JPH1084121A - ヘテロ接合半導体装置 - Google Patents

ヘテロ接合半導体装置

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JPH1084121A
JPH1084121A JP23704596A JP23704596A JPH1084121A JP H1084121 A JPH1084121 A JP H1084121A JP 23704596 A JP23704596 A JP 23704596A JP 23704596 A JP23704596 A JP 23704596A JP H1084121 A JPH1084121 A JP H1084121A
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JP
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layer
heterojunction
semiconductor device
barrier
barrier layer
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JP23704596A
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U Shiyu
雨 朱
Sunao Takahashi
直 高橋
Masabumi Shimizu
正文 清水
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Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 共鳴トンネリング素子において、ピーク電流
対バレー電流の比の向上と高速変調特性の改善とを図
る。 【解決手段】 アンドープInxAlyGa1-x-yP障壁
層(0.5≦x≦1、0≦y≦0.5、x+y≦1)4
a、4bでInuGa1-uAs(0.5≦u≦1)井戸層
5を挟んだ二重障壁構造を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、負性抵抗
特性を示す共鳴トンネリングダイオードまたは共鳴トン
ネリングトランジスタ等として用いられるヘテロ接合半
導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上述のヘテロ接合半導体装置としては、
半導体デバイス主構造部上に2つの障壁層で量子井戸層
を挟んだ二重障壁構造を備えた共鳴トンネリング装置が
知られている。この共鳴トンネリング装置は、その二重
障壁構造により負性抵抗特性を示し、その特性を利用し
て発振機能やスイッチ機能を実現することができるた
め、高周波回路や多値理論回路等を構成するのに非常に
有用な装置である。
【0003】図9(a)に、二重障壁構造におけるエネ
ルギーバンド図を示す。この図9(a)において、ΔE
cはヘテロ接合部における伝導帯下端のエネルギーレベ
ル差(以下、伝導帯端不連続度と称する)を表す。この
二重障壁構造において、2つの障壁層で挟まれた量子井
戸層には図中の点線E1、E2で示す量子準位が形成さ
れ、この量子準位に共鳴したエネルギーを有する電子の
みがトンネリング可能となる。このため、その電流−電
圧特性には、図9(b)に示すようなピーク電流Ipと
バレー電流Ivを有する微分負性抵抗領域が生じる。こ
のような負性抵抗特性を有するヘテロ接合半導体装置に
よれば、印加電圧によってエミッタ層とコレクタ層とに
おける電子濃度を変化させることができるため、電流の
変調が可能となる。
【0004】このような二重障壁構造における共鳴トン
ネリング現象を利用した負性抵抗特性を有する共鳴トン
ネリング装置としては、AlGaAs/GaAsヘテロ
接合を用いた共鳴トンネリングダイオードや共鳴トンネ
リングトランジスタが知られている。また、InGaA
sにおける電子の移動度がGaAsにおけるそれと比較
して大きいこと、およびInGaAsとInAlAsと
の伝導帯端不連続度が大きいこと等から、特開平5−3
315号公報や、Applied Physics L
etters,1993年8月、第63巻第6号、77
3−775頁に開示されているようなInAlAs/I
nGaAsヘテロ接合を用いた共鳴トンネリングダイオ
