JPH1084487A - 画像処理装置および方法 - Google Patents

画像処理装置および方法

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JPH1084487A
JPH1084487A JP8238760A JP23876096A JPH1084487A JP H1084487 A JPH1084487 A JP H1084487A JP 8238760 A JP8238760 A JP 8238760A JP 23876096 A JP23876096 A JP 23876096A JP H1084487 A JPH1084487 A JP H1084487A
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雅彦 伊藤
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    • H04N1/00Scanning, transmission or reproduction of documents or the like, e.g. facsimile transmission; Details thereof
    • H04N1/46Colour picture communication systems
    • H04N1/56Processing of colour picture signals
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  • Color Image Communication Systems (AREA)
  • Image Processing (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可能な限りデバイスに依存しない色の画像を
出力する。 【解決手段】 CPU21は、デバイスに依存しない色
空間の信号(L***信号)を、ルックアップテーブ
ルを参照して、プリンタ4に対応するCMY信号(シア
ン(C)、マゼンダ(M)、および、イエロー(Y)で
構成される信号)に変換し、インタフェース24を介し
てプリンタ4に出力する。ROM22に記憶されている
ルックアップテーブルにおいては、L***信号の各
値に対応するCMY信号の値が登録されており、CMY
信号の色域外に写像されてしまうL***信号に対応
するCMY信号の値には、色差式の値ΔEが最小になる
色域内のCMY信号の値が利用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像処理装置およ
び方法に関し、特に、出力系の色域が入力系の色域より
狭い場合、出力系の色域外の色信号を、色差式の値を最
小にする方向に色域圧縮することで、入力系の色に近い
色を出力することができるようにした画像処理装置およ
び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子デバイスの低価格化および高
速化に伴い、デスクトップパブリッシング(DTP)が
普及し、カラー画像を処理する様々な電子デバイスが利
用されている。
【0003】そのような電子デバイスは、その種類に応
じて、表現の可能な色域(色の再現範囲)が異なる場合
が多いので、所定の画像が、複数の電子デバイスにおい
て同一の色で表現されるようにするデバイスインディペ
ンデントカラー(Device Independent Color)の概念が
導入されつつある。
【0004】このようなデバイスインディペンデントカ
ラーの概念は、カラーマネージメントシステム(Color
Management System:CMS)として実現されている。
【0005】CMSは、図12に示すように、所定の入
力系(ビデオカメラ61、スキャナ62、モニタ63な
ど)の色信号を所定の出力系(モニタ63、プリンタ6
4など)の色信号に変換する場合、所定の変換式または
変換テーブル(プロファイル)で、入力系の色信号を、
デバイスに依存しない色空間(CIE(Commission Int
ernationale de l'Eclairage)/XYZ、CIE/L*
**など)における色信号に一旦変換(プロファイ
ル)し、その色信号を出力系の色信号に変換している。
【0006】例えば、モニタを入力系とし、プリンタを
出力系とした場合、図13に示すように、最初に、モニ
タに対応するプロファイルにより、モニタに対応するR
GB信号は、デバイスに依存しない色信号CIE/XY
