−n−プ
ロピルエステル、アクリル酸イソプロピルエステル、ア
クリル酸−n−ブチルエステル、アクリル酸−2−エチ
ルヘキシルエステル、アクリル酸デシルエステル、メタ
クリル酸メチルエステル、メタクリル酸エチルエステ
ル、メタクリル酸−n−プロピルエステル、メタクリル
酸イソプロピルエステル、メタクリル酸−n−ブチルエ
ステル、メタクリル酸−2−エチルヘキシルエステル、
メタクリル酸デシルエステル等があげられ、一般には、
アルキル基の炭素数が1〜20個のアクリル酸アルキル
エステルおよび/又はアルキル基の炭素数が1〜20個
のメタクリル酸アルキルエステルが使用される。
【0025】アルケニルベンゼン類としては、例えばス
チレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等があげ
られる。アルケニルベンゼン類と、(メタ)アクリル酸
アルキルエステル類との混合物を用いる場合には、α,
β−エチレン性不飽和単量体の使用量によっても異なる
が、通常(メタ)アクリル酸アルキルエステル類の使用
割合を10重量%以上とするのがよく、また、疎水性ア
クリル系樹脂中に占めるアルケニルベンゼン類を70重
量%以下の範囲で含有するものがよい。
【0026】前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
類、またはこれとアルケニルベンゼン類との混合物と共
重合可能なα,β−エチレン性不飽和単量体としては、
例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マ
レイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸等のα,
β−エチレン性不飽和カルボン酸類:エチレンスルホン
酸のようなα,β−エチレン性不飽和スルホン酸類:2
−アクリルアミド−2−メチルプロパン酸;α,β−エ
チレン性不飽和ホスホン酸類:アクリル酸又はメタクリ
ル酸のヒドロキシエチル等の水酸基含有ビニル単量体:
アクリロニトリル類:アクリルアマイド類;アクリル酸
又はメタクリル酸のグリシジルエステル類等がある。こ
れら単量体は、単独で用いても、又は2種以上の併用で
もよく、0〜40重量%の範囲で使用できる。
【0027】本発明における疎水性アクリル系樹脂は、
そのガラス転移温度(Tg)が35〜80℃の範囲内の
ものが好ましい。このようなTgのものは、使用する単
量体の種類および使用量(配合量)の選択によって得ら
れる。しかして、使用するアクリル系樹脂のTgが80
℃を越えると透明性のある均一な塗膜が得られにくく、
また、Tgが35℃に満たないときは、無機質コロイド
粒子が数次凝集して不均一な分散状態をとりやすく、又
無機質コロイド粒子の塗布基材に対する固着が充分でな
いので、時間の経過とともに無機質コロイド粒子が基材
表面から脱落・流失するなどして遮熱性能向上効果を損
ねるので、好ましくない。
【0028】疎水性アクリル系樹脂は通常水系エマルジ
ョンとして用いるが、その場合各単量体を水系媒質中で
の重合によって得られた水系エマルジョンをそのまま使
用しても、更にこのものに液状分散媒を加えて稀釈した
ものでもよく、また上記のような重合によって生じた重
合体を分別採取し、これを液状分散媒に再分散させて水
系エマルジョンとしたものでもよい。
【0029】層(B)の組成物には、層(B)の水濡れ
性を向上させるために、一価の電解質を加えても良い。
具体的には、硝酸、アルカリ金属やアルカリ土類金属の
水酸化物、無機塩等の強電解質、有機酸や有機塩基等の
弱電解質をあげることができる。強電解質としては、硝
酸、臭化水素等の無機酸類、水酸化カリウム、水酸化リ
チウム、水酸化ナトリウム等の無機水酸化物類、臭化ナ
トリウム、ヨウ化ナトリウム、臭化カリウム、硝酸カリ
ウム、臭化ルビジウム、ヨウ化ルビジウム、臭化セシウ
ム、ヨウ化セシウム、硝酸銀、臭化アンモニウム、ヨウ
化アンモニウム、塩化水素、塩化アンモニウム、塩化ナ
トリウム、塩化カリウム等の無機塩類があげられる。弱
電解質としては、酢酸、酢酸アンモニウム、酢酸カリウ
ム、酢酸ナトリウム等があげられる。
【0030】これらの電解質は1種または2種以上併用
しても構わない。これらの一価の電解質の添加量は、親
水性無機質コロイド粒子100重量部に対し0.01〜
30重量部であり、特に0.01〜20重量部、中でも
0.01〜10重量部が好ましい。電解質が液体の場合
は、100%有効成分の重量をいう。更に必要に応じ
て、層(B)には、消泡剤、可塑剤、造膜助剤、増粘