ードや共鳴トンネリングトランジスタが注目されてい
る。
【0005】図10に、InAlAs/InGaAsヘ
テロ接合を用いた従来の共鳴トンネリングトランジスタ
の構造を示す。この共鳴トンネリングトランジスタは、
+−InP基板1上に、n+−In0.53Ga0.47Asコ
レクタ層2、アンドープ(以下、unと記す)−In
0.52Al0.24Ga0.24Asコレクタ障壁層9およびn−
In0.53Ga0.47Asベース層10からなる半導体デバ
イス主構造部を備えている。その上にはun−In0.53
Ga0.47Asスペーサ層3aを介して、un−In0.52
Al0.48As第1障壁層17aと、un−In0.53Ga
0.47As井戸層5と、un−In0.52Al0.48As第2
障壁層17bとからなる二重障壁構造が設けられてい
る。この二重障壁構造の上には、un−In0.52Al
0.48Asスペーサ層3bを介してn+型In0.53Ga
0.47Asエミッタ層6が形成されている。コレクタ障壁
層9およびベース層10はコレクタ層2の両端部が露出
するように形成されており、そのコレクタ層2の露出部
上にコレクタ電極7が設けられている。また、スペーサ
層3a、3b、第1障壁層17a、第2障壁層17b、
井戸層5およびエミッタ層6はベース層10の両端部が
露出するように形成されており、そのベース層10の露
出部上にベース電極11が設けられている。さらに、最
上層であるエミッタ層6の上にはエミッタ電極8が設け
られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述のような共鳴トン
ネリング現象を利用したヘテロ接合半導体装置におい
て、その動作温度範囲や動作マージンを拡大するために
は、図9(b)に示したピーク電流Ip対バレー電流I
vの比(Ip/Ivの値、以下、P/V比と称する)が
高いことが必要である。
【0007】しかし、InAlAs/InGaAsヘテ
ロ接合を用いた従来の共鳴トンネリング装置において
は、室温でのリーク電流(余剰電流)が大きいため、室
温でP/V比の向上を図ることは困難であった。さら
に、InAlAs層のAl組成比が高いので、InAl
As/InGaAsヘテロ界面に高密度の深い準位が観
測され、この深い準位により高速電位変調に対して電流
の位相遅れが生ずるという問題があった。
【0008】本発明はこのような従来技術における課題
を解決するためになされたものであり、P/V比の向上
および高速変調特性の改善を図ることができるへテロ接
合半導体装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のヘテロ接合半導
体装置は、InP基板上に、または、該InP基板上に
積層形成された半導体デバイス主構造部上に、アンドー
プInxAlyGa1-x-yP障壁層(但し、0.5≦x≦
1、0≦y≦0.5、x+y≦1)と、InuGa1-u
s(但し、0.5≦u≦1)層とが積層形成されたヘテ
ロ接合を備え、そのことにより上記目的が達成される。
【0010】前記アンドープInxAlyGa1-x-yP障
壁層の組成比xおよびyは、0.55≦x≦0.77お
よび0.23≦y≦0.45の範囲を満たすものであっ
てもよい。
【0011】本発明のヘテロ接合半導体装置は、InP
基板上に、または、該InP基板上に積層形成された半
導体デバイス主構造部上に、アンドープInxAlyGa
1-x-yP第1障壁層(但し、0.5≦x≦1、0≦y≦
0.5、x+y≦1)と、アンドープInuGa1-uAs
(但し、0.5≦u≦1)井戸層と、該第1障壁層と組
成比xおよびyが同一であるアンドープInxAlyGa
1-x-yP第2障壁層とが積層形成された二重障壁構造を
備え、該井戸層に量子準位を形成すると共に、該二重障
壁構造の厚みを電子のトンネリングが生ずる程度に薄く
してあり、そのことにより上記目的が達成される。
【0012】前記アンドープInxAlyGa1-x-yP第
1障壁層および前記アンドープInxAlyGa1-x-y
第2障壁層の組成比xおよびyは、0.55≦x≦0.
77および0.23≦y≦0.45の範囲を満たすもの
であってもよい。
【0013】前記半導体デバイス主構造部がコレクタ層
を備え、該二重障壁構造の該コレクタ層と反対側にエミ
ッタ層が形成されていてもよい。