ZまたはCIE/L***に変換され、そのデバイス
に依存しない色信号は、プリンタに対応するプロファイ
ルによりプリンタの色信号CMYに変換される。
【0007】プロファイルの方法としては、変換マトリ
クスなどの物理モデルを使用する方法、ルックアップテ
ーブル(LUT)を使用する方法、ニューラルネットワ
ークを使用する方法などが考案されている。
【0008】このようにして、CMSにおいては、所定
の入力系の色信号を所定の出力系の色信号に変換する
が、入力系の色域が出力系の色域より広い場合、所定の
入力系の色信号を、同一の色の所定の出力系の色信号に
変換することは困難である。
【0009】例えば、モニタは、赤色、緑色、および青
色の3原色の蛍光体を発色させて加法混色により色再現
を行っているが、プリンタは、シアン、マゼンダ、イエ
ロー、およびブラックの4色のインクで、紙などの記録
媒体に、減法混色により所定の階調で色再現を行ってい
る。そして、図14に示すように、プリンタ64の色域
は、モニタ63の色域より狭い(異なっている)。従っ
て、図中、ハッチングを施して示す範囲のモニタ63上
の色は、プリンタ64では、再現することができない。
【0010】そこで、このような場合、色域圧縮を行
い、元の画像情報(階調性、色合いなど)をできる限り
保ちつつ、モニタの色信号をプリンタの色域内の信号に
変換する。
【0011】色域圧縮は、デバイスに依存しない色空間
において行われ、通常、特に人間の視覚特性に対応して
いるCIE/L**h色空間(L***色空間を極座
標に変換した色空間)において行われる。なお、CIE
/L**hのL*は、明度(明るさ(Lightness))を、
*は彩度(鮮やかさ(Chroma))を、hは色相(色の
系統(hue))を、それぞれ表している。
【0012】従来、色域圧縮を行う場合、CIE/L*
*h色空間において、色相を固定し、明度と彩度の2
次元平面において、明度や彩度を圧縮している。
【0013】例えば、図15に示すように明度および色
相を固定して彩度だけを低下(圧縮)させる方法、図1
6に示すように色相を固定して、入力の色信号と出力の
色信号の明度差の2乗と彩度差の2乗の和が最小になる
ように出力の色信号の明度と彩度を決定する方法などが
ある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ようにして色相を固定して色域圧縮を行う方法において
は、明度または彩度が大幅に圧縮され、明度を圧縮させ
ると、コントラストが低下するとともに画像の立体感が
薄れ、彩度を圧縮させると、鮮やかさが低下するととも
にインパクトが感じられない画像になるという問題を有
している。
【0015】従って、例えばCG(Computer Graphic
s)の画像のように、彩度が非常に高く、立体感のある
画像に対して、上述の色域圧縮を行った場合、その特徴
はかなり喪失してしまう。
【0016】本発明は、このような状況に鑑みてなされ
たもので、出力系の色域が入力系の色域と異なる場合、
出力系の色域外の色信号を、色差式の値を最小にする方
向に色域圧縮するようにして、入力系の色信号により似
ていると認識される出力系の色信号を生成することがで
きるようにするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の画像処
理装置は、出力系の色域が入力系の色域と異なる場合、
出力系の色域外の色信号を、ΔL*、ΔCab *およびΔH
ab *をそれぞれ明度差、彩度差および色相差とし、KL
CおよびKHをそれぞれ所定の定数とした色差式 ΔE={(ΔL*/KL2+(ΔCab */KC2+(ΔH
ab */KH21/2 の値を最小にする方向に色域圧縮する色域圧縮手段を備
えることを特徴とする。
【0018】請求項3に記載の画像処理方法は、出力系
の色域が入力系の色域と異なる場合、出力系の色域外の
色信号を、ΔL*、ΔCab *およびΔHab *をそれぞれ明
度差、彩度差および色相差とし、KL、KCおよびKH
それぞれ所定の定数とした色差式 ΔE={(ΔL*/KL2+(ΔCab */KC2+(ΔH
ab */KH21/2 の値を最小にする方向に色域圧縮するステップを備える
ことを特徴とする。
【0019】請求項1に記載の画像処理装置において
は、色域圧縮手段は、出力系の色域が入力系の色域と異
なる場合、出力系の色域外の色信号を、ΔL*、ΔCab *
およびΔHab *をそれぞれ明度差、彩度差および色相差
とし、KL、KCおよびKHをそれぞれ所定の定数とした
色差式 ΔE={(ΔL*/KL2+(ΔCab */KC2+(ΔH