剤、顔料、顔料分散剤、光安定剤、紫外線吸収剤等の慣
用の添加剤を混合することができる。
【0031】層(B)を形成するには、親水性無機質コ
ロイド粒子とバインダーとを含む組成物を、液状分散媒
として、水または水と親水性ないし水混合性溶媒との混
合物を用いて分散液とし、これを熱可塑性樹脂フィルム
の表面または、層(A)の表面に塗布し、強制乾燥又は
自然乾燥し、液状分散媒を揮散させればよい。親水性な
いし水混合性の溶媒としては例えば、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等の一
価アルコール類:エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、グリセリン等の多価アルコール類:ベンジルア
ルコール等の環式アルコール類:セロソルブアセテート
類:ケトン類等があげられる。これらは単独で用いても
併用してもよい。
【0032】また、分散液には、架橋剤を配合するのが
好ましい。架橋剤によってアクリル系樹脂同士が架橋
し、耐水性を向上させることができる。架橋剤として
は、フェノール樹脂類、アミノ樹脂類、アミン化合物
類、アジリジン化合物類、アゾ化合物類、イソシアネー
ト化合物類、エポキシ化合物類、シラン化合物類等があ
げられるが、特にアミン化合物類、アジリジン化合物
類、エポキシ化合物類が好適である。強制乾燥する方法
としては、熱風乾燥法、赤外線輻射法等が採用できる。
強制乾燥するときの加熱温度は、塗布された組成物によ
って決定されるが、50〜250℃、好ましくは70〜
200℃の範囲である。
【0033】塗布する方法としては、ロールコート法、
ディップコート法、ハケ塗り法、スプレーコート法、バ
ーコート法、ナイフコート法等それ自体公知のいかなる
方法によってもよい。フィルムの表面に分散液を塗布
し、液状分散媒を乾燥、揮散させた後の固形物の付着量
は、通常0.01〜10g/m2 、好ましくは0.1〜
5g/m2 の範囲である。
【0034】フィルム表面と層(B)との接着性が充分
でない場合には、層(B)を塗布する前に、フィルム表
面にプラズマ処理を施すとか、もしくはコロナ放電処理
を施す等の方法によってフィルム表面を改質してもよ
い。また、層(A)と層(B)との接着性が充分でない
場合には、分散液を塗布する前に、層(A)上にアンカ
ーコート等を施せばよい。本発明の屋外展張用フィルム
を展張使用する際は、層(B)が片面のみ形成されたフ
ィルムの場合は、層(B)が形成された面をハウスある
いはトンネルの内側になるように展張する。本発明に係
る屋外展張用フィルムの防塵性、防曇性、耐候性および
耐ブロッキング性を向上する目的で該フィルムの層
(B)が形成されていないない面上に、他の樹脂、例え
ばアクリル系樹脂、フッ素系樹脂又はポリオレフィン系
樹脂からなる被覆層を設けてもさしつかえない。
【0035】
【発明の効果】本発明に係る屋外展張用フィルムは、透
明性に優れ、かつ、層(A)と層(B)との相乗効果に
より、夏場の農業用ハウス内の遮熱効果が飛躍的に向上
するので、屋外展張用フィルムとしての利用価値は極め
て大きい。
【実施例】以下、本発明を実施例にもとづいて詳細に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の例
に限定されるものではない。 実施例1〜8、比較例1〜8
【0036】(1)基体フィルムの調製 (i)ポリエチレンテレフタレートフィルム ポリエチレンテレフタレート(o−クロロフェノールを
溶媒として用い、25℃で測定した極限粘度が0.65
のもの)100重量部に対し、表−1に示した紫外線吸
収剤を同表に示した配合割合で配合した。各配合物をス
ーパーミキサーで10分間攪拌混合したのち、常法によ
って溶融押出し、縦方向に延伸温度65℃、延伸倍率
3.5倍、次いで横方向に延伸温度65℃、延伸倍率
3.5倍で逐次二軸延伸し、厚さ0.15mmの二軸配
向フィルムを製造した。このフィルムの密度は1.37
g/cm3であった。
【0037】(ii)軟質塩化ビニル系樹脂フィルム ポリ塩化ビニル(重合度=1300)100重量部に対
して、ジオクチルフタレートを50重量部、トリクレジ
ルホスフェートを5重量部、エポキシ樹脂を2重量部、
Ba−Zn系液状安定剤を2重量部、Ba−Zn系粉末
安定剤を1重量部、ソルビタンモノパルミテートを1.
5重量部および表−1に示した紫外線吸収剤を0.1重
量部を秤量し、これらをスーパーミキサーで10分間攪
拌混合した後、165℃に加熱したロール上で混練し、
L型カレンダー装置によって、幅100cm、厚さ0.