【0014】以下、本発明の作用について説明する。
【0015】本発明に用いられているInxAlyGa
1-x-yP/InuGa1-uAs(0.5≦x≦1、0≦y
≦0.5、x+y≦1、0.5≦u≦1)ヘテロ接合に
よれば、従来から知られているIn0.52Al0.48As/
In0.53Ga0.47Asへテロ接合に比べてより大きい伝
導帯端不連続度△Ecが得られる。ヘテロ接合を構成す
る二種類の半導体の伝導帯端不連続度△Ecと、そのヘ
テロ接合におけるヘテロ障壁の高さとは、図9(a)に
示すような関係にあり、伝導帯端不連続度△Ecが大き
いほどヘテロ障壁が高くなる。ヘテロ障壁が高くなれ
ば、その障壁を乗り越える熱放出電子が少なくなるた
め、そのヘテロ界面におけるリーク電流が小さくなる。
【0016】また、本発明に用いられているInxAly
Ga1-x-yP/InuGa1-uAs(0.5≦x≦1、0
≦y≦0.5、x+y≦1、0.5≦u≦1)ヘテロ接
合によれば、従来から知られているIn0.52Al0.48
s/In0.53Ga0.47Asへテロ接合と同じ伝導帯端不
連続度△Ecが低いAl組成比により得られる。障壁層
やヘテロ接合を構成する化合物半導体中のAl組成比が
低くなれば、障壁層やヘテロ接合界面に深い準位の数が
減少するので、装置の信頼性が向上する。
【0017】また、本発明にあっては、量子準位が形成
されたInuGa1-uAs(但し、0.5≦u≦1)井戸
層をアンドープInxAlyGa1-x-yP第1障壁層(但
し、0.5≦x≦1、0≦y≦0.5、x+y≦1)
と、アンドープInxAlyGa1-x-yP第2障壁層とで
挟んだ二重障壁構造の厚みを電子のトンネリングが生ず
る程度に薄くすることにより、その井戸層の量子準位に
共鳴したエネルギーを有する電子のみがトンネリング可
能となっている。このヘテロ接合半導体装置の電流−電
圧特性にはピーク電流Ipとバレー電流Ivを有する微
分負性抵抗領域が生じ、印加電圧によってエミッタ層中
の電子濃度とコレクタ層中の電子濃度とが変化するた
め、出力電流が変調される。この共鳴トンネリング現象
を利用したヘテロ接合半導体装置において、伝導帯端不
連続度△Ecを大きくしてリーク電流を低減することに
より、ビーク電流対バレー電流比(P/V比)が向上し
て、装置の動作温度範囲や動作マージンが拡大する。ま
た、この共鳴トンネリング現象を利用したヘテロ接合半
導体装置において、化合物半導体中のAl組成比を低く
して深い準位を低減することにより、高速電位変調に対
する電流の位相遅れが少なくなる。
【0018】InxAlyGa1-x-yP障壁層のIn組成
比xおよびAl組成比yが、0.55≦x≦0.77お
よび0.23≦y≦0.45の範囲を満たす場合には、
従来のヘテロ接合半導体装置に比べて、ヘテロ接合界面
におけるリーク電流が低くなり、また、高速電位変調に
対する電流の位相遅れが少なくなる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0020】本発明のヘテロ接合半導体装置は、Inx
AlyGa1-x-yP(0.5≦x≦1、0≦y≦0.5、
x+y≦1)障壁層とInuGa1-uAs(0.5≦u≦
1)層とが積層形成されたヘテロ接合を備え、あるいは
InxAlyGa1-x-yP第1障壁層とInxAlyGa
1-x-yP第2障壁層とでInuGa1-uAs井戸層を挟ん
だ二重障壁構造を備えている。このようなInxAly
1-x-yP(0.5≦x≦1、0≦y≦0.5、x+y
≦1)/InuGa1-uAs(0.5≦u≦1)ヘテロ接
合を用いる理由については、以下の通りである。
【0021】ヘテロ接合においては、伝導帯端不連続度
△Ecをより大きくすることにより、そのヘテロ接合界
面におけるリーク電流を低減することができる。また、
そのヘテロ接合を構成する化合物半導体中のAl組成比
を低くすることにより、ヘテロ接合半導体装置の信頼性
を向上することができる。以上の点に着目して本願発明
者らは、以下のような検討を行った。
【0022】まず、InxAlyGa1-x-yP(0.5≦
x≦1、0≦y≦0.5、x+y≦1)/InuGa1-u
As(0.5≦u≦1)ヘテロ接合の伝導帯端不連続度
△Ecについて検討した結果を説明する。
【0023】従来、InxAlyGa1-x-yP/InuGa
1-uAsヘテロ接合の伝導帯端不連続度は全く報告され