ab */KH21/2 の値を最小にする方向に色域圧縮する。
【0020】請求項3に記載の画像処理方法において
は、出力系の色域が入力系の色域と異なる場合、出力系
の色域外の色信号を、ΔL*、ΔCab *およびΔHab *
それぞれ明度差、彩度差および色相差とし、KL、KC
よびKHをそれぞれ所定の定数とした色差式 ΔE={(ΔL*/KL2+(ΔCab */KC2+(ΔH
ab */KH21/2 の値を最小にする方向に色域圧縮する。
【0021】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の画像処理装置の
一実施の形態の構成を示している。この画像処理装置1
は、所定の画像データを、デバイスに依存しない色空間
における色信号として記憶し、そのようなデバイスに依
存しない色空間における色信号を、モニタ3やプリンタ
4などの出力用デバイスに対応する色信号に変換するよ
うになされている。
【0022】この画像処理装置1においては、CPU2
1(色域圧縮手段)は、ROM22に予め記憶されてい
るプログラムに従って各種処理を行い、例えば、デバイ
スに依存しない色空間と、所定のデバイスの色空間との
間における色信号の変換を行うようになされている。
【0023】ROM22は、CPU21の動作を記述し
たプログラムを記憶している他、色信号の変換に利用さ
れるルックアップテーブルなどを記憶している。
【0024】RAM23は、CPU21による処理に対
応して、所定のデータやプログラムを一時的に記憶する
ようになされている。
【0025】インタフェース24は、CPU21より供
給された信号をプリンタ4に出力するようになされてい
る。
【0026】インタフェース25は、CPU21より供
給された信号をモニタ3に出力するようになされてい
る。
【0027】インタフェース26は、他の装置(図示せ
ず)より供給された信号をCPU21に出力するととも
に、CPU21より供給された信号を、他の装置に出力
するようになされている。
【0028】次に、図2のフローチャートを参照して、
図1の画像処理装置1の動作について説明する。
【0029】最初に、ステップS1において、画像処理
装置1のCPU21は、例えば、他の装置よりインタフ
ェース26を介してRGB信号を受け取る。
【0030】次に、ステップS2において、CPU21
は、そのRGB信号を、デバイスに依存しない色空間
(ここでは、CIE/L***)の信号(L***
号)に変換し、ステップS3においてRAM23に記憶
させる。
【0031】そして、ステップS4において、CPU2
1は、RAM23に記憶されているL***信号を読
み出し、そのL***信号を、後述するルックアップ
テーブル(プロファイル)を参照して、例えば、プリン
タ4に対応するCMY信号(シアン(C)、マゼンダ
(M)、および、イエロー(Y)で構成される信号)に
変換し、ステップS5において、変換したCMY信号
を、インタフェース24を介してプリンタ4に出力す
る。
【0032】このようにして、CPU21は、デバイス
に依存しない色空間の信号を、デバイスに対応する信号
に変換し、変換した信号を、そのデバイスに出力する。
【0033】次に、ROM22に記憶されているルック
アップテーブルについて説明する。L***信号をC
MY信号に変換するときに利用されるルックアップテー
ブルを作成する場合、最初に、CMY信号の色空間にお
けるCMY信号に対するL***信号を算出して順方
向テーブルを作成し、次に、その順方向テーブルの逆写
像テーブル(CMY信号の色域における、L***
号の各値に対するCMY信号の値を示すもの)を作成
し、最後に、その逆写像テーブルにおいて定義されてい
ないL***信号に対するCMY信号、即ち、CMY
信号の色域より外側に写像されてしまうL***信号
に対応するCMY信号の値を、色域圧縮を利用して設定
し、L***信号をCMY信号に変換するときに利用
されるルックアップテーブルを作成する。
【0034】最初に、図3のフローチャートを参照し
て、順方向テーブルの作成について説明する。
【0035】ステップS21において、CMY信号の各
成分毎にレベルを1乃至Nの範囲で変化させて、N×N
×N個のカラーパッチを作成する。そして、分光測定器
などを利用して、各カラーパッチの色彩値(即ち、L*
**信号の値)を測定する。
【0036】次に、ステップS22において、各カラー
パッチについて、CMY信号の各成分の値と、L**
*信号の値の対応関係を順方向テーブルに登録する。
【0037】そして、ステップS23において、データ