10mmの透明な軟質塩化ビニル系樹脂フィルムを製造
した。
【0038】(iii)フッ素樹脂フィルム エチレン−テトラフルオロエチレン共重合樹脂フィルム
(デュポン(株)製テフゼルAS、厚み64μm)の片
面上に、放電電圧120V、放電電流4.7A、ライン
スピード5〜15m/minでコロナ処理を行った。
【0039】(iv)ポリオレフィン系フィルム 三層インフレーション成形装置として三層ダイに100
mmφ((株)プラ技研製)を用い、押出機は外肉層を
30mmφ((株)プラ技研製)2台、中間層を40m
mφ((株)プラ技研製)として成形温度160℃、ブ
ロー比2.0、引取速度5m/分にて下記配合からなる
厚さ0.15mmの積層フィルムを製造した。
【0040】 [外層] 原料樹脂(EVA(VA成分5%)) 100重量部 有機リン酸金属塩(リン酸モノオクタデシル亜鉛塩) 0.5 〃 ヒンダードアミン(MARK LA−57) 0.5 〃 紫外線吸収剤 0.5 〃 ソルビタンモノステアレート 0.5 〃
【0041】 [内層] 原料樹脂(EVA(VA成分15%)) 100重量部 有機リン酸金属塩(リン酸モノオクタデシル亜鉛塩) 0.5 〃 ヒンダードアミン(MARK LA−57) 0.5 〃 紫外線吸収剤 0.5 〃 ソルビタンモノステアレート 0.5 〃 ハイドロタルサイト類 15 〃
【0042】
【表1】
【0043】(2)層(A) (i)層(A)組成物の調製 表−2に示した種類の無機酸化物をアクリル系樹脂溶液
(メチルメタクリレート50重量部、ブチルメタクリレ
ート30重量部および2ーヒドロキシエチルメタクリレ
ート20重量部)に表−2に示した配合量で配合し、層
(A)組成物であるM〜Pを調製した。なお、ITO
は、住友大阪セメント(株)製、超微粒子ITO、AT
Oは、住友大阪セメント(株)製、超微粒子ATOであ
る。
【0044】
【表2】
【0045】(ii)層(A)の形成 (1)で得られた各フィルムの片面(フッ素フィルムの
場合は、表面処理をした面上)に、(2)-(i)で得ら
れた各組成物をバーコート法によって、乾燥後の塗布量
が固形分として10g/m2となるように塗布し、13
0℃の熱風中に1分間滞留させ溶媒を飛散させた。
【0046】(3)層(B) (i)バインダー樹脂(アクリル系樹脂)の調製 四ツ口フラスコにポリオキシエチレンラウリルエーテル
2重量部および水80重量部を仕込んで窒素ガス気流下
に60℃まで加熱し、ここに過硫酸アンモニウム0.5
重量部を添加し、更に表−1に示した各単量体の混合物
100重量部を3時間にわたって滴下した。この際の反
応温度は60〜70℃の範囲に保持するが、滴下終了後
も同温度範囲に2時間保持してから冷却し、アクリル系
樹脂エマルジョンを得た。各樹脂のガラス転移温度は、
表−3に示したとおりであり、次式により算出した値で
ある。
【0047】(1/Tg)=(W1 /Tg1 )+(W2
/Tg2 )+・・+(Wn /Tgn ) (式中、Tg:疎水性アクリル系樹脂のガラス転移温度
(K) Tg1 、Tg2 ・・Tgn :各成分1、2・・・nのホ
モポリマーのガラス転移温度(K) W1 、W2 ・・Wn :各成分1、2・・・・nの重量分
率 を各々示す。)
【0048】(ii)層(B)組成物の調整 (3)-(i)で製造したアクリル系樹脂の水分散液
に、表−3に示した種類および量の無機質コロイドゾル
およびその他の成分を配合し、各種層(B)組成物を調
整した。 (iii)層(B)の形成 (2)で得られたフィルムの層(A)を形成した面上
に、(3)-(ii)で得られた各種組成物をバーコート
法によって、乾燥後の塗布量が固形分として0.5g/m
2となるように塗布し、80℃の熱風中に1分間滞留さ
せ溶媒を飛散させた。
【0049】
【表3】 注) *1 アクリル系樹脂の重量部数は水系エマルジョン中の重
合体固形物量を、無機質コロイドゾルの重量部数は無機
質粒子量を、架橋剤の重量部数は固形分の重量部を各々
示した。 *2 B、FおよびHは相互薬工(株)製のアジリジン
系化合物を、CおよびDは大日 本インキ化学(株)製
のビスフェノールAタイプエポキシ化合物を使用した。
【0050】(4)評価 得られた各フィルムについて次に記載した方法で各種の
性質を評価し、結果を表−4に示した。 (i)可視光線透過率 自記分光光度計(日立330型)を用い、60φ積分球
を使用し、555nmでの全光線透過率を測定した。 (ii)熱線遮断率 自記分光光度計(日立330型)を用い、60φ積分球
を使用し、200〜2600nmでの全光線透過率を測
定し、かつ、太陽からの日射エネルギーの波長依存性デ
ータを合わせ、基材によって遮断される日射エネルギー
と基材がなく直接受ける日射エネルギーとの比で示し
た。