ておらず、本願発明者らは、実験により初めてInx
yP/In0.53Ga0.47As(x+y=1)ヘテロ接
合の伝導帯端不連続度ΔEcを測定した。
【0024】図3に、In0.72Al0.28P/In0.53
0.47Asヘテロ接合の伝導帯端不連続度△Ecを測定
するために作製した、エピタキシャル成長層からなる素
子を示す。この素子は、n+−InP基板上に、膜厚1
000nmのn−InPバッファ層12、膜厚1000
nmのn−In0.53Ga0.47As動作層13およびアン
ドープIn0.72Al0.28Pショットキー層14が積層形
成されている。また、基板側にはオーミック電極15が
形成され、成長層側にはショットキー金属電極16が形
成されている。
【0025】図4に、上記In0.72Al0.28P/In
0.53Ga0.47Asショットキー接合において、空乏層厚
がゼロになる時のエネルギーバンド構造を示す。この図
4において、EFはフェルミレベル、Ecは伝導帯下端
エネルギーレベル、△Ecは伝導帯端不連続度を示すヘ
テロ接合部での伝導帯下端エネルギーレベル差、Viは
ショットキー接合の空乏層厚がゼロになる時のバイアス
電圧、Φbはショットキー障壁高さを示す。このショッ
トキー接合において、フェルミレベルEFはIn0.53
0.47As層中のキャリヤ濃度から計算できるため、図
4に示すように、ショットキー接合の空乏層厚がゼロに
なる時のバイアス電圧Viの値およびショットキー障壁
Φbの値が得られれば、伝導帯端不連続度△Ecの値が
抽出できる。
【0026】まず、図3に示したIn0.72Al0.28P/
In0.53Ga0.47Asショットキー接合について、電流
−温度(I−T)特性を測定して、図5に示すようなI
/T2対1000/T曲線を得た。この図5に示すよう
に、10℃以下の低温領域ではほぼ温度に依存しないト
ンネル電流が支配的であるのに対し、10℃以上の高温
領域では温度の増加と共に指数関数的に増加する熱放出
電流が支配的であった。この図5に示す高温領域におけ
るI/T2対1000/T曲線の傾きから、ショットキ
ー接合の熱放出モデルを用いることにより、ショットキ
ー障壁Φb=0.90eVが抽出できる。次に、図3に
示したIn0.72Al0.28P/In0.53Ga0.47Asショ
ットキー接合について、容量−電圧(C−V)特性を測
定して、図6に示すような1/C2対V曲線を得た。こ
の図6に示す1/C2対V曲線のx軸切片から、ショッ
トキー接合の空乏層厚がゼロになる時のバイアス電圧V
i=0.28eVが得られる。このようにして得られた
ΦbおよびViの値から、In0.72Al0.28P/In
0.53Ga0.47Asヘテロ接合における伝導帯端不連続度
△Ec=0.62eVが得られる。
【0027】このようにして得られたIn0.72Al0.28
P/In0.53Ga0.47Asヘテロ接合の伝導帯端不連続
度△Ecと、従来から知られているIn0.52Al0.48
s/In0.53Ga0.47Asヘテロ接合の伝導帯端不連続
度△Ecとを表1に示す。この表1から、In0.72Al
0.28P障壁層とIn0.53Ga0.47As井戸層とを組み合
わせることにより、より大きい伝導帯端不連続度△Ec
が得られることが分かる。従って、In0.72Al0.28
障壁層とIn0.53Ga0.47As井戸層とからなるヘテロ
接合によれば、二重障壁構造におけるリーク電流の低減
を実現することができる。
【0028】
【表1】
【0029】次に、InxAlyGa1-x-yP(0.5≦
x≦1、0≦y≦0.5、x+y≦1)/InuGa1
uAs(0.5≦u≦1)ヘテロ接合の伝導帯端不連続
度△EcのAl組成比(y)に対する依存性について検
討した結果を説明する。
【0030】従来、InxAlyGa1-x-yP/InuGa
1-uAsヘテロ接合の伝導帯端不連続度ΔEcについ
て、Al組成比(y)に対する依存性は報告されていな
いが、本願発明者らは、実験により初めてInxAly
/In0.53Ga0.47As(x+y=1)ヘテロ接合の伝
導帯端不連続度ΔEcのAl組成比(y)に対する依存
性を測定した。その結果を図7に示す。
【0031】図7に示すように、InxAlyP/In
0.53Ga0.47As(x+y=1)ヘテロ接合において、
Al組成比y≧0.23の領域では、従来から知られて