の点数(即ち、CMY信号と、L***信号の対応関
係の数)が充分であるか否かを判断し、充分であると判
断した場合、順方向テーブルの作成を終了し、データ点
数が充分ではないと判断した場合、ステップS24にお
いて、図4に示すように、所定の点の対応関係を周囲の
データ点から内挿して新たなデータ点を作成してデータ
点数を増やし、図5に示すような順方向テーブルを作成
する。
【0038】なお、図5の順方向テーブルにおいては、
各成分の値が1乃至255のいずれかであるCMY信号
に対するL***信号の各成分の値が登録されてい
る。
【0039】次に、図6および図7のフローチャートを
参照して、L***信号をCMY信号に変換するとき
に利用されるルックアップテーブルの作成について説明
する。
【0040】ステップS41において、上述の順方向テ
ーブルの逆写像テーブルを作成する。即ち、CMY信号
の色域内における、L***信号の各値に対するCM
Y信号の値で構成されるテーブルを作成する。
【0041】次にステップS42において、その逆写像
テーブルに、CMY信号の色域の外側に写像されてしま
うL***信号に対するCMY信号の値を付加してル
ックアップテーブルを作成する。
【0042】即ち、CMY信号の色域の外側に写像され
るL***信号に、色域圧縮してCMY信号の色域内
の値を対応させる。
【0043】図7のフローチャートは、その色域圧縮処
理の詳細を示している。
【0044】最初に、ステップS61において、変数i
に、CMY信号の色域外に写像されてしまうデータ点の
うちのいずれかのデータ点の番号を代入する。
【0045】次に、ステップS62において、参照する
順方向テーブルのリストの番号をカウントするカウンタ
jに1を代入し、後述する色差式の最小値を保持する変
数Minに、初期値として所定の大きな値を代入し、色
差式の値が最小になったリストの番号を記憶する変数M
inJに、初期値として1を代入する。
【0046】そして、ステップS63において、順方向
テーブルの第j番目のリストを参照し、次式で表される
色差式の値ΔEを計算する。 ΔE={(ΔL*/KL2+(ΔCab */KC2+(ΔH
ab */KH21/2
【0047】ここで、KL、KCおよびKHは、所定の定
数(圧縮係数)であり、ΔL*、ΔCab *、および、ΔH
ab *は、データ点iにおけるL***信号と、順方向テ
ーブルの第j番目のリストに登録されているL***
信号との明度差、彩度差、および、色相差をそれぞれ表
している。
【0048】そして、これらの明度差ΔL*、彩度差Δ
ab *、および、色相差ΔHab *は、以下の式に従って算
出される。なお、データ点iにおけるL***信号の
値を(L*out,a*out,b*out)とし、順方向テーブル
の第j番目のリストに登録されているL***信号の
値を(L*in,a*in,b*in)としている。
【0049】ΔL* =L*out−L*in ΔCab *=C*out−C*in ΔHab *=s×{2×(C*out×C*in−a*out×a*in
−b*out×b*in)}1/2*out={(a*out)2+(b*out)21/2*in ={(a*in)2+(b*in)21/2 (a*out×b*in≧a*in×b*outである場合)s=+1 (a*out×b*in≦a*in×b*outである場合)s=−1
【0050】この色差式の値が小さいほど、2つの色の
知覚的な差が小さいことになる。
【0051】次に、ステップS64において、ステップ
S63で算出した色差式の値ΔEが変数Minの値より
小さいか否かを判断し、小さいと判断した場合、ステッ
プS65において、そのΔEを変数Minに代入すると
ともに、変数MinJに、そのときのカウンタjの値を
代入する。なお、色差式の値ΔEが変数Minの値以上
であると判断した場合、ステップS65はスキップされ
る。
【0052】そして、ステップS66において、カウン
タjの値を参照して、順方向テーブルの最後のリスト
(第n番目のリスト)について色差式の値ΔEを調べた
か否かを判断し、最後のリストに達していないと判断し
た場合、ステップS67でカウンタjの値を1だけイン
クリメントした後、ステップS63に戻り、次のリスト
について色差式の値ΔEを調べる。
【0053】このようにして、順方向テーブルのすべて
のリストについて色差式の値ΔEを調べ、ステップS6
6において、順方向テーブルの最後のリストに達したと
判断された場合、ステップS68に進む。
【0054】そして、ステップS68において、色域外