【0051】(iii)ハウス内地温、気温 密閉パイプハウス(間口5mx奥行き10m)に各フィ
ルムを層(B)を設けた面をハウスの内側にして展張
し、夏場の日中の地温、気温を測定した。地温はハウス
中央部に砂を入れ、周囲を板で遮断し、深さ5cmの位置
に熱電対をセットして測定し、快晴時の14:00の測
定値を外界値対比の値で示した。(平成8年7月〜8
月、三重県の試験農場にて実施)
【0052】(iv)夏場の栽培性 屋根型ハウス(間口9m、奥行き20m、棟高2.5
m、屋根勾配30度)に、各フィルムを層(B)を設け
た面をハウスの内側にして展張した。 (ア)ほうれん草 各ハウスに平成8年7月上旬にほうれん草(品種おか
め)を播種し、8月下旬に収穫した。各ハウスのほうれ
ん草を発芽から収穫まで観察した。評価結果は次の通り
とした。
【0053】 5点:発芽率80%以上で、発育のよいもの。 4点:発芽率60%以上で、発育普通のもの。 3点:発芽率40%以上で、発育やや不良のもの。 2点:発芽率20%以上で、発育不良のもの。 1点:発芽率20%以下で、発育極めて不良のもの。
【0054】(イ)デンドロビュウム 各ハウスに平成8年6月上旬にデンドロビュウム(2年
株)を搬入し、越夏後の生育と花つきを12月上旬に観
察した。評価結果は次の通りとした。 5点:生存株率95%以上、生育・花つき良好なもの。 4点:生存株率85%以上、生育・花つきやや良いも
の。 3点:生存株率75%以上、生育・花つき普通のもの。 2点:生存株率65%以上、生育・花つきやや不良のも
の。 1点:生存株率65%以下、生育・花つき不良のもの。
【0055】
【表4】

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面
    上に、3A、4Aおよび5A族に属する少なくとも1種
    の金属がドープされた熱線遮蔽能を有する無機酸化物微
    粒子を含有する層(A)を設け、更にその層上および/
    またはフィルムの反対面上に、親水性無機質コロイド粒
    子を含有する層(B)を設けてなる屋外展張用フィル
    ム。
  2. 【請求項2】 層(A)が、平均粒子径として5〜20
    00nmの無機酸化物微粒子と、そのバインダーとして
    熱可塑性樹脂との組成物を用いたものである、請求項1
    記載の屋外展張用フィルム。
  3. 【請求項3】 555nmでの直進光線透過率が80%
    以上である請求項1または2記載の屋外展張用フィル
    ム。
  4. 【請求項4】 層(A)の無機酸化物微粒子が、アンチ
    モンがドープされた酸化スズ微粒子またはスズがドープ
    された酸化インジウム微粒子である、請求項1ないし3
    のいずれかの項に記載の屋外展張用フィルム。
  5. 【請求項5】 層(B)の親水性無機質コロイド粒子
    が、シリカおよび/またはアルミナである、請求項1な
    いし4のいずれかの項に記載の屋外展張用フィルム。
  6. 【請求項6】 層(B)が、親水性無機質コロイド粒子
    と、そのバインダーとしてガラス転移温度が35〜80
    ℃の範囲にある疎水性アクリル系樹脂との組成物を用い
    たものである、請求項1ないし5のいずれかの項に記載
    の屋外展張用フィルム。
  7. 【請求項7】 組成物中の親水性無機質コロイド粒子の
    配合量が、疎水性アクリル系樹脂に対して、重量比で
    0.5以上4以下である請求項6に記載の屋外展張用フ
    ィルム。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004009357A1 (ja) * 2002-07-22 2004-01-29 Kimoto Co., Ltd. 遮熱性シート
US7137713B2 (en) 2003-03-28 2006-11-21 Achilles Corporation Color sheet having light-shielding property
WO2008105380A1 (ja) 2007-02-28 2008-09-04 Kuraray Co., Ltd. フィルム及びそれからなる合わせガラス用中間膜
US8202616B2 (en) 2006-06-16 2012-06-19 Achilles Corporation Dark color sheet-like body having light reflection properties in near-infrared region
JP2019002671A (ja) * 2017-06-14 2019-01-10 合資会社Gs工事 内部に冷暖房機構を収納した屋外機の冷暖房効率を上げる方法

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