いるIn0.52Al0.48As/In0.53Ga0.47Asヘテ
ロ接合の伝導帯端不連続度△Ec=0.53eVよりも
大きい伝導帯端不連続度△Ecが得られる。また、Al
組成比y≦0.45の領域であれば、従来のヘテロ接合
半導体装置に比べて、ヘテロ接合界面におけるリーク電
流および高速変調動作時の位相遅れを共に低減すること
ができる。従って、InxAlyP(x+y=1)障壁層
とIn0.53Ga0.47As層とからなるヘテロ接合によれ
ば、より低いAl組成比でより大きい伝導端不連続度Δ
Ecを実現することができる。
【0032】これらの検討結果から、InxAlyGa
1-x-yP/InuGa1-uAs(0.5≦x≦1、0≦y
≦0.5、x+y≦1、0.5≦u≦1)ヘテロ接合に
よれば、従来から知られているIn0.52Al0.48As/
In0.53Ga0.47Asへテロ接合に比べて、より低いA
l組成比でより大きい伝導帯端不連続度△Ecが得られ
ることが分かった。このため、本発明では、InxAly
Ga1-x-yP(0.5≦x≦1、0≦y≦0.5、x+
y≦1)/InuGa1-uAs(0.5≦u≦1)ヘテロ
接合を用いているのである。
【0033】このヘテロ接合を用いて、量子準位が形成
されたInuGa1-uAs(但し、0.5≦u≦1)井戸
層をアンドープInxAlyGa1-x-yP第1障壁層(但
し、0.5≦x≦1、0≦y≦0.5、x+y≦1)
と、アンドープInxAlyGa1-x-yP第2障壁層とで
挟んだ二重障壁構造を形成する場合、井戸層に量子準位
を形成するためには、井戸層の厚みを量子準位が形成さ
れる程度に薄くし、例えば3nm程度にする。また、二
重障壁構造の厚みは電子のトンネリングが生ずる程度に
薄くし、例えば10nm程度にする。
【0034】以下に、本発明の実施の形態について、よ
り具体的に図面を参照しながら説明する。尚、以下の図
において、同一の機能を有する部分には同じ番号を付け
ている。
【0035】(実施形態l)図1は、実施形態1のヘテ
ロ半導体装置の構造を示す断面図である。このヘテロ半
導体装置は、n+−InP基板1上に、膜厚1000n
mのn+−In0.53Ga0.47Asコレクタ層2が形成さ
れている。その上には膜厚2nmのun−In0.53Ga
0.47Asスペーサ層3aを介して、膜厚4nmのun−
In0.72Al0.28P第1障壁層4aと、膜厚3nmのu
n−In0.53Ga0.47As井戸層5と、膜厚4nmのu
n−In0.72Al0.28P第2障壁層4bとからなる二重
障壁構造が設けられている。この二重障壁構造の上に
は、膜厚2nmのun−In0.53Ga0.47Asスペーサ
層3bを介して、膜厚400nmのn+−In0.53Ga
0.4 7Asエミッタ層6が形成されている。スペーサ層3
a、3b、第1障壁層4a、第2障壁層4b、井戸層5
およびエミッタ層6はコレクタ層2の両端部が露出する
ように形成されており、そのコレクタ層2の露出部上に
AuGa/Ni/Auからなるコレクタ電極7が設けら
れている。また、最上層であるエミッタ層6の上にはA
uGa/Ni/Auからなるエミッタ電極8が設けられ
ている。
【0036】この実施形態1のヘテロ接合半導体装置に
おいては、In0.72Al0.28Pからなる第1障壁層4a
および第2障壁層4bでIn0.53Ga0.47As井戸層5
を挟んだ二重障壁構造を備えているため、従来のIn
0.52Al0.48As障壁層を用いたヘテロ接合半導体装置
に比べて、より低いAl組成比でより高いヘテロ障壁が
得られ、リーク電流を低減すると共に信頼性を向上する
ことができる。
【0037】本実施形態1のヘテロ接合半導体装置にお
ける電流−電圧特性は、室温で負性抵抗特性を示した。
そのピーク電流とバレイ電流の比は最大11.2であ
り、従来のInAlAs/InGaAsヘテロ接合を用
いた共鳴トンネリング素子に比べて、ピーク電流とバレ
イ電流の比をおよそ二倍にすることができた。また、本
実施形態1のヘテロ接合半導体装置においては、第1お
よび第2障壁層中やヘテロ接合界面に観測される深い準
位が少なく、高速変調特性を改善することができた。
【0038】(実施形態2)図2は、実施形態2のヘテ
ロ接合半導体装置の構造を示す断面図である。このヘテ
ロ接合半導体装置は、n+−InP基板1上に、膜厚1