のデータ点iのCMY信号の各値に、変数MinJの値
で示される番号の、順方向テーブルのリストのCMY信
号の各値を登録する。
【0055】次に、ステップS69において、すべての
色域外のデータ点についてCMY信号の各値を登録した
か否かを判断し、すべての色域外のデータ点についてC
MY信号の各値を登録したと判断した場合、ルックアッ
プテーブルが作成されたことになるので、処理を終了
し、まだ、CMY信号の各値が設定されていないデータ
点がある場合、ステップS70において、そのデータ点
の番号を変数iに設定した後、ステップS62に戻り、
そのデータ点のCMY信号の各値を設定する。
【0056】このようにして、上述の色差式の値が最も
小さいデータ点に色域圧縮を行う。そして、以上のよう
にして、図8に示すように、例えば、(L*,a*
*)の範囲が、それぞれ、0乃至100、−128乃
至128、および、−128乃至128であるL**
*信号に対するCMY信号の値が、ルックアップテーブ
ルに登録される。
【0057】なお、ルックアップテーブルのデータ点数
が少ない場合、図9に示すように、周囲のデータ点から
内挿してデータ点数を増やしてもよい。
【0058】次に、上述の色差式のおける圧縮係数
L,KC,KHについて説明する。
【0059】色差式において圧縮係数KL,KC,K
Hは、明度差ΔL*、彩度差ΔC* ab、色相差ΔH* abに、
逆数1/KL,1/KC,1/KHとして乗ぜられてい
る。従って、その値を大きくすることにより、その圧縮
係数に対応する属性(明度、彩度、色相のいずれか)の
圧縮率が高くなる。
【0060】即ち、この圧縮係数のうち、いずれか1つ
を大きくすることにより1次元的な圧縮に近づき、3つ
のうちの2つの圧縮係数を大きくすることにより2次元
的な圧縮に近づく。例えば、KLの値を大きくすると、
圧縮の方向が、明度の方向に近づき、KCの値を大きく
すると、圧縮の方向が、彩度の方向に近づき、KLの値
およびKCの値を大きくすると、色相をあまり圧縮せず
に、明度と彩度の圧縮を主に行うことになる。
【0061】また、圧縮係数KL,KC,KHの値をすべ
て1にすると、上述の色差式は、次式に示すように、一
般的に知られている色差ΔE* abとなる。 ΔE* ab={(ΔL*2+(ΔCab *2+(Δ
ab *21/2
【0062】このような圧縮係数K,KC,KHの値の
視感実験に基づく評価を行ったので、次にこの評価につ
いて説明する。
【0063】視感実験は、圧縮係数(KL,KC,KH
を、(1,1,1),(2,1,1),(2,2,
1),(1,2,1),(1,2,2),(1,1,
2),(2,1,2)と変化させたときのCG画像を、
モニタに表示させるとともに、インクジェットプリンタ
により出力して、モニタに表示された画像と、インクジ
ェットプリンタにより印刷された絵を、外光の影響を受
けないように暗室において所定の数の被験者に比較させ
ることにより行われた。
【0064】なお、視感実験においては、被験者に対し
てモニタ(SONY社製のGDM−2000TC)を配
置し、さらに、被験者を中心にして、モニタから90度
の角度にライトボックスを配置した。モニタの白色点お
よびライトボックスの光源は、D65に設定され、さら
に、モニタの輝度は、紙の反射輝度とほぼ同一になるよ
うに設定された。このようにして、同一の照明下におい
て、3刺激値XYZの絶対値を一致させ、モニタおよび
紙に対する色の知覚が一致するような条件を設定した。
【0065】この実験は、モニタに表示された画像を見
た後、ライトボックスの中に配置されている、異なる圧
縮係数の値に対応して出力された2枚の絵を見て、2つ
の絵から、モニタに表示された画像に似ているものを選
択するという一対比較法で行われた。
【0066】図10は、24名の被験者(22名の男性
と2名の女性)に対して、3つのCG画像について視感
実験を行ったときの圧縮係数と心理物理量の対応関係を
示している。なお、CG画像には、それぞれ、画像全体
の46%、33%、75%のプリンタの色域外の色を含
んでいるものを使用した。
【0067】心理物理量が大きくなるほど、モニタに表
示された画像とその圧縮係数に対応するプリンタで出力
された絵が似ていると、被験者が感じたことになる。図
10の対応関係においては、圧縮係数KL,KC,KH
値が(KL,KC,KH)=(1,2,1)または(1,
2,2)であるとき、心理物理量が大きいので、圧縮係
数KL、KCおよびKHは、KC≧KHかつKC≧KLの関係
を保つことが好ましいことが判る。
【0068】以上のようにして、上述の色差式を利用し