000nmのn+型In0.53Ga0.47Asコレクタ層
2、膜厚100nmのun−In0.52Al0.24Ga0.24
Asコレクタ障壁層9および膜厚50nmのn−In
0.53Ga0.47Asベース層10からなる半導体デバイス
主構造部を備えている。その上のスペーサ3aからエミ
ッタ層6までは上記実施形態1と同様の構成である。コ
レクタ障壁層9およびベース層10はコレクタ層2の両
端部が露出するように形成されており、そのコレクタ層
2の露出部上にAuGa/Ni/Auからなるコレクタ
電極7が設けられている。また、スペーサ層3a、3
b、第1障壁層4a、第2障壁層4b、井戸層5および
エミッタ層6はベース層10の両端部が露出するように
形成されており、そのベース層10の露出部上にAuG
a/Ni/Auからなるベース電極11が設けられてい
る。さらに、最上層であるエミッタ層6の上にはAuG
a/Ni/Auからなるエミッタ電極8が設けられてい
る。
【0039】本実施形態2のヘテロ接合半導体装置にお
いても、実施形態1のヘテロ接合半導体装置と同様に、
電流−電圧特性が室温で負性抵抗特性を示し、そのピー
ク電流とバレイ電流の比を高くすることができた。ま
た、第1および第2障壁層中やヘテロ接合界面に観測さ
れる深い準位が少なく、高速変調特性を改善することが
できた。
【0040】上記実施形態においてはy=0.28の場
合について説明したが、本発明者らがyの値を除々に変
化させて特性を検討したところ、0.23≦y≦0.4
5の範囲であれば、従来のヘテロ接合半導体装置に比べ
てリーク電流および位相遅れを共に低減することができ
た。
【0041】また、上記実施形態においては、Inx
yGa1-x-yP第1障壁層および第2障壁層中のIn組
成比xを0.72、Al組成比yを0.28、二重障壁
構造の厚みを11nmとしたが、他の値に設定してもよ
い。例えば、Journalof Crystal G
rowth、1974年、第27巻、118−125頁
に開示されている方法によれば、InxAlyP(x+y
=1)の臨界膜厚tcについて、In組成比xに対する
依存性を計算することができる。一方、本発明者らの実
験によれば、二重障壁構造の厚みがこの臨界膜厚の3倍
の値である3tc以下であれば、格子不整合による素子
特性の劣化は生じない。図8にInxAlyPの臨界膜厚
tcとAl組成比yとの関係を点線で示し、同時に3t
cとAl組成比yとの関係を実線で示す。本発明におい
て、二重障壁構造の厚みが上記文献に示されている方法
で決定される臨界膜厚tcの3倍(3tc)以下を満た
すものであれば、InxAlyGa1-x-yP障壁層のIn
組成比x、Al組成比yおよび二重障壁構造の厚みはど
のような値の組み合わせでもよい。但し、実用的な値と
しては0.5≦x≦l、0≦y≦0.5である。また、
上記実施形態ではInxAlyPについて説明したが、組
成比x+y=1に限られず、x+y<1としてGaを含
む障壁層を用いても良い。
【0042】また、障壁層と組み合わせるInuGa1-u
As層のIn組成比uの組成比および膜厚も上述したも
のに限られないが、実用的な値としては0.5≦u≦1
である。
【0043】さらに、上記実施形態においては、n型I
0.53Ga0.47Asベース層を用いたが、p型ベース層
を用いてもよい。コレクタ層、ベース層、エミッタ層お
よびコレクタ障壁層の組成比および膜厚も上述したもの
に限られない。
【0044】
【発明の効果】以上の説明から昭かなように、本発明に
よれば、InxAlyGa1-x-yP/InuGa1-uAs
(但し、0.5≦x≦1、0≦y≦0.5、x+y≦
1、0.5≦u≦1)へテロ接合を用いることにより、
従来のIn0.52Al0.48As/In0.53Ga0.47Asヘ
テロ接合を用いたヘテロ接合半導体装置に比べてより大
きい伝導帯端不連続度△Ecが得られ、ヘテロ接合界面
におけるリーク電流を低減することができる。このた
め、従来のInAlAs/InGaAsへテロ接合を用
いた共鳴トンネリング素子に比べて、ピーク電流とバレ
イ電流の比をおよそ二倍にすることができる。また、よ
り低いAl組成比でより大きい伝導端不連続度ΔEcが
得られるので、障壁層中やヘテロ接合界面に観測される
深い準位を減らすことができ、装置の高速変調特性を改