て、所定の出力用デバイスに対応して、最適な色域圧縮
を行い、色信号を出力することができる。
【0069】なお、図1の画像処理装置は、画像を出力
用デバイスに出力するときに、図2のステップS4にお
いて、色域圧縮に対応したルックアップテーブルを参照
して変換(プロファイル)を行っているが、図11に示
すように、ステップS3において取得したデバイスに依
存しない色信号を、ステップS101において、そのデ
バイスに依存しない空間内で色域圧縮し、ステップS1
02において、色域圧縮した色信号を保持するようにし
てもよい。
【0070】また、上記実施の形態においては、プリン
タに対して最適な色域圧縮を行っているが、他のデバイ
スに対する色域圧縮も同様に行うことができる。
【0071】
【発明の効果】以上のごとく、請求項1に記載の画像処
理装置および請求項3に記載の画像処理方法によれば、
出力系の色域が入力系の色域と異なる場合、出力系の色
域外の色信号を、ΔL*、ΔCab *およびΔHab *をそれ
ぞれ明度差、彩度差および色相差とし、KL、KCおよび
Hをそれぞれ所定の定数とした色差式 ΔE={(ΔL*/KL2+(ΔCab */KC2+(ΔH
ab */KH21/2 の値を最小にする方向に色域圧縮するようにしたので、
入力系の色信号により似ていると認識される出力系の色
信号を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像処理装置の一実施の形態の構成を
示すブロック図である。
【図2】図1の画像処理装置の動作を説明するフローチ
ャートである。
【図3】順方向テーブルの作成手順を説明するフローチ
ャートである。
【図4】M−Y平面において内挿したデータ点の一例を
示す図である。
【図5】順方向テーブルの一例を示す図である。
【図6】ルックアップテーブルの作成手順を説明するフ
ローチャートである。
【図7】色域圧縮処理を説明するフローチャートであ
る。
【図8】ルックアップテーブルの一例を示す図である。
【図9】a*−b*平面において内挿したデータ点の一例
を示す図である。
【図10】圧縮係数と心理物理量との対応関係の一例を
示す図である。
【図11】図1の画像処理装置の他の動作を説明するフ
ローチャートである。
【図12】カラーマネージメントシステムの概念を説明
する図である。
【図13】カラーマネージメントシステムにおける画像
処理の手順を説明する図である。
【図14】a*−b*平面におけるモニタの色再現範囲と
インクジェットプリンタの色再現範囲の一例を示す図で
ある。
【図15】従来の色域圧縮法の圧縮方向の一例を示す図
である。
【図16】従来の色域圧縮法の圧縮方向の他の例を示す
図である。
【符号の説明】
1 画像処理装置, 2 モニタ, 3 プリンタ,
21 CPU, 22ROM, 23 RAM, 24
乃至26 インタフェース

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の入力系の画像を、所定の出力系の
    色域に対応する画像に変換して出力する画像処理装置に
    おいて、 前記出力系の色域が前記入力系の色域と異なる場合、前
    記出力系の色域外の色信号を、ΔL*、ΔCab *およびΔ
    ab *をそれぞれ明度差、彩度差および色相差とし、
    L、KCおよびKHをそれぞれ所定の定数とした色差式 ΔE={(ΔL*/KL2+(ΔCab */KC2+(ΔH
    ab */KH21/2 の値を最小にする方向に色域圧縮する色域圧縮手段を備
    えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 【請求項2】 前記KL、KCおよびKHは、KC≧KH
    つKC≧KLの関係を有することを特徴とする請求項1に
    記載の画像処理装置。
  3. 【請求項3】 所定の入力系の画像を、所定の出力系の
    色域に対応する画像に変換して出力する画像処理方法に
    おいて、 前記出力系の色域が前記入力系の色域と異なる場合、前
    記出力系の色域外の色信号を、ΔL*、ΔCab *およびΔ
    ab *をそれぞれ明度差、彩度差および色相差とし、
    L、KCおよびKHをそれぞれ所定の定数とした色差式 ΔE={(ΔL*/KL2+(ΔCab */KC2+(ΔH
    ab */KH21/2 の値を最小にする方向に色域圧縮するステップを備える
    ことを特徴とする画像処理方法。
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