善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1のへテロ接合半導体装置を示す断面
図である。
【図2】実施形態2のへテロ接合半導体装置を示す断面
図である。
【図3】InAlP/InGaAsヘテロ接合の伝導帯
端不連続度ΔEcを測定するための素子を示す断面図で
ある。
【図4】InAlP/InGaAsショットキー接合に
おいて、空乏層厚がゼロになる時のエネルギーバンド構
造を示す図である。
【図5】InAlP/InGaAsショットキー接合に
ついて、電流−温度(I−T)特性を示すグラフであ
る。
【図6】InAlP/InGaAsショットキー接合の
容量−電圧(C−V)特性を示すグラフである。
【図7】InxAlyP/In0.53Ga0.47Asヘテロ接
合における伝導帯端不連続度のAl組成比yに対する依
存性を示すグラフである
【図8】InxAlyP臨界膜厚tcのAl組成比yに対
する依存性をグラフで示す図である
【図9】(a)は二重障壁構造におけるエネルギーバン
ド構造を示す図であり、(b)はその微分負性抵抗特性
を示すグラフである。
【図10】従来の共鳴トンネリング素子の構造を示す断
面図である。
【符号の説明】
1 n+−InP基板 2 n+−In0.53Ga0.47Asコレクタ層 3a、3b un−In0.53Ga0.47Asスペーサ層 4a un−In0.72Al0.28P第1障壁層 4b un−In0.72Al0.28P第2障壁層 5 un−In0.53Ga0.47As井戸層 6 n+−In0.53Ga0.47Asエミッタ層 7 コレクタ電極 8 エミッタ電極 9 un−In0.52Al0.24Ga0.24Asコレクタ障壁
層 10 n−In0.53Ga0.47Asベース層 11 ベース電極 12 n−InPバーファ層 13 n−In0.53Ga0.47As動作層 14 un−In0.72Al0.28Pショットキー層 15 オーミック電極 16 ショットキー電極 17a、17b un-In0.52Al0.48As障壁層 E1、E2 量子準位 EF フェルミレベル Ec 伝導帯下端エネルギーレベル △Ec 伝導帯端不連続度 Vi ショットキー空乏層厚がゼロの場合のバイアス電
圧 Φb ショットキー障壁

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 InP基板上に、または、該InP基板
    上に積層形成された半導体デバイス主構造部上に、アン
    ドープInxAlyGa1-x-yP障壁層(但し、0.5≦
    x≦1、0≦y≦0.5、x+y≦1)と、InuGa
    1-uAs(但し、0.5≦u≦1)層とが積層形成され
    たヘテロ接合を備えたヘテロ接合半導体装置。
  2. 【請求項2】 前記アンドープInxAlyGa1-x-y
    障壁層の組成比xおよびyは、0.55≦x≦0.77
    および0.23≦y≦0.45の範囲を満たす請求項1
    に記載のヘテロ接合半導体装置。
  3. 【請求項3】 InP基板上に、または、該InP基板
    上に積層形成された半導体デバイス主構造部上に、アン
    ドープInxAlyGa1-x-yP第1障壁層(但し、0.
    5≦x≦1、0≦y≦0.5、x+y≦1)と、アンド
    ープInuGa1-uAs(但し、0.5≦u≦1)井戸層
    と、該第1障壁層と組成比xおよびyが同一であるアン
    ドープInxAlyGa1-x-yP第2障壁層とが積層形成
    された二重障壁構造を備え、該井戸層に量子準位を形成
    すると共に、該二重障壁構造の厚みを電子のトンネリン
    グが生ずる程度に薄くしてあるへテロ接合半導体装置。
  4. 【請求項4】 前記アンドープInxAlyGa1-x-y
    第1障壁層および前記アンドープInxAlyGa1-x-y
    P第2障壁層の組成比xおよびyは、0.55≦x≦
    0.77および0.23≦y≦0.45の範囲を満たす
    請求項3に記載のヘテロ接合半導体装置。
  5. 【請求項5】 前記半導体デバイス主構造部がコレクタ
    層を備え、該二重障壁構造の該コレクタ層と反対側にエ
    ミッタ層が形成されている請求項3または4に記載のヘ
    テロ接合半導体装置。